TBS火曜10時ドラマ【対岸の家事~これが、私の生きる道!~】8話「気持ちのすれ違いは災いのもと!?」が5月20日(火曜)に放送されました。

今回は、村上家、中谷家、長野家それぞれの家族の問題にスポットが当たったわね。

詩穂に怪文書を届けている人物も登場して、いよいよ物語が佳境に入って来たよ。
それでは、【対岸の家事】8話のネタバレと感想のまとめをお届けします。
【対岸の家事】8話のネタバレ
家事の愚痴を吐いてる間に放送時間が近づいてきました。みんな…強く生きて…! https://t.co/mGs2xJCWvq
— 朱野帰子 技術書典18 オンライン参加 5/31-6/15 (@kaerukoakeno) May 20, 2025
第二子が欲しい
村上詩穂(多部未華子)は娘の苺(永井花奈)に「赤ちゃんが欲しい」と言われて、改めて第二子問題を考える。
夫の虎朗(一ノ瀬ワタル)も二人目が欲しいとは思っているが、詩穂の気持ちになかなか応えられない。
詩穂は、中谷達也(ディーン・フジオカ)に相談するが、「残念ながらその悩みに対する答えは持ち合わせていない」と言う。
夫が好きで子どもを作ることを作業とは思いたくない詩穂に対し、樹里(島袋寛子)とは初めから恋愛感情がなく契約結婚みたいなものである自分は、この件について役立てそうもないと言うのだ。
母からの支配
それでも、話を聞いてもらっただけでスッキリできたという詩穂は、今度は中谷の話を聞こうとするが苺や佳恋(五十嵐美桜)にさえぎられてしまう。
中谷は、育児の疲れに加えて樹里が上司と不倫しているのではという疑いに苦しんでいて心身に不調をきたしていた。
見かねた詩穂は、少しでも中谷の負担を減らすために自分の家に寄ってもらいおかずのストックを渡すことに。
玄関ドアの前で中谷が待っている時、母(長野里美)から電話がかかってくる。
中谷は母の記憶がフラッシュバックし、意識を失ってしまった。
詩穂の家のソファで目覚めた中谷は、詩穂に母の話をする。
結婚を機に仕事を辞めて専業主婦になった母は、家庭を顧みないエリートの父との仲は冷え切っていて自分の存在価値を示せるものは家事と息子の教育だけだったという。
外遊びも許されず、難関小学校を目指して勉強を強いられる日々。
外から聞こえる楽しそうな子どもたちの声についカーテンを開けて外を見ようとした途端、母は手に持っていたハンドミキサーで殴る。
その時の映像が大人になった今も時々脳裏によみがえり、中谷を苦しめていた。
自分の人生を支配しようとした母の話をする中谷に、詩穂は「痛かったですよね」と幼い頃の中谷を思いやる。
だが、「もう忘れました」言って中谷は帰宅する。
中谷の苦悩
夕食に詩穂にもらったおかずを食べさせようとしても食べない佳恋。
そんな時母からメッセージが届いた。
「佳恋のためにお菓子を作ったの。届けに行きたい」
子どもの時の記憶がまたしてもよみがえり、中谷は激しい頭痛に襲われる。
フォークを投げた佳恋を叱ると泣きだしてしまい中谷は思わず手を上げようとするが、母のハンドミキサーが脳裏によぎってこぶしをテーブルに叩きつけた。
そこへ樹里が帰宅して何があったのかと驚くが、中谷は離婚すると言って出て行ってしまう。
詩穂の家で中谷夫婦が向き合う
樹里から相談を受けた詩穂は、中谷に「佳恋ちゃんはうちの子に、苺の妹にします!」と樹里に頼まれたメッセージを送り自宅に呼ぶ。
中谷は樹里に、自分は親失格であり本当に佳恋に手を上げてしまう前に離婚したいと言う。
樹里は「私、仕事辞めてもいいよ。私にとって一番大事なのは達ちゃんと佳恋だから」と中谷に告げる。
