【大奥2 幕末編】18話|福士蒼汰、悲しみの演技が胸に迫る!家定を殺したのは誰だ!?
【大奥2 幕末編】18話のあらすじ・ネタバレ・感想|福士蒼汰、悲しみの演技が胸に迫る!家定を殺したのは誰だ!?
18話が11月21日に放送されました。家定がご懐妊、相思相愛を確認して幸せの絶頂にいた2人は…。井伊直弼の暴走が徳川と国の運命を変えていく!
【大奥2 幕末編】18話のあらすじ
家定が倒れた。阿部正弘(瀧内公美)
孕んだとて無事に産まれるとは限らんだろうが、と言う井伊直弼を恐ろしげに見る内藤信親(水橋研二)。世の習い、つまり一般論を言っただけと直弼。
家定(愛希れいか)が懐妊した。つわりで食が進まない中、胤篤が甘いものはどうかと提案すると、カステラを自分で作り始める。
御膳所の松之助(井上智之)に、いつも好物ばかり作ってくれているのにすまぬと、料理を残してしまうことを謝る。もったいなきお言葉、と平伏す松之助。胤篤は、家定がカステラを作ったのは腕自慢ではなく、御膳所を労うためだと見抜いたが、家定はあくまで腕自慢だと認めない。
胤篤は麻の裃を作る。お万の方様が着ていたようなデザインをと言うが、流水紋は瀧山が着ているもの。瀧山を気遣って池谷(冨永章胤)は今の時代には古いとそれを避けようとするが、胤篤は意匠集から見つけてしまう。いっそのことお揃いで…と池谷は提案するが瀧山は却下。御台と同じ柄を着るわけにはいかない。
流水紋をあしらった白い裃は爽やかで胤篤によく似合う。家定は胤篤の美しさにときめくが、照れ隠しで、なぜ裃なんか着ているのかなどと怒ったふり。政を思い出したと中奥に戻ろうとする。
妊娠中なのに流水紋という柄が気に障ったかと追いかけて謝り、裃は始末すると言う胤篤に家定は、始末なんてもってのほか、着替えてもならぬ、夕刻に戻るからそのままでいろと命じる。
夕刻、蛍が飛び交う庭園を前に話しをする家定と胤篤。家定は少し離れて立って、振り向くように言う。家定は目を潤ませながら告白する。
好きだ、私はそなたが好きだ。何を今更だが、何をもってこの男を好きだと思うのかが、わからなかった。
私もでございます。胤篤も同じ思いだと語る。「何を今更」などと家定の言葉を重ねるのは思いやりだろう。懐中時計を渡す。陰ながら仲睦まじい2人を見て喜ぶ瀧山。
家定は、懐妊を快く思う者ばかりではない、人目を避けたいとしばらく大奥には来られない。でも腹帯をつける戌の日までにはもう一度顔を見せると約束したと胤篤が瀧山に告げる。懐中時計を耳に当てる胤篤。
井伊直弼(津田健次郎)が日米通商条約を結んでしまった。それは上様の判断なのかと疑問を持つ胤篤。さらに後日、水戸が謹慎を食らったと瀧山が報告する。条約を結んだことに文句を付けに乗り込んできたのをいいことに、無断の登城だとして処分したというのだ。上様は知っていることなのか?胤篤は家定の現在の様子を知りたいと迫る。
瀧山は井伊直弼に尋ねるが、「お変わりない」としか言わない。また八朔の節句(豊作祈願)の準備をすると言っていたため、まさか家定の具合が悪ければそれはないだろう、胤篤は便りがないのはよい便りと無理矢理納得しようとする。
そこに御中臈の中澤(木村了)がやってくる。表の隠密から太守様、島津斉彬が死んだと聞いたという。先日、水戸の斉昭公が謹慎を申し付けられた一件について幕府を正すため、江戸に向かう準備としての軍事訓練中に倒れたという。
武力をもって江戸に攻め込むつもりだったのか?
胤篤の問いに、斉彬はもとよりそのつもりだと中澤。今、江戸城に主はおらぬ。これ以上ない機会だったのに、久光公が毒を盛ったのかもしれないと悔しがる。
江戸城に主がおらぬとはいかなる意味か!
