【風間公親 教場0】の原作ネタバレ!風間が義眼となった事件は解決?!
【風間公親 教場0】の原作ネタバレ!
木村拓哉主演のフジテレビ月9ドラマ【風間公親 教場0】の原作は長岡弘樹さんの小説「教場」シリーズ。その中の「教場0: 刑事指導官・風間公親」「教場X: 刑事指導官・風間公親」の2作が原作です。
原作の結末ラストでは、風間が義眼となった事件がついに解決するのでしょうか?!。
今回は【風間公親 教場0】の原作ネタバレについて!
■ドラマネタバレはこちら│【風間公親 教場0】のあらすじネタバレを最終回まで!
■月9ドラマのエピソードに沿って原作ネタバレを読みたい人はリンク先へジャンプ↓↓
【風間公親 教場0】の原作ネタバレ(1)
月9ドラマ【風間公親 教場0】の原作小説のあらすじネタバレを紹介します。
原作は「教場0 刑事指導官・風間公親」と「教場X 刑事指導官・風間公親」の2作。
まずは「教場0 刑事指導官・風間公親」について。
『教場0 刑事指導官・風間公親』の内容(全体)
本作は風間公親が警察学校の教官になる前、「刑事指導官」時代のお話。
T県警では「風間道場」と呼ばれる刑事育成システムがある。各署に所属するキャリア3か月の刑事の中から1名が定期的に選ばれ、県警本部捜査一課強行犯係に送られる。そして風間公親によるマンツーマン指導を受けるというシステムだ。
新人刑事は殺人事件の現場を風間とともに捜査しながら、三か月間みっちり指導を受ける。卒業生はエース級の刑事として活躍しているが、見込みがなければ交番勤務に戻されると噂が!?
後のない新人刑事たちが、背水の陣で事件に臨む!
第1話「仮面の軌跡」のネタバレ
登場人物
- 刑事:瓜原潤史(うりはら じゅんじ)(演:赤楚衛二)…県北部にあるM署の新人刑事。風間道場の門下生。
- 犯人:日中 弓(ひなか ゆみ)(演:内田理央)…加害者。デパート店員。
- 被害者:芦沢健太郎(あしざわ けんたろう)<39才>(演:久保田悠来)…殺人事件の被害者。ホストクラブ経営者。
- 坂野(さかの)(演:マギー)…タクシー運転手。
日中弓(内田理央)の犯行
日中弓は、借金の肩代わりに芦沢健太郎と交際を続けてきた。だが、大企業なタクシー会社の御曹司から見初められ結婚を申し込まれた。
ある日のパーティーの帰り、弓は健太郎に仮面をつけさせられたまま、一緒にタクシーに乗った。健太郎は運転手に指示して行先まで遠回りする。
弓は車内で健太郎に別れを告げる。だが健太郎は二人の秘密を暴露すると脅す。それは弓が信用金庫時代、客のお金を使いこんだこと。その時、健太郎に頼ったのだ。彼は信用金庫の役員室に乗り込み、360万を返して穏便に済ませてくれた。
だが、弓はその悪事を婚約者に伝えてあるので平気だ。健太郎は次の手としてタブレット端末の画像を見せる。それは弓の裸写真だった。
猫が飛び出してきたので運転手が急停止し、外に出た。その隙に弓は芦沢健太郎を刺殺。戻って来た運転手に弓は健太郎が寝ていること、彼の住まいの行き先を告げ、到着まで彼を起こさないようお願いする。そして弓はタクシーを降りた。
日中弓がシートベルトにこだわった理由
そして事件は発覚。運転手の坂野は健太郎が寝てるものだと思い込んでいたという。風間道場の門下生で新人刑事の瓜原潤史(赤楚衛二)は運転手に聞き込む。その報告を風間公親(木村拓哉)にすると、風間は違うと訂正。瓜原は「女は」と報告したが、運転手は「女性が」仮面をかぶっていたと証言していた。
運転手が「女」ではなく「女性」と丁寧に言ったのはなぜか?…好感を持ったから。乗車するとき、仮面の女性が被害者にシートベルト着用を強く勧めたから。
ではなぜ加害者はシートベルトにこだわったのか?瓜原と風間は加害者が乗車していたタクシー会社の御曹司の婚約者と突き止める。加害者は婚約者の会社に迷惑がかかるからシートベルトにこだわったのだ。そのタクシーにカメラが設置されていないのも、婚約者なら分かっていて犯行したのだろうと気づく。
結末
ラスト、瓜原と風間が、なぜ被害者の健太郎が行き先を遠回りしたのかを種明かしする。GPS機能で走ったルートの線をたどると、日中弓という文字になった。芦沢は弓に仮面をつけて家に帰ったらタブレット端末をプレゼントすると言っていた。芦沢は過去、弓にプレゼントしたスマホにもペンでサインしたことがある。
今回はタブレット端末に日中弓というサインを残して、プレゼントする気だったらしい。弓は観念した。
第2話「三枚の画廊の絵」のネタバレ
登場人物
- 刑事:折本直哉(おりもと なおや)…県北西部にあるK署の新人刑事。風間道場の門下生。体格が大きい男。柔道経験者でカリフラワーイヤー(別名:餃子耳、柔道耳、レスリング耳)になっている。
- 犯人:向坂善紀(こうさか よしのり)<51才>(演:筒井道隆)…画家。
- 被害者:苅部達郎(かるべ たつろう)(演:浜田信也)…朝子の再婚相手。匠吾の義父。歯科医。歯医者の経営者。
- 苅部匠五(かるべ しょうご)(演:城桧吏)…高校2年生。善紀と朝子の間に生まれた子供。母の再婚で姓が変更した。
- 苅部朝子(かるべ あさこ)…達郎の妻。向坂善紀の元妻。
向坂の犯行
画廊を営む芸術家・向坂善紀は四年前に離婚し、息子・匠吾の親権を手放した。高校二年生の匠吾には抜群の芸術的センスがあり、本人も芸大進学を希望していた。向坂善紀もそれを願っていた。
だが、向坂の息子の夢を阻む者が現れた。それは元妻・朝子の再婚相手である刈部達郎。彼は歯科医であり、匠吾に後を継がせる気だ。
向坂善紀は刈部達郎を画廊に呼び、三枚の絵を見せる。達郎は二枚は褒めたが、一枚はけなす。三枚の絵はすべて匠吾が描いたものだが・・・絶賛した二枚の人物画は去年、匠吾が描いたもの。けなした一枚は昨日匠吾が来て描いたもの。歯のレントゲン写真を描いた絵だ。
向坂は達郎が息子に絵を描くことを禁止したことで才能が枯渇していると指摘。芸大に進学させてほしいと頼む。だが後継ぎにさせたい達郎は、大反対。2人はもみ合う。そのうち、向坂が達郎を殺してしまった。
その後、向坂は遺体の首と手を切断し、山に遺棄した。
カリフラワーイヤー
第2話の風間道場の生徒は、折本直哉。折本は、土砂崩れをきっかけに発見された首なし遺体に関する捜査を風間とともに取り組む。
指紋も掌紋も取れないが、DNA鑑定を行方不明社と照合すれば身元が分かる。だが、風間はDNA鑑定を待たずに身元がわかるという。ヒントは、折本のカリフラワーイヤーだというが…?!
