【ドクターホワイト】の原作ネタバレ!白夜(浜辺美波)の運命は?

ドクターホワイト小説/浜辺美波

【ドクターホワイト】の原作ネタバレ!

浜辺美波 主演のドラマ『ドクターホワイト』の原作は樹林伸氏の同名シリーズ小説です。

話題のドラマ『ドクターホワイト』の原作小説は一体どんなストーリー?

気になる主人公・白夜(浜辺美波)の正体とは?命を狙われているという彼女の運命は?

今回は【ドクターホワイト】原作のネタバレについて。


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  1. 【ドクターホワイト】の原作ネタバレ
    1. 【ドクターホワイト】原作
    2. 【ドクターホワイト】原作のあらすじネタバレ(全体)
    3. 【ドクター・ホワイト】原作の結末
    4. 【ドクターホワイト】原作:白夜(浜辺美波)の運命は?
  2. 【ドクターホワイト】原作「ドクター・ホワイト千里眼のカルテ」のあらすじネタバレ
    1. 白夜(浜辺美波)と将貴(柄本佑)の出会い
    2. 白夜(浜辺美波)は現代のカスパー・ハウザー?
    3. 白夜(浜辺美波)DCTメンバーに!
    4. 白夜(浜辺美波)不治の病「狂犬病」を治す!
    5. 黄金の血液型「Rh null」
  3. 【ドクターホワイト】原作「ドクター・ホワイト神の診断」のあらすじネタバレ
    1. 1年後の喧騒
    2. 胎児が消えた?!
    3. 統合医療
    4. 高森勇気(毎熊克哉)の執刀
    5. 白夜(浜辺美波)は「Rh null」の血液型
    6. 癌のメカニズムと治療法
    7. 晴汝(岡崎紗絵)襲われる
    8. 白夜(浜辺美波)の正体はクローン人間
    9. 謎の組織
  4. 【ドクターホワイト】原作「ドクター・ホワイト心の臨床」のあらすじネタバレ
    1. 組織は公表されなかった
    2. 実習生・白夜(浜辺美波)が高森総合病院に戻る
    3. 偶然の重なり
    4. 里中院長への疑惑
    5. 患者の心に寄り添うということ
    6. 真犯人は水樹副院長
    7. 白夜(浜辺美波)が野上を救う
    8. 白夜(浜辺美波)、勇気(毎熊克哉)が朝絵を救う
  5. 【ドクターホワイト】原作の登場人物
    1. 狩岡家
    2. 高森家
    3. DCTメンバー
    4. 高森総合病院の関係者
    5. 将貴の関係者
    6. 藤島とその関係者
    7. 患者
    8. その他
  6. 【ドクターホワイト】原作の感想

【ドクターホワイト】の原作ネタバレ

【ドクターホワイト】原作のあらすじネタバレ、結末を紹介!

【ドクターホワイト】原作

原作『ドクター・ホワイト千里眼のカルテ』『ドクター・ホワイト神の診断』
著者樹林伸
出版社角川書店(角川文庫)

ドラマの原作小説「ドクターホワイト」シリーズ(著:樹林伸)は以下の3作品があります。

  1. 「ドクター・ホワイト 千里眼のカルテ」単行本2015/11/2、文庫 2019/8/23発売
  2. 「ドクター・ホワイト 神の診断」文庫:2019/11/21発売
  3. 「ドクター・ホワイト 心の臨床」文庫:2021/12/21発売

【ドクターホワイト】原作のあらすじネタバレ(全体)

【出会い】
 編集者の将貴(柄本佑)は公園で白衣一枚をまとった白夜(浜辺美波)と出会う。白夜は医療知識以外は記憶喪失のようだった。白夜は将貴の妹・晴汝(岡崎紗絵)への誤診を正し、晴汝を救った。その結果を見た院長(石坂浩二)が白夜をCDT(診断協議チーム)メンバーに入れる。

【白夜の活躍】
 その後、白夜は皮膚科の患者のエコノミークラス症候群を見抜いたり、5歳児の原因不明の腹痛を強い毒虫に咬(か)まれたと当てる。さらに、発症したら致死率100%の狂犬病患者の命を救い、末期の大腸がん患者も統合医療を駆使して救ったりと大活躍していく。
 そして白夜は、晴汝の脳腫瘍が進行したときも、ステント併用コイル塞栓(そくせん)術を提案。脳動脈瘤が破裂する危険のあった晴汝を救った。

【白夜の正体】
 白夜の正体のカギを握るのは高森勇気(毎熊克哉)からのヒント「Rh null」(アールエイチナル)。それは稀少な血液型だった。医師の麻里亜(瀧本美織)や刑事の奥村(宮田俊哉)らとともに調べていくと…資産家・海江田誠とその娘・朝絵(ともえ)にたどり着く。白夜の正体は難病を患う朝絵のスペアとして誕生したヒト・クローンだった。

【医大生・白夜】
 シリーズ第3作での白夜は医大生になり、新しい副院長が主犯となっての保険金殺人を見抜く。さらに驚きべくことに、死を覚悟していた朝絵の難病ALSについての誤診も見抜き、朝絵の命を救った。

*注:ここまで、シリーズ第3作までのあらすじネタバレです。

【ドクター・ホワイト】原作の結末

【結末】
 ドラマ放送時の最新刊となるシリーズ第3作では、白夜が医大生になっていました。そして双子の姉ともいえる朝絵の命を救うという驚きの結末です。
 第3作の結末で気になるのは、ドナーとなるクローン人間を作り飼育する「医療犯罪組織」がいまだどこかで暗躍していること。「続編」が可能な終わり方でした。

【予想】
 予想ですが、今後は白夜が医師になって正式に高森総合病院に戻ると思います。「組織」の黒幕との対決も今後描かれるでしょう。そのときは実業家・海江田誠が将貴や白夜たちの味方になってくれるはず。
 となると、敵は政界の大物か?組織が逃げることが出来ているので警察幹部の可能性も?「不老不死を願う権力者」が黒幕または協力者なのは間違いないと思います。果たして謎の組織との最終決戦まで描かれるのでしょうか。

【ドクターホワイト】原作:白夜(浜辺美波)の運命は?

「組織」は難病患者のためのスペアとして白夜を誕生させ飼育。白夜の移植手術の日、組織の一員だった高森勇気が彼女を助けだしました。しかし勇気は組織から追われることに…。

結果的に、将貴は組織の顧客・海江田誠にたどり着き、白夜をドナーとしないことを約束してもらいます。また、警察は白夜が産まれ育った組織の施設を特定。しかし組織はその場所から消えていて、行方をくらましてしまいました。

まだ油断ならないですが、ひと安心?いいえ。白夜の運命は、この先も危険と予想。理由は…

白夜の運命が危険な理由(1):高森勇気が捕まれば危ない

高森勇気は所属していた組織の裏切り者であり、警察が組織の存在を把握したとはいえ、逃亡を続けることにします。白夜の身の安全が保障されたものの、まだ何があるか分からないから。

勇気は「白夜に何かあればいつでも悪事を公表する用意がある」と組織に伝えてありますが、勇気に何かあれば白夜の安全も保障できないので…逃亡するしかないのです。(おそらくヒト・クローンを誕生させた証拠を持っている?それを奪われたら勇気も白夜も消される?)

