【白い濁流】の原作ネタバレ結末!伊藤淳史が不正に手を染めた理由とは…?

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白い濁流-原作
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【白い濁流】の原作ネタバレ結末!

『白い濁流』原作小説の結末までのあらすじを紹介します。※ネタバレあり

伊藤淳史 主演のドラマ『白い濁流』(NHK BSプレミアム)の原作は、 小説『白い濁流 (食品汚染の恐怖! ! 元食品開発研究者が食品業界の深い闇に鋭く切り込んだ問題小説!)』(著:小薮浩二郎)です。

伊藤淳史が演じる研究者が不正に手を染めた理由とは…?

2021年8月22日に『白い濁流』のドラマ放送がスタート!物語を楽しむために、原作のストーリーを予習・復習しましょう!

ドラマ【白い濁流】の動画(NHKオンデマンド)は、U-NEXTがおすすめ!
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目次

【白い濁流】原作

『白い濁流』原作小説の情報です。

原作:小薮浩二郎「白い濁流」(マガジンランド)

著者:小薮/浩二郎(こやぶ・こうじろう)…岡山県生まれ。京都大学薬学部研究生、静岡薬科大学薬学部研究生。製薬会社研究所研究員、
医薬品、食品添加物の研究開発に携わる。著書に『検証「食品」の闇』(二見書房)、『悲しき国産食品』(三五館)、『食品業界は今日もやりたい放題』
(三五館)、『コンビニ&スーパーの食品添加物は死も招く』(マガジンランド)ほか。

【白い濁流】ドラマ

【ドラマ情報】
タイトル:白い濁流
放送開始日:2021年8月22日~
放送時間:毎週日曜22時~
放送局:BSプレミアム

【白い濁流】の原作ネタバレ…の前に、【白い濁流】の登場人物

ストーリーのネタバレの前に、『白い濁流』に登場する主なキャラクターを紹介します。

キャラクター

  • 好並一樹(よしなみかずき)(伊藤淳史)…京都総合大学薬学部3年。成績はいつもトップクラス。岡山県・有漢(うかん)町出身。家は貧しく、家庭教師のバイトをしている。幼なじみの智子に思いを寄せている。卒業後、大学院へ進み研究を続ける。
  • 柏木(桐山漣)… 一樹の親友。同級生。大学院へ進む。
  • 河原智子(佐々木希)… 京都総合大学法学部3年。岡山県の高校の同級生。大学卒業後、近畿新聞に就職、社会部記者になる。
  • 山本教授(矢島健一)… 京都総合大学の教授。有機合成化学の権威。一樹の指導教官。
  • 北野隆二(西村まさ彦)… 北野製薬の社長。京都総合大の法学部出身。山本教授とは山岳部で一緒の仲。隆二は薬学を学んでいないため、研究所の所長や工場長に内心でバカにされており、隆二の方も不信感がある。
  • 北野芳子(とよた真帆)… 隆二の妻。山本教授の妹。
  • 北野葉子(藤野涼子)… 北野家の長女。京都東女子高校2年。3年時には一樹に勉強を教えてもらう。才色兼備の社長令嬢。のちに京都総合大学農学部へ合格する。

以上、ドラマ放送前に紹介された主要人物です。

以下は原作の人物。(演じる俳優がわかり次第、追記します)

