Netflix【僕だけがいない街】をネタバレ!?全てのメディアで結末が異なる全作品を徹底解説!

アニメ「僕だけがない街」

Netflixで実写ドラマ化されていて、今現在も名作の呼び声が高い作品『僕だけがいない街』。
2012年に発表された、三部けいによる同名漫画を原作とした作品。
映画、アニメ、ドラマとメディアミックスされています。
その全てで結末が異なる作品となる本作の全ての違いを徹底解明していきます!

全ての結末が異なる『僕だけがいない街』

ドラマ「僕だけがいない街」
© 2022 NETFLIX

『僕だけがいない街』は、KADOKAWAが出版するヤングエースで2012年から2016年にかけて連載された三部けいによる漫画作品。
メディアミックスは、計3度行われています。
映画、アニメ、ドラマ。
このメディアミックス3作品の全ての結末が異なること。
それが話題にもなっていますが、その理由は至極単純なもの。
それは、製作段階の時点で原作漫画の連載が終わっていない事にあります。
製作過程の中で、明らかになっている原作に忠実に進み、まだ明らかになっていない部分で、それぞれのメディアで特色が現れている…
という現象が起きていたのです。
それでも、メディアミックス作品それぞれに魅力のある部分があり、評価は分かれるものの、ひとつの同じ原作であっても特色が分かれています。

『僕だけがいない街』のあらすじ

主人公藤沼悟は、売れない漫画家。
時は2006年。
ピザ屋の配達で食い繋ぐ、30歳間近の男。
そんな彼には、誰にも言えない特殊能力を有していた。
それが”再上映(リバイバル)”だ。
悟の身の回りで嫌な事が起きた場合、その起きた出来事の1分〜5分まで過去に戻るというもの。
そこで、悟は観察力を駆使して違和感を探し出しリスクを回避する。
そんな悟の身に、最大の危機が訪れる。
母親が何者かに刺されたのだ。
その出来事に対しても”再上映(リバイバル)”が発動する!
その結果…悟は、1988年の北海道へと舞い戻る事になる…
母親が死んだ理由、それはこの時代から始まるのだった!

原作の魅力

原作の魅力は、当然ながらそのストーリー。
『マンガ大賞2014』では第2位にもなるなど、高い評価を獲得しています。
それは国内だけではなく、フランスでも評価されています。
フランスのSF専門出版社「ActuSF」が選ぶ「歴史改変SF大賞」を受賞しており、日本の漫画作品としては初となる快挙を達成。
世界でも評価するそのストーリーと、メディア化作品では描かれなかった、人間の奥底にまで深く潜り込むエグい感情が肝となる。
そして、全ての細かいエピソードが伏線となるのだ。
その伏線回収が、全てにおいて見事なのです。
悟の信念の根幹ともいうべき幼い記憶、アッコ姉ちゃんのエピソード。
これも、後にとんでもない伏線回収のひとつとなっている。
それに加え八代学の背景など、漫画だからこそできる奥深くの感情を表すエグさも大きな特徴と言える。
個人的に特筆すべき原作の魅力と言えるのは、この作品『僕だけがいない街』の名セリフともいうべき「勇気ある行動の結末が、悲劇でいいはずが無い」
この言葉の本当の意味、この言葉の重みは、やっぱり全てにおいて丁寧に描かれている原作漫画だからこそ、感じ取れるものと言えるでしょう。
やはりハイライトとも言えるセリフなので、全ての作品で登場はしているものの…
その言葉の重みは、1番原作漫画が伝わるはず。
藤沼悟の強い意志の原動力とも言える、象徴的なセリフです。

アニメ版の魅力

アニメ「僕だけがない街」

©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

アニメ化の最大の特色は、主人公藤沼悟の声優。
成人では、
少年期には、が演じる。
声優ではなく、俳優をキャスティングしていると割とネガティブにとらわれてしまいがちですが、本作『僕だけがいない街』では、原作の世界観、原作のキャラクターの魅力を十二分に発揮できていて、素晴らしいキャスティングを実現。
オープニングテーマに、ASIAN KUNG-FU GENERATION。
アニメ製作は、A-1 Picturesと豪華な製作陣が大きな特徴。
公開時は、2016年1月期となり、原作漫画はまだ絶賛連載中となる。
製作時はそこからさらに前となる為、もちろん結末はアニメのオリジナルストーリーとなる。
分岐は、真犯人との決着部分。
2度目のリバイバルで、目が覚めた後のストーリーがアニメだけの展開となる。
アニメ版の筆者お気に入りのシーンは、雛月加代が藤沼家で過ごしたひと時。
悟たちが加代を誘拐した後、危機察知し最後の晩に悟の家にやってくる。
何人来るか分からないから、カレーを作って待っていた母親の佐知子。
あいかわずの怪物ぶりを発揮する。
その後、加代が藤沼家で過ごす晩と朝。
この描写で、佐知子と加代の入浴シーンはアニメでしか描かれていません。
そして、朝食の光景で泣いてしまう加代。
これがとても印象的だったのがアニメ版のハイライトともいうべき部分でもありました。

