【セクシー田中さん】最終回|結末に賛否の声。でも、どっちでもいいんじゃない?

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セクシー田中さん最終回/10話

【セクシー田中さん】最終回/10話のネタバレと視聴率|原作者が手がけた脚本の結末に賛否の声。でも、きっとそれもどっちでもいいんじゃない? 地味キャラ、陰キャだから自分にまったく自信がないアラフォー田中さんの生き様が朱里や周りの人の人生を変えていく。最終回のエンディングには賛否の声が上がったけれど…。原作者がみずから脚本に手を挙げた裏事情発覚、その真相とは?
【セクシー田中さん】最終回/10話のあらすじ・ネタバレ・感想とレビューをお届けします。

次クールは厨房のありすです。

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目次

【セクシー田中さん】最終回の視聴率

【セクシー田中さん】最終回/10話の視聴率は、前話より1.0%ダウンの5.6%でした。クリスマスイブが日曜ということでリアタイする人が少し減ったかもしれませんね。

【セクシー田中さん】最終回のあらすじ

【セクシー田中さん】最終回/10話のあらすじです。

田中さんの背筋が曲がってしまう

ずっと好きだった三好(安田顕)からのキス! 夢のような出来事なのに、なぜか笙野(毎熊克哉)の顔が浮かんでしまい、思わず拒絶した田中さん(木南晴夏)は、自分の気持ちがわからなくなってしまった。ベリーダンスに真剣に向き合おうとひたすら練習に励むが、思うように踊れない。そんな中、毎度お騒がせな愛子先生(未唯mie)が帰国し、スクールのメンバーたちがおしゃれにやろうと思っていた「Sabalan」のクリスマスイベントを勝手に自分の生誕祭に変えてしまう…。

無難な人生なんてない

久しぶりに「Sabalan」を訪れた笙野に三好は、小西(前田公輝)から聞いたと見合い相手とのことを尋ねる。「結婚するの?」「たぶん。結婚するならこういう人がいちばんしっくりくるのかなと思った」。「結婚向きってこと?」「僕の無難な人生にピッタリとハマってくれそう」とふみか(朝倉あき)のことを話す笙野に、そんな都合のいい相手なんていない、みんなそれぞれ自分の人生を生きるんだから、勝手にハメられたら辛いと諭す。

田中さんはその無難な人生からはみ出すのかと三好。そりゃあはみ出すと笙野。田中さんは自由で大胆で強くて、どこにでも行ける人だから、一緒にいると楽しくて自分も自由になれた気がしていたけど。

三好は田中さんに振られたと話す。なんで?と聞き返す笙野に、こっちが聞きたいと三好。みんな自分の気持ちなんてわからない、気持ちも感情もコントロールできない。今日嫌いだった人を明日大好きになるかもしれない。毎日変わっている。ワクワクしない?僕は無難な人生なんてないと思っている。

三好はクリスマスイベントには必ず来るように言い渡す。だってSali=田中さんは笙野が来なくてもずっと1人で練習してきたんだから。これは「命令」だ。

愛子先生とMiki先生の愛のムチ

田中さんは愛子のスパルタ指導を受ける。愛子先生はラクスシャムズと新曲の2つをマスターさせようとするが、自分らしさを取り戻せない田中さん。へっぽこダンスの朱里も愛子先生にしごかれ、独特な踊りも個性だと負けないものの、2人ともへとへとだ。

これから何を目標に踊ればいいのかわからないと落ちこむ田中さん。でもクリスマスは次の日曜だ。頑張らなくては…。

小西を練習台にメイクの研究をする朱里。滝口たちに言われたことを思い出し、結婚の話をしてみようとするが、朱里はメイクに夢中。小西もメイクでかわいくなった。

Miki先生(高橋メアリージュン)は田中さんにしばらくレッスンの禁止を言い渡す。ろくに食事をとっていないのもその理由だ。Miki先生は、最初のレッスンで自分が言ったことを覚えているかと問う。毎日鏡を見て自分と向き合って。背中にも姿勢にも指先1つにも生き様が出る。それがベリーダンスの魅力。自分を正しく知る、それが表現の基本なんだよ。