原作で登場するキャラクター

  • 里子 …北野家の家政婦。
  • 北野隆彦(泉澤祐希) …北野家の長男。京都洛東高校3年時、一樹に家庭教師についてもらい、京都総合大に合格する。
  • 増田先生 …岡山県立高梁松山高校の数学教師。一樹の担任。一樹に東大か京都総合大を受けるよう勧める。
  • 清原 …北野製薬 専務取締役 研究所長。研究内容が分からない社長や他人の介入には不満げ。
  • 森山(岡部たかし) …北野製薬 常務取締役 営業部長。40歳すぎで大柄な体格。賄賂(わいろ)などでの交渉が得意。
  • 岡田 …北野製薬 常務取締役 生産部長。もうすぐ定年。
  • 吉田 …北野社長の運転手。
  • 秋山 …北野製薬 工場長。人のよさそうな男。生産部長の後釜を狙っていて、不良品隠しの保身に走る。
  • 品質管理部食品添加物課の課長 …秋山、松本主席とともに不良品を隠す。
  • 朝日 …函館の水産加工会社・朝日食品の社長。保存料のソルボン酸を使ったさつま揚げで異臭が発生。
  • 松本 …北野製薬 研究所 主席研究員。ソルボン酸の不良を知りながら黙っていた共犯者。
  • 秋葉(神尾佑) …北野製薬 食品添加物部門長。九州総合大学 大学院 食品工学の出身。
  • 藤田 …北野製薬 食品添加物部門の若手研究員。一樹の味方。
  • 吉富 …北野製薬 食品添加物部門の若手研究員。一樹の味方。
  • 和田 … 和歌山県在住、サラリーマン家庭の専業主婦。5歳の長男がポテトチップスを食べて嘔吐する。
  • 井上 … 井上食品の社長。ポテトチップスのクレームが続いた。
  • 出口 …北野製薬 安全性研究部門の若手研究者。さっぱりした性格の男。獣医師。
  • 市川大二郎 … 京都総合大学の薬理学の教授。柏木の指導教官。感染症や細菌学の権威。アロマチンの審査委員長。
  • 佐野 … 阪神銀行和歌山支店の融資担当。
  • 村田 … 阪神銀行函館支店の融資担当。
  • 大石進 … 阪神銀行本店 融資部長。北野隆二の大学の同期で、犬猿の仲。高圧的な態度をとる人物。
  • 木田 … 阪神銀行京都支店 支店長
  • 前田 … 民自党所属の衆議院議員。北野製薬が会社ぐるみで応援中。元・財務局の局長。
  • 安田 … 阪神銀行の頭取。
  • 芝崎 … 北野製薬 好並研究室で一樹の研究を補助する若い女性。関西薬科大の出身。
  • 坪井 … 北野製薬 好並研究室で一樹の研究を補助する若い女性。関西薬科大の出身。
  • 岡島 … 北野製薬 合成化学部門の部門長。一樹に先を越されたことを不満に持つ。
  • 中川正 … 北野製薬 合成化学部門の研究者。工学博士。一樹の味方。
  • 加藤 … 北野製薬 安全性研究部門の部門長。獣医師。一樹の味方。
  • 宮辺 … 北野製薬 工業部門の部門長。40過ぎの長身で黒縁メガネの男。秋山工場長とは釣り仲間。途中から一樹の研究チームに加わる。
  • 山中和夫 … 京都総合大学 農学部 食糧化学科 食品衛生学の教授。40過ぎの男。アロマチンの審査委員。
  • 原田 … 北野製薬 総務部長。社長の意向で新聞社へ圧力をかける。
  • 高原 … 北野製薬の工場 作業員のリーダー格の男。のちに係長へ昇進。
  • 菅井 … 東京中央銀行 京都支店 支店長。北野製薬の工場再建のため取引を始める。
  • 桜井 … 東京中央銀行 頭取。
  • 稲谷(45才) … 佐賀県の自動車販売会社に勤務。妻子アリ。最近、足がしびれている。味噌汁の味噌には保存料にアロマチンが使用されていた。
  • 奥田 … 奥田フードケミカル社長。二代目の坊ちゃん。
  • 難波 … 奥田フードケミカル営業部長。会社の経営に不満を持つ。
  • 島田 … 大阪在住の初老の主婦。夫がアイスイートの摂取が原因で亡くなったと思い苦しむ。
  • 稲谷 … 弁護士。島田の訴えを聞くが勝つ見込みがないからと引き受けなかった。

*ドラマでは北野隆彦が北野孝彦(泉澤祐希)に、 北野製薬が北野堂製薬に変更されています。
*紹介は原作の登場順。

【白い濁流】の原作ネタバレ:伊藤淳史が不正に手を染めた理由とは?

伊藤淳史が演じる好並一樹は、北野製薬の不正に手を染めてしまいます。その理由とは?

