【ここは今から倫理です。】原作のネタバレ!高柳(山田裕貴)の授業の結末は?

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ここは今から倫理です

【ここは今から倫理です。】原作のネタバレ!

主演のNHKよるドラ【ここは今から倫理です。】の原作は、雨瀬シオリの同名コミック。

倫理の教師・高柳の授業は生徒にどういう影響を与えるのか、その結末は?

原作漫画を読んだ上で、気になる内容をネタバレありで紹介します。

今回は【ここは今から倫理です。】原作のあらすじネタバレについて。

目次

【ここは今から倫理です。】原作のネタバレ

原作漫画『ここは今から倫理です。』では、話しごとに中心人物の生徒が変わる、オムニバス形式。(オムニバス=数編の独立した話を並べて一つの作品に構成すること)

ドラマ『ここは今から倫理です。』の登場人物に合わせて原作のあらすじネタバレを紹介!

ドラマ登場人物の原作登場回

まず、どの生徒が、原作漫画のどこでメインに扱われるか紹介します↓


登場人物(キャスト)・・・原作の巻数 通算話数↓

逢沢いち子(演:茅島みずき)・・・原作第1巻 第1話

谷口恭一(演:池田優斗)・・・原作第1巻 第3話

間幸喜(演:渡邉蒼)・・・原作第1巻 第5話

深川時代(演:池田朱那)・・・原作第2巻 第6話

都幾川(ときがわ)幸人(演:)・・・原作第2巻 第7話

山野亮太(演:浦上晟周)・・・原作第2巻 第8話

近藤陸(演:川野快晴)・・・原作第2巻 第10話/第3巻 第11話

曽我涼馬(演:犬飼直紀)・・・原作第3巻 第12話

田村創(演:杉田雷麟)・・・原作第3巻 第13話

南香緒里(演:中田青渚)・・・原作第3巻 第14話

高崎由梨(演:吉柳咲良)・・・原作第3巻 第15話/第4巻 第16話

ドラマ『ここは今から倫理です。』は全8話(30分×8回)です。主要生徒が11名キャスティングされていますので、各回1名でないでしょう。どのような順番や構成でドラマ化するかは見てのお楽しみですね。

次の項目からは、登場人物ごとの原作あらすじネタバレ、ディベート回、卒業式の回を紹介します。

逢沢いち子(茅島みずき)メイン回のネタバレ

逢沢いち子(演:茅島みずき)は原作第1巻 第1話「知らない事」の中心人物。

逢沢いち子は学校の教室でマサヤと性行為をしていた。
そこに教師の高柳(演:山田裕貴)が入ってきた。
・・・いち子は高校入学して2年目。色んな経験をしてきた。
中学でも高校でも、学校以外でも、いろんなもの(欲情する男など)も見てきた。
でもひとつだけ、知らなかった。
たまに校舎ですれ違う先生=高柳の担当教科をーー。

高柳はいち子の情事を見ても「別に悪いこととは言いません。真剣なお付き合いなら結構。ただ時間と場所が悪い。…ここは今から倫理です。」と教壇に立って告げた。

1年後。新学年、新学期。
いち子は選択授業を「倫理」にした。
担当の高柳は授業の前に、授業科目「倫理」について語った。

高柳:「倫理は学ばなくても困ることはほぼない学問です。この授業で得た知識が役に立つ仕事はほぼ無い。この仕事がよく役に立つ場面があるとすれば、死が近づいた時とか。
 倫理は主に自分がひとりぼっちの時に使う。
 信じられるものがなくなった時。死が目前に迫った時、人は宗教による救いを求める。『宗教とは何か』
 人間関係がうまくいかない。他人が羨(うらや)んで妬(ねた)んで上手く生きることが出来ない。『より良い生き方を考える』
 悩みが絶えず苦しい。憂鬱。私は何のために生きてる?昔の哲学者たちは生涯をかけ悩み続けた。『幸せとは何か』
 男はこうあるべきとか、女はこうしなきゃダメとか。そんなこと誰が決めた?『ジェンダーについて』
 死にたい。『いのちとは何か』
 どうですか。別に知らなくてもいいけれど、知っておいた方がいい気はしませんか。」

