【ネタバレ】『スリジエセンター1991』のあらすじ&登場人物!結末の天城雪彦が衝撃的!
【ネタバレ】『スリジエセンター1991』のあらすじ&登場人物!結末の天城雪彦が衝撃的!
日曜劇場の原作「スリジエセンター1991」(著者:海堂尊、講談社文庫)を解説します。
本作はシリーズの3作目となる作品で2作目と合わせて2024年7月期のドラマ原作となっています。
今回は「スリジエセンター1991」あらすじと登場人物について。
※ストーリーの解説をしますのでネタバレ注意です。
「スリジエセンター1991」あらすじ~結末を解説
シリーズ、ついに完結!!
手術を受けたいなら全財産の半分を差し出せと放言する天才外科医・天城は、東城大学医学部でのスリジエ・ハートセンター設立資金捻出のため、ウエスギ・モーターズ会長の公開手術を目論む。だが、佐伯教授の急進的な病院改革を危惧する者たちが抵抗勢力として動き始めた。桜宮に永遠に咲き続ける「さくら」を植えるという天城と世良の夢の行く末は?
前作「ブレイズメス1990」にて、東城大学医学部付属病院院長で総合外科学教室の教授・佐伯清剛が、モナコ公国より呼び寄せた天城雪彦に心臓専門の治療施設の立ち上げを依頼。本作「スリジエセンター1991」はその続きとなります。果てしてスリジエハートセンターは設立できるのでしょうか?
2度目の公開手術
1991年4月。天城は、創設資金の捻出のため、地元の名士であるウエスギ・モーターズ会長の公開手術を計画する。しかし、上杉会長の手術はスケジュールの都合で白紙となってしまう。
ある日のカンファレンスで、生活保護の患者・梶谷年子<70才>が手術歴からバイパス手術できないことが判明。
しかし天城のオペなら可能なので、(お金は取れないが)梶谷さんを公開手術の患者にする。
手術は成功。直後、天城は集まった医師たちから支援金を募り50万近く集める。
さらに桜宮市医師会会長の真行寺が50万円を追加してくれた。
真行寺は医師会でスリジエセンター設立に協力することを宣言する。
生意気な新人の志望理由は渡海
1991年5月。速水は佐伯外科の新入局員ながら、初日から遅刻した。
遅刻理由は北方領土に渡航して逮捕されたから。釈放されたが、桜宮に来るのがギリギリになった。
速水をクビにすべきと佐伯外科の黒崎らは騒ぐ。
速水が佐伯外科を志望した理由は、渡海が言った「獅胆鷹目」の続きが気になったから。
獅胆鷹目行以女手(したんようもくおこなうにじょしゅをもってす)が答えだった。
佐伯は、渡海の薫香を受けた速水を佐伯外科で引き取ることにした。
天城は「渡海って何者ですか?」と尋ねるが誰も答えなかった…。
病院全体会議にて。佐伯院長は東城大学医学部付属病院の次期院長選挙に出馬すると宣言。さらに大学病院改革の案を発表。救急センターを創設し、研修医を一括して初期研修させるという。天城に委託する方針だ。そして特別室の病院長一括管理も提案した。
天城の慢心
1991年7月10日。上杉会長の手術が非公開で行われる。
場所は東城大で、天城が静脈でなく動脈を使う世界標準のバイパス術をすることに。
しかしオペ中、予期せぬことが起きる。
反佐伯派で循環器が専門の江尻副院長が、上杉会長の検査を天城に見学させなかった。
そのせいで、オペ中、内胸動脈の硬化が発見される。バイパスの素材に使えない。
天城はあれほど検査を見学させろと言ったのにと憤る…。(天城への嫌がらせで見せてもらえなかった)
天城は前人未到の二か所同時のダイレクト・アナストモーシス(直接吻合法)を実施し、成功させた。
その後、天城は慢心していた自分を責めた。
そんな天城を、世良は「やり遂げたじゃないですか」と褒め、フォロー。そして渡海先生なら「へなちょこ野郎」と笑い飛ばすと指摘。オペ室の悪魔・渡海の名前を聞いた天城は、スリジエセンターに海が見える手術室を作ることを決めた。