朱里はそんな田中さんをデートに誘う。私は背筋を伸ばす方法を知っている、それは田中さんに教わったから。

悦子のチャレンジ

ふみか(朝倉あき)を連れて、悦子(市毛良枝)の見舞いに行く笙野。結婚にプレッシャーをかけすぎたかもしれない。夫と結婚してからずっとむなしかったから、その穴を息子に埋めさせようとしていたけど、それはよくなかったと反省する。

午前中に荷物を持ってきたまま、「頑張るのは医者だ」と手術中にも病院にいなかった父親(蛍雪次郎)。手術後の悦子と面会するものの、悦子が引き出しにしまっておいた離婚届を笙野に出させると、くしゃくしゃに丸めて怒って出ていってしまう。

離婚するとかしないとかが問題じゃない。籍を抜くとか入れるとかそういうことでもない。ただお父さんとケンカしてみたかったとイタズラっ子のように笑う悦子。検査を終えたあと、あの瑠璃色のスカーフをして離婚届をもらいに行った。婚姻届じゃなくて離婚届をもらいに行くのにワクワクした。それは田中さんに教えてもらった(田中さんは朱里に教わった)「退屈な毎日を変える方法」だ。

行きたい場所に来れた、知らない国の文化に初めて触れた、好きな色のスカーフを買えた。1つ1つは小さくても、たくさん集めると生きる理由になる。大好きな一人息子が会いに来てくれた、手術が無事に終わった、お父さんとケンカできた。悦子は息子を解放する。

あなたに埋めてもらわなくても、もう平気だから、好きなところに行きなさい。

元気になったら笙野が太鼓=ダラブッカを叩くところを見たい、ベリーダンスも習おうかしら。少女のように笑う母と話した後、笙野はふみかに、東京に戻ったら話がしたいと連絡する。

朱里は一生ストーカー

横浜で、横浜ハンマーヘッドのケーブルカーに乗ったり、UFOキャッチャーでぬいぐるみをゲットしたり、スケートに挑戦する朱里と田中さん。スケートは2人とも下手くそだけどとても楽しい。最近ずっと顰めっ面だった田中さんも、こんなに一日中笑ったのは久しぶりだと笑い転げる。ベリーダンスを始めた頃、練習して1つずつできるようになっていったとき、とても楽しかったことを思い出す。

朱里は、笙野が田中さんにはいつも圧倒されていると言っていたことを伝える。伸びやかで自由で大胆で、この人には敵わない。不器用だから時間はかかるかもしれないけれど、この人は自分で解決できる。自分もそう思う、と朱里。それでも背筋が曲がってしまいそうなときはいつでも駆けつける。田中さんが誰を選んでも選ばなくても、どこに行ってもどんな人生を歩んでも、一生田中さんの味方だし、ストーカーだから。

田中さんもずっと朱里の味方だと伝えた。

なんでみんな自分には価値がないって思っちゃうんだろう。誰に吹き込まれたんだろう。思い当たることが多すぎて、もうどうでもいい。朱里は自分のことを振り返る。

もっともっといろんなことを知りたい。目線を上げれば、新しい世界が広がっている。朱里と田中さんは青い空を見上げた。

【セクシー田中さん】最終回のネタバレと結末

【セクシー田中さん】最終回のネタバレと結末です。

クリスマスイベントに笙野は来る?