白夜の運命が危険な理由(2):真実を知る者として消される

白夜は海江田朝絵のクローンであり、朝絵が回復した今、商品(ドナー)としての利用価値はありません。それなら放っておけばいいのですが、知られたくない真実を知る者として消される可能性があります。

知る者というか体現していると言う方が正確でしょうか。法律・倫理・宗教的にタブーのヒト・クローンの証拠そのものが、白夜ですからね。

白夜の運命が危険な理由(3):裏切り者として消される

もっとシンプルに、高森勇気と同様、白夜も裏切り者なので殺害される可能性はあります。(白夜は施設にいる時、自分がクローンでドナーになることを受け入れていました。そう教育されてそう生きるのが当然と思っていたのですが、結果的に組織を裏切りました。)

白夜の安全が保障され、高森勇気が逃亡をしなくてすむのは、「組織」が解体されたときでしょう。そのときまで白夜の運命は、この先も波乱が待ち受けていそうです。

次から原作小説3作品のあらすじネタバレをより詳しく紹介します。↓↓

【ドクターホワイト】原作「ドクター・ホワイト千里眼のカルテ」のあらすじネタバレ

【ドクターホワイト】の原作は小説「ドクター・ホワイト」シリーズ。

その第1作「ドクター・ホワイト 千里眼のカルテ」のあらすじネタバレを紹介します。

白夜(浜辺美波)と将貴(柄本佑)の出会い

編集者の狩岡将貴(柄本佑)は早朝の公園をランニング中、白衣のみをまとった謎の美少女・白夜(浜辺美波)と出会った。

事件性を感じた将貴は、旧知の医師・高森麻里亜(瀧本美織)に連絡し、麻里亜の勤める高森総合病院に少女を運ぶ。麻里亜の診断では性的被害はなかった。記憶喪失のようだが、白夜は将貴の持病である胃痛の原因をさらりと言い当てる!

しかし医療知識以外は全く世間知らずの白夜。将貴は母方の姓「雪村」を与え、親戚の子・雪村白夜として家で預かることにする。両親亡きあとの狩岡家は妹・晴汝(岡崎紗絵)もいる。3人暮らしがスタート。

高森総合病院は、院長・高森巌(石坂浩二)の妻の副院長が亡くなって以来、医療ミスが多発して現在は患者が激減中。巌も癌の闘病中の為、娘の麻里亜が大学病院の勤務医をやめて、内科部長になって経営立て直しも模索中だ…。

白夜(浜辺美波)は現代のカスパー・ハウザー?

白夜は豊富な医学知識があり、観察眼も鋭かった。将貴は白夜を「現代のカスパー・ハウザー」だと思った。

「カスパー・ハウザー」とは…ドイツの孤児。16歳頃に保護されるまで長期にわたり地下の牢獄に閉じ込められていたという。暗闇でも字を読めて色を判別できたり、鋭い嗅覚、触っただけで金属の種類を当てられるなど、特殊な五感能力があったと言われている。 推定21歳のころ、1833年12月17日に何者かに暗殺された。

そんな中、晴汝が病院に運ばれてきた。診断した外科医・仙道(高橋努)が脳動脈瘤の変調を疑い、緊急手術をするという。

しかし白夜は仙道の誤診を正し、「ピロリ菌感染による萎縮性胃炎」と「ビタミンB12の欠乏症」と診断。晴汝は、無駄な手術をしなくて済んだ。※ドラマ第1話で扱った内容。

白夜(浜辺美波)DCTメンバーに!

院長・高森厳は、「診断協議チーム(DCT)」を設立。そして助言するだけなら医師免許がいらないため、白夜もDCTへ採用した。その後、白夜は大活躍していく。

皮膚科の患者

皮膚科の患者・村木健哉(石田佳央)への夏樹拓実(勝地涼)の誤診を正す。細菌感染と思われたが…実は命が危険なエコノミークラス症候群だった。白夜の診断もあり、命が救われた。

浮気旅行のことは、妊娠中の奥さんの要望もあり触れず、足の血管が詰まったとだけ健哉に伝えられた。※ドラマ第2話で扱った内容。ドラマでは旅行でなく徹夜の仕事に改変。

JMA代表の息子の命

高森総合病院に買収問題が持ち上がる。投資会社「JMA(ジャパン・メディカル・アドバイザーズ)」が資本参加してきた。真壁副院長(小手伸也)が連れてきたのだが、JMAは経営を立て直すとすぐ売却して利益を得ている。高森総合病院もどうなるのか…。

そんな中、JMA代表・藤島大器(安井順平)の5才の息子・誠が急患で運ばれてくる。原因不明の症状だった。藤島代表は、JMAが抱える医師たち3人を呼ぶ。

(1)診断学をアメリカで学んだ神足学人。夏樹の同期で犬猿の仲らしい。
(2)まだ20代ながらアメリカ帰りの天才的な内科医・倉田真奈美。
(3)総合外科が専門でリーダー的存在の不破尊。

(…と紹介したものの、この3人、シリーズ第3作まで大して活躍できない、DCTの当て馬的な存在です。本当に優秀なら派遣みたいに流浪してませんし。いや、白夜が凄すぎるのか?)

神足は、誠は細菌感染で敗血症を起こしかけてると診断。抗生剤投与をしようとする。

しかし白夜は、誠の症状を虫刺されと診断。どんな虫か?

日本にはいない致死性の強力な毒をもつ蜘蛛。ジュウサンボシゲグモ。

神足は信じられない様子だが…白夜たちDCTチームは藤島代表の家へ着替えを取りに行くからと嘘をついて鍵をもらって自宅へ入り、その毒蜘蛛を捕まえていた。まさに証拠だ。

藤島代表がヨーロッパのオークションで落とした古い家具に棲みついていたと思われる。てんとう虫に似ているので、誠が触ろうとして刺されたようだ。

すぐに血清を取り寄せて、誠の命は助かった。

白夜(浜辺美波)不治の病「狂犬病」を治す!

第1作目の終盤ではグラビアアイドル・日比野カンナ(水崎綾女)の命を、白夜が救う!

しかも絶対助からないと言われている狂犬病を…。

カンナは、写真集の撮影でバリ島に行ったとき、コウモリに噛まれ狂犬病にかかったもよう。

狂犬病は発症すると致死率100%。予防接種が義務化されていることもあり、現在の日本は狂犬病の発生のない国。 人は1956年を最後に発生なし。動物では1957年の猫での発生が最後。
 なお、輸入感染事例としては狂犬病流行国で犬に咬まれ帰国後に発症した事例が、1970年にネパールからの帰国者で1例。2006年にフィリピンからの帰国者で2例ある、と厚労省が発表している。

白夜は「ミルウォーキーの奇跡」と呼ばれるミルウォーキー・プロトコルを、カンナに実施するよう助言。

麻酔科医は末期がんの高森巌が、最後の仕事と奮い立って担当…。

そして…奇跡的に、致死率100%の狂犬病の治療に成功した。

補足:ミルウォーキー・プロトコルは奇跡

ミルウォーキー・プロトコルとは?…人間の狂犬病の治療における実験的処置法。2004年、ロドニー・ウィロビー・ジュニア博士が、15才女子のジーナ・ギーズ (Jeanna Giese) への治療で成功したことで命名された。ミルウォーキーとは病院があるウィスコンシン州の都市。プロトコルとは規約、手順などの意味がある。
 ウィロビー博士は、患者を1週間深く昏睡させて脳を眠った状態にし、ウイルスに内臓にダメージを与える指令を出さないようにした。そして免疫細胞がウイルスを攻撃できるまで生かすことに成功。※