高階の友人で厚生省の課長・坂田が天城に会いに来た。そして天城の行動を告発しない代わりに、上杉会長の3億の寄付をチャラにするよう求める。天城は簡単に承諾し、寄付を無しにした。天城は今回の手術で費用はもらえないと思っていたのだ。
そんな中、佐伯院長の構想を阻止するべく、高階と藤原婦長が共闘することに。しかし、高階は佐伯から国際大会の準備委員に指名された。黒崎の引継ぎであり、後継者争いから落選したことを悟る高階。
1991年7月26日。教授会で、救急部創設(黒崎が部長)が決まった。さらに佐伯外科がICUを統合することも賛成多数で可決された。新人教育は(天城ではなく)黒崎が担当することにもなった。医局長も世良から垣谷講師に戻った。
佐伯は、黒崎が院長の思惑を先読みして立候補したから選んだと明かす。高階は天城だけを敵対視していて、黒崎に出し抜かれた形となった…。
3度目の公開手術
1991年10月。東京で開催される国際心臓外科学会で、天城の執刀による公開手術も企画されていた。
公開手術の患者は徳永栄一、73才男性。
患者探しが難航した中、佐伯教授が市民病院の鏡部長に頼んで引き受けてもらった。
佐伯外科最大の負債を消滅させるために…。
徳永は統合外科(現・佐伯外科)最初の心臓バイパス手術の患者だ。
当時の執刀医は真行寺教授、第一助手は桜宮巌男。
失敗して即時撤退した。だが20年にわたり入院し生きてる。
冠状動脈3本ともほぼ完全閉塞しているのに…。
天城は、冠状動脈3本の内、1本をダイレクト・アナストモーシス、残り2本には内胸動脈を用いた動脈バイパス術を併用することを決定。
天城のトラウマ
手術直前。患者が悪性過高熱(麻酔導入時に体温上昇が起きる原因不明の奇病)になった。
しかし、必要な特効薬「ダントロレン」がないため近くの帝華大へスタッフが取りに行く。
天城に異変が起きた。
天城は、かけだしの頃、悪性過高熱に遭遇して、患者を亡くしたトラウマがあった。
天城は凡庸な外科医になり下がった。
天城はいつもより速度が遅いが、高階らに支えられて、進める。
天城は「あ」と小さく悲鳴をあげた。
天城の手の震えによって、左側の内胸動脈を破損してしまった。
しかも20年前、真行寺先生が右側の内胸動脈を摘出していた。
使える内胸動脈がなくなり、天城は諦めかけたが…。
天城の公開手術は成功
高階が胃大網動脈を使うことを提案。手術が再スタート。
ステージでは鏡部長が「天城先生は天才でした」と褒めている。内胸動脈が左右両方破損していたものの胃大網動脈を使うことにしたと説明。
手術室に戻った鏡部長は「オイラたちには成功するしか道はない。ならば派手にふかすのが外科医の心意気ってもんだ」と、天城や高階らにハッパをかけた。
そして天城のオペは成功した。
江尻教授&藤原婦長の告発
一方、桜宮市民ホールにて。江尻副院長の講演が始まる。その講演の終盤、江尻は天城が上杉会長に高額な寄付金を請求したことを告発し、佐伯院長を批判。患者の平等を求める藤原婦長も「特別室」の件を持ち出して佐伯院長を批判する。
速水がジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)と呼ばれるようになった出来事
そのころ、城東デパートで火事が起きて、多くの負傷者が手薄の東城大に搬送。研修医・速水が中心になって対処。速水は黒崎助教授にも指示を出して、救急対応する。
病院長選挙の結果
公開手術から1週間後。江尻教授の告発で、佐伯教授の次期院長選の勝利は薄くなっていた。
天城は世良を連れて、桜宮岬に桜の苗木を植えた。「桜宮市に桜並木を植える」という夢は、スリジエセンターの比喩だったはずだ。しかしスリジエセンター設立がダメになったから、こうして植えるのだという。
天城は2回の失敗(実際は死亡してない)を天の啓示として受け止め。モンテカルロへ帰ることにした。