授業後。いち子は高柳に近づき、彼女がいるか尋ねた。いないと言う高柳。

「あたし先生めっちゃタイプなんだよね」
いち子は教卓に乗り、足を開いてスカートの中を見せる。
いち子は教室のエッチを見た他の先生はうろたえてたのに、動じない高柳が気になっていた。
「先生のもっと色んな表情見たいの」と誘惑するが…。

高柳は、花魁(おいらん)の話題を出す。
江戸時代の超高級風俗嬢だ。花魁に必要なのは何か。
いち子は顔とエッチの上手さと答える。
「あたし、なれるかも!(笑)上手いらしいし!」

高柳は「無理です」と告げた。花魁には教養が必要。古典・囲碁・将棋・舞踊・歌・三味線・お琴・茶道・華道・世情の話・礼儀作法・書道…「そして何よりどんなに金を積まれてもただでは抱かれない。心通じるまで通わせること」

高柳:「あなたには教養がない。残念ながら私は教養があるタイプが好きです」

高柳は手始めに書道部をいち子に勧めた。唖然とするいち子。

その後、いち子はボールペン字練習帳を購入。本屋で江戸の風俗が載る本を立ち読み。次第に字の練習が楽しくなる。男友達が話すテレビの話題もついていけない。マサヤから「今日やろう」と誘われたが断ったいち子。もう安い女郎にはならないと決めた。

廊下を歩いていると、マサヤたちに誰もいない教室へ連れ込まれる。いち子は好きな人ができた、生理だから、と言っても押し倒される。服を脱がされながら、いち子は思った。相手の男を喜ばせたくていつも従っていた。笑顔になってくれたし。我慢は慣れていた。ああ、なんであったしってバカなんだろ!

ガラ!扉が開いて、高柳が言った。「合意でしょうか。本当に深く愛し合っての切羽詰まっての逢瀬なら場所と時間だけの注意にとどめます。逢沢さん、合意ですか?

「ちがう」涙ながらに言ういち子。
高柳は、いち子とマサヤを離す。
マサヤは高柳を殴ったが、教師は殴り返せない。
だから、真剣な目で止めるよう、お願いした。
マサヤは教室を後にする。

高柳:「あなたが倫理の授業を選んでくれて良かった」
異性の頭に触れるのはセクハラ。しかし倫理は人の心に触れ、自分の心に触れてもらう授業。
高柳もいち子の言葉を聞き、心に触れて慰めることは出来るから…。

いち子は「やっぱ先生が好き。いっぱい勉強する。絶対先生のことあきらめないから!」と告白。

愛こそ 貧しい知識から豊かな知識への架け橋である】マックス・シェーラーの言葉

ドイツ哲学者の言葉を引用した高柳は、「ではまた。倫理の時間で会いましょう」と去る。(つづく)

谷口恭一(池田優斗)メイン回のネタバレ

谷口恭一(演:池田優斗)は原作第1巻 第3話「理想の先生」の中心人物。

恭一の将来の夢は学校の先生。中学1年のときに決めた。だが困ったことに今まで「いい先生」に出会えていない。こうなりたいという理想像がなかった。しかし高校3年になって出会えた。倫理の高柳(山田裕貴)だ。

恭一は、小学校低学年のころ、いじめられっ子だった。要因はチビ・ガリ・メガネ・理屈っぽい性格・母親が派手など色々ある。

しかし恭一は生まれつき強気な性格で、恭一にとっての一番の自信「家が金持ち」が武器になり、家のプラモや図鑑を見にいじめっ子がよく来た。「谷口すげえ」と言われた。

恭一の座右の銘は鶏口牛後(けいこうぎゅうご)。大きな組織の末端ではなく、小さな組織のトップでいなさいという意味。

中学校になると、いじめのレベルも上がった。メンタル的に参った恭一は教室で吐いたため、ゲロぐちというあだ名をつかれた。しかしエロを制す者は中学校を制す。金を武器に、エロ本やアダルトビデオを献上し、あだ名はエロぐちに変わって、尊敬もされた。