家定公はお腹の子とともにとうに亡くなっている。表では皆の知るところであり、知らないのは大奥だけ。妻の死を夫に知らせないはずがないと憤る胤篤だが、取り乱すであろう将軍の死は時を置いて知らせるというしきたりがあった。
さように悲しゅうございますか。成彬の死より徳川の女が死んだことが悲しいのかと嘆く中澤。成彬は久光より胤篤を後継者にとまで考えていたのに。
上様に毒を盛ったのは薩摩か!答えよ、津村重三郎!中澤の正体は薩摩の隠密、津村重三郎であった。
フフッ、私かもしれませぬぞ。どうぞお斬りなされ、主を失った今、私に思い残すことなどございません。
家定は7月6日に薨去したが、胤篤が正式に知らされたのは8月8日だった。家定の遺言は、菩提を弔ったりせず、自分の人生を生きてほしいということ。瀧山が形見として懐中時計を渡す。胤篤は家定と幸せを噛み締め、夢を語ったときのことを思い出す。
家定は、女性の力を活かすのが勝ち目だと考えていた。諸外国は強いがどこも男社会。日の本は小さい国だが、身分、男女の区別なく人材を登用すれば力も倍になると、正弘から受け継いだ夢を語り、胤篤も表に出るべきだと言っていた。
幸せじゃ、今この時がこの上なく。家定は幸せを噛み締めていた。
家定に渡した時計は、離れていても同じ時を感じていたいという愛情からだった。それを放り投げる胤篤。巻く者がいない時計に意味はない…。
家定を殺したのは誰だ!?
胤篤は家定を看取ったという直弼を呼び付ける。しかし直弼は家定に会ったのは前日で最期は医師が看取った、肝臓を悪くしていたのが死因だと説明する。家定に実子が産まれたら不都合な者もいるだろう、と胤篤は疑いを口にするが、直弼は反論する。
井伊家はその昔、直政が大権現様(徳川家康)に仕えたのがはじまり。大権現様と考えが合わず不遇をかこったこともある。自分も上様と考えが合わないこともあったが、たとえ目の上のたんこぶであろうと主は主。主君を害することなど断じてございませぬ、と断言した。
さらに直弼は、城中に蔓延る毒に辟易していたため、大老に任ぜられてからすぐに中奥で上様に仕える女中や医師などすべての人間の素性を調べ上げ、攘夷派の疑いがある4人を獄に繋いだ。攘夷派、つまり薩摩や長州。それはすなわち胤篤の身内。まずそこを疑うべきだ。
立ち上がり、直弼に詰め寄ろうとする胤篤を瀧山が止める。上様の遺言の意味を考えてほしいと。遺言だって直弼から伝え聞いたものじゃ本当かどうかわからない。生きていたくもない。
瀧山は、上様が胤篤にどんなふうに生きて欲しいかをいちばんわかっているのは胤篤自身のはずだと言い聞かせる。
一方、井伊直弼は、勅許もなく条約を結んだことに帝が腹を立て、攘夷を行うよう水戸藩から幕府に働きかけるように言っていると聞く。攘夷派を一掃したい直弼はこれを逆手に取り、幕府に反逆したとして水戸藩に責めを負わせと命じる。徳川斉昭は永蟄居、慶喜は隠居謹慎、これに関わった水戸藩士、公家ら、志士らをまとめて始末してしまえ!
