今回は【白鳥とコウモリ】の原作ネタバレ&あらすじ、感想、登場人物などについて紹介します。
映画『白鳥とコウモリ』の原作は人気ミステリー作家・東野圭吾氏の同名小説。東野圭吾版『罪と罰』『ロミオとジュリエット』と称される、新たなる最高傑作です。
物語序盤、ある男が殺害を自供し事件は解決。しかし別に真犯人がいるのではないか?と動き出したのは、被害者の娘と加害者の息子!?はたして真犯人は誰で、その動機と真相とは? 二人がたどり着く、切な過ぎる結末をネタバレ!
松村北斗(SixTONES)と今田美桜のダブル主演による実写映画化が決定!! 映画『白鳥とコウモリ』は2026年9月4日に公開。原作は東野圭吾氏。監督は「あゝ、荒野」「正欲」の岸善幸、脚本は「ある男」「愚か者の身分」の向井康介が担当します。*敬称略
【白鳥とコウモリ】原作あらすじ
<あらすじ>
遺体で発見された善良な弁護士。
幻冬舎HPより
一人の男が殺害を自供し事件は解決――のはずだった。
「すべて、私がやりました。すべての事件の犯人は私です」
2017年東京、1984年愛知を繋ぐ、ある男の”告白”、その絶望――そして希望。
「罪と罰の問題はとても難しくて、簡単に答えを出せるものじゃない」
私たちは未知なる迷宮に引き込まれる――。
港区の路上に放置された車内で弁護士の男性の遺体が発見されました。
被害者は、 白石健介。55歳。死因は刺殺でした。
被害者を知る者みんな、「恨みをもたれるような人でなかった」「善良な人だった」と証言します。
やがて浮かび上がる愛知県在住の男・倉木達郎。捜査が進む中、倉木が「犯人は私です」と自白。
時効になった過去の事件について暴かれるのを避けるために刺した、と。
倉木はかねてより親交のあった白石健介に他人への遺産相続のことで相談したところ、罪を告白することが誠意ある態度だと言われ、犯行に及んだと自供。
しかし、倉木の息子や白石の娘は倉木達郎の供述に違和感があって、独自に調べ始めて…。
2017年現在の東京、1984年の愛知県岡崎。
2つの殺人事件を題材に、「ガリレオ」「新参者」「白夜行」などの東野圭吾が描く現代の「罪と罰」…。
【白鳥とコウモリ】原作ネタバレ:真犯人の動機と真相について
「3つの謎」
『白鳥とコウモリ』で読者に提示された謎は、大きく3つあります。
- 犯人は本当に倉木達郎なのか?真犯人はいる?
- 真犯人がいるとすれば、動機は何なのか?
- 真犯人がいるとすれば、倉木達郎がなぜかばう?その真相とは?
順にネタバレしていきましょう!
真犯人は「誰か」
犯人は本当に倉木達郎なのか?「真犯人がいるなら誰か」をネタバレします。
達郎は2017年(現在)と1984年(過去)の事件2つとも「自分が犯人」と自供していますが、その真相は?
2017年の真犯人
まず、2017年の白石健介殺害事件について…
2017年の真犯人は安西知希(あんざい・ともき)です。
知希はまだ14歳で、中学2年生。1984年の事件で逮捕されて自殺した男の孫です。母・浅羽織恵と姓が違うのは父に引き取られたから。
まさか少年が真犯人とは驚きですね。
知希は本作であまり存在感のない役どころ。ですが、倉木達郎が守りたい人は誰か?という観点で推理すると浅羽織恵・浅羽洋子になります。そう考えると、知希に行きつくのですが …。意外性のある犯人でした。
1984年の真犯人
次に1984年の事件について。
1984年の真犯人は白石健介でした。祖母が被害者の詐欺に引っかかったため、揉めていたのです。
現代の被害者が過去では加害者だったのですね。
真犯人の「動機」
真犯人・安西知希の動機は何かをネタバレします。
知希の殺害動機は怨恨と思われていました。…父・福間淳二が逮捕され自殺し、加害者家族として祖母・母親が長年苦しみ、両親の離婚や自身もイジメられたから。しかしイジメの事実はありません。
知希の本当の殺害動機は人を殺してみたかったから、でした。
驚きです!あまりに身勝手な動機ですね。動機の単純さ、幼稚さが逆に怖いです。
1984年の白石健介による灰谷殺害の動機は金銭トラブルです。大学時代の白石健介が詐欺師の灰谷と口論になり、殺してしまったのでした。
真犯人をかばう「真相」
真犯人がいるとすれば、倉木達郎がなぜかばう?その真相をネタバレ!