そして高校になると、いじめはなくなった。趣味を活かしプラモ同好会に入って楽しく平和に過ごしている。

いじめられていた頃ーー助けてくれる先生はいなかった。下手に相談すると、クラス会議を開かれて、あとで「チクったな」とさらにいじめられた。親に相談しても同じこと。いじめは加速する。

中学1年の夏、恭一は思った。いじめられっ子を助けられる先生に、いじめられっ子に寄り添える先生になりたい、と。

高校3年の「倫理」の授業で高柳に会って、その悲しげな瞳を見た瞬間、この人は「いい先生」だと分かった。

高柳と話したい、と社会科準備室へ行った。高柳がタバコを吸っていた。恭一はタバコが大嫌い。かつてタバコで脅されたことがあるから。そこへ小林先生が来て、タバコについて嫌味をいわれる高柳。準備室の外へ恭一は連れ出された。

恭一は幻滅してしまった。高柳に、なんでタバコを吸い始めたのか尋ねたが、「くだらない理由です」とはぐらかされた。

その後。「倫理」の授業後に、恭一が廊下を歩いていると、逢沢いち子(茅島みずき)が手を引っ張られ、教室に連れ込まれる場面を目撃。噂はあるけど、まさかこんなところで!?

のぞいてみると、まるで強姦。そういうプレー?職員室は反対側の一番向こう。恭一は走ろうか、どうしようと思っていると、扉を開けて外でタバコを吸っている高柳を目撃!

恭一:「先生、そこの教室で、女子がレイプっぽいことを…」
高柳:「どこですか」

場所を聞いた高柳は教室へ乗り込んだ。高柳がマサヤに殴られている。思わず耳をふさいで終わるのを廊下で待つ恭一。

しばらくして、高柳がやってきた。「ありがとう。おかげで助ける事ができました。谷口くんのおかげです」

1時間後。高柳に時間をもらった。恭一はいじめられた過去と将来の夢、「いい先生」への思いを語りつくす。

高柳は「私のことも小林先生から救っていただけますか」と言う。

地理の小林先生は本当にタバコが大嫌い。一応ルール上は喫煙可だが、副流煙やガンの話をされたら逃げるしかない。

「タバコをやめられないのか」恭一は問う。高柳は「タバコをやめることは私の救いにならない」と一蹴。

高柳:「私は不当に部屋を追い出されたいじめられっ子ですか。強制敵に毒を吸わせたいじめっ子ですか。もし後者なら、貴方に救ってもらえないのですか

恭一は言葉が出ない。善も悪もいつだってあいまいだ。いじめる方にも、いじめられる方にも原因があるとしたら、どうすればいいのか。誰を助ければいいのか。…恭一は混乱する。

「善なるものは吾(われ)これを善とし、不善なるものも吾(われ)またこれを善とす。徳は善なればなり」老子の言葉

善人も悪人もみな善人、人間の徳性は元来みな等しく善だという意味。

いじめっ子も善人と思わなければ…「あなたはいつかいじめっ子をいじめてしまうかもしれませんよ」と高柳。そして「貴方にはいじめっ子もいじめられっ子もすべて信じ、救える先生になってほしい」と伝えた。

恭一は最後に喫煙のきっかけを再度聞いた。

「喫煙ルームにいつも入り浸っていた先生と一度おしゃべりしてみたかったからです」高柳は答えた。

数日後。恭一はいち子からお礼のポッキーをもらう。いち子は高柳には手作りチョコを用意していた。

恭一は、高柳は理想の「いい先生」ではないけれど、こんな先生もいいかもしれないと思った。(つづく)