胤篤は中澤から、薩摩久光公が早く帰れと言っていると聞くが、妻子を殺したかもしれない薩摩には帰らないと答える。毒を盛ったのは徳川の人間かもしれないと言う中澤。誰にせよ、仇を取るまでは帰らない覚悟を胤篤は決めていた。中澤もまた、主君・斉昭を殺したかもしれない久光にはもう仕えない、薩摩には戻らないつもりだ。
瀧山が来る。福子姫が大奥に入る前に胤篤と話したいと言っていると伝える。
【大奥2 幕末編】18話のネタバレ
【大奥2 幕末編】18話のネタバレです。
家定の遺志を家茂が引き継ぐ
聡明な福子姫(志田彩良)は先代・家定公が望んでいたことがあればその務めを果たしたいと考えていた。胤篤は、家定が福子姫を買っていたこと、身分も男女の区別もなく人材を登用して、小さいけれど強い国を作りたいという家定の夢を伝える。
家定のことを思い、泣いてしまった胤篤が顔を上げると福子姫も一緒に泣いていた。為せるかどうか自信はないが精進する、これからも導いてほしいと頼む。子も失った今、「義父上」と呼び慕ってくれる福子姫の言葉が冷え切った胤篤の心を温めた。胤篤は落飾して大奥に残り、天璋院となる。
井伊の忠義も忠義か
福子姫は家茂となり、14代将軍に就任した。水戸藩士を弾圧する安政の大獄を行う井伊直弼に家茂は、いくらなんでもやりすぎだと諫めるが、直弼は、今攘夷派を野放しにすれば徳川は持たないという。こんなやり方では敵を増やすだけではないかと言う家茂に直弼は、徳川が滅びたらまた内乱の世になり、列強の国にやられてしまうと迫る。
家茂と胤篤。大老とはいえ、家臣1人説得できないのが情けないと言う家茂。胤篤は、政をやるには忠義な片腕が必要なことを説く。吉宗にとっての加納久道、家定の伊勢守(正弘)というように。
すると家茂は意外なことを言う。直弼も徳川の忠義者であり、徳川と幕府のためを思って誰よりも必死に動いていると評価した。
井伊は井伊なりに忠義か…。主君を害するなど断じてございません、直弼のあの言葉は本当なのか。その井伊直弼は桜田門の変で水戸藩士らに殺された。
和宮は女だった!
家茂は公武合体をするしかないと決める。朝廷から御台所を迎え、子を為して絆を強め、幕府を立て直すのが目的だ。帝の弟・和宮を
胤篤は和宮(岸井ゆきの)のために心を込めて調度品を整えた。かつて自分が江戸に来たときも、そうしてもらったことが何度も励ましとなったからだ。和宮も我々を頼りにしてくれたらよいのだが…。
祝言の後、瀧山は胤篤に和宮は小柄で左手が欠けていると告げる。仲野に呼ばれ瀧山が浴場に駆けつけると、入浴中の和宮はなんと女だった!早よ体をキレイにして上様のところに連れて行ってと言う。どう頑張っても子はできひんけどな、と不敵な笑いを見せた。
いったいどういうことなのか — —?
【大奥2 幕末編】18話の感想とレビュー
阿部正弘の最後の願い「誰よりもお幸せに」を家定が叶えたのはほんの束の間でした。幼き頃より実父・家慶から性的虐待を受けるだけでなく、その寵愛に嫉妬した実母からも毒を守られていた家定。初めて愛した胤篤との子を身籠り、正弘が目指した世をまさに実現しようとしていたとき、命を落とすことになってしまいます。どれほど無念だったことでしょう。
家定同様に、女性を本気で愛することを知り、家定と一緒に国の未来を希望のあるものにせんと夢見ていた胤篤も絶望します。その悲しみを見事に表現した福士蒼汰渾身の演技にもらい泣きした視聴者も多いのではないでしょうか。
家定の死の真相は?
家定を殺したのは誰か?おそらく初恋であり、最愛の人を失った胤篤は絶望と憎しみに囚われてしまいます。「肝臓を悪くした」という死因を聞いても、にわかには信じられません。犯人は、家定が実子を為すことをよく思わない井伊派や、一橋慶喜を擁立したい水戸藩士、徳川を乗っ取ろうと企む薩摩の隠密か!?
家茂という家定の遺志を継ぐ聡明で慈悲深い後継者をもってしても、ずっとそれが頭から離れない胤篤が家定の死の真相を知るのはずっと後のことになります。
原作では最終巻「19巻」で、家定の最期を看取った(赤面疱瘡を撲滅した黒木の子孫)蘭学医・黒木の兄から真相を聞くことになります。家定には黄疸が出ていたことから毒殺されたのではなく、妊娠中毒症による病死だったのだろうということでした。
ただ、実父の家慶から性的虐待を受け続けただけでなく、その寵愛に嫉妬した実母からも毒を盛られ、さらに正弘が家定を守るための大奥を作ったことでその暴行を阻止された家慶がまた毒を盛った。胤篤との散歩で健康を取り戻したかに見えた家定の肝臓はすでに毒で弱っていたのかもしれません。
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