朝ドラ【オードリー】のキャスト・相関図・ネタバレあらすじ!モデルは大石静さん、BSで再放送!
岡本綾主演のNHK朝ドラ(連続テレビ小説)【オードリー】が2024年4月、BSで再放送されます。
舞台は京都・太秦。アメリカ帰りの父から“オードリー”と呼ばれて育った佐々木美月(岡本綾)の映画作りにかけた挫折と成功の物語。主人公・美月のモデルは本作の脚本も務める大石静さんです。
今回は【オードリー】キャスト・相関図・ネタバレあらすじについて!
朝ドラ【オードリー】のキャスト
朝ドラ【オードリー】の主なキャスト・登場人物↓
- 岡本綾…役:佐々木美月(ささき みづき)-主人公。愛称オードリー。芸名:吉岡美月。
- 賀来千香子…役: 佐々木 愛子(ささき あいこ) – 美月の実母。
- 段田安則…役:佐々木 春夫(ささき はるお) – 美月の父。
- 長嶋一茂…役:錠島直也(じょうじま なおや) – 大部屋俳優。
- 堺雅人…役:杉本英記(すぎもと ひでき) – 助監督。
- 佐々木蔵之介…役:幹 幸太郎(みき こうたろう) – 大京の新鋭スター役者。
- 石井正則…役:関川 徹(せきかわ とおる) – プロデューサー。
- 茂山逸平(幼少期:奥村紫龍、少年期:小谷力) …役:佐々木 梓(ささき あずさ) – 美月の弟。
- 林与一…役:桃山剣之助(ももやま けんのすけ) – 大京のスター俳優。愛称:モモケン。
- 國村隼…役:黒田 茂光(くろだ しげみつ) – 大京映画撮影所の社長。
- 藤山直美(少女期:大橋絵里加)…役:宮本君江(みやもと きみえ) – 「椿屋」の住み込み。
- 舟木一夫…役:栗部金太郎(くりべ きんたろう) – 大京のスター俳優。愛称:クリキン。
- 沢田研二…役:麻生祐二(あそう ゆうじ) -滝乃の元恋人。
- 大竹しのぶ(少女期:戸田恵梨香)…役:吉岡滝乃(よしおか たきの)- 美月の養母。老舗旅館「椿屋」女将。
朝ドラ【オードリー】の相関図
画像出典アメブロ
朝ドラ【オードリー】のネタバレあらすじ
京都・太秦に生まれた佐々木美月(岡本綾)は、アメリカ帰りの父・春夫(段田安則)から“オードリー”と呼ばれて育った。
美月の家庭環境は、父に加え、母・愛子(賀来千香子)と老舗旅館の女主人・吉岡滝乃(大竹しのぶ)の3人に育てられる複雑なもの。
そんな中、美月は映画に興味を持ち、両親の反対をよそに、大部屋女優になる。
そして、友人の杉本英記(堺雅人)の監督作品に出演。その後、挫折を経て、再び映画の世界に舞い戻る美月。
戦後の映画・テレビの歴史を描きつつ、主人公の美月が女優から映画監督になるまでのストーリー。
第1週(1話~6話)
第1週の初放送日:2000年10月2日 – 10月7日
昭和28年(1953年)9月、雨上がりの満月の夜、春夫(段田安則)と愛子(賀来千香子)の間に産まれた女の子は、隣に住む旅館のおかみ・滝乃(大竹しのぶ)によって美月と名付けられ、アメリカ帰りの父・春夫は英語でオードリーと呼ぶ。滝乃は勝手に美月を連れ出しては、自分の部屋でミルクを飲ませたりして、愛子をいらだたせる。愛子は、滝乃が連れ出すのをやめさせたいが、春夫は「滝さんにはお世話になってるから」と言うだけで…。
美月が滝乃(大竹しのぶ)に連れ出されて、愛子(賀来千香子)はまた春夫(段田安則)に当たる。愛子が春夫を連れて滝乃のところへ行くと、君江(藤山直美)が美月をあやしていて、滝乃は大京映画の黒田社長(國村淳)と関川(石井正則)の相手をしていた。大京映画では、2大スターの栗部金太郎(舟木一夫)と桃山剣之助(林与一)をしのぐスターを発掘しようとしていて、白羽の矢が立ったのが、幹幸太郎(佐々木蔵之介)だった。
昭和29年(1954年)、弟の梓が産まれた。梓が入院して、春夫(段田安則)と愛子(賀来千香子)が梓につきっきりになっている間に、滝乃(大竹しのぶ)は自宅を改装して美月の部屋を作り、美月を寝泊まりさせていた。愛子は再三春夫に、美月を連れ出さないよう、滝乃にはっきり言うようにと文句を言うが、春夫は意に介さない。そんなある日、美月が熱を出し、滝乃は愛子には知らせず、医者を呼び、隣家の騒ぎに気付いた愛子が乗り込んで…。
昭和30年(1955年)、バナナが高級品だった当時、佐々木家では滝乃(大竹しのぶ)からもらって食卓に並んでいた。大京映画では、黒田(國村隼)の目論見が当たり、幹幸太郎(佐々木蔵之介)の人気が高まり、撮影所にファンが押しかけて新聞記事になるほど。その頃、オードリー・ヘプバーンの『ローマの休日』のリバイバル上映があり、春夫(段田安則)は滝乃とまだ一歳の美月を連れて見に行く。愛子(賀来千香子)は家で洗濯しながら…。
5歳になった美月(岸由紀子)は、椿屋と佐々木家の渡り廊下を通って、両家を自由に行き来するようになっていた。父・春夫(段田安則)とは英語で会話するバイリンガルのような生活。ある日、滝乃(大竹しのぶ)が夕食を佐々木家で取った時、美月の将来について話しが対立。美月を男女共学の公立学校にいかせて社会に出て働く女性に育てたい愛子(賀来千香子)と、私立の女子校からいい家に嫁入りさせたい滝乃の間で、小さないさかいが起こる。
昭和33年(1958年)。春夫(段田安則)は美月(岸由紀子)に、オードリーはママ(賀来千香子)とお母ちゃま(大竹しのぶ)の二人いて幸せだ、と英語で語る。美月の幼稚園の面接で、美月の短所を聞かれた春夫は、「欠点は無い、親が子供を誉めないでどうする、自分が好きな日本語は親バカだ。」と主張し、これで不合格になった、と愛子は内心喜ぶが、予想に反して美月は合格。愛子は不満だが、自分の思い通りになって嬉しい滝乃は喜び…。
第2週(7話~12話)
第2週の初放送日:2000年10月9日 – 10月14日
昭和34年(1959年)4月、美月(岸由紀子)が一人で椿屋の前で遊んでいると、撮影所の子供達が来て、美月に焼き芋を渡す。すると滝乃が(大竹しのぶ)焼き芋を奪って子供たちを追い返す。滝乃は撮影所の子供たちとは遊ばないよう言い聞かせるが、美月は納得できない。幼稚園の入園式では、春夫(段田安則)が美月を「オードリー」と呼び、美月は固まってしまう。同年代の子供たちに慣れていない美月のことを愛子(賀来千香子)が指摘し…。
美月(岸由紀子)は、幼稚園へ行きたくないとごねる。愛子(賀来千香子)と滝乃(大竹しのぶ)がなんとか連れ出そうと声をかけていると春夫(段田安則)が理屈で説得しようとする。滝乃がとりあえず幼稚園を休ませるが、春夫は美月の気持ちがわからない。椿屋の下働きの君江(藤山直美)が美月を元気づけようと、大京映画のオープンセットに連れて行く。君江がエキストラを頼まれて目を離したすきに、美月はセット内を歩き回り…。
撮影所内をさまよった美月(岸由紀子)は、クリキン(舟木一夫)に可愛がられたりしながら楽しく過ごす。君江(藤山直美)と一緒に椿屋に戻った美月は、動物園で楽しく過ごした、明日から幼稚園に行く、と明るく宣言し、愛子(賀来千香子)と滝乃(大竹しのぶ)は喜ぶ。美月は幼稚園で明るく過ごして先生たちも胸をなでおろすが、春夫(段田安則)が幼稚園でフラフープを披露し、オードリーと呼ぶので、美月はまた春夫を拒絶する。
昭和39年(1964年)になると、大河ドラマ「赤穂浪士」も始まり、映画の観客動員数は、33年のピークからわずか5年で半減していた。美月(大橋梓)は小学5年になり、滝乃(大竹しのぶ)の自家用車で送迎されて、弟の梓(小谷力)は、愛子(賀来千香子)の教育方針で、近所の公立学校へ通っていた。愛子は、美月と少しでも一緒にいるために、椿屋の手伝いをしている。役員たちに喝を入れ、大京映画の起死回生を図る黒田(國村隼)は…。
美月(大橋梓)は、小学校の保護者参観日のお知らせを春夫(段田安則)に隠していたが、部屋を掃除に入った君江(藤山直美)が隠していた紙を見つけ、春夫にばらしてしまう。小学校にかけつけた春夫が教室に入ってきたとたん、それまでの快活さとは打って変わって元気がなくなる美月。春夫が気にせず教室で場を盛り上げるので、落ち込んだ美月は部屋に帰って閉じこもり、愛子(賀来千香子)と滝乃(大竹しのぶ)は困惑する。
部屋に閉じこもったまま寝ていた美月(大橋梓)は、悪夢を見て隣室の滝乃(大竹しのぶ)に抱きつく。滝乃は、君江(藤山直美)と楽しそうに笑う美月を思い出し複雑な気持ちだが、抱きしめる。美月のことが心配で眠れなかった愛子(賀来千香子)が心配して様子を見に行くが、眠りながら滝乃に抱きつく美月を見て、ショックを受ける。翌日、お茶の稽古に君江と出かけた美月は、撮影所の前で君江を振り切って、撮影所に駆け込んで…。
第3週(13話~18話)
第3週の初放送日:2000年10月16日 – 10月21日
滝乃(大竹しのぶ)は、美月(大橋梓)が使用人の君江(藤山直美)と仲良くすることに腹を立てていた。君江と美月が映画に出たのが気に入らないのだ。滝乃は美月に、映画の世界に近づかず、お嬢様として生きることを約束させる。たまたまその映画を見ていた春夫(段田安則)が愛子(賀来千香子)に、美月が映画に出ていたと話すと、愛子は滝乃に話を聞きに行く。愛子は美月に、撮影所に行きたかったら内緒にせずに私に言えと…。
大京映画の黒田(國村隼)が椿屋で、大事な接待だからと滝乃(大竹しのぶ)に、美月(大橋梓)に顔を出してもらうよう頼む。滝乃も愛子(賀来千香子)も驚くが、クリキン(舟木一夫)が美月を気に入ってるから、というのが理由だった。黒田の狙いは、クリキンとモモケン(林与一)にテレビに出てもらうことだったが、二人とも断る。「私の夢」という絵を描く宿題で、撮影所の絵を描いた美月に滝乃は、絵を描き直すよう説得する。