天城は報酬として、愛車を世良に現物支給した。
1991年11月。病院長選挙で、2票差で、江尻教授が勝利した。
佐伯教授や世良の進路
佐伯は教授職を引退宣言することに。佐伯は総合外科(佐伯外科)を解体したら、名称を第一外科、第二外科としてほしいと頼んだ。あらゆる外科業務を担当してほしいとの願いからだった。
高階は消化器センター長になることが約束されていた。しかし創設の辞退を江尻新院長に進言することにした。
世良は東城大を辞めた。
翌週。佐伯外科が解体され、統合外科は第一外科、第二外科になった。それぞれ黒崎、高階がトップに就任した。
榊婦長の任期は残りわずか。次期総婦長には藤原婦長ではなく、福井が濃厚だ。
1992年2月。世良は隣県の富士見診療所で働いていた。落ち込む世良に、山村所長は「世良君は立派な医者だ。外来患者の顔をみればわかる」と褒めた。
花房が世良のもとを訪ねてきた。そして天城からの手紙を渡してくれた。天城はダイレクト・アナストモーシスを実施したことを報告していて元気そうだ。フランス・ニースへのチケットも同封されていた。
結末の天城雪彦が衝撃的!
結末では 天城雪彦の衝撃的な死亡が描かれます。
ここから「スリジエセンター1991」の結末を紹介します。
1992年4月。世良はフランス・ニースへ。そしてモナコ公国のオテル・エルミタージュへ向かう。コンシェルジュは世良のことを覚えていて、通訳の女性を紹介する。
通訳の女性は「ドクトル・アマギは先日お亡くなりになりました」と告げた。
1週間前、天城がチャーターしたヘリが海上に墜落したという。
国葬に準じた葬儀が営まれたそうだ。
そのホテルの部屋は、世良に使わせるよう引き継ぎがあったらしい。
その後、世良は天城の墓参りをした。声を出さずに泣いた。
世良はカジノをして負けたり、部屋で眠り続けたりした。
潮騒から、天城の声がした。
革命は成功するのか?
天城は革命は心に灯った松明(たいまつ)だと言う。
「俺にはスリジエセンターなんて作れない」と世良が答えると…
「ジュノの望むさくら並木を作ればいい」と言ってくれた。
コンシェルジュと女性通訳が、天城が植えた桜の木の場所へ連れていってくれて、花を見せれくれた。
世良は涙した。そして帰ることを決心した。
天城が植えた<スリジエ>の花が、世良の胸に根付いたのだ。
十数年後、世良雅志は日本の医療界で病院再建請負人として活躍しているーーー。
(おわり)
天城先生が夢破れてモナコ公国に帰った後、
こんな悲しい結末になるなんて!
切なくて、つらいよー。
でも世良の活躍のために必要な展開なのかな。
「スリジエセンター1991」の感想
小説「スリジエセンター1991」の感想です。
「スリジエセンター1991」では一転、転落の展開に
未来への夢を抱いて希望的な「ブレイズメス」から一転、続編「スリジエセンター1991」では転落のストーリー展開に…。
病院長選挙の争いの末、佐伯教授が敗北。天城は手術失敗を2回したことでスリジエハートセンター創設の夢を断念し東城大を去ることに。実際は2回とも手術成功なのですが…。
上杉会長のオペの時は世界初の2か所同時の直接吻合法をぶっつけ本番でやったことで命の危険があったのですが、これは東城大のシステムで血管造影検査(アンギオ検査)を執刀医に見せないことが問題であり、江尻教授の嫌がらせもあって検査の見学を頼んでも拒否されたことが原因。
一方、徳永さんのオペの場合も事前準備が不足していました。とはいえ、当時の執刀医である真行寺・医師会会長とのコミュニケーション不足あるいは申し送りの不備ではないか?と読んでて思いました。
つまり2回の失敗とも原因はハッキリしているし、天城だけの責任ではないのになあと私は感じました。
天城はトラウマの再発が原因で東城大を去った?