風間は、遺体の右肩が下がっていることから遺体の職業を歯医者だと見抜いていた。患者の右側で体をいつも傾けているから。人間は同じ動きをしていると殻が変形してしまうのだ。柔道家のカリフラワーイヤーのように。
県警に出ている行方不明者届の中で歯医者は、向坂しかいなかった。
向坂は写真を絵にする仕事も引き受けていた。折本は、遺体発見現場の山を絵にして『画廊コーサカ』の通りに面したショーケースに飾ってもらうことにした。これは風間の提案でもある。折本は合計3枚頼むことになる。
サブタイトルの「三枚の画廊の絵」は、この折本が向坂に頼んだ三枚の絵のこと。
画家のイヴ・タンギーはバスの乗車中にパリの画廊を見かけ、そこでジョルジョ・デ・キリコの作品に感銘を受けたことをきっかけに画家を志した…。
タンギーとキリコの関係と同じことが、この「三枚の画廊の絵」で起きた。匠吾は通学中のバスから『画廊コーサカ』のショーケースに飾られた三枚の絵を見た。感銘を受けた匠吾は、実父の向坂に芸大を志すことを告げた。
娑婆(しゃば)に思い残すことがなくなった向坂は、折本と風間が乗る警察車両に「自首します」と言って乗ってきた…。
第3話「ブロンズの墓穴」のネタバレ
登場人物
- 刑事:荒城達真(あらき たつま)…県中央部のS署の新人刑事。風間道場の門下生。芯が弱い上に見栄っ張り。諦めやすい性格。無理をして刑事を志望したことを悔やんでいる。
- 犯人:佐柄美幸(さがら みゆき)(宮澤エマ)…加害者。夫が遺した「有限会社 佐柄建設」を継いでいる。
- 被害者:諸田伸枝(もろた のぶえ)(山田キヌヲ)…小学校の先生で、佐柄研人のクラスの担任。いじめはないと言い張る。
- 佐柄研人(さがら けんと)(川原瑛都)…美幸の息子。小学三年生。不登校。
- 戸山(とやま)…ゴルフ練習場「みさわグリーンクラブ」の常連客。
佐柄美幸の犯行
佐柄美幸の小学生の息子・研人は、いじめが原因で登校拒否になった。事実を認めない担任教師・諸田伸枝に、美幸は業を煮やしていた。そこで殺人計画を練った。ゴルフ場で常連客・戸山に目撃され、アリバイを作りつつ、指紋などの証拠を残さずに殺害した。
痛みを感じている場所と実際は違う
3話の風間道場の門下生は荒城達真。荒城は小学校教師の殺人事件を担当することに。
諸田伸枝は、小学校の正面玄関前のロータリーにあるブロンズ像「本を読む子供たち」の前で死亡していた。地面には争った形跡がある。被害者はブロンズ像で後頭部を打って死亡したようだ。ちなみに小学には防犯カメラはない。
風間は諸田伸枝の額の中央部が内出血していることを指摘。荒城は地面に打ったのではないかと推理。風間は荒城と取っ組み合いをする。加害者と被害者のシミュレートだ。
荒城は胃が痛くて、病院へ。だが、医師は異常なしと診断。胃が痛いと思う時にみぞおちを気にするのは、みぞおちには神経の束があるからだという。つまり、「痛みを感じている場所と実際に痛みを発している場所は別」ということだ。
荒城は被害者の発見場所と実際の殺害現場は違う・・・と気づく。そして諸田伸枝は溶接を仕事にしている。さらに諸田の額の内出血の謎。これらから荒城は推理。
結末
美幸の息子が150日ぶりに登校。美幸は息子の授業参観へも行った。だがその帰り、荒城が声をかけてきた。荒城と風間はA,B,Cと位置をつけて、美幸が離れた場所で殺害したことを示す。
荒城たちは凶器を突き止めていた。凶器はブロンズ像「本を読む子供たち」の本だ。ブロンズ像の子供は片手の5本の指先に本を乗せている。本との接地面が少ない。溶接が仕事の美幸ならば、本だけを切り離して(別の場所で)凶器として使い、また本をブロンズ像へと溶接することも可能だ。
小学校から出てきた諸田の帰り道、本を凶器として殺害。その後、ゴルフ練習場でアリバイを作った美幸は、小学校へ移動して死体を遺棄。遺体を乗せた移動手段は、自家用車。
荒城は美幸の車のトランクを調べるよう、鑑識員に頼む。諸田は犯行時、トランクにブルーシートを敷いたし、トランクの底、両サイド、仕切りも清掃した。何もでてこないはずと思ったが・・・
トランクの扉の裏側から三本の線が浮かび上がる。その1本は真ん中で切れている。諸田の額の特徴だ。ガムテープで口をふさがれ手足を縛られた諸田だが、頭部はそのままだった。トランク内で一度蘇生した諸田は、最後の執念で頭をトランクにぶつけて抵抗した。
美幸が諸田を死体遺棄した証拠となった。
第4話「第四の終章」のネタバレ
登場人物
- 刑事:早坂すみれ(はやさかすみれ)…県北東部のF署の新人刑事。風間道場の門下生。
- 容疑者:筧麻由佳(かけひ まゆか)(演:瀧本美織)…劇団「サード・エピローグ」の看板女優。
- 被害者?:元木伊知朗(もとき いちろう)<29才>(演:前原瑞樹)…劇団「サード・エピローグ」の俳優。麻由佳の部屋に入り浸っている男。麻由佳の部屋で首をつって死亡する。
- 目撃者:佐久田肇(さくた はじめ)(演:大村わたる)…麻由佳と元木の隣人。元木が自殺する場面に立ち会う。
- 椿あさみ(つばき あさみ)…劇団「サード・エピローグ」の女優。階段で転落し大怪我を負っている。
佐久田は筧麻由佳に惹かれている
派遣社員の佐久田肇が出勤のために305号室を出ると、酒臭い臭いをさせている男・元木伊知朗が声をかけてきた。劇団員の元木は「隣同士のよしみ」で演技に付き合ってくれ、と言われる。それは『なりきりトーク』という演劇のトレーニングのひとつ。
だが、元木は「何を言われても肯定する人」を佐久田に演じさせて、お金を借りようとする。そこへ隣室に住む女優・筧麻由佳が帰って来て「やめなさい!モッチ!」と助けてくれた。
隣室の306号室に住んでいるのは筧麻由佳の方だ。麻由佳は道具係をしていたが、女優に転身し、今では劇団『サード・エピローグ』の看板女優になっている。元木も同じ劇団所属で、麻由佳の部屋に入り浸っているだけだった。
佐久田は筧麻由佳の美しさに惹かれている。劇団名は日本語だと「第三の終章」だが、麻由佳はインタビューで女優を三回諦めたことがあると語っている。佐久田は彼女にふさわしい劇団だと思う。彼女には売れて欲しいと思うが、今の調子で人気を高めていけば家賃・月6万7千円のマンション「カーサ青の」の部屋を引き払ってしまうだろう。佐久田は彼女を応援したいけど複雑な気持ちになってしまう。
自殺する場面に遭遇
ある平日の正午ごろ、仕事が休みの佐久田が部屋で横になっていると、麻由佳が助けを求めてやってくる。彼女の部屋で元木が自殺しようとしているというのだ。
佐久田が麻由佳と一緒に隣室、306号室へ行くと・・・大きめのトレーナーを着た元木がロフト(屋根裏部屋のこと)に行くはしごの途中に立っている。首には黒色のロープが巻かれており、ロープのもう一端はロフトの柵に結ばれている。
元木は佐久田に近づいたら飛び降りると言い、「俺はとんでもないことをしちまった。死んで責任をとる」と告げる。
麻由佳は「早まらないで、モッチ」と声をかける。その声に元木は一瞬、表情を変えた。次の瞬間、元木はロフトのはしごを蹴って、宙にぶら下がる!
麻由佳は佐久田に、救急車・警察・近所の人を呼ぶよう言ってから、元木に駆け寄る。
長身の元木をおろすため人手が必要だからか…と佐久田は思う。自分の部屋に戻ってスマホを取り、119番、110番した後、各部屋のインターフォンを押して回った。だが平日昼間だからか誰も顔を出さなかった。
約5分後…。佐久田が麻由佳の部屋に戻ると、元木はぶら下がったまま。麻由佳は180cm超えの元木をおろすことができず、彼の体を支えることが精一杯な様子だった。
風間は麻由佳のファン?!
風間道場の門下生の新人刑事・早坂すみれが、風間公親とともに、現場に駆け付ける。自殺は「変死」なので、変死の場合は事件性があるかもしれないため刑事課が臨場することになっているのだ。
すみれが佐久田や麻由佳の事情聴取をする。その途中、風間が「被害者の手を調べてみたか」と、すみれに尋ねる。急な質問に驚くすみれだが「いいえ」と返答。
すると、麻由佳がトイレへと立った。トイレのドアの前で、風間が彼女のファンであると明かして握手を求めた。麻由佳は握手に応じてからトイレへ。
事情聴取後、すみれは風間に「自殺だと思います」と伝える。だが犯罪性がないとも言えない…根拠は直感だ。
風間は直感ではなく、この場で分かったことがあるという。すみれは、違和感があったことを思い出す。それは麻由佳が早まらないで、モッチ」と言ったあと、佐久田曰く、元木は「不思議そうな表情」をしていたという。なぜなのか?
その後の調べで、元木の遺書が発見される。さらに元木と女性が映っている写真の中でも、長身で鼻がひし形の貴族的な顔立ちの女優が気になった。調べると、もともと看板女優だったが、駅の階段で転落して今は車椅子で生活していた。
自殺偽装のトリック
すみれと風間は佐久田を警察署に呼んで実験をする。トレーナーを着た風間が首を吊ったので、佐久田は驚く。すみれは麻由佳の部屋で見た出来事と同じか?と質問。「同じに見えました」と佐久田は言った。すみれはこの言葉を引き出して、小さくガッツポーズ。
実は・・・風間は生きていた。トレーナーの中にはハーネス(パラシュートなどの装帯のこと)を着ていた。それは俳優がワイヤーアクションで使うもの。
ハーネスと呼ばれる安全ベルトのようなものを着用し、カラビナで腰や背中あたりにワイヤーを固定して、飛んでいるように演技をする。
風間と元木も、そのワイヤーアクションをしていたのだ。黒のロープで、数メートル先から見た佐久田はトリックを見破れなかった。
結末
風間とすみれは、麻由佳のいる劇団の楽屋へ。
麻由佳は椿あさみの代役だった。あさみが大怪我したことで麻由佳が看板女優になれた。あさみに振られて恨みがある元木に手伝ってもらい、麻由佳はあさみを階段から転落させた。
しかし元木が麻由佳を脅し始めた。パトロンができた麻由佳は元木が邪魔になった。そこで隣人の佐久田に目撃者になってもらい、自殺を装って殺した。「隣の佐久田をからかおうよ、有島武郎が縊死(いし)した演技をしてさ」とでも持ち掛けて…。
麻由佳は(自殺の演技だから)「武郎さん」と呼ぶべきところを「モッチ」と呼んだので、元木は不思議がった。遺書も役になりきるための小道具だった…。
すみれの推理を否定する麻由佳。証拠がないから強気だ。だが証拠はあった。すみれはハーネスを切って元木を殺そうとしたとき、ロープに触れてしまった。
風間は麻由佳と握手した。そのとき、ローカルの法則(物体が接触すると、両方にその痕跡が残るという法則)で、証拠の掌紋(しょうもん)が採取できた。
すみれと風間は、麻由佳がいる楽屋を後にする。麻由佳は観念して、逮捕された犯罪者の役を演じて、すみれに「刑事さんの所に行きます」と電話してきた。
第5話「指輪のレクイエム」のネタバレ
登場人物
- 刑事:大里翔子(おおさと しょうこ)…風間道場の門下生。県の南端にあるY署所属の新人刑事。理学部地球科学科卒。
- 犯人:仁谷継秀(にたに つぐひで)<50才>(岡田義徳)…デザイナー。妻の介護もあり自宅で仕事を行う。