ふたたび背筋を伸ばすことができた田中さんは、レッスンに戻ってきた。華麗な踊りを見せた後、愛子先生に何か話に行く。その後、三好と向き合う田中さんは、海外留学を決めたようでスッキリした顔をしていた。

三好は、出会った頃からずっとSaliちゃんに圧倒されてきたし、どんどん変わっていくSaliちゃんを見るのが好きだったと告白する。誰でも何でも受け入れてくれるこの場所が好きだったという田中さんに、この店は何でもウエルカム。いつもここにあるからと言った。

クリスマスイベントの日。ダラブッカを抱えて現れた笙野は、ふみかと話をつけてきたらしい。今さら何だと怒る朱里だが、田中さんと三好は今日はお祭り、クリスマスだからと受け入れる。

愛子先生のド派手なダンスから始まったショー。ラストは田中さんと笙野のコンビが登場する。2人の息はぴったりだ。ショーが終わるとダンスパーティ。来年も再来年もずっとここで踊っていたいとはしゃぐ朱里。愛子先生に呼ばれた田中さんに「いってらっしゃい」と声をかける。

小西は朱里を外に連れ出すと、雪が舞い散る中、指輪を渡す。高そうな指輪はクリスマスプレゼントではなく婚約指輪のつもりだ。朱里のことを「めちゃくちゃ真剣に考えている気持ちがあるよ」と歯に噛みながら告る小西。朱里は「ありがとう」と言いつつも、タイミングが悪いと笑う。

「話したいことがたくさんある」と田中さんを探す笙野。三好は、笙野がのんびりしているうちに田中さんは行ってしまったと伝える。

2年後のみんなは?

2年後、華の結婚式のヘアメイク、ドレス選びを担当した朱里。華から朱里に頼んでよかったと言われて大喜び。朱里はメイクアシスタントの仕事に就いて修行中。小西は結婚に待ったをかけられていた。

会場の隅にいた進吾(川村壱馬)と久しぶりに話す朱里。進吾も転職して、今度は人にも恵まれて頑張っているようだ。朱里は、「君のへっぽこダンスは他人を変える力がある」と以前進吾が言ってくれたことがすっごく嬉しかったと伝えた。

式のフィナーレを飾るのはベリーダンスショー。華が「好きにやっちゃって」と朱里に頼んだ。田中さんは海外留学から帰国するはずだが、飛行機が遅れているようだ。スクールのメンバーのセンターはなんと朱里。相変わらずのへっぽこダンスに「相変わらずひでぇ」と笑う進吾。なんか1人だけズレてるけどめちゃくちゃ可愛いという誰かの声に大きくうなづく小西。田中さんが駆けつけて、ショーは一層華やかになる。

今日も田中さんと朱里は踊っているし、みんな笑顔だ。

【セクシー田中さん】最終回の感想とレビュー

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2年後。田中さんはダンス留学、朱里はメイクアシスタントとして新たな人生を歩き出していたけれど、笙野と田中さんの恋の結末はわからないままで終わりました。

原作は未完結なので、どういうふうに締めくくるのかと思っていたら、最後は2年後へジャンプ。

実は9話と10話(最終回)の脚本は、原作者の芦原妃名子さんが担当していたのです。クレジットで気づいた方、9・10話のテイストが違うと感じた方、鋭い!

芦原先生がラスト2本の脚本を担当したのは、原作マンガがまだ連載中で完結していないからなのでしょうか。原作マンガの最新話(『姉系プチコミック』 2024年1月号掲載)では、田中さんと三好が付き合い始めて初デートするけど、誰でも何でも受け入れちゃう三好に田中さんが戸惑うというエピソードが描かれています。いよいよクライマックスに突入ということなので、直にエンディングを迎えると思いますが、まだ結末は見えない感じです。

ドラマの最終回については、「続編希望」「ロス」の声が上がる一方で、終わり方が「中途半端」「がっかりした」という声もSNSに上がっていました。筆者も、あれ、今ので終わりだった!? と二度見はしたものの、SPドラマなどでその後が描かれる可能性も残っているし、朱里と進吾のことも描かれ、田中さんと朱里がブレずに我が道を行き、「結婚に興味ない」と突っ張ってる笙野、朱里にぞっこんの小西といった相変わらずの展開にも安心できたし、みんな笑顔でハッピーエンドと感じました。