まず一番初めに隠ぺいに加担したのが、ソルボン酸のときです。

ポテトチップスへ振りかける添加物、いわゆるシーズニングにサルモネラ菌が付着してしまったときです。

一樹は「社長が逮捕されてもいいのか」と回収・公表すべきと言っていましたが、

一樹は社長と相談し、異物混入であると隠ぺいし、自主回収させます。

なぜなのか。原作にはこうあります↓

一樹は被害者のことを考えなかったわけではないのである。被害者は快方に向かっている。それより恩がある社長をピンチから救いたかったのである。

原作小説「白い濁流」132ページ

会社の利益を考えたこと。社長に、家庭教師のとき多大な謝礼をもらったことで恩があったことで、隠ぺいしてしまいました。

最初は、社長のためだったのですが次第にエスカレートします。

一樹は、アロマチンの毒性の高い不純物が研究員にバレたとき、その研究員を追い出すために、火事を起こします。

さらに、北野製薬はタンパク質加水分解物の高濃度ヒ素のことを公表しませんでした。回収しうやむやになります。

一樹は会社や家族を守るためという大義名分で、不正や罪を犯すようになり、白い添加物でにごった濁流=「白い濁流」に飲み込まれてしまったのです。

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【白い濁流】の原作の結末までネタバレ

『白い濁流』原作の結末までのあらすじを紹介♪ネタバレが含まれます。

冒頭は2011年夏。北野製薬の研究所での火災事故の現場。松本主席研究員が白い消火剤に覆われ、倒れています。

床には真っ赤な血が流れていました。

好並一樹(伊藤淳史)は予想外の展開におびえ、呆然と松本を見つめていて…。

1「運命の出会い」のネタバレ

2004年夏。

京都総合大学(東京大学と並ぶ名門の国立大学。モデルは京都大学?)薬学部3年の好並一樹(伊藤淳史)は山本教授(矢島健一)の知人の息子の家庭教師をすることになります。

一樹は岡山の田舎の出身ですが、高校3年時の全国模試で数学・物理・化学・英語で全国トップでした。東大にも行けた秀才です。

家庭教師の相手は北野隆彦で、父親は北野製薬の社長・隆二(西村まさ彦)でした。契約金で50万円、毎月30万円はもらえました。10万くらいと思っていたのに、すごい報酬です。

一樹は地元の国立大を考えていましたが、高校の担任の増田の勧めで京都総合大に変更。同級生の河原智子(佐々木希)と切磋琢磨し、2人は同じ大学へ合格します。(智子は法学部)

しかしこの回想シーンで、神様がいれば2人の淡い恋はいずれ成就、幸せな結末になっただろうという趣旨の文章がはさまれます。何やら不穏な予感?