- 被害者:仁谷清香(にたに きよか)<70才>(竹下景子)…継秀の20歳上の妻。認知症を患っている。
- 田瀬葵(たせ あおい)…「赤芝印刷」DTP営業課チーフリーダー。継秀の仕事相手で、恋人。
仁谷継秀の犯行
デザイナーの仁谷継秀は、自宅で広告デザインの仕事をしながら認知症の妻・清香の介護をする日々。疲れきっている仁谷には恋人がいた。印刷所の社員・田瀬葵だ。
仁谷は葵と食事中、家にいる妻に電話した。冷蔵庫の中が散らかっているから掃除しておくように、と伝える。そして食事を終えて帰宅すると、家の中はガスが充満。清香は倒れており、絶命している。妻の死に顔が苦しんでいないことは、仁谷にとっては救いだった。
仁谷は遺体となった妻に「すまない」とつぶやく。介護疲れで限界だった。こうするかしかなかった。許して欲しい…と謝る仁谷。
電話機のパネルに塩
仁谷は窓を開けてから警察に連絡した。やがて、風間と風間道場の門下生・大里翔子が現場に到着。仁谷は外出中に妻へ「俺だよ、何も問題ないね。だったらいい、じゃあ」と電話したと嘘の供述をする。
司法解剖の結果が出た。清香の死亡原因は「フッ化水素ガスの吸引による呼吸停止」だった。フッ素化水素とは極めて毒性の強いガスだ。
風間は「フッ化水素が発生する装置があったか?」と翔子に問う。翔子は理学部の出身だった。翔子はフッ素樹脂で加工されたフライパンを空焚きすると、15分ほどで高濃度のフッ化水素が発生すると告げる。
また、清香の遺体の指先には塩がついていたと分かった。電話機からも塩の結晶が採取された。しかし、受話器からではなくボタンのパネル面からだった。
仁谷はクロ
その後、田瀬葵に事情聴取する。葵は仁谷とは仕事の取引相手だと言い張る。だが、翔子は食事の席の葵の化粧や服装から恋人関係だと推理。翔子は会う時の食事やその日のメニューを聞く。その日はいつもと違いコース料理だった。葵は、仁谷の妻が大切な指輪を失くして気落ちしている、と仁谷が話していたと明かす。
風間も翔子も、仁谷がクロだと推理。祥子は仁谷がその日だけコース料理にしたのは時間稼ぎとにらむ。また、風間は仁谷の証言から違和感を覚えた。彼は家に帰って、臭いに気付いて窓を開けてから妻の遺体に気付いたと証言した。変な臭いがしたら妻の安否を気遣うのが先なのに…。
翔子は仁谷に会い、自分の推理をぶつける。仁谷がわざと冷蔵庫を散らかして調理中の妻に電話で片付けさせた。そして認知症の彼女がフライパンに火をかけていたことを忘れた。つまり殺人だ、と…。だが、仁谷は証拠がないためシラを切る。あくまでも電話で妻の様子を確認しただけだ、と。
翔子は途方に暮れてしまう。たしかに証拠はないのだ。風間が「証拠ならあるさ」と告げる。そして「自白による秘密の暴露は証拠になる」と伝える。泣き落としで自白させる…それしかないと風間は言う。
結末
久しぶりに仁谷は料理をした。清香が失くした指輪は米びつの中から出てきた。いつか仁谷が米の味が悪いと言ったことがある。だから妻は、指輪の銀イオンに防カビ・防臭効果があるから入れたのだろう。
翔子は勝負に出る。認知症の清香がする習慣のことだ。仁谷に「なぜ毎週水曜日に鰆(さわら)のホイル焼きをフライパンで調理していたのか分かりますか?」と尋ねる。
翔子の推理はこうだ・・・紛失した指輪をどこに置いたのか思い出すため。失くしたときと同じ行動をすれば思い出せると思った清香は毎週水曜、同じ行動をしていた。その昔、裕福でなかった仁谷が妻の為に奮発して買った指輪。それは清香の宝物。だからどうしても思い出したかった…。
「あなたはその習慣を利用して殺したんです」と翔子が追い詰める。今度は泣き落としだ。それは2つの謎から伝わる清香の愛。
- 一つは、電話機についていた塩の謎。なぜ受話器でなくボタンに塩がついていたのか。
- 二つ目は、遺体の顔が安心していた謎。有毒ガスで苦しかったはずなのに。
清香が触ったボタンは、録音ボタン。まだら認知症の清香は電話を受ける時、録音するように夫から言われていた。夫から冷蔵庫を掃除するよう電話で言われたときも録音ボタンを押していた。(この時は塩がついていない手だった?掃除のときに塩がついたのか?)
清香は録音ボタンを長押しして消去した。夫が罪に問われないために。そうして安心して亡くなったのだろう…。夫に迷惑をかけたから償いたかったし、夫を守りたかったのだろう…。
翔子はそんな推理を披露する。仁谷は泣き崩れた。
(※補足:結末までは描かれていません。ただし、泣き落としが成功したので、仁谷は自分のした罪を償うに違いありません)
第6話「毒のある骸」のネタバレ(1)
登場人物
- 刑事:平優羽子(たいら ゆうこ)…風間道場の門下生。D署所属の新人刑事。
- 犯人:椎垣久二臣(しいがき くにおみ)(演:佐々木蔵之介)…国立T大学 法医学教室の教授。司法解剖医。
- 被害者:宇部祥宏(うべ よしひろ)<31才>(演:浅利陽介)…助教。被害者。
- 井伏(いぶせ)…優羽子の元恋人。優羽子にストーカー行為をしている。
- 須田シズ江(すだ しずえ)…宇部が住む一軒家の隣人。年配の主婦。第一発見者。
- ラストの事件の犯人:十崎(とざき)(演:森山未來)…風間が過去に逮捕した殺人犯。20歳の時に交際相手の女性の首を千枚通し(紙に穴を開けることが目的の道具)で刺して殺害した。15年間、刑務所に服役。出所後、風間を狙う。※
※補足:スペシャルドラマ『教場Ⅱ』(2021年)で、遠野(北村匠海)や風間公親が襲われたのも鋭いキリのようなモノ。原作ではハッキリと「千枚通し」と書かれていますが、ドラマ放送後、SNSでは「アイスピックが刺さった」と話題に。
椎垣のミスと犯行
国立T大学の法医学教授である椎垣久仁臣(佐々木蔵之介)は、服毒自殺した遺体を司法解剖する際、助教の宇部祥宏(浅利陽介)に初めて任せた。すると、宇部が遺体の胃を切開して間もなく、倒れてしまう。遺体の胃に溜まっていた青酸ガスを吸ってしまったためだった。こういう場合は防毒マスクが必要だったのに、椎垣はミスをして部下に大けがを負わせてしまった…。
事が公になれば自らの昇進が流れてしまうと思った椎垣は、しばらく宇部を休みにさせて秘密にした。1週間後、椎垣は宇部が住む平屋の一軒家へ行く。宇部は事故を公表して、大学も辞めるという。椎垣は公表することを認める。そして別れの挨拶として乾杯したが…。
宇部は苦しみだす。青酸を盛られていたのだ。宇部は苦しみながらも自宅の外へ行く。右に行くと下り坂だが、宇部は左の上り坂へ。やがて絶命してしまう…。
遺書の違和感
風間道場の門下生で新人刑事・平優羽子は、風間とともに宇部が亡くなった事件を担当する。
宇部の家には「先にテンゴクへ行ってます」と遺書が残されていた。
優羽子はテンゴクが片仮名であること、便箋でなくメモ用紙に書かれていることに違和感を覚えるが、理由は分からない。
宇部の解剖は椎垣が担当した。宇部の遺体には青酸の毒が二度あった痕跡がある。だが、椎垣はそのことをもみ消す。同席している風間や優羽子はもちろん、法医学を学んでいる助手たちにも見抜けないと宇部は確信している。
椎垣は「自殺」と判断した。風間も自殺と見立てているというが…解剖室は1059室で、10(てん)5(ご)9(く)と読めると指摘。
椎垣は動揺する。だが証拠はないはずだからと、あきらめない。
事件の結末
優羽子は宇部が苦しみながら外に出た理由は事故物件にしないため、だと推理。だが風間は「違う」と告げる。
優羽子は宇部の自宅で、宇部の気持ちを追体験をしながら、宇部が苦しみながら坂を上った理由を探る。そして突き止めた。
その理由とは、坂を登った先の崖から沢に落下すること。沢は隣県まで流れている。つまり、自分の遺体を隣りの県に運んで、椎垣に解剖させないためだった。
椎垣は想像だと一笑に付すが・・・宇部の遺体はまだ燃やされていなかった。風間の指示により遺族の了承を得て、「ご遺体ホテル」に残されていたのだ。
椎垣は観念して罪を自白する…。
第6話「毒のある骸」のネタバレ(2):風間公親が右目を負傷へ
優羽子は転属願いを言い出せない
事件解決後、優羽子は風間を誘い、居酒屋へ。
優羽子は事件を解決できたが、今回はたまたま幸運だっただけで、刑事としての自分の無力さを痛感していた。風間を誘ったのは転属願を出すためだった。
風間は警察学校や新人時代の「早食い」ではなく、よく噛んで消化するようにと話す。次のステージに進めということだ。優羽子は、風間が自分の胸中を見抜いてこんな訓示めいた話をしているのかと思った。
転属を言い出せないまま、店から出ると、優羽子は物陰からの視線が気になった。優羽子は視線の相手が元恋人でストーカーとなった井伏だと思い、「これ以上つきまとうと逮捕する」と言ってやるつもりで近づく。
しかし、相手は井伏ではなく、風間によって逮捕され、出所した凶悪犯・十崎(とざき)で…。
十崎が風間と優羽子を襲う
十崎は自分で砥いだ手製の凶器、千枚通しを手に持っていた。十崎は優羽子の脇をすり抜けて風間へと向かう。優羽子は十崎の背後から体当たりする。体制を崩し、凶器を落とした十崎。
だが即座に立ち直り、凶器を握り直した十崎は標的を優羽子に変えて襲い掛かる。優羽子は警察学校で習ったように目をそらさずに対応しようとしたが、お酒を四杯飲んで酔っている状況では十崎に何もできない。
優羽子は避けられないと覚悟し、致命傷を避けようと体をひねって防御しようとする。だが……横に突き飛ばされる。
アスファルトに倒れこんだ優羽子は十崎の足音が遠ざかるのを聞く。そして優羽子は「誰かその男を捕まえてください」と叫んだ。だが、十崎は人込みに消えてしまう。
優羽子を突き飛ばしたのは風間だった。その風間は首を地面に向けている。優羽子は風間の姿を見て、目を疑った。風間の右目からは何か生えている!
風間の右目に突き刺さっているのは千枚通しだ。風間は優羽子を助け、身代わりに刺されたのだった。
優羽子の決心
優羽子は千枚通しを引き抜くため柄の部分を持とうとする。だが、風間は「待て。証拠物件の保存が第一だ。犯人の指紋を消すな」と止める。
風間は「まるひのにんちゃくは?」と聞く。優羽子は35,6才くらい、身長175センチ前後、そして服装の様子も報告。さらに、体当たりしたときに十崎のベルトを触ったと伝える。十崎は触られたことを気づいていなかたもよう。ベルトに優羽子の指紋が残っているため、動かぬ証拠となる。
風間は「でかした」とでもいうように頷く。そして「いつかこうなることを覚悟していた」という風間は、優羽子に辞めたければ遠慮はいらないと告げる。
優羽子は涙をこらえながら、風間の手をきつく握る。それは十崎を逮捕するまでは辞めない。その後も風間のように、もっともっと悪いやつを捕まえる…その決意の表れだった。(おわり)
【風間公親 教場0】の原作ネタバレ(2)
続いて、月9ドラマ【風間公親 教場0】もう一つの原作「教場X 刑事指導官 風間公親」のネタバレを紹介します。
『教場X 刑事指導官 風間公親』の内容(全体)
鬼教官・風間公親、殺人現場に再臨場!