美月(大橋梓)が部屋で宿題の絵を描いていると、春夫(段田安則)が部屋に来て、自分の人生は自分で決めればいい、と諭す。美月は愛子(賀来千香子)、春夫、滝乃(大竹しのぶ)がそれぞれ違うことを言うので混乱し、倒れてしまう。滝乃は、愛子と春夫を部屋に呼び出し、三人がそれぞれ違う意見を言うのはやめた方がいいと提案し、「私の考えが違うと思ったら私に直接言え」と、二人に頭を下げて頼む。その晩愛子は家に帰らず…。
美月(大橋梓)の11歳の誕生日。プレゼントを渡し終えて、お母ちゃまとして滝乃(大竹しのぶ)がケーキを持って現れる。「愛子(賀来千香子)がお母ちゃんじゃないの?」と子供たちは一瞬混乱するが、滝乃が「私は、若いおばあちゃんだから、お母ちゃまと呼ばせてる」と説明し、愛子も美月も安心する。美月は春夫(段田安則)が来ないことを祈っていたが、春夫は8ミリカメラで撮影しながら現れ、春夫のカメラをプレゼントする。
昭和39年(1964年)の東京オリンピックに合わせて、椿屋はカラーテレビを入れる。開会式のテレビ画面の写真を撮る美月(大橋梓)。途中春夫(段田安則)が来て、「オリンピックの何が素晴らしいのか」と言って水を差すが、美月たちは気にしない。一方、モモケン(林与一)・クリキン(舟木一夫)両御大の大河ドラマの出演依頼を大京映画の黒田(國村隼)は断るが、モモケンとクリキンは「なぜ相談しない」と腹を立て、フリー宣言をする。
編集者の吉村(中川浩三)に熱を上げる住み込み従業員の泰子(内田直)に、高望みするな、と釘を刺す滝乃(大竹しのぶ)。美月(大橋梓)は「高望み」を辞書で調べる。泰子は愛子(賀来千香子)に、滝乃の言うことはおかしいと訴え、愛子は「恋愛は、その人が責任を取れれば自由」と答えるが、滝乃は愛子に、泰子に無責任なことは言うな、と注意する。春夫(段田安則)は美月に、写真はアングルが大事と言い、映画の招待券を渡す。
第4週(19話~24話)
第4週の初放送日:2000年10月23日 – 10月28日
昭和40(1965年)夏、6年生になった美月(大橋梓)は新聞部で学校から帰るのも遅くなることが多くなり、帰りに撮影所に寄ってもバレなかった。滝乃(大竹しのぶ)と愛子(賀来千香子)は相変わらず言うことは正反対で、滝乃は「いい家にお嫁に行け」と言いながら茶道の稽古をし、愛子は「世間を知っておいてほしい」と八百屋で野菜の選び方を教える。君江(藤山直美)は杉本(堺雅人)への思いが募って、滝乃に「暇をください」と…。
美月(大橋梓)と君江(藤山直美)が二人で書いた、杉本(堺雅人)へのラブレター。撮影所でのエキストラの時に君江は杉本へ渡せず、美月が代わりに渡す、と預かる。美月は幸太郎(佐々木蔵之介)に、「あのカチンコを持ってる人に渡してほしい」と託し、手紙はその時カチンコを持っていた黒田(國村隼)に渡ってしまう。中身を確認した黒田は、手紙を滝乃(大竹しのぶ)に渡し、滝乃は愛子(賀来千香子)と春夫(段田安則)に…。
君江(藤山直美)と滝乃(大竹しのぶ)のことを思って眠れない美月(大橋梓)。自分もテレビ禁止、外出禁止にして、と滝乃に頼む。春夫(段田安則)は気になって椿屋へ行こうとするが、愛子(賀来千香子)に止められる。翌日、なんとか学校へ行った美月は、帰りに晋八(柴田光)に会い、芝居してるところを写真に撮ってくれと頼まれる。撮影所にはズボンをはいてこい、と言われた美月は滝乃にズボンを買ってくれと頼むが断られ…。
晋八(柴田光)の付き人になって美月(大橋梓)は、ロケに付いていく。晋八が橋から川に落ちる大事なカットだが、泳げないのを黙っていた晋八は、直前で泣き出し撮影が続行できなくなってしまう。助監督の杉本(堺雅人)に頼まれて、美月が吹き替えをすることになり、代わりに飛び込む美月。撮影はうまくいき、晋八と一緒に帰っているところを、滝乃(大竹しのぶ)に見つかってしまう。撮影所に近づいたらダメだと言う滝乃は…。
晋八(柴田光)が美月(大橋梓)にうどんを持ってくるが、滝乃(大竹しのぶ)は話も聞かず追い返す。美月が追いかけようとするのを滝乃が止めるので、美月は椿屋を出て佐々木家へ戻ってしまう。いつまでも椿屋に戻らないので、滝乃が美月に謝りに来るが、美月は春夫(段田安則)の部屋に閉じこもり会おうとしない。椿屋の仕事で滝乃が動けない時間があるのを聞きつけた美月は、その間に撮影所に行こうと君江(藤山直美)を誘い…。
佐々木家にいる美月(大橋梓)に、愛子(賀来千香子)は嬉々として料理や洗濯など家事を教える。会食会で滝乃(大竹しのぶ)がかかりきりになっている間に、君江(藤山直美)と椿屋を抜け出した美月は、撮影所で幹幸太郎(佐々木蔵之介)に、将来いい女優になれる、と声をかけられる。晋八(柴田光)と仲直りできた美月は、君江と椿屋に戻る。椿屋では滝乃が待ち構えていて、君江に出て行けと言い、春夫(段田安則)と愛子に…。
第5週(25話~30話)
第5週の初放送日:2000年10月30日 – 11月4日
滝乃(大竹しのぶ)は「美月(大橋梓)を養女にしたい」と愛子(賀来千香子)と春夫(段田安則)に頭を下げる。美月は目を覚まし、話を聞きたいと言う。愛子が滝乃の言うことを聞くはずもなく、滝乃はこのことは愛子と春夫でよく話し合ってくれと言い残し、椿屋へ戻る。美月は椿屋へ戻るが、滝乃の部屋には入らず、君江(藤山直美)がいる女中部屋に入る。部屋では旅支度をした君江が立っていて、美月とはもう二度と会えない、と…。
椿屋を出た君江(藤山直美)と美月(大橋梓)は、「続・葉隠仙鋭」の話をしながら夜の京都を歩いていく。そのまま夜汽車に乗り、美月が知らない話の続きを語り始めるので、君江は驚き、美月は映画を作ったらいい、と言いながら寝てしまう。翌日、椿屋にも佐々木家にも美月がいないことがわかり、愛子(賀来千香子)も滝乃(大竹しのぶ)も慌てて探し出す。そのまま熊本の君江の故郷に着いた君江と美月は、話の続きを語りながら…。
美月(大橋梓)と君江(藤山直美、少女時代・大橋絵里加)は、祖母・スエ(津島道子)と別れて京都へ出てきた頃のことを話す。一方、京都では滝乃(大竹しのぶ、少女時代・戸田恵梨香)と春夫(段田安則)が、君江との出会いからのエピソードを語る。椿屋では、大京映画が勝新と市川雷蔵の接待をするという。その頃君江の故郷・山鹿を目指す愛子(賀来千香子)。君江は、祖母に会いづらいのか、色々寄り道して帰ろうとしない。
山鹿から滝乃(大竹しのぶ)に電話する愛子(賀来千香子)。電話を替わり滝乃に、君江(藤山直美)は京都に戻らない、すぐに熊本へ来て、と言う美月(大橋梓)。すぐには無理、と答える滝乃に美月は、「お母ちゃまは、私より椿屋が大事」と言い電話を切る。ショックを受ける滝乃。スエ(津島道子)の手料理を囲み、穏やかなひと時を過ごした翌日の灯篭踊りの日。美月が君江の灯篭踊りを見て京都へ帰る、と愛子に話していると…。
深夜の飛行機でやってきた滝乃(大竹しのぶ)。美月(大橋梓)は泊まっていけないのかと聞くが、滝乃は、夕方までには帰ってお客様を迎えなければならない、と言う。美月をめぐる話し合いは続き、美月に自分の力で自立して強く生きていける子に育ってほしいと願う愛子(賀来千香子)と、出来るだけ苦労させずに育てたい滝乃(大竹しのぶ)の気持ちはぶつかる。「もう撮影所には行かないから干渉しないで」と滝乃に頼む美月は、6年後…。
昭和46年(1971年)、美月(岡本綾)は18歳。翌3月、高校の卒業式の帰り道で美月は、「大学へは行かない。女優になる」と滝乃(大竹しのぶ)、愛子(賀来千香子)、春夫(段田安則)の前で宣言し、6年間封印していた撮影所へ向かう。「葉隠仙鋭」の現場では、幹幸太郎(佐々木蔵之介)が美月にコーラを渡し、歓迎する。何度か椿屋で顔を合わせていた杉本(堺雅人)は驚かないが、幸太郎が共演しようと言うと、顔色を変える女優たち…。
第6週(31話~36話)
第6週の初放送日:2000年11月6日 – 11月11日
卒業式の後、そのまま大京映画に向かった美月(岡本綾)は、社長室で黒田(國村隼)と関川(石井正則)に、「大京映画で映画女優になりたい」と頭を下げる。黒田は断るが、美月は諦めない。もみじ(三田篤子)たち大部屋の女優は、幸太郎や英記と親し気な美月が気に入らない。楽屋で錠島(長嶋一茂)や晋八(仁科貴)を問い詰める。椿屋では、滝乃(大竹しのぶ)、愛子(賀来千香子)、春夫(段田安則)を前に美月が決意を述べる。
滝乃(大竹しのぶ)は黒田(國村隼)に、「美月(岡本綾)を大京映画に入れてやってくれ」と頼む。東京に出ていかれるより、手元に置いておいた方がいい、という考えだった。美月は芸名「吉岡美月」として、大京映画の大部屋女優となり、初日から先輩の女優たちからの様々な嫌がらせを受ける。春夫(段田安則)も愛子(賀来千香子)も美月のことが気になって、春夫は、愛子が声をかけると、「うるさい」と怒鳴り返してしまい…。
撮影所で散々だった美月(岡本綾)が帰っていると、気にして待ち伏せていた晋八(仁科貴)が声をかける。家に帰ると、美月を気遣って滝乃(大竹しのぶ)がケーキを持って現れ、続けざまに梓(茂山逸平)が入ってくる。梓は、春夫(段田安則)が自分の行きたい進路を認めてくれない、と相談に来たのだった。佐々木家で愛子(賀来千香子)も交えて、「何で俺には英語の名前が無いんや?」と子供のころからの思いを打ち明ける梓。
雀蓮(三林京子)に次回作の企画のお告げを聞きに行く黒田(國村隼)と関川(石井正則)。黒田は椿屋で滝乃(大竹しのぶ)に作品の執筆について、先生の世話をよろしく頼み、滝乃は撮影所での美月(岡本綾)の様子を聞き出そうとするが、黒田は「大部屋女優のことなどいちいち覚えてない」と言い捨てる。美月が帰りに大部屋の掃除をしていると、先輩の樹里(井元由香)が、幸サマと東山寺で待ち合わせがあるから、と帰っていく。