映画版の魅力

映画版では、やはり豪華なキャスティングが大きな特徴のひとつ。
主人公が、母親が、ヒロインのアイリが
ただし、この映画版では酷評とも言える評価が下されてしまいます。
しかしそれは至極当然なもの。
重厚なストーリーが肝となる本作で、たった2時間余りの映画で描き切ろうというのが無理な話である。

スライスしてどこをどう切り取るのか…
特徴的なエピソードだけを切り張りした、薄っぺらい作品へとなってしまった感が否めない。
ストーリー分岐もかなり早い部分で行われ、犯人との最初の決着後にリバイバルから戻るという、クライマックスの展開が全く異なる、映画オリジナルストーリーとなっています。

ドラマ版の魅力

ドラマ版の1番の特徴は、原作に忠実に描かれているということ。
細い部分でのエグいエピソードはカットされているものの、犯人の人物形成、動機、ストーリー展開、全てにおいて原作ファンも納得のいくクオリティに仕上がっています。
ある種の漫画原作の実写化に、数少ない成功例の一つとも言えるケースとなっています。
キャラクターのイメージも、雛月加代や藤沼悟の少年期など、見事な再現度は圧倒的没入感が提供されています。

『僕だけがいない街』登場人物

藤沼悟
映画:(成人)/中川翼(少年)
アニメ:(成人)/(少年)
ドラマ:(成人)/内川蓮生(少年)
藤沼佐知子
映画:
アニメ:高山みなみ
ドラマ: 黒谷友香
片桐アイリ

映画:
アニメ:赤﨑千夏
ドラマ: 優希美青
雛月加代
映画:(少女)/森カンナ(成人)
アニメ:悠木碧
ドラマ:柿原りんか(少女)/吉谷彩子(成人)
小林賢也
映画:(成人)/中川翼(少年)
アニメ:(成人)/(少年)
ドラマ:(成人)/内川蓮生(少年)

NETFLIX版『僕だけがいない街』のあらすじをネタバレ!

ここからは、Netflix番の『僕だけがいない街』のあらすじをネタバレしていきます。
最後には、原作を含めた各メディア作品の違いも掲載。
是非、最後まで読み進めてその違いも参照していただければ幸いです。

”再上映(リバイバル)”

デビューはしているものの、踏み込みが足らない薄っぺらいストーリーから作者の顔が見えないと指摘され、漫画1本では食べていけず、ピザ屋で配達のバイトをしている30歳間近の男性、藤沼悟
彼には、誰にも言えない秘密があった。
それは、特殊能力。
その能力とは、”再上映(リバイバル)”。
藤沼悟の身の回りで起きた嫌な事、この出来事の1分から5分ほど前に舞い戻る、というものである。
ピザ屋の配達に出たある時、悟の身に”再上映(リバイバル)”が発生する。
悟は、何でもない日常の風景から違和感を見つけだす。
トラックの運転手だ。
彼に何か異変が起きていることを見つけた悟は、何とかしてトラックを止めようと、運転手に語りかけるも結果として、事故ってしまい、悟自身が気を失ってしまう。
目を開けると、そこには、片桐アイリがいた。
片桐アイリは、バイト仲間の女子高生。
配達の時には、「ピザ食べないでよ」と、面白くない冗談を悟に言う、今時の女の子である。
事故の結果、悟は2日間ほど眠っていたそうだが外傷は無い。
母親が来ていることをアイリから聞くと、すぐに退院し帰宅する。
悟は、北海道出身。
現在は、千葉に住んでいる。
不用意に鍵をかけずに、家の中には当たり前の様に母親がいた。
52歳という年齢にも関わらず、悟の幼少期から全くもって見た目の変わらない妖怪の様な母親だ。
藤沼佐知子、悟の母親は過去には北海道の石狩テレビの局アナとして活躍した事もあった人物である。
そんな母親とともに生活に足りないものなどを近所のショピングモールに買い物に行く…
するとそこに、通りかかった片桐アイリが声をかけてくる。
そんな日常の風景の最中、あれがやってきたのだ!
”再上映(リバイバル)”である。
悟は何も見つけられない。
そこで、母親に頼る事にする。
何か周りに変化や違和感がないか…
注意してくれと悟は母親に頼むのだった…