●第1話 硝薬の裁き
益野紳佑の妻才佳は、半年前、車にはねられ亡くなった。事故の唯一の目撃者は娘の麗馨だった。警察は幼い麗馨の証言を採用せず、犯人とされた男は不起訴となっていた。
●第2話 妄信の果て
大学四年生の戸森研策は、地元新聞社から内定を得た。ゼミ論文の単位が取得できれば卒業も確定する。前途洋々の戸森のもとへ、担当教授から突然の連絡が入る。
●第3話 橋上の残影
経理事務の仕事をしている篠木瑤子は、十年前に恋人を自死により失っている。その死の原因となった男は刑期を終え、娑婆でのうのうと暮らしていた。
●第4話 孤独の胞衣
短大生の萱場千寿留は工芸家の浦真幹夫と関係を持ち、妊娠した。浦真は中絶費用を渡し、海外に旅立ったが、千寿留は新しい生命の誕生を待ちわびていた。
●第5話 闇中の白霧
名越研弥は、闇サイト経由で違法な薬物や商品を仕入れ、莫大な冨を得た。そろそろ足を洗いたいのだが、相棒の小田島澄葉を説得できずにいた。
●第6話 仏罰の報い
著名な有機化学者である清家総一郎は実験中の事故で両目に劇薬を浴び、一線を退いた。隠棲生活を送る清家の悩みの種は、娘・紗季の夫の素行だった。「捜査では、犯人のみならず刑事も追い詰められる。導きと成長の物語をぜひご堪能あれ」–長岡弘樹
犯人(ホシ)を落とせないなら、警察学校からやり直せ。
『教場X 刑事指導官 風間公親』は、6つの物語からなる連作短編集。
舞台は県警本部捜査一課の新人教育システム、いわゆる「風間道場」が舞台。
時代設定としては、風間公親が警察学校の教官になる前の刑事時代の話。小説「教場0 刑事指導官 風間公親」のその後です。
ストーリーは、十崎に襲撃を受けてから1か月で現場に復帰した風間が、新人刑事を厳しく指導、教育しながら事件も解決していく展開が描かれます。
「教場0…」で風間を刺した十崎の行方は皆さん気になると思います。平優羽子も再登場して十崎との件は描かれますよ!
第1話「硝薬(しょうやく)の裁き」のネタバレ
登場人物
- 刑事:鐘羅路子(かねら みちこ)(演:白石麻衣)…新人刑事。風間道場の門下生。
- 犯人:益野紳佑(ますの しんすけ)(演:市原隼人)<47才>…機械部品工場「マスノ製作所」社長。元警察官。父が暴力団から多大な迷惑を被ったため、反社会的勢力を憎み警察官を志した。虚弱な体つきなため、ついていけずに警察学校を途中で退校した。ただし拳銃操法の成績だけはかなり良かった。
- 被害者:海藤克剛(かいとう かつたけ)(演:勝矢)…質屋「ポーンショップ海藤」の店主。益野才佳を車でひいた容疑で逮捕されたが、証拠不十分で不起訴となった。
- 益野麗馨(ますの れいか)(演:山田詩子)…紳佑の娘。妻の連れ子。小学校3年生。母の死亡事故の目撃者。
- 益野才佳(ますの さいか)(演:堤千穂)…紳佑の亡き妻。半年前、海藤の運転する車にはねられて死亡した。
娘の異変は精神的ショック?
益野紳佑(市原隼人)の妻・才佳は、半年前、車にはねられて亡くなった。事故の唯一の目撃者は娘で小学校3年生の麗馨だった。麗馨は質屋「ポーンショップ海藤」の店主・海藤克剛をひき逃げ犯として証言した。だが、警察は幼い麗馨の証言を採用せず、犯人とされた男・海藤克剛は不起訴処分となってしまう。
妻が亡くなって以来、益野は1人で、妻の連れ子である麗馨を育てている。母親の死後、麗馨は言葉を発することができなくなった。しかもこの数か月、ヒューヒューと喉を鳴らし息苦しくすることもあった。
喉が腫れていたので、内科医に診せたが「ハウスダストかもしれませんね」というあいまいな答えだった。益野は、娘の異変の原因は母親を亡くした精神的ショックしかないと考える。
益野紳佑の犯行
益野紳佑は「ポーンショップ海藤」へと何度も足を運び、ひき逃げ犯である海藤克剛に謝罪をするよう求めた。しかし、海藤克剛は決して謝らなかった。
そして益野は今日も店へ行き「商工会議所の者ですが」と声色を変えて挨拶。海藤も益野の訪問にウンザリしているが、インターフォンのカメラを修理していないため、(騙されて)ドアを開けてしまう。
なぜカメラを修理しないのか。益野は、海藤が投資に失敗し、大きな借金を抱えていることを指摘。
そして、今日も罪を認めて謝罪するよう要求すうるが、海藤は拒否。そこで益野は拳銃を取り出す。そして威嚇射撃をして、本物だとみせる。海藤を脅し、遺書を書かせてから、自殺にみせかけて射殺した。海藤に硝煙反応が出るようにもう一発撃った。
海藤はガンマニアだったため、日ごろから発砲しており、近所の目を気にする必要もなかった。
遺書には「投資に失敗し、多額の借金を負いました。返済に行き詰まり、疲れ果てた結果、今日ここに人生の幕を下ろすことにします」と書かれていた…。
路子(白石麻衣)は中古品アレルギー
今回、風間公親(木村拓哉)が指導する通称「風間道場」の門下生は鐘羅路子(白石麻衣)。路子は、中古品アレルギーのため、質屋「ポーンショップ海藤」に入るとくしゃみをしてしまう。風間は世の中にあるものは誰かのアレルゲンになると言う。そして「私が治してやろう」とも言った。医師でもない風間の発言に路子は耳を疑う。
現場検証で、風間が遺書の震えを指摘。路子は脅されて書いたものだと気づく。さらに、風間からのヒントを受けて、自殺以外の2発が怪しいことにも気づく。1発は賞状の入った額縁に当たっていた。試し撃ちでは狙わないはず。威嚇射撃だ。天井への1発は硝煙反応の偽装の時だろう…と路子は思う。
海藤をよく知る人間は借金を苦に自殺をするような人でないと証言する。鑑取り(かんどり)を実施すると、海藤に恨みをもつ人物が浮上した。益野紳佑だ。
路子は現場の次に、警察学校で定期開催の射撃訓練に行く。事件捜査のため休もうとしたが風間が行ってこいと告げた。路子は、最後の射撃をした後、咳(せき)をして硝煙臭を少しでも追い払った。
その後、路子と風間は益野への聞き込みへ。益野は「娘を苦しめる相手を刑務所に送りたい」と言った。風間は「その言葉を忘れないでください」とお願いする。麗馨は
益野は当日、体育で怪我をした娘を迎えに小学校へ行っていた。路子たちは小学校への聞き込みもする。養護教諭はモンスターペアレント対策として録音しながら益野と会話した。益野が迎えに来ると、麗馨はヒューヒューと喉を鳴らす。養護教諭は学校ではそんな症状はでないというが…。
益野が犯人に違いない、と路子は思う。アリバイがない。殺害動機もある。元警察官で射撃も上手い。ガンマニアで、銃を密造することも可能。状況証拠はそろっているからだ。
だが逮捕は難しいのではないかと考えていた路子。風間は自白させることを促す。そして、もうひとつアドバイスする。捜査中に歩いた場所すべてが現場であり、見てはなくても聞いた事柄もあることを思い出せ、と。
路子のアレルギーが治った?!
