朝ドラ【ばけばけ】ネタバレあらすじ全話・吹き出し!結末はセツが八雲を見送るまで描く?

朝ドラ「ばけばけ」ネタバレ

2025年度後期に放送されるNHK連続テレビ小説(朝ドラ)は「ばけばけ」です。主演は高石あかり。小泉八雲/ラフカディオ・ハーンの妻・小泉セツをモデルとした物語です。

本記事は「ばけばけ」全話のネタバレあり“あらすじ”を最終回までざっくりとまとめると共に、最終回の結末も予想していきます。

■今週の「ばけばけ」

■来週の「ばけばけ」

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*本ページの情報は2025年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

【ばけばけ】あらすじ(ネタバレなし)

Q
「ばけばけ」のあらすじは?
A

時は明治時代、舞台は松江。松野トキ(まつの・とき)は怪談話が好きな、ちょっと変わった女の子。松野家は上級士族の家系ですが、父の事業の失敗もあり、貧しい暮らしをすることに。トキは、この生きにくい世の中をうらめしく思って過ごします。
極貧の生活が続き、どうしようもなくなったトキのもとに、松江に新しくやってきた外国人英語教師の家の住み込み女中の仕事の話がきます。外国人が珍しい時代、世間からの偏見も覚悟しながら、トキは女中になりました。
その外国人教師はギリシャ出身のアイルランド人のヘブン。小さい頃に両親から見放されて育ち、親戚をたらい回しにされたあげく、アメリカに追いやられ、居場所を探し続けて日本にやってきまた。
トキは、言葉や文化の違いに悩まされます。ところが、お互いの境遇が似ている事に気が付き、だんだんと心が通じるように。しかも、二人とも怪談話が好きで…。
へんてこな人々に囲まれ、へんてこな二人が、夜な夜な怪談話を語り合う、へんてこな暮らしが始まり…。
トキがうらめしく思っていたこの世界は、いつしか、かけがえのない素晴らしいものに化けていきます。

Q
「ばけばけ」の原作は?
A

原作はありません。実在の人物である小泉セツ(1868―1932)がモデル。ふじきみつ彦さんが脚本を執筆し、モデルの生涯を大胆に再構成して、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描きます。

Q
「ばけばけ」の舞台は?
A

ヒロイン・松野トキが生まれ育つ島根県松江市が舞台。物語が進むにつれ、舞台地も熊本など各地に移り変わります。ちなみにモデルの夫妻は松江・熊本・神戸・東京(現在の新宿区)と居を移しています。

Q
「ばけばけ」の時代設定は?
A

時代設定は、明治時代です。モデルの小泉セツは1868年2月26日〈慶応4年2月4日)生まれで、1932年〈昭和7年〉2月18日に亡くなっています。大正・昭和まで描くこともできますが、1904年(明治37年)9月26日に小泉八雲が死去しています。そのため、明治時代が中心で、大正・昭和は描かないかもしれません。

【ばけばけ】ネタバレ・あらすじを最終回まで!吹き出しあり

朝ドラ【ばけばけ】あらすじをネタバレありで、吹き出しをプラスして最終回まで紹介していきます。

第1週「ブシムスメ、ウラメシ。」

この世はうらめしい。けど、すばらしい。没落士族の娘・松野トキ(高石あかり)と外国人の夫・ヘブン(トミー・バストウ)。怪談を愛し、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語がスタート。第1週は幼少期パート。トキ(福地美晴)は父が無職なこともあり、貧乏暮らし。そのため、教師を目指すことにするトキ。一方、働かずにいた司之介はトキにいい暮らしをさせたいと一大決心をする。

第1話

明治30年代後半。薄暗い部屋で、トキ(高石あかり)は怪談「耳なし芳一」を語り終えた。ヘブン(トミー・バストウ)は分からない日本語を尋ね、トキは辞書を引きながら説明。「もっと学があれば」と落ち込むトキに対し、ヘブンは自分の著書の数々がトキのおかげだという。そしてトキの手を取って言った。

世界で一番のよきママさんです。

時はさか戻り、明治8年、松江。小学生のトキ(福地美晴)は、父・司之介(岡部たかし)と母・フミ(池脇千鶴)、祖父・勘右衛門(小日向文世)と、世をうらみ、貧しい日々を送っていた。ある夜、トキの家族は丑の刻参りをして、ざんぎり頭の者たちや黒船のペリーを呪う。

翌朝。トキは今日もざんぎり頭の男があふれ、丁髷(ちょんまげ)の男はいないと父に言う。登校すると、トキの家族が丑の刻参りの呪いをしていたことを男子児童たちに馬鹿にされる。「トキの父は怠けちょる!」「働け!」と批判されたトキ。そこへ教師が入ってきて、トキの父が怠けてることを事実だと同意し、子供たちに武士を引きずらず「今のうちから何になるか考えるように」と指導する。

家に帰ったトキに話を聞いた両親は怒る。そして司之介は刀を持って、教師を襲いに行くが…。トキと母が追いかけると、立ち尽くす父を見かける。

母フミは「時代が変わって、戸惑って立ち尽くしてるの。父上は怠けてるわけじゃないの。ひとつも悪くないの」と言って、トキを抱きしめる

翌朝。トキは父が化け物になって先生を倒している絵を描く。父は化け物のマネをして、トキを笑わせる。(つづく)

ついに2025年度後期の朝ドラがスタートです。キャッチコピーは「この世はうらめしい。けど、すばらしい」。落士族の娘・松野トキが主人公で、初回から貧乏な様子や、明治維新を起こした他人に恨みつらみな家族が描かれました。学校では呪いをかけていたことや父親が無職なことで同級生や先生からもいじめまがいのことをされていたトキ。不憫です。せめて先生だけはトキを守ってあげてよ(涙)

でも岡部たかしさん演じるお父さんもなぜ働かなかいのか。お母さんは娘の手前、否定していましたが、「怠け者」と悪口を言われても仕方ないと思います。武士の世だったのが急に終わってしまい戸惑っているようですが、身分制度のない現代の価値観だと理解しにくいです。

私はお父さんには憧れの存在でいて欲しいと思います。岡部たかしさん演じる情けない父親像は、現代の大人とも似ていると思いました。……というのは、日本は長らく不景気が続いていて、若者が働くことに意義を見出せず夢を抱きにくい時代になっているから。裏を返せば、大人が子どもたちに夢を見させてあげられない時代ともいえるから。カッコイイ大人がいないんですよ。国会議員は裏金や不倫、コメント操作…。各地の市長が学歴詐称疑惑や不倫疑惑、セクハラ口止め…。子どもに「この世はうらめしい」側面ばかりでなく「すばらしい」側面を見せてあげて欲しいと思います。まあ、今後のストーリー展開でそうなっていくといいなあ。

本作の主演は高石あかりさん。主演映画『ベイビーわるきゅーれ』シリーズや日曜劇場「御上先生」に出ていたりと、新人ではないのですが…。直近の橋本環奈、今田美桜と比べると、フレッシュな女優さん。でも、若手ながらお芝居は上手だし、今後の本格登場に期待がもてます。

第2話

松野家は明治の世になっても、武士の誇りが捨てられず、働けない。小学校で将来の夢を聞かれたトキ(福地美晴)は、親友の野津サワ(小山愛珠)の答えに影響され、

「教師を目指したい」

と言いだす。そして家に戻ったトキは家族に、

「トキは一家を支えるために先生になりたいと思います。ですから父上もおじじ様もずっとこのままでいてください。ずっと武士でいてください」

と伝える。フミは「よき娘に育ちましたね」という。父と祖父も感謝する。

武家の娘としてお茶などの稽古を親戚の雨清水タエ(北川景子)につけてもらっていたトキは、教師になる勉強をするために辞めたいと伝える。しかし、武士の娘が働く必要はないと否定され落ち込むトキ。そんな彼女の前に、タエの夫の傳(堤真一)が現れる。

なんと、傳はちょんまげから散切り頭になっていた!しかも織物の工場(こうば)を始めるという傳。タエは夫が商いを始めることを聞いて絶句する。

帰宅したトキは傳のことを「素敵だったなあ」と賞賛し、自分の父のことをどうして「あげな…」と嘆く。すると「あげな父が戻りました」と司之介。どうやら途中から立ち聞きしていたようだ。その後、妻から傳が商いを始めることを聞いた司之介は…。

傳は縁側で三味線を弾く妻・タエに 「もう武士のままではいられないのだ」と伝える。そんなある日、トキが学校から帰ると、シルクハットをかぶった知らない男性が家にいた。男性は司之介の知り合いのようで、大きな箱を持参していた。司之介が「ではいくぞ、ぴょーん」と言い、箱に被せてあった布を取ると、中には黒いウサギがいた。トキも思わず「かわいい」と言うが、なぜウサギ?!(つづく)

ラスト。無職の司之介が何者かと持ってきたウサギ。一体、何のためなのでしょうか。嫌な予感がします。貧乏だからって食料にするの?それとも繁殖させて商売するの? …実は明治初期、西洋から渡来したウサギを飼うことがステータスとなった時代があります。遠縁の傳が商売を始めることを聞いて、焦って商いに手を出したのかもしれないですが…。司之介は明らかにいい人ですが、いい人すぎて騙されていないか、不安です。