1988年

ショッピングモールで発生した”再上映(リバイバル)”は、悟の視点では何も見つける事がなく終わる。
母親の佐知子が、誘拐事件の最中を発見し未遂に終わらしたらしい…
ショッピングモールにいたアイリを食事に誘い、カレーを食べる。
ただのバイト先の同僚だけの関係性だったアイリとの仲を勘繰る母親。
要らぬお節介にヤキモキするその光景は、悟と母親との間柄が垣間見える。
そんな何気ない日常だったはずが…
状況は一変。
出先から帰ると、悟の光景にまさかの出来事が目に飛び込んでくる!
母親が包丁で刺されて死んでいた。
まさかの事態に、状況の把握ができない…
しかし外から物音が聞こえると、まさしく犯人の姿だった!
悟は、すぐにその姿を追いかけるが…
見失ってしまう…
しかしそこに警察官が駆けつける!
悟が捕まりそうになったその瞬間、”再上映(リバイバル)”が起きるのだった!
”再上映(リバイバル)” が起きた先、それは事件の前。
母親が死ぬ直前ではなく…
悟が小学生である、昭和63年、1988年の北海道だった…

雛月加代

悟にとっては、2度目の小学生となる日々が始まる。
”再上映(リバイバル)”で戻った先の1988年。
要するに母親の死の真相は、この年に起きるある事件が関係している。
藤沼悟の過去には、薄れた記憶の中にこの事件の記憶が隠れていた。
それは、連続誘拐殺人事件だ。
この衝撃的なニュースは、藤沼佐知子ら大人たちの働きかけによって、子供たちの記憶に残らない様に操作されていたのだ。
その記憶の断片の中、この殺人事件の容疑者として死刑囚になっていたのが、白鳥 潤。
通称ユウキさんである。
彼は、ひとりぼっちになっている子供達がいると声をかけ、常に気にかけていた優しき心の持ち主。
そんなユウキさんと親しかった悟は、この事件の容疑者に挙げられていた彼を助ける事ができたかもしれなかった。
それが出来なかったことで深いトラウマとなり、この事件の記憶を自分でも封じ込んでいた…
そして、この事件の被害に遭った人物、それが3人の小学生。
近隣の小学校に通う女の子中西 彩、クラスメイトの男の子の杉田 広美、そして雛月 加代である。
”再上映(リバイバル)”の前、1度目の人生では、傍観者でいることしか出来なかった。
行動を起こす事をしない事を深く後悔していたのだ。
”再上映(リバイバル)”が起き、悟がこの時代にやってきたという事は、当然この事件が関係している事は明白である。
悟は、1度目の人生では関わることが出来なかった雛月 加代に踏み込んでいく事を決意し、母親を救う為に行動を起こしていく…

Xデー

悟は、”再上映(リバイバル)”で1988年に戻ると、真っ先に現代で亡くしてしまった母親の元に駆けていく。
母親の手料理、母親との時間。
なんでもないこの日常がどれだけ幸せな時間なのか…
それを噛み締めていた。
そんな悟は、人と深く付き合う事をしない少年だった。
それでもユウキさんの言葉を実践に移すことで、小林賢也や杉田広美ら数人の仲の良いグループに属している。
そんな友達に焚き付けられた事もあり、雛月加代にアタックする事になる。
まず、すべき事なのは雛月加代の誘拐を防ぐこと。
この誘拐事件は、雛月加代が友達とつきあわずに1人でいる事を利用されて誘拐されていた。
それを防ぐべく、雛月加代と関わりを持とうと試みる。
とりあえず、直球勝負。
友達になりたいと、真っ向からいく悟。
すると加代は、「バカなの?」と返す。
そんな悟を見て、小林賢也は常に気にしてくれていた。
そして文集を読んでみて、というアドバイスもくれた。
雛月加代にも、ある秘密があった。
彼女は、母親から虐待を受けている。
隠してはいたが、身体には明らかに虐待を受けているであろう打撲症の跡が見られた。
賢也もその事には気づいており、頼れる存在である。
今回の誘拐事件の報道時、広美や中西彩は11歳と表記されており、加代だけ10歳とされていた。
という事は、誕生日を迎える前に行われた犯行である。
まずは、雛月加代の誕生日を知ること、反抗が行われるXデーの判明、それが第1ミッションだ。