※注)これは奇跡的な成功例です。実際、2019年の記事ですが、わずか6名の回復だそうです↓

この治療は「ミルウォーキー・プロトコル」と名付けられました。この治療法は人の狂犬病治療における実験的な処置方法で、これまで50名以上に実施され6名が回復したと報告されています。

https://www.dailyshincho.jp/

…狂犬病は世界保健機構(WHO)の推計によると、世界で年間おおよそ5万5千人の人が亡くなっています。なのに「ミルウォーキー・プロトコル」の実施数も少なく、わずか6名の回復というのは、発症した場合に有効な治療法がないと言えるでしょう。

厚労省も疑いがある場合、発症前にワクチン接種をするよう呼び掛けています。↓

Q10  狂犬病を発症した場合に治療法はありますか。 A10  狂犬病は一旦発症すれば効果的な治療法はなく、ほぼ100%の方が亡くなります。感染動物に咬まれるなど感染した疑いがある場合には、その直後から連続したワクチンを接種(暴露後ワクチン接種)をすることで発症を抑えることができます

https://www.mhlw.go.jp/…

黄金の血液型「Rh null」

高森巌は、死の間際、将貴に「私のミスで」将貴の母を死なせたことを謝罪。しかし将貴は責めることはなかった。※シリーズ第3作までこのミスがミステリー的に暴かれることはありません。本当にミスなのかも不明です。

高森巌は、白夜に「医者になれ」と力強く伝える。白夜は「はい」と返答した。

シリーズ第1作ラスト。井の頭公園にて。将貴は、失踪中の高森勇気(毎熊克哉)と4年ぶりに会った。勇気は麻里亜の兄で、優秀な医師。

なぜ逃げているのか理由を言えないという勇気。言えば将貴は公表しようとして、将貴も白夜も殺されるだろうから。

去り際。勇気は「Rh null」と書かれたメモを、将貴に渡した。

「Rh null」(アールエイチナル)は血液型のひとつ。抗原を一切持たず誰にでも輸血することが出来るため、「Golden blood」(黄金の血液型)と呼ばれています。この血液型は地球上にわずか43人と言われています。※2021年時点

(「ドクター・ホワイト千里眼のカルテ」おわり)

【ドクターホワイト】原作「ドクター・ホワイト神の診断」のあらすじネタバレ

【ドクターホワイト】原作小説のシリーズ第2作「ドクター・ホワイト千里眼のカルテ」のあらすじネタバレを紹介します。

驚異の診断力を持つ謎の少女・雪村白夜(浜辺美波)が高森病院の診断協議チーム「DCT」に入って1年後の物語で…。

1年後の喧騒

白夜は、若い研修医の女性・絵馬の誤診を正す。

絵馬は高校生の男の子が受診してきて、心筋梗塞のマーカーの異常値が出たため、あわてた。

しかし白夜は、正常なのに異常値が出るケースは沢山あり、「たんなる成長痛」と診断*。カテーテルを心臓まで通す方がリスクがあると見立てて、様子観察をする方がイイと伝えた。※正確には医師免許はないため助言。

その男の子はラグビー部の試合があるため帰っていった。

グラビアアイドルだった日比野カンナ(水崎綾女)は、編集者の滝隆太郎と結婚し、芸能界を引退した。まだ後遺症の麻痺が残っているが、妊娠している。

胎児が消えた?!

高森勇気が指名手配犯になった。港医科大の研究室で働いてい時に5億円横領したらしいが…。将貴も麻里亜も信じられなかった。白夜は、高森勇気を「白い施設にいた人」「私を外に連れ出した人」と認めた。

将貴は、刑事で友人の奥村(宮田俊哉)に「Rh null」のことを調べるよう頼む。

そんな中、滝カンナの胎児が消失。子宮外妊娠かと思われtが卵管にも胎嚢がなかった。JMAの倉田は癌を疑う。それなら妊娠と同じく血中hcgが上昇する。

しかし、白夜はカンナの脈から妊娠と癌の両方に気づく。カンナは卵巣妊娠(左側)と卵巣癌(右側)にかかっていた。カンナは子供を産む意思が強いため、出産はすることに。

統合医療

麻里亜は、胎児が成長するまで3ヶ月、できれば5ヶ月は抗がん剤を使用しない方針とするが…

白夜は抗がん剤は効果がないと斬る。精巣がんなど一部を除いて固形がんを治せる抗がん剤はない。そもそも、白夜は癌の三大療法(手術、薬物、放射線)を否定する。他に方法がないからしているだけ、と。

そして白夜は漢方や食餌療法など代替医療を患者個人に合わせてコーディネートする「統合医療」を勧める。

統合医療とは?

統合医療は医療の受け手である「人」を中心とした医療システムである。近代西洋医学に基づいた従来の医療の枠を超えて、「人」の生老病死に関わり、種々の相補(補完)・代替医療を加味し、生きていくために不可欠な「衣・食・住」を基盤として、さらには自然環境や経済社会をも包含する医療システムである。

http://imj.or.jp/intro

↑統合医療学会の見解です。白夜は西洋医学の「がんの三大療法」を否定しますが、西洋医療の枠を超える、というのが本来の意味です。

カンナの卵巣癌は、妊娠での検査で早期発見したため初期だった。

高森勇気(毎熊克哉)の執刀

そんな中、カンナの夫・滝隆太郎が腹痛に悩まされる。麻里亜は「腸閉塞」、夏樹は「クローン病」、仙道が「憩室炎(けいしつえん)かも」と診断するが…

白夜が「違います」と正す。感染性の腹部大動脈瘤の破裂だ。東南アジアへの新婚旅行の際のサルモネラ菌が原因の可能性が高い。

ドクターホワイトコール(緊急事態に際して病院内にいる医師に集合を知らせる呼び出し)をかける。

しかし、できる医師が見つからない。真壁院長は長崎に学会。成功率50%の手術のため、JMAの不破は断り、近藤も向かっているが成功したことはない。

そこで、白夜が秘密の連絡手段を使って、高森勇気を呼んだ。顔を隠して、麻里亜が呼んだ医師ということで執刀。滝隆太郎は助かった。

白夜(浜辺美波)は「Rh null」の血液型

白夜の血液型を調べると、「Rh null」だと判明した。日本に7人しかいない稀少血液型なので調べたら両親がわかるかもしれない。

資産1兆円以上と言われる実業家の海江田誠と、彼の亡くなった妻も「Rh null」の血液型だと判明。 海江田夫婦には全身の筋肉が衰える難病で長期入院している娘もいた。

海江田誠は、JMAを通じて高森総合病院に投資をしている。他の「Rh null」の人物は白夜との繋がりがない。海江田家と何の関係があるのか…。

白夜は、将貴が奥村と「Rh null」のことで電話をしているのを知り、隠し事をしてると疑った。そして「一人にしないで」と将貴に抱き着いた。白夜は以前、白い部屋にずっと一人だった…。将貴は「心配しないで」と答える。