第2話から北川景子さん、堤真一さんが登場しました。相変わらず美人な北川景子さん。朝ドラは初出演です。一方、堤真一さんの朝ドラ出演は「マッサン」以来、約10年ぶりです。セットや衣装も相まって大河ドラマみたいな厳かな雰囲気ですね。

第3話

武士のプライドから働かずにいた司之介(岡部たかし)が、かつての部下・金成初右衛門(田中穂先)と商売を始めることにする。

金成は、毛並みや色の変わったウサギが流行していて、増やして高値で売る商売がもてはやされていると説明。50円で仕入れて600円で売れる。トキの小学校の学費100年分だ。母のフミ(池脇千鶴さん)は「怪しすぎます」「そげなうまい話、にわかに信じられません」と疑う。だが、金成は驚くほどの儲けになったと言い、司之介も金成がきちんと成り上がったので大丈夫だと太鼓判を押す。

祖父の勘右衛門(小日向文世)は、司之介が商売を始めることに怒るが、トキ(福地美晴)とフミ(池脇千鶴)は、変わり始めた司之介を応援する。

数週間後。司之介のウサギの商いは順調で、1カ月で200円儲けた。松野家の食卓も豪華になり、明るさを取り戻していく。喜んでくれたトキため、司之介は

「相場が良いうちに金貸しから借りられるだけ借りて突っ込むことにした」「松江一のウサギ長者になるぞ!」

と意気込み、一気に商売を広げようと計画する。

司之介と縁日を訪れたトキは楽しい時間を過ごすが、借金のかたに身売りされていく女性・なみ(さとうほなみ)を見かける。司之介はトキに、松江は大橋川を挟んでお城側は格式高い武家の街、川の向こうは商人や貧しい者の街に分かれていると説明。しかしトキは金成によく似た男が、川の向こうに連行されていく姿を目撃した。

「ちょっと出る」と言い残したまま家を出ていった司之介は、その日、家に帰ってこなかった。司之介と思われる人物が中州のような場所でたたずむ場面で、第3回は幕を閉じた。

第3話は父・司之介が一念発起し、ウサギで商売するという展開でした。絶対、騙されそう!と思っていたら…。意外にも儲かったようです。幸せな時間が微笑ましかったですが、(放送時間で)5分くらいしか続かず…。不穏なラストで終わりましたね。おそらく金成も司之介も借金を返せなくなったのでしょう。商売を広げようと金貸しに借金したようですし。欲をかくと失敗するという、金の斧銀の斧(嘘をついて失敗)、舌切り雀(小さなつづらを選んで財宝、大きな方を選ぶと失敗)、など昔話にありそうな教訓ですね。ともかく、次回からトキたちは借金まみれの生活になりそうで、胸がザワザワする終わり方でした。

第4話

司之介(岡部たかし)は突然、トキ(福地美晴)やフミ(池脇千鶴)、勘右衛門(小日向文世)の前から姿を消した。何日たっても家に帰ってこない司之介に、松野家の不安は募っていく。そんなある日、登校途中のトキは司之介を発見して、

「家に帰ろう!帰ろう、帰ろう、帰ろう!何があったって。どうでもええ。 生きてるだけ充分じゃ。 おいしくないの!」

と声をかける。駆けつけたフミは、帰ろうとしない司之介に「あなたがいないと美味しくないのよ。大好きなしじみ汁がちっとも。私も…そげですから」とフォローに入る。

司之介は、うさぎの相場が急落し多額の借金を抱えたことを告白。小学校の教師を目指していたトキを学校に行かせる金もなくなり、明日から働くよう求める司之介。

トキは、小学校に通うのを諦めるよう、父から求められて、ショックを受ける。こうして、松野家はさらに貧しい生活を余儀なくされた。

松野家の食卓には、なぞの肉の入った汁物「しめこ汁」が並んだ。祖父・勘右衛門(小日向文世)とトキは肉の正体が、二人がかわいがっていたウサギ「ウ左衛門」と気づき、ショックを受ける。トキはフミにお話をねだる。トキは悲しいことがあると怪談話を聞くのだ。

一方、アメリカ・シンシナティではレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)がこの世に絶望していた。新聞記者の仕事を失ったヘブンは餓死寸前の生活。ヘブンは「金、パン、家族、私には何ひとつ縁のない人生だった。私の人生にはこの遺書を読む友人の1人すらいない」と遺書を残して、拳銃自殺を図る。しかし銃弾がなくて、死ぬことすらできなかった。

4話ラストでは、物が散乱した部屋で絶望感に包まれるヘブンと、布団で眠りにつくトキが交互に映し出され「2人が出会うまで5612日」とテロップが入る。(つづく)

トキの涙ながらの「帰ろう、帰ろう」は感動的でしたし、生きていれば十分というのも良い言葉だなあと思いながら視聴していたら……。なんと、父上、家族4人で生きれば十分なら学校行けなくもいいよね?だと…。え。何それ? 感動の涙が引っ込みましたよ(笑)

さらに追い打ちをかけるように、ショッキングな出来事が!大切に買っていたウサギが汁ものの具材に!!!!
いや、まあ、私(筆者)はベジタリアンじゃないし、鳥も豚も牛も食べるので、きれいごとは言えないけれど…。食用とペットは違うしなあ…と複雑な気持ちに。
ラストは拳銃自殺未遂まであって…。なかなかヘビーな展開の第4話でした。

第5話

十年ほどすぎた明治19年(1886年)。借金を抱える松野家は、それまで暮らしていた武家屋敷とは松江大橋を挟んだ反対側、長屋が建ち並ぶ「天国町」で貧しい暮らしを送っていた。

18歳になったトキ(高石あかり)は、借金を返すために親戚の雨清水傳(堤真一)が経営する機織り工場で働いていた。最近あった「よかったこと」といえば、新しい怪談を聞かせてもらったことと、幽霊の夢でうなされたこと、金縛りにあったことぐらいで、うらめしい日々を送っている。

工場の景気は好調そうで、傳は働く女子のために当時高級品だったカステラを差し入れ。トキたちは「生きちょってよかったことあったが~!」と大喜び。

松野家に戻ると、疲れで倒れ込むトキ。牛乳配達をしてきた司之介も倒れ込み、どっちが疲れているのか子供のように喧嘩する2人。

長屋の井戸端で、トキは立ち小便をする男を注意する。なみ(さとうほなみ)がその男を連れていく。トキの幼なじみ・サワ(円井わん)は軽蔑するまなざしだった。なみに突っかかってこられたサワは長屋に隣接する遊郭で働く遊女・なみに「こげな人からお金もらって生きてくなんて、悲しいなと思っただけです」と言う なみは「おなごが生きてくには身を売るか、男と一緒になるしかないんだけんね」と告げた。その言葉が刺さってる様子のトキ。

朝。松野家は、しじみ汁の具も少ないほど貧乏だった。そこに、借金取り・森山(岩谷健司)が現れ、トキを遊郭にやって借金を返せと言う。しかし司之介の借金は200年経っても返せそうにない。そこでトキは、

「婿様をもらいましょうか。働き手を増やして借金を返すのです。こげな暮らしから抜け出すには、もうそれしか……」

と、家族に提案する。まずは織物工場(こうば)の同僚であるチヨ(倉沢杏奈)、せん(安達木乃)と八重垣神社で有名な恋占いをすることになるのだが…。

池に硬貨を1枚置いた紙を浮かべて、早く沈めばご縁が早い、遅く沈むとご縁が遅い、自分の近くで沈むと近くの人と、遠くで沈むと遠くの人とご縁があると言われている。トキ、チヨ、せんは願いを込めて紙を池に浮かべる。

やがて、チヨとせんの紙が目の前で沈んでいき、「もうすぐ近くの人と結ばれる!」と喜ぶ。一方、トキの紙は沈まずに遠くへ離れていく。トキは小声で「沈め沈め沈め」と唱えだすが、紙はまったく沈まなかった。(つづく)

トキは恋占いにショックを受けている様子ですが、遠いアメリカにいる人と結ばれる運命なので、実は当たっているのかもしれませんね。本人は恋が実らないと思って苦しいでしょうけど(笑)

第5話は、とてもコミカルで楽しめました。福地美晴ちゃんが退場してしまって寂しいですが、高石あかりさんと岡部たかしさんのやり取りが変わってなくてホッコリ、温かい気持ちになります。貧乏でも幸せなんじゃ?……と思っていたら5話終盤で借金取りが登場。遊女になれと言い出します。やはり貧乏は良いわけありません。来週はトキのお見合い大作戦へ。トキはヘブンと結ばれることが分かっているのでストーリー自体に興味はないのですが、松野家のドタバタコメディが楽しみです。