間幸喜(渡邉蒼)メイン回のネタバレ

間幸喜(演:渡邉蒼)は原作第1巻 第5話「学校は眠い」の中心人物。

間幸喜は、高柳(山田裕貴)の「倫理」の授業をいつも寝ていた。高柳は不快になり、理由を尋ねた。幸喜曰く、授業がつまらないかららしいが…。

幸喜の家は深夜まで誰もいない。仲間と夜遊びし、寝る時間が不規則になっていた。だから昼間、眠い。

高柳は自分の携帯の連絡先を幸喜に渡す。学校では無理そうだから、一度話したい、と。ただし1回でもイタズラ電話をしたら、二度と出ないと告げる。

趣味もなく、彼女とも別れた幸喜は夜の家が退屈。やはりまたコンビニ前にたむろする遊び仲間のもとへ。しかし仲間が高柳の携帯の件を聞いて、「かけようぜ」と乗り気。結果、イタズラ電話になってしまった。子供っぽさに仲間たちのつまらなさを実感する幸喜。

後日の放課後。
夜になり、家で暇を持て余した幸喜は、ダメもとで高柳へ電話。
すると、出てくれた。『ローマの休日』という映画を見ているという。
「間くん、映画観ましょうよ。DVDとかないんですか?」
高柳に言われて探すと、母のものの『雨に唄えば』があった。
「それ観ましょう!お母さんセンスいいですよ。私も大好きです」
幸喜は字幕が苦手、とごねる…

不安は自由のめまいだ】キルケゴールの言葉

幸喜は自由だ。しかし、あまりに自由だと、不安というめまいを起こす。
「貴方は今、その自由な生活がどこか不安なのではないですか?そうでなければ、なんで私に電話したのですか?」

電話はこれっきりにして、明日学校で映画の感想を聞く約束を交わす。
「映画に縛られる2時間は、自由はないが不安もない。それはただ本当にただ単純も楽しい時間だから」
幸喜は高柳の言葉に従って映画を鑑賞。

翌朝。母から声をかけられる幸喜。
息子があの映画を観たことを知って喜んでいた。
学校にて。幸喜は高柳に「途中で寝ちゃったから感想あしたまで待って」と告げる。
高柳:「はい。それではまた明日!」(つづく)

深川時代(池田朱那)メイン回のネタバレ

深川時代ときよ(演:池田朱那)は原作第2巻 第6話「見たい顔」の中心人物。

時代は、Sのタイプ。礼儀正しくクールで綺麗なオトナを泣かせたくなる。

時代は、1年生のとき、高柳(山田裕貴)を貶(おとし)めることに失敗した。

狭い教室の死角で高柳とぶつかって、悪友たちが目撃し、「セクハラだ」と騒ぐ作戦。

校長・副校長に事情聴取された高柳だったが、高柳は冷静で、ただの不注意と言い張った。

時代は、高柳の絶望に歪む顔が見たかったのに…。

そのとき、高柳が時代をゴミ扱いする視線を送っていた。そう高柳は感じた。

2年後。3年になった時代は、高柳の「倫理」を選択。高柳を泣かせたいと今でも思うが他の狙いがいた。

高柳は、理科の教師の松田から相談される。生徒を好きになっていいのか、と。

松田は童貞で、女性慣れしていない。そんな中、理科準備室へ何度も訪ねてくる女子がいた。

「それは愛ですか?性的欲求ですか?」高柳は尋ねた。教師と生徒の恋愛は悪ではない。児童福祉法違反、学校の規約違反、保護者から苦情など問題はあるが、真剣な愛ならば規約自体が問題。

「一番いいのは卒業を待つことですけどね」高柳は告げた。松田は冷静になり「愛じゃない」と気づいた。

理科準備室にて。時代は、隠して録音しながら、スカートをめくって松田を誘惑。

「深川さん!!!」

松田は、欲情?したのか、時代に駆け寄った。「僕は貴方を…」

キャーーー触らないで!

時代は逃げた。すると、高柳が入室してきて、時代のカバンにあったレコーダーを発見。大事な証拠だからそのままにしようと言う高柳。

松田は「違うんです」と弁明。「僕は深川さんを愛してしまったから!!