「私はね、女であり妻であり母親である前にひとりの人間として愛されたいし愛したいの!」という樹里に、詩穂は心から賛同した。
しかし素直になれない中谷に樹里はとうとう「離婚しましょう」と言い出す。
驚いた詩穂は、「これは墓場まで持っていくつもりだったのですが」と言いおいて、中谷がソファで寝ていた時に自分の手を握り寝言で何度も「樹里…」と呼んだことを話す。
「大事なことほど怖くて先延ばしにしてしまうけど、黙ってたらわからない、大切な人とすれ違わないためにもちゃんと伝えないと」と詩穂は言う。
樹里が「もっと話そう。これからは私も時間つくるから」と言い、中谷も素直にうなずくのだった。
礼子の決断
長野礼子(江口のりこ)は夫の量平(川西賢志郎)が鹿児島支社への転勤を命じられたことを機に仕事を辞めて専業主婦になる決断をする。
職場の後輩、今井尚記(松本怜生)と更科美月(中井友望)は、礼子が仕事に打ち込んできたことをよく知っているので納得できないが、礼子は引継ぎはちゃんとするのでと言う。
また、礼子は詩穂に時々届く怪文書を詩穂に見つからないように抜き取っていたのだが、自分が引っ越してしまった後は詩穂を守ってくれるように中谷に頼む。
量平は会社の上司に、自宅から通える支社への転勤を要望するがはねつけられてしまった。
怪文書を出していた人物
中谷は樹里との問題が解決して安堵すると、礼子からの「(詩穂に怪文書を書いている)犯人は夜のうちに投函してるんだと思う」というメッセージを読み返して、夜の間に詩穂のマンションの様子を見に行こうと出かけた。
すると、マンションの入り口付近に怪しい動きをする女性が。
中谷は305号室の郵便受けに刺さっている白い封筒を見つけてそれを抜き取ると、その怪しい女性・白山はるか(織田梨沙)に声をかけるが、はるかは逃げて行った。
そこへゴミを捨てに来た詩穂がやって来る。
中谷は問い詰められて渋々封筒を差し出した。
中には、中谷が詩穂に支えられながら家に入っていく様子の写真が数枚と、「村上詩穂は中谷達也と不倫しています」という手紙が。
中谷はこれまで礼子が手紙を隠していたこと、詩穂が“ロングヘアで瘦せ型の20代くらいの女性”に狙われていることを話す。
ひとまず虎朗に見せてありのままを伝えるという詩穂に、「男の嫉妬をあまり甘くみないほうがいいですよ」と言う中谷。
虎朗は帰宅すると詩穂を抱きしめて自分も二人目が欲しいと告げ、詩穂も「私も」と笑顔に。
ところがその直後、詩穂が見せる前に手紙と写真を見てしまった虎朗は激昂する。
詩穂は具合の悪くなった中谷を休ませただけだと説明するが、信じてもらえないことにショックを受けた。
そのまま家を出た虎朗は自分が店長をしている居酒屋で飲み明かし朝になって帰宅する。
家には誰もいない。
テーブルの上には、「しばらく実家 じゃないところに帰らせて頂きます! 詩穂」という置手紙があった。
詩穂が苺を連れて歩いていると、前から中谷が言っていた特徴そのままの人物がやって来た。
はるかは詩穂に向って真っすぐ進んで来る。
【対岸の家事】8話の感想
「二人目ってどうすればできると思いますか?」
詩穂からの突然の衝撃的な質問に思わずスマホを落とす中谷。
「どうすればできるってじゃあ苺ちゃんはどうやって…」
非常に繊細な問題を軽やかに描写できたのは、、多部未華子さんとディーン・フジオカさんの品の良さとコメディセンスのおかげですね。
詩穂と虎朗は男女というより家族という関係になってしまっています。
中谷は詩穂と話すうちに、「子どもを作ることを作業だと割り切れないのは旦那さんのことが好きなんですね」と言います。
詩穂と違って、自分と樹里には恋愛感情がないと思っているんですね。