将貴は、海江田誠にインタビューと称して会社を訪ねて会った。すると「命が惜しくないのか」と脅迫されてしまう。しかし将貴は屈しなかった…。

癌のメカニズムと治療法

カンナは、滝の手術の一週間後、癌がある卵巣の摘出する腹腔鏡手術を受けて成功。妊娠の方も順調だ。

しかし、癌は初期でも転移性ならすでに転移は始まっている。転移性でない癌もある。治癒できない抗がん剤は胎児にも良くないので使わない方向は変わらない。

白夜はカンナが今幸せそうなのに癌になった原因がわからないでいた。10年前に両親が亡くなって辛い日々を送っていたが、今は結婚して幸せだ。ストレスを受けて交感神経が優位になると、活性酸素が発生し癌の原因のひとつになると言われている。

心のリラックスが免疫を高めて癌の治療に効果的なのは間違いない。しかし免疫力だけで癌を根本的に叩くのは難しいのも現実。

白夜は念のため代替医療を調べ続ける。

やがてカンナの癌の病理検査の結果が出た。白夜は、大腸癌が先にできて、卵巣に転移したと診断。しかもステージ4の悪性の癌だった。

余命1年くらいだ。しかし中絶して癌の治療に集中といっても、治療法はない。

白夜は代替医療について説明するが、麻里亜はエビデンスを示して欲しいと要望。そもそも、抗がん剤も一部の癌(白血病・悪性リンパ腫・睾丸腫瘍・咽頭癌など)を除いてエビデンスはない。治験も信用できるデータではない、と白夜。

代替医療には治験のエビデンスはないが、抗がん剤のような副作用はほぼない。その上で、白夜は癌の発生のメカニズムについて説明。生物の細胞の成り立ちやミトコンドリアについても講義する。

ここの説明は難しいので、詳しくは原作を参照してほしい。簡単にいうと、細胞の酸欠で癌化になる。人間の細胞にはミトコンドリアという器官がある。

ノーベル賞受賞者であるオットー・ワールブルクが提唱した「ワールブルク効果」についても説明する白夜。

ワールブルク効果

ワールブルク効果とは?↓

Warburg効果とは,50年以上前にOtto Warburgが観察した現象で,がん細胞は有酸素下でもミトコンドリアの酸化的リン酸化よりも,解糖系でATPを産生する現象である.

細胞の癌化はミトコンドリアの酸素を使ったエネルギー生成活動が難しい環境(酸欠?)で、ミトコンドリアの活動を抑制して先祖返りをして癌化する…と白夜は説明。難しい(笑)

また、白夜はミトコンドリアが機能不全を起こして異常をきたした細胞の自殺(アポトーシス)という機能も働かなくなると説明。

まとめると…血行不良による酸欠から始まったミトコンドリアの機能不全を修復すれば癌細胞が正常に戻る可能性がるとのこと。

つまりどうしたらいいのか?

白夜(浜辺美波)が試す癌治療法

白夜は以下のことを推奨↓↓

  • 喫煙者なら禁煙。
  • ストレスの解消。
  • 栄養の改善。
  • 血液の流れをよくする温熱療法。エクササイズ。
  • ミトコンドリアを活性化させる物質(カフェイン、ジクロロ酢酸ナトリウム)を摂取。※ジクロロ酢酸ナトリウムは妊婦は不可。
  • 糖質が少ない食事。
  • 水素(サプリメントや直接取り込む機器)
  • ビタミンC大量点滴。
  • ビワの種子から抽出されるアミグダリン。
  • コロイド化されたヨード。(コロイドヨード療法)
  • 重水素低減水。
  • ジュネピックというサプリメント。(今回使いたいサプリで最も抗がん作用がある)
  • フュージョンセル治療
  • オプシーボ(免疫チェック阻害薬)

※あくまで例です。治療は医師と相談の上お願いします。

フュージョンセル治療

そして白夜は、切り札としてフュージョンセル治療をあげる。

フュージョンセル治療とは?↓

「フュージョンセル治療」は、ハーバード大学ダナ・ファーバーがん研究所で開発された最新と言われているがん免疫治療です。がん患者さんの樹状細胞とがん細胞を融合(フュージョン)させた細胞を用いて、がんを攻撃する治療です。

がん細胞のDNAを取り込みつつ樹状細胞の性質も保持していて、がん患者さんのがんが持っている抗原(がんの目印となるタンパク質)を全て表面に現わし、がん患者さん自身のがん抗体を目印に、患者さんの樹状細胞に覚えさせ、免疫系へ指令を出させることによってがん細胞を攻撃します。

患者さん自身の樹状細胞とがん細胞をフュージョン(融合)させた細胞なので、世界にたった一つしかない患者さんのオーダーメイド型のがんワクチンとなり、患者さん自身の細胞を元にワクチンを調整しているので、副作用もほとんどなく体に優しい治療法です。

https://epclinic.tokyo…

最新のがん治療法のひとつで、副作用がほぼないため試す価値はあります。気になるコストは2週間に1度の治療を半年続けて350万円…と小説では語られています。※実際のコストは病院によって違います。

さらに「オプシーボ」などの免疫チェックポイント阻害薬もためす価値がある、と白夜。

問題は費用だが…。

晴汝(岡崎紗絵)襲われる

晴汝(岡崎紗絵)が家で襲われた!?

しかし奥村淳平(宮田俊哉)らが来て、作業員服姿の暴力団の下っ端3人を捕まえた。晴汝は薬を嗅がされて段ボールに入れられ運び込まれるところだった。

奥村が来たのは理由があった。将貴が海江田誠に会ったあと、奥村に相談していたから。そして奥村が不自然に吉祥寺署から警視庁の内勤へ異動になったのも胸騒ぎがしていた。

病院に連れてこられた晴汝は、カンナのことを聞いて、元芸能人だから末期癌を公表してクラウドファンディングで集めることを提案…。

そんな中、晴汝の病状(脳動脈瘤)が悪化!頭を開いて手術するのは困難な部位だからこれまで放置していた。緊急手術をしても助かる保証がない。

白夜も脳内出血してるのは間違いないが、今はかさぶたが出来て血が止まっていると指摘。

しかし開頭手術は危険すぎる。

そのため白夜は「コイル塞栓術(そくせんじゅつ)」を提案。※医師免許がないため、あくまで助言。

コイル塞栓術

コイル塞栓術とは?↓↓

破裂する危険がある脳動脈瘤(未破裂脳動脈瘤)の中にコイルを詰めて、 血液の流入をなくしてしまうことで破裂(くも膜下出血)を防ぎます

https://www.hospital.nagano.nagano.jp…

血管内治療と言われる手術方法であり、足の付け根の血管からマイクロカテーテルを通じてコイルを動脈瘤へ送り込みます。※リンク先では図もあるので気になる方は参照を。

さらに、白夜はステント併用を提案。これなら助かる、と医師たちは思う。執刀医は真壁院長に頼むことになるが、高森勇気にも白夜を通して呼ぶことに…。

※「ステント併用動脈瘤塞栓術」は実際に治療経験がある方法↓↓

鳥取大学医学部附属病院でのステント併用動脈瘤塞栓術

当院では年間30-40例程度脳動脈瘤に対する血管内手術を行っていますが、未破裂脳動脈瘤の約半数でステントを使用しています。当院では2010年から積極的にこのステント併用動脈瘤塞栓術を導入し、治療経験は100例に及びます。

https://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp…

白夜(浜辺美波)の正体はクローン人間

「ステント併用動脈瘤塞栓術」は高度な術式のため、高森勇気を呼びたい。しかし晴汝が狙われて交渉材料に使われそうになったことから…将貴は考える。

そして将貴は白夜に頼んだ。娘になりきって海江田誠に会うように…。

電話で娘の声を聞いた海江田誠は気が動転した。

全身の筋肉がやせて力が衰える難病「ALS」を患う娘・朝絵(ともえ)は声を出せない。

だが、まさかと思って娘の病室へ急いだ。

その病室の前で待っていたのは、将貴と…海江田誠の罪の証しである白夜。

海江田誠は施設=コードネーム「プラント」で白夜の姿を見ることはあっても、顔を見ることは組織の人から許されなかった。常に白夜は覆面をかぶっていた。人間として見てしまうと実行できないから、と。