もちろん、結末に不満な方もいるでしょう。でもそれでいいんです。このドラマがずっと描いてきたことって、つまり、どっちでもいいじゃん、誰が決めたかよくわからないカテゴリー、いつの間にか思い込みで足枷にしてしまったカテゴリーにあてはめなくたっていいじゃんっていうこと。

「なんでみんな自分には価値がないって思っちゃうんだろう。誰に吹き込まれたんだろう。思い当たることが多すぎて、もうどうでもいい」という朱里のセリフにもあったように、「○○はこうあるべき」なんてどこの誰だかわからないような人たちに吹き込まれたり刷り込まれた価値観に振り回されたり、よくわからないもので自分をがんじがらめに縛り付けたり、人に押し付けるのはもうやめよう、自分は自分でいいじゃん!自分を正しく知って解放してあげようよってことですよね。

今日大嫌いな人を明日好きになるかもしれない。気持ちや感情はコントロールできないし、みんな毎日変わっている、だからワクワクする、といった三好のセリフもよかった。

だから「それを言っちゃあ、おしまい」だし、どのドラマにも言えることでもあるけれど、このドラマに関しては敢えて言いたい。

この結末が好きでも嫌いでも、納得してもしなくても、どっちでもいいんじゃない?

<追記>原作者と制作サイドで揉めていた!

先ほど、9話と10話の脚本は原作者の芦原妃名子さんが担当したと書きましたが、後日になって、芦原先生がその裏事情をXで投稿しました。

「セクシー田中さん」は一見奇抜なタイトルのふざけたラブコメ漫画に見えますが…。 自己肯定感の低さ故生きづらさを抱える人達に、優しく強く寄り添える様な作品にしたいという思いが強くあり、ベリーダンスに纏わる方々の思いにも共鳴しながら、担当編集と共に大切に描いてきた漫画です。 ドラマ化のお話をいただき、当初の数話のプロットや脚本をチェックさせていただきながら、最終的に私が10月のドラマ化に同意させて頂いたのは6月上旬でした。

「セクシー田中さん」は連載途中で未完の作品であり、また、漫画の結末を定めていない作品であることと、当初の数話のプロットや脚本をチェックさせていただいた結果として、僭越ではありましたが、ドラマ化にあたって、
・ドラマ化するなら「必ず漫画に忠実に」。漫画に忠実でない場合はしっかりと加筆修正をさせていただく。
・漫画が完結していない以上、ドラマなりの結末を設定しなければならないドラマオリジナルの終盤も、まだまだ未完の漫画のこれからに影響を及ぼさない様「原作者があらすじからセリフまで」用意する。
 原作者が用意したものは原則変更しないでいただきたいので、ドラマオリジナル部分については、原作者が用意したものを、そのまま脚本化していただける方を想定していただく必要や、場合によっては、原作者が脚本を執筆する可能性もある。 これらを条件とさせていただき、小学館から日本テレビさんに伝えていただきました。 また、これらの条件は脚本家さんや監督さんなどドラマの制作スタッフの皆様に対して大変失礼な条件だということは理解していましたので、「この条件で本当に良いか」ということを小学館を通じて日本テレビさんに何度も確認させていただいた後で、スタートしたのが今回のドラマ化です。

ところが、毎回、漫画を大きく改編したプロットや脚本が提出されていました。
漫画で敢えてセオリーを外して描いた展開を、よくある王道の展開に変えられてしまう。
個性の強い各キャラクター、特に朱里・小西・進吾は原作から大きくかけ離れた別人のようなキャラクターに変更される。
・「性被害未遂・アフターピル・男性の生きづらさ・小西と進吾の長い対話」等、私が漫画「セクシー田中さん」という作品の核として大切に描いたシーンは、大幅にカットや削除され、まともに描かれておらず、その理由を伺っても、納得のいくお返事はいただけない。 といったところが大きなところですが、他にも細かなところは沢山ありました。