時代は、「無理」と返事をした。

高柳は録音機を持って校長室へ行くように促す。ただし一部始終を見ていた高柳は証言もするが…

高柳は、時代の行動の理由が分かったと言う。時代の姉はテレビ出演もするモデル。

時代の行動は、大人の目を引きたくて悪さをする子供、のようだ。

時代は憤り、校長室へ行くのを止めた。

ソクラテスは若者に言った。たえず鏡に自分を映し、美しければそれにふさわしい者になるように。 醜ければ教養によってその醜い姿をかくすように、と。

高柳は「貴方はとても美しいですよ」と言うが、時代は姉に比べればブスだと信じなかった。

物理や倫理の知識があっても生徒の心は分からないものだ、と高柳・松田は慰め合う。(つづく)

都幾川幸人(板垣李光人)メイン回のネタバレ

都幾川ときがわ幸人(演:板垣李光人)は原作第2巻 第7話「教師の資質」の中心人物。

幸人は、1年留年したが、今は保健室登校しながら倫理の授業を受けている。

幸人は高柳が好きで、授業後も話し込む。静かで丁寧でうっとりする高柳の声が好きだという。

幸人は、保健の藤川先生にも会えば抱き着く。(女性の先生です)

高柳は、人にくっつく幸人が気になった。

藤川によると、懐いたひとにはそうなるという。幸人は母子家庭で、母は心の病気があり、母から暴力を受けたこともある。幸人は「愛着障害」があり、人との会話がうまくできず、距離感もつかめない。

だから藤川は人と触れ合うのを許したいが、高柳は反対派だ。

高柳は恩師(?)との会話を思い出す。女性から「愛が欲しい」と泣きつかれたら「抱いちまうのが早い」、キス・ハグ・朝まで一緒にいる等も同じ。即効性はあるが一時的だ。悩む人は大勢いて全員を抱けない。

「高柳、我々が行うべき『最高の善』とは何だ? 抱く人間と抱かない人間がいるという不公平性があるととてもまずい。こんな制約の中で、お前は人を救えるか?」そう言われた…。

高柳は幸人との体の触れ合いを避けた。幸人はすごい勢いで帰った。

高柳と藤川は意見が対立。救うかどうかより卒業させたいという藤川。幸人は2人の言い合いを隠れて聞いていた。

高柳は逃げる幸人を追いかけた。幸人の存在価値を訴えるが…

ギュッてして」幸人は懇願。高柳はハグをしてしまう。

幸人は「ごめんね。先生。そんな顔させるつもりじゃなかった」と謝った。

幸人は去った。高柳は「どうすれば良かったのか」恩師に呼びかけて泣き崩れる。(つづく)

山野亮太(浦上晟周)メイン回のネタバレ

山野亮太(演:浦上晟周)は原作第2巻 第8話「普通の人間」の中心人物。

亮太は、自分が「普通」なことに悩んでいた。テストは40点前後で、バカだけど赤点ではない。4人家族で、父はサラリーマン、母は専業主婦。妹は思春期だが別に家族と仲が悪いわけではない。

「大学行くならお金を出す」「働きたいなら好きなように」と優しい親の元、何の挫折もなく、特技も夢もなく、生きてきた。普通の人間…と亮太は思う。

考えごとをして歩いていると、ふと道路へ飛び出し事故に遭った亮太。しかし大事故にはならなかった。落ち込む亮太。

そんな亮太の病室へ、高柳がやってきた。お土産は「折り紙」。ユーモアのつもりだが、すべった。

亮太:「たかやな(高柳の愛称)にとって特別な生徒ってどんなやつ?」
高柳:「貴方ですかね」

驚く亮太は、事故のときの心境を語る。信号待ちのとき、目立ちたくて、信号を待っている人たちに埋もれたくなくて、1歩前に出たくなって飛び出してしまった、と。

「俺おかしいよな」苦笑する亮太。「おかしくないですよ」と高柳。

高柳はその理由を伝える。亮太が悩んでいて、必死で自分が何者か考えていた、そしてなぜあんな行動をとったのかも答えを導き出した・・・「ほかの人と比べて能力がどうとかどうでもいい。貴方が貴方という『人格』を有した。それが一番素晴らしい。」