夫婦の複雑な問題をこんなふうに相談できるようになるなんて、二人の信頼関係がしっかり築かれているからこそよね。
話を聞いてもらうだけでスッキリできたという気持ちわかるわ。
「次は中谷さんのターンです」と相手の話も聞こうとする詩穂がすごく素敵。

子どもたちにさえぎられて結局中谷は詩穂に心のモヤモヤを話せなかったんだよな。
この時相談できていれば後で倒れることもなかったかもしれない。
あの中谷がポンコツに?
自信に満ちたエリート官僚であり、全ての物事を完璧にこなす男、中谷達也。
ところが、最近の彼は様子が変です。
佳恋に振り回される日々に加え、樹里の不倫を疑う苦しみに疲れ切ってしまったのでしょう。
その日子育て支援センターにやって来た中谷は、時計もオムツも忘れていて、佳恋のスカートは裏返し、自分の靴下は左右で違う色、荷物の中にはリモコンが二つと穴あきお玉とフライ返しが入っていました。
「タ~イム!中谷さんがこんなにポンコツなんておかしいです!」と詩穂。

自分の靴下の色を確かめようと四つん這いになって「靴下…見えない…靴下…え?」とぐるぐる回る中谷さん、可愛かったわ。
中谷の壮絶な過去
中谷が母から、“教育虐待(保護者が過剰に学びを強制し成績や進路に介入して人格否定や暴言・暴力で子どもの心身を傷つける行為)”を受けていたと言ってよいでしょう。
自分の存在意義を子育てに求めた結果、息子を“己の最上の作品”につくり上げたくなったのかもしれません。
幼い子にとって親は絶対的な存在です。
達也少年は大人になるまで健気に母が求める“完璧な人間”になるべく応えてきたのでしょうね。
自己実現のために自分を支配してくる母。
「達也、ママと頑張って合格しよう?」
「ここで失敗したら社会の役に立つ人間になれないよ」
薄く笑う母の口元。
手作りのスイーツ。
生クリーム。
回転するハンドミキサー。
息子が思い通りの行動をしないと爆発する感情。
振り上げられるハンドミキサー。
したたり落ちる血で汚れていくドリル。
ホラーのような演出も相まって、恐ろしい場面です。
子どもと自分は別人格であることを認められない母と、逃げ場のない子ども。
二人のの不幸が伝わってきました。
樹里の包容力
幼少期母からハンドミキサーで殴られた話を聞き、詩穂は「痛かったですよね…」と思いやりますが、中谷は「もう忘れました。そんなこと」と答えます。
これまでずっとそんなふうに誰にも弱みを見せず生きてきたのでしょう。
テーブルを叩いたこぶしの傷を樹里が「達ちゃん、痛かっでしょう?」と聞いた時も「痛くない」と強がる中谷ですが、「本当は?」ともう一度聞かれて「ちょっと痛い…」と答えました。
この時の樹里が菩薩のように温かくて、妻の前で中谷は子どもに戻ったように素直になっていましたね。
契約のように始まった結婚生活ですけれど、この二人は本当に良い夫婦なのだと思います。
幼少期に夫が義母に殴られたことを自分は聞いていなかったのに詩穂には話していた、樹里はそのことにはショックを受けていたようですが、それも“完璧な夫でいたいという達ちゃんの意地”であることをわかっているのでしょう。
自分の心に誠実に進んでいく格好良い女性を、島袋寛子さんが見事に演じています。

島袋寛子さんは華やかな活躍を続けるアーティストだけど俳優としてはまだあまり色がついていないところが新鮮で、既存の女性像に当てはまらない魅力の樹里役にぴったりだと思う。