一樹の教えもあって隆彦は京都総合大に合格します。

その後、隆二は主力の食品添加物の特許があと6年で切れることから、友人の山本教授に新しい食品添加物の研究を依頼。一樹が卒業研究のテーマとして進めることになります。

さらに、一樹は隆二の家庭教師も務めます。北野製薬の幹部が提出した研究計画書を一樹に見てもらうのです。

隆二は一樹のレポートを参考に手書きで書き直し、幹部へ「全部、ダメだ」と通達。そのレポートは幹部は反論ができないほどのレベルでした。

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2「事故死」のネタバレ

第2話では、なんと北野社長の長男・隆彦が交通事故で亡くなります。

一樹が大学4年で。7月のときです。

山本教授が北野社長の妻・芳子(とよた真帆)の兄だともわかります。

山本と一樹は、北野隆二・芳子夫妻と隆彦の妹・葉子(藤野涼子)とともに隆彦の最期を看取ります。

隆彦は最期、一樹に「父と母を頼みます。葉子のことも。葉子の気持ちも考えてやって」と言い残したました。

この隆彦の死は、家の貧富、学歴、人格など関係ない生死の問題。人の世の厳しく無情な現実であり、一樹の人生を変ことになります。

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3「天才の推理」のネタバレ

北野製薬の食品添加物「ソルボン酸」を使って、さつま揚げを作っている会社から北野製薬へクレームが多数きました。

北野製薬は、自前の研究者たちの検査では原因がわかりません。

そこで、隆二は一樹に調査を依頼します。大学生ながら信頼を置いているのです。

隆二は、見事に2日で原因を突き止めました。

ソルボン酸にアミノ系化合物(=不純物)が含まれていて、果糖などの純度が低い砂糖を高温で揚げたとき、アミノカルボニル反応を起こしていました。

異臭がする・しない場合があったのは、さつま揚げに含まれる砂糖の違い。果糖などを使用したさつま揚げだけ異臭がしていました。

そして、なぜ自社の研究者が原因究明できなかったのでしょうか。特に、 食品添加物部門長の秋葉(神尾佑)は農学博士を取得した食の専門家なのに…。

一樹は、秋山工場長と品質管理の責任者が、秋葉に正常なソルボン製剤を渡した、と推理。

一樹の調べが2日かかったのは1日目で正常なソルボン製剤を渡されたため、2日目はクレームを言ってきた食品会社へ材料を取りに行かせたから。

秋山は自分の責任と認めました。しかし一樹は、秋山の心境も理解し、社長に寛大な処分を願い出ます。

隆二は秋山を減給処分にしました。その後、森山営業部長(岡部たかし)が関係会社を訪問し、50万円というクスリをひっそり手渡して交渉。問題のソルボン酸製剤は半額に値引きし、砂糖を純度の高いものに変更して製造してもらうことに。

最悪の場合は損害賠償だっただけに、森山は安堵しました。

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4「ナゾのサルモネラ」のネタバレ(1)

一樹は、北野製薬の奨学金を利用して、大学院へ進学すると決めます。一方、智子は近畿新聞に就職が決まりました。

智子は、北野製薬のクレームのとき、法学部の知識を使ってアドバイスしました。けれど、北野製薬がソルボン酸の特許があることを知らなかった、ともらす智子。

北野製薬が各社より優位な立場にあったのは社会正義の観点から問題、と智子は指摘。さらに、北野製薬は隠蔽体質があるから気を付けて、と忠告しました。

その後。一樹が家庭教師を務めていた葉子(藤野涼子)が京都総合大を受験し合格

そんな中、ポテトチップスのキムチ味で食中毒が起きます。

主婦の和田は、ポテトチップスを食べて嘔吐した5歳の息子を病院に連れて行きます。

しかし医師は、ポテトチップスは高温で揚げるため菌は死滅し食中毒は置きないと言います。

納得できない和田は発売元の井上食品や保健所に問い合わせるも、あり得ないと一蹴されました。

個人で企業に調べてもらうと200万はかかるとのことで、和田は断念。

しかし同じクレームは数件、井上食品にあり、北野製薬へ問い合わせが来ました。

ポテトチップスが高温で揚がったあとにふりかける調味料、いわゆるシーズニングに北野製薬が関わっていたのです。

原因は、北野製薬のキムチ味シーズニング?

営業部長の森山が食品添加物部門長の秋山へ相談。「シーズニングの水分は2%なのであらゆる菌が増殖しない」と秋山は断言します。

困った森山は若い研究員・吉富に相談。秋山のメンツを考えて、部署が違う方がいいと助言。安全性研究部門の若手の出口という研究者を紹介してくれました。

3日後。出口の調べで、サルモネラ菌が発見されます。北野製薬に激震が走りました。

しかし乾燥したシーズニングになぜこれだけサルモネラ菌が繁殖したのかは謎でした。

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4「ナゾのサルモネラ」のネタバレ(2)

隆二は一樹にまた会社のことで相談します。今回は食品添加物から出たサルモネラ菌です。

北野製薬での会議にて。営業部長の森山は食品会社を回って製品を回収しようと提言します。

しかし一樹は反論。被害者が何人も出ていることから、店頭から回収、新聞広告などで通達しないと、死者がが出る、さらに…未必の故意による殺人罪も問われると厳しく指摘。

死者が出なくても食中毒患者が出て傷害罪に問われることもあります。

社長を刑務所に送ってもいいんですか!」一樹は語気を強めて言いました。

隆二は商品を店頭から回収と全国新聞への広告を決断します。

しかし会社は相当な損害が出ます。そこで、一樹は社長と2人で約20分、相談して…

回収理由を、製造工程での異物混入と発表することに!隠ぺいです。

一樹は被害者の幼児たちが快方に向かっていること、医師たちが保健所に食中毒の届けを出していないこと、得意先もサルモネラ菌に気付いていないことを…総合的に考えて、隠ぺいを決断。

一樹は、隆二から家庭教師で大金をもらい、奨学金も出してもらった恩を返したかったのでした。

隠ぺいした事実は、緘口令(かんこうれい:他人に言うのを禁止すること)が敷かれます。

一樹らの調べで、ネズミが原因の可能性を突き止めます。そして、柏木(桐山漣)にサルモネラ菌の血清型(菌型のことで、血清型が同じならほぼ同じ菌となる)を調べてもらうよう頼みます。

