【悪魔の弁護人・御子柴礼司】の視聴率と最終回ネタバレ!原作結末は親を捨てるバッドエンド?

悪魔の弁護人
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【悪魔の弁護人・御子柴礼司】の視聴率と最終回ネタバレ!

要潤主演のオトナの土ドラ【悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲(ソナタ)】が2019年12月7日(土)スタート。

中山七里氏の原作小説を読んでみたので、あらすじをネタバレ紹介!ドラマ最終回も予想!

今回はドラマ【悪魔の弁護人・御子柴礼司】の視聴率とあらすじネタバレ記事を最終回までまとめていきます。

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【悪魔の弁護人】の動画

ドラマ『悪魔の弁護人』はFODプレミアムで配信!※2020年1月現在の情報です。

目次

【悪魔の弁護人・御子柴礼司】の全話視聴率とあらすじネタバレ

ここでは【悪魔の弁護人】の全話あらすじネタバレと視聴率をまとめていきます。

【悪魔の弁護人・御子柴礼司】の1話視聴率とあらすじネタバレ

・1話の視聴率は3.4%

・1話のあらすじネタバレはコチラ

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【悪魔の弁護人・御子柴礼司】の2話視聴率とあらすじネタバレ

・2話の視聴率は3.3%

・2話のあらすじネタバレはコチラ

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【悪魔の弁護人・御子柴礼司】の3話視聴率とあらすじネタバレ

・3話の視聴率は3.2%

・3話のあらすじネタバレはコチラ

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【悪魔の弁護人・御子柴礼司】の4話視聴率とあらすじネタバレ

・4話の視聴率は2.1%

・4話のあらすじネタバレはコチラ

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【悪魔の弁護人・御子柴礼司】の5話視聴率とあらすじネタバレ

・5話の視聴率は2.9%

・5話のあらすじネタバレはコチラ

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【悪魔の弁護人・御子柴礼司】の6話視聴率とあらすじネタバレ

・6話の視聴率は2.8%

・6話のあらすじネタバレはコチラ

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【悪魔の弁護人・御子柴礼司】の7話視聴率とあらすじネタバレ

・7話の視聴率は2.3%

・7話のあらすじネタバレはコチラ

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【悪魔の弁護人・御子柴礼司】の最終回視聴率とあらすじネタバレ

・最終回(8話)の視聴率は3.2%

・最終回(8話)のあらすじネタバレはコチラ

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【悪魔の弁護人・御子柴礼司】のネタバレ

ドラマ『悪魔の弁護人・御子柴礼司』の原作は、「贖罪の奏鳴曲(ソナタ)」「追憶の夜想曲(ノクターン)」「恩讐の鎮魂曲(レクイエム)」「悪徳の輪舞曲(ロンド)」の4作です。すべて講談社文庫にて発売中。

原作を読んだ上で、要点をネタバレ!

さらにドラマの最終回も予想します。

原作「贖罪の奏鳴曲(ソナタ)」のネタバレ


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あらすじ

御子柴礼司は被告に多額の報酬を要求する悪辣弁護士。彼は十四歳の時、幼女バラバラ殺人を犯し少年院に収監されるが、名前を変え弁護士となった。三億円の保険金殺人事件を担当する御子柴は、過去を強請屋のライターに知られる。彼の死体を遺棄した御子柴には、鉄壁のアリバイがあった。驚愕の逆転法廷劇!

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事件

  1. 製材所の社長・保険金殺人事件(容疑者は妻)
  2. 入間川死体遺棄事件(フリーライター加賀谷が水死体で発見された)

登場人物

【警察関係者】

・渡瀬(わたせ)…埼玉県警捜査一課 警部で班長。

・小手川和也(こてがわ・かずや)…埼玉県警捜査一課の刑事。渡瀬と組むことが多い。

【被害者?】

・加賀谷竜次(かがや・りゅうじ)…フリーライター。水死体で発見される。

【東條製材所】

・東條彰一(とうじょう・しょういち)…社長。製材所の木材の落下に巻き込まれ、脳挫傷で意識不明で入院。人工呼吸器を妻に止められ亡くなった疑いがある。

・東條美津子(とうじょう みつこ)…社長夫人。保険金殺人の容疑で逮捕された被告。

・東條幹也(とうじょう・みきや)…彰一と美津子のひとり息子。先天性の脳性麻痺。車いす生活で言語障害だが携帯電話で会話も可能。家や工場をバリアフリー化、機械のオートメーション化など整備されたため工場の仕事もする。

・高城(たかしろ)…工場主任・。

【医療少年院】

・稲見武雄(いなみ・たけお)…御子柴の教育担当の教官。

・柿里(かきざと)…院生をいじめる教官。

・御前崎(おまえざき)…医療担当教官。さゆりにピアノを弾かせた。

・御子柴礼司(みこしば・れいじ *プリズンネーム、本名:園部信一郎/そのべ・しんいちろう)…佐原みどりちゃんを殺害して送致された院生。雷也と次郎とつるむことになる。

