NHKドラマに異変!整形、パパ活、千人斬り〜過激描写が激増した理由とは?

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NHKきれいのくに

NHKのドラマが攻めている。今までもそうだったのかもしれないが、最近、その「攻め方」が少し過激にも思えるのだ。「よるドラ」枠の「きれいのくに」では取り扱うテーマが「整形」「パパ活」「高校生の性行為」、さらに描写こそ出てこないものの「半径5メートル」では「出張ホスト千人斬り」など、かなりぶっ飛んだワードが連発されている。NHKに起こっている異変は一体?

NHKきれいのくに

https://www.nhk.jp/p/ts/M8Q721V51L/

目次

NHKドラマがなぜか過激に変貌

整形社会を描き、パパ活まで出てくる「きれいのくに」

5月31日に最終回を迎えた「きれいのくに」。

土曜から月曜の午後10時45分に枠を移した「よるドラ」。それだけでも挑戦的なのだが、内容が濃厚だった。

序盤の3話までは夫との関係がうまくいかない女性の主人公を吉田羊が演じていた。よくある展開だ。このまま不倫とかそんな展開なのかと思いきや、突如吉田が若返るのだ。

吉田が演じていた「恵理」役を、蓮佛美沙子がバトンタッチするのだが、夫は「若返ったよね。おかしいよ」と狼狽える。さらに蓮佛がさらに若返って、小野花梨が「恵理」を受け継ぎ、夫は腰を抜かさんばかりになる。ホラーというよりブラックユーモアなのだが、フジテレビの」世にも奇妙な物語」テイストだ。NHKでもこんなドラマ作るだ~と感心していた。

ところが、4話からはストーリーが全く別物になる。実は3話までは高校生に見せるための啓発映画だった。それも、整形に関しての。

男は稲垣吾郎、女は加藤ローサ

そして登場するキャスト、街を歩いているようなエキストラ、市中のポスターに至るまで誰もが、男が稲垣吾郎、女は加藤ローサの顔。大多数の大人は遺伝子操作か整形により同じ顔になっているのだ。仲良しの高校生5人組はまだ整形を施していないが、描かれているテーマは「整形」だ。コンプレックスと向き合うなか、レイラ(岡本夏美)はパパ活をしてしまう。そして、稲垣の顔をした男に暴行を受ける。

過激なシチュエーション、過激なセリフが乱発。NHKなのに?

教師が高校生の性行為を見て「合意ですか」と聞く「ここは今から倫理です。」

1月クールで放送された「ここは今から倫理です。」では冒頭、教室内で性行為に及ぼうとするシーンから始まった。そこへ倫理の教師役の山田裕貴が現れ、「合意ですか?」と冷静に聞く。

「半径5メートル」ではホスト千人斬り、女性の性感マッサージ

さらに放送中の「半径5メートル」では、フリーライター役の永作博美が「出張ホスト千人斬り」とか、女性の性感マッサージとか、雑誌のネタ作りとはいえ、なかなか際どいセリフが飛び出してくる。民放でもあまり出てこないワードが次々に飛び出す。

1つのドラマだけでなく、どのドラマからもこういうシーンやワードが飛び出すのはなぜなのか。

NHK半径5メートル
https://www.nhk.jp/p/ts/E33JWZ3ZR3/

NHKのドラマの変貌の理由は

忖度なしの作りやすさ

NHKは民放とドラマの作り方が根本的に違う。それはスポンサーへの忖度がないことがある。

たとえば、化粧品や美容商品がスポンサーのドラマで、美醜に関するテーマは扱いにくいし、車のメーカーがスポンサーである場合、自動車事故のシーンはまずい。お堅いスポンサーなら、猥褻な言葉を乱発するわけにもいかない。ましてや、高校生のパパ活や、あわやのシーンも憚られるだろう。

さらに潤沢な制作資金がある。コロナ禍で予算も減り、民放のドラマは海外ロケなど言語道断。どんどん地味になっている印象だ。一方でNHKは細部にまでこだわり抜く。

ドラマ1本7900万円

受信料で成り立つ業態だが、今年1月に公表された2021~23年度の経営計画によると、剰余金が1200億円以上もあるという。視聴利用環境の激変で今後は受信料もあてにできないだろうが、ドラマ1本に7900万円をかけている作品まであるというから驚きだ。

そして時間もかける。ドキュメンタリーのスタッフなら、一瞬のシーンを撮影するために何年もかけることがある。一方、時間を「早く」使うことにも長けている。コロナ禍でいち早くドラマにその要素を取り入れるような社会へのメッセージ性を織り込む仕事は民放より、明らかにスピーディーだ。

さすがに朝ドラでパパ活は出てこない

公共放送とはいえ、見方によっては受信料という有料コンテンツビジネスなのだから、動画配信サービスと同じという声もあるらしい。視聴率を取るのは大河と朝ドラ。それ以外は民放のように数字を気にせず、作り手としての自由も大きいのではないだろうか。朝ドラでパパ活や整形の主人公が出てくれば、さすがに騒がしくなるだろう。それでもニッチな作品が生まれるのは「NHKだから」でもある。

NHKきれいのくに

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