私は天城が東城大を去った理由は、自分の中での手術失敗の責任を取ったことは建前で、トラウマが再発してしまったことが大きな原因かな?と考察します。天才外科医とはいえ、天城も人間です。麻酔後の高熱で人が亡くなった過去は精神的に大きくショックを受けたのでしょう。そのトラウマが徳永さんのオペの時に出て、手が震えて血管を傷つけたしまうことになります…。高階先生の助言もあり、別の方法で命は助かったのですが…。天城先生の性格的に結果オーライとはならないのでしょうね。
ドラマでは天城役を二宮和也さんが演じますが、スーパードクターの弱さ(人間らしさ)が垣間見えてしまう場面を描くのか、描くならどう演じてくれるのか、楽しみです。
衝撃ラストも印象的
そして「スリジエセンター1991」のラストを読んだ時は衝撃的でした。天城が事故死なんて信じたくありません。世良が決心する展開は良かったのですが…。ドラマでは改変してくれてもいいですよ♪
天城と渡海が「うり二つ」設定なのも含め、オリジナル展開がありそう。天城のラストに少し怯えつつも、ドラマはドラマで楽しみたいと思います。
「スリジエセンター1991」の登場人物
「スリジエセンター1991」の登場人物
- 世良雅志(演:竹内涼真)……東城大学医学部総合外科学教室(通称・佐伯外科)4年目の若手外科医。スリジエ・ハートセンター創設準備委員として天城をサポートしている。しかし高階から佐伯外科の医局長に指名され、高階が上司となる。天城の元でも引き続き働くことになる。公開手術までは天城の部下に専念となるが、その後は高階が上司となる。
- 天城雪彦(演:二宮和也)……スリジエ・ハートセンター総帥を務める。手術の腕は神懸かり的で、モナコの王族からエトワール(星)の称号を贈られた。
- 佐伯清剛(演:内野聖陽)……東城大学医学部付属病院病院長、東城大学医学部総合外科学教室教授。高階を小天狗、世良を小坊主と呼ぶ。次も院長となった場合は救急センターを新設して初期研修を一元化し、統合外科が統括するという構想を抱いている。
- 黒崎誠一郎(演:橋本さとし)……佐伯外科助教授。心血管外科グループのトップ。物語後半では救急部創設準備委員長になる。
- 高階権太(演:小泉孝太郎)……佐伯外科講師。腹部外科グループのトップ。佐伯教授からは小天狗と呼ばれる。友人の坂田からはゴンと呼ばれている。藤原婦長と同盟を組む際、ゴキブリ嫌いを打ち明けた。物語後半では、東京での国際心臓外科学会の大会準備委員長となる。
- 垣谷雄次(演:内村遥)……佐伯外科講師。心血管外科部門ナンバー2。大学サッカー部で世良の先輩。外科医歴は12年。
- 速水晃一(演:ヤマダユウスケ)……佐伯外科の新入医局員。過去に世良に指導を受けた。渡海に「獅胆鷹目(したんようもく)」の続きの言葉を宿題にされ3年考えて入局した。
- 藤原真琴(演:神野三鈴)……佐伯外科看護婦長。
- 花房美和(演:葵わかな)……佐伯外科看護婦。世良に好意を寄せている。
- 猫田麻里(演:趣里)……手術室主任看護婦。4時間以上のオペは耐えられないため、公開手術には花房を控えさせる。
- 渡海征司郎(演:二宮和也)……1988年まで佐伯外科に在籍。「オペ室の悪魔」 と呼ばれる。作中、速水が渡海の名前を口にする場面がある。
- 東城大学医学部の医師&技士
- 北島……世良の同期の医師。次期医局長といわれる。
- 青木……世良の同期の医師。愚直なまでに職務に忠実。
- 江尻…東城大学医学部付属病院副院長。第二内科教授。循環器内科が専門。