・嘘崎雷也(うそざき・らいや *プリズンネーム、本名:磯崎来也/いそざきらいや)…弁護士志望の院生。虚言癖がある。

・夏本次郎(なつもと・じろう)…雷也・礼司と仲良くなる院生。180センチ以上ある巨体だが、口が利けず、左手が肩先から欠損している。筆談で会話も可能。

・島津さゆり(しまづ・さゆり)…矯正教育の一環でピアノを弾く院生。医療少年院の年1回行われる合唱会で彼女が弾いたピアノ「ベートーヴェン・ピアノソナタ第23番ヘ短調〈熱情〉」に御子柴は魂を突き動かされるような感動を覚える。”島津さゆり”はプリズンネーム。

【その他】

・安武里美(やすたけ・さとみ)…息子をいじめで亡くした母親。いじめ加害者の弁護を御子柴がしたため、御子柴を「悪魔」と呼んで恨んでいる。

犯人と犯行方法・動機

犯人

犯人は東條幹也。東條彰一とフリーライター加賀谷竜次を殺害した。

幹也の犯行方法

身体障碍者ができるわけないという盲点をついた犯行。

  • 携帯を彰一の人工呼吸器の通信ポートに当て続け、電磁波の影響で、彰一の人工呼吸器を誤作動させ、死なせた。誤作動のときに美津子が電源ボタンを押したため、美津子に容疑がかかった。
  • 加賀谷を感電させ心臓麻痺を起させた。雨の日、暗闇の中で蛍光灯に接したフォークリフトに触れた際に加賀谷の体を通電。幹也の罠にかかった。

幹也の動機

・父親殺しの動機は、父親の工場と死亡保険金。

・加賀谷殺しの動機は、ゆすられたから。携帯の電磁干渉による装置の異常発生をかぎつけられたから。

・母親殺しの動機は、幹也が車いす生活になった原因が母だから。脳性まひは、母の胎内にいたときに、母が麻薬中毒だったため。

どんでん返し:主犯は母親!?

・幹也は自分で計画したと思っているが、彰一殺しについての主犯は美津子。無罪になったら二度と追及されない原則のため、幹也の犯行は暴露しなかった。

・美津子が恐れたのは、彰一の頭上に資材が落ちて脳挫傷になった事件。資材落下は美津子と工場主任・高城の2人が犯人。2人は2年前からの関係だった。下の記述によると、男女関係、つまり不倫。

美津子から母親の面が剥げ落ちた。その下から現れたのは女の顔だ。

出典:原作「贖罪の奏鳴曲」文庫本p380

御子柴の過去のネタバレ

御子柴は14歳の時に佐原みどりを殺害した「少年A」。郵便ポストや賽銭箱に遺体の一部を置いて世間を震撼させたことから「死体配達人」と呼ばれた。医療少年院に入ってからは園部信一郎という名前を捨てて、御子柴礼司と名乗ることに。

この少年院で御子柴は生まれ変わった。そのきっかけは大きく分けて以下の3つ。

①少女が弾くピアノから受けて感動した。
②仲間(雷也と次郎)との出会いと別れ。
③稲見教官の指導。

御子柴の生まれ変わるきっかけ①:少女が弾くピアノから受けて感動

島津さゆり(本名でなくプリズンネーム)医療少年院の年1回行われる合唱会で、「ベートーヴェン・ピアノソナタ第23番ヘ短調〈熱情〉」を弾いた。

御子柴は彼女のピアノに魂を突き動かされるような感動を覚えた。

合唱会後。頼み込んで、週1回だけ島津さゆりの演奏を聞いた御子柴。さゆりのピアノを聞き始めてから御子柴の内部で変化が起きる。

怒りの感情、美しさを感じる心も取り戻す。そして、佐原みどりを殺したころを後悔する。御子柴は相手が誰でも良かったし、ただ殺したかったから殺した。大人が理解しやすいように殺害後にオナニーした、と答えていた。今では殺害を悔やみ、夢でみどりから責められた…。

御子柴の生まれ変わるきっかけ②:仲間(雷也と次郎)との出会いと別れ

嘘崎雷也(16才)は「一度資格をとったら敗訴を続けようが犯罪を犯そうがはく奪されず、定年も無い」という理由で弁護士を志望していた人物。

ある年の暮れの体育の時間。柿里が「雷也の母親も嘘吐き」と暴言を浴びせる。怒った雷也は暴力沙汰を起こし、反省房へ2週間入った。そこから出てきた直後、母からの手紙を受け取った。翌朝、雷也は自室で自殺!(舌を出したまま机から飛び降りて舌を噛み切った。)

母からの手紙は絶縁状だった。雷也は父親殺しの罪により、少年法で最高刑の懲役15年だった。母親への暴力が殺害動機。雷也は母が待ってくれると信じていた。しかし母は再婚するため、雷也との縁を切った。御子柴は、柿里に責任がある、と稲見に詰め寄った。しかし、院生の処分を親権者に知らせるのは当然。肉親の手紙を院生に渡すのも義務。柿里は罪に問われなかった…。