一樹は、柏木の指導教官の山本教授の許可をもらうため、山本教授を通しました。

一樹は研究を成功させ両親を楽させたい、と野望を持っていました。

山本は一樹が貧しい家庭で育ちながら探求心があることを認めていて、【貧困は人生における最良の栄養である】という格言を贈ります。

柏木の調査結果後、ネズミの糞のサルモネラ菌が原因だと分かりました。糞と一緒に尿もしただろうから、サルモネラ菌が繁殖したと思われます。

隆二は、添加物も食品という意識の欠如、部署を超えて一体になることを強調しました。

やがて異物混入という名目で北野製薬の添加物を使ったポテトチップス・キムチ味が店頭や在庫から消えます。工場も消毒して、サルモネラ菌の証拠は隠滅できました。

この章のラストに一樹の卒業式があり、その後、学食で一樹と智子が会っているのを葉子が陰から見てしまいます。葉子は動揺を隠せませんでした。

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5「倒産の危機」のネタバレ

北野製薬は、阪神銀行から貸し剥がし(=銀行が融資先の企業から様々な手段を使って、最初の約束より早く回収しようとする行為)をされそうに!倒産の危機です。

発端は、阪神銀行和歌山支店の融資担当・佐野が井上食品の社長から、北野製薬の回収の件を聞いて、おかしいと思ったこと。

函館銀行の函館支店の融資担当・村田も北野製薬がソルボン酸の非をあっさり認めて補償に走ったことを疑います。

やがて話しは阪神銀行の本店に行き、大石融資部長が京都支店支店長の木田に貸し剥がしを指示。

木田が北野製薬の社長・北野誠二に会って、貸しはがしの狙いが判明。

誠二と大石は大学の同級生で犬猿の仲。そして、阪神銀行は京阪地所に融資していて、北野製薬本社がある地域の土地をマンション開発のために買い占めていたのです。つまり、大石は誠二が嫌いで、しかも会社を潰したい目的があった!?

木田は他の銀行、たとえば東京中央銀行に乗り換えるよう勧めました。

誠二は助言に感謝し、国会議員で会社ぐるみで選挙応援している前田議員に話しを通してみます。

国会議員の圧力で、阪神銀行の頭取を動かし、貸し剥がしは中止に。そして大石は左遷されました。

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6「幸運の女神は風に乗って」のネタバレ

大学院へ進学し研究に打ち込む一樹ですが、限界も感じていました。

そんな中、一樹は甘みを感じます。春の風に乗ってきた粉末が口にきたのですが、それは昨日合成した粉末でした。新しい甘味料の発見です。

また同時に、安息香酸(あんそくこうさん)の結合も試行錯誤。数十種類を試す中、抗菌力があるものを発見。さらに2週間後、突然変異原性試験と急性毒性試験(ラットに1回投与で2週間観察)の結果もクリア。

このS-146は、北野製薬をあげて安全性の研究や食品への応用の研究が行われていきます。

北野製薬に、一樹の研究室も設置されました。さらに抗菌剤 以外の研究も社長から許可してもらいました。新しい甘味料の研究です。山本教授に話せば、教授の実績になってしまうので、会社で研究したいのです。

一樹が会社で甘味料を研究するのは、法学部出身の智子のアドバイスでもありました。大学でなく研究所ならば、特許の発明者を一樹にできること、契約金+売上の何%などの契約をかわせられる、と。