大京映画の超大作「無頼人」のキャストが発表され、美月(岡本綾)はセリフは一言だが「役付き」に抜擢される。新入りの美月が選ばれたことに複雑な思いの大部屋俳優陣。美月は帰って、愛子(賀来千香子)と春夫(段田安則)に役の説明をする。滝乃(大竹しのぶ)は黒田(國村隼)に、抜擢した真意を聞く。黒田は、これで大部屋連中のイジメがエスカレートして、耐えられなくなった美月は滝乃の望み通りやめるだろう、と言うが…。
椿屋の前で、「オードリー」と呼ばれた美月(岡本綾)。撮影所で大部屋俳優たちからオードリーと呼ばれてからかわれるが、杉本(堺雅人)だけは、「いいじゃないか」と肯定的だった。愛子(賀来千香子)は関川(石井正則)から美月のイジメの様子を聞くが、途中で滝乃(大竹しのぶ)が声をはさみ、電話を切られてしまう。無頼人の撮影が始まり、夜中まで見学して帰る美月に、「うどん食ってかないか?」と杉本が声をかけて…。
第7週(37話~42話)
第7週の初放送日:2000年11月13日 – 11月18日
錠島(長嶋一茂)のおかげで、失敗せずに済んだ美月(岡本綾)。疲れ切って椿屋に帰ると、熱を出して倒れてしまう。カツドウ屋では、もみじ(三田篤子)たち大部屋俳優が、なぜ、錠島が美月を助けたのかと騒ぎ、今から追加シーンの撮影があるからと、電話で美月をだまして撮影所に呼び出す。滝乃(大竹しのぶ)と愛子(賀来千香子)が止めるのも聞かず出ていく美月。誰もいないので俳優会館に行くと、そこでは錠島が一人で…。
倒れて、錠島(長嶋一茂)の部屋で目覚めた美月(岡本綾)。錠島の部屋から出てきたところを晋八(仁科貴)が目撃する。美月が家に帰ると、滝乃(大竹しのぶ)と愛子(賀来千香子)が質問を浴びせるが、美月は答えずに、疲れたと言って部屋に籠もる。晋八は大部屋に駆け付け、大部屋で一人夜を明かした錠島に、美月に何をした、どうして美月を助けた、と詰め寄る。錠島は、くだらないいたずらで映画を壊す奴が許せない、と答える。
美月(岡本綾)が通りかかるのを待ち伏せていた晋八(仁科貴)と出勤し、一緒に大部屋の掃除をしながら美月は晋八から錠島(長嶋一茂)の経歴を聞く。衣裳部屋から戻り、支度をしていると、幸太郎(佐々木蔵之介)の部屋に呼び出される。幸太郎は「無頼人は当たると思うか?」と聞き、美月は「質は高いと思う」と答える。出て行こうとする美月に、「この映画もあとわずか。幸太郎の芝居、しっかり焼き付けておけ」と言い付ける。
カツドウ屋で錠島(長嶋一茂)に美月(岡本綾)が声をかけようとすると、晋八(仁科貴)が帰ってきて、錠島に声がかけられない美月。帰っても様子がおかしい美月に対して滝乃(大竹しのぶ)は、美月に好きな男でもできたのかと愛子(賀来千香子)に相談する。翌日、撮影が終わって、お茶を出すと、いつもと反応が違うもみじ(三田篤子)たち。帰りがけに編集室を覗いた美月は杉本(堺雅人)に「無頼人」はどう思う、と聞かれて…。
大京映画の運命がかかった超大作「無頼人」のクランクアップの日。黒田社長(國村隼)に言われて、美月(岡本綾)は幸太郎(佐々木蔵之介)に花束を渡す。記念写真を撮ろうと一同スタンバイしていると、スーツ姿で幸太郎が現れ、大京映画を辞めると宣言する。カツドウ屋では、大部屋俳優たちとスタッフの打ち上げが開かれて、杉本(堺雅人)は大京映画の存続は「無頼人」にかかっている、と言う。美月は完成した映画を見て…。
「無頼人」はヒットせず、美月(岡本綾)たち専属俳優は自宅待機となった。美月の大学を休学扱いにしていた滝乃(大竹しのぶ)は喜ぶが、美月は愛子(賀来千香子)に、休学のことを知ってたのか、と問い詰める。黒田(國村隼)は椿屋に幸太郎(佐々木蔵之介)を呼び出し、役員扱いで大京映画にとどまってくれるよう頼むが、幸太郎はもう映画にはこだわらない、と断る。黒田は大京映画の役職員を集めて、テレビ界に打って出ると…。
第8週(43話~48話)
第8週の初放送日:2000年11月20日 – 11月25日
河原で錠島(長嶋一茂)に抱きしめられた美月(岡本綾)。錠島は、「人を信じない。」と言って去る。ボーっとして帰ってくる美月に愛子(賀来千香子)が声をかける。母親の勘で美月に好きな人が出来た、と気づく愛子。滝乃(大竹しのぶ)の様子が気になって、美月が部屋に話に行くと、滝乃にはギリギリ気づかれなかったようだった。黒田(國村隼)は杉本(堺雅人)を呼び出し、テレビシリーズの監督を打診するが、杉本は断り…。
梓(茂山逸平)のアパートに食料を持ってきた美月(岡本綾)が梓と一緒にアパートを出ると、もみじ(三田篤子)とすれ違う。梓の隣の部屋に住んでいるのは錠島(長嶋一茂)だった。家で美月が愛子(賀来千香子)と春夫(段田安則)に梓のことを話していると、いとこのリチャード(トロイ)が訪ねてきた。リチャードは春夫の兄の息子で、ベトナム戦争従軍中に、休暇で日本に来たのだった。リチャードは椿屋で日本文化に触れ…。
美月(岡本綾)は錠島(長嶋一茂)の部屋に、解雇にならなかった知らせと弁当の差し入れを持っていく。梓(茂山逸平)の部屋にも顔を出し、リチャード(トロイ)に会いに来るように誘うが、梓は断る。リチャードと椿屋で懐石弁当を食べて親交を深め、翌日には大京映画の撮影所を案内する。衣裳の紀代麿(麿赤兒)は大京に残留していた。夜にはカツドウ屋で、ロクさん(夢路いとし)やもみじ(三田篤子)たちの送別会が開かれて…。
悪夢にうなされて騒ぐリチャード(トロイ)に驚き、美月(岡本綾)と滝乃(大竹しのぶ)が部屋に駆けつける。休暇が終わりに近づき、基地に戻りたくないリチャードは精神的に追い詰められていた。春夫(段田安則)は「戦争は終わる」となだめるが、落ち込むリチャードを元気づけようと、美月は大部屋連中に協力してもらい、日本舞踊や剣劇などの余興を見せる。杉本(堺雅人)は黒田(國村隼)に必ず面白いテレビ時代劇を創ると…。
錠島(長嶋一茂)が椿屋に美月(岡本綾)を訪ねてきて、滝乃(大竹しのぶ)は品定めするために、錠島を椿屋に上げる。錠島は、杉本(堺雅人)のテレビ時代劇の主役に選ばれた、と美月に話に来たのだった。滝乃は愛子(賀来千香子)にも錠島を確認するよう促し、美月が好きなのは錠島かもしれないと疑う愛子は、錠島に「美月を大切に扱ってください。」と念を押す。錠島は帰り際、「美月は俺の女神かもしれない。」と感謝して…。
杉本(堺雅人)は美月(岡本綾)に、「テレビだからできることは何か」と聞き、新しい企画を考える根底になる錠島(長嶋一茂)のことをもっと知りたい、と会いに行く。錠島を興信所を使って調べさせた滝乃(大竹しのぶ)は、報告書を読んで愛子(賀来千香子)に、別れさせようと相談する。愛子の話を聞いた春夫(段田安則)が家を飛び出して錠島に会いに行くと、そこは梓(茂山逸平)のアパート。そこで美月たちは鉢合わせて…
第9週(49話~54話)
第9週の初放送日:2000年11月27日 – 12月2日
美月(岡本綾)は滝乃(大竹しのぶ)に、椿屋を継ぐために別れた人のことを聞く。滝乃は答えず、今は美月の話だと言うが、美月は錠島(長嶋一茂)のことが好きだ、と迷いなく答える。愛子(賀来千香子)は春夫(段田安則)に、滝乃と恋愛してたのか、と聞くが、春夫は愛しているのは愛子だけだ、と答え、昔のことは誤魔化す。悩む美月は錠島のアパートを訪れるが不在。梓(茂山逸平)の部屋にいると、樹里(井元由香)が来て…。
夜、美月(岡本綾)が帰ると、美月のことを思い、泣く滝乃(大竹しのぶ)。あくる日大京映画では、監督の杉本(堺雅人)が集めたスタッフに、新しい企画への決意を語る。カツドウ屋で杉本は晋八(仁科貴)に、殺陣師になって新しい殺陣を作ってくれ、と頼む。役者を続けたい晋八は泣いて拒むが、杉本は殺陣師としてしか必要としていない、と熱く説得する。そこに錠島(長嶋一茂)がやってきて、杉本に抜擢を感謝すると、晋八は…。
晋八(仁科貴)は美月(岡本綾)に、自分の芝居はそんなに下手か、と聞くが美月にはわからない。錠島(長嶋一茂)が晋八に殺陣師になるのかと聞くと、晋八は大京を出ても役者を続けると言う。樹里(井元由香)は杉本(堺雅人)と関川(石井正則)の間をまとわりつくが、美月には樹里のことが理解できない。美月は愛子(賀来千香子)に、錠島のことをもっと知りたいと言い、愛子は美月の思う通りやってみなさい、と言うが…。
滝乃(大竹しのぶ)が錠島(長嶋一茂)の部屋を訪ね、頭を下げて手切れ金を渡す。帰った滝乃は美月(岡本綾)に、撮影が無いなら椿屋を手伝え、と言う。滝乃が美月に、かかってきた電話に出るなと言うので、錠島は美月に連絡が取れない。美月が夕方カツドウ屋へ行っていいかと聞くと、滝乃は行かせない。梓(茂山逸平)がアパートから家に戻ってきて愛子(賀来千香子)は喜ぶが、春夫(段田安則)と愛子のやり取りが微妙で…。
美月(岡本綾)は、旅支度をして、椿屋を飛び出す。美月のことを話し合っていた滝乃(大竹しのぶ)と愛子(賀来千香子)と春夫(段田安則)は止められない。美月は駅のホームで錠島(長嶋一茂)を待つが、約束の時間を過ぎても錠島は現れない。雨の中泣きながら駅を飛び出すと、晋八(仁科貴)が傘を差しだす。殺陣師になるのが嫌で東京へ行こうとしていた晋八だったが、美月と思い出話をしながらたどり着いた思い出の流れ橋で…。
第10週(55話~60話)
第10週の初放送日:2000年12月4日 – 12月9日
傷心の美月(岡本綾)が錠島(長嶋一茂)のアパートに来て、どうして来てくれなかったのかと聞くが、返事は無い。錠島が答えないので、美月は隣の部屋から話しかけるが、錠島はもうここには来るな、と言う。そこに樹里(井元由香)が錠島を訪ねてくるが、錠島は出て行ってしまう。カツドウ屋にトラ(菊池隆則)が晋八(仁科貴)を誘いにくるが、晋八は明日10時に大部屋組をステージに集めろ、と言い捨てて大京映画に向かい…。