夏本次郎は、雷也と御子柴とつるんでいた。しかし雷也が自害し、葬儀が終わったあと、脱走を決意する。御子柴も協力することになった。脱走の途中、稲見に見つかってもみ合い、鋭く尖らせた歯ブラシの柄を稲見の左ももに突き刺した。なお、このケガが原因で稲見は車イス生活となり、矯正局職員も辞めた。

脱走に成功した次郎だったが、車にひかれて死亡。御子柴は自分が殺したと激しく後悔する。

御子柴の生まれ変わるきっかけ③:稲見教官の指導

稲見教官は、御子柴に刺され入院。退院後に御子柴と再会したとき、夏本次郎の事故死の原因となった御子柴を責めた。そして「償え」と言葉をかける。

「後悔なんかするな。悔いたところで過去は修復できない。謝罪もするな。いくら謝っても失われた命が戻るわけじゃない。その代わり、犯した罪の埋め合わせをしろ。(中略)外道が人に戻るには償い続けるしかないんだ。死んだ人間の分まで懸命に生きろ。

(中略)自分以外の弱い者のために闘え。奈落から手を伸ばしている者を救い上げろ。それを繰り返して、やっとお前は罪を償ったことになるんだ。」

出典「贖罪の奏鳴曲」文庫本p276-277

この償いは死ぬまで続く。そして償いは義務でなく、罪びとに与えられた資格であり、権利でもあると稲見は言う。放棄すれば死ぬときに後悔する、と…。

御子柴は弁護士となった今でも稲見教官の言葉を思い出す…。

ラストの結末

原作『贖罪の奏鳴曲』のラスト付近で、なんと御子柴が安武里美に刺される!

里美の逆恨みの犯行。御子柴がいじめ加害者を弁護したことで、「悪魔」と糾弾していた里美。

御子柴は意識が遠のく中で、少年時代に殺害した佐原みどりの痛みを想像し、謝る。渡瀬警部が駆けつけてくれて御子柴は救急搬送された。

原作では御子柴の生死は不明。さらに、御子柴がみどりの母に毎月100万円を送金していたことが判明。実入りの悪い弁護をするのも「自分が救われたいから」と渡瀬は推測。つまり贖罪を意味するので、原作タイトルは御子柴の生き様を意味しているのかもしれません。

原作『追憶の夜想曲(ノクターン)』のネタバレ


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あらすじ

少年犯罪の過去を持つ、「悪辣弁護士」御子柴礼司が甦った! 岬検事との法廷対決の行方は?豪腕ながらも、依頼人に高額報酬を要求する“悪辣弁護士”御子柴礼司(みこしばれいじ)は、夫殺しの容疑で懲役十六年の判決を受けた主婦の弁護を突如、希望する。対する検事は因縁の相手、岬恭平(みさききょうへい)。御子柴は、なぜ主婦の弁護をしたのか? そして第二審の判断は……

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事件

津田亜希子による夫・津田伸吾殺害事件。

登場人物

【法曹界】

・宝来 兼人(ほうらい・かねと)…津田亜希子の前担当弁護士。御子柴に脅されて弁護を代わる。

・谷崎 完吾(たにざき・かんご)…東京弁護士会前会長。

・岬 恭平(みさき・きょうへい)…津田伸吾殺害事件の控訴審で御子柴と対峙する検事。

・横山(よこやま)…岬検事の事務官。

【津田家】

・被告人・津田亜希子(つだ・あきこ)…夫殺しの犯人として逮捕された。浮気相手と一緒になりたい、無職の夫がうざかったから殺害したと自白。証拠もそろっている。それでも、ひたすら減刑を望む身勝手な発言を繰り返す。原作序盤から真実を御子柴に告げていないことが明示されている。

・被害者・津田伸吾(つだ・しんご)…亜希子の夫。リストラされたあと、家で株取引を主にしていたが実質は無職。妻に包丁で刺されて殺された。

・津田美幸(つだ・みゆき)…13才。伸吾と亜希子の長女。

・津田倫子(つだ・りんこ)…6才。伸吾と亜希子の次女。

・津田要蔵(つだ・ようぞう)…70才。伸吾の父親。亜希子の義父。近所に住んでいる。元教師で民生委員。亜

【世田谷警察署】

・神山 康夫…世田谷警察署の司法警察員で警部補。亜希子の調書を作成した。

・高木 勝也…世田谷警察署の司法警察員で巡査部長。要蔵の調書を作成した。

・黒田 杜夫(くろだ もりお)…世田谷警察署の司法警察員で巡査部長。吉脇の調書を作成した。

・初田(はつだ)…世田谷警察署強行犯係で津田亜希子の事件の責任者。

【関係者】

・吉脇 謙一(よしわき・けんいち)…亜希子が勤める緑川会計事務所の公認会計士。吉脇は否定しているが、亜希子が想いを寄せている人物。

・成美(なるみ)…亜希子の実母。控訴審を傍聴しに来る。

・紅林(くればやし)…八王子メディカルセンターの産婦人科医。津田美雪と倫子をとりあげた。

・高峰(たかみね)…津田亜希子たち一家が福岡に住んでいた頃、当時の町内会長だった人物。現在86歳。

・溝端 庄之助(みぞはた・しょうのすけ)…元医者。いわゆる町医者。現在は福岡市早良区飯倉在住。妻は5年前に亡くなった。足が不自由。

・青柳 俊彦(あおやぎ・としひこ)…茅場町にある東京モーゲージという金融業に従事し、不動産や証券の担保融資で津田伸吾を担当。津田家に督促へ行くが、いつも子供をだしに居留守を使われていた。