- 飯田……佐伯外科10年目。次期医局長候補の最右翼と目されていたが、母が病気のため却下される。
- 田中……麻酔科医。今回も天城の公開手術で麻酔を担当。将来の教授候補。
- 堀江……臨床工学技士。ベテラン。天城の公開手術を担当。
- 東城大学医学部の看護師
- 福井婦長……新任の手術室の婦長。
- 榊佳枝…総婦長。佐伯院長の特別室構想に反対。猫田&花房を公開手術のスタッフにさせないよう画策するも失敗。
- ウエスギ・モーターズ
- 上杉歳一……創業者、現・会長。元経団連会長。心臓に疾患があり、天城の執刀を希望。天城から3億円の寄付を要求されている。
- 久本……ウエスギ・モーターズ会長秘書。公開手術をスケジュールを理由に白紙撤回させる。
- 桜宮市役所
- 釜田……桜宮市長。
- 村雨……市長の秘書。
- 桜宮市医師会
- 三田村……医師会常任理事。駅前にある産婦人科病院の名誉院長。息子が後を継いでいる。
- 巻田……医師会理事。
- 桜宮巌雄……医師会副会長。碧翠院桜宮病院の院長。
- 真行寺龍太郎(演:石坂浩二)…医師会会長。天城の公開手術を見て感銘を受け、スリジエセンター設立に協力することを宣言する。だが医師会がスリジエセンターを飲み込むことを画策していた。
- 公開手術の患者&家族
- 梶谷年子<70>……生活保護の患者。過去の大腿部の手術により冠状動脈バイパス術で使える血管がない。そのため天城の公開手術の患者となる。天城のダイレクト・アナストモーシスだと肋骨裏側の内胸動脈を使うから可能。
- 梶谷孝利(演:立川談春)……敏子の息子。見せ物にするならギャラが欲しいと訴えるが、天城の説得で手術費1億円との相殺となる。(無料で手術。ギャラなし)
- 徳永栄一<73>…桜宮市民病院の鏡部長の患者。国際学会での公開手術対象者。
- 佐伯外科の新入医局員(速水を含めて全7名)
- 松本……もやしを思わせる風貌。
- 木村
- 山田
- 鈴木
- 山本
- 高橋
- 帝華大
- 西崎慎治……帝華大外科教授。
- 野口……帝華大麻酔科教授。国際心臓外科学会での公開手術の患者が悪性過高熱になり、必要な特効薬「ダントロレン」を準備する。
- 周辺人物
- 木内……循環器内科医局長。
- 緒方……事務長。
- 曾野……放射線技師長。遠藤とは犬猿の仲。
- 遠藤……薬局長。曾野とは犬猿の仲。
- 右田(みぎた)……神経内科学教室の教授。
- 有働……神経内科学教室の助教授。
- その他
- 野村参蔵……日本医師会のドン。1991年4月に死亡。
- 鏡博之……桜宮市民病院の部長。佐伯外科前身の真行寺(しんぎょうじ)外科三羽烏(さんばがらす)の一人。他の2人は佐伯教授、桜宮巌雄。
- 草野……経団連の会長。
- 彦根新吾……医学部5年生。天城の授業を受けて質問した。銀縁眼鏡で細身。のちに房総救命救急センター診断課・病理医として別作品に登場。
- 坂田寛平……厚生省健康政策局医事課課長。高階とは大学時代からの友人。関西弁。のちに厚生労働省医政局長となり、白鳥圭輔の上司となる。
- マリツィア……モナコ公国を建国したマリツィアの直系、分家第25代当主。王族で公位継承権第七位。天才建築家。天城の墓も建てる。
- ガブリエル……オックスフォード医科大教授。心臓外科ユニット長。天城の国際心臓外科学会での公開手術を見に来る。
- 山村所長…富士見診療所の所長。
ドラマオリジナルの登場人物
- 関川文則(せきかわ ふみのり)(演:今野浩喜)… 「ブラックペアン1988」の登場人物。佐伯外科の外科医。ドラマシーズン2の原作には登場なし。