早速晋八(仁科貴)の殺陣師としての訓練が始まり、美月(岡本綾)を始め大部屋俳優たちは、晋八にしごかれる。その後晋八は殺陣師として、椿屋での企画会議に呼ばれるが、今までの滝乃(大竹しのぶ)とは違う接し方にひるむ。杉本(堺雅人)は会議で、第一話の悪役のゲストは幹幸太郎にと言い、黒田(國村隼)は関川(石井正則)と杉本を連れて急ぎ東京へ向かう。企画会議で自信をなくした晋八を見送ると椿屋を訪ねて来たのは…。
組合の旅行ツアーで夫婦で京都に来た君江(藤山直美)が椿屋に挨拶に来た。美月(岡本綾)が女優になったことを喜び、滝乃(大竹しのぶ)は部屋が空いているから椿屋に泊まっていけ、と言う。夫の幸太(桂南光)は恐縮しきりだが、美月は昔のように君江と布団部屋で語り合い、翌日杉本(堺雅人)の所に連れて行く。泰子(内田直)は滝乃に、君江のように一緒に暮らして育つ愛情もあるんだから、笹守の彰と結婚しろ、と言われ…。
君江(藤山直美)夫婦が熊本へ帰り、泰子(内田直)は笹守の彰(戸田都康)との結婚を決意する。美月(岡本綾)に見送られて帰りながら君江は晋八(仁科貴)に、「殺陣はなんで痛がらないのか」と素朴な疑問をぶつける。新しい殺陣を考えていた晋八は、企画会議で黒田(國村隼)、関川(石井正則)、杉本(堺雅人)を前に、「痛みのある殺陣」をやりたい、と宣言する。会議は大部屋俳優たちの特技をいかす方針で盛り上がり…。
椿屋に幹幸太郎(佐々木蔵之介)がやってきた。撮影の無い美月(岡本綾)が接客するが、幸太郎は美月に、女優を続けたかったら東京に出てこい、と言うので、滝乃(大竹しのぶ)は警戒し、美月にもう幸太郎の部屋には行くな、と命じる。錠島(長嶋一茂)に会いたくなった美月は、錠島に会いにアパートへ行くが、錠島は冷たくあしらう。大部屋俳優のあさひ(山口智恵)が幸太郎が泊っていると聞きつけて、椿屋で待ち構えるが…。
大部屋俳優たちは晋八(仁科貴)の指導で特訓を続け、黒田(國村隼)たちは幸太郎(佐々木蔵之介)のゲスト出演の交渉を続ける。幸太郎は主役にこだわり、悪役でのゲスト出演を断っているのだ。黒田たちの誘いを避けるために、美月(岡本綾)は幸太郎を連れ出し、大部屋俳優たちの殺陣の特訓を見せる。晋八に指示されて、錠島(長嶋一茂)は木刀で晋八に抜き胴で打ち込む。晋八の命の重さを感じられる殺陣を見た幸太郎は…。
第11週(61話~66話)
第11週の初放送日:2000年12月11日 – 12月16日
大京映画のテレビ新シリーズ「惨殺浪人・夢死郎」の制作発表が行われる。主演の錠島(長嶋一茂)、第1回ゲストの幹幸太郎(佐々木蔵之介)を紹介し、未交渉のクリキン、モモケンの出演まで発表する黒田(國村隼)に、関川(石井正則)は焦るが、事後承諾を取り付ける。椿屋では、脚本の岩本(朝倉伸二)と晋八(仁科貴)を含めて台本の打ち合わせが行われて、給仕に入った美月(岡本綾)は杉本(堺雅人)に意見を求められて…。
美月(岡本綾)に会いに、錠島(長嶋一茂)が椿屋に来る。錠島は美月に、会いたくなった出られないか、と聞くが美月は、また錠島の気が変わるんじゃないかと思い出られない。錠島を追い返したものの、我慢できなくなった美月は、椿屋を抜け出そうとするが、滝乃(大竹しのぶ)に止められてしまう。滝乃は春夫(段田安則)を巻き込み、美月を外へ出さないよう見張る。一方、会見で幹幸太郎(佐々木蔵之介)に威圧された錠島は…
美月(岡本綾)と錠島(長嶋一茂)が殺陣の特訓をする背後で、樹里(井元由香)の言いつけで見張るトラ(菊池隆則)。トラは、晋八(仁科貴)に自信の無さを打ち明けるが、ぐずぐず言うなと一喝される。杉本(堺雅人)は脚本の岩本(朝倉伸二)に、脚本が打ち合わせた通りに書けてない、と怒るが、プロデューサーの関川(石井正則)が無難な方向に書かせていたのだった。それを聞いた幸太郎(佐々木蔵之介)は辞めると言い出し…。
台本は完成したが、錠島(長嶋一茂)演ずる夢死郎に斬られるお駒を誰にするか、決まらない。関川(石井正則)は樹里(井元由香)を推し、杉本(堺雅人)は美月(岡本綾)と言う。お駒を空欄にして配役が発表になり、セリフをもらった大部屋俳優たちは喜ぶが、配役の無い樹里と美月は居心地が悪い。幸太郎(佐々木蔵之介)は、この役は美月だと決めてかかって、夢死郎に斬られるお駒の気持ちを考えて早く役作りしろと言うが…
夜、錠島(長嶋一茂)のアパートを訪れた美月(岡本綾)と、美月に会いたくて待っていた錠島。その頃雀蓮(三林京子)の庵では、黒田(國村隼)と関川(石井正則)が、駒の役は誰がいいか、問い詰めている。雀蓮のお告げは、「美しき月」。黒田が滝乃(大竹しのぶ)に、美月が駒の役に決まったと話すと、がっかりする滝乃だが、椿屋に帰ってきた美月を見て、錠島と何かあったに違いない、愛子(賀来千香子)と意見が合致し…。
駒に選ばれなかった樹里(井元由香)は泣いてトラ(菊池隆則)に当たり、関川(石井正則)が樹里に東京行きを勧める。台本のことで悩んだ美月(岡本綾)が杉本(堺雅人)に相談すると、杉本は善四郎に至福の表情で斬られてほしいと説明し、益々わからなくなった美月は錠島(長嶋一茂)の部屋を訪ねる。美月が、駒が至福の表情で斬られる心情がわからないと打ち明けると、錠島は樹里が笑って斬られると言っていたことを思い出し…。
第12週(67話~72話)
第12週の初放送日:2000年12月18日 – 12月23日
善四郎(錠島・長嶋一茂)がお駒(美月・岡本綾)を斬るシーンの本番。お駒は至福の表情で善四郎に斬られなければならないが、思わず目をそらしてしまう。錠島に対する思いが、演技の邪魔をしてしまうのだ。表情のアップを撮る時、目線だけ作って錠島には外してほしい、と提案する美月に、憮然とする錠島。NGが続き、関川(石井正則)はイラつくが、黒田(國村隼)は、慣れたスターがやるより新鮮な若手がやってよかった、と…。
お駒のシーンの撮影があった夜、美月(岡本綾)が帰ると錠島(長嶋一茂)から電話がかかってくる。愛子(賀来千香子)は出かけるなと念を押すが、美月は我慢できなくなって会いに行く。美月の芝居にイラついている錠島は、美月に物を投げつけたりして怒鳴り散らすが、美月は献身的に片づけたりする。家に帰ると愛子たちが家の前で待ち構えていて、美月は、錠島とはもうダメだと思うと打ち明けるが、翌日にはまた撮影に出かけ…。
夢死郎(錠島・長嶋一茂)と青舟(幸太郎・佐々木蔵之介)の対決のロケ。スタッフとして働く美月(岡本綾)。幸太郎が控室のテントから出て来ず、スタッフたちは焦る。幸太郎は主役としての錠島を試しているのだ。帰ろうとする錠島を杉本(堺雅人)が引き止め、黒田(國村隼)が幸太郎に土下座して、錠島を主役にしてやってくれと頼むと、撮影が始まる。無事撮影が終わり、翌日雨で撮休になって椿屋でテレビをつけた美月は…。
樹里(井元由香)が関東テレビのドラマ「ポケットえりかちゃん」の主役で紹介されていた。黒田(國村隼)と関川(石井正則)の間で、錠島(長嶋一茂)と大京映画出身の役者として売り出そうと盛り上がり、錠島の体裁を整えておくため、家具付きのマンションに引っ越しさせたり、毎日日替わりで大部屋俳優を付き人に付けたりする。美月(岡本綾)は錠島からは何も知らされないが、晋八(仁科貴)から、マンションの住所を聞き…。
美月(岡本綾)は錠島(長嶋一茂)のマンションに電話してみたが、錠島は出ない。錠島は元のアパートの部屋で台本を読んでいた。翌日、錠島と樹里(井元由香)の記者会見が開かれ、広報で愛想を振りまけない錠島は、インタビュアーの質問にもつっけんどんに返事して、関川(石井正則)が慌ててフォローする。気になった美月は錠島に電話し、錠島は「説教するな!」と激昂する。錠島は翌日の撮影をすっぽかし、駆けつけた美月に…。
錠島(長嶋一茂)の所在がつかめず、焦る黒田(國村隼)や杉本(堺雅人)たち。と、そこに錠島が現れる。ラストシーンは、夢死郎(錠島)と青舟(幸太郎・佐々木蔵之介)の一騎打ち。杉本は血しぶきを使おうとするが、プロデューサーの関川(石井正則)は残酷表現はダメだと反対する。黒田がダメだと判断したら使わない、という条件で撮影することになり、杉本は美月(岡本綾)にお駒の扮装でスタンバイさせて撮影を見守らせ…。
第13週(73話・74話)
第13週の初放送日:2000年12月25日 – 12月26日
「惨殺浪人・夢死郎」の初回視聴率は23.4%で、黒田(國村隼)以下スタッフたちは大喜び。キー局からは、続編の依頼も来る。このままの勢いで、川の御大・桃山剣之介(林与一)の撮影に臨もうとするも、モモケンは、自分が偽平次役なら、本物平次役はそれなりの役者を呼んでこい、と立腹し楽屋に閉じこもる。美月(岡本綾)は、錠島(長嶋一茂)と樹里の恋、という関川(石井正則)が話題作りで書かせた記事が気になって…。
「夢死郎」最終回の撮影。今日はハラカン(腹筋善之助)の見せ場の飛び降りの撮影。だが、前日の撮影で足を痛めたハラカンは本番で飛び降りをためらい、それを見ていたあさひ(山口智恵)は撮影をストップさせ、屋根の上で抱き合う。続けて、最終回ゲストの栗部金之助(舟木一夫)と錠島(長嶋一茂)の殺陣。腹に新聞紙を仕込んで刀を当てる痛みのある殺陣をしないクリキンに腹を立てた錠島は、これは夢死郎の殺陣じゃないと…。
第14週(75話~77話)
第14週の初放送日:2001年1月4日 – 1月6日
「夢死郎」の残酷表現が新聞記事になり、慌てる関川(石井正則)に手本を見せると黒田(國村隼)は記者会見を開き、自信満々に、新聞記事はごく少数の意見を取り上げことさら大きく見せているとまくしたて、第二シリーズの宣伝をする。錠島(長嶋一茂)の恋人、と記事になった樹里(井元由香)は、錠島の付き人にまで口を出し、自分の付き人は美月(岡本綾)にしないと出ない、と言って関川を困らせる。樹里はセットで美月に…。
