本記事は朝ドラ【あんぱん】30話あらすじと感想を紹介します!
今田美桜主演の朝ドラ【あんぱん】第30話が5月9日(金曜)に放送されました。
慰問袋を作ることを提案したのぶ(今田美桜)は、活動の様子が新聞に載り、“愛国の鑑”として注目を集める。千尋(中沢元紀)からのぶのことを聞いた嵩(北村匠海)は…。
【あんぱん】30話あらすじと感想
のぶ、“愛国の鑑”になる
女子師範学校にて。支那との戦争の記事を読むのぶ(今田美桜)はうさ子(志田彩良)に「居ても立っても居られない」から何かできないかと相談。うさ子は慰問袋を提案する。
のぶが中心となって、生徒たちに呼びかけたり、ビラを配ったり、ポスターを貼ったり、慰問袋を作って兵隊さんを応援しようという動きは学校全体に広がる。黒井(瀧内公美)はその様子を微笑ましく見守っていた。のぶたちは校外での募金活動もするなど、意欲的に取り組む。
後日。のぶの様子が写真付きで新聞に載ると、のぶは“愛国の鑑”として全校生徒の注目を集める。
屋村(阿部サダヲ)は銀座の件を否定
嵩から嵩子としてまた手紙が届く。銀座のパン屋にヤムさんの写真があったという。
気になったのぶは朝田家に帰省。釜次(吉田鋼太郎)やメイコ(原菜乃華)らは“愛国の鑑”となったのぶを褒め称える。蘭子(河合優実)は豪ちゃんのためにと募金に協力する。
のぶは屋村(阿部サダヲ)に銀座のパン屋で働いていたのか問うが、屋村は「知らねえな」と否定する。
のぶと嵩がケンカ
一方、図案コンクールで佳作に入選して賞金をもらった嵩は、銀座のカフェから柳井家に電話をかける。千尋(中沢元紀)からのぶが新聞に載ったことを聞いた嵩は、のぶを柳井家に呼んでもらって、10分後にかけ直す。
嵩は新聞に載ったことを「すごい」と褒める。嵩の仲間たちが「図案科の歌」を歌って騒いでおり、さらに健太郎(高橋文哉)が「誰と電話しよぉとね」「もうそげな彼女ができたとね? まさか、デッサンのモデルのあの子やないと?」などと嵩に尋ねる。
健太郎との会話が電話越しにのぶにも聞超えて…「嵩は東京に何しに行ったがで?」と苦言を呈す。
嵩は「のぶちゃんみたいに新聞にのるようなすごいことはできてないけど、のぶちゃんも来たらわかるよ。 街もお店も道を歩いている人もみんなすごく素敵なんだ。ここには自由がある。のぶちゃんもいつかおいでよ。」という。
のぶは「お国のために働きゆう兵隊さんのこと、ちっとでも考えたことあるがか? 嵩がチャラチャラ遊びゆう今この時も、兵隊さんは命懸けで戦いゆう。嵩と同じばあの若者がどんどん兵隊に取られゆう。そんな時に嵩は何をしよらあ! たっすいがーのドアホ!」 と憤り、一方的に電話を切ってしまう。
嵩は受話器を持ったまま動けなかった。
高知と東京。その距離よりも遠く2人の心はすれ違ってしまった…。(つづく)
【感想】のぶと嵩のケンカが切ない
のぶと嵩のケンカが切ないです。嵩ものぶも悪くないのに、どうしてすれ違って、喧嘩してしまうのか。
のぶの愛国心の方は当時の正義です。とはいえ、嵩が自由を求めるのも悪いことではありません。2人が置かれている環境が違いすぎて、喧嘩になってしまっているのですね。
のぶちゃんをそれほど追い込んでいる「戦争」が悪いともいえます。
私(筆者)は戦後生まれで、戦争を知らない世代ですが…。この空気感、なんだか覚えがあります。震災などの災害時の自粛モードです。エンタメ作品を楽しむことに引け目を感じてしまって楽しめなかったのですが、「こんなときに楽しむのはダメ」という趣旨ののぶちゃんの叱責は自粛モードと通じるものがるなあと感じました。楽しむことを自粛して被災者を悼むのはいいと思うのですが、自粛を他人に押し付ける空気感は息苦しさがありました。
また、コロナ禍でソーシャルディスタンスが必要なとき、「マスク警察」「帰省警察」「ワクチン接種警察」や他県ナンバーの自動車を傷つける人など、いわゆる【自粛警察】が登場。愛国心を持たない人を非国民として糾弾する戦争当時の空気感を少し味わいました。
朝ドラに戻ると、のぶちゃんの忠君愛国の精神は良いと思います。でも、それを嵩に押し付けて、批判するのはやりすぎです。当時、国民全体が天皇陛下バンザイ、日本のために戦う、という感じになっていくので、なおさら忠君愛国に疑問を抱いていたのぶちゃんにはそのままでいて欲しかったと思いました。
でも、主人公ののぶが、軍国主義になっていくきっかけが妹の婚約者が軍隊に入ったから、戦争で戦うから無事に帰ってきてほしいという思いなのも切ないです。敵を憎んで、とかじゃないんです。純粋な愛情から、というのがまたつらい…。その後の日本の未来が、日本が焼け野原になっていくことが分かっているので、つらく切ないです。もちろん、豪ちゃんには帰ってきてほしいのですが…。
【あんぱん】30話の出演者・スタッフ
【出演】今田美桜,北村匠海,江口のりこ,河合優実,原菜乃華,高橋文哉,中沢元紀,志田彩良,瀧内公美,瞳水ひまり,戸田菜穂,浅田美代子,吉田鋼太郎,阿部サダヲ,おかやまはじめ,瀬戸芭月,西畑澪花 ほか
【作】中園ミホ