- 田口公平(たぐちこうへい)(演:森田甘路)… 「ブラックペアン1988」の登場人物。佐伯外科の外科医。ドラマシーズン2の原作には登場なし。
- 宮元亜由美(みやもとあゆみ)(演:水谷果穂) … 看護師。
- キム・ムジュン(演:パク・ミンジェ) …世良がオーストラリアで出会った韓国人研修医。1話ラスト、東城大に研修でくることになる。
- 椎野美咲(しいの みさき)(演:田中みな実)…治験コーディネーター。シーズン1に登場した木下香織(加藤綾子)の後輩。
- パク・ソヒョン(演:チェ・ジウ/特別出演)…韓国の医師。
その他、ゲスト出演者としてオリジナルキャラクターが多数出演してます。
「スリジエセンター1991」の用語解説
スリジエセンター1991の用語解説です。
桜宮市(さくらのみやし)……東海地方の架空の都市。首都圏から通勤快速で1時間半、新幹線で45分のサテライトシティ。美しい海岸線や、桜宮丘陵がある。人口は20万人。
スリジエ・ハートセンター…東城大医学部付属病院の分院で、心臓外科専門の新病院。佐伯が天城と世良に創立を依頼した。スリジエとは「さくら」の意味。桜宮岬に建設予定。
東城大学医学部付属病院 ……桜宮市にある標高が一番高い桜宮丘陵の頂上にある大学病院。13階建ての白い建物の病棟で病院長室は4階にある。1988年までは赤煉瓦棟が本館として扱われていた。現病棟の初代病院長は佐伯清剛。
佐伯外科……東城大学医学部付属病院 総合外科学教室の通称。佐伯外科は分離・独立をしてきた。(1991年時点の)6年前に脳外科、5年前に肺外科、4年前に小児外科が分派&独立。現在は心血管外科(黒崎の研究室)と腹部外科(高階の研究室)がまわしている。しかし天城の招へいにより、スリジエセンターが心血管外科の受け皿になり、佐伯外科本体が消滅すると噂されていてーー。
帝華大医学部付属病院……国立で日本の大学の雄。モデルは東京大学?
維新大学医学部…私学の雄。早稲田に医学部はないので、モデルは慶応大学医学部?
碧翠院桜宮病院(へきすいいんさくらのみやびょういん)……桜宮で一番古い病院。外観がかたつむりに見えるため病院のあだ名はでんでん虫。著者の別作品『螺鈿迷宮』(らでんめいきゅう)では碧翠院桜宮病院が舞台となっている。
ダイレクト・アナストモーシス(直接吻合法)……冠状動脈バイパス手術の進化型として位置づけられている手術。他の静脈や動脈を詰まった血管の代わりの迂回路とするバイパス手術とは異なり、詰まった血管自体を除去し、新しい血管に取り替えるという方法を用いるが、高度な技術を要するため、世界で天城のみが可能としている。
真行寺外科三羽烏(さんばがらす)……真行寺外科は佐伯外科の前身。三羽烏とは、すぐれた三人のこと。その3人とは佐伯教授(東城大付属病院 院長)、鏡博之(桜宮市民病院の部長)、桜宮巌雄(碧翠院桜宮病院 院長)。
獅胆鷹目行以女手(したんようもくおこなうにじょしゅをもってす)は、東城大の総合外科学教室が代々大事にしてきた言葉。元ネタは千葉大学医学部に残されている格言か?↓
獅胆鷹目行以女手(したんようもくおこなうにじょしゅをもってす)は,千葉大学医学部の外科学の祖とされる三輪徳寛(1859 -1933)*が,医員ならびに学生の教訓となるべき格言として残した言葉で,外科医の心得として以下のような意味とされています。本学では,多くの学生,医師がこの格言を支えに修練を積み,秀でた外科医となってきました。
「獅子のように細心にして大胆且つ動じない胆力,鷹のように諸事を見通し,判断,解決できる眼力,女手のように臓器を柔らかく扱い緻密に行える手技」