【過去の人物】

・稲見(いなみ)御子柴の元・担当教官。

・麻理香(まりか)…女児グループのボス格。津田亜希子が福岡県から兵庫・神戸市に引っ越した小学4年生の時の同級生。麻里香は生贄としていつも誰かをいじめていたが、亜希子にグループ入会のテストの行為(=朋美へのいじめ)をさせる。

・朋美(ともみ)…麻理香にいじめられていた女の子。亜希子の数少ない話し相手。5歳の頃からピアノを続けており、ショパンの「ノクターン第二番」をいつも学校で弾いていた。麻里香に脅された亜希子から、水をかけれてしまい、ピアノも故障した。※

※朋美と亜希子のその後:10年後の平成7年1月17日、亜希子は神戸に起きた大震災で父を亡くした。(母は助かった)。葬儀場で朋美が棺に向かって手を合わせていることを発見した亜希子。棺の上にはあの「ノクターン第二番」がラジカセから流れていた。朋美に声をかけず、亜希子は逃げた。罪悪感からだ。父を震災から護(まも)れなかったことも悔やんだ。朋美と父のことが、亜希子が大切なものを護っていく決心になっていく…。

犯人と被告の病気と犯行動機

真犯人は、長女・津田美幸。

被告が犯行をできない理由は、病気。「先端恐怖症」であると元医師の溝端が証言した。

美幸の犯行動機:性的虐待されていたから。相手は父でなく祖父・要蔵。父は気づいていたのに、口止め料として1回10万円を請求。つまり、父が祖父に娘の体を売っていたと同然。だから父への殺意が芽生えた。

御子柴が津田亜希子の事件を担当した理由

津田亜希子の担当弁護士は元々、宝来が担当していた。なのに御子柴が、非弁行為を指摘して脅しをかけ、担当を奪い取った。

なぜ御子柴はこの事件を担当したかったのか。理由は、御子柴が14歳のころに殺害した佐原みどりの親族だから。

佐原みどりの姉が津田亜希子だったから。

裁判中に、亜希子がナイフ一本も逃げれない先端恐怖症になった原因=トラウマについて検察から疑問を投げられた。

御子柴は、亜希子の妹(当時5歳)が「死体配達人」の少年Aによって殺害されたことを法廷で明かす。

そのとき、傍聴人席にいた成美(なるみ)=佐原成美は叫んだ。

「その男を、その弁護士を逮捕してください」
(中略)
「その男はわたしの娘を、みどりを殺した園部信一郎です」

声の主は亜希子の母親――佐原成美だった。

出典「追憶の夜想曲」文庫本p381

ラストの結末

法廷で「死体配達人」とバレた直後、御子柴は弁護人を解雇された。

しかし岬判事が要蔵を追い詰めるだろう、とその後を予感させる。

津田家にあった避妊具の空き箱に要蔵の指紋が検出されるはず。もちろん強姦の被害者・美雪の証言もとる。

「美雪は従順だった」と要蔵は言い訳しているが、どこまで通用するのかは疑問だ。

原作「恩讐の鎮魂歌(レクイエム)」のネタバレ


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あらすじ

恩師と向き合う悪徳弁護士・御子柴礼司。「贖罪」の意味を改めて問う、感涙のリーガル・サスペンス。少年時代の凶悪犯罪が暴露され、悪評が拡散する弁護士・御子柴。勝率九割の敏 腕も依頼者が激減、事務所移転を余儀なくされた。そんなとき少年院時代の教官が殺 人容疑で逮捕され、御子柴は恩師の弁護を力尽くでもぎ取る。罪を自ら認める教官だ ったが、御子柴の弁護法廷は驚愕の展開に!

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事件

稲見・元教官による介護士殺人事件(特別養護老人ホームにて、入所者の稲見が花瓶で殴打して男性介護士を殺害した)

登場人物

【被告人と家族】

・稲見 武雄(いなみ・たけお)……75才。口論の末、花瓶で栃野を殺した犯人。下半身不随のため車イスで生活。御子柴の医療少年院時代の担当教官。

・石動恭子(いするぎ・きょうこ)…稲見武雄の前妻。北九州市に在住。武雄が息子の万引きが発覚したとき「中学生なんだからするだろう」と息子を信じなかった。その件で、武雄と夫婦を続ける自信をなくしたという。

・石動武士(いするぎ・たけし)…武雄と恭子のひとり息子。約10年前に事故死した。駅のホームから転落した老人=後藤清次を助けたが、自分はホームに上がるのが遅れ、電車に轢(ひ)かれた。

