『らんまん』槙野万太郎(神木隆之介)のモデルは牧野富太郎!経歴・業績とは?

『らんまん』モデルの牧野富太郎の経歴・業績とは?

NHK朝ドラ『らんまん』主人公・槙野万太郎(演:神木隆之介)のモデルは牧野富太郎博士です。

今回は、朝ドラ『らんまん』モデルの牧野富太郎の経歴・業績を紹介します。

また、『らんまん』登場人物のモデルとなっている人物たち、ドラマと実在モデルとの相違点なども合わせて紹介!

目次

『らんまん』モデルは牧野富太郎

【らんまん】の原作となる小説・漫画などの作品はありません。ただし、モデルはいます。【らんまん】は実在した植物学者の生涯・牧野富太郎(まきのとみたろう)の生涯がモデルとなっています。

【らんまん】はドキュメンタリーではなく、あくまで、フィクションとなります。NHK朝ドラの場合、「モデル」という場合と、「モチーフ」とする場合、「原案」とする場合がります。

モデルとモチーフの違いについて、以前、『とと姉ちゃん』の落合将プロデューサーがインタビューで説明していました。↓

モチーフにすることとモデルにすることとはどう違うのか? なぜモチーフにされたのか? について今日は伺いに来ました。

落合 基本的にそんなに差はないと思います。簡単にいうと、朝ドラは、多少コメディタッチにデフォルメしています。朝からあまり重いものは敬遠されるし、より多くの方が見やすく、楽しんで観て頂かねばならないので。題材の事実と多少距離感が必要になるんです。

モデルとモチーフに違いはないということ。しかし著書や評伝がある場合は「原案」となる場合があります。例えば『あさが来た』(2015年)は広岡浅子の著書「小説土佐堀川」を“原案”としています。

ただし、原作とすると著作権者に料金が発生するデメリットのためか、あるいは朝ドラが半年間のため原作を映像化するにはフィクション部分が多いからか、朝ドラ(連続テレビ小説)は「原案」が多いようです。(料金は憶測です。原案料を払っているかもしれません)

『らんまん』のモデル 牧野富太郎の経歴

年号牧野富太郎の経歴
文久2年(1862)4月24日、土佐の佐川村の酒造と雑貨を営む裕福な商家、岸屋の一人息子として生まれる。幼名は成太郎。
慶応元年(1865)3歳、父・佐平死去。
慶応3年(1867)5歳、母・久寿死去。
慶応4年(1868)6歳、祖父・小左衛門死去。この頃、富太郎と改名し祖母・浪子に育てられる。
明治5年(1872)10歳、土居謙護の寺子屋で習字を学ぶ
明治6年(1873)11歳、明教館で西洋学問を学ぶ。後の妻の小澤壽衛が生まれる。
明治7年(1874)12歳、佐川小学校に入学
明治9年(1876)14歳、この頃に佐川小学校を自主退学
明治10年(1877)15歳、佐川小学校の臨時教員となる。
明治12年(1879)17才、佐川小学校の臨時教員を辞め高知市へ。弘田正郎の五松学舎に入塾。
明治13年(1880)18歳、高知師範学校教員・永沼小一郎に出会う。
明治14年(1881)19歳、第2回内国博覧会を見に東京へ。植物学者・田中芳男と知り合う。
明治17年(1884)22歳、2回目の上京をする。東京大学 理学部 植物学教室を訪ね、研究室への出入りを許されて、研究に没頭する。
明治20年(1887)25歳、祖母・浪子が病気で亡くなる。『植物学雑誌』の創刊に携わる。
明治21年(1888)26歳、壽衛(すえ)と東京の根岸に所帯を持つ。この頃、 石版印刷技術を習得し、 『日本植物志図篇』を自費出版。
明治22年(1889)27歳、大久保三郎と日本で初めて新種ヤマトグサに学名を付ける。横倉山でコオロギラン発見。
明治23年(1890)28歳、ムジナモを発見する。谷田部教授の教室を出入り禁止になる。
明治24年(1891)29歳、実家を整理するため佐川に帰る。
明治26年(1893)31歳、長女・園子が急死する。東京帝国理科大学の助手になる。
明治33年(1900)38歳、「大日本植物志」刊行スタート。子どもが次々生まれ、生活が厳しくなる。
明治42年(1909)47歳、横浜植物会を立ち上げ。観察会などを指導する。
明治43年(1910)48歳、大学の助手を休職になる。
明治44年(1911)49歳、東京植物同好会をつくる。
明治45年(1912)50歳、講師として東京帝国理科大学に復帰する。
大正5年(1916)54歳、貧乏で絶体絶命なところを新聞報道される。神戸の池長孟が援助を申し出る。
大正15年(1926)64歳、現在の練馬区東大泉に自宅を建てる。
昭和2年(1927)65歳、「理学博士」の学位を取得する。仙台でササの新種を発見する。
昭和3年(1928)66歳、妻・壽衛(すえ)が永眠。新種のササを「スエゴザサ」と命名。
昭和9年(1934)72歳、「牧野植物学全集」の刊行スタート
昭和12年(1937)75歳、「牧野植物学全集」の刊行によって、朝日文化賞を受賞する。
昭和14年(1939)77歳、東京大学の講師を辞任する
昭和15年(1940)78歳、「牧野日本植物図鑑」を刊行
昭和16年(1941)79歳、満州にサクラの調査へ。池長に標本が返される。安達氏から標品館が寄付される。
昭和20年(1945)83歳、山梨県穂坂村へ疎開する。10月に戻る。
昭和23年(1948)86歳、天皇陛下へのご進講
昭和24年(1949)87歳、病気で危篤になるが奇跡的な回復
昭和26年(1951)89歳、第1回文化功労者に選出。文部省に「牧野富太郎博士標本保存委員会」ができる。
昭和28年(1953)91歳、東京都名誉都民となる。
昭和29年(1954)92歳、風邪をこじらせ床につくことが多くなる。
昭和31年(1956)94歳、佐川町名誉町民となる。
昭和32年(1957)94歳歳9か月、1957年1月18日に永眠。東京都谷中の天王寺墓地に埋葬。没後、文化勲章を授与される。
昭和33年(1958)高知県立牧野植物園、東京都立大学牧野標本館、牧野記念庭園が開園される。