失敗

ミッションは、失敗する。
雛月加代の誕生日を聞こうとするも、教えてもらうことは出来なかった。
そこで悟は、担任の八代学に聞く事にする。
加代の誕生日を知ると、教えてくれなかった理由も判明した。
なんと悟と同じ、3月2日だったのだ。
悟の誕生日会の招待状を渡した事で、誕生日が同じである事が言いづらかったのだ。
これでXデーも確定する。
3月1日だ。
雛月加代と無事に3月2日を迎えること、それが悟のミッションとなる。
しかし、そのミッションがとても難しい事を思い知る事になる。
早速加代の家を訪ねる悟だったが、雛月がいない。
家の裏にある納屋に行くと…
傷だらけの加代が横たわっていたのだ。
まさか!
と思うが、彼女は無事だった。
母親からの虐待という現実を、この事態の重さを知る。
加代を虐待から救うため、悟は担任の八代に言う。
児童相談所に連絡し、なんとか動いてもらおうとする悟だった。
そんな悟と加代の仲も、日に日に良くなって行く。
土曜日には、休日が挟まる為母親の虐待もひどくなる。
その状況から回避するため、土曜日に加代を誘い出そうとするも、当然加代の母親はOKはしない。

悟も一緒に頼んでみるが、効果はゼロ。
それどころか、悟にまで手を挙げようとしてくる。
すんでの所で、悟の母親が介入し辛うじて最悪な状況は避けられた。
そして土曜の約束を取り付けた2人、悟と加代の仲は加速的に縮まっていく…
3月1日、Xデー。
1度目の人生で、悟は公園に1人でいる加代の姿を確認していたのだ。
しかしその時は、2人の仲は決していいものではなく、声をかけなかった悟。
そして当然、何もしなかった、出来なかった自分を責めていたのだ。
”再上映(リバイバル)”の今回、しっかりと加代と関わりを持ち踏み込めている自信があった。
そのXデー、いよいよ悟と加代の誕生日会。
悟は加代に、手袋を贈る。
一方加代は、間に合わなかったからまた後日に渡すと言い、その日は楽しいひと時を過ごしたのだった…
夜、無事に加代を家まで送り届け、遂にミッションをやり遂げた悟。
翌日は、寝坊するも足速に学校へと急ぐ。
助かった加代に会うためだ。
しかし、学校に、いつもの席に加代はいなかった…
結局、Xデーは1日ずれただけで、何も変えることは出来なかったのだ…
加代が居なくなったことの喪失感を抱え走りだす悟…
次の瞬間、時代は再び2006年へと移る事になる。

決意

戻った先は、母親が死んだ後。
事件現場(悟の家)から、結果的に逃げてしまった事になった現代。
犯人の周到な計画により、容疑者となってしまった悟。
逃亡生活が始まる。
”再上映(リバイバル)”では、大人としての経験値と少しの知識しかなかった。
それだけでは、勝負出来ない事を思い知った悟。
もしもう一度戻れるのなら…
更なる覚悟を決め、踏み込みが甘かった事を改める決意をする。
決意のきっかけは、逃亡の最中に遭遇した片桐アイリとの再会だ。
人を信じること、それは自分の為であること。
アイリの想いを知る事で、悟の原動力となっていく…
それと同時に、悟は誘拐事件の詳しい概要をリサーチする。
そして澤田という男にたどり着く。
彼は、母親の元同僚で、テレビ石狩の記者で、今はルポライターをやっている。
悟が関わっている、連続誘拐殺人事件を調べていた。
そんな彼からも情報をすることができた。
もう悟の目に曇りは無い。
しかし犯人は、アイリにも標的の目を向ける。
アパートの2回から突き飛ばされてしまう。
大事には至らなかったが、危機は直ぐ近くに潜んでいることが分かる。
そんな状況でもアイリと悟は、高架下で再会を果たす。
アイリは、犯人と過去に会っている事に気がついていた…
アイリから力を貰った悟。
しかし警察がアイリの後を付けており、逮捕されてしまう…
そして悟に身に再びアレが訪れる。
2度目の”再上映(リバイバル)”だ。
悟は、3度目の1988年を生きる事になる…