【老人ホーム『伯楽園』】

・栃野守(とちの・まもる)…享年46才。被害者。介護士。稲見に花瓶で殴られて死亡。日ごろから入所者を虐待していた疑いがある。しかも口論になった稲見とは普段、担当者ではなかったという。父は約10年前に病死。母の一美(かずみ)は存命。

・角田寛志(つのだ・ひろし)…施設長。頭頂部がすっかり薄くなったタマゴ型の顔。施設の虐待を知らなかったことにする小悪党。

・前原譲(まえはら・ゆずる)…若い介護士。栃野とペアを組んでいた。面長でひょろりとした体格。前原が席を外した数分間に稲見による撲殺事件が起きた。

・漆沢健郎(うるしざわ・たけお)…介護士。レスラーのような風貌。稲見の担当者。

・久仁村兵吾(くにむら・ひょうご)…入所者。丸顔で凶暴そうな男。

・後藤清次(ごとう・せいじ)…入所者。骨粗鬆症(こつそしょうしょう)。認知症。車いすは使用していないが足腰は弱い。

・臼田泰助(うすだ・たいすけ)…入所者。車いすで、顔中の肉がそげ、骨の形がわかるほど。

・小笠原栄(おがさわら・さかえ)…入所者。小柄で小学生のようだが、理性を感じさせる老女。花壇でよく音楽「レクイエム」を聞いている。

・籾山すみ(もみやま・すみ)…入所者。90才を超え、女性だが艶っぽさは完全に消えている、車いすに乗る老婆。重度の認知症。

【法曹界・警察】

・敦賀真樹夫(つるが・まきお)…稲見のはじめの国選弁護士。第一東京弁護士会の所属で、ヤメ検弁護士。御子柴の差し金で、反社会勢力に揺さぶりをかけられ、担当を御子柴に譲った。

・菅山(すがやま)…川口署の若い刑事。

・谷崎 完吾(たにざき・かんご) …東京弁護士会の元会長。御子柴のことを目にかけている。御子柴は、稲見の国選を敦賀が辞任したときに御子柴自身が選ばれるよう谷崎に頼んだ。

・矢野(やの)…稲見の裁判の担当検事。

・渡瀬(わたせ)…埼玉県警所属。猟犬のような男、と御子柴に評される。栃野の過去を調べてみろ、と御子柴に助言した。栃野は過去に転覆事故で暴行事件を起こしていた。

・光崎藤次郎(みつざき・とうじろう)…浦和医大の法医学の教授。その世界で指折りの執刀医。栃野の司法解剖を担当した。

【韓国籍ブルーオーシャン号転覆事故】

・日浦佳織(ひうら・かおり)…当時20才。単独で観光旅行の岐路の船で、栃野に暴力で救命胴衣を奪われた。その後、行方不明のまま。動画に残っていたため裁判になったが、「緊急避難」に当たり、証拠も少ないということで無罪となる。

・日浦頌栄(ひうら・しょうえい)…ひとり娘・香織の父。妻は栃野の無罪判決の2年後に子宮がんで死亡。愛知県多治見で、織部焼の工房を営む。頌栄の両親=香織の父方の祖父母は逝去している。母方の実家の方は、(香織の)祖父は脳溢血で死去。祖母は縁が遠く現在の状況を知らない、と言う。

【その他】

・山崎岳海(やまざき・たけみ)…広域暴力団 宏龍会(こうりゅうかい)渉外委員長。実質的にはナンバー3の地位。御子柴に顧問弁護士を依頼。一度は保留されたが、稲見の弁護士に担当を降りてもらう行動をして、交換条件に顧問になってもらった。

・栃野一美(とちの・かずみ)…栃野守の母親。千葉県浦安市に在住。船舶事故以来、息子が凶暴なままなことは知っていた。一美いわく、守はおとなしい子だったが船舶事故の裁判以来、世間からバッシングされて悪魔のような怪物になったという。

犯人と判決

殺害の実行犯は、稲見 武雄で間違いない。

しかし、栃野と稲見が口論していたことは嘘。骨粗しょう症の後藤が暴力を受けていたため命の危険があり、助けたのだ。

しかも、稲見が「伯楽園」に入所した理由は、テレビで後藤を見つけたからだ。後藤は息子が命を投げ打って助けた人物だ。

つまり、息子が守った命=後藤を助けるための殺害だった。

御子柴は、第三者を助けるための「緊急避難」であり、そこに殺意はない、すでに贖罪の念を抱いており、刑罰を与える意味はないと主張。

それでも、稲見は罰を受けることを望んでしまう…。

判決は、懲役6年となった。

しかも稲見は控訴はしないと決めた。

どんでん返しの真犯人(?)