「枠にハマったキャラクターに変えないでいただきたい。私が描いた「セクシー田中さん」という作品の個性を消されてしまうなら、私はドラマ化を今からでもやめたいぐらいだ」と、何度も訴え、どうして変更していただきたくないのかということも丁寧にご説明し、粘りに粘って加筆修正し、やっとの思いでほぼ原作通りの1〜7話の脚本の完成にこぎつけましたが…。

芦原妃名子先生のX(https://twitter.com/ashihara_hina)より引用

全巻ではないけれど原作漫画を楽しく読んでいたので、原作に忠実に作られているなと好感を持っていたのですが、なんとそれも芦原先生が心を傷めながら力を尽くした結果だったとは!本当に驚きです。

脚本家さん、監督さんといったドラマ制作スタッフの皆様と、私達を繋ぐ窓口はプロデューサーの方々のみでしたから、プロデューサーの方々が当初「ドラマ化の条件」として小学館から日本テレビさんに伝えていただいた内容を、どのように脚本家さんや監督さん、ドラマ制作スタッフの皆様に伝えていらっしゃったのか、残念ですが私達には知る術はなく、当初お伝えした「ドラマ化の条件」はどうなってしまったのだろう?という疑問を常に抱えた状態での加筆修正の繰り返しとなって、その頃には私も相当疲弊していました。

そして、私があらすじ、セリフを準備する終盤のドラマオリジナル展開は8話〜10話となりましたが、ここでも当初の条件は守られず、私が準備したものを大幅に改変した脚本が8話〜10話まとめて提出されました。 特に9話、10話の改変された脚本はベリーダンスの表現も間違いが多く、ベリーダンスの監修の方とも連携が取れていないことが手に取るように分かりましたので、 「当初の約束通り、とにかく一度原作者が用意したあらすじ、セリフをそのまま脚本に落としていただきたい」 「足りない箇所、変更箇所、意見はもちろん伺うので、脚本として改変された形ではなく、別途相談していただきたい」 といったことを、小学館から日本テレビさんへ申し入れをしていただきましたが、その後も、大幅な改編がされたプロットや脚本が提出され、それを小学館サイドが「当初の約束通りに」と日本テレビさんにお戻しするという作業が数回繰り返されたと聞いています。

最終的に、日本テレビのチーフプロデューサーの方から「一度そのまま書くように」との指示が出たとも伺っていましたが、状況は変わらぬまま約4週間が過ぎてしまいました。 ドラマの制作スケジュールのリミットもどんどん迫っていましたので、本当はドラマオリジナルとなる8話〜10話全ての脚本を拝見してオリジナル部分全体で、加筆修正をさせていただきたかったのですが、8話だけ、何とか改変前の内容に修正させて頂いて日本テレビさんにお渡しすることになってしまいました。 9話、10話に関する小学館と日本テレビさんのやりとりを伺い、時間的にも限界を感じましたので、小学館を通じて9話、10話については、当初の条件としてお伝えしていた通り、「原作者が用意したものをそのまま脚本化していただける方」に交代していただきたいと、正式に小学館を通じてお願いしました。

結果として、日本テレビさんから8話までの脚本を執筆された方は9話、10話の脚本には関わらないと伺ったうえで、9話、10話の脚本は、プロデューサーの方々のご要望を取り入れつつ、私が書かせていただき、脚本として成立するよう日本テレビさんと専門家の方とで内容を整えていただく、という解決策となりました。 何とか皆さんにご満足いただける9話、10話の脚本にしたかったのですが…。 素人の私が見よう見まねで書かせて頂いたので、私の力不足が露呈する形となり反省しきりです。 漫画「セクシー田中さん」の原稿の〆切とも重なり、相当短い時間で脚本を執筆しなければならない状況となり、推敲を重ねられなかったことも悔いてます。 9話、10話の脚本にご不満をもたれた方もいらっしゃるかと思います。どのような判断がベストだったのか、今も正直正解が分からずにいますが、改めて、心よりお詫び申し上げます。 最後となりましたが、素敵なドラマ作品にして頂いた、素晴らしいキャストの皆さんや、ドラマの制作スタッフの皆様と、「セクシー田中さん」の漫画とドラマを愛してくださった読者と視聴者の皆様に深く感謝いたします。 2024.1.26 芦原妃名子