益野は自分が万一のことがあれば弟に娘を託そうと考えていた。だが殺人犯の娘にはさせたくない。そのため捕まりたくはない。念のため、拳銃を作った工場の証拠となりそうなものをすべて処分する。
風間の指示で現場の質屋へ行った路子。だが、くしゃみがでない。予言(?)通りに風間が治したのだ。風間はその答えを教える。・・・阪神淡路大震災のとき花粉症を訴える人はほぼいなかった。生きるか死ぬかの状況でのストレスがアレルギー症状を抑制したのだという。路子はこの数日間の捜査でストレスを感じていた。
風間は「今度は君が人の病を治してやる番だ」と路子の背中を押す。
結末
鐘羅路子は、益野と麗馨をともなって工場へ行った。益野は証拠は見つからない自信がある。だが麗馨がヒューヒューと、症状が出る。火薬でアレルギーを起こしていたのだ。
拳銃の部品は全部きれいに捨てたとしても、火薬のような小さな粉じんは残留していたのだ。その残留にアレルギー反応を起こしてしまった。
学校の保健室で娘にアレルギー症状が出たのは、益野が銃を撃った直後だからだった。養護教諭との会話も証拠になる。
風間は「娘さんを苦しめた相手」を刑務所に送りたいという言葉を思い出させる。娘を苦しめていたのは父・益野紳佑だった。うつむく益野。娘の麗馨は父に「待っているね」と告げる。
※補足:自白するシーンまで描かれていません。流れ的に益野が自白して、罪を償うのでしょう。
第2話「妄信の果て」のネタバレ
登場人物
- 刑事:下津木崇人(しもつぎ たかひと)…風間道場の門下生。新人刑事。
- 犯人:戸守研策(ともり けんさく)(水沢林太郎)…犯人。私立「興和(こうわ)文化大学」文学部の学生。念願のマスコミに就職が決まっている。
- 被害者:梨多真夫(なしだ まさお)/愛称「まっぷ先生」<52才>(野間口徹)…興和文化大学 人文地理学の担当教授。
- 加藤(かとう)…大学院生。戸守の論文の相談に乗る。
- 佐村(さむら)…戸守を乗せたタクシー運転手。
戸守研策の犯行
興和文化大学・四年生の戸守研策(水沢林太郎)では、高い競争を勝ち抜き、地元新聞社から内定を得た。ゼミ論文の単位が取得できれば卒業も確定する…はずだった。
しかし戸守のもとへ、担当教授の梨多真夫(野間口徹)から突然の連絡が入り、論文は不合格と言われてしまう。単位を取得できないと卒業できない。ということは、就職もダメになってしまう。
あわてた戸守は、梨多真夫の研究室を訪れるが、海外出張のため2週間以上も不在になるという。そこで、梨多真夫の住む「庚申谷(かねたに)」へと原付バイクで向かう。そこは山の中だった。
梨多は、戸守を家の中へと招き入れた。家の中にいると、部屋の壁に地図が貼られていた。市内の地図で、「庚申谷(かねたに)」のすぐ近くに「無田(なしだ)」という地名があった。戸守は、教授の名前「梨多」と読みが同じだと思う。そして「卒業は無しだ」という言葉にも思えて、印象的だった。
梨多は自分がインターネット上に掲載している文章を、論文に引用した件が不合格の理由だという。しかし梨多は引用を許可していたはず。戸守は混乱し、憤る。
そして我を忘れた戸守は、梨多をテラスから下に突き落としてしまった。梨多は死亡。…冷静になった戸守は、写真撮影中の転落事故を偽装工作する。梨多が愛用している一眼レフカメラを遺体のそばへと投げた。
行き先は「無田」
戸守は偽装工作をしたあと、自宅に帰ったが、シャツのボタンがないことに気付く。バイクで戻ろうとしたがエンジンがかからなかった。バスもない時間だ。仕方なくタクシーを拾った。しかし、乗車したとたん、梨多の家の住所の地名が出てこない。挙動不審になってしまい、そこで「無田(なしだ)」と行き先を告げたが…タクシー運転手はベテランだが知らない地名だった。万事休すだが、戸守は「庚申谷(かねたに)」という地名をようやく思い出し、運転手に告げる。
戸守はボタンを見つけられなかったら第一発見者を装うことにした。
下津木はいい人
風間道場の門下生は下津木崇人が梨多の死亡の件を担当することに。下津木はなんでも相手のいうことを鵜呑みにしてしまいがちな、いい人だ。
聞き込みをする中、梨多はアカハラ=アカデミックハラスメント(教員や職員などが、優位な立場や権力を利用して不当な言動をとり、相手に不利益を与える行為)の疑惑をかけられたことが過去にあるとわかる。
下津木は梨多は事故死だと考えるが・・・指導官の風間は、梨多のデジタル一眼レフカメラを借りてみるようアドバイスする。すると、下津木はカメラを落とさないようにストラップをかけて使用した。そこで、梨多も、愛用品の一眼レフカメラをストラップなしで使うことはない…と気づく。遺体にはストラップはなかった。つまり、カメラで撮影中に落ちたわけではない!
他殺の疑いもでてきたため、風間とともにタクシー会社へ向かった。戸守が「ナシダまで」と言ったことが引っかかる。そんな地名は市内にないし、教授を呼び捨てにするのも不自然だ。他殺だとすると、やはり戸守が一番疑わしい。
違和感の正体
下津木は違和感があった。風間教官との捜査が楽なことだ。鬼教官で有名なはずなのに…。
その後、下津木と風間は、第一発見者の戸守を呼び、現場で当日の行動をしてもらう。だが証言にも行動にも矛盾がない…と下津木は思う。
そして下津木は、戸守は犯人ではないと結論づける。風間公親も「梨多は事故死、戸守はシロのようだな」と賛同する。
下津木は明朝までにこらまでの捜査報告をまとめてほしいと言われる。県警本部に戻った時は午後11時になっていた。パソコンに向かって報告書を書いている時、下津木は大きな違和感に気付く。それは鬼教官と聞いていた「風間公親」の態度だ。質問攻めし、答えられないと「警察学校からやり直すか」と言われる…という噂なのに。
下津木は自分で気づくように、テストされていたと理解した。このままだと刑事失格とされてしまう。下津木は焦って、目の色を変える。
結末
戸守は大学院に進んだ先輩に論文のどこがいけなかったのか尋ねる。すると引用箇所には間違いがあった。梨多はわざと間違いをネットの文章に仕込んでおいたのだ。なぜそんなトラップをしかけているのか。過去、梨多が学生に逆恨みされて誹謗中傷をネットに書かれ、全国紙の記者が「アカハラ」だと飛びついて大騒ぎになったことがある。
梨多は自分のような被害者がでないように、学生が自分の頭で考えて欲しいと思ってトラップをしかけた。まして、疑うことが仕事でもある「マスコミ」に入る戸守に対して、合格は出せなかったのだ。
その後、下津木は戸守に(あなたが)犯人だと突き付ける。理由のひとつはタクシー運転手に告げた行き先「なしだ」の件。そんな地名はないのだ。
地図には、無断複製防止のために、架空の地名を入れるケースがある。他社が架空の地名を入れていたら無断複製の証拠となる。
100パーセントのヒ素はない。(事件現場の)ヒ素Aと(犯人が持っていた)ヒ素Bを不純物の一致で証明する。通称「カンニングの法則」。正解と誤答(≒不純物)も同じだったらカンニングとみなせる。
地図にも不純物が仕込まれている…。しかも「無田(なしだ)」が入った地図は、梨多の手作りであり、戸守が訪ねた当日に出来上がったものだった。
つまり「無田」を知ったのは、戸守が夕方に一度、梨多の家を訪れて地図を見たから。
下津木は、自分が梨多を殺害してしまったのも間違いの複製が原因だった…と気づかされる。下津木は不意に涙が出てきた。
風間は「妄信は命取りということです」と伝えた。
※補足:第1話に続き、第2話も犯人が言い逃れないところまで追い詰められた時点で、終わっています。いわゆる(容疑者が)「落ちる」ところまで描いた…ということなのでしょう。
第3話「橋上の残影」のネタバレ
登場人物
- 刑事:中込兼児(なかごめ けんじ)(染谷将太)…3話風間道場の生徒
- 犯人:篠木瑤子(しのき ようこ)<39才>(早見あかり)…市内の建設会社勤務。経理担当。独身。
- 被害者:加茂田亮(かもた りょう)<35才>(金井勇太)…26才の時に窃盗事件を起こす。懲役6年の判決を受ける。現在は出所し、日雇い仕事で生活。
- 牧村冬一(まきむら とういち)…篠木瑤子と恋人。遥子とは同い年。時計店を経営。窃盗・傷害事件の被害者で目を負傷。事件をきっかけに経営が行き詰まる。十年前、29才の若さで自殺してしまった。
篠木瑤子の犯行
篠木瑤子は、復讐計画を練っていた。相手は、十年前に恋人・牧村冬一を自殺に追いやった男・加茂田亮。加茂田は6年の刑期を終え、娑婆(しゃば)でのうのうと暮らしていた。
加茂田は、牧村冬一が父親から引き継いだ小さな時計店に泥棒に入った。そして牧村に見つかって格闘し、目を負傷させてしまう。商品やお客様から預かっていた時計を盗まれ、しかも目の怪我で仕事ができなくなった牧村冬一は自殺をしてしまった…。
逮捕された加茂田亮に下された懲役は6年。遥子はそんなに短いのかとショックを受けた。(補足:強盗殺人ならもっと罪が重かったはずですが、自死のため、違ったのでしょう)
午前3時頃。線路にかかる歩道橋にて。瑤子は、最近頻発している「通り魔」を装って、加茂田を刺殺。刺したらそのまま歩いて立ち去るつもりだった…。
しかし、予定外の事態が起きる。加茂田の腕には、牧村冬一が作ったオリジナル腕時計がはめられていたのだ。
それは牧村冬一が制作した瑤子と冬一のペアの腕時計。両方とも加茂田に盗まれたのだが、加茂田の着用していた腕時計の裏側には「FROM TOICHI TO YOKO」(冬一から遥子へ)と刻印があった。
あと戻りをして、腕時計を回収した瑤子は、計画を変更し、加茂田亮の身元をわからなくする偽装工作を決断。
だが、加茂田は絶命の寸前、肩から下げていたサコッシュ(ショルダーバッグだがハガキサイズの小さいもの)を線路に放り投げていた。遥子は入っているのがランチ(おにぎり等)だろうとたかをくくり、見過ごすことした。
遥子は直前にタバコを吸って気持ちを落ち着かせたが、ライターのオイルが切れていたため、コンビニでオイルライターのオイルだけを購入していた。
遥子は、加茂田が身につけていた服やマッサージ器具のようなもの等を回収し、ライターのオイルをかけて、ライターで火をつけ、顔や手、衣服などを燃やして…。
中込(染谷将太)の捜査