著者・中山七里さんお得意のどんでん返しが用意されています。それは…

なんと、入所者の老女・小笠原栄は介護士・栃野を恨んでいて、殺害したかったのです。

栄は、船舶事故で栃野に殺された女性・香織の祖母。(母方の祖母です。)

栄もテレビで「伯楽園」を見て、施設で栃野が働いていることを知って入所。

ひ弱な自分では栃野に復讐できないから、唯一対抗できそうな稲見に「後藤を助けて」と毎日毎日、頼みこんだ。

栄は稲見の男の部分(英雄行為・義理人情など)を刺激し、利用したのだ。

だが、殺人教唆(きょうさ)に問えない、と御子柴もあきらめた。

結末

稲見は小笠原栄の目的を知っていた。彼女の復讐と関係なく殺害してしまったという稲見。外道だから報いをうけるのだと持論を譲らなかった。

御子柴は、稲見と小笠原を「殉教者」(自らの信仰のために命を失ったとみなされる者のこと。)だと思った。

その後。「緊急避難」を争点にした裁判で注目されたため、御子柴の事務所に顧問契約を結びたいという上場企業からの申し出が2件舞い込む。

しかし裁判で負けて恩師を救えなかった御子柴は、自己嫌悪になる。弁護士も辞めようとしたが、津田倫子の手紙で救われる。やっぱりいい先生だと思いますと褒め、大きくなったら御子柴のような弁護士になると書かれていた。読む文字が涙でぼやけていく…。

原作「悪徳の輪舞曲(ロンド)」のネタバレ


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あらすじ

報酬のためには手段を選ばない悪徳弁護士・御子柴礼司の前に、妹・梓が三十年ぶりに現れる。梓の依頼は、旦那殺しの容疑で逮捕されたという母・郁美の弁護だ。悪名高き〈死体配達人〉が実母を担当すると聞き動揺する検察側。母子二代に渡る殺人の系譜は存在するのか? 「御子柴弁護士」シリーズの最高傑作。

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事件

夫を偽装自殺で殺害した事件。容疑者は御子柴礼司の母:郁美。

登場人物

【御子柴礼司の家族】

・成沢郁美(なるさわ・いくみ)…旧姓は薦田(こもだ)。再婚相手を殺した殺人容疑で逮捕された

・園部謙造(そのべ・けんぞう)…郁美の前の夫。息子で、14才の御子柴が逮捕後に自殺。

・薦田梓(こもだ・あずさ)…殺人犯の家族にした兄・御子柴礼司(≒園部信一郎)を嫌うが、母の弁護を依頼する。

【被害者】

・成沢拓馬(なるさわ・たくま)…郁美の再婚相手で資産家。婚活パーティーで郁美で出会い再婚。

・成沢佐希子(なるさわ・さきこ)…成沢の前妻。平成22年の三軒茶屋・無差別通り魔事件の犠牲者。享年67。

【法曹界】

・槙野晴生(まきの・はるお)…郁美の事件を担当する検事。

・額田順次(ぬかた・じゅんじ)…槙野の先輩検事。最高検の検察官。感情に訴えず法理論を展開するスタイル。「バッジをつけた法理学者」とあだ名を献上されている。御子柴に医療機器を法廷に持ち込まれた経験から、後輩の槇野に甘く見ないように助言をする。

・南条実希範(なんじょう・みきのり)…郁美の裁判の裁判長。任官12年のベテラン。

・平沼慶子(ひらぬま・けいこ)…判事。郁美の裁判の右陪審。任官7年目の中堅。

・三反園浩志(みたぞの・ひろし)…判事補。任官2年目。

【成沢の関係者】

・船岡(ふなおか)…婚活サービスの会社、トレジャー出版の社員。成沢と郁美の面接を担当している。

・木嶋(きじま)…世田谷区三軒茶屋の成沢宅の隣人。70過ぎにみえる主婦。成沢と郁美は夫婦仲が良かった、自殺騒ぎの前々日にも夫婦仲良くガーデニングの廃材をまとめてゴミ集積所に出していた、と証言。

・町田訓也(まちだ・きんや)…5年前、当時31歳の平成22年、三軒茶屋駅前・通り魔殺人事件を起こした加害者。死亡者3名・重軽傷者4名の被害を出す。心神喪失のため不起訴となった。

・来生友則(きすぎ・とものり)…弁護士。町田訓也の通り魔事件の被害者たちが民事で集団訴訟を起こしたときの弁護団・団長。合計2億円を超える賠償金だったが、判決後に町田の両親は失踪。町田本人も医療機関に入院中。「法的に被害者たちができることはなくなった」と悔しい気持ちでいる。なお、妻が殺害された成沢拓馬は民事訴訟に参加していない。

【郁美と梓・園部家の関係者】

・高須建朗(たかす・けんろう)…群馬県館林市在住。70代の老人。薦田母子が住んでいたころのお隣りさんで、家主。薦田梓の婚約者側が依頼した興信所が訪ねてきたときには、死体配達人の件を話す。好奇心と嗜虐(しぎゃく)心を満足させたいのがありありな人物。

・常滑弘幸(とこなめ・ひろゆき)…名古屋市昭和区御器所(ごきそ)町に在住。薦田母子が住んでいた長屋の家主。80を超える老人。不良腐ループの三府県にまたがるリンチ殺人によって、「死体配達人」も明るみになったことを明かす。「郁美は被害者。」と心配している人物。