第2週「ムコ、モラウ、ムズカシ。」

恋占いの結果に落胆するトキ。母フミは見合い相手を見つけると約束する。その頃、雨清水家のタエもトキの見合い相手を探し始める。半年後、雨清水家でトキの見合いが行われた。相手の中村守道はお互いに良い印象を持ったものの、中村家側が縁談を断る。その後、二度目の見合いが行われる。トキは見合い相手の山根銀二郎(寛一郎)と怪談好きなことで意気投合。無事に縁談はまとまり、銀二郎は松野家の婿になる。
同じ頃、米国にて。新聞社の文芸部長のレフカダ・ヘブンは、部下たちから特集記事のテーマを募っていた。女性記者の一人イライザ・ベルズランド(シャーロット・ケイト・フォックス)は神秘的で興味深い国だからと日本特集を提案して…。

のちの夫・ヘブンとはまだ出会ってもいない状態のトキ(高石あかり)。最初の結婚相手は銀二郎(寛一郎)となります。史実でも、18歳のセツは鳥取の士族・前田為二(まえだ・ためじ)と結婚しています。史実を踏まえてのストーリーですが…。朝ドラの前作『あんぱん』でもヒロインのぶが次郎さんと結婚し、のちに死別。モデルありの作品だと仕方ないですけど、結婚しても別れがあると分かってしまうのが残念ですね。近年はネタバレ知ってから見る方がドキドキしなくて安心という人もいるようですが…。

第6話

■恋占いの結果

明治19年(1886年)。トキ(高石あかり)は貧乏脱出のため、結婚を目指す。しかし織物工場の仕事仲間のチヨ(倉沢杏奈)とせん(安達木乃)と行った恋占いの結果は一人だけ悲惨だった…。紙の上に硬貨を乗せた舟を作り、その舟が沈む早さと距離で縁を占うが、トキの舟だけ向こう岸まで流され、なかなか沈まず、だいぶ時間が経過してから沈んだ。つまり、相手はすぐ見つからない。遠くの人と結ばれるが時間がかかる。という占い結果だ。

【恋占いは当たり?】恋占いの結果にショックを受かるトキ。でも、視聴者はレフカダ・ヘブン(トミー・ バストウ)と結ばれることを知っています。アメリカ在住なので、たしかに遠くの人です。ちなみに、第4話の時点で「2人が出会うまで5612日」=約15年と紹介されていたので、第6話時点から約5年後にトキとヘブンは運命の人として出会うことになります。恋占いの「ご縁は遅い」という結果も当たっているのです。

■トキのお見合い相手探し

落ち込むトキを励ますため、父・司之介(岡部たかし)と母・フミ(池脇千鶴)はお見合い相手を探すという。父がトキの好みを尋ねると、「怪談がお好きな人。カッパとか天狗とか小豆洗いとか」と答えるトキ。

その後、トキの両親は見合い相手を探すため、奔走する。牛乳配達の仕事をする司之介が大胆にも県知事・江藤(佐野史郎)の家に牛乳の売り込もうと訪問。牛乳で滋養をつけてほしいと言う司之介に対して、江藤は「お主、何かたくらんでおろう!」と一喝。司之介は江藤の息子をトキの見合い相手にと考えて動いたのだったが失敗に終わった。

フミは雨清水家を訪ね、タエに「至極恐縮ながら、おトキにいい縁談を探していただけないかとお願いに参りました」と頼む。フミは相手が決まり次第、雨清水家に許しをもらおうと考えていたが、あまりいい話が見つからなかったと打ち明けた。するとタエは夫・傳(堤真一さん)から話を聞いていて、すでに相手を探し始めていると答える。するとフミは喜ぶどころかショックを隠せず「すでに?そげですか…。それならそうと、先にお伝えいただきたかったと。あの子の母親としましては」と返した。タエは先走ったことを謝った。

フミさんとタエさん何か妙にピリピリした空気感でしたね。訳ありっぽいです。過去の2人の関係が描写されてないので分からないのですが、何かあったのでしょうか。
フミさんはいつも一歩下がってタエ様に接している感じでしたが、トキの母として強く言うところは言うのですね。意外でした。そこだけは譲れない感じなのでしょうか。

■同僚の結婚相手が決定

一方、工場ではせんの結婚が決まり、チヨと雨清水家の三男・三之丞(板垣李光人)が祝福をしていた。それを知ったトキは「占いどおりだが。おめでとう! これで暮らしも楽になるね」と精一杯の作り笑顔。

「なんか笑顔 怖いね」 と三之丞が言う。すると「三之丞。なにしている。ここはお前が来る場所じゃない。父上が来る前に帰れ」と長男が追いだす。

「おトキ おはよう」 傅が入ってきたが、 あいさつしたトキはまたも作り笑顔。「なんか笑顔が怖いの」 と傅は笑った。トキは、占いの結果どおりに同僚が結婚したことに焦りを覚えているのだった。(つづく)

同僚のおせんちゃんの結婚相手が決定しました。恋占いの結果の通りです。これはおトキちゃんも焦りますね。怖い笑顔の演技が面白かったですよ。父親との会話もですが、こういうクスっとした場面を入れてくるのが「ばけばけ」は上手いと改めて思いました。

第7話

トキ(高石あかり)は早く結婚したいと焦る。しかし工場では、せん(安達木乃)に続き、チヨ(倉沢杏奈)の結婚も恋占いどおりに決まってしまう。絶望するトキを見かね、工場の社長であり遠縁の雨清水傳(堤真一)は、トキを励ます‟ランデブー”(逢引き)に誘うのだった。二人は怪談の舞台となった清光院に行った。「怪談とは、怖いだけでなく寂しいものよのう」という傳。トキは元気になったが…。

傳との逢引きを知った松野家の面々はどこか複雑そうだ。「遠い親戚の私を我が子のようにかわいがってくださるのは、どげしてだろう」と気にかかるトキ。母・フミ(池脇千鶴)と、父・司之介(岡部たかし)は、「あの人たちは無類の親戚好きだけん」「無類のおトキ好きでもあるけんのう」と誤魔化した。

トキの出生には何やら秘密があるのでしょうか。傳やタエが遠い親戚のトキをかわいがる理由があるのでしょうか。もしもトキが雨清水家の生まれだとしたら、本名は「雨清水トキ」で「うしみずとき」=「丑三つ時」になります。トキたち松野家は、第1話で丑三つ時に丑の刻参りをしていたことも伏線だったのでしょうか?

そしてついに、傳とタエ(北川景子)によってトキのお見合いが決まる。果たして、トキのお見合い、貧乏脱出大作戦はうまくいくのか?

傳(堤真一)による仲立ちで設けられた見合いの席。父・弥七(菰池剛史)とともに洋装で待つ守道(酒井大成)の前に、司之介と勘右衛門は何と裃姿、ちょんまげを残したままで現れる。あ然とする中村父子。それでもまげが「立派」だとお世辞を述べると、勘右衛門は「跡取りになれば、このようになれるぞ」と言い、守道をドン引きさせた。

一方、トキは見合いに緊張していた。相手を「狐と貉(むじな)と思えば緊張しない」と助言されると「狐と貉」を繰り返しつぶやき、からくり人形のようにぎこちなく歩いていくトキ。(つづく)

ラスト、からくり人形のようになってしまうおトキちゃん。可愛かったです。自分で言い出したお見合い大作戦ですが、いざ当日となると、ど緊張してしまってました(笑)。しかし心配なのは父と祖父が武士を捨てきれていないところ。完全に引かれてましたよね。このお見合いは破談の予感がしますが…はたして?

第8話

■トキのお見合い

ついに貧乏脱出のチャンス!トキ(高石あかり)は初めてのお見合いに挑む。司之介(岡部たかし)やフミ(池脇千鶴)、勘右衛門(小日向文世)、仲人の傳(堤真一)とタエ(北川景子)に見守られ、お見合い相手である元士族の商人・中村守道(酒井大成)と対面する。2人はいいムードに…。

トキは、守道を見て小豆洗いには似ていないが良きと内心で思う。守道も、悪くないと内心、思う。2人自体は好感触だった。

お見合いの本人同士が、ちゃんと話をすることなく、お茶を出すときの一瞬だけしか顔を見れないって、現代では考えられないですね。でも、昭和初期が舞台のドラマ「波うららかに、めおと日和」でもお互いのことをよく知らずに結婚してました。当時では本人の気持ちよりも家同士という感じが強いのはあるあるなのでしょうね。

■お見合いの結果は?

帰宅後、夕食の場で感慨にふける松野家一同。父と母のお見合いの時を思い出して、笑いあって、いい雰囲気で場が和ん。そして告げられる、お見合いの結果…。はたして、どうなる?

結果はお断り。しかも即答。先方からはトキの父・司之介(岡部たかし)と祖父・勘右衛門(小日向文世)が武士であることを引きずり続けていることを理由に、そんな家に婿入りさせられないと即答で断られてしまったという。

トキは「武士でおるのは別に構わんし、いつまでやっててもエエけど。やるなら人のためになって、人に好かれて人に迷惑かけない武士やってよ。せめて娘の見合いをダメにしない程度のね!」と言い放ち、家を飛び出す。そして、友人のサワと話をして、声を上げて泣いたトキ。

お見合いが失敗に終わった原因がトキ本人にはなくて、勘右衛門と司之介のちょんまげにあったなんて…。ショックすぎます。声をあげて泣くトキに胸が締め付けられる場面でした。

■あのあの話?!