正義の味方

再び帰ってきた1988年。
今度は失敗しない。
しかし前回の”再上映(リバイバル)”で、がむしゃらに雛月にアタックしていたことで、周りを見れなくなっていた事で、様子がおかしい事に小林賢也に気づかれてしまう。
当然”再上映(リバイバル)”なんて事を言う事もできずに、正義の味方になりたいと言い、今度はしっかり協力してもらう事を約束する。
悟は、雛月に関わるだけではダメだと思い、できる事全てを実行に移す。
まずは誘拐事件の容疑者に挙がってしまう事になる、白鳥潤のアリバイ作りだ。
それは石をガラス窓に投げつけ、警察に通報させた。
それでアリバイを警察が証明することになるはず。
今度は加代の母親。
お手製スタンガンで…
と言う危険な考えの実行を、すんでの所で賢也に止められる。
真っ直ぐすぎて善悪の判断すらつかない状態になっていた悟に、一線を越えさせないために賢也に助けられたのだ。
そこで、悟は次の案を思いつく。
それは、加代の誘拐。
賢也に頼んで、使われていない他の小学校の物置がわりに使われているバスの中で潜むことにしたのだ。
この計画には、賢也だけではなく、広美にも協力してもらう。
これで1人になり被害者となる予定だった広美もそのリスクを軽減することが出来る。
しかしこの計画も破綻する。
それは夜中に不穏な男が現れたこと。
その男が残した荷物の中身で、悟は犯人のテリトリーの中にいる事に気がついた。
ここは危険であると、加代を自宅へと連れて行く。
プランBは、あえての直球勝負だ。
悟の母親佐知子も、悟の行動をしっかり把握しており、相変わらずの妖怪ぶりを発揮していた。
悟に弁当を持たせ、加代に渡す事を想定していた。
そして、みんながやって来た晩に、人数分を軽く賄える量のカレーも用意していたのだ。
悟に説明しろと言う佐知子。
すると悟は逃げ出さなかった結果、こうなった。
と、男らしく言い放ったのだ。
佐知子は、加代と悟の頭に手を乗せ、「でかした!」と、褒めてあげたのだった…

次の計画

みんなが現れると、佐知子は担任の八代に連絡を入れる。
児童相談所に連絡し、共に加代の家に行っていたが結果として空振りに終わっていた。
加代が現れたことで、翌朝に行く事になる。
加代は、悟の家に一晩泊まることに。
そしてこのひと時は、加代にとってすごく幸せな時間を過ごす事になった。
翌朝、加代とともに帰宅する。
加代の母親に、ついに児童相談所の所員が顔合わせをし、遂に決着となる。
そんな光景に、八代は悟に「勇気ある行動の結末が、悲劇でいいはずがない」と、悟の行動力の賜物であると褒めたのだった。
加代を無事に救ったことで、悟は抜け殻状態となっていた。
しかし、前回の”再上映(リバイバル)”では加代の失踪から数日で中西彩の誘拐が起きていた。
時間はない。
早速、次の行動を起こすことにする。
それは中西彩のひとりぼっちをなくすこと。
しかし中西彩は、他校の生徒で接点がない。
どうやって知り合えばいいのか…
悟にとっては、悩みどころだった。
まずは、中西彩の行動を知ろうと尾行する。
そんな最中、母親の佐知子が現れる。
買い物をしすぎて、荷物が持てないらしい。
すると、もう1人偶然現れたのが八代先生だった。
頼れる存在の八代先生、遠回しに中西彩と友達になる方法を聞く悟だった…
その方法で中西彩にアタックするも、撃沈。
中西彩は、いつもひとりになる時間は、悟たちのグループがアジトにしている隠れ家の真向かいの公園だ。
アジトの存在を知った中西彩は、そんな男子たちをバカにする。
その光景を影で見ていたのは、カズとオサムだ。
オサムは、そんな彩に「アジトは男のロマンだ!」と言い放つ。
すると翌日、彩がアジトに現れる。
オサムの子供っぽさを突く抜けた男らしさに惹かれたようだった…
当たって砕けた事で、逆に成功を収める。
一方で、八代先生が根回しした事で、加代が再び現れたのだ。
悟にとっては嬉しい再会となる。
これで、”再上映(リバイバル)”前の全ての被害者の一人ぼっちの時間を潰した事に成功した。
犯人は、これで再び動く事を確信する。
悟は、またひとりぼっちになりがちな生徒にたどり着く。
それは、隣の席の女子、美里だ。
しかしそれは、犯人が周到に用意した囮だったのだ…

八代学

美里が居なくなり、後を追う悟。
そこに、白鳥食品のトラックが走り去っていく…
白鳥食品、ユウキさんのトラック。
ユウキさんは、最初の人生で誘拐事件の犯人にされた男である。
まさかと思ったその時…
ナイスタイミングで、八代先生が現れる。
八代先生に頼んで、トラックを追う…