今回の風間道場の門下生は、中込兼児(染谷将太)。中込は加茂田の事件を風間とともに担当する。
風間は被害者の身元を特定する手がかりは何か?と質問。中込は以下の3つを答える。
- 顔貌
- 指紋
- 歯型
- 所持品
- 着衣・靴などの身につけていた物
- 傷痕・入れ墨・そばかす・痣(あざ)などの身体的特徴
今回の遺体は顔と指が焼かれ、歯もつぶされていた。所持品も持ち去られている。
風間は身元が特定できた後のすべきことを質問。中込は理路整然と答える↓
- 被害者の住所へ行き、郵便物・通話記録・住所録などを捜査。
- 交友関係、家族関係のリストアップ。
- リストアップ者を事情聴取していき、殺害動機・殺害の機会・可能性が無い者を消去していく。
- 容疑者が絞れたら、アリバイがない者を監視、行動確認していく。
風間公親は「君はなかなか優秀とみえるな」と高評価をくだす。だが、中込は緊張のあまりひどい胃痛に悩まされていた。風間は新人刑事によくあることだと告げる。(※補足:小説「教場0」第3話に登場した新人刑事・荒城達真も胃の場所が痛かったことがある)
風間はどうやってこの遺体ができたのかを尋ねる。中込は逮捕されていない通り魔がまた犯行を繰り返したか、あるいは通り魔を装った人物かと推理する。そして腕時計がないことからただの窃盗犯、けれど指輪が盗られてないことから怨恨もありうると返答。
風間は刺された状況を考えさせる。そして捜査のコツ(のひとつ)は、「できるだけ過去に遡って、犯人になったつもりで動きをシミュ―レートすること」だとアドバイス。
中込は通り魔と同一犯なら証拠隠滅しない、通り魔を装ったが予定外のことが起きて証拠隠滅の工作をしたのだろうと推理。だが、その答えは難問だ。
身元判明・容疑者にもたどり着く
中込は被害者の身元を割り出すため、周辺の防犯カメラを調べる。その結果、焼け残った衣類と同じものを着ている人物の映像を発見。その男はベンチに座り、貧乏ゆすりしていた。しかもタバコの箱が傾くと綺麗に位置を修正。
几帳面な「クセ」から、警察学校で私物の管理を厳しく指導された自分を思い出す中込。だが、もう一か所ある。受刑者だ。
次に加害者側を調べることに。中込は「できるだけ過去を遡って」と風間に言われたことを思い出し、犯行現場付近でジッポオイルを購入した人物を調査。その結果、コンビニの防犯カメラから篠木瑤子を見つけ出す。瑤子を調査すると、加茂田への恨みがあることが判明。
結末
中込は、被害者が勤めていた工場の関係者を聴取する。すると、加茂田は会社のノートバソコンをお腹に抱えて盗難まがいのことをしたり、猫を抱っこしていたという。さらに加茂田は猫背で青白く、体調不良だったそうで…。
中込は実際にノートPCを抱く。そして猫を抱いたことを想像。PCも猫も温かい。そして、加茂田は事件の直前、パチンコが当たって稼いでいた。つまり金欠の加茂田も病院に通えたはず。
中込は被害者の通院先を調べて聴取。そして駅員にも事情聴取した上で、ある証拠品を発見へ。それは被害者が線路に捨て、列車の上に乗って運ばれていったサコッシュ。
その後、中込は遥子に会い、被害者が捨てたサコッシュの中に目撃者がいると告げる。サコッシュの中から液晶画面がついた装置がでてきた。
中込はフードをかぶった遥子の姿が映った映像を見せる。そして遥子が踏み潰すところで映像が消える。被害者は通院し、カプセル内視鏡というカメラを飲み込んでいた。着用していたのはマッサージ器具ではなく医療機器だったのだ。
遥子が刺した後、カメラが外へ飛び出し、遥子を映したのだ。遥子は現場で何か踏んだのを思い出す。遥子は観念し、警察車両へ乗る。
第4話「孤独の胞衣(えな)」の登場人物
- 刑事:隼田聖子(はやた せいこ)(新垣結衣)<32才>…風間道場の門下生。新人刑事。シングルマザー。交番に配属されたばかりの頃に20才年上の男と関係を持って子供を授かった。父親でもある相手は行方をくらました。
- 犯人:萱場千寿留(かやば ちずる)(生見愛瑠)<19才>…短大生。妊娠中のため休学中。
- 被害者:浦真幹夫(うらま みきお)<40才>…売れてる工芸家。
- ラウラ…浦真幹夫の婚約者。イタリア人の女性。骨髄腹膜炎という病気の後遺症で妊娠できない。浦真の遺体の第一発見者。
- 千寿留の母…58才。助産師。脳梗塞の後遺症でリハビリ中。生活保護を受けている。夫は他界。
- 男児…浦真宅の西隣りの家に住む小学四年生。スリムな女を目撃したと証言。
- 嘉野(よしの)…千寿留が部屋を借りているアパート「コーポヨシノ」の大家さん。
- 叶多(かなた)…赤ちゃん。男の子。千寿留と浦真幹夫の子供。
第4話「孤独の胞衣」のネタバレ
千寿留の犯行
萱場千寿留は妊娠したため、短大を休学中。出産予定日を5日後に控えていた。ある日、千寿留が産婦人科から出ると、工芸家の浦真幹夫と出くわす。浦真はお腹の子供の父親。だが、浦真は中絶費用として100万円を千寿留に渡し、イタリアに旅立っていた。浦真が帰ってきたことに驚く千寿留。
千寿留は授かった命だからと中絶せず、新しい生命の誕生を心待ちにしていた。浦真は車で千寿留を自分の家に連れて行く。浦真は売れている工芸家で、お金持ちだ。
浦真が千寿留に言いたいことは堕胎ではなく、産んだ後に赤ちゃんの親権を渡してほしいということ。正反対の意見になっている。浦真はイタリアで出会った女性ラウラと婚約していた。だが、ラウラは病気の後遺症で妊娠が出来ない体だった。しかし、ラウラは子どもを欲しいと言い張っていた。
千寿留は「嫌です」と拒否。しかし、浦真は裁判をしてでも親権を手に入れるという。千寿留は19才で未成年(※)のため、子供の親権は千寿留の親権者が持つことになる。千寿留の父親は他界しているため、母親が親権者になるが…。
(※補足:成年年齢は2022年4月から18歳に引き下げられています。それまでは20歳で成人でした。本書の刊行は2021年9月1日となっています)
浦真は母親のことを調べていた。千寿留の母親は病気の後遺症でリハビリ中で働けていない。生活保護も受けていた。浦真は、裁判をすれば裕福な父親と、高齢で生活保護の(子供の)祖母では勝敗は明らかだと自信満々。
千寿留は子供を取られると恐れ、大理石の灰皿で浦真を殴打。殺害してしまう。
自分の痕跡を消して現場から逃げようとした千寿留だが…。
隼田聖子の捜査
今回、風間公親(木村拓哉)の指導を受けるのは新人刑事・隼田聖子(新垣結衣)。聖子は工芸家・浦真幹夫殺人事件を担当する。
聖子は、被害者の殴られた場所が側頭部なことから、犯人は顔見知りと推理。また、風間の質問がヒントになり、薪ストーブで煙道火災が起きていたことが分かる。また風間の立て続けの質問で、床に散らばる浦真幹夫の作品の中で、深い大皿1枚だけに埃(ほこり)がついていないことも判明。だが、聖子にはそれの意味が分からない。風間も教えてはくれなかった。
浦真宅の隣家の住人の小学4年生の男児が、目撃証言をしてくれた。事件の日、自宅の窓から見ていたが、浦真宅から大きな手提げバッグを持った20歳くらいの「スリム」な女性が出てきたという。
この証言はマスコミにも発表された。そして『工芸家殺人事件に重大証言!”スリム”な女の正体とは?』と記事にも出た。
その後、Nシステムにより、浦真幹夫の運転する車に同乗していた女がいた、と判明。さらに、その女が萱場千寿留だと分かる。
千寿留の住むアパートの大家さんに聞き込みをすると、妊婦の千寿留が男の赤ちゃんを急に産んでいて驚いたこと、しかも赤ちゃんの足に痣(あざ)があったと証言する。虐待か?!
聖子は風間と千寿留の部屋を訪問。千寿留は自宅で出産したという。急に産気づき、携帯の電池もなく、陣痛がひどくてノートパソコンでのネットも使えなかったという。母が助産師だから、出産の知識はあったため産めたらしい。
赤ちゃんは男の子で、夢を多く叶えてほしいからと「叶多」(かなた)と名付けたという。赤ちゃんはタイツをはいており、足首は見えなかった。
千寿留は叶多の父親は浦真幹夫と認めた。浦真は病院から自宅に送ってくれたのだと言う。聖子は嘘だと知っている。真浦宅への車に女性がいたことは分かっている。
千寿留は自宅での出産後、なぜかクリニックへ行ってない。虐待が発見されることを恐れて?
被害者がいるということ
聖子も相手の男から見捨てられたシングルマザーなので、千寿留に同情してしまう。この事件から降りたくもなる。それを感じた風間は珍しく運転を代わり、浦真宅へと連れて行く。そこでは婚約者の外国人が浦真の作品を手にして悲しんでいた…。聖子は、被害者がいることを痛感。加害者に同情してしまたことを反省した。
聖子は千寿留がクロ(=犯人)だと確信している。叶多くんの足首の痣の謎、スリムな女性の謎などが解けない。だが、風間は「これまでの捜査を思い出せ。すでにヒントは出そろっているぞ」とアドバイス。
千寿留の通っていたクリニックの医師は、千寿留が赤ちゃんが生まれてくるのを楽しみにしていたから、「虐待をするとは考えられない」と断言した。
虐待でないならば何か?聖子は、風間が叶多のおしめの替えを手伝うようにと目配せしていたことを思い出す。やはり叶多の痣がキーになりそうだと気づく。
結末
聖子は千寿留と叶多を、真浦宅へと連れて行く。そこで、あなたが犯人と思っていることを突き付ける。
聖子の推理はこうだ。・・・千寿留が産んだのは真浦宅。殺害してしまった精神的ショックのせいで急に産気づいてしまった。千寿留は出産すればスリムになり、カモフラージュになるとも考えて、出産を決意。
しかし絨毯(じゅうたん)からは千寿留の体液が検出されていない。千寿留は赤ちゃんと胎盤を受け止めたる容器として、浦真幹夫の作品の深くて大きい皿を利用した。出産後に洗ったから、埃がなかったのだ。
そして、着用していたニットのセーターに赤ちゃんと胎盤をくるみ手提げバッグに入れて現場を去った。男児の目撃情報の「スリムな女」は千寿留だったのだ。
千寿留は証拠がないと言い出すが・・・聖子は、証拠は叶多の痣だという。
赤ちゃんを受け止めた大皿は煙突のそばにあった。皿は木と金属でできているが、金属部分に浦真の名前「URAMA MIKIO」が刻印されている。金属は熱が伝わりやすい。赤ちゃんの左足には「MAMA」と、浦真幹夫の名前の一部が火傷痕として残っていた!