S-146の研究は、あわや中止になりかけますが、再試験で不純物を取り除けば大丈夫となります。

S-146は、安息香酸(アロマチック・アシド)誘導体なことから、「アロマチン」と命名されます。

その後、一樹は学会で S-146の研究の一部を発表。大手食品会社の研究者らが食いつき大反響。一樹は実用化される研究の面白さを実感しました。

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7「甘い話」のネタバレ

一樹の新甘味料の研究は順調に進みます。

新甘味料はアミン系化合物で、味は砂糖(シュークロース)と同じことから、「シュークラミン」と命名されました。

一樹が大学院4回生になって4月の終わりごろ、一樹は大学院修了後の進路と葉子との将来を隆二に迫られました。

一樹は迷った末に、岡山の両親を楽させたい思いも考え、幼なじみ・智子との別れを選択。

一樹は両親に、大学院修了後に北野製薬へ入社と、葉子との結婚の承諾をもらいます。

一方、アロマチンの方は、委託した研究所の検査でも問題なかったため、厚生労働省へ申請することに。2年から3年は審査で待つようなのですが…。

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8「疑惑」のネタバレ

厚生労働省でアロマチンの審査が始まるころ、一樹は隆二に頼まれて、山本教授・市川教授に菓子折りを持っていくよう頼まれます。

隆二は、菓子折りの中に札束を入れて、根回しをさせているのです。

一樹は菓子箱の中身は知らされていませんでしたが、隆二にあとで確認しました。

賄賂(わいろ)なのに罪に問われないか心配な一樹ですが、隆二は直接渡しません。今後も森山 営業部長が担当します。賄賂がバレたら森山が責任をとりますが、会社が森山の家族の経済を保証するようです。

一樹と森山は、厚労省の「アロマチン」の審査委員長・市川教授や審査委員・山中教授と料亭で密会。賄賂も渡して審査を速めてもらうよう働きかけました。

智子が、一樹・森山と市川教授の密会をたまたま目撃。

建設業者の談合を追っていたのですが、智子は北野製薬の汚職事件を追うことに。

しかし智子は、決定的な証拠をつかめないまま、市川・山中に突撃。最後は森山に取材。

状況証拠だけでも充分 記事にできると息巻く智子に…隆二は、総務部長から新聞社へクレームを入れさせます。

北野製薬の広告を止められたら困ると広告部長から言われた編集長は、智子の記事をストップさせました。

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9「危機を救った変わった担保」のネタバレ

「アロマチン」が厚生労働省から正式に食品添加物に指定されました。申請から1年以内に認可されるのは異例の速さです。

アロマチン認可を祝うパーテイーで、一樹と葉子の結婚も発表されます。(*以降、好並一樹は北野一樹になります)

そんな中、北野製薬の工場で爆発事故が!

会社の危機に。しかも、工場再建にお金が必要なのに、阪神銀行に融資を断られます。

阪神銀行の頭取が変わって、かつて左遷された、隆二と犬猿の仲の大石が本部 融資部長になっていたのです。

倒産の危機の中、一樹がアロマチンとシュークラミンという特許(シュークラミンは開発中)を、知的財産権として担保に、と提案。

隆二は東京中央銀行に融資をお願いします。

東京中央銀行の幹部が、市川教授に問い合わせます。

すると、アロマチンとシュークラミン合わせて2千万円の価値はあるとお墨付き!

東京中央銀行が北野製薬に融資することになりました。

会社の危機を救った変わった担保とは、アロマチンと研究中のシュークラミンでした。

隆二は、阪神銀行の頭取に、大石に知的財産権の説明をしたのに断られたと嘘をつきます。

頭取が大石に怒り心頭。北野製薬という大口の取引先を逃した責任で、大石は九州の端に左遷されました。

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10「2011年夏 北野製薬所」のネタバレ

2011年4月。一樹は北野製薬の主任研究員として正式に入社。

そんな中、アロマチンの健康被害が各地で起きていたが、医師が検査しても分からないので、発覚しません。

佐賀県の稲谷は毎朝、保存料・アロマチンの入った味噌汁を飲んでいたため、足がしびれ、やがて歩行困難になってしまいます。家族のために自殺して、生命保険金を残しました。

北野製薬にて。松本主席研究員は不純物を含むアロマチンが有害なことに気づきます。2週間投与したラットに神経麻痺が起きたのです。

松本は一樹にこの事実を突きつけました。一樹も不純物を含むアロマチンは有害なのは知っています。それで純度の高いアロマチンに切り替えて毒性試験を切り抜けた経緯があります。

一樹はこの事実を工場の品質管理部に伝え忘れていたため、不純物を含むアロマチンが製造されてしまったのでした。

一樹は違法でないことを盾に、松本をいいくるめますが…

のちに、一樹は松本を追い出すため、ある夜、松本の研究室のエーテルという薬品のふたを開けておきました。エーテルは引火性があり、室温で気体になります。(北野製薬では個々の研究室は施錠していません)

