【大奥シーズン2 医療編】15話のネタバレと感想｜女たちの地獄絵図が凄まじい！

2023-11-01 10:45

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【大奥シーズン2 医療編（2023NHKドラマ10）】15話のあらすじ・ネタバレと感想｜女たちの地獄絵図が凄まじい！化け物治済と御台所、お志賀の方。3人の母の戦いの結末は？
そして治済よりクズ？と噂のあの男が登場！

【大奥2 医療編】15話のあらすじ

【大奥シーズン2（NHKドラマ10）医療編】15話のあらすじです。

狂った御台のために人痘の成功を

家斉（中村蒼）とともに、大奥総取締となったお志賀の方（佐津川愛美）が歩いていると、御台/茂姫（蓮佛美沙子）がつかみかかり、敦之助を殺したと狂ったように責め立てる。御台は気が触れてしまったのかと尋ねる治済（仲間由紀恵）に、お志賀は自分の娘を殺したのは御台。ほかの上様の子供も間引いていたと告げ口する。そんなお志賀の方に治済は、菓子の毒味をさせる。

御台を哀れに思った家斉は、御台が応援してくれていた「人痘」を成功させれば気を持ち直すかもしれないと考えるが松方（前田公輝）は治済にバレてしまうと反対する。家斉は、仮にも大奥の最高地位にいた男なら、そうならないように策を取れと命じる。

黒木の手紙と翻訳局の開設

田嶋屋という薬種問屋が薬の売り込みに来た。それは大奥を追い出された僖助（新名基浩）だった。現在は田嶋屋の養子になっていて、黒木（玉置玲央）からの手紙を持ってきたのだ。家斉にとっては渡りに船だ。

黒木は松方と家斉を追い返したが、伊兵衛（岡本圭人）は青沼（村雨辰剛）の遺志を継ぐべきだと主張、妻の累（中村映里子）は家族が心配なら離縁も厭わないといい、息子の青史郎も自分は後回しでいいから先にみんなに人痘を打ってあげてという。覚悟が決まっていなかったのは、自分だけ。そう思い直した黒木が家斉にもう一度人痘のことを考えてほしいと願うものだった。

天文方に翻訳局を新たに設け、黒木がそこの役人になる。そうすることで人痘に関するかかり（経費）を表向きは蘭書翻訳の名目で請求することができる。浅草だから登城しなくてもよい。そこに詰める蘭学者も黒木の事情を知る者を集めてよいという。

でもまだ肝心の役所ができていなかった。家斉は、異国の船が近海をうろついているし、幕府はもっと国の外の事情を知るべき。蘭学者に調べさせるのがよいと老中を説得した。天文方に置くならかかりもかからないと土井と牧野が賛成。家斉は男のわしが言うと角が立つと、老中から治済に許可をとるように命じる。

治済を騙せるか

家斉は「人痘」のタネを探すために隠密を使うが、やがて家斉の動きは治済に伝わった。隠密を集めたり、大奥を追われた男たちと会っているとか。治済は、家斉にいったい何をやっておるのじゃと怒鳴りちらす。

松方が、家斉は治済のために奥を作るつもりなのだと嘘をつき、家斉も口裏を合わせる。隠密を使ったのは男衆を集めるため。その男衆を大奥を出た者と会っていたと勘違いしたのだろうとごまかした。松方はしかもちゃんと男衆を揃えていた。治済は「まことくだらぬ」と言って納得し、男衆の踊りなどを楽しんだ。

松方も振り返れば治済にいいように使われてきた。男の人生などこんなものかと諦めていたが、家斉の言葉に不覚にも心を打たれた。男が死なないようになれば、女だけがのさばる世の中が終わるのではないかと。

御台は家斉を死んだ敦之助だと思うようになってしまった。調子を合わせてあげるやさしい家斉。

伊兵衛が隠密からの文を持ってくる。隠密は、熊痘はすぐ治ってしまうため、かさぶたを持参。かさぶたを使った人痘（熊痘）を青史郎に打つと赤面を発症した。同じ頃、大奥に赤面患者が出始める。熊痘接種を広めるチャンスだ。家斉の案で瓦版などを使って噂を広めると、希望者が殺到。諸大名も自分の息子に受けさせたいという要望もあり、老中たちは公儀の仕事にしたいと言う。問題の治済は、政に関心がなくなっているから、勝手に進めてしまおうということになった。

治済は、毒杯ルーレットで、男衆の中で毒杯を引き当てたものに金貨をいくつも放り投げる。生き残れば金はそなたのもの。しかし悪趣味な遊びも美男、美食にも飽きてしまった。

【大奥2 医療編】15話のネタバレ

【大奥2（NHKドラマ10）医療編】15話のネタバレです。

家斉の裏切りを知った治済は

家斉の息子の家慶が熊痘を受けたいと治済にねだる。家慶から、翻訳局も家斉が作り、熊痘はそこの学者がやっていると聞いた治済は、まんまと騙されていたことを知る。

治済は家斉と御台を呼びつけ、毒入り羊羹を食べろと迫る。罪人を雇ったのと同じこと、民に示しがつかない。上様を裁ける者は誰もいない。だから母が直接手にかける。

せめてお前の好きな甘いもので送ってやるからな。召し上がり、さぁ。

家斉は拒む。そもそも彼らは罪人ではないし、彼らを憎んでいる民もいない。私に手をかけるというのなら、と刀に手をかける。母を切れるのか! と治済。2人が緊迫する中、御台が苦しみ出す。治済はほくそ笑む。そなたと添うたからこうなったかわいそうな御台を1人で逝かせる気か。ほれほれ、死んでしまうぞ。