海江田誠は、素性のわからない組織の誘いで半信半疑だった。だが、証拠のモノ=白夜を見せられて、悪魔の誘いに乗ってしまったという。

白夜は、海江田誠の血を分けた娘のような存在。

白夜は、海江田朝絵のクローンとして誕生した人間だった。

白夜は、朝絵の脳を移植して生かすための「体のスペア」として生まれた商品(モノ)だった。

謎の組織

白夜は「お姉さんに会わせて」と海江田誠に申し出て、朝絵に会った。寝たきりな朝絵は今40手前になる。白夜が年をとって筋肉が落ちた顔のようだ。少しして、白夜は朝絵と2人だけで話した。

海江田誠と将貴は廊下に出て話す。海江田誠は組織が将貴の妹に危害を加えたことを知らなかった。謎の「組織」が裏で動いたのだろう。海江田誠は白夜とその関係者に危害が及ばよう組織に伝える、と約束した。

実際、海江田誠は前金30億円のほかに、成功報酬だったはずの50億円を払うから白夜を処分しないように、関係者を傷つけないようにと組織に連絡。組織は承諾した。

白夜は、高森勇気を呼んだ。難しい手術だったが、ステント併用動脈瘤塞栓術で、晴汝の命を救った。

臓器工場

将貴が聞いたところ、組織は謎に包まれていた。富豪の海江田誠がクライアント第1号だった。

将貴は組織の最終的な狙いは、不治の病から人を救うのでなく…権力者の最終願望である不老不死ではないかと疑っている。海江田朝絵は実験にすぎない、と。

組織は臓器工場ともいえるクローン人間を育成して育てる施設を持っている。

海江田の知る限り、2歳から18歳まで15人近くいるらしい。

白夜によると、自分と同じ顔をした人間が何人もいたという。だから白夜は自分がクローン人間で、スペアだと知っていた。

管理人に尋ねたとき、「あなたの体は病気の人に役立つ」といわれ、白夜は受け入れていた。

ずっと部屋でひとりで閉じこもっていたが、あるとき管理人のひとりの女性と外で話すようになった。言葉も教えてくれた。おかしくなって死ぬ子も出たから他人に接するよう育て方を変えたようだ。

「白夜の名前の意味」と「医学に詳しい理由」

管理人のひとりの女性が、白夜と名付けてくれた。

108(ひゃくはち)番目の胚(はい)で作られたクローン人だからと白夜は明かす。※ひゃく+や(やっつ)…からの当て字でか?

医学に詳しい理由は、医学だけは望めばなんでも知識を与えられたから。本、医学誌、映像なんでも。

しかし他のことに興味を持たせてもらえなかった。他のクローン人間も同じで、ひとつしか学べなかった。積み木を選んだ子は、ずっと積み木を習得・練習していた。その子はいなくなった。

人間は興味を持ったことで成果をあげて生きるもの。つまり心身が健全に育つには「生き甲斐」が必要で、だから一つだけ与えるという苦肉の策な育て方になった。

しかし他のことを色々学ぶと「人間」になってしまうから一つだけだったんだろう、と組織の狙いを白夜は解説する。

将貴は脳移植なんてできるのかも疑問だった。白夜はその疑問に答えた。脳すべてを移植するわけでなく、人格や記憶をつかさどるのは脳の部分(大脳皮質、海馬)を移植すればすむという。動物実験では実証できており、クローンは双子と同じく拒絶反応もない。

白夜は「脳移植は可能」と言った。

晴汝が助かった3ヶ月後…。滝カンナが男の子を出産。卵巣を帝王切開し、28週の赤ちゃんを取り出した。癌の転移も卵巣や周辺から見られなかった。

クラウドファンディングとブログ収入で、2ヶ月にわたるフュージョンセル治療や代替治療をしてきて、効果があったようだ。

しかし何が効いたのかは不明。どれか一つか?相互作用なのか?

白夜は、そんなことの検証は後ですればいい、と思った。

組織はどこかに消えた

シリーズ第2作のラスト。謎の組織の臓器工場の場所が、内部リークによって、突き止められる。

埼玉の山間の研究施設だ。

しかし事前にリークを知った組織は証拠を何も残さず、消えていた。

白夜と将貴は、奥村とともに施設に入った。

白夜は、地下室のある一室に行き、自分の部屋だったと言った。

広さは4畳半の狭さで、窓のない白い壁に囲まれた部屋。

白夜はそこで起きてから寝るまで1人で本を読んでいた時もあった。

白夜は膝を抱えて座ってみた。将貴は、白夜を産んだ子宮の中の胎児に感じつつ…もう人間になった白夜に手を差し伸べて立たせた。

(「ドクター・ホワイト神の診断」おわり)

【ドクターホワイト】原作「ドクター・ホワイト心の臨床」のあらすじネタバレ

【ドクターホワイト】原作小説のシリーズ第3作「ドクター・ホワイト 心の臨床」のあらすじネタバレを紹介します。

組織は公表されなかった

白夜と将貴が出会ってから6年後の物語。

白夜と将貴は、月1回以上、熱海の施設に入院中の海江田朝絵を見舞っている。

白夜は食に関心なかったはずが、今では熱海プリンが大好きになった。朝絵の口にもプリンを含ませてあげる。

しかし、朝絵は目の動きが保てなくなる前に、安楽死を望んでいた…。※目の動きが失われると機械を使った会話もできなくなるから。

5年前、白夜をつくった「組織」のことが発覚し、将貴は公表しようとした。しかし公安警察や政府の判断で報道されなかった。

その理由はこうだ。全人類のタブーである「ヒト・クローン」がこの日本でなされていたことはショッキングすぎる。世界からのバッシングも激しくなるだろうから。警察幹部は表するにしても医療組織の正体を明らかにしてからと結論づけていた。

将貴は納得していない。それでも受け入れたのは、白夜が好奇の目にさらされるのを防ぎたいから。

将貴は、白夜の人権(※)と安全を確保するための監視体制を敷くことを条件に、公安警察・政府の説得に応じた。

※読み返して「人権」という言葉しか拾えなかったのですが、人権があるということは戸籍もあるということ。戸籍が持てて身元がハッキリしたので、白夜は大学医学部へ進学できたのかも?