樹里(井元由香)は付き人の美月(岡本綾)の前で、錠島(長嶋一茂)に話がある、と楽屋に入る。樹里は錠島を誘うが、錠島は相手にしない。衣裳部屋で堪えきれず泣く美月に、そっとハンカチを渡す晋八(仁科貴)。梓(茂山逸平)の模試の成績が悪いのを知って驚く愛子(賀来千香子)と春夫(段田安則)。愛子が心配して梓に話しかけると、梓は今さら気にするな、と拒絶する。晋八は、錠島をセットに呼び出し、木刀を渡して…
「惨殺浪人・夢死郎」の最終回が放送されたが、放送を見ていたら妻を殺したくなった、という殺人未遂事件が起きて、騒ぎになる。黒田(國村隼)は、記者会見を開き、事件に番組は無関係だと強調するが、それが世間の反感を買ってスポンサーが降りると言ってくる。大京映画の役員たちは椿屋で作戦会議を開いていたが、記者たちが押しかけて来たので、黒田は女装して美月(岡本綾)を連れて逃げ出し、雀蓮(三林京子)の元へ…
第15週(78話~83話)
第15週の初放送日:2001年1月8日 – 1月13日
雀蓮(三林京子)のお告げは、「怖い絵はあかん。昔の絵を描きなはれ」。黒田(國村隼)は、「若侍七変化」をリメイクする、と決める。杉本(堺雅人)は、錠島(長嶋一茂)には若侍は無理、と反対するが、黒田は「台本を書き直せ」と譲らず、椿屋に脚本の岩本(朝倉伸二)たちを集めて、台本を書き直す。撮影が始まり、美月(岡本綾)はエキストラで参加。殺陣は古く、錠島に若侍の設定は無理があり、白けた雰囲気で撮影は進み…。
酒乱気味の笹守(戸田都康)が泰子(内田直)を迎えに来るが椿屋に入れず、カツドウ屋では晋八(仁科貴)に追い出される。滝乃(大竹しのぶ)はもう一度話し合うよう泰子に話すが、泰子は言うことを聞かない。年末まで撮影は続き、美月(岡本綾)がカツドウ屋で大部屋俳優たちと忘年会をしているところに、錠島(長嶋一茂)と樹里(井元由香)が現れる。そこに錠島に呼び出された杉本(堺雅人)と関川(石井正則)もやってきて…。
錠島(長嶋一茂)を平手打ちして、カツドウ屋を飛び出す美月(岡本綾)を追いかける杉本(堺雅人)。美月は錠島を変えたい、という思いを杉本にぶつけ、杉本は美月を抱きしめる。年が明けて、「若侍七変化」の放送が始まり、視聴率は散々だった。美月が幸太郎(佐々木蔵之介)に相談すると、幸太郎は、あきらめるなと声をかける。笹守の彰(戸田都康)は酒乱を反省し、出て行った泰子(内田直)に帰ってきてほしいと椿屋に来て…。
3年後。錠島(長嶋一茂)は大京映画を辞めて東京へ出ていたが、美月(岡本綾)は消息も知らなかった。樹里(井元由香)はドラマの主演を務めるようになり、京都での撮影の時に椿屋に泊まりに来る。樹里が美月と話したいと言い、美月は杉本(堺雅人)は最近助監督をしている、と話す。晋八(仁科貴)は映画村でアルバイト。樹里は椿屋で働く美月に、付き人になって東京に来ないかと誘うが、それを聞いた滝乃(大竹しのぶ)は…。
美月(岡本綾)が杉本(堺雅人)のおにぎりを握っていると、滝乃(大竹しのぶ)が来て、おにぎりはそんなに力を入れると美味しくないと言う。愛子(賀来千香子)は、もっとしっかり握らないとくずれる、と言い、相変わらず言う事が正反対の二人だった。大京映画では、日高(多賀勝一)が監督復帰で、女郎屋のセット。大部屋俳優たちが、セットの片隅からカツドウ屋へ移動して情報交換していると、樹里(井元由香)が顔を出し…。
樹里(井元由香)が美月(岡本綾)を東京へ連れて行くんじゃないか、と騒ぐ滝乃(大竹しのぶ)を、愛子(賀来千香子)と春夫(段田安則)は、美月に任せておいたらいい、と冷静になだめる。樹里は美月に、杉本(堺雅人)が好きなんだろう、自分も杉本が好きだと話し、美月を混乱させる。美月がサンドイッチを差し入れても、無反応なスタッフたち。大京映画は倒産の危機に瀕していて、黒田(國村隼)は雀蓮(三林京子)に…。
第16週(84話~89話)
第16週の初放送日:2001年1月15日 – 1月20日
梓(茂山逸平)が美月(岡本綾)に、樹里(井元由香)は深刻な病気かもしれない、と話していると樹里が来て、死んでも休めないと言う。黒田(國村隼)が滝乃(大竹しのぶ)に、支払いを待ってくれと頼んでいると、樹里が立ち聞きしていて、樹里はカツドウ屋で皆にバラす。美月が皆に、知っていたのか、と詰め寄られていると、関川(石井正則)が来て、トラ(菊池隆則)を呼び出す。黒田はトラに、香港へ行かないかと声をかけ…。
樹里(井元由香)が椿屋に戻ってこないので、気になった美月(岡本綾)が杉本(堺雅人)の家に電話してみると、樹里が出たので、美月は咄嗟に電話を切ってしまう。杉本が部屋に帰って来ると、樹里は杉本に、東京へ出て来ないか、と声をかける。椿屋に戻ると、樹里は美月も東京へと誘う。あくる日、大京映画では、トラ(菊池隆則)が香港行きを提案されたと相談する。メイクの琴子(水野麗奈)は、私も香港へついていく、と言い…。
美月(岡本綾)が東京へ行く、と言い出し、許さない、と止める滝乃(大竹しのぶ)。聞きつけて入ってきた愛子(賀来千香子)が美月を止めないので、滝乃は春夫(段田安則)を呼び出し、梓(茂山逸平)も含めての話し合いになる。美月が「オードリーて言うのやめて!」と思いをぶつけて出て行くと、樹里(井元由香)から、今夜は椿屋に戻らない、と電話がかかってくる。樹里は杉本(堺雅人)の部屋にいる、美月はそう思いながら…。
樹里(井元由香)が杉本(堺雅人)に付き添われ病院で診察を受けると、脳内出血で手術が必要、と言われる。美月(岡本綾)は病院の梓(茂山逸平)から、手術しても後遺症が残るかもしれない、という話を聞く。黒田(國村隼)はクリキン(舟木一夫)を椿屋に呼び出し、滝乃(大竹しのぶ)の前で、雀蓮とトラ(菊池隆則)との話をする。トラが撮影所を休んだ杉本を気にして、杉本のアパートを訪ねるとそこには樹里が…。
トラ(菊池隆則)が晋八(仁科貴)と美月(岡本綾)を連れて、雀蓮(三林京子)に香港行きの相談をしに行く。と、そこで雀蓮から、トラはクリキンの息子だと打ち明けられる。その後カツドウ屋に関川(石井正則)が来て、明日クリキンに会わせるので、身なりを整えて椿屋に来るように、と言われる。30年以上も放っておいたのに会いたくない、と酒を飲んで荒れるトラを見て美月は、昔春夫(段田安則)に言われたことを思い出し…。
黒田(國村隼)が大京映画役員たちを前に、大京映画の全ての資産を整理する、と宣言する。大京映画の名前を制作会社として残すための決断だった。滝乃(大竹しのぶ)は、トラ(菊池隆則)とクリキン(舟木一夫)に会わせようと、雀蓮(三林京子)の庵に誘いに来る。大京映画をクビになったスタッフと大部屋俳優たちがカツドウ屋で集まっていると、樹里(井元由香)が病気で手術をしないと命の危険があると聞いたトラは店を出て…。
第17週(90話~95話)
第17週の初放送日:2001年1月22日 – 1月27日
大京オープン最後の日にトラ(菊池隆則)はクリキン(舟木一夫)を呼び出す。クリキンは黒田(國村隼)に、クビにするスタッフ、役者一同も集めさせる。また、その日は、樹里(井元由香)の京都ロケ最後の日でもあった。クランクアップの瞬間、杉本(堺雅人)が見守る中倒れる樹里。運ばれた病院では、もう手術できないと言われる。オープンセットでは、美月(岡本綾)たちが見つめる中、トラとクリキンの一騎打ちが始まり…。
撮影所の閉鎖から半年たち、大京映画は小さなビルの一室で再スタートを切っていた。杉本(堺雅人)は、制作する旅番組「古寺探訪」のゲストにと、作家の麻生祐二(沢田研二)の返事を待っている。晋八(仁科貴)はカツドウ屋でうどんを作っているが、殺陣師として生きて行こうとしている。美月(岡本綾)は、滝乃(大竹しのぶ)に従い見合いをしたりしている。そこに薄汚れた格好をした錠島(長嶋一茂)が、美月の前に現れて…。
椿屋を訪れた麻生(沢田研二)に驚きを隠せない滝乃(大竹しのぶ)と、滝乃の様子がおかしいことをいぶかる美月(岡本綾)。そんな滝乃の様子を見て、なぜか動揺する春夫(段田安則)に、そんな春夫が面白くない愛子(賀来千香子)。大京映画では、黒田(國村隼)と関川(石井正則)と杉本(堺雅人)の前に錠島(長嶋一茂)が現れ、自分を主役に映画を作らないか、と言う。杉本は今のジョーには魅力が無い、ときっぱり断るが…。
麻生(沢田研二)と滝乃(大竹しのぶ)が親し気に話しているのが気になる春夫(段田安則)。美月(岡本綾)は見たことないような着物を引っ張り出して着ている滝乃の様子を見て声をかけ、女優は滝乃のように不思議な魔力を持った人がやる仕事なんだと言う。翌朝、美月が椿屋の表を掃除していると、麻生が出てきて、美月に一緒に散歩に行こうと誘う。滝乃は行くな、と目で合図するが、美月は麻生と話してみたい気持ちが勝り…。
美月(岡本綾)は麻生(沢田研二)と散歩に出かけ、麻生と滝乃(大竹しのぶ)の過去の話を聞く。美月が愛子(賀来千香子)に、滝乃と麻生の話をすると、愛子は春夫(段田安則)に、その話を知っていたか、と聞く。春夫と愛子が口げんかになり、愛子が家を出て行く、という話になったところで、梓(茂山逸平)が二人のけんかを止めるために、大学を辞めると言い出す。美月は、麻生の部屋に茶をたてに行き、麻生から頼み事をされ…。
麻生(沢田研二)は、美月(岡本綾)と滝乃(大竹しのぶ)を前にしてプロポーズする。滝乃は昔のことは忘れたと断るが、麻生は椿屋を捨てろとも、一緒に暮らしてくれとも言わないから、結婚してほしい、一番近い人でいてほしい、と熱く語る。一か月後、滝乃は美月、愛子(賀来千香子)、春夫(段田安則)、梓(茂山逸平)を集め、三月で椿屋を閉めることにした、と言い、愛子にこれまで働いてもらった給金を貯めた、と通帳を渡す。