後日、松野家は縁談を持ってきてくれた親戚の雨清水家を訪ね、司之介と勘右衛門は自分のせいで破談になったことを謝罪。すると、雨清水タエ(北川景子)はトキにだけ話があると言い、夫・傳(堤真一)を含めた3人だけで話をさせてほしいと切り出す。司之介、勘右衛門、トキの母・フミ(池脇千鶴)はどんな話をするのかと困惑した様子で、「一体どげな話を? あの話ではございませんでしょうな。あのあの話でございます」などと言い、なかなか立ち去ろうとしない。

やっと察した傳は「あのあの話などこの場でするわけがないじゃろう」と否定する。視聴者にどんな話なのかは明かされないまま、タエと傳とトキの3人で話が始まる。(つづく)

“あの”を多用した会話。一体なんなん(笑)コミカルで面白かったけど、気になりすぎます。やっぱり出生の秘密なんでしょうか。まあ、どんな風に明かされていくのか、今後の楽しみにとっておきます。タエ様がトキにだけ伝えたい話は何なのかも気になりますね。

第9話

トキ(高石あかり)のお見合いは、司之介(岡部たかし)と勘右衛門(小日向文世)のせいで破談になってしまう。仲人の傳(堤真一)とタエ(北川景子)は、また司之介たちのせいで破談にならないよう、トキに嫁入りを勧める。果たしてトキは嫁入りを受け入れるのか?

トキは「私一人だけ幸せになってもつまらんと申しますか…。みんなで幸せになって初めて幸せなので。せっかくのお話、申し訳ございません」と断った。そのやり取りを部屋の外で聞いていた司之介は複雑な表情を浮かべた。

婿をもらうことに尽力するというタエと傳。トキは2人をハグした。この場面を、雨清水家三男の三之丞(板垣李光人)がのぞいていた。そこに現れた氏松(安田啓人)は「やはり(雨清水夫妻はトキが)かわいいんだな」と言い、三之丞に「この大変な時に」とこぼして立ち去る。

雨清水夫妻とトキの関係が意味深です。やはりかわいい、とは一体?

その後、雨清水家の尽力でトキの2度目のお見合いのチャンスが訪れる。当日、司之介が配達の仕事に行ったきり帰ってこない。お見合いが行われる雨清水家に到着すると、理髪店でまげを落とした司之介が待っていた。

松野家の面々は驚く。司之介は自分なりに考え、散々悩んだ末にトキを幸せにする武士になろうと思ったと言い、「これならよいじゃろう。落ち武者のようで不格好ではあるがな」と恥ずかしそうに頭を触った。トキは嬉しさを隠せない様子。

鳥取藩の元士族の長男・山根銀二郎(寛一郎)らが到着。すると山根家は武士の心を忘れておらず、親子でまげを結い、裃(かみしも)姿だった。司之介は「切るんじゃなかった…」と後悔し、崩れ落ちる。勘右衛門は「情けない! まさに落ち武者じゃ!」と言い放ち、傳も「申し訳ございません。うちの落ち武者が」と謝罪。銀二郎はこらえきれず吹き出した。

ラスト。緊張しているトキは銀二郎が目が合って…。(つづく)

司之介の娘を思う愛情を感じる落ち武者姿。しかし切るタイミングは今回でなかったことが判明して崩れ落ちる司之介。本当に落ち武者のようでした(笑)でも、今回は相手も武士なので見合いが上手くいきそうで良かったですね!

第10話

両家の親同士も良好な雰囲気で、トキ(高石あかり)と銀二郎(寛一郎)のお見合いはうまくいきそうな空気に。このままいけば結婚は確実!

しかし、急に現実味を帯びてきた結婚に、トキは銀二郎とのお見合いを進めることをためらってしまい、お茶を出す寸前で「祝言が怖い」と言い出す。「お顔をチラと拝見しただけの方とご一緒になり、末永く暮らしていくのだと思うと……」と、不安があふれる。

そんなトキに、銀二郎は「おトキさん、私とお話しませんか。二人きりで」と提案。そして、銀二郎はある“特別な場所”へ行ってみたいとトキを案内した場所は、なんと以前トキが傳(堤真一)と訪れた、怪談の舞台・清光院だった。

銀二郎は、「変に思われるかもしれませんけど、私、怪談が好きで」という。トキは「えっ」と驚き、「こちらに松風の血の痕があるんです」と教えると、銀二郎は「これが松風の!」とうれしそうに反応した。共通の趣味が判明し、二人は意気投合。トキと銀二郎は結婚することになった。

トキと銀二郎の祝言が決まり、トキの父・司之介(岡部たかし)は上機嫌で、母・フミ(池脇千鶴)も嬉しそうに尾頭付きの鯛を焼き、司之介に「覚えちょります?」と尋ねた。司之介は「ああ、もちろん。おトキが初めてうちに来た日に食べたのう。あの日は嬉しかった」と18年前を懐かしむ。

18年前の回想シーン、松野家の親戚・雨清水傳(堤真一)が赤ん坊のトキを司之介に託し、司之介は涙を浮かべるフミとその顔を覗き込んだ。少し離れたところではタエ(北川景子)が黙って見つめていた。

これまでフミとタエの対峙するシーンの緊張感だったり、「あのあの話」など、松野家と雨清水の間で何か秘密があることが示唆されてきましたが…。トキはタエの子供で、子供のいない松野家に養子に出されたようですね。賑やかな松野家が大好きなトキは、一体いつ知ることになるのでしょうか。

一方、一方、アメリカ・ニューオーリンズでは、新聞社の文芸部長となったレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)が企画を考えていた。ヘブンの同僚であるイライザ・ベルズランド(シャーロット・ケイト・フォックス)がヘブンに日本特集を提案する。

日本ではトキとヘブンが祝言をあげる。「二人が出会うまで1875日」とテロップが出る。

第2週ラストで、トキと銀二郎が結婚することになりました。しかし史実では、トキのモデルが外国人教師と結婚したことが分かっています。というかドラマの第1回冒頭はトキが夫ヘブンに怪談を語っているシーンでした。オープニング映像でも仲睦まじい様子のトキとヘブン。未来を知っている視聴者としてはトキと銀二郎の仲良さげなシーンがあっても、いつか別れることは知っているわけで、どこか複雑な気持ちになりますね。

第3週「ヨーコソ、マツノケヘ。」

銀二郎は武家の面子を捨てて荷運びの仕事をしている。トキも引き続き傳の織物工場で織子として働いていた。そのころ、トキのささやかな楽しみは仕事を終えて帰宅した夜、銀二郎から<鳥取に伝わる怪談>を聞かせてもらうことだった。
ある日、借金取りの森山が松野家に来た。銀二郎は松野家が多額の借金を抱えていることを察する。また、トキの実の両親は雨清水傳とタエであることも知ってしまう。しかし、勘右衛門は銀二郎に固く口止めする。
傳の織物工場は経営が傾き、傳自身も重い病気になっていた。三之丞は傳から工場の経営を任されるものの、経営状況は悪化。
ある日、三之丞はトキが雨清水家に生まれたことを暴露。トキの看病もむなしく傳(堤真一)は亡くなった。

堤真一さん演じる父・雨清水傳(うしみずでん)は第3週で退場となります。前作の朝ドラ「あんぱん」も主人公の父が早めに亡くなりましたが、今作も…。涙・涙な週となりそうです。

第11話

トキ(高石あかり)の新婚生活が始まった!働き者の婿のおかげで、松野家の生活も少し楽になり、祖父・勘右衛門(小日向文世)、父・司之介(岡部たかし)も、跡取りとなる婿への期待が膨らむ。幸せ絶頂のトキ。

トキは怪談好きな銀二郎にすっかりメロメロで、工場には銀二郎に似ているという妖怪“小豆洗い”の絵を貼り、仕事に励んだ。しかし、仕事場である雨清水家の機織り工場では不穏な空気が流れ始めていた。

銀二郎は荷運びの仕事を始め、「えらい仕事ですが、ええ方ばっかりで、どがにかやっていけそうです」とトキに話す。「元は武家なのに申し訳ない」と謝るトキ。銀二郎は「それはお互い様です」と返し、貧乏のくせに武家にこだわる父が嫌で早く家を出たかったこと、司之介(岡部たかし)のおかげでまげを落とせたことを感謝していると言う。

家族が寝静まった後、銀二郎はトキに怪談を聞かせる。布団に入った後、銀二郎は隣で横になっているトキの手を握るが、トキは「すんません。寝ましょう」と伝える。銀二郎が謝ると、トキは「あっ、そげだなくて。見ちょる…」と返答。勘右衛門(小日向文世)が布団に入ったまま、見ていたのだ。

ある日、松野家にやって来た借金取りの森山(岩谷健司)が、稼ぎのほとんどを持って行ってしまった。銀二郎は初めて松野家の借金を知り、驚く。それでも、銀二郎は「だったら、仕事を増やした方がええですかね?」と前を向く。その後、司之介と相撲を取ることになった銀二郎は、わざと負けてあげる気遣いも見せた。