実習生・白夜(浜辺美波)が高森総合病院に戻る

白夜は港医科大学に入学し、5年生になった。そして「実習生」として高森総合病院に帰って来た。

DCTのメンバーは変わっていない。

リーダーは麻里亜(瀧本美織)で内科部長と理事長も兼務している。夏樹(勝地涼)は皮膚科の部長になっていた。若手だった仙道(高橋努)は脳外科のトップナイフになっている。仙道は、かつては白夜に気があったが20代女性と交際中だ。精神科の西島(片桐仁)も相変わらず元気だ。

JMAの医師たちは白夜たちDCTの活躍もあって、経営が好転したため、医師を派遣することはなくなった。資金援助は続けているが実質的に支配力を失い、経営への口出しはなくなった。

偶然の重なり

昨晩に研修医・岩崎が診た60代のアルコール中毒患者・野上の容態が急変した。

白夜たちDCTメンバーが駆けつけて診断していくが…白夜は「誤診です」と告げた。

岩崎は怒った。自分の診断に自信があった。

しかし白夜は、岩崎が血液などの検査結果ばかり見て、患者を観察していないと指摘。

白夜は、野上の皮膚に紫斑があり、小さな内出血がたくさんあるという。

DIC=播種(はしゅ)性血管内凝固症候群だった。

感染や癌などが原因でおきるが、白夜は薬剤性障害…アセトアミノフェン中毒と診断した。(正確には助言)

岩崎は「アセリオ」1000mgを野上に投与していた。アセリオは解熱鎮痛効果を持つアセトアミノフェンを有効成分とする静注製剤だ。

岩崎はまたアセリオの投与を指示しようとしていた。もし投与していたら手遅れになって肝移植しか方法がなくなるところだった。

白夜はアセトアミノフェン中毒に対する解毒剤「アセチルシスティン」の投与を助言する。

・・・白夜は野上が一週間前に逆流性食道炎で来院したとき、ランソプラゾールを処方されていると気づく。ランソプラゾールはアセトアミノフェンの血中濃度を上昇させる。

野上はバーテンダーが長くアルコール過剰摂取で肝機能が弱っている。そこにランソプラゾールを処方され飲んでいる期間に、処方されていないアセトアミノフェン中毒を起こして運ばれ、経験の浅い研修医が当直していて、アセリオ(成分にアセトアミノフェン)を投与してしまった。

白夜は偶然の重なりに違和感を持った。

ガラケーを持っていた野上がアセトアミノフェンを調べて自殺に使ったとは思えない。それなのにアセトアミノフェンを大量服用するなんて…何者かによる自殺教唆か・殺人未遂かもしれない、と。

しかも高森総合病院は、今年に入って痛み止めはアセトアミノフェン系薬剤だけの投与になっていた。逆流性食道炎にはランソプラゾールだけ。他にも薬はあるはずなのに…。

麻里亜は、新しい院長・里中が薬剤投与の基本ガイドラインを作ったから、使える薬が決まっていると明かす。里中は港医科大学の元副院長でALSの権威だ。なぜそんなことをするのか?犯人は里中なのか?

なお、高森総合病院には副院長として、里中が水樹冬星(みずき・とうさい)を引っ張て来た人物が就任している。40代だが看護師からも人気が高い。前院長の真壁(小手伸也)は出身大学の医局に戻った。

里中院長への疑惑

槙村が狩岡家に来て、将貴・白夜と話す。槇村は将貴の父や高森巌と大学時代の同期で友人。現在は65才ながら港医科大学に新設された総合診療科の部長を務めている。

麻里亜に頼まれて、里中院長のことを槙村は調べた。すると、里中は副院長のころ、病院の処方にルールを作った。投資の失敗が噂されていて、製薬会社からワイロでももらっていたのかもしれない。

しかしもっと問題は医療事故だった。70代女性が必要以上の投薬で亡くなった。死因は、便秘からの腸破裂からくる敗血症性ショックだったが…話を聞いた白夜は「誤診ですね」と指摘。

本当の死因は高マグネシウム血症だ。患者はビタミンDのサプリを医師に伝えず飲んでいた。ビタミンDはマグネシウムの吸収を促す。便秘薬として酸化マグネシウム剤を飲んでいた。里中のルールで出された薬だ。精神科ではその女性にトリプタノールを処方された。これも里中のルール。トリプタノールは便秘を引き起こす副作用があった。

里中が、故意に医療事故を引き起こしたのか?

患者の心に寄り添うということ

井の頭公園で、槙村・白夜・将貴は散歩しながら話した。すると乳児が泣いていた。白夜は色々な可能性を考慮して診断するが、槇村は母親と歯の浮くような会話をして笑顔にさせた。すると赤ちゃんが泣きやむ。

槙村は、乳児は母親が不機嫌だったから泣いたんだと白夜に伝える。そして「診断医は患者の心に寄り添うことが必要になる」と言った。

しかし、白夜は理解できなかった。

だが、白夜は入院中の野上に寄り添うことになる。野上が話してくれないのだ。野上に、大量にアセトアミノフェンを摂取させた人物=殺人未遂の実行犯がいるはずなのに…。

その人物に野上は心当たりがあった。見舞いにも来ている安岡美保だ。不況でホームレスになっていた野上を拾ってくれたバー経営者だ。いわば恩人なので、野上はかばっていた。

白夜はそれでも毎日のように野上の病室を訪ねて話した。彼の身の上話も聞かせてもらった。しだいに野上は白夜が病室を訪ねてくるのを楽しみにしていく…。

真犯人は水樹副院長

DCTメンバーは里中の港医科大時代の医療事故を聞いて、未必の故意の殺人だと思った。

未必の故意:行為者が自らの行為が罪となる結果を望んいるわけではないが、もしそのような結果が発生した場合それならそれで仕方がないと、あえてその行為をすること。

しかし将貴は里中院長のずっと研究一筋のキャリアから殺人なんて出来ないと思う。

ならば誰が?

友人の刑事・奥村(宮田俊哉)、携帯電話会社を持つ海江田誠も頼りつつ、調べていく。

すると安岡美保に借金があるとわかる。野上には多額の保険がかけられていた。

そして安岡と連絡を取っていたのが水樹副院長とわかる。

そして、白夜は朝絵がプリンを舌を動かして食べられたことに違和感を持つ。

朝絵が患う筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気。なのに舌が衰えていない!誤診だ、と白夜は考える。

27年前、朝絵をALSと診断したのはALSの権威・里中だった。

3年前、熱海の海江田朝絵の病室に3カ月だけ、水樹が医師として通っていたこともわかる。水樹は近くの総合病院で検査をたくさんやり直したという。

繋がった。

水樹は里中の誤診に気づいて、里中を脅した。そして薬の病院内ルールを変更させた。そして医学の知識を悪用し…70代女性を、今は野上を、いわゆる保険金殺人しようとしている。巧妙に、自分は手をくださないで。

白夜(浜辺美波)が野上を救う

白夜は、異常がないはずがない、と27年前の朝絵のMRAとにらめっこ。すっかし白夜を慕っている岩崎が昔のMRIは不便だと言った。手術部位を特定するには位置情報画像を見ないといけないから、と。

それがヒントになった。答えは位置情報画像にあった。

そんな中、野上に緊急手術が必要になる。見舞いに来た安岡美保がドライマンゴーと、薬を混ぜたおにぎりを持ってきて食べたのだ。白夜はゴミ箱のラップから薬を舐めると苦い。ワーファリンだ。血を固まりにくくする薬だ。マンゴーはワーファリンの効果を高める。

白夜は手術をすると、出血が止まらなくなるからと止めさせる。

そして、(わざとその日を狙ったため)脳外の先生がいなくて、水樹が執刀医になる。白夜は、脳外科医の仙道から電話で指示されていると嘘をついて、水樹を見張る。

ワーファリンの影響を抑えるためケイセントラを投与させる。そして手術が始まり、無事に終わった。しかし白夜は納得できない。

水樹は、それなら君が執刀しろ!と煽った。そんなことしたら退学、医師免許は取れなくなる。

それでも命を救うため執刀しようとする白夜。そこへ仙道がやってきて、執刀医を代わった。無事に手術は終わった。

白夜(浜辺美波)、勇気(毎熊克哉)が朝絵を救う

白夜は里中の誤診を指摘した。朝絵はキアリ奇形1型という病態だった。

ALSに似た全身麻痺が起きるケースがあるが、手術で劇的に改善する可能性がある病態だ。

白夜は、3年前に水樹に誤診を指摘されたとき、なぜ海江田誠に知らせようとしなかったのかの方を憤慨した。

白夜:「保身ですよね!