・春山(はるやま)のおばあちゃん…御子柴が園部信一郎だったころの実家・福岡市早良区の園部家の隣り近所のおばあちゃん。御子柴との約30年ぶりの再会に「ひい」と叫んで逃げた。

・丙(へい)…不動産屋の二代目経営者。福岡市早良区の園部家の跡地(=今は駐車場)の管理会社。

・堂場(どうば)…フクダ生命保険の社員。御子柴の父・園部謙造の保険内容を御子柴へ伝える。

・波多野信夫(はたの・のぶお)…優秀で「伝説の保険調査員」。園部謙造の保険に不審な点がないか調査をして妥当と判断した。

・友原行彦(ともはら・ゆきひこ)…福岡県警刑事部捜査一課の刑事。30年勤続。園部謙造の事件を担当していた。槙野検事に、郁美による成沢の偽装殺人と謙造の自殺が酷似していると伝えた人物。謙造が殺害されたとしても時効だが、裁判官の心証には影響するという目論見。

【その他】

・小曾根亮司(こそね・りょうじ)…大田区蒲田で町工場・小曾根工業を営む。成沢の前妻と同じく、亮司の父親は無差別殺人に巻き込まれた。合理的な判断で集団訴訟に参加しなかった成沢のことを、酒の席では「犯人への恨みを語っていた、憎しみを貯めた方が供養になると言っていた。」という新証言を御子柴に話す。

・小曾根淳吉(こそね・じゅんきち)…亮司の亡き父。町田訓也のワゴン車で轢き殺された。

・氏家京太郎(うじいえ・きょうたろう)…氏家鑑定センターの所長。御子柴が鑑定をよく依頼する。

・室井(むろい)…裁判時の郁美の担当・戒護員(刑務所内の保安を維持する仕事の人)。郁美の最終弁論のあと、郁美の要望で5分だけ耳をふさいだ。なお、この5分で郁美は御子柴の父の死の真相を話す。

犯罪者家族の苦悩

御子柴は郁美の30年間について知るため、住んでいた場所を巡った。

故郷の福岡を離れたあと転居を繰り返した郁美と梓。

群馬の舘林では地域ぐるみで迫害された。名古屋では家賃2万円長屋に住んだ。梓は努力して進学校に入学したが、不良たちが起こした猟奇殺人事件がきっかけで園部信一郎の少年事件も知れ渡る。窓ガラスを割られるなど迫害され、また引っ越す…。

梓は縁談があったが身辺調査をして少年A=死体配達人の妹とバレて破談になった。

そんな中、婚活パーティで出会った成沢から交際を申し込まれ、結婚へ至る。成沢が資産家だとは後から知ったという。

御子柴の父の死に疑惑が!

警察は、29年前に自殺した御子柴の父親・園部謙造の自殺が、郁美が保険金目的で殺したという疑惑を提示。

謙造も成沢も同じく、鴨居に吊り金車を取り付けてあり、女性でも引っ張れるようにした痕跡があった。

逃げるために自殺したと思っていた父の死の疑惑に、御子柴は動揺する。

29年前の当時、郁美は刑事の事情聴取に「息子さえあんなことしなけりゃお父さんも死なずに済んだ」と答えていたというが…。

解決編と残酷な真実

御子柴はヒノキの耐荷重の鑑定を依頼した氏家所長を証人として呼んだ。法廷に機材を持ち込み、自殺現場を再現。すると、吊り金車は人の体重に耐えられなかった。現場に残された吊り金車の取り付け跡はダミーの可能性が高い。

さらに縄から採取された郁美の皮膚片は事件発生時に付着したものではなかった。付着した木片はガーデニングで使用した枕木だった。木をまとめるときに頑丈に縛ったのが郁美だった。(隣人の木嶋も木材をゴミに出しているところを目撃している。)

→この縄の皮膚片が物的証拠、鴨居に残った吊り金車の取り付け跡が女性でも男性を引っ張り上げられるという偽装自殺の根拠。
しかし、両方とも「作為的(=わざと行ったこと)」と感じた御子柴。

⇒つまり、成沢が郁美に殺されたように見せた。その準備をして自殺したこと。

成沢の結婚と自殺の理由

成沢の前妻・佐希子は通り魔事件で殺された。小曾根享司の父親も死んだ犠牲者の1人。成沢は犯人を憎んでいたが、一般家庭に7家族分の慰謝料は払えないという理由で原告団に参加しなかった。

事実、裁判は無駄骨に終わった。生前の成沢が「どうせ1円も取れないなら、裁判せずに憎しみを溜め込んだほうが供養になる」と言っていたという。

さらに成沢のパソコンには『少年犯罪ドットコム』『加害者家族の足取りを追え!』などのサイトの閲覧履歴があった。そこには「死体配達人」のことや、薦田(園部)郁美の名前と顔があった。