「特別な人」というのも定義があやふやだ。亮太は高柳のことを生徒たちの「特別な先生」になってると言う。高柳は否定して、自分は「悩んでいる人間にしか興味がわかない」ひどい教師だと教えた。

「悩むことは人間にしか出来ないもの」そう言って高柳は哲学者の言葉を紹介↓

「悩まぬ豚より、悩むソクラテスであれ」ジョン・スチュアート・ミル(J・S・ミル)の言葉

どんどん悩んで、どうすれば特別になれるのか…「悩みながら生きましょう」高柳は声をかける。

亮太は、折り紙で「足つき」の鶴を折って高柳にあげた。

大爆笑する高柳。看護師に怒られてしまう。お笑い芸人になろうかなと思う亮太。

高柳は鶴をもらって帰った。(つづく)

近藤陸(川野快晴)メイン回のネタバレ

近藤陸(演:川野快晴)は原作第2巻 第10話「優しくていい人」/第3巻 第11話「善と悪」の中心人物。

近藤陸は、間幸喜・山野亮太と3人組でいつも行動している。

しかしこの2週間、陸は学校を休んでいる。陸の担任の木原も心配して生徒たちに様子を聞きまわる。

2週間前。陸は兄からタバコを友人に届けてほしいと頼まれる。そして相手からお菓子をもらった。

「なにかヤバイことに足つっこんだ」と陸は感じていた。

兄がグレたことで母は家に寄り付かなくなった。父はガテン系で家に帰ってきてもすぐ外へ飲みに行ってしまう。毎日のように家では兄の仲間たちが騒いだ。

陸は、兄のことを父のように慕っていたが…兄と、兄の恋人のユマは薬に手を出していた。

陸が頼まれていつも交換しているのはドラッグと金だった!

ある朝。陸は、マユに「すぐ来て!大事件!」と呼び出された。心配して駆けつけると…

「てめえがカイトの弟か!」と蹴られた。ユマの仲間だ。兄は薬を持って逃げたという。

囲まれ詰められる陸。そこに「離してあげてくれる?その子、俺にちょうだい」とジュダという男がやってきた。

陸は、ジュダが経営するバーに連れていかれる。ユマと兄・カイトとの関係は、オーナーと客だという。ユマとカイトのいざこざはいわば客同士の喧嘩。食い逃げしたカイトを追ってる…とジュダは例えで説明。

