【虎に翼】14話ネタバレ吹き出し感想/戦えない女への眼差しや二重構造の脚本に賞賛
伊藤沙莉さん主演の朝ドラ【虎に翼】第14話が4月18日(木曜)に放送。
よね(土居志央梨)の貧しい生い立ちを知るが、かける言葉が見つからない女子部の面々。寅子(伊藤沙莉)は「毒まんじゅう事件」の再検証をしようと皆に提案し…。
放送後、戦えない女への眼差しや二重構造の脚本に賞賛の声が挙がっていました。
今回は【虎に翼】第14話のあらすじネタバレ・吹き出し・感想について。
【虎に翼】14話のあらすじネタバレ・吹き出し
よね(土居志央梨)は貧しい生い立ちを明かし、涼子(桜井ユキ)や寅子(伊藤沙莉)など、同級生らが恵まれていることに憤りを感じることを告白する。かける言葉が見つからない寅子は「毒まんじゅう事件」の実際の判例を再検証しようと提案する。はる(石田ゆり子)と花江(森田望智)の力も借り、実際にまんじゅうを作ってみることにする寅子たち。
すると、致死量となる防虫剤は大量に必要なため、毒まんじゅうで人を殺すのは無理だという意外な事実が判明する。
甲子が無知だったゆえの結果だ。無知だから乙蔵は殺せず、背負う罪は重い…みじめで愚かな行動に出てしまった。それだけだ。
戦わない女性たち、戦えない女性たちを愚かなんて言葉でくくって終わらせちゃ駄目!
寅子は偉そうに言えないけど「人としてダメ」だと、よねに反論した。
涼子が言いづらそうに、学長が毒まんじゅう事件の話を改変したことを明かした。甲子は法廷劇とは違い、婚約予約不履行の民事訴訟で勝訴。乙蔵は甲子に七千円支払ったという。また、甲子の職業も女給でなく医師で、毒はチフス菌だった。甲子をかわいそうな人物として描くことで同情を集めるため、学長が話を大きく変えていた。つまり、女子部が都合よく使われていたのだ。
この事件の胸くその悪さはこれか。ふざけやがって
よねは憤慨する。寅子たちも怒っていた。(つづく)
【虎に翼】14話の感想
戦えない女への眼差しに共感
戦えない女への眼差しにSNSで共感の声があふれていました。
14話!「戦わない女、戦えない女を愚かだと言うな」の寅子がまぶしかった。だからこそ寄り添いたいと思って話し合ってた対象が改ざんされたもんだとは。あそこまで一緒に優しい気持ちになってたからこそ、すごく腹が立ったよ。「怒り」をもたせてくれる脚本すごく好き。
— ま (@1031Ap) April 18, 2024
#虎に翼
「戦う女」「戦える女」「戦わない女」「戦えない女」との間の分断は、男社会が生み出しているものなんだから、女たちはそれに乗ってはいけないんだ。#虎に翼
— すいか🐰 (@suika1015) April 17, 2024
よねさんの生い立ちを聞いた上で「戦えない女を馬鹿にするのは違う」ってちゃんと言える寅子……法を武器にと進もうとしてる学舎の教師陣にすら、女を都合よく利用されている流れ😂#虎に翼
— おおむら (@oomurice1) April 18, 2024
よねさんの生い立ちを聞いた上で「戦えない女を馬鹿にするのは違う」ってちゃんと言える寅子……法を武器にと進もうとしてる学舎の教師陣にすら、女を都合よく利用されている流れ😂#虎に翼
— おおむら (@oomurice1) April 18, 2024
寅子の「戦わない女たち、戦えない女たち」への思いが描かれていました。
よねのように戦う人は凄いけれど、そうでない人を見下していい理由にはなりませんよね。
劇の女性ヒロインは、貧乏(女給)で、可哀想(婚約破棄の訴訟で敗訴)じゃないと同情を集められない……という思い込み、呪いのもとに改変されていました。
それって朝ドラのヒロインや連ドラ主人公が貧乏で何か抱えていなきゃ物語にならないと思われているのか、ワンパターンな感じに造形されていることに通じます。
そういうワンパターンな人物造形って、どこかで視聴者が見下されているのかもしれないですね。
だからこそ寅子が普通の人として描かれいるのかな。ただ、信念だけはある人物ですが…。
二重構造の脚本に賞賛
法廷劇の元ネタは1939年に兵庫県で起こった「チフス菌饅頭事件」です。Wikipediaにも掲載されているし、簡単に調べることができます。簡単にいうと、男に貢いだ揚げ句、裏切られた女医が饅頭(まんじゅう)にチフス菌を混入させて食べさせたという事件です。
女医・広瀬菊子は貢いでいた佐藤幹男とは内縁の関係だったようです。Wikipediaには婚約不履行の裁判のことは掲載されていませんが、文春の記事でこんな箇所が↓
「せっかくの楽しい結婚生活を夢見て、女のか弱い細腕で世の荒波に希望の丘を望んだのも水泡となり、ついに12年2月、7000円をもらって正式離別され、悶々の日を送ったが、再び佐藤氏の心が帰らないのを知って慕しさ余って憎さを募らせ……」
https://bunshun.jp/articles/-/38812?page=2
裁判かどうかは不明ですが、婚約破棄の慰謝料7千円をもらっているのですね。
史実をエンタメに改変するのが朝ドラの定番ですが・・・劇中劇で史実を改変して見せてきて、それが女性を見下している学長の思惑だったという二重構造にしてきていて、元ネタの出し方、明かし方が上手い脚本です。
SNSでも賞賛の声が…
今日は #虎に翼 観られなかったからようやく今14話を観たが…おおお!?史実の毒饅頭事件との違いをそう絡めてくるのか…寅子とよねが饅頭作ってるのも含めて、このドラマの脚本ほんと先が読めない
— うぇびん(holyKurka) (@webbingstudio) April 18, 2024
朝ドラならではの脚本かと思いきや、ホントは史実で女を舐めてる事勿れ学長が用意した茶番劇だったの、ダマされました。ドラマ脚本が問題な今…このドラマ褒め言葉でヤバいですね!#虎に翼
— らぎ梅☆ (@ragi_keroninred) April 18, 2024
現代はSNSで元ネタはこうなんだよ!美化されてるけどこんなヒドイ主人公なんだよ!と自慢げに投稿する人もいますが、その現象を逆手にとった感じでしょうか。
元ネタを使って学長たちが女性たちを利用していたんだぜ!ってシナリオになってますね。いい意味で、やばい脚本ですね。奥深い!
【虎に翼】14話の出演者・スタッフ
【出演】伊藤沙莉,石田ゆり子,岡部たかし,仲野太賀,森田望智,上川周作,土居志央梨,桜井ユキ,平岩紙,ハ・ヨンス,高橋努,平山祐介,小林涼子,安藤輪子,羽瀬川なぎ,名村辰,
【語り】尾野真千子
【作】吉田恵里香
【音楽】森優太
画像出典NHK