第18週(96話~101話)
第18週の初放送日:2001年1月29日 – 2月3日
椿屋を辞めて麻生と結婚する、と言う滝乃(大竹しのぶ)に愛子(賀来千香子)は、美月(岡本綾)を放って出て行くなんて、勝手なんじゃないかと責めるが、滝乃は頭を下げるばかり。美月は、滝乃は滝乃の思う通り生きればいい、と言うが、春夫(段田安則)が滝乃のいない人生なんて考えられない、と言い出す。それを聞いた愛子は春夫に離婚を切り出し、美月は、椿屋は私が継ぐから離婚はしないで四人で暮らそうと…。
滝乃(大竹しのぶ)が椿屋を辞めると言った翌日から、愛子(賀来千香子)が椿屋に入ることはなくなった。美月(岡本綾)は滝乃の着物を着て、椿屋の差配をする。滝乃は美月に椿屋の権利書や貯金通帳を渡し、椿屋を売って税金を払ってもそれなりのお金は残るだろう、と言うが美月は聞かない。そんな中、春夫(段田安則)が置手紙を残してアメリカに行ってしまう。一か月後、滝乃は出て行き、麻生(沢田研二)と新しい生活を始める。
美月(岡本綾)が椿屋の主人となり、大部屋俳優のもみじ(三田篤子)と曜子(岡田薫)が従業員として雇われていた。愛子(賀来千香子)は、昼間は大学病院で清掃員のバイト、夜は家で内職をして働いている。滝乃(大竹しのぶ)は麻生(沢田研二)と気ままな二人暮らし。椿屋は滝乃がいなくなり、客の中内(ベンガル)が夜中に台所から酒瓶を持ち出したり、女中部屋に入ってもみじや曜子の手相を見てやるなど、風紀が乱れて…。
美月(岡本綾)が椿屋の主人を継いで半月、寝る間もないほど忙しく働く美月は、アイロンがけしながらうたた寝してしまう。杉本(堺雅人)が椿屋に来て、椿屋で撮影させてもらえないかと頼むが、美月は宣伝はしないのが椿屋の伝統だから、と断る。愛子(賀来千香子)は、伝統にこだわらず、シーツや浴衣はリースにしたらいいと美月に言え、と梓(茂山逸平)に言う。滝乃(大竹しのぶ)と麻生(沢田研二)を街で見かけた愛子は…。
美月(岡本綾)は杉本(堺雅人)の頼みを正式に断る。帰る杉本を涙をこらえて見送る美月を、陰からそっと見つめる滝乃(大竹しのぶ)。見た目も雰囲気も変わった滝乃とすれ違っても、花尾(桂米朝)は気づかない。滝乃は、その足で雀蓮(三林京子)の庵を訪ね、このままでいいのかと相談する。夏休みに入り、春夫のルーツを求めて東京へ出かけた梓(茂山逸平)は、帰って来て美月と愛子(賀来千香子)に一緒に話を聞かせようと…。
愛子(賀来千香子)は滝乃(大竹しのぶ)の家に来て、美月(岡本綾)にアドバイスしてやってほしいと頼む。椿屋でアメリカからの国際電話に美月が出ると、春夫(段田安則)が見つかった、と梓(茂山逸平)からだった。滝乃の家には麻生(沢田研二)が帰って来て、麻生は一緒に食事でも、と誘うが愛子は帰る。一週間後、滝乃が椿屋に来て、部屋は空いてるかと聞くが、美月は断る。帰りかけた滝乃を追いかけて美月が表へ出ると…。
第19週(102話~107話)
第19週の初放送日:2001年2月5日 – 2月10日
アメリカから帰ってきた春夫(段田安則)は、日米合作の大作ドラマのプロデューサーをやると言う。何を言ってるのか信じられない美月(岡本綾)だが、春夫が元気に帰って来て嬉しそうな愛子(賀来千香子)。梓(茂山逸平)は、アメリカで春夫の昔の知り合いから評判を聞き、見直した様子。滝乃(大竹しのぶ)は椿屋に泊まることになり、美月が接客する。糊のないシーツは無いのか、と聞く滝乃に、美月は滝乃の変化を感じて…。
仲直りした愛子(賀来千香子)と春夫(段田安則)が仲睦まじく話していると、梓(茂山逸平)が帰って来る。梓のガールフレンドの存在に気付く愛子。椿屋では、帳簿を広げたまま居眠りしてる美月(岡本綾)に声をかけるのをためらう滝乃(大竹しのぶ)。一緒に寝ようと言う美月に、従業員に示しがつかないから、と断る滝乃。話し合っていたら、互いに意地を張りあって、反発して終わってしまう。滝乃は、帰りにカツドウ屋に寄り…。
滝乃(大竹しのぶ)と麻生(沢田研二)は、互いに相手に求めるもののズレに気付いてしまう。椿屋では、リチャード(トロイ)を交えて、日米合作ドラマの打ち合わせが始まる。大京映画からは、黒田(國村隼)、関川(石井正則)、杉本(堺雅人)に春夫(段田安則)。春夫がリチャードの説明を同時通訳しながら、会議は進む。その頃美月(岡本綾)は、梓(茂山逸平)と曜子(岡田薫)が渡り廊下で密会しているのを見とがめて…。
美月(岡本綾)は梓(茂山逸平)に、椿屋の品位を落とすようなことはするな、と釘を刺す。梓は、お姉ちゃんは滝乃(大竹しのぶ)に似てきた、いつからそんな差別主義者になった、と言って出て行く。美月が門を閉めに出てくると、錠島(長嶋一茂)が借りた金を返しに現れるが、美月は追い返す。帰っていく錠島を見た梓は美月に、椿屋の中庭と門はどこが違うんだ、と問い詰める。美月は滝乃の孤独が初めてわかったような気がして…。
梓(茂山逸平)が女の子を連れてくると、愛子(賀来千香子)は朝から浮かれているが、美月(岡本綾)は曜子(岡田薫)のことが信用できないので、滝乃(大竹しのぶ)のような辛辣な口調になってしまう。春夫(段田安則)は、曜子にソフィアという英語名を付けて上機嫌。秋になり、錠島(長嶋一茂)が大京映画の日米合作テレビドラマの重要な役に決まり椿屋に滞在する。春夫が滝乃を訪ねてくると、麻生(沢田研二)は春夫に…。
春夫(段田安則)は滝乃(大竹しのぶ)に話があって麻生(沢田研二)の家に来るが、麻生の言葉を聞いて、滝乃には何も言わずに帰る。椿屋で錠島(長嶋一茂)と話した美月(岡本綾)は、撮影所の昔を思い出し、懐かしく昔の写真を眺める。撮影開始前日には、大京映画スタッフの決起集会が開かれて、春夫は夜中美月の部屋を訪れる。春夫は、椿屋を守るのも立派な仕事だが、映画の世界に戻りたかったら戻ったらどうだ、と美月に…。
第20週(108話~113話)
第20週の初放送日:2001年2月12日 – 2月17日
予想外の円高の影響で、大京映画の日米合作ドラマの企画は中止になり、春夫(段田安則)はリチャード(トロイ)を怒鳴り飛ばすが、アメリカの決定は覆らない。黒田(國村隼)は、錠島(長嶋一茂)だけでもアメリカに連れていって撮影できないか、と頼むが却下される。美月(岡本綾)は錠島に、どんな形でもいいから役者でいて、と訴える。錠島は大京映画で黒田に、斬られ役でも悪役でもなんでもやるから大京映画においてくれと…。
春夫(段田安則)は改めて翻訳家として生きて行こうと、愛子(賀来千香子)に決意を語る。死ぬまで一緒、とタイプで打って、愛子は「ローマの休日」のリバイバル上映を見に行かないか、と誘う。春夫は一人で見に行き、オードリー・ヘプバーンを見ながら息絶える。知らせを聞いた愛子はそのままショックで寝込み、滝乃(大竹しのぶ)は手を合わせに来る。美月(岡本綾)は、小さいころに春夫が撮った8ミリフィルムを見ながら…。
三年後、美月(岡本綾)は愛子(賀来千香子)やもみじ(三田篤子)に手伝ってもらいながら、椿屋を切り盛りしていた。大京映画は時代劇スペシャルの枠を勝ち取り、幹幸太郎(佐々木蔵之介)の主演も決まった。もみじが父親の看病で休むので晋八(仁科貴)が手伝いに来るが、美月が過労で倒れてしまう。美月の分までと張り切って仕事するが、空回りする晋八。幸太郎と杉本(堺雅人)が時代劇スペシャルの殺陣師を晋八に頼むが…。
晋八(仁科貴)は体調を崩した美月(岡本綾)にうどんを作ってやったりして、殺陣師に戻る気は全くない。3年前に酔った杉本(堺雅人)に傷つけられたことを許せないのだ。杉本は、椿屋に来て晋八に頭を下げて戻ってくれるよう頼むが、晋八は断る。幸太郎(佐々木蔵之介)は殺陣師に戻るよう頼む気はないが、オードリーのことは諦めろと言う。愛子(賀来千香子)は酔って帰ってきた梓(茂山逸平)に、もっと早く帰ってきてと…。
夜中に突然椿屋を訪れた滝乃(大竹しのぶ)。美月(岡本綾)は麻生(沢田研二)に電話したほうがいいと言うが、滝乃はしない。晋八(仁科貴)は花尾(桂米朝)に夜食のうどんを頼まれ、部屋で恋の相談をする。美月は、客の部屋に入ったらいけないと晋八を叱り、滝乃は、自分が手伝うと美月に申し出る。愛子(賀来千香子)は、麻生のことをもっと大事にすればいいのに、と心配するが、滝乃は麻生と電話で話し、一人涙を流して…。
大京映画の時代劇スペシャルの撮影が始まり、黒田(國村隼)と関川(石井正則)が幸太郎(佐々木蔵之介)の迎えに来るが、滝乃(大竹しのぶ)は下働きは表に出ない、と隠れる。美月(岡本綾)が見送りに出ている間に、花尾(桂米朝)が滝乃にお茶を所望する。滝乃は花尾に、麻生(沢田研二)とうまくいっていないと打ち明ける。麻生が、突然椿屋に滝乃を迎えに来て、一緒に神戸の海を見に行き、麻生は二人で神戸で暮らそうと…。
第21週(114話~119話)
第21週の初放送日:2001年2月19日 – 2月24日
美月(岡本綾)が体調を崩してから、晋八(仁科貴)は椿屋に住み込みで働き、佐々木家とも打ち解けている。一方、滝乃(大竹しのぶ)は麻生(沢田研二)と、パン食か米食かなど細かい部分でかみ合わない。美月が掛け軸を替えながら滝乃のことをぼんやり考えていると、愛子(賀来千香子)が、滝乃はケンカする相手がいて幸せだ、などと呟く。愛子は梓(茂山逸平)を頼りにしているが、梓は大学の研究が忙しく、大学に泊まり込み…。