陸を助けたのは、女子高生に飽きたから男子に手を出そうと思ったから。

ジュダは陸のネクタイを見て、高校がどこか分かった。あわてて電話をかける。

やってきたのは高柳。高柳はジュダを悪とみなして陸を連れ帰ろうとする。

ジュダは、善悪を知らない陸の方から裏社会へ入ってきたのだという。

しかしノリに流され、悪に行くのは人間だから当然。だから彼を責めるなというジュダ。

「人間はそもそも悪である。人間は気ままに生きるとすぐに争う『悪』になる」カントの言葉

人は誰もアイヒマン(=ナチスの幹部)でユダ(=「裏切り者」の代名詞)だというジュダ。

「善ぶる先生(=高柳)は、人間なのか?」と問うジュダ。

高柳は教師として善の心で陸を知らないといけないという。

陸はどうしたいのか。もう分らなくなっていた。「学校行きたい」とつぶやく。

ジュダは、陸に手を出さないよう追う者たちへ電話した。これからも陸を守るという。

ジュダは、正しいことが大嫌い。快を求め不快を排除して生きるのがジュダだ。

しかしジュダにとって唯一の倫理的なことは、高柳と真剣に言い合うこと。ジュダはうれしかった。

去り際。ジュダに向かって「身体だけは気を付けて。川村くん」という高柳。

「次その名前言ったら殺す!アンタより長生きするよ。憎まれっ子世に憚るっていうからな」とジュダこと川村。


2年前。高柳はジュダに教え子を取られた。

校内で何度も自殺未遂をした女子生徒。やがて不登校になり、ある日、ジュダと一緒にいるのを目撃っした高柳。

連れ帰ろうとしたが無理だった。そのうち、彼女はジュダから離れ、闇社会で一人で生き始めた。

学校という『正しい』世界ではあんなに死にたがっていたのに…

高柳は、ジュダのもとへ彼女の近況を聞くために通っていた。

悪は憎むべき。しかし彼女は悪のおかけで今も生きている…


高柳は、陸が悪を恐れ学校が不快でないなら、「2度とこんな事しないでください!ちゃんと考えなさい!自分にとって何が『善』か『悪』か!」と大声で訴えた。

陸は学校に復帰。

陸の兄は警察に駆け込んだ。マユたちに見つかるよりも安全だから、と。(つづく)

曽我涼馬(犬飼直紀)メイン回のネタバレ

曽我涼馬(演:犬飼直紀)は原作第3巻 第12話「セミの声」の中心人物。

涼馬は頭がいい。テストは全教科90点以上。小論文も上手。スポーツも得意でチームプレーもできる。友達もいないわけじゃない。

本当にただしゃべらないことだけが問題だ。

両親は普通で、家では口数が少ないながらしゃべっている。学校で一切しゃべらない、その原因は不明だ。

学校では何とかなる。しかし社会人になったら、コミュニケーションが取れない人の生活は必ず厳しくなるだろう。

先生たちはみんな涼馬のことを心配していた。

涼馬は、セミの声を聴いていた。そんな中、セミはうるさいから早く死んでほしいという生徒たちの会話が聞こえた。

高柳は、涼馬が機嫌がいいときは、隣りで昼飯を一緒に取っていた。

高柳は「心から辛いときは声をあげて欲しい」と伝えた。

ソクラテスは文章が残っておらず対話を弟子に残した。哲学は対話、という話をしながら…

ふと「あのセミたちは何の話をしているのでしょうね」とつぶやく高柳。

高柳の言葉にハッとする涼馬。

他人と同じようになるために、きびしい自己放棄によって自身の4分の3を棄てねばならない」ショーペンハウアーの言葉

高柳は、「貴方は他人と同じになろうとしてない」捨てているとしても4分の2くらいで、「捨てすぎてる人よりいい」とほめた。

予鈴が鳴った。涼馬は無言で(溶けた)チョコを高柳にプレゼント。高柳は本当に変わった人だと彼を思う。(つづく)

田村創(杉田雷麟)メイン回のネタバレ

田村はじめ(演:杉田雷麟)は原作第3巻 第13話「自分の為の勉強」の中心人物。

創は頭があまり良くない。そんな創に、母は根気よく色々と与える。

文系か理系なら理系の方が就職に有利だから理系の方が絶対いい!と推す母。

創が行けそうな大学も選んでくれて、大学説明会も母が行く。

創の父は高卒の工場勤務で、給料は多くない。だから、勉強するようにと母は言う。

有名大学でなくても大学にさせ行けば就職の選択肢が増える。

「お父さんのように低い給料で働かなくてすむんだから…」と母。

創めは、ありがたいと思っている。母の期待に応えたい。ちゃんとした大学へ行き、立派な会社へ入るんだ…。

創は、ある日、図書館で勉強せずに沈んだ気持ちで、ただ座っていた。

「田村君。疲れているなら休みなさい」高柳が声を掛ける。

「休んだからお母さんが心配する」「勉強休む時間はない」創は返答。

高柳は「筆跡鑑定入門」を読んでいた。面白そうと気になって手に取った本だ。

勉強は受験勉強だけでなく、「何だろう」と思ったのを調べるのも勉強。

勉強は本来は楽しいもの、と高柳は教えた。

創の母の期待・助けに対して、イギリスの哲学者の言葉を引用した↓

おせっかいな人で悪意を持たない人はいない」フランシス=ベーコンの言葉
他者への没頭は、それが支援であれ妨害であれ、愛情であれ憎悪であれ、つまるところ自分からの逃避の手段である」ホッファーの言葉