そこで、八代の口から衝撃の真実が語られる事になる…
八代の車のダッシュボードには、飴がたんまりと入っている。
それは、タバコを辞めた代償行為として、プライベートな空間では雨が手放せなくなっていた彼の習慣でもあった。
今回もそんな彼の衝動に、飴を渡そうとダッシュボードを開ける悟。
しかしそこには、飴は無い。
あるのは、睡眠導入剤と下剤。
下剤は美里に単独行動をさせるため。
眠剤は、もちろん悟に飲ますためだ。
八代は、自分の計画をことごとく潰した悟に感服していた。
八代はこの街で、最初で最後の犯行に及ぶ。
八代にとって、自分の為の死んでいく悟。
悟が死ぬことで、八代はこの街を去る。
イコール、この街の平和が確約されるのだ。
それが、悟の死の代償である。
八代学は、間違いなく連続誘拐殺人事件の犯人だ。
悟は、車のシートから出ようと抗うが、シートベルトが外れない。
しっかり細工されていたのだ。
そして、悟の体の力も抜けていく…
眠剤の効果が効いてくる…
そんな悟の横で、自分の過去を語り始める八代。
八代の死への渇望が語られる。
兄の暴力の矛先が、八代学から少女へと変わり、起きてはいけない間違いが起きてしまう。
しかしそれが、八代学の死への魅力の始まりだったのだ…
全てを語り終えた八代は、眠剤で完全に眠った悟の乗った車を極寒の川の中に落としたのだった…
結果として、真犯人である八代学の完全勝利で、2度目の”再上映(リバイバル)”は決着を迎えたのだった。

15年後

悟は、奇跡的に死を免れていた。
しかし、植物人間となってしまい長い年月目を瞑ったままだった。
その期間は、15年。
2003年の7月。
15年ぶりに悟は目を覚ましたのだ。
一方、小林賢也は弁護士となっていた。
悟の事件を追い、犯人の目星はつけていた。
しかし、確たる証拠は出ず苦戦を強いられる。
そんな中、悟の母親の元同僚の澤田と組んで、更なる調査を進めていた。
悟が目を覚ますと、献身的な母親佐知子のケアのおかげもあり、驚異的な回復力をみせる。
悟の人生は、2度目の”再上映(リバイバル)”のままである。
しかし悟に、その記憶はない。
ぼやけた断片的な記憶、でもそこには違和感しかなかったのだ。
中学、高校の教育は受けていない。
しかし当たり前のように読める難しい漢字、圧倒的な画力。
なぜこんなことが出来るのか…
悟には、過去の記憶の正体はわからずじまいだった。

記憶の正体

悟の前に、かつての仲間たちが現れる。
賢也と広美。
そして、加代が来てくれた時…
悟の目からは、大粒の涙が溢れてきた…
それは、悟にとっては待ち望んでいた姿でもあったが、なぜ涙が溢れて来たのかは、悟自身もわからなかった…
加代は結婚して、杉田加代になっていた。
広美と結婚して、幸せを手に入れていた。
悟は、母親からあるものを受け取る。
それは、賢也がまとめた、悟の身に何が起きたのかのレポートだ。
そのレポートで、事件の概要からこれまでの空白の15年間走ることができた。
しかしそれでは、重要なパズルのピースが欠けていた。
そう、悟自身の記憶である。
悟は、順調にリハビリを進めて行く中、白血病の少女と知り合う。
久美ちゃんだ。
骨髄移植の手術を目前に控え、悟から勇気の出し方を教わる。
久美ちゃんと病院の庭で過ごしていたある日、悟はついに自分の記憶と向き合う事になる。
悟に執着するマスコミ、久美ちゃんとのひと時を撮っていたカメラマンを、思いっきり殴る女子高生がいた。
その女子高生が現れると、悟が話しかける。
この出会いを逃してはいけない…
そう本能が反応する。
その最中、その女子高生が空を見上げると、悟の中に過去の記憶が降り注ぐように戻って来たのだ。
しかしそれと同時に、再び眠りについてしまう。
その女子高生は、片桐アイリ。
アイリとの再会によって、悟は遂にリバイバルの記憶を取り戻すのだった。
次に目を覚ましたのは、1年と数ヶ月後。
また長い眠りについていたのだ。
しかし記憶は、まだ断片的。
所々に空白は残っていた。