朝絵を見殺しにしようとした里中を、白夜は許せなかった…。

里中は水樹に投薬ルールの変更を指示されたが、それ以外に関りはなかった。「申し訳なかった」と泣く里中。

まもなく、安岡美保と水樹副院長は逮捕された。(白夜は病室のマンゴーやワーファリンを証拠にとっておいた)

水樹は6年前まで脳神経外科医だったが、横浜の病院で国会議員に執刀してミスをして以来、内科医になっていた。アフリカの病院にもボランティアで行ったことがあるらしい。しかも保険金殺人で得た金はほとんど慈善団体に寄付されていた。

…将貴は欲の塊なのに不自然と思うが、奥村は患者に優先順位をつけるトリアージを、歪んだ形で体験したんじゃないかと推測する。命の天秤にかけたら70代女性やホームレスの60代=野上 は価値がない命と思ったのかもしれない。

朝絵の手術は、高森勇気が秘密裏に執刀し成功させた。

ラストシーンは、高森総合病院に入院中の朝絵の病室で、白夜と仲良く、朝絵が発声して会話するシーン。白夜は昨日で高森総合病院の実習が終わって大学に戻るところ。

白夜はわざわざ熱海に行って買ってきた「熱海プリン」を朝絵、将貴、海江田誠に渡す。朝絵は笑顔で自分でふたを開けて食べた…。

(「ドクター・ホワイト心の臨床」おわり)

【ドクターホワイト】原作の登場人物

『ドクターホワイト』原作小説の登場人物です。[]年齢は初登場時点。()内は出演者名。青線は職業など。赤線は大事なポイント。

狩岡家

雪村白夜(ゆきむら・びゃくや)[推定18才](浜辺美波):井の頭公園で裸に白衣一枚を着て倒れていた謎の美少女。医学的知識が豊富。それ以外は記憶喪失と思われる。拾ってくれた将貴の従妹(いとこ)として病院に紹介される。「雪村」は将貴の母の旧姓。やがて高い能力を代われ「CDT」のメンバーにスカウトされる。シリーズ第2作で正体がクローン人間とわかる。移植のために殺されるところを高森勇気に逃がしてもらった。やがて学費免除の特待生として港医科大学に入学。5年生のとき、高森総合病院へ実習生として戻ってくる。4月18日、将貴と出会った日を誕生日としている。熱海プリンがお気に入り。

狩岡将貴(かりおか・まさき)[33] (柄本佑):「東都新聞出版」ノンフィクション担当の編集者。将貴が中学のころに両親が交通事故で他界して以降、妹と2人暮らし。(白夜のことは伏せて)病院経営を立て直した「DCT」の活躍をノンフィクション本にして、ベストセラーになる。

狩岡晴汝(はるな)(岡崎紗絵):将貴の妹。大学の看護学部2年生。脳の病気のため2年近く休学中。シリーズ第2作で、白夜や勇気のおかげで手術ができた。シリーズ第3作では看護師として、港医科大学付属病院に就職している。

狩岡修(おさむ)(ー):将貴と晴汝の父。40代の若さで事故死した。優秀な医療ジャーナリストだった。港医大を卒業したが医師にならずに当時の厚労省の医系技官として数年働いた後、ジャーナリストになった。高森巌と槙村宗一郎と大学の同級生。

高森家

高森麻里亜[33](瀧本美織):高森総合病院・創立者のひ孫巌の娘。将貴とは中学1年からの友人。港(みなと)医大付属病院に約3年 勤務中だったが、約1年前に父が倒れたため、高森総合病院・内科部長に就任。将貴とは中学以来、20年の友人。父が亡き後、理事長も兼務する。

高森勇気[40](毎熊克哉):麻里亜の7つ上の兄。内科と外科で経験を積んできた才能豊かな研究医であり臨床医。4年前に突然、失踪した。将貴とも昔から知り合い。優秀ゆえか1人の命より100人の命を優先する危険な考えも持っている。

高森静江(ー):巌の妻。副院長だったが2年前に脳梗塞で急死。天才的な診断医だった。

高森巌(たかもり・いわお)(石坂浩二):現在の病院長。1年前に倒れた。スキルス胃がんの末期で、親友の槙村の病院に通院治療中。妻亡きあと2件の大きな誤診があっため、診断協議チーム「DCT」発を発足させる。白夜の能力を買ってチームに参加させる。ちなみに、白夜は「診断仮説」を立てるだけのため医師免許は必要ない。シリーズ第1作のラストで逝去する。

DCTメンバー

高森麻里亜[33]…DCTのリーダー。内科部長。

雪村白夜:医師免許はない。補佐役。

西島耕助(にしじま・こうすけ)(片桐仁):精神科医

仙道直樹(せんどう・なおき)[28](高橋努):脳神経外科医。若いが自信家で議論好き。

夏樹拓実(なつき・たくみ)[32](勝地涼):CDTメンバーの皮膚科医。国立大学医学部の出身の切れ者でプライドも高い。高森総合病院にくるまで3つの病院に勤務し、複数の科を横断的にこなしてきた。黒縁メガネをかけ、茶髪で耳にピアスをつけ、浅黒い肌の男。遊び人の女好き。将来は個人病院を建てたいと思っている。6年後、シリーズ第3作では皮膚科部長になっている。

佐久間新平(高橋文哉):CDTメンバーの研修医。※ドラマオリジナルキャラクター。

高森総合病院の関係者

真壁仁(ひとし)[50手前](小手伸也):副院長。優秀な心臓血管外科の専門医。スマートな立ち振舞いで看護師・患者の評判はいい。しかし責任をとりたがらないタイプでもある。二流の私大出身の自分を先代院長が受け入れてくれたこと、現院長には副院長に抜擢してくれたことで恩を感じている。巌が亡くなったあと院長に就任。(ドラマでの真壁は外科部長で、病院をのっとりたい模様。)

藤田真一(ー):高森総合病院の外科部長。※ドラマでは真壁仁が外科部長になっている。

横川文江[37](ー):高森総合病院の看護師。看護師師長に次ぐ経験の持ち主。6年後、シリーズ第3作では看護師長になっている。

絵馬色葉(えま・いろは)(ー):若い女性の研修医。実家は産婦人科。

大友恭平(おおとも・きょうへい)[40代](ー):産科・産婦人科の部長。

近藤博(こんどう・ひろし)[31](ー):心臓血管外科医。

岩崎竜介(いわさき・りゅうすけ)[28](ー):研修医。港医大卒。シリーズ第3作に登場。大学を特待生待遇で卒業。研修医2年目にして学会の若手奨励賞をいつくも取っている秀才。プライドも高い。だが、誤診で患者を殺すところだったのを白夜に助けられた。以来、白夜を尊敬している。