一方、、雨清水家の長男・氏松(安田啓人)は大量の借用書と両親にあてた手紙を残して姿を消した。父・傳(堤真一)は動揺。憔悴(しょうすい)した母・タエ(北川景子)は「氏松1人が責めを負うことでもなかろうに…」とつぶやくのだった。(つづく)

トキと銀二郎が仲睦まじい様子で、微笑ましいです。しかし、松野家の多額の借金を知ってしまった銀二郎。知らなかったんですね?てか、夫が知らなかったことをトキは驚いていたので、悪気があって騙したわけではなさそう。尋ねられなかったから言わなかっただけなのでしょうか。それとも銀二郎の親は知っっているのでしょうか。ともかく「いい人」の銀二郎が過労になっていきそうで心配です。

不景気の中、雨清水家にも借金がありました。長男・氏松が出奔。トキの働き口も大丈夫でしょうか。明るい場面もあった第11話ですが、今後の展開が心配になる月曜の回でした。

第12話

トキ(高石あかり)が働く機織り工場が、景気悪化で資金難に。社長であり親戚の雨清水傳(堤真一)が金策に繰り出し、その間、雨清水家の三男・三之丞(板垣李光人)が社長代理を務めることになった。

久しぶりに傳に話しかけられた三之丞は困惑。長い間放っておかれた三之丞は、何をすればいいのか分からず、まばたきもせず呆然とするしかできなかった。雨清水家では給金を払えなくなった女中に暇(いとま)が出され、トキやチヨ(倉沢杏菜)、せん(安達木乃)、女工たちにも不安が広がっていく。

一方、松野家では勘右衛門(小日向文世)による婿への跡取り教育が過熱していた。勘右衛門は剣術の稽古として、銀二郎に木刀を素振りさせる。勘右衛門は「それでは憎き異人は倒せん。ペリーにやられる」と発破をかける。真面目に素振りを続ける銀二郎。そんな彼に勘右衛門は、

「やめい!格の低さが染みついちょる。そげな腕では、松野の跡取りを務まらんぞ」

と話すと、銀次郎は恐縮しながら「申し訳ございません」と頭を下げる。その後、銀二郎はトキと外で会うが、「離れていただけますか?格が下がります故」と、離れて座るよう頼む。跡取りになるためなら、と承諾するトキ。

そんなある日、金策中の傳が倒れてしまう。心配したトキが雨清水家を訪れると、タエ(北川景子)がかゆを作ろうとして米を焦がしていた。三之丞はトキに、タエが女中がいなくなって初めてふすまを一人で開けたことを教える。トキが「おば様に看病は無理でございます」と言うと、三之丞は「なら、どうすればいいんだよ! どうすればいいの……? 何でもかんでも押しつけないでくれ!」と声を荒らげ、その場を立ち去った。(つづく)

12話は不穏な展開でした。雨清水家では女中がいなくなり、傳が倒れて、夫を看病したいタエは料理なんてしたことなさそうで、三之丞は社長代理として何をしていいか分からず…。さらに、トキの助けを借りようともしない感じで、プライドだけはあって…。どん底の感じですね。

そんな中、トキと銀二郎が距離を離していくやり取りが微笑ましかったです。たしかに外でイチャイチャしていると現代でもバカップルと見られます。「格」が低いように見られます。まあ、離れすぎなんじゃないか?とツッコミたくなりますが…。勘右衛門が厳しくしすぎたんですかね。銀二郎も真面目すぎるのかも…。

第13話

病に倒れた傳(堤真一)。トキ(高石あかり)は日頃、世話を焼いてくれる傳への恩返しのため、看病を買って出る。

トキが看病に来た初日の朝、タエ(北川景子)は、トキが用意したしじみ汁を味わう。トキは布団で横になる傳の額に、濡らした手拭いを乗せる。目を覚ました傳は「おトキや松野のみんなの思いに報いるためにも、早く治して、また工場に戻らんとな」と話す。トキが

「父も宿敵には元気でいてもらわんとと申しておりましたので。私がよく冗談で『おじさまが父上だったらよかったのに』と言っちょるからだと思います」

と言うと、傳は複雑な表情で笑った。

工場での仕事を終えた後、トキは再び看病に訪れ、銀二郎(寛一郎)が話していた怪談「鳥取の布団」を傳に聞かせる。傳は「人生とはうらめしいものじゃ。おトキもうらめしいことが多かろう。じゃが、怪談を語りあえる婿をもらうことができた。わしも工場や家のこと、そして、この病……。今はとにかくうらめしい」と話す。続けて「じゃが、こうならなければ、おトキとこうして…。やはり生きてこそじゃのう」と語った。そんな傳に、トキは「おじ様、早く元気になってごしなさい」と伝えた。

トキは日中は工場、朝と夜は傳の看病と、二重生活。毎晩遅くに帰ってくるトキを司之介(岡部たかし)やフミ(池脇千鶴)が心配する。特に司之介とフミの様子はただ帰りが遅いことを心配しているにしては大げさで…。トキの夫はひょんなことから“松野家”の秘密を知ることになる。

フミが「大丈夫ですよね。行ったきり、戻らないなんて…」と心配。司之介は「つまり、こういうことか?『おトキ、わしはもう長くない。本当のことを言おう。わしがお前の本当の父じゃ。もうあの貧乏長屋には帰るでないぞ』『はい、松野も婿殿も捨てます』『よくぞ行ったぞ。トキ』」と話す。

トキの婿・銀二郎(寛一郎)は偶然、松野家の真実を聞いてしまった。 祖父の勘右衛は、口を滑らせた司之介らに怒りつつ、銀二郎に「いずれ当主になる男じゃ、よく聞け。今話した通りお嬢はおタエさまが産んだ、元は雨清水家の子じゃ。跡取りを得るために、生まれる前から子を持たぬ我が家に来る約束での。じゃが、お嬢は何も知らん。だけん寝言でも言うなよ」と口止めした。フミは銀二郎に謝りつつも「あの子は私の子ども、私達の子どもですから」と言うのだった。(つづく)

第3週・第13話で、ついにトキの出生の秘密が判明しました。トキは傳とタエの子だったのですね。どおりでトキを大切にしてたわけです。ということは、三之丞(板垣李光人)とトキは兄妹!そういえば、三之丞はトキに貧乏な家は嫌だからと婿になるのを断ったシーンがありました。三之丞はトキと兄妹関係だと知っていて断ったんでしょうね。

しかし、秘密を知った今、トキが傳を看病するシーンや2人の会話を思い返すと、とても切ないです。「こうならなければ、おトキとこうして…」って、言いかけてやめたのって、病気にならなければ娘と親子のような日常を送ることができなかったということなのでしょう。傳さん、良かったですね。

第14話

■工場がピリピリ

トキ(高石あかり)が傳(堤真一)の看病を始めて3週間。傳の具合は回復しない。工場の様子を心配する傳に順調であると答えるトキだが、工場では傳が戻るまでに経営状況を回復させようと、トキやチヨ(倉沢杏菜)、せん(安達木乃)、工女たちが馬車馬のように厳しく働かされていた。トイレも行かせてくれないピリピリした状況だ。

さすがにトイレは行かせてあげて~!とツッコミたい場面ですが、昔はあり得るのでしょうね。生理現象ですし作業効率下がると思うのですが…。

■トキと実の父の交流

しかし傳の体調はなかなか回復しない。トキは傳の口に粥を運び、傳は「赤子のようで照れくさい」と気恥ずかしそうに笑う。照れを我慢して何とか、かゆを一口食べた傳は「ああ……うまいのう」とつぶやき、トキとの幸せなひと時を楽しんだ。

トキと傳のやり取りは、とても演技が自然で、見ていて微笑ましかったです。でも、トキは知らないけれど本当は親子なんだと視聴者には知らされている関係なので、心温まるのに切ない場面でもありました。

■トキと実の母の交流

ある日、看病のために夕食を作っていたトキがけがを負ってしまう。そこに、駆けつけたタエ(北川景子)の提案にトキは衝撃を受ける。タエがしじみ汁の作り方を教えて欲しいというのだ。タエは貝を洗うこと、みそを溶くことなどをトキに教わりながら、なんとか完成へ。時々、笑みがもれそうになったタエだが、なんとかこらえた。

■いつか親子として…

その夜、傳はタエに「今日はおトキのしじみ汁が飲めた。よき一日であった。かゆを一口だけ食べさせてもらったのだが、気恥ずかしくてな。というより……危ないところじゃった。すまぬ」と口にする。

タエは「それは私もです。松野家にあの子を授けた時、2度と母親の顔は見せるまいと誓ったのに」とつぶやく。

傳は「親子として振る舞える…そんな日がいつか来ることを、わしは願っておる」と言う。

タエは「傳、長生きするんですよ」と語りかけた。

襖の外では、三之丞(板垣李光人)が二人の会話を聞いており、目を泳がせて動揺していた。

たしかに、傳さま、3週間も悪いと心配ですね。長生きしてくれ!の気持ちです。『あさイチ』での朝ドラ受けでは、華丸さんが「もういいのにね。バレないまんまでも」とコメント。鈴木奈穂子アナは「どっかでばれちゃいそうな気がしますけどね」と予想。大吉さんは「三男坊がそろそろ暴露しそうですよ」と考察していました。