さざんかの集い

眠っていた1年とちょっとの間に、久美ちゃんは病気を手術が成功し、ほぼ完治させていた。
そんな折、さざんかの集いという病院の催し物の企画がある事を知る。
そのさざんかの集いに、みんなで参加することが決まる‥
一方で、ついにあの男も動き出す。
八代学。
あれから八代は、姿を眩ましていたが、実はずっと藤沼悟に執着していた。
悟の居る千葉の街で、八代は西園まなぶと名前を変え市議会議員となっていたのだ。
八代は、病院のボランティアスタッフとしてさざんかの集いに参加する。
悟は、そんな八代の暗躍も当然気が付いていた。
というよりも、アイリとの出会いによって、実は記憶が完全に戻っていたのだ。
賢也と共に、さざんかの集いで八代と決着をつけるべく準備が進められていた。
しかしこのミッション、久美ちゃんが八代のターゲットになる可能性が高い。
彼女を守ろうと提案する賢也だったが、病気の影響で全く子供らしい活動ができなかった久美ちゃんに純粋に楽しんでもらうために、それはしないでおくという計画が悟から持ち出される。
要するに、八代の計画を出し抜きつつ、久美ちゃんを陰ながらしっかりサポートしながらもちゃんと楽しんで貰えるようにして、決着をつけるという、無理難題とも言えるミッションに臨む!

決着!

八代は過去の手口を擬えるように、罠を張っていく。
バンガローでは練炭を。
その計画を確実なものにするため、佐知子の携帯電話を盗む。
このやり口は、悟の1回目の人生で、アイリを貶めるために使った手口だ。
しっかりそのやり方も熟知していた悟は、しっかりと対策を講じていた。
そんな攻防が続く中、決戦が訪れる。
久美ちゃんは、澤田がしっかりと見ており合流していた。
一方で、吊り橋で罠を作っていた八代。
そこに現れたのが、悟。
車以来の再会である。
八代は、この再会に歓喜を覚えていた。
それは、今回も本気で犯行に及んでいたのだ。
しかし悟は今回も、それをことごとく防いでいた。
それでこそ悟だ。
他者の死に抗う悟、どんな困難も乗り越える悟の目の輝き、そんな悟に魅了されていた八代。
何故そんな事が出来るのか…
それはとてもシンプルなものだった。
雛月を救った時も、広美、中西彩、八代の計画の先回りを可能にしていたのは…
覚悟だけ。
前に踏み込む覚悟。
それには、仲間を信じ、自分を信じる。
ただそれだけだ。
八代が描く結末はこうだ。
八代は、悟と共に死のうとしていた。
裁かれる事を拒否し、自分で結末を迎えること。
そして、悟の死によって八代も終焉となりこの負の連鎖は終わる…
これが、八代の描く結末だ。
吊り橋に爆薬を仕掛け、2人で死ぬ。
しかしその八代の計画にも、悟は抗う。
また松葉杖をつく悟…
そんな悟に意思の力が働く…
走って、八代に突進し川へと飛び込んだのだ!
そして2人は命を落とす事なく、ついに決着を迎えた。

その後

八代の口から、ずっと悟に執着していた事が語られる。
殺意があった事を全面的に認め、八代学は、確定死刑囚として収監された。
悟は、漫画家として生計を建てていた。
もう、踏み込めないストーリーを描く事はない。
自身の作品のアニメ化が決定し、売れっ子作家であることが分かる。
そんな悟は、外に出かける。
もう、悟の身に”再上映(リバイバル)”は起きない。
”再上映(リバイバル)”が起きていた過去の記憶は薄れていた。
それよりも、”再上映(リバイバル)”した後の、仲間達との時間がかけがえのないものだったのだ。
悟が眠っていた空白の15年間。
僕だけがいない街、その時間が悟にとっては何者にも変え難い最高の宝物なのだ…
そんな悟の目の前に、とある女性が現れる…
それは、全ての始まりである、片桐アイリだ。
突然降ってきた雪…
「一緒に雪宿りしてもいいですか?」
と、アイリは言う。
悟の未来は、これから始まるのだ…

各作品、相違点のまとめ

では最後に、この物語の結末が異なる相違点をまとめていきます。
ここでは、ベースは原作。
細かい部分はあるものの、主な原作のベースとしては、八代学の描かれ方に大きな違いがあります。
そして、悟の初めてのヒーローエピソードとなるアッコ姉ちゃんの件などは、原作でしか描かれていません。
なので、その部分の掲載は割愛します。
そしてそのアッコ姉ちゃんのエピソードは、視点を変えて八代学の最初の犯行だったという伏線でもありました。
そう、八代学と藤沼悟の因縁は、もはや最初から始まっていたのです。
では、そんな原作との相違点を紹介していきます。