里中賢蔵(さとなか・けんぞう)[65](ー):シリーズ3作目の高森総合病院の院長※。港医大病院の元副院長でALSの権威。投資の失敗で、港医大が借金の肩代わりをした。病院全体の投薬方針を見直すが、実は水樹に脅されて実施していた。※真壁院長は出身大学の医局へ戻った。

水樹冬星(みずき・とうせい)[46](ー):シリーズ3作目の高森総合病院の副院長。港医大の出身で、里中院長が水樹を副院長に引っ張ってきた。独身。長身でオシャレなためナースからも人気が高い。脳外科医を10年以上経験。内科医や海外での勤務経験もあるが、理不尽な経験をしたからか歪んだ考えを持ってしまう。

将貴の関係者

奥村淳平 (おくむら・じゅんぺい)(宮田俊哉):刑事。将貴の大学時代の友人。将貴が社会部記者のときはずいぶん世話になったらしい。将貴に頼まれて白夜の正体を調べる。

三田村豪徳(みたむら・たけのり)(西ノ園達大):東都新聞出版部 編集長。白夜の存在を将貴から聞いている数少ない人物。

藤島とその関係者

藤島大器(ふじしま・だいき)(安井順平):ファンドグループ「JMA」(ジャパン・メディカル・アドバイザーズ)代表。創立者の曾孫。高森総合病院に資本参加の計画を練る。

藤島誠(ふじしま・まこと):藤島社長のひとり息子。5才。原因

さくら:藤島家の家政婦。

神足学人(こうたり・がくと)(ー):藤島の会社が重用する医師。夏樹の大学時代の同期で犬猿の仲。アメリカで総合診療(診断学)を学んできた。

倉田真奈美(くらた・まなみ)[29](ー):藤島の会社が重用する医師。内科の専門医。小児科の経験もあり。シアトル生まれ。「ギフテッド」(天才児童)と認められ、19才でシアトルのワシントン大メディカルセンターを卒業。23才のときに日本でも医師免許を取得した。

不破尊(ふわ・たける)[30代半ば](ー):藤島の会社が重用する医師。総合外科。誠くんの診療に神足・倉田と3人であたる。JMAの医師のリーダー格。

患者

村木健哉(石田佳央):皮膚科の患者。感染症と思われたが命にかかわる症状だった。※ドラマ2話に登場。

村木綾花(中島亜梨沙):健哉の妻。妊娠中。※ドラマ2話に登場。

藤島誠:藤島社長のひとり息子。5才。原因不明の症状で苦しむ。「JMA」の医師たちの誤診を白夜が正して救った。

日比野カンナ(ひびの・かんな)(水崎綾女):グラビアアイドル。秋田出身。売れてなくて5年目。いわゆる崖っぷちアイドル。狂犬病の患者だったが奇跡的に快復。その後、結婚して滝カンナになる。妊娠中に癌がわかる。白夜たちのおかげで、ステージ4の大腸癌からも快復する。

滝隆太郎(たき・りゅうたろう)(ー):東都新聞系の出版社の一陣社のフリー編集者。のちにカンナと結婚。重い症状に悩まされるが白夜たちに救われる。

野上一夫(のがみ・かずお)[65]:バーテンダー。35年勤めたバーが閉店しホームレスになっていたが、安岡美保に拾われた。急性アルコール中毒で深夜に救急搬送された。保険金殺人の対象になっており、白夜が見抜いて救う。

その他

槙村宗一郎(そういちろう)(ー):高森巌の大学の同期で親友。港医大付属病院の内科部長。巌の治療を担当している。シリーズ第3作では港医大で診断医として活躍。

加賀美拓也(かがみ・たくや)[50代半ば](ー):カメラマン。90年代に有名雑誌のグラビアで席巻した大物。カンナと恋仲(遊び相手)になって写真集の撮影を海外でするが、カンナが狂犬病になったことで海外逃亡を図る。その後、海外で亡くなった。

悠木留奈(ゆうき・るな)(ー):日比野カンナのマネージャー。ベルエポック芸能の所属。

海江田誠(かいえだ・まこと)(石橋凌):著名な企業家・資産家。GK(グローバルキングダム社)グループの総帥(そうすい)。25才で起業し、日本最大のインターネット企業まで育てた。総資産1兆円以上。血液型は日本で7人しかいない稀少血液「Rh null」(アールエイチ ナル)。再生医療に関心があり力を入れているが、娘のためだった。※ドラマ4話から登場。

海江田朝絵(かいえだ・ともえ)[40手前](ー):誠の娘。美しかった亡き母によく似て、彫刻のような目鼻立ちの容姿。米国留学中に「ギフテッド」と認められて13才で大学進学。それから間もなく症状が出始めて、難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断された。17才ごろから自発呼吸が困難に。それでも誕生日には父に生まれてきたことを感謝してきた。シリーズ第3作冒頭では、熱海の入院施設で暮らし、視線と瞬きで話ができる機械を使っている。白夜によって誤診を指摘され、命を救われる。

間宮(まみや):海江田誠の秘書。

川崎(かわさき):港医大の医師。放射線科医。純専門領域として血管内治療の経験が豊富。

安岡美保(やすおか・みほ)[50手前]:野上一夫の雇い主。バー経営者の美女。借金があったため、保険金殺人に協力してしまう。

【ドクターホワイト】原作の感想

原作小説は3冊出されています。

第1作「ドクター・ホワイト 千里眼のカルテ」で、次々と奇跡を起こした白夜。

第2作「ドクター・ホワイト 神の診断」では、白夜の正体がクローン人間という衝撃的な結末に!

第3作「ドクター・ホワイト 心の臨床」では、人間の心を知らなかった白夜が患者に寄り添います。そして、難病・ALS患者の誤診を見抜いて救うという展開に!

感想としては白夜の成長もみられるヒューマン作品に感じつつ、癌治療についての考察も興味深く、診断をメインとする医学ミステリー的展開も面白かったです。

ドラマでは、世界のことを知らない白夜が浜辺美波さんの演技もあって「不思議ちゃん」って感じで可愛いらしいです。

しかし移植のために産まれて生きる「クローン人間」という正体は、残酷!

ドラマ版では、白夜の正体が禁止されているヒト・クローンであると、どこまで描かれるのでしょうか?

原作小説の核であるだけに、その内容だけはしっかりと描くと思います。あるいは原作のシリーズ第1作ラストようにぼかした形で結末を迎えてもありですが…。

ドラマ4話時点で、海江田誠に相当するだろう海江田国男(石橋凌)が登場します。なので、難病の娘とともに白夜の正体も明かされるだろうなとは予想してます♪

…こういう設定の作品はいくつかあります。代表的なのを2つ紹介します。

ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの小説「わたしを離さないで」も、クローン人間が主人公です。TBSでドラマ化もされたので内容は知ってる方も多いと思います。

また、浜辺美波主演で映画化された「約束のネバーランド」の初期は児童養護施設が舞台ですが、実は鬼に食べられるために育てられていたことがわかります。

しかし、『ドクター・ホワイト』が異色なのは、ドナーでありクローン人間として生まれた白夜が天才的な医学的知識を持っていること。

私(筆者)の予想では、「医師になって命を救いたい」と白夜が夢を抱くところでドラマ最終回になると思っています。つまり原作・第2作ラストあたりまで描く、と。

原作・第3作は、スペシャルドラマか映画化にちょうどいい長編になっているので、続編にまわすのではないでしょうか。

当記事画像出典:Amazon「ドクターホワイト」HP