美月(岡本綾)も晋八(仁科貴)も映画の世界が忘れられず、滝乃(大竹しのぶ)は椿屋が忘れられない。幸太郎(佐々木蔵之介)は美月と晋八の目を覚ますために、不意に美月を抱きしめる。晋八は怒って部屋に乗り込むが、逆に廊下で立ち聞きしている美月の気配に気づけず、幸太郎にたしなめられる。もみじ(三田篤子)は梓(茂山逸平)が研究で使う友禅の染料を持ってくるが、愛子(賀来千香子)は梓に渡すのを忘れてしまい…。
美月(岡本綾)と晋八(仁科貴)と幸太郎(佐々木蔵之介)は、テレビで謎の香港のスター、タイガー・ウォンが虎之助(菊池隆則)かどうか確認するがわからない。麻生(沢田研二)と考え方の溝が埋まらない滝乃(大竹しのぶ)が思い悩んでいると、雀蓮(三林京子)が訪ねてきて、トラのことが気になる、と相談する。と、椿屋にタイガー・ウォンが五年ぶりに美月に会いに来る。麻生は、滝乃が説明する雀蓮の不思議な能力を信じず…。
虎之助(菊池隆則)と顔を合わせた雀蓮(三林京子)。虎之助は、一緒に香港で暮らそうと誘うが、雀蓮は断る。美月(岡本綾)のはからいで、晋八(仁科貴)たちかつての大京映画の大部屋俳優たちが集まって椿屋で宴会を開き、昔話に花が咲く。一緒に神戸に引っ越す話をしていた麻生(沢田研二)と滝乃(大竹しのぶ)だが、滝乃は京都にいたい、と泣き出す。翌朝、美月が雀蓮から託された手紙をトラに渡すと、書いてあったのは…。
手紙に書いてあったクリキン(舟木一夫)の情報に、偽名を使って暮らしているのか、と切なく感じる虎之助(菊池隆則)。トラは錠島(長嶋一茂)に会い、役者を続けろとはっぱをかける。美月(岡本綾)は、クリキンのアパートを訪ね、椿屋でトラとクリキンは親子の再会を果たす。クリキンは、スターとしての心構えをトラに教え諭し、そんな二人の様子を雀蓮(三林京子)は陰から見守る。トラは脇役でもクリキンを見たいと言うが…。
虎之助(菊池隆則)は幸太郎(佐々木蔵之介)に、日本に戻って来て居場所はあるか、と相談する。トラはチャンバラがやりたくなった、と言うが、幸太郎は香港でダメになるまで頑張った方がいい、と答える。美月(岡本綾)は話を聞いていて、映画作りに情熱を燃やしていた昔のことを思い出し、一人部屋で涙する。それを見た愛子(賀来千香子)は滝乃(大竹しのぶ)に会いに行き、これが自分の望んだ子供たちの姿なのかと相談して…。
第22週(120話~125話)
第22週の初放送日:2001年2月26日 – 3月3日
滝乃(大竹しのぶ)に会いに行った愛子(賀来千香子)は、春夫と滝乃に関係があったか、問いただす。椿屋には、黒田(國村隼)と関川(石井正則)が上がりこんで、幸太郎(佐々木蔵之介)に坂本龍馬をやってほしい、と直談判。幸太郎は、映画の世界に戻りたい美月(岡本綾)に訴えかけるように、「オードリーが出ろと言うなら出る」と答える。一晩考えた美月は幸太郎に、「オードリーは、幹先生の坂本龍馬見たいて思います」と…。
幸太郎(佐々木蔵之介)の財布から10万円無くなっていた、という事件が発生。前日にもみじ(三田篤子)が「50万円貸してほしい」と言ってきていたこと、もみじが帰る時間が遅かったことなどから、愛子(賀来千香子)はもみじを疑わしく思うが、美月(岡本綾)は信じられない。幸太郎は出かける時に、「俺が帰って来るまでに解決しておけ」と言い残して出て行く。滝乃(大竹しのぶ)は、椿屋は泥棒に入られにくい構造だと…。
幸太郎(佐々木蔵之介)出演の大京映画のスペシャル時代劇の撮影が始まった。そして大晦日を迎え、今日中に撮りきらないと幸太郎のスケジュールも無く、放送に間に合わないという時、撮影を予定していた宿屋が急に撮影できなくなり、杉本(堺雅人)が美月(岡本綾)に、「椿屋を使わせてくれ」と頭を下げる。初めは断った美月だったが断り切れず、撮影隊は静かにしろと言っても聞かず、晋八(仁科貴)も殺陣師として巻き込まれ…。
年が明けて、滝乃(大竹しのぶ)が椿屋に戻ってきた。もみじ(三田篤子)と洗い物をしながら映画の話をするなど、明らかに以前とは違う言動で、美月(岡本綾)が辞めさせた曜子(岡田薫)も呼び戻す。美月が大京映画に就職のお願いに行くと言うと、ダメだと言われたら私からも頼んであげる、と言って美月を驚かす。美月は大京映画でバイトすることになり、錠島(長嶋一茂)主演の子供番組「未来刑事ダイナー」の助監督を始める。
虎之助(菊池隆則)が来日して、椿屋で錠島(長嶋一茂)の出ているテレビ番組を見る。美月(岡本綾)は、大京映画に戻った、と挨拶。雀蓮(三林京子)は椿屋まで来て、トラに会わずに帰る。美月にはその気持ちがわからないが、同じことをしていた滝乃(大竹しのぶ)にはよくわかる。すると愛子(賀来千香子)が、梓(茂山逸平)が女の子を連れてきた、と椿屋に飛び込んでくる。梓は連れてきた晶子(永田めぐみ)と結婚したいと…。
黒田(國村隼)と関川(石井正則)は、日中合作映画の企画を幸太郎(佐々木蔵之介)に売り込みに行く。幸太郎は、タイガー・ウォン(=虎之助・菊池隆則)主演の映画に見える、と乗り気じゃなかったが、アメリカでヒットすれば幹プロの利益は大きい、と説得する。大京映画の事務所で電話番していた美月(岡本綾)の所に錠島(長嶋一茂)が来て、誰のために仕事をするのか、と口論になる。美月が家に帰ると曜子(岡田薫)がいて…。
第23週(126話~131話)
第23週の初放送日:2001年3月5日 – 3月10日
梓(茂山逸平)と晶子(永田めぐみ)が愛子(賀来千香子)に、どの部屋を使うかなどの相談をするので、愛子は圧倒される。早くも晶子の言いなりの梓に、本当に晶子でいいのかと聞くが、梓は晶子には俺しかいない、と自信満々。美月(岡本綾)に、曜子(岡田薫)に本当のことを言った方がいいと言われた梓は、曜子に話しかけるが逃げられてしまう。曜子は滝乃(大竹しのぶ)に、梓とのことを相談するが、滝乃は終わりは終わりと…。
大京映画の次の企画は、「魔境の剣士・ムサシ」に決定した。しかも放送まで1か月しかない、というハードスケジュールに、杉本(堺雅人)たちは無理だと反対するが、黒田(國村隼)はここで成功させて信用を勝ち取るんだと厳命する。そこに、錠島(長嶋一茂)がいなくなったと連絡が入る。錠島から美月(岡本綾)にかかってきた電話から聞こえた汽笛を手がかりに、美月は晋八(仁科貴)と神戸に探しに行く。その頃錠島は神戸で…。
錠島(長嶋一茂)が神戸にいた理由は、生き別れとなっている母親からの手紙だった。プレハブで手紙を読む錠島を見つけた美月(岡本綾)は台本を渡し連れて帰ろうとするが、錠島はこんな武蔵は出来ない、と応じない。錠島は美月に手紙を渡し、明日一日待ってくれと言って去る。黒田(國村隼)は雀蓮(三林京子)を呼び、ムサシの代役を相談する。黒田たちは、雀蓮のお告げは虎之助(菊池隆則)だと判断し、虎之助に交渉して…。
虎之助(菊池隆則)は錠島(長嶋一茂)の代役のムサシ役を受ける。虎之助に挨拶し、雀蓮から預かった浴衣を渡した滝乃(大竹しのぶ)は、具合が悪そうに胸を押さえる。滝乃の様子を、美月(岡本綾)に話す虎之助。心配した美月は滝乃に、ママもお母ちゃまも大事な母親だと言う。翌日の撮影に、浴衣で来た虎之助。なぜ衣裳を着てないと言われても、テストの後で着替えると答える。宙吊りのテスト中、錠島がムサシの扮装で現れて…。
美月(岡本綾)が、神戸の病院を訪ねると、錠島(長嶋一茂)の母とおぼしき小池正子(島村晶子)は、自分で寝返りもできないくらい弱っていた。そのまま錠島の部屋へ行くと、俺は会わないの一点張り。家に帰ると、滝乃(大竹しのぶ)が寝ていて、愛子(賀来千香子)が帳簿をつけていた。愛子は家にいるより、椿屋で仕事している方が楽だと言う。そんな愛子に霞の二番へ行け、と滝乃が言い、そこで待っていた関川(石井正則)は…。
錠島(長嶋一茂)の母・正子(島村晶子)が危篤と聞き、錠島を神戸の病院へ連れて行く美月(岡本綾)。病室に入ると、ダイナーの写真立てを握りしめて寝ている正子。美月が正子に、息子が来たと声をかけると、かすかに反応する正子。錠島は正子を見つめ、正子の手紙を出し、正子の前で破り捨てると、正子は息を引き取る。見届けた美月が部屋を出ると、廊下で錠島が泣いていた。美月と錠島はふたりきりで正子をだびにふして…。
第24週(132話~137話)
第24週の初放送日:2001年3月12日 – 3月17日
愛子(賀来千香子)にプロポーズした関川(石井正則)は、断られた後も佐々木家に通い、家に上がってお茶をするなど、友達付き合いするようになっていた。美月(岡本綾)は50を過ぎてもモテる愛子も滝乃(大竹しのぶ)も少し羨ましい。椿屋には虎之助(菊池隆則)に雀蓮(三林京子)が会いに来ていて、日本に帰って来ると苦労する、と忠告する。12月には、年末恒例の公演で幸太郎(佐々木蔵之介)が椿屋にやってきて…。
黒田(國村隼)が幸太郎(佐々木蔵之介)に、幸太郎の意見を取り入れて書いた「巌流島異聞」の台本の感想を聞くと、幸太郎は面白くないと一蹴する。巌流島で勝ったのは小次郎だった、というくらい大胆な発想しろ、との幸太郎の無理難題に、打つ手がない杉本(堺雅人)たち大京スタッフ一同。美月(岡本綾)も、一番風呂で無ければ嫌だ、と言う幸太郎のために風呂を入れ替えて掃除しながら、変わってしまったんだろうか、と…。
幸太郎(佐々木蔵之介)のわがままが止まらない。朝になって急に朝食は洋食がいいと言って、滝乃(大竹しのぶ)たちを困らせる。なんとか用意すると、今度は部屋を替えろと言う。それも満室で出来ないと断ると、椿屋を出てホテルに行くと言う。困った滝乃が美月(岡本綾)に相談すると、滝乃は美月が読んでいた台本に目を止める。椿屋を出て行く幸太郎に滝乃は、幹先生は両御大とは違う、幹先生の小次郎が見てみたいと言い…。
