【検察側の罪人】原作のネタバレ!嗚咽の演技次第で二宮和也の映画に!

検察側の罪人映画

木村拓哉と二宮和也の初共演で話題の映画『検察側の罪人』が、2018年8月24日(金)に全国の東宝系で公開されます。

気になる原作小説の”あらすじ”とは?

見る前に理解したい方、鑑賞後に確認したい方、見るか迷ってるけど話題だから知りたい方などのお役に立てば幸いです。

今回は映画【検察側の罪人】原作のネタバレについて。

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映画【検察側の罪人】原作のネタバレ

検察側の罪人表紙

出典:Amazon

映画『検察側の罪人』の原作は、雫井脩介(しずくい・しゅうすけ)の同名小説。

同書は、2013年の年末ミステリランキングで…

『週刊文春ミステリーベスト10』(文藝春秋)の国内部門・第4位

『このミステリーがすごい! 2014年版』(宝島社)の国内部門・第8位

とベスト10にランクインしました。

え?1位じゃないの?…そんな声が聞こえてきますね。1位だから映像化にふさわしいと限りません。

現に週刊文春の2013年版ランキングで7位:後妻業(黒川博行)8位:怒り(吉田修一)などは映画化しています。

『検察側の罪人』原作のネタバレのポイントは…

『検察側の罪人』原作のネタバレのポイントを5点にまとめると・・・

【起】沖野が最上にあこがれて検事を目指し、やがて最上の部下になる。

【承】沖野は、最上の指示で、別件逮捕した松倉重生をヒドイ言葉で追いつめる。(松倉は刑事の取り調べで時効となった23年前の殺害を認めた)

【転】最上は、23年前の被害者遺族の知り合い。そのため松倉を犯人に仕立て上げてる。現代の事件の真犯人を殺害。凶器をもらい松倉のしわざに偽装する。

【結】沖野は、納得がいかず退職。国選弁護士・冤罪事件で知名度が高い人権派の弁護士・週刊誌記者と協力して松倉の冤罪をはらす。最上検事は逮捕される。

【エピローグ】沖野は松倉から恨まれていた。そのため松倉からののしられる。しかも23年前の殺害もごう慢な態度で否定。最上の弁護を買って出るが断られ、本当に正しかったのかと嗚咽した。

ここからは、起承転結とエピローグごとに、もう少し詳しくネタバレ!

『検察側の罪人』原作のネタバレ【起】最上と沖野の出会い

検事の最上毅(もがみ・たけし)(演:木村拓哉)は、新60期の司法修習生の検察教官を務めていた。

修習生には沖野啓一郎(おきの・けいいちろう)(演:二宮和也)がいた。

最上は法律を1本の剣に例え、法治国家の最強の武器だと伝えた。ただし法律は万能ではない。未来を平和な社会とするため、勇気と覚悟をもった法曹になるように、と激励した。

沖野は、最上の授業が研修で1番夢中になったため検事を目指すようになった。

2人の出会いから数年後。最上は東京地検の本部係検事、沖野は最上の部下(東京地検の刑事部)となった。

※本部係検事とは、凶悪犯罪などで捜査本部が立つ事件を担当する検事。副部長クラスの有能なベテランが任される。通常は検察に送致されて事件にタッチするが、本部係検事は初動捜査から捜査に関わり、法的観点から警察側に助言する。

『検察側の罪人』原作のネタバレ【承】沖野が強引な取り調べ

大田区蒲田(かまた)の老夫婦刺殺事件が発生する。

容疑者のひとりに松倉重生(63)がいた。彼は23年前の中学生女子・殺害事件の関係者だと分かる(法改正の前の事件のため時効成立となっている)

23年前の事件を田名部・捜査一課の管理官が担当していた。しかしもうひとり関係者がいた。それは最上・本部係検事。

最上は「北豊寮」(北海道出身者の学生寮)に住んでいた。23年前の事件被害者は、寮の管理人・久住(くずみ)夫妻の娘・由季(ゆき)だった。

最上は大学生のころ、由季の勉強をみてあげるなど親しかった。しかし事件当時、最上はすでに退寮して4年たっていた。

警部補・森崎が交換条件のように松倉重生の23年前を吐かせる。

沖野は、最上に信頼されようと強引な取り調べをするが、落ちなかった。沖野の感触はシロだった。

しかし最上はあくまで松倉にこだわり続け、否認事件の難しさを沖野に説くが…

『検察側の罪人』原作のネタバレ【転】最上が罪を犯す

最上は”松倉を犯人に仕立て上げる”という恐ろしい決心をする。

そのきっかけは、丹野 和樹(たんの・かずき)(演:平岳大)の自殺。

丹野は、最上の大学時代の友人で元弁護士。与党の幹部・高島進の娘婿(むこ)となり、政治家となる。しかし闇献金疑惑で特捜が乗り出し、責任をかぶって自殺する。

自殺のニュースの前、「終わったな」と最上はつぶやく。捜査方針が、有力な容疑者・弓岡嗣郎(ゆみおか・しろう)に変更したからだ。

しかしニュースを聞いて、最上は「自分にしかできないこと」を考える。やがて、松倉は罪をかぶるのは当然で、さらに”やってもいない罪をかぶせる事こそ天誅”という考えに辿り着く。「やるべきだ」と本能からの答えを出す。