翌日。松本研究室で、瞬間湯沸かし器のタネ火に引火。大爆発します。一樹は消火器を持ってかけつけました。小説の冒頭シーンはここです。

松本は2週間の入院ですみました。一樹の勧めもあり、松本は火災の責任を取って依願退職しました。クビになると退職金がでないので、自分から辞めたのです。

研究所 所長の清原も退職。その後、一樹は元<好並研究室>メンバーを出世させたり、吉富・藤田という女性たちを社内結婚させるキューピット役を買ってでたりと行動。社内で、一樹の勢力が広がっていきます。

そんな中、協和化学という他社から仕入れている添加物「タンパク質加水分解物」にヒ素が多く含まれていることが判明します。

このデータ結果が社内メールで一瞬流れてしまいます。一樹はすぐに削除。しかし、 食品添加物部門長 の秋葉が見て、保存してしまい…。

タンパク質加水分解物は法令上は食品として扱われているため、法令上は問題ありません。

北野製薬はタンパク質加水分解物を惣菜用の旨み調味料として売っています。

高濃度のヒ素なので、調味料4%として添加されたお惣菜を150グラム食べると、3ミリグラムのヒ素を摂取。

森永乳業のヒ素ミルク事件では、被害児がミルクから摂取したヒ素は1日3から4ミリグラム。北野製薬の調味料を使ったお惣菜を大人でも何日か食べればヒ素中毒になってしまう…。

一樹は、 生産部長の岡田と相談します。クレームがきてないことに着目。健康被害が起きても、ヒ素が原因と分かってないからです。

一樹は、協和化学との取り引きを中止。在庫の品は協和化学に返品します。…そのため、協和化学は倒産しました。しかし北野製薬は工場と職員を引き取ります。つまり吸収合併しました。

タンパク質加水分解物は 中国産に切り替えて、やがて惣菜に使われるのも切り替わります。しかし現実には被害者がいたのだが、医師も本人も添加物が原因とは気づかず、フェードアウトした。

原作では被害の例が描かれています。ある女性が北野製薬の添加物を使った総菜を食べて、足がしびれます。病院へ行くとストレスが原因といわれました。総菜をやめてスタミナをつけようと焼き肉に変更。ニンニクも食べたことが効果を発揮し、しびれをなくしました。ニンニクに含まれる硫黄化合物はヒ素を体内に排出するのです。現実にも、誰も気づかないうちに健康被害があるかも?

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11「密告」のネタバレ

サブタイトル「密告」どおり、 食品添加物部門長 の秋葉が近畿新聞に密告する章です。

タンパク質加水分解物 が高濃度のヒ素の件です。

智子が担当することになり、森山営業部長、一樹にも会います。

一樹は、昆布やワカメだってヒ素が高いと反論しごまかしました。

しかし昆布・ワカメのヒ素は有機のヒ素で、害が少ないと言われています。北野製薬のタンパク質加水分解物は猛毒の無機のヒ素なのです。

智子はもう少し勉強したり専門家の話しを聞いて記事にするつもりです。

しかし記事になることはありませんでした。

智子の兄が借金の保証人になり、3千万円を返さなければ経営している店がとられてしまう事態に!

正月の同窓会でその事情を知った一樹は、社長の隆二に相談。(知り合いの男と偽って報告)

隆二は一樹のこれまでの功績を認めているので、深く詮索せずに、3千万を貸してくれました。

その3千万で、河原商店は救われました。

智子は、一樹が「私を見捨てないでくれたのね」と感謝。

…こうして北野製薬の高濃度のヒ素入りタンパク質加水分解物の事件は闇に葬られました。

12「隠れていた危険」のネタバレ

一樹は幼なじみの智子を、親友の柏木と会わせます。2人は意気投合し、やがて結婚に至りました。

北野製薬のシュークラミンのライバルは奥田フードケミカルのアイスイートでした。

一樹は、アイスイートの副作用の研究を市川教授や柏木に頼みます。

結果的に、アイスイートは高血圧の人にとって危険性があると判明。

アイスイートも厚労省が指定(認可)した添加物なので、普通のラットでは副作用が出なかったのですが、<自然発生高血圧ラット>に飲ませたところ、シュークラミンは問題なかったのに、アイスイートはラットが次々と脳出血で死亡したのです。