第15話

トキ(高石あかり)の献身もあり、傳(堤真一)の体調に回復の兆しが見えてくる。トキは代理社長の三之丞(板垣李光人)に回復を報告をするが、三之丞はどこかうわのそら。そんな中、工場では検番の平井(足立智充)による厳しい品質検査が行われ、失敗が続くせん(安達木乃)についに平井の手が出てしまう。その瞬間を、久しぶりに様子を見に来た傳が目撃。傳は工場の惨状を嘆き、三之丞に事態の説明を求めるが、その途中で腹部を押さえて倒れてしまう。

三之丞は「無理ですよ、今さら。いつも兄上ばかりで何も教わっていない。声すらかけてもらったことのない三男坊が、都合よく駆り出されたって」と吐露。その流れで、トキが傅とタエ(北川景子)の娘であることを暴露。「手放した分いとおしくなるのなら、私もよそで育ちたかったです」と思いをぶつけた。

 三之丞はトキに「ごめん。急にこんな話して……」と謝罪するが、トキは「もう知っちょるけん。知っちょります、すべて……。私がおじさまとおばさまの子供で、松野の父と母は育ての親だということでございます。誰に聞いたわけではございません。ですが……自然とそうなのではないかと」と明かす。

傳は気力を振り絞り、「そうか。じゃったら言おう。お前は、わしとおタエの子ではない。松野司之介と松野フミの子じゃ。産まれた時から、そしてこれからも、ずーっと……」と語りかけた。トキは「そのことも知っちょります」と答える。傳はタエと目を合わせると小さくうなずき、タエの膝に倒れ込む。

そしてラストでは、松野家で取り乱したいから一人になるとトキが言って外へ。しかしトキは取り乱し方が分からず、やってきた友人・サワに取り乱し方を尋ねる。しかし教わることなく、トキはサワの胸で、泣き崩れた。(つづく)

15話では、傳が亡くなる展開に。しかし亡くなる前に、トキに本当のことを伝えられてよかったと思います。でもトキは知ってたんですね。ちょっと驚きでした。どういうつもりでおじ様の子供が良かったみたいなこと言ってたんでしょう(笑)てか、いつから気づいてたの?どうしておじ様たちが優しいのか?と育ての父母に尋ねてた時の気持ちは一体……。

傳が「おまえはわしとおタエの子ではない」とハッキリ言ったのも良かったですね。育ての父母がホントの父母だということもトキは理解していました。ここは何の疑問もなく感動的でしたよ。

「私もよそで育ちたかったです」と心の思いを打ち明けた三之丞が切なかったです。そして、そんなこと言わないで欲しいという両親の思いも伝わってきました。「親の心子知らず」というやつですが、ちょっと愛情をかけなすぎたのかも。

ラストシーンの高石あかりさんの号泣シーンも良かったです。取り乱すって意図的にしようとするものじゃないのになあ、わざと取り乱したらそれは取り乱してないのに…と視聴しながら内心ツッコミ入れてたのですが、不意にトキが号泣。ホント急にきました。まさにこれが「取り乱す」。高石あかりさんの演技力、スゴイです。

第4週「フタリ、クラス、シマスカ?」

放送日:2025年10月20日(月)~10月25日(土)※土曜は振り返り。

傳の織物工場が閉鎖された。生活が厳しくなる中、銀二郎は荷運びや彩色の仕事に加えて遊郭の客引きを始める。遊郭で働く銀二郎の姿を目撃した司之介と勘右衛門は「松野家の恥」と責め立てる。銀二郎は翌朝、松野家を出た。
勘右衛門は鎧や刀を売り、その金で銀二郎を連れ戻すようトキに伝える。銀二郎の父親曰く、銀二郎は東京にいるとのこと。トキは一週間かけて東京・本郷の下宿に行く。そこには松江出身で教師を目指す青年・錦織友一(吉沢亮)がた。錦織は帝大の門前で倒れていた銀二郎を助けたという。
トキは銀二郎と再会し、「松江に一緒に帰ろう」と頼む。しかし銀二郎は拒否し「東京で二人で暮らさないか」と提案する。
しかしトキは家族も大事なため一人で松江に帰ることに。そしてトキは松野家で再び四人暮らしになり…。

第4週でトキと銀二郎は別れることになります。モデルがいる作品なのでトキがヘブンの妻になることは分かっているのですが、つらい回になりそうです。第4週は、主演映画『国宝』が大ヒットした吉沢亮さんが登場する週でもあります。錦織は英語が堪能ですが、吉沢さん自身は苦手とのこと。クランクイン前から英会話を学び、撮影に臨んだそうです。吉沢さんの英語にも注目です。

第16話

傳(堤真一)の死から数日、機織り工場は閉鎖が決まり、トキ(高石あかり)は仕事を失ってしまう。借金取り・森山(岩谷健司)は容赦なく松野家に返済を要求し、トキに遊女となるよう提案する。それでも、なんとかなるとお気楽な松野家の面々の中、銀二郎(寛一郎)は一人、危機感を覚える。銀二郎はトキを守るため、仕事を増やそうと森山に仕事を紹介してもらう。遊郭の客引きをすることになった銀二郎は、朝から朝まで働くことになった。

銀二郎の負担は相当なものだった。死ぬ気で働くと言った仕事先の船着き場ででフラフラになって倒れることも。そんなある日の夜、遊郭の前で客引きをしている銀二郎のもとに司之介と勘左衛門が現れる。

毎晩帰りが遅いのはなぜかと詰められた司乃介は耐えきれず、銀二郎の仕事先を教えてしまったらしい。悪いことをしていないという銀二郎だが、勘左衛門は「松野家の格が下がる」と大反対。銀二郎は「格を気にしとる暇はございません。一家5人で生きてゆかねばいかんのです」と言い、勘左衛門にも鎧や刀を売ることを勧める。勘左衛門は「お主が恥を晒して得た金などいらん」と言い放つ。

夜遅く帰ってきた銀二郎はトキに「どこか遠い街で、二人で暮らしませんか?」と誘う。東京では <牡丹灯籠>という怪談が流行しているとも話す銀二郎だが、トキは困っている。銀二郎は答えを察して、もう寝ることにする。

明け方。トキが目を覚ますと銀二郎が隣にいない。 机の上に「おトキ様」 と書かれた置手紙があった。

<おトキちゃん。辛抱が足りず 申しわけございません。一家の皆様 立派な当主になれなかったことをお許しください。>

トキが悲鳴をあげると、家族も起き出して銀二郎の出走を知る。トキは「私のせいだ。私が…。せっかく来てくれたのに甘えちょった。ずっと一緒だと思って甘えちょった」と泣いた。

その後、トキは小豆洗いの絵を持って水辺に座り、銀二郎を思い出していた。家に帰ると古道具屋が来ていた。勘左衛門が鎧や刀を売っていて「おじょ。金は作った。跡継ぎを連れ戻して来なさい。猪目にかけてでも」とトキに言う。銀二郎の父親に会い、居場所を聞いてきたという。

松江を出て1週間と2日。トキは、ようやく東京にたどり着いた。

銀二郎は後継ぎとして、そしてトキを遊女にしないため、お金を稼ごうと必死でした。心労がたまっているのは明らかなのに、勘左衛門は稽古の時間に婿殿が帰って来ないなどとトンチンカンな様子。もうさあ、銀二郎がかわいそうでしたよ~。過労死するんじゃないかとひやひやしてました。

朝ドラ受けで華大さんが、「銀二郎が見つからないといいな」「帰ったらまた働かされる」「自分から働いてたでしょ」と言い合っていましたが、私も<過度に働かされてしまう>派なので、戻らない方がいいと思いますよ。

第17話

出奔した銀二郎(寛一郎)を探し、東京を訪れたトキ(高石あかり)。銀二郎が住む下宿でトキは、松江随一の秀才・錦織友一(吉沢亮)と出会う。さらに銀二郎と一緒に住んでいるという松江出身の帝大生・根岸(北野秀気)と若宮(田中亨)も合流し、トキは錦織たちと銀二郎の帰りを待つ。一方、松江では司之介(岡部たかし)、フミ(池脇千鶴)、勘右衛門(小日向文世)がトキがこのまま帰ってこないのではと不安を感じていた。

第18話

銀二郎(寛一郎)を探しに東京に来たトキ(髙石あかり)は、銀二郎と一緒に暮らす松江出身者の錦織(吉沢亮)、根岸(北野秀気)、若宮(田中亨)と出会う。みんなで銀二郎の帰りを待つ中、トキは錦織たちに銀二郎との関係を話し始める。そんな中、銀二郎が下宿に戻り、トキと銀二郎は再会。松江へ一緒に帰ろうと復縁を願うトキに銀二郎の返事は?