最上は、捜査で知り合った闇社会のブローカー・諏訪部利成(すわべ としなり)からロシア製の拳銃を受け取る。真犯人・弓岡嗣郎を逃がすと騙し、凶器をもらい、山中湖付近の使われていない別荘に誘い込む。弓岡を銃殺し山の中に埋めた。最上は2人も殺害した犯罪者を許すことはできなかった。

凶器を松倉の指紋のついた新聞紙で包み、偽装する。多摩川付近から発見された凶器が決めてで捜査方針は松倉に固まる。

『検察側の罪人』原作のネタバレ【結】沖野の逆襲

しかし沖野は、田名部の証拠偽造を疑ったため最上から松倉の担当を外される。沖野は納得がいかず退官に至った。

※この時点で読者は最上の罪を知っている。しかし、23年前の事件で捜査の範囲が最上にまでは及ばなかったため捜査資料からは最上のことが浮上しない。本書では、寮を離れて4年のため聞き込みに来なかったと最上視点の語りがある。

沖野は、松倉を担当する国選弁護士・小田島 誠司(おだじま せいじ)(演: 八嶋智人)のもとへ行き、弁護を影から協力する。(あくまで裏方。検事のころの担当事件を反対側にまわって担当するのは禁断)

やがて冤罪事件で知名度が高い白川弁護士や、週刊誌記者も協力してくれて世論も動かす。証言者なども出て、決め手は別荘の持ち主による遺体発見。

警察の捜査の結果、松倉の冤罪は晴れた。最上検事は逮捕に至る

『検察側の罪人』原作のネタバレ【エピローグ】正義とは…

松倉が釈放され、出所祝いが開催される。沖野は松倉に強引な取り調べを謝るため、出席した。

沖野は松倉から「そんな簡単に許されると思うな。土下座しろ!土下座だ!」と怒り、沖野の頭にたんを吐いた。23年前の事件も「俺には関係ない」と言い張った。

松倉の自供は強要されたことになった。白川弁護士が言うには、半年も冤罪で苦しめたからだそうだ。沖野は、白川にとって”クリーンな人間”の味方をした方が、自身の宣伝になるからだと思った。現に白川は”正義は金になるんだ”と沖野に教え、自身の事務所へ誘った。

沖野は拘置所の最上と面会し、弁護人を申し出るが断られた。帰り道、「うおおおおおおおおおおおおおおおお」駅のホームでむせび泣いた。本当に正しかったのか分からなくなり嗚咽した。最上の弁護をして、本当は自分自身を助けたかった…

映画【検察側の罪人】原作の感想

嗚咽の演技次第で二宮和也の映画になる!

本作ラストの咆哮(ほうこう)から嗚咽(おえつ)に変わる沖野の叫びは圧巻。

漫画の吹きだしのような「おおおおぉぉぉぉああああぁぁぁぁ…」と大文字小文字を費やして作者が表現しています。

映画では二宮和也の1番の見せどころになるはず。

演技次第では、本作は二宮和也の映画になることでしょう。

たとえば映画『容疑者Xの献身』で福山雅治が日本アカデミー賞主演男優賞にノミネートされず、堤真一が同助演男優賞にノミネートされたように。堤真一の犯人役の役作り、そしてラストの嗚咽は高評価でした。

…木村拓哉が演じる最上についても言及すると、これまた検事なのに犯罪を犯す難しい役どころ。検事役の『HERO』シリーズとは全く違うダークな役で、「何をやってもキムタク」の批判を一新できそうな良い役柄。

しかしタイトルから検察の罪があると分かってしまい、最上の罪はあまり意外性がない。自身の決心も固い。その点、正義を貫いたはずの沖野の方が複雑で、揺れ動く役柄。ひょっとしたら、二宮和也の演技が先輩のキムタクを食うかもしれない。

ただし最上は、原作で家族関係も描かれている。韓流ドラマにはまる妻やバイトに明け暮れる娘との冷めた関係からの回復も見どころ。その点は父親・木村拓哉の見せ場だ。

どちらにしても木村拓哉と二宮和也の二大スターの演技には注目!

(記事内の画像出典:公式サイト

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