芦原妃名子先生のX(https://twitter.com/ashihara_hina)より引用

こんなにはっきりと条件を伝えてきたのに、ひどい対応ですね。原作モノの改変が問題になるケースは過去にもたびたびありましたが、実情は当事者から聞かないとわからないものです。


『セクシー田中さん』は、芦原先生がおっしゃるように、「自己肯定感の低さ故生きづらさを抱える人達に、優しく強く寄り添える様な作品にしたいという思い」で作られた作品だと感じていました。

・地味で変わり者だから、自分はいつも浮いている、自分がいることで他人を不快にさせると思い込んでしまっている田中さん

・一見、若くて明るくかわいいし、婚活&合コンでもちやほやされて悩みもなさそう。でも本当はそんなことないのに軽い女と思われてしまいがち。学生時代にずっと好きだった進吾と結ばれ、やっと思いを通じ合えたと思ったのに、「ごめん」と謝られてから、過小評価しかできなくなって、割り切ろうとしつつモヤモヤしていた朱里

・悪気はないけど、それがまた困る、昭和なセクハラ発言で人とうまくコミュニケーションがとれないし、全然モテない笙野でもそんな性格の裏には、父親の男尊女卑と、寂しそうな母親の背中があった。

・チャラくて要領いいけど、実は元非モテ男子。初恋の人との再会で盛り上がるもスペック評価しかしてもらえず、「チャラ男」を演じることで、素直な気持ちを隠してやり過ごしていた小西

・朱里のことは好きだけど、結婚とか責任取りたくない。でも都合のいいときは甘えたい。隣りにやわらかい生き物がいて、触れなくても癒される…。そんなズルい男だけど、朱里が性被害に遭いそうになったら、すぐに駆けつけて、信用できるかわからない男と飲むときは自分のバイト先にしろと守る気満々の進吾

みんな育ってきた環境も、現在の境遇も、見た目のイメージも違うけれど、悩みはある。自分に自信が持てない。でもその中でもいちばん、怯えるぐらい自己肯定感が低かった田中さんの背筋を伸ばしたのがベリーダンス、そして初めて「きれいだ」と言ってくれた三好の言葉。

その田中さんの秘密を知った朱里が勇気をもらい、失礼なことばかり言ってしまう自分の意見もリスペクトしてくれた田中さんに惹かれていく笙野、田中さんに影響されながら増していく朱里の輝きと、ちょっとバカにしていた笙野の頑張りに刺激を受ける小西。へっぽこダンスも自分らしく楽しく踊る朱里に「人は変われる」と教えてもらって転職した進吾。

「田中さんっていったい?」と小西がよく言っていたように、いちばん謎な田中さんがみんなを変えていったし、田中さんもみんなと関わることで大きく成長していった。

ほかにも、田中さんは笙野の母親までにも自由な楽しさを無意識に伝えました。

みんなそれぞれ不器用だったけれど、それは自分を認めてあげたり、素直になる方法を知らなかったり、どこの誰が決めたかわからないカテゴリーやスペックで、自分が勝手に過小評価していただけ。こんなに素敵な連鎖を描く漫画やドラマもそうそうないですよね。

テレビ局サイドも原作をリスペクトして作られたものと思っていたので、いろいろな軋轢があったことは残念ですし、本来はそんな苦行をする必要もない芦原先生が諦めずに力を尽くされたおかげで、もちろんすべてではないでしょうが、『セクシー田中さん』が描きたかったことは視聴者には伝わっていると思います。

セクシー田中さん最終回/10話

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