聖子は犯人を告発するメッセージ(ママ)にも読めた…。
※補足:第4話も犯人が追い詰められた時点で終わりました。聖子が自白したり逮捕されるシーンは描かれていません。足に反転して印字されても「MAMA」と読めるということでしたが、URAMAのMAだけ2回触れてしまったのでしょうか。ちょっとオチとして決まりすぎてる、作りこみがすぎているような気もしますね(笑)
第5話「闇中(あんちゅう)の白霧」のネタバレ
登場人物
- 刑事:紙谷朋浩(かみや ともひろ)…風間道場の門下生。新人刑事。
- 犯人:名越哲弥(なごし てつや)<42>(演:小池徹平)…輸入雑貨のネット通販会社社長。商品は闇サイトで仕入れている。強迫性障害を抱えており、確認癖がある。前職では澄葉と2人で薬物・毒物・児童ポルノ・凶器など何でも仕入れて売り、儲けた。
- 被害者:小田島澄葉(おだじま すみは)(演:ソニン)…名越の裏ビジネスのパートナーだが、男女関係はない。名越とはオンラインゲームで知り合い、意気投合して裏ビジネスに誘われた。語学が堪能で英語・中国語・スペイン語・ロシア語ができる。お金に執着心がある。コンビ解消した際、名越から毒殺されてしまう。※ドラマでの役名は小田島澄香。
- 佑(たすく)…紙谷の姉の子。紙谷の甥っ子。小学五年生。
名越哲弥の犯行
名越研弥と小田島澄葉は、闇サイト経由で違法な薬物などの商品を仕入れて大もうけした。だが、名越はそろそろ足を洗いたいと、相棒の澄葉に申し出たが、拒否された。澄葉は、もっと金が欲しい、足を洗うなら警察に言うと名越を脅した。
澄葉は英語・中国語など語学が堪能で、海外との取引で必要だった。それで、名越が澄葉を裏仕事に誘ったのだ。つまり、逮捕された時に名越の方が罪が重くなってしまう。
名越は強迫性障がいがあり、何度も確認してしまう。だがそのおかげで、これまで証拠を残してこなかった。唯一消していない証拠であり、一番邪魔となっているのが澄葉。名越は殺害することを決心。
そんな中、名越は澄葉から「あなたを自由にしてあげる」というメールを受け取った。名越は澄葉の家で2人で会って、最後に食事をする。澄葉が直接「自由にしてあげる」と言ったが、彼女が自分の耳を触った。それは嘘をついているときの彼女の癖だ。
名越は澄葉が常用している点鼻薬を同じ容器のものにすり替える。すり替えたものには闇サイトで仕入れた毒が混入してあった。こうして澄葉を毒殺した。
紙谷は第一発見者
今回の風間道場の門下生は紙谷朋浩。事件当日、紙谷は県警本部に異動になったお祝いで、姉夫婦の家に招かれていた。食事作りが遅れているため、紙谷は甥っ子の小学生・佑(たすく)と遊ぶことに。佑は自分で作った霧の箱を使い、庭で放射線の観測実験をする。紙谷は実験する甥っ子をスマホで撮影した。すると、家の前の通りを誰かが横切ったとき、ベータ線の量が増えた。
食事をするために家の中に入った後、雨が降り出した。紙谷はリビングの窓を閉めようとする。すると、隣家の女性が昏倒するのを目撃した。紙谷はあわてて隣家へ向かう。その女性こそが澄葉だった。
神谷が救急に連絡したり、救命措置もするが・・・澄葉は絶命してしまう。やがて、風間公親(木村拓哉)も現場にやって来た。くしくも紙谷朋浩は事件の第一発見者となってしまう。
風間は第一発見者が犯人のケースがあり、事件を混乱させることがあるという。そして風間から「混乱させるな」と釘を刺される紙谷。
紙谷の捜査
小田島澄葉の携帯電話の履歴から、風間と紙谷は名越哲弥のもとを訪れる。名越は澄葉から受け取ったメールの文言「あなたを自由にしてあげる」を見せ、交際していたと嘘をついた。本当は2人はビジネスパートナーだったが、恋人ということにしておけば、澄葉の家に自分の痕跡が残っていても言い逃れが出来ると考えたからだった。
風間公親から名越の印象を聞かれた神谷は、名刺を読みとるのに苦労していたことを指摘。目が悪いのか? そして聴力も衰えてるようにみえたこと、水をよく飲んでいたこと、たんがからんでいたがのどの痛みはなさそうなので風邪ではないこと、抜け毛も多いこと・・・などを指摘。
これらのことから、紙谷は病気では?と推理する紙谷。
風間は、紙谷の顔を見た時の名越がひどくうろたえていた、と語る。つまり、紙谷が隣家の被害者を目撃したように、名越も隣家を見たという理屈だ。
そこで、紙谷は姉夫婦の庭に戻って、当日を思い出してみる。すると、澄葉が死亡した日、名越のことを見かけたかもしれないと気づく紙谷。
結末
事情聴取の際、名越は何度も自宅のゴミ袋を確認していた。このことから、<強迫性障害の中の確認屋>と推理する紙谷たち。
案の定、名越は被害者宅に証拠を残してきていないか現場を確認したくてたまらくなってしまう。名越は、澄葉の交友リストが自宅に隠してあるから、一緒に探したいと紙谷に申し出る。
そこで紙谷はOKした。名越は紙谷とともに、澄葉の家へ。そこで(証拠を消し忘れた)リモコンの電池の指紋を消す。
その後、紙谷は風間が待つ隣家へと名越を誘う。電池の指紋は鑑識が調べたが、蓋の中の電池は古い指紋(事件より前に訪問したときの指紋)か新しい指紋かわからないという。名越の取り越し苦労だったのだ。
風間と紙谷は、別の証拠を突き付ける。それは放射線量だ。名越の体から放射線が確認できる。それを霧の箱を使って証明。さらに測定器も使って証明する。
事件当日、人が通ったときに放射線の量が変化した動画が紙谷のスマホに録画されている。こんなに放射線を放つ人物はほぼいない。つまり紙谷が被害者宅を訪れた証拠になるはず。電池の指紋は無理だが、これなら裁判所も証拠として採用する。
名越は澄葉の家で不味いコーヒーを飲んだ時、毒を盛られたのだと気づいた…。
風間は「逮捕する前に病院にお連れしましょう」と告げる。
第6話「仏罰(ぶつばつ)の報い」のネタバレ(1)
登場人物
- 刑事:平優羽子(たいら ゆうこ)…風間道場を卒業した刑事。十崎の事件を追っている。※平優羽子は新人刑事時代、小説『教場0 刑事指導官・風間公親』第6話に登場。のちに小説『風間教場』でも警察学校教官として再登場する。
- 犯人:清家総一郎(せいけ そういちろう)<70代>(演:北大路欣也)…著名な有機化学者。目が不自由。元・私立興和文化大学理学部教授。大学側から教職をやめることを慰留されてきたが、昨年、実験中の事故で両目に劇薬を浴びて失明したため、やめることになった。共同研究者が論文で不正をしたとき、無関係だったのに処分を申し入れたことがあるほど人間としては人格者。5年前に妻を亡くして以来、独身で一人暮らし。
- 被害者:甘木保則(あまぎ やすのり)(演:馬場徹)…総一郎の娘の夫。無職。妻に暴力を振るっていたが、もうしないと義父の総一郎と約束した。総一郎から毎月50万円の生活費をもらっている。過去に詐欺罪で実刑判決を受けたことがある。
- 犯人:十崎(とざき)/通称「千枚通し」(演:森山未來)…殺人事件で服役していたが、出所後に風間を襲撃し右目を失明させた犯人。現在は、千枚通しを使った連続傷害事件の容疑者。
- 甘木紗季(あまぎ さき)(演:森カンナ)…清家総一郎のひとり娘。甘木保則の妻。眼科医で開業医。総一郎の主治医。
清家総一郎の犯行
地元の名士であり、著名な有機化学者であるは清家総一郎は、目が見えない状態だが、一人娘・紗季の夫(義理の息子)である甘木保則に千枚通しを突き刺してを殺害した。毎月渡してある50万円の1万を床におとして相手が拾う・・・そのかがんだ背中に突き刺した。
甘木保則は結婚詐欺をして逮捕され、3年の服役をしたことがある。しかも一人娘の紗季に暴力をふるっていた。暴力をふるわないと1か月前に約束したのだが、約束を破られた。つまり、紗季の命を守ることが殺害動機。
紗季の怪我にはダイヤの後があった。甘木がダイヤの指輪をはめたのはこの数週間なのに…。つまり、暴力が終わっていない証拠だった。
清家総一郎は、興和文化大学の理学部教授だった。しかしもう辞めたかった。だが大学は引き留めた。そんな中、昨年、実験中の事故により両目に劇薬を浴びて失明。大学側も辞めることに賛同した。
平優羽子の捜査(1)
風間道場の門下生であった平優羽子は、県警本部の刑事。暇さえあれば、資料室で世間を騒がせ続けている連続通り魔・傷害事件の捜査資料に目を通している。
警察内では、千枚通しを使用する手口から、この「通り魔」の犯人は風間公親(木村拓哉)の右目を奪った十崎(とざき)と見立てて捜査を進めていた。
十崎が風間を襲撃してから3年。現場に居合わせ、風間に助けられた平優羽子は、必ず十崎を逮捕すると決意していた。
<「千枚通し」事件の被害者と状況>
- 被害者ホームレスの男(68歳)/足首を刺される。
- 会社員の女(45歳)/太ももを刺される。
- 新聞販売員の男(37歳)/わき腹を刺される。
- 塾講師の女(29歳)/二の腕を刺される。
- 大学院の男子学生(25歳)/肩を刺される。
- 主婦(54歳)/頸部を刺される。
被害者は男女が交互。次は男性か?そして刺される場所が足元から頭部へと上がっている。次は目か?→優羽子は風間のことを心配する。
平優羽子の捜査(2)
平優羽子が風間公親から捜査に呼ばれる。現場は清家総一郎の自宅。なぜ卒業した自分が呼ばれたのか、優羽子は疑問に思う。
第一発見者で通報者は、総一郎。何者かが侵入して逃走した足跡がある。凶器は千枚通しで、心臓を一突きしていた。
優羽子は犯人が「十崎」の可能性も考える。だが、室内で通り魔をするのは異例だ。十崎ではない。そこで、被害者が詐欺罪で服役していたことがあるため、詐欺被害者の恨みによる犯行も視野に入れる。
優羽子は清家総一郎にサングラスを取ってもらい、両目を確認するが、失明しているのは明らか。心臓に一突きした犯行は不可能だ。
そんな中、詐欺被害者全員にアリバイがあることが判明。DV被害にあっていた紗季もアリバイがあった。
残すは、清家総一郎。だが、盲目の総一郎がどのようにして甘木保則を殺害したのか?謎が残る。
結末
失明している清家総一郎がなぜ甘木保則を殺害できたのか?その謎の答えは、見えていたから…と平優羽子は突き止めた。
ただし、清家総一郎は事件当日まで見えていたが今は見えてないというのが真相。
清家総一郎は人格者だ。罪を犯したら代償を望むはず…と優羽子は推理。
みえる目で、心臓を一突きした総一郎は、その後、自分で劇薬を目にさして失明させた!