第19話

東京で再会したトキ(高石あかり)と銀二郎(寛一郎)。松江で一緒に暮らしたいトキと、東京で夫婦をやり直したい銀二郎。答えが出ないまま迎えた翌朝、仕事に出かける銀二郎を、トキは夫婦に戻ったかのように見送るのだった。一方、松江では勘右衛門(小日向文世)が親戚のタエ(北川景子)のもとを訪ね、トキが松江に帰らない可能性を伝えていた。

第20話

下宿では教員試験を終えた錦織(吉沢亮)の慰労会が行われ、トキ(高石あかり)はお祝いの出し物を披露することになり、大好きな怪談を提案する。一方、松江に残った松野家では、司之介(岡部たかし)、フミ(池脇千鶴)、勘右衛門(小日向文世)が、トキが松江には帰らないであろうと覚悟していた。翌朝、トキは銀二郎(寛一郎)と初めて西洋風の朝食を味わうことになる。

第5週「ワタシ、ヘブン。マツエモ、ヘブン。」

放送日:2025年10月27日(月)~11月1日(土)※土曜は振り返り。

明治23年(1890年)。トキは22歳になり、天秤棒を担いでしじみを売り歩いて、松野家の家計を支えている。そんな中、英語教育に力を入れたい島根県知事・江藤安宗(佐野史郎)が、松江中学校の英語教師に西洋人を招聘したことが新聞報道される。
同年8月30日。レフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)が松江に到着。通訳するの錦織友一だ。大歓迎されたヘブンは日本滞在記を書き終えたらすぐに米国に帰国するつもりだ。一方、江藤都知事はヘブンを島根に留めておきたがった。
教師の経験がないヘブンは緊張していて、錦織が来ると決まって逃げ出す。ヘブンの気持ちを察したトキはヘブンが緊張していることを錦織に伝える。錦織はヘブンを安心させ、ヘブンは笑顔になり…。

第5週で、のちの夫婦、トキとヘブンが出会います。本格スタートという感じですかね。ヘブンは40歳で松江に来ました。史実でもラフカディオ・ハーン(のちの小泉八雲)が来日したのが1890年(明治23年)、40歳の時。アメリカ合衆国の出版社の通信員として来日しました。来日後、契約を破棄し、松江で中学の英語教師として教鞭を執ります。そこでは「ヘルン先生」と呼ばれていたそうです。「Hearn」(ハーン)の読み方を間違えたようですね。役名のヘブンは、このヘルンをもじっているのでしょうか。

バストウさんは34歳(1991.08.26生まれ)。日本語を10年ほど学んでいて、俳優、ミュージシャンとして活動。エミー賞のドラマ部門作品賞を受賞したドラマ「SHOGUN 将軍」で、“日本語が堪能なポルトガルの宣教師役”を演じました。今作では、1767人が参加したオーディションを勝ち抜き選ばれました。日本語を10年ほど勉強していて記者会見もほぼ日本語で対応。父親に日本映画も見せてもらい、三船敏郎がヒーローだそう。朝ドラも『ちむどんどん』『ブギウギ』を見たそうです。そんなバストウさんの演技には注目ですね。

第21話

銀二郎(寛一郎)との別れから4年。トキ(高石あかり)はいまだ貧乏借金暮らしから抜け出せずにいた。シジミ売りで生計をたてるトキは、お得意様である花田旅館の花田平太(生瀬勝久)、ツル(池谷のぶえ)夫妻から松江に外国人英語教師がやってくることを知らされる。それから数日、ついにその日がやってくる。松江初の外国人を一目見ようとサワ(円井わん)と船着き場を訪れたトキは、そこで錦織(吉沢亮)と再会する。

第6週

ヘブンが花田旅館を出て家を借りたいと言い出す。さらに、借家住まいになるのを機に女中を探してほしいと錦織に依頼する。ヘブンは士族の娘が希望した。そこで錦織はトキを誘うが、トキは激怒した。当時、異人の女中はラシャメン(洋妾)として軽蔑されていたからだ。
同じころ、借金取りの森山の後を継いだ善太郎(岩谷健司)が先代以上の厳しい取り立てをする。松野家の家計はますます厳しくなった。
一方、タエと三之丞は雨清水家の屋敷を売り払った。しかし三之丞は仕事が見つからない。タエは物乞いまでするように。
トキはフミと、これまで以上に働く。そんな中、トキがタエの物乞いを目撃。トキはタエを心配、ヘブンの女中になってタエの暮らしも支えると決心する。

第6週は、トキがのちの夫ヘブンの女中になるまでが描かれます。北川景子さん演じるタエが物乞いするまで落ちぶれてしまって決意するのですね。トキが女中の仕事に就かなかったのは時代背景を知らないと理解できません。そこで調べてみました↓

【ラシャメンとは?】洋妾(ようしょう:西洋人の妾となった日本人女性)を指します。漢字だと「羅紗緬」(または羅紗綿)と書きます。羅紗はポルトガル語の「raxa」に由来し、羊毛地の毛織物のこと。つまり、もともとラシャメンとは綿羊のことを指しました。それがなぜ洋妾を指す蔑称になったかというと…。西洋の船乗りが食料としての目的と、性欲解消のための性交の相手として羊を船に載せていました。人間と羊が性交というのが信じられないですが俗説として信じられていたようです。そのことが転じて、外国人を相手にする娼婦や妾を当時の人は「綿羊娘」「羅紗緬」と揶揄したのです。

第7週

トキはヘブンの女中になることを松野家の家族に内緒にし、花田旅館の女中になると偽っていた。しかしトキの行動を不審に思ったフミは、司之介と勘右衛門とともにトキの後をつける。すると、トキがヘブンの家に入る現場を発見!ヘブンの家で松野家の人々が騒いだ。松野家の怒りを理解できないヘブンに対し、錦織がトキが妾になったことを怒っているのだと説明した。。
ヘブンはトキを女中として迎えたのに、妾を囲ったと思われたことが心外で、怒り出す。
その頃、松野家はタエが寺の軒下で雨風をしのいでいることを知る。トキは、タエを助けるために女中になったと打ち明けた。
三之丞はトキが差し出すお金を受け取ろうとしないが、トキとフミが説得。トキは松野家と岩清水家を支えることになる。

第7週では、外国人との文化や考えの違いで起きる衝突が描かれます。どっちの怒りも事情があるので、こういう時は対話が大事。理解しあっていくしかありません。異文化交流とは衝突を避けられないけれど、朝ドラではどんな風に描かれるのか楽しみです。

第8週

ヘブンはトキを妾と勘違いする者が今もいること、トキが英語が全く分からないことなどから、不便を感じていた。しかしトキはヘブンへの気遣いを忘れない。やがて、ヘブンはトキに対して心を許していく。
日本文化に深い興味を持つヘブン。彼の期待に応えようと、トキはタエに茶道や生け花の稽古をお願いする。トキが点てる茶や床の間を飾る花はヘブンを喜ばせた。一方、タエもトキと触れ合う中で少しづつ前向きになる。
ある日、錦織が中学校の生徒たちを連れてヘブンを訪問。ヘブンは自分についてのクイズを出した。錦織だけが正解できなかった。錦織はヘブンの大事な女性のことを出題するようリクエスト。しかしトキは、ヘブンの気持ちを尊重し錦織を制止。トキの気遣いにヘブンは感謝した。

錦織のモデルは西田千太郎(にしだ・せんたろう、1862 - 1897)さんです。ラフカディオ・ハーン(のちの小泉八雲)が勤める中学校の教頭で、彼の授業の補助や取材の同行、日常生活などを支えました。小泉八雲と節子の仲人もつとめていて、小泉八雲が最も信頼を寄せた人物といわれています。

第9週

ある日、島根県知事の江頭がヘブンを月照寺に招待する。月照寺は旧松江藩主・松平家の菩提寺で由緒ある古寺。江頭の娘・リヨも同行する。東京の女学校で英語を学んだリヨは、ヘブンに英語で積極的に話しかける。
リヨはヘブンに恋をして、トキに、ヘブンとの仲を取り持ってほしいと頼んだ。だが、父の江頭は錦織を通してトキに、リヨとヘブンの二人が恋仲にならぬよう「邪魔をしてほしい」と正反対のお願いをする。トキは複雑な気持ちだ。
一方、ますます日本文化に魅了されるヘブンは、イライザ(シャーロット・ケイト・フォックス)の写真に「松江はとても魅力的で素晴らしい街だ。いつか君と歩きたい」と語りかける。

第9週はヘブンに恋をする女性が登場。松江に滞在中のヘブンは元同僚記者で憧れの人・イライザに手紙を書いています。その内容からして恋心もあるようですね。モデルがいる朝ドラなので、ヘブンはトキと夫婦になることが分かっているので安心(?)ですが、ヘブンとイライザの今後の関係には注目です。

第10週

ヘブンが松江で初めて迎える冬。その年、松江には寒波が襲来する。ヘブンは寒さが大の苦手で、風邪をこじらせ寝込んでしまう。ヘブンは自宅療養することになり、生徒の一人・小谷が見舞いにやって来た。小谷はトキに好意を抱き、松野家の家族も小谷を婿(むこ)の候補として期待する。
一方、トキはその後もタエのもとで花や茶を学んでいた。そんな中、ヘブンからトキと比較されることが不満のリヨは、トキに稽古をやめるよう告げる。同じころ、遊郭で働くなみ(さとうほなみ)はトキがいつも幸せそうな表情でいることに気がついていた。
ヘブンの体調が回復。トキはヘブンと小谷とともに清光院に行く。そこにはトキが大好きな怪談の舞台となった血の跡がある井戸があった。そんな跡に夢中になるトキの姿に小谷は衝撃を受けて、トキへの想いを失ってしまう。