真犯人は、2017年が安西知希で、1984年が白石健介でした。
達郎は2人とも、かばっていました。
1984年の事件の真相
1984年の事件で、倉木達郎は犯人を隠避(いんぴ)していました。犯人隠避罪です。
※隠避とは、捜査機関などによる発見・逮捕から免れさせる一切の行為のことです。ちなみに場所を提供して匿う(かくまう)ことは犯人蔵匿罪です。
1984年当時、白石健介が犯行現場にいたのを達郎は目撃していたのですが、彼を逃がしました。しかも包丁の指紋を拭きとって、白石がいたことを伏せたのです。
達郎は灰谷から理不尽な嫌がらせをされて不満に思っており、青年があんなヤツのために未来を失ってほしくないと思ったのです。
2017年の事件の真相
2017年の事件は、倉木達郎が嘘の自白をしたことで、捜査がかく乱。
達郎は、白石健介の遺志を継いで、安西知希を守ろうとしていました。
というのは…
安西知希は白石健介を殺害後、遺体を隅田川テラスに放置して逃走。遺体発見現場は港区の離れた場所。運転できる誰か大人が協力したのかと思われたのですが…なんと被害者・白石健介がまだ息があり、知希の罪がバレないように自ら車を運転し移動したのです。
離れた場所(竹橋桟橋近く)の車内で、遺体として発見さたことで、捜査は混乱しました。白石健介は無実だった<知希の父>を自殺に追い込んでしまいました。おそらく、その贖罪でした。
そして倉木達郎も、自分が白石健介を逃がしたことで、<知希の父>を自殺させてしまった…その罪を償うために自白し真犯人かばいました。(倉木がガン闘病中なのも決断を後押ししました)
白石健介も倉木達郎も、安西知希を守っていたのです。イイことではないですが、真相は贖罪からの行動でした。
しかし先述したように、知希に反省の色はないのでビターな結末にもなっています。
タイトルの意味
本書タイトル『白鳥とコウモリ』というタイトルの意味をネタバレ!
タイトルの解釈(1)正反対の立場
本作は、犯人・倉木達郎が序盤に自供して、検察・弁護士も事実関係を争いません。
しかし【被害者の遺族・白石美令】と【加害者の家族・倉木和真】は、達郎の自供に納得できず、2人で情報交換しながら真相を調べ始めます。
そのことを五代から聞いた中町は、こう表現しています↓↓↓
光と影、昼と夜、まるで白鳥とコウモリが一緒に空を飛ぼうって話だ。
「白鳥とコウモリ」単行本P391
つまり白鳥とコウモリは【正反対の立場】の例えでした。
白鳥とコウモリ(=美令と和真)は同じ鳥(=人間)ですが、
「白い鳥=潔白=殺された側」と「真っ黒な鳥=罪人=殺した側」という意味で正反対。
そんな「鳥たち=家族たち」が一緒に「飛ぶ=事件を調べる」という話だ、ということでしょう。
タイトルの解釈(2)良いイメージ・悪いイメージ
また、これは当記事筆者の解釈ですが、同じ鳥(同じ人間)なのに羽の色(被害者か加害者)が違うだけで良いイメージ・悪いイメージをつけられるということも含まれていると思います。
白鳥は優雅で美しいイメージです。
ちなみにチャイコフスキーの「白鳥の湖」は、悪魔の魔法で白鳥にされてしまった王女と王子の恋の物語。主演バレリーナが一人二役をこなすこと特徴であり、清楚な白鳥オデットと、王子を誘惑する妖艶な黒鳥オディールを演じます。やはり、白鳥はいいイメージですね。
一方、コウモリは「暗い場所を飛び回る」「吸血鬼」「悪役の手下」「怖い」などのダークなイメージ。コウモリ起源のウイルスも怖いですよね。
タイトルの解釈(3)どちらにもなり得る
白鳥とコウモリについて別の解釈もできます。
白鳥は凶暴で、繁殖期に巣に近付くものを攻撃する習性があり、人間も攻撃の対象となりうるらしいのです。
一方、コウモリは生態系において重要だとの指摘も。
コウモリは自然界での害虫コントロールにおいても重要な役割を果たしている。
コウモリの重要性
見方を変えると、白鳥がダーク、コウモリが良いイメージになるんですね。
つまり、タイトル『白鳥とコウモリ』は、1つ見方が変われば良いイメージ悪いイメージが違ってくるように、人は加害者・被害者どちらにもなってしまうということも示しているのではないでしょうか。
実際、真相が明らかになった時、美令と和真の立場が変わってしまいましたた…。
次ページでは詳細な、あらすじネタバレを紹介します。