映画版の相違点

映画版の相違点は、細かくあげればキリがありません。
それは、単純にこの作品が酷評されている原因でもある無理な切り取り。
その強引すぎる切り取りのため、改悪となってしまいます。
なので、多少の違いはあるものの、ストーリーの大きな改変部分に焦点を当ててお届けします。

・八代の正体が明かされた後、2度目のリバイバルは終わる。
・目が覚めた後、目の前に雛月がいる
・目が覚めたのは最初のリバイバルで事故った後の2006年
・八代の正体に気がつくのは、児童相談所の連絡の遅さなど
・八代についての人物描写は無い
・八代の能力となる蜘蛛の糸が存在しない
・本来のラストシーンであるアイリとの再会が、クライマックス前に登場する。
・八代との決着は、佐知子がショッピングモールでのリバイバルの気づきの場面
・悟が死ぬ
・悟が死んだ事で、街に平和が訪れる
・ラストシーンは、2016年。悟の墓前。
お分かりいただけただろうか?
映画版が今でも多くの酷評があるのは、結果的に映画版の結末が、本来の八代が望んだ世界となってしまったこと。
もちろん、これは漫画の原作が完結する前に製作された事なので仕方のない事ではありますが…
『僕だけがいない街』という作品が描く、最悪なバッドエンドを映画版では描いてしまったのです…
藤沼悟が死んだことで得た代償。
それが映画『僕だけがいない街』での結末です。

アニメ版の相違点

アニメ版も、映画同様に原作完結前に製作されていることで、結末が大きく異なります。
しかしアニメということもあり、判明している部分までは、概ね原作通りに進んでいます。
中でも特筆すべき点では、雛月加代に関して。
おそらくアニメ版が、雛月加代のことを1番印象的に絵が描けていると思います。
その象徴的なシーンが、悟の家でのシーンです。
藤沼佐知子との入浴シーンなどは、アニメだけの場面。
結末は違えど、アニメの評価はとても好意的にも捉えられていました。

・八代の人物描写は、ハムスターのスパイスと蜘蛛の糸のカンダタのみ
・八代の能力となる蜘蛛の糸が存在する
・悟が15年の眠りから覚め、久美ちゃんとの時間にアイリが現れない
・アイリではなく、八代が現れる
・八代と再会し、八代との交流が始まる
・記憶を取り戻すきっかけは、雛月との子供と手を合わせたこと
・最初のリバイバルでの誕生日会の誘いの時に雛月が手を合わせて来たことがフラッシュバックのきっかけとなっている事を暗喩させている
・決着の場は、病院の屋上
・悟の死に抗うのは、八代
アニメ版の結末は、全てにおいて唐突なものでした。
八代との決着までのスピード感は、1番早いのでは無いでしょうか。
悟が車椅子のままの状態で、決着がつきます。
決着がついた後、ラストシーンではアイリとの雪宿りでした。
仲間との絆をとにかく印象的に描いたのが、アニメ版の特徴と言えるかもしれません。
そんな決着のつき方が、印象的な作品です。

ドラマ版の相違点

ドラマ版の相違点は、当然ながら最も少ないものと言えるでしょう。
何故なら、ドラマ版は原作漫画の物語が完結した後、忠実に描こうとして立ち上がったものだからです。
なので、いくつかのエピソードを割愛するのみで、割と正確に進んでいくのが特徴です。
その中でもいくつかある相違点を掲載します。

・八代学の人物描写は、兄の虐待のみ
・スパイス、カンダタは無し
・八代の特殊能力、蜘蛛の糸も無い
他にも細かい部分はあるものの、ストーリーに関係する部分ではこの位です。
八代の描き方に関しては、当然ながら各媒体にとって扱う部分は変わるでしょう。
アニメで、性的虐待は描く事は難しいことは当然のこと。
とても繊細な題材となるので、そういった違いもあるのはもちろんと言える。
そんな中でも、ドラマ版はしっかりと原作に沿って描かれているため、非常にt会評価を獲得していました。
以上、「僕だけがいない街」のネタバレ総まとめでした。
ドラマ版のストーリーも、筆者の視点で簡潔に描いたつもりです。
なので、より詳しく知りたい方は是非ともNetflixで『僕だけがいない街』を見てみてください。
このメインとなるストーリーは、原作では8巻まで。
原作漫画ではその間のそれぞれのメインキャラクターたちの視点で描かれる、9巻も存在します。
雛月が何故、悟への想いから広美になったのか…
そのきっかけが描かれていたり、小林少年こと賢也の視点など、アイリのあの日の1日の裏側など、見応えたっぷりなので、ぜひ原作漫画もチェックしてみる事をオススメします。

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