柏木が薬学関係で最大の薬学会で発表。アイスイートは回収に追い込まれ、 奥田フードケミカルは倒産。施設や数名の研究者を北野製薬が引き取りました。

大阪の主婦・島田は、夫がアイスイートを積極的に摂取したたため脳出血で亡くなったと思いました。しかし医師・弁護士に相談するも因果関係を証明するのは不可能といわれ、途方にくれます。

厚労省はアイスイートの被害調査はしません。ハム・ソーセージのアカネ色素の発がん性が問題になった時、禁止するだけで追跡調査はしませんでした。

*注:このハム・ソーセージの件は現実のことです。だから作中でも、アイスイートの被害調査は行われないと記されているのです。↓

「安全だ」と認められた添加物が、後からひっくり返されたことがないわけではない。食品ジャーナリストの郡司和夫さんが衝撃的な指摘をする。

「2004年、天然着色料として認められ、ハムやソーセージ、清涼飲料水などに使用されていた『アカネ色素』が使用禁止になった例があります。セイヨウアカネの根から抽出した天然着色料ですが、発がん性があることが判明したのです。食品添加物の安全性は動物実験によって確かめられており、食べ続けた場合の人間への影響はあくまで未知数なのです」

https://www.news-postseven.com/archives/20210111_1626220.html?DETAIL

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13「故意による大量殺人か」のネタバレ

一樹は、悪い夢をみました。牛乳のような真っ白い濁流に流される夢です。

白く濁った水なのは添加物だから。

一樹は、添加物の事業はいつ副作用が判明し、業績に影響を及ぼすかわからないと不安です。

なので、奥田フードケミカルの優秀な研究者を数名採用し、医薬品となる抗菌剤の研究をしていました。

一樹は、吉富からシュークラミンをハムに添加するとシュークラミンがかなり減少すると報告を受けていました。

一樹は、その減少する原因を突き止めたのですが誰にも言えません。

アミン類であるシュークラミンが、ハムに発色剤として添加される亜硝酸と反応し、ニトロソシュークラミンに変化するためでした。

ニトロソ化合物は発がん物質であることが多く、調べると、ニトロソシュークラミンも強い発がん物質でした。

厚労省に提出する安全性試験のデータに、食品に添加して変化するデータは不必要でした。

しかし一樹は想像します。医師にがんを宣告されて絶望する夫婦のことを・・・。

添加物が禁止されても会社自体は責任が問われない現実もある。

発がん性のあるタバコは売られているではないかと開き直っても、むなしい。

一樹は、忘れることしかないか、いや、<夢があれば生きられる>と思って、北野製薬の新しい道(医薬用の抗菌物質)を模索していました。

その後。一樹は、北野製薬の副社長に!就任を祝うパーテイーがホテルで開かれます。

一樹の両親、智子・柏木 夫婦、山本教授らも出席。

智子は一樹が幸せなのか疑問です。柏木は「あいつは幸せではない」といいます。なぜなら、柏木の知っている好並一樹は純白のピュアな性格だから…。一樹は濁流に流されもがき苦しんでいる、と。

結末】パーテイー会場にて。一樹は、智子に片想いしてたころが一番幸せだったと思いつつ「前を向いて突っ走るしかない」と決意し、万歳三唱しました。(おわり)

ハムに添加したら
発がん物質になるのに
そこは解決なしの結末
前を向くラストが
逆に怖いわ!

 

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まとめ

以上、【白い濁流】原作漫画のあらすじネタバレを紹介してきました。

ドラマ版は、論文盗用、データねつ造、許認可をめぐる贈収賄(ぞうしゅうわい)が描かれます。

原作では、認可を急がせるためだけの贈収賄でしたが、ドラマでは審査に影響をもっと色濃くさせるかもしれませんね。

そして論文盗用、データねつ造は原作になかったこと。

データねつ造というか、 再試験で不純物を取り除けばOKになったというのが原作。

不正と言えば、小保方晴子さんがSTAP細胞の論文をNature誌に発表し大人気になったものの不正が疑われ理化学研究所も退職することになったのを思い出します。

ドラマだから原作よりドラマチックになるかもしれませんね♪

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白い濁流-原作

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