家斉が羊羹を食べようとした瞬間、治済が倒れて血を吐いた。

誰か！と家斉は声を上げるが、誰も呼んではなりませぬと御台が止める。滝沢が寄り添う。御台は狂ってなどいなかった。すべては御台と滝沢による我が子を殺した治済への復讐。最初は滝沢（お志賀の方）を疑ったが、子供を間引いていたのは治済の仕業だと知った。治済は毒入りの菓子と噂をばら撒きながら、御台と側室たちの関係をこじらせていたのだ。

滝沢が血を吐く。毒味をしなければならないため、自分も毒入り羊羹を食べていたのだ。やっと姫に会える…。滝沢も御台もすべて覚悟の上にしたこと。

家斉は、御台に土下座しながら、まだ息がある治済のためにお匙を呼ばせてくれと懇願する。化け物でも母は母。御台は、あなたはそういうお方だと言うと人を呼ぶ。

源内の予言の通りに

家斉は、老中たちに、今すぐ諸大名に熊痘を広めろと命じる。異国の船が迫る中、男を増やすのは急務だと命じる。

「御公儀熊痘接種所」が開設された。看板を見て、源内（鈴木杏）が最後に黒木に言ったこと、夢に描いていた通りになったと感慨に耽る黒木。（源内は）やっぱり天才だなと伊兵衛。源内、青沼、そして田沼もきっと「よくやった」と褒めてくれていると僖助。

時代は流れ、家斉が熊痘を広めたおかげで男たちが赤面で死ぬことは少なくなり、男の数も増えた。家斉は男が家督を継ぐことを推奨し、男は外で働き、女が家にいて家事や子育てをするスタイルが一般的になってきた。

しかしそんな時代を受け入れられない人もいる。兄の阿部正寧（浜中文一）が家督を継ぐのは嫌だと言っているので、自分に家督を継がせてほしいと家斉に頼み込む阿部正弘（瀧内公美）。阿部は神君家康公の身代わりとなることで名を成した一門、徳川にはこれからも尽くすので認めてほしいと頭を下げた。

家斉の息子・家慶（高嶋政伸）は、勉強していた実の娘の祥子（のちの家定/伊礼姫奈）をいきなり手篭めにする。「わしにはそなただけじゃ」「そなただけ」異常な寵愛と禁断の関係は、それからずっと続いていた。

【大奥2 医療編】15話の感想とレビュー

【大奥2（NHKドラマ10）医療編】15話の感想とレビューです。

希望を間にはさみつつもあらゆるパターンの地獄をお出ししてくるのが大奥…
— みさき (@misakimatsu222) October 31, 2023

大奥仲間由紀恵恐すぎてよかった〜怪演
そうこの地獄の次に地獄なんよなよしながふみ天才
— TASUKU (@tasukurukuru_) October 31, 2023

原作未履修だから毎回のめり込んで大奥見てるんだけど、人々が必死に繋いできた意志がついに大きな波となり、ラスボス仲間由紀恵の倒れる音が響き渡ってようやく一筋の光が差したと思ったら、数秒後に高嶋政伸がにっこり笑って、こんちは！新しい地獄です！よろしく！って登場したのは理解した　ウゥゥ
— MARU (@mayarumaU) October 31, 2023

仲間治済に蓮佛御台×佐津川滝沢が壮絶な復讐を企てました。御台は気が触れたふり、お志賀とも仲が悪いふりをして、最後の時を待っていたのです。我が子を殺された母の愛と憎しみのパワーが凄かった。毒味も決死の覚悟。それで死んだら姫のもとへ行けるとしたお志賀。「命がけ」というのは、本当にこういうことなんだろう、と。

治済は調子に乗りすぎていたので、まさか自分が復讐されるなんて思いもよらないことだったでしょうが、毒を飲まされて頭も体も働かなくなって、ただ生きている。御台と滝沢がネタバラシをしていたときは意識があったけれど、どんなことを思ったのでしょうか。毒を盛られる側、殺される側になったとき、何を言いたかったのか。

人を殺すことを何とも思わない治済だから、当然の報いだなんて思わなかったでしょうが、動けない、話せない、何もできないという地獄を見ることになりました。

命がけの復讐の同志・お志賀を看取り生き残った御台。治済はまだ息があるから助けを呼んでくれ、化け物でも母は母だと土下座する家斉に「あなたはそういうお方ですね」と言って人を呼んだとき、御台の心の傷みと絶望はどれほどのものだったのでしょうか。

自分の子が何人も治済に殺された家斉。治済をもっと憎んでもおかしくないのに、あちこちで子供を作った家斉にとっては子作りも「種付け」に過ぎなかったのか。一瞬、治済を斬ろうとまでしたのに、お腹を痛めて産んだ我が子を無雑作に殺された母とは温度差があった。

そして最後に出てきた家斉の息子・家慶。いきなり実の娘をレイプするって、あまりに酷すぎる。家定もまた長い間地獄を見ていくことになるのです。

源内と青沼の遺志を引き継いだ黒木たちがその夢を実現させたという光を見せながら、すぐに次の地獄に突き落とす。いちばん怖いのは、原作者のよしながふみさん、それを映像として見せる脚本家の森下佳子さんかもしれません。