総一郎の主治医は娘の紗季。総一郎は大学を辞めたがっていたので、失明したという診断をしたのだ。
それ以来、総一郎は失明したように生活をしていた。
総一郎が警察へ行く前、紗季は父の手をとって、手のひらに、「ありがとう」の文字を書いた。風間や優羽子がいるから言葉にできなかったから。だが、風間たちは気づいていた。
その後、風間と平優羽子が2人きりで飲食店に食事へ行くというエピソードが描かれます。それについては次の項目で紹介します。↓↓
【風間公親 教場0】原作の結末ネタバレ
月9ドラマ【風間公親 教場0】の原作は「教場0…」と「教場X…」の2作。ストーリー的には「教場0」の続きが「教場X」となっているため、「教場X」ラストがドラマ原作の結末となります。
では、その『教場X』の結末ラストでは、風間の右目が義眼となった事件のことが解明されたのでしょうか。結論からいうと、解決に至りませんでした。十崎は逮捕されていません。十崎の犯行動機も謎のままですが、警察や風間への恨みからの犯行だと思われます。(十崎には、風間に逮捕されて服役していた過去があります)
十崎が凶器を残して逃亡
第6話終盤、風間は拳銃を所持しながら、3年前に優羽子と飲みに行ったお店へ。そこで会話をした後、店を出る頃・・・店の外には、千枚通しが落ちていた。店員の証言から、店の外にいた人物は37~38歳の中肉中背の男で、連続通り魔の姿と同じだった。
優羽子はそれを犯人・十崎の警告だと解釈。十崎は今でも風間を狙っており、今回も警察本部を出たときから尾行していたのだ。やはり十崎の次の狙いは男=風間公親で、今度は左目を狙っているのだ、と。
風間が警察学校へ異動した理由
優羽子は風間を心配するが、風間は、優羽子に「君なら十崎を逮捕できる」と太鼓判を押す。そして「本部長も」心配してくれているという。
本部長は十崎を警戒し、来月から風間を警察察学校に異動を命じていたのだ。
優羽子は、風間が「風間道場」を卒業した自分をまた現場に呼んだのは、この先、指導できないからだったのだと気づく。
風間は優羽子に一枚の異動辞令を見せた。(おわり)
風間が「風間道場」を開き、県警で知らない人はいないほど優秀な刑事であったにもかかわらず、なぜ警察学校の教官になったのか?その理由が明かされました。逆恨みしている十崎から、風間の命を守るためだったのです。
【風間公親 教場0】原作ネタバレからドラマを考察
【風間公親 教場0】原作ネタバレからドラマを考察してみます。
北村匠海は生きてる?
スペシャルドラマ『教場Ⅱ』(2021)ラストでは遠野章宏(北村匠海)が千枚通し(アイスピックのようなもの)で刺されて大出血します。風間の呼びかけに答えられないほど重体です。
スペシャルドラマ『教場』(2020)では、校長・四方田(よもだ)(小日向文世)が警察学校から送り出した元生徒が、風間が刑事時代に一緒に捜査をして亡くなったと判明。正確には「亡くなった」とは言っていませんが、風間が「まだ若かった」と花壇を見ながら悲しんでいました。
スペシャルドラマ『教場Ⅱ』でも、四方田校長は、成績が優秀だからと卒業させて風間に担当させ命を落とした生徒のことを後悔していました。
この若い刑事が北村匠海演じる遠野なのでしょうか?それに対しては、当記事筆者は疑問です。
『教場Ⅱ』(2021)ラストシーンで、遠野は不審者に対して、「手に持っている物を捨てろ」と言わずに「ナイフを捨てろ」と言ってしまいました。この言葉が間違いなのは風間教官の授業でもやっています。
つまり、こんな間違いをするなんて、遠野が成績優秀者な点には疑問符がつきます。
また、スペシャルドラマ『教場』(2020)では、味方良介さん演じる都築耀太が、「教官が刑事の時に部下の刑事が重傷を負った、目もその時に…」と語っていました。『教場』(2020)に登場した新聞記事でも、「警官2名が暴漢に襲われ、1人が意識不明、もう1人も重傷」と報じられています。意識不明の重体または”重傷”ならば生きているのかも?
もしかしたら、四方田校長のいう人物は別人で、北村匠海演じる遠野は生きている可能性も捨てきれませんね。
【追記】公式サイトでの遠野章宏(北村匠海)の人物紹介では、「警察学校時代の校長直々の推薦で交番勤務から捜査一課の“風間道場”へ。子どもの頃から警察官になることを夢見ていた遠野は、強い気持ちを持ち続け、ついに念願の刑事としての第一歩を踏み出せたことに喜びを感じる。」とあります。四方田校長の推薦した刑事は遠野でした。
そして『刑事としての基礎体力は劣るが、的確な捜査方法で事件の答えへと近づいていく遠野の明せきな頭脳にまわりの刑事は驚き、風間も「いい腕をもっている」と認めるが、「君には欠けているものがある」と告げる。しかし、風間とともに追っていたとある事件の犯人に襲われ重傷を負ってしまう。』とあります。
優秀な刑事というのは疑問符がつくと前述してしまいましたが、「体力は劣る」が「明せきな頭脳」の持ち主なのですね。そして「重傷を負ってしまう」というワードも気になります。やっぱり遠野の生死は不明のまま。『教場Ⅱ』(2021)で飛び降り自殺した生徒が生きていたように、遠野も実は生きているという望みは捨てきれませんね。
濱田岳がキーマンか?
『教場Ⅱ』(2021)の卒業式にて、風間教官(木村拓哉)が鳥羽暢照(濱田岳)に「私の右目のことで覚えがあるな?」と言っていました。
意味を考察すると…「目を刺された俺の事件のことを知ってるんだろう?犯人は逃げたままだ。顔を目撃していて、警察官になったお前(=鳥羽)が捕まえてほしい」という意味が込められているのかも。
警察学校の授業では、鳥羽にナイフを持たせて、わざと犯人役になってもらいました。警察学校を卒業し、白バイ隊員になった鳥羽がついに風間教官の目を刺した犯人と現場で遭遇する!なんて展開を期待しての授業でもあったのかも。
風間が鳥羽に期待していると考察する理由は、原作では平優羽子に十崎の逮捕が託されました。しかし、ドラマではその平優羽子が登場していないからです。(月9ドラマ版の開始時点の情報です)
なので、ドラマでの十崎逮捕のキーパーソンは鳥羽になるのでしょう。
十崎との対決は映画で?
月9ドラマ【風間公親 教場0】は「教場0」「教場X」が原作です。
しかし「教場0」の続きとなる「教場X」の結末ラストでは、風間が平優羽子に十崎を逮捕する未来を託す形で、未解決のまま終了。
となると、映画化も想定されているとの噂の【教場】の連ドラ化です。もしかしたら、十崎を逮捕するストーリーは劇場版に持ち越しかも。
そして、風間が目を刺された時に現場にいた2人の人物、遠野章宏(北村匠海)と鳥羽暢照(濱田岳)が映画版で活躍すると予想します。
【風間公親 教場0】原作の情報
教場0 刑事指導官・風間公親
タイトル | 教場0 刑事指導官・風間公親 |
---|---|
著者 | 長岡弘樹 |
出版社 | 小学館 |
発売日(単行本) | 2017年9月26日 |
単行本ページ数 | 256ページ |
発売日(文庫本) | 2019年11月6日 |
文庫本ページ数 | 332ページ |
教場X 刑事指導官・風間公親
タイトル | 教場X 刑事指導官・風間公親 |
---|---|
著者 | 長岡弘樹 |
出版社 | 小学館 |
発売日(単行本) | 2017年9月26日 |
単行本ページ数 | 256ページ |
発売日(文庫本) | 2019年11月6日 |
文庫本ページ数 | 332ページ |
「教場」シリーズ
小説「教場」シリーズは刊行順で、以下の6冊が出ています。(2023年4月時点)
- 『教場』
- 『教場2』
- 『教場0 刑事指導官・風間公親』
- 『風間教場』
- 『教場X 刑事指導官・風間公親』
- 『新・教場』
※最新作の『新・教場』は風間公親が警察学校に赴任したばかりの頃の話となっています。
【風間公親 教場0】原作の主要人物
県警本部
風間公親(かざま きみちか)(演:木村拓哉):主人公。県警本部捜査一課所属。新人刑事を指導する「風間道場」を開いている。鋭い観察眼で新人を指導して事件も解決していく。
伊上幸葉(いがみ ゆきは)(演:堀田真由):県警本部の事務員。
新人刑事
瓜原潤史(うりはら じゅんじ)(演:赤楚衛二):「教場0…」第1話に登場。県北部にあるM署所属。
折本直哉(おりもと なおや):「教場0…」第2話に登場。県北西部にあるK署所属。
荒城達真(あらき たつま):「教場0…」第3話に登場。県中央部にあるS署所属。
早坂すみれ(はやさか すみれ):「教場0…」第4話に登場。県北東部にあるF署所属。
大里翔子(おおさと しょうこ):「教場0…」第5話に登場。県の南端にあるY署所属。
平優羽子(たいら ゆうこ):「教場0…」第6話、「教場X…」第6話に登場。D署所属。
鐘羅路子(かねら みちこ)(演:白石麻衣):「教場X…」第1話に登場。
下津木崇人(しもつぎ たかひと):「教場X…」第2話に登場。
中込兼児(なかごめ けんじ)(演:染谷将太):「教場X…」第3話に登場。
隼田聖子(はやた せいこ)(演:新垣結衣):「教場X…」第4話に登場。
紙谷朋浩(かみや ともひろ):「教場X…」第5話に登場。
※遠野章宏(演:北村匠海)はドラマオリジナルのキャラクターです。
画像出典Amazon
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