『魔境の剣士・ムサシ』の撮影が続く。キューのタイミングが遅い、と晋八(仁科貴)が美月(岡本綾)にダメ出ししていると、関川(石井正則)が駆け込んできて、滝乃(大竹しのぶ)が倒れて病院に運ばれた、と言う。関川や杉本(堺雅人)は早く帰れと言うが、美月は病院の梓(茂山逸平)に電話して、命に別状はない、と聞くと仕事を続ける。夜中、美月が病院に来て滝乃と話す。朝になると、滝乃は椿屋に帰る、と言い出して…。
滝乃(大竹しのぶ)は無理やり退院して、黒田(國村隼)に付き添われて、椿屋に帰ってくる。病院に行く前よりも元気になって、愛子(賀来千香子)も驚く。錠島(長嶋一茂)は美月(岡本綾)に、仕事を休んで看病しろ、と言う。自分の母親の死に目に会わせてくれて感謝している、と言うと、少し動揺する美月。黒田は、虎之助(菊池隆則)と幸太郎(佐々木蔵之介)の間で、二人のわがままに翻弄される。仕事を休んだ美月は…。
麻生佑二(沢田研二)に電話する美月(岡本綾)。滝乃(大竹しのぶ)が花尾(桂米朝)にお茶を出して部屋に戻ると、美月の前で倒れる。麻生が会えなくてもいいから、と椿屋に来て、御簾越しに滝乃と話し、元気になったらまた会おう、と約束する。あくる日、美月が仕事をしていると知らせが入り、錠島(長嶋一茂)が機転をきかし、ねん挫をしたと倒れる。収録を中止する、と杉本(堺雅人)は決め、走って帰れと皆で追い返すが…。
第25週(138話~143話)
第25週の初放送日:2001年3月19日 – 3月24日
2000年、滝乃が亡くなって18年。美月(岡本綾)は大京映画でテレビ時代劇を監督する毎日、黒田(國村隼)が会長、関川(石井正則)が社長、杉本(堺雅人)はプロデューサーになっていた。椿屋は笹守に買い取られ、高級料亭として生まれ変わり、椿屋と佐々木家の渡り廊下は無くなった。佐々木家は愛子(賀来千香子)の独断で二階を増設し、梓(茂山逸平)一家が同居。美月がロケ終わりを関川に報告していると、黒田が来て…。
大京映画の社長に就任して杉本(堺雅人)がやりたいこととして挙げたのは、映画を作ること。関川(石井正則)は反対するが、黒田(國村隼)は、好きにやってみい、と止めない。帰り道杉本は美月(岡本綾)に、美月を監督にして、宮本武蔵と撮りたいと話す。カツドウ屋では、日本に戻ってきていた虎之助(菊池隆則)が、錠島(長嶋一茂)と共演して決着をつけたいと夢を語り、錠島は見果てぬ夢はしょせん見果てぬ夢だ、と言って…。
佐々木家では、美月(岡本綾)の姪の春海(大橋梓)が愛子(賀来千香子)の部屋から戻らず、家に遅く帰ってきた晶子(永田めぐみ)が梓(茂山逸平)に、なぜ連れて戻らなかったのかと責める。美月は春海のことを、昔の自分と重ねて見ている。杉本(堺雅人)は幸太郎(佐々木蔵之介)に社長就任のあいさつをし、映画出演を頼む。黒田(國村隼)と関川(石井正則)にも、美月を監督にして、宮本武蔵を撮りたいと宣言し、美月に…。
晶子(永田めぐみ)が梓(茂山逸平)に、引っ越そうと提案する。自分の手が回らない時は愛子(賀来千香子)の手を借りたいが、自分が早く帰った時は春海(大橋梓)を離してほしいというやや自分勝手な物言いに、強く言い返せない梓。梓は美月(岡本綾)に相談するが、美月は春海をもっと信じてみてもいいんじゃない?と梓をなだめる。大京映画では、錠島(長嶋一茂)と虎之助(菊池隆則)に、武蔵をやると杉本(堺雅人)が…。
武蔵のオーディションは錠島(長嶋一茂)、虎之助(菊池隆則)はじめ大京映画の大部屋俳優たちに、幸太郎(佐々木蔵之介)の息子・早乙女清も受けていた。最終カメラテストで美月(岡本綾)と晋八(仁科貴)が考えたのは、スピーチの最中に不意打ちで襲いかかられた時の身のこなしや集中力を見るもの。ここで錠島は自分から仕掛け、圧倒的な身のこなしで、見ていた黒田(國村隼)、関川(石井正則)、杉本(堺雅人)も即決する。
武蔵のプロット作りに行き詰る美月(岡本綾)。女の監督に武蔵は無理、と言われてそれを覆そうと思ってきたけど、当たってたかもしれない、と晋八(仁科貴)に弱音を吐く。美月は晋八を、武蔵ゆかりの場所に一緒に行こうと誘うが、美月が錠島(長嶋一茂)も連れてきていて、ショックを受ける。晋八は錠島に木刀を渡し、夢死郎の時の痛みのある殺陣を思い出させる。考えるほど武蔵に共感できなくなった美月は杉本(堺雅人)に…。
最終26週(144話~149話)
最終週(26週)の初放送日:2001年3月26日 – 3月31日
錠島(長嶋一茂)に、杉本にクビを言い渡されたと話す美月(岡本綾)。錠島は美月に、役者の女房は嫌か?と聞く。驚く美月。家に帰ると、愛子(賀来千香子)と一緒に寝ている春海(大橋梓)。美月は愛子に、春海は二階で寝かせたほうがいい、と言うが、春海が下りてきてしまうらしい。愛子は、滝乃の気持ちがわかるような気がする、と美月に話す。愛子に励まされる美月だが、翌日カツドウ屋で酒を飲んで、晋八(仁科貴)に絡み…。
悩む美月(岡本綾)を幸太郎の息子・清(佐々木蔵之介)が訪ねてくる。清は美月に、幸太郎が昔作った、という小次郎の物干し竿の刀を見せる。無邪気な清の勢いに圧倒されるが、自分の時代劇への思いに改めて気づかされる美月。晶子(永田めぐみ)の病院を訪ねて、家のことを話した美月は、春海(大橋梓)を連れて、幸太郎(佐々木蔵之介:二役)に会いに行く。幸太郎の小次郎に対する思いを聞いた美月は、杉本(堺雅人)に…。
杉本(堺雅人)は、あくまで参考だ、と18年前の台本を美月(岡本綾)に渡す。美月は、なぜ武蔵が少年を斬ったのかの答えが見つからないまま、笹守の一室になった雪の一番に籠って脚本を書く。同時に錠島(長嶋一茂)は、虎之助(菊池隆則)を相手に殺陣の稽古。早乙女清(佐々木蔵之介)は、晋八(仁科貴)に基礎からたたき込まれている。杉本に何度も書き直しを命じられ、ようやく「MUSASHI」の脚本が出来上がり…。
美月(岡本綾)は、武蔵(錠島:長嶋一茂)の弱さを描きたいが、錠島の武蔵は自信がありすぎる、とNGを連発する。美月は錠島に、錠島の武蔵は強過ぎる、自分は人間的に弱い武蔵を描きたい、と説明する。錠島を説得した後、美月は武蔵の弱さを表現するため、追加シーンを書くが、プロデューサーの杉本(堺雅人)は、予算の問題で反対する。困った美月に、カメラマンの宮永(白川明彦)が予算をかけずに撮れるアイディアを出す。
武蔵(錠島:長嶋一茂)が少年を斬る一条寺下がり松のシーンの撮影が近づくと、美月(岡本綾)は悩んで眠れなくなっていた。一階の愛子(賀来千香子)の横に寝に来た春海(大橋梓)を二階に送り返し、そんな春海の後姿を見ても子供を斬った武蔵を思う。幸太郎(佐々木蔵之介)に悩んでいることを見透かされた美月は、幸太郎のひと言で吹っ切れて、錠島と気持ちが通じ合うことができた。そしてラストシーンの撮影に臨む。
MUSASHIの最終カットを撮り終えた、美月(岡本綾)。錠島(長嶋一茂)も笑顔で、美月に思いを伝える。クランクアップの報告に訪れた社長室で、杉本(堺雅人)は美月にこれからの映像業界について、そしてこれからの二人について熱く語る。数日後、スタッフルームでラッシュを見る美月の所に来た錠島に、思いを伝える美月。部屋の外で杉本も聞く。2001年3月、美月に関わった人たちが見つめる中、特別試写会が始まる。
朝ドラ【オードリー】の見どころ
- 脚本はベテラン・大石静さん。第55作「ふたりっ子」に続き、朝ドラ2作目。2024年の大河ドラマ「光る君へ」も手掛けています。
- 主人公・美月のモデルは、作者の大石静本人である。実際の大石静さんは青年座研究所を経て、永井愛さんと結成した劇団「二兎社」にて舞台女優や舞台脚本・演出などをしていた。その後、(美月の目指した映画監督ではなく)脚本家になっている。
- 劇中劇の殺陣は、実際に1950年代から東映京都撮影所で活躍した殺陣師の上野隆三が指導。
- 専属の看板スターや、情熱的な活動屋たちの古きよき華やかな映画の世界を再現。
朝ドラ【オードリー】のスタッフ
- 【作】大石静
- 【音楽】溝口肇
- 【主題歌】「Reach for the sky」(GIZA studio) 作詞・歌 – 倉木麻衣、作曲 – 大野愛果、編曲 – Cybersound
- 【語り】 岡本綾(佐々木美月役を兼任)
- 【制作統括】内藤愼介
- 【演出】長沖渉、高橋陽一郎、柳川強、訓覇圭、黒崎博
朝ドラ【オードリー】の再放送日
初放送日:2000年10月2日 ~2001年3月31日
再放送日:2024年4月1日(月)~
再放送の時間:あさ7:15~7:30(15分間)、月曜から土曜まで。
再放送の放送局:NHK BS
※毎週日曜あさ8時から9時30分までその週の6話分を再々放送。
※放送日時はあくまで予定です。
歴代朝ドラのネタバレ記事
放送クール(通算作品数) | 作品名 |
---|---|
2024年度前期(第110作) | 虎に翼 |
2023年度後期(第109作) | ブギウギ |
2023年度前期(第108作) | らんまん |
2022年度後期(第107作) | 舞いあがれ |
2022年度前期(第106作) | ちむどんどん |
2021年度後期(第105作) | カムカムエヴリバディ |
2021年度前期(第104作) | おかえりモネ |
2020年度後期(第103作) | おちょやん |
2020年度前期(第102作) | エール |
2019年度後期(第101作) | スカーレット |
2019年度前期(第100作) | なつぞら |
2018年度後期(第99作) | まんぷく |
2018年度前期(第98作) | 半分、青い。 |
2017年度後期(第97作) | わろてんか |
2017年度前期(第96作) | ひよっこ |
2001年度前期(第64作) | ちゅらさん |
2000年度後期(第63作) | オードリー |
画像出典NHK