理知的な中谷が樹里の前では子どものような顔になるのも良いよね。
ディーンさんの繊細で細やかな表現力が素晴らしいよ。
「男の嫉妬を甘くみないほうがいいですよ」
原作では虎朗は両親に愛されまくったので自分を可愛いと思っており、しかし親を亡くしてからはちょっと荒れて…という設定があるのですが、詩穂と喧嘩した後のヤケ酒にその片鱗が出ていたなあと思いました。しかしあのハードボイルド酒場どこにあるの😂 #対岸の家事
— 朱野帰子 技術書典18 オンライン参加 5/31-6/15 (@kaerukoakeno) May 20, 2025
中谷が心配した通り、虎朗は詩穂と中谷の盗撮写真を見て激しい怒りを表しました。
詩穂の不倫を疑って家を出て行き、自分の店でお酒をあおりながら一晩過ごす虎朗。
詩穂の話を聞こうともしないところに、子どもっぽさがあるなと感じました。
間が悪いことに、昼間バイト店員の吉田明(萩原譲)から「男と女が同じ部屋に二人でいて何も起きないわけがない」という話を聞いたばかりの虎朗は、詩穂のことを信じられなかったのです。
身体が大きくて迫力のある虎朗ですが、繊細な心の持ち主。
嫉妬してしまうのも詩穂を愛するゆえなのでしょうね。
詩穂と苺が家を出てしまいましたが、今後どんな展開になるのでしょうか。
長野家の転勤問題はどうなる?
礼子は、家族の今を大事にしたいと思い専業主婦になって鹿児島に行くことを決意しました。
しかし、今井や美月と同様、視聴者もこれまで礼子がどんなに仕事と家庭の両立に奮闘してきたかを見てきたので、「本当にそれでいいの?礼子さん」と問いかけずにはいられません。
一方、量平は会社の上司に自宅から通える支社に変えてくれないかと掛け合っていたのですね。
これには「量平もちゃんと家族のこと考えてるね」という声が上がりました。
誰よりも礼子の気持ちをわかっているのは量平なんですよね。
引っ越しの準備は着々と(篤正(寿 昌磨)に邪魔されながらも)進んでいるようですが、本当に長野家は鹿児島へ行ってしまうのでしょうか。
自分のことで大変な中、詩穂のことを心配する礼子は優しい人ですね。
それだけ詩穂が大切な存在になっているのでしょう。
はるかが抱える闇とは
冒頭で、深夜帰宅してきたはるかが暗闇の中泣き続ける赤ちゃんを眺めたまま、神経質そうに腕をかきむしる姿がありました。
足元に散らばる詩穂と中谷の写真。
帰ってきて照明をつけないのも、泣いている赤ちゃんにすぐ駆け寄らないのも不自然です。
そもそも、彼女は赤ちゃんを放置したまま夜遅くまで出かけていたのでしょうか。
そういえば、これまで登場したはるかはいつもひとりでした。
6話で公園の詩穂たちを盗撮していましたが、7話では詩穂の家の玄関前の写真も撮っています。
ずっと詩穂を見張っているのでしょうか。
今回ついに二人は道の途中で出会いますが、詩穂は彼女に見覚えがないようですね。
なぜ、はるかは詩穂に執着しているのでしょう。
【対岸の家事】8話のまとめ
いやお見事でした!
村上誌穂が多部未華子さんでなければならなかった理由がまるごと映されておりました✨
中谷家も3人全員、素晴らしかった!
あと2週で終わり?かなり残念です( ; ; )#対岸の家事 https://t.co/helogVpYF6— 黄緒 (@kiolovestfjok) May 20, 2025

今回はデリケートな問題を扱うエピソードだったけど、多部未華子さんのセンスと演技力に改めて感動したわ。
7話では三家族の問題が提示されました。
人間関係の悩みは様々に尽きませんが、夫婦の問題はお互いが歩み寄っていくしかないのでしょう。
どちらかが我慢をしていたら解決しません。
大事なことは(相手を思いやりながら)素直な気持ちで話し合うこと必要なんですね。
中谷夫婦は今回絆を深めることができましたが、亀裂が生じた詩穂と虎朗、そして礼子の夫の転勤問題はまだ未解決です。
さらに、詩穂にははるかとの問題も残っていて、これは一刻も早くスッキリさせてほしいですね。
次回、9話の放送は5月27日(火曜)22時からです。
どうぞお楽しみに!