『らんまん』のモデル 牧野富太郎の業績

『らんまん』主人公のモデル、植物学者・牧野富太郎博士(1862-1957) の業績について紹介します。

牧野富太郎の主な業績は6つあります。↓

  1. 記載(植物を学術的に記録すること)…新種や新品種など約1500種類以上の植物を命名し、日本植物分類学の基礎を築いた。
  2. 「牧野式」植物図…精密に全体像を描く牧野博士の植物図は水島南平、川崎哲也、太田洋愛など、研究者や画家に影響を与えた。
  3. 標本収集40万枚…94年の生涯において収集した標本は約40万枚といわれ、蔵書は約4万5千冊。それらの標本を外国の標本館と交換し、海外の標本を比較資料として収集することができたため、後世の研究活動に重要な役割を果たした。
  4. 教育普及活動…全国規模で、観察会、同好会、講演会をこなし、植物知識の普及活動に励んだ。
  5. 図鑑の先がけ…『牧野日本植物図鑑』を出版し、日本における植物の普及を果たす。 追加: 追加:
  6. 学術雑誌の創刊…『植物学雑誌』と『植物研究雑誌』の創刊に関わる。現在、「植物学雑誌」は『Journal of Plant Research』として日本植物学会の国際誌になっている。「植物研究雑誌」は今でも刊行され、基礎的な分類学、記載学の論文の発表の場になっている。

Q
牧野富太郎は何を発見した人
A

自ら創刊に携わった「植物学雑誌」に、新種ヤマトグサを発表し、日本人として国内で初めて新種に学名をつけました。

『らんまん』のモデル 牧野富太郎の名言

牧野富太郎 博士の名言に「雑草なんて名前の草はない」というものがあります。

この名言を牧野博士が言ったという根拠となる史料がこれまで見つかっていませんでした。

けれど、2022年8月、牧野記念庭園記念館(東京・練馬区)の田中純子学芸員が「博士自身の言葉と考えていいと見解を発表しました。根拠が小説家・山本周五郎が残した言葉です。

朝日新聞記者で山本周五郎氏の担当だった木村久邇典(くにのり)さんが書いた「周五郎に生き方を学ぶ」(1995年、実業之日本社)に、山本周五郎が牧野富太郎にインタビューした際のエピソードがありました↓

 周五郎が「雑草」という言葉を口走った時、博士はなじるような口調で言ったという。「きみ、世の中に〝雑草〟という草は無い。どんな草にだって、ちゃんと名前がついている」

博士というのが牧野富太郎氏のことですね。

ちなみに昭和天皇が従者に行った言葉としても知られています。

「何を言っているんでしょう。雑草という草はないんですよ。どの草にも名前はあるんです。そしてどの植物にも名前があって、それぞれ自分の好きな場所を選んで生を営んでいるんです。人間の一方的な考えで、これを切って掃除してはいけませんよ」(入江相政編「宮中侍従物語」)

昭和天皇は牧野博士から1948年に直接教えを受けているそうですよ。

『らんまん』槙野家とモデル・牧野家の家系図

『らんまん』槙野家の家系図

らんまん槙野家

モデル・牧野家の家系図

牧野富太郎の家系図

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当記事画像出典:NHK高知新聞(77才の牧野富太郎)
参考サイト:「高知県立牧野植物園」HP「練馬区立牧野記念庭園」HP

らんまん/牧野富太郎

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