放送後2か月過ぎた第10週になってもトキはまだ女中。脚本・ふじきみつ彦さんは「松野トキの物語を描くにあたって最初に決めたのは彼女の家族を丁寧に描くこと」と語っています。だからこのペースで進んでいるのでしょうか。松野家はいまだトキが婿をとることを期待している様子。でも、なみ(さとうほなみ)が気付くくらいだからトキに変化があるのでしょうね。高石あかりさんの繊細な演技も求められそうです。

第11週

明治24年(1891年)1月。ヘブンが日本に来て初めての正月。ヘブンは新年の抱負として日本滞在記を完成させると語る。そして完成させたら自分は帰国するつもりだ。来年の正月にはもう日本にはいないというヘブン。
借金を抱える松野家はトキが女中としてもらう給金が必要不可欠。そこで司之介らはヘブンを帰国させぬよう、ヘブンとリヨの仲を応援することにする。リヨも知事の父に頼んでヘブンの家にストーブを設置するなど彼の気を引こうとする。
ある日、リヨがヘブンにプロポーズ!しかしヘブンは親に捨てられたことや一度離婚した過去を語り、どこかに定住しないと決めているのだと言う。その場にいたみんなヘブンの過去に驚いた。トキは、ヘブンとリヨの関係は終わったと察した。

第11週は恋のライバルが散るストーリー展開です。知事の娘が相手なので、トキは勝てなかったわけですが…。ヘブンがリヨを振ったことでトキにもチャンスがあるはず。でも定住しないということは、トキにも障がいになりそう。でも、史実では小泉セツ・八雲夫婦は定住していなくて、島根から熊本・神戸・東京などに移住していきます。

第12週

ヘブンが一週間続けて金縛りにあう。トキは大雄寺でお祓いを受けることを提案する。大雄寺の住職はヘブンのことを気に入り、怪談を語って聞かせた。帰宅後、怪談に強い興味を示しているヘブン。トキは自分も怪談が大好きで、怪談をたくさん知っているので話せるとヘブン伝える。
以来、トキはヘブンに毎晩、怪談を語って聞かせた。トキとヘブンの間には特別な感情が芽生え始めていく。しかし、トキがヘブンに怪談を聞かせていくと、ヘブンの日本滞在記が完成に近づいてしまう。トキはヘブンとの別れを考え始めた。
ある日、トキ宛てに銀二郎から手紙が届いて…。

第12週では、トキがヘブンに怪談を語っていくことに。小泉八雲の再話文学の傑作『怪談』も収録作品の多くはセツの語りから生まれたといいます。物語好きのセツが古本や人づてに聞いたり知った話を語り聞かせ、八雲が文学作品に仕上げました。

トキとヘブンのことに戻ると、怪談好きという共通点が見つかり、仲が深まります。いよいよ、結婚に至るのかと思いきや…。「別れ」が近づいているようです。なるほど。怪談話を聞かせるほど、日本滞在記の完成とイコールなんですね。切ない展開になりそうです。

第13週

明治24年(1891年)4月。3年前に会社を始めて社長になっていた銀二郎は、トキと復縁するために松江に戻ってきた。銀二郎は松野家の家族に出奔を謝罪し、和解する。今の銀二郎は稼げていて、松野家を東京に呼び寄せる経済力もあった。松野家のみんな反対する理由がなく、あとはトキの気持ち次第だ。
一方、ヘブンの元同僚・イライザ(シャーロット・ケイト・フォックス)が来日。ヘブンが日本滞在記を書き上げる前にイライザを日本に呼んだのだ。
トキと銀二郎が月照寺に行くと、ヘブンとイライザと錦織がいた。トキはその場で月照寺に伝わる怪談を語り、ヘブンは夢中になって聞いた。怪談を通じて息がピタリと合うトキとヘブン。その様子を見て、銀二郎もイライザも二人の関係に気づいた。
イライザは、ヘブンに「私と二人でどこか暖かい土地へ行って滞在記を書かない?」と迫る。しかしヘブンは答えない。翌朝、ヘブンが旅館に行くと、イライザはすでに去っていた。
銀二郎もトキとの復縁を断念。銀二郎を見送ったトキは、松江大橋でヘブンと再会した。お互い一人だった。2人は肩を並べて散歩する。

第13週では、銀二郎が再登場。さらに、イライザが来日。恋の四角関係って感じですね。でも、銀二郎もイライザも来るのが遅かったと思います。遠くの人より、近くにいる人との関係が深まるのは必然的。まあ、ヘブンはイライザに手紙を書いていたので、銀二郎より疎遠でなかったと思いますが…。いよいよ2人が結婚へ向かいそうですが、松野家の人たちは受け入れてくれるでしょうか。

【ばけばけ】最終回結末・予想

本作は原作なし、モデルありのドラマオリジナル作品です。

モデルを参考に最終回結末の予想となります。

モデルの人物の紹介

小泉セツ(戸籍ではセツ。小泉節子(こいずみ せつこ)とも呼ばれる)1868-1932
松江藩家臣の小泉家の次女。松江の英語教師として赴任したラフカディオ・ハーン(のちの小泉八雲)のもとで住み込みで働くようになり、22歳の時に当時珍しかった国際結婚をする。夫・八雲の日本語の理解を助けるとともに、幼少時から物語が好きだったこともあって日本に関する八雲の著述を支えた。八雲との間に三男一女をもうけている。

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲) 1850-1904
ギリシャ生まれのアイルランド人(英国籍)。アメリカでジャーナリストとなった後、1890年に来日。松江に英語教師として赴任する。その後、熊本五高、東京帝国大学、早稲田大学でも教鞭をとる。1896年、小泉セツと結婚、日本に帰化し、小泉八雲を名乗る。『知られぬ日本の面影』『怪談』など、日本の古来の文化を記した著作は高く評価されている。

タイトルは「化ける」ことから

本作は「化(ば)ける」物語で、放送前時点で以下の3点の「化ける」があります↓

  • 急速に近代化が進む明治の日本は、人々の暮らしや価値観がどんどん「化け」ます。
  • 近代化の中で取り残された人々の思いは、時に怪談という物語に形を変えて(「化けて」)語り継がれます
  • うらめしかったトキの世界が、かけがえのないすばらしいものに「化けて」いきます。

筆者個人的には「おばけ」もかかってるタイトルだと思います。小泉八雲は日本の怪談話を英語でまとめた『怪談』を出版していますしね。

夢を追わないヒロイン?!

脚本のふじきみつ彦さんはこんなコメントをしています↓

何も起きない物語を書いています。
人生、光もあれば影もあると言いますが、人生って光でも影でもないところがほとんどだなぁというのが僕の実感です。キラキラしているわけではないけど影というほど暗くもない、取り立てて人に話すほどでもない他愛もない時間。そんな光でも影でもない部分に光を当てる朝ドラを書いてみたい。今回のモデルである小泉セツさんのことを知ってそういう考えに至りました。セツさんは特別なことを成し遂げたりとてつもない夢を叶えたりした人ではありません。少し変わった、しかし何気ない日常を送った、言ってみれば普通の人かもしれません。だけど、だからこそ愛おしいのです。
「夢は○○だけん!(島根言葉)」なんて一度も叫ばない朝ドラですが、好きになってもらえたら嬉しいです。

つまり、本作は夢を追うヒロインではないということ。ゴール(目標)がないというと、盛り上がりに欠ける可能性もあります。

でも、多くの人が歴史に名を残すわけでないし、他愛ない日々のはず。視聴者から共感してもらえるような作品になりそうですね。

セツが八雲を見送るまで描く?

プロデューサーの橋爪さんは「ふじきさんと共に題材を探す中で、『小泉セツ』さんと出会いました。セツさんが残した『思い出の記』には、淡々とつづられた日々の奥に、二人の愛情や苦しみ、喜怒哀楽があふれています。大きく変わっていく世の中に翻弄されながらも、夫・ハーンとともに暮らしていく姿に強く感銘を受けました。違う価値観を持つ者同士が、お互いを尊重して受け入れていく姿は、今の私たちにも大切なものを示してくれると思います。」とコメント。

主人公のモデル・小泉セツは約64年の生涯。そのうち、セツが夫とともに過ごしたのは約13年8ヶ月。セツが八雲に出会うまでが約23年、八雲の没後は約27年です。

ドラマでは出会いや夫婦になってからのことを中心に描くことでしょう。そして、セツが八雲を見送る1904年(明治37年)までを描くと予想。

しかし、上記のコメントにも出てきたセツさんの書き残したものがあります。1914年(大正3年)、小泉八雲との思い出をまとめた「思い出の記」が田辺隆次が著した「小泉八雲」に収められて出版されているのです。

最終回では、主人公が亡き夫のことを書き残しながら、思い出に浸るのかな?という予想をしておきます。(放送前時点)