⇒つまり、成沢は愛情ではなく「代償行為としての復讐」として郁美と結婚。自殺をして、罪を妻にかぶせる、そのために…。

これは想像だと検察は指摘。

しかし御子柴は10人内9人に当てはまる常識だと反論。理解しかねる検察官に、以下のように告げた。

「早い話がね、検察官。あなたは公人としても私人としても、裁かれなかった極悪人を憎く思わなかったことがあるかという問題なんだ。ここにいるかつての〈死体配達人〉をこの世から抹殺すべきだと一瞬でも考えたとしたら、あなたも成沢氏と同類ということなんですよ。」

出典「悪徳の輪舞曲」文庫p356

誰もが成沢の動機に納得した。(みんな悪人を裁きたい心があるからでしょう。)

どんでん返し:御子柴の父の死の真相

最後の最後に、著者お得意のどんでん返しが待ち受けていました・・・。

御子柴が率いる弁護側が有利の中、郁美の判決が言い渡される前に、御子柴は弁護人を降りた。

なぜなら・・・

御子柴の父の死・の真相が、御子柴には信じられなかったから。

その真相とは、郁美が夫・園部謙造の自殺を手伝ったこと。

謙造は、息子・御子柴の将来の負担にさせたくない一心で、保険金3千万のために自害した。

佐原みどりちゃんの遺族からの慰謝料は8000万円なので足りないが、少しでも足しにしたかった。

本当に息子のために必死だったという。

しかし御子柴が受け入れられず、立ち去る。帰る途中、倫子と出会う。ピンクの蘭の花を一輪プレゼントされた。*

倫子は、お母さんのことが好きだという。御子柴は生まれて初めて他人をうらやましく思った・・・。


*蘭(らん)全般の花言葉は「美しい淑女」「優雅」。 蘭(ラン)全般の英語の花言葉は「love(愛情)」「beauty(美)」「refinement(上品、優雅)」「beautiful lady(美しい淑女)」。

なお、ピンクの胡蝶蘭(コチョウラン)の花言葉は「あなたを愛します」です。倫子が本当は「コチョウラン」がいいって言われたのは「開店祝い(事務所の引っ越し祝い)」の意味でしょう。けれどお小遣いが足りなくて買えなかったと言っています。ピンクのコチョウランを調べたら、ああ納得、という作者の作戦かもしれません。

【悪魔の弁護人・御子柴礼司】の最終回ネタバレ予想

ドラマ【悪魔の弁護人】は原作があるため大きく変わらないでしょう。

テーマ的に「贖罪とは何か」を問い続ける作品になります。

ドラマでの事件は、ケース1「津田亜希子の夫殺害事件」(「追憶の夜想曲」)、ケース2「稲見・元教官による殺害事件」(「恩讐の鎮魂歌」)が放送前の段階で扱うことになっています。

残りは、御子柴の母の事件(「悪徳の輪舞曲」)や、障がい者を隠れみのにした事件(「贖罪の奏鳴曲」)が描かれることでしょう。

原作結末で描かれたのは、父が自殺した真相。御子柴の犯罪の慰謝料を少しでも返すための想いからでした。

そんなことは嘘だとつっぱねて、「信一郎」と呼ばれたのに、「わたしの名前は御子柴礼司だ」と母に告げて去ります。

なんとも寂しい別れです。親を捨てるバッドエンドに近いです。

(裁判が終われば母と会うことはなさそうなので、あの名前の言い方は、親と縁を切る宣言に聞こえます。)

後味を考慮するなら、ドラマ的には「嘘だ」と突き放さないラストに改変してもありかもしれません。


原作4冊を読んだ感想としては、御子柴のように一生をかけて償い続けることができるのだろうか、と感服します。強くて、まさにダークヒーローです。

いい恩師に出会ったこと、そして音楽の力も感じてやみません。あのピアノの少女はシリーズで再登場するのでしょうか。原作の続編も期待してしまいます。

そして、悪人を断罪すると気持ちいいのですが、正義感をふりかざすのはやめたいもの。成沢の「復讐の代償」行為は、自分にもあるなあと読んでいて説得力あったのですが、その臨場感をドラマでどう伝えてくれるのか楽しみです。

最終回ネタバレ(確定)

原作「悪徳の輪舞曲」では、ケンカ別れのようなラストだったのですが…

ドラマ『悪魔の弁護人』では、父が息子のため・保険金のために自殺したと知り、「すまない」と母・郁美に謝罪した御子柴。

連ドラの最終回でバッドエンドは後味悪いので、改心した御子柴に変えてきました。

これはこれでアリでは?

【悪魔の弁護人・御子柴礼司】のまとめ

「オトナの土ドラ」枠は、前々作【それぞれの断崖】の不評を挽回するかのように、前作【リカ】は怖くて面白いと好評でした。

2019年から2020年の冬。オトナの土ドラらしいサスペンス風味の弁護士ドラマが誕生!

正義、贖罪についても考えさせられるヒューマン・法廷ミステリーです。

罪を犯した過去をもつ「悪魔の弁護人」の活躍を、ぜひ見届けましょう。

悪魔の弁護人

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