「貴方は偉い」高柳は創の努力を褒めた。その上で…

高柳は、大学へ行ったら自分を愛し、自分の勉強をしてほしいと伝えた。

創は家に帰って、父になぜ大学へ行かなかったか尋ねた。金がなくて、やりたいことがなかったから。

しかし進路はずっと決まっていた。車が作りたい。父は工場で車のパーツを作っていた。そのことを誇りに思っているようだった。

創は、今の性格を変えられないし、先生の話もほぼ忘れたが、受験が終わった後、「なんの勉強しようかな」と少し楽しみになった。(つづく)

南香緒里(中田青渚)メイン回のネタバレ

南香緒里(演:中田青渚)は原作第3巻 第14話「主義探し」の中心人物。

香緒里のクラス、3年4組にはグループチャットがある。

4組はみんな仲良し。なんでも全力。なんでもチャットでやり取りしあっている。連絡、相談、笑い話、くだらないことまで。

「ウザイ」香緒里はそう思っているが、グループチャットに入らないほうが面倒だ。

高柳は、「社会主義」について授業をする。

社会主義を構想したマルクスは「人間主義」を提唱。金や地位で人間の価値と自由を奪ってはいけない、と。

しかし初の社会主義国のソビエト連邦は今もう存在しない。全員平等という競争なき世界では努力をやめ、経済が回らず、破綻した。

香緒里は逢沢いち子と同じクラス。いち子もグループチャットが面倒だという。同じ思いだった。

香緒里は交友関係は狭く深い方を好む。個人主義だ。

香緒里はいち子に頼まれて、タバコを吸っている高柳に会うため、扉を開けた。

今日の授業の話になり、「社会主義国は世界から浮いて大変そう、私も浮いてる」と言う香緒里。

4組の団結の話になり、高柳は日本が農耕民族だから集団になりたがる、という話もする。

結束力はいいことだが、異分子を排除しようとするのが怖い。村八分というものだ。

個人主義の対となるのが「全体主義」。

どんな主義でも幸福を目指している。どうすればより多くの幸福が手に入るか、考えるのが倫理だ。

先生の話を聞いたいち子は、グループチャットを抜けた。(つづく)

高崎由梨(吉柳咲良)メイン回のネタバレ

高崎由梨(演:吉柳咲良)は、原作第3巻 第15話「切っちゃおうかな 前編」/第4巻 第16話「切っちゃおうかな 後編」の中心人物。

高崎由梨はリストカットをやめられない。小学生のとき、リストカットを知った。ムカつくとき、泣くとき、悔しいとき、辛いとき、切った。スカッとした。

落ち着きたい時に血を見ることから、血を見るとと落ち着くになり、血を見なきゃ落ち着かないになったらマジで病気だ。怖いとは思う。

心配してくれる人もいるが、イライラした理由を話したら「そんなことで」と怒られそうで言えない。別に大事にしなくちゃいけない身体じゃない。ボクサーやプロレスラーは自分を大事にしてないの?スポーツの皮をかぶればそんなもん。だからみんな本当に心配はしてない…と由梨は思う。

「倫理」は、高柳が目の保養になるから、

由梨は好きだ。授業前、思わず都幾川幸人(板垣李光人)に声をかけてしまう。「魔導士」というスマホゲームをしていた彼が、一昨日出たばかりのキャラクターをゲットしていたからだ。

「あっあっ」幸人はどもる。由梨は「やべーやつ」だったことを思い出して話しかけたことを後悔。

我々現代人は大衆の中に埋もれ、自己を失っている。 誰もが顔も名前も失った『匿名の人』になっている」 キルケゴールの言葉

高柳は解説する。・・・キルケゴールは誰もが「私」を持てていない…自分で判断し発言し行動することが出来ていないと批判した。そこで彼は「実存主義」を唱えた。「実存」とは『真実の自分のあり方』…『かけがえのない私が「ここに生きている事」を指す。

「実存主義」は、ニーチェ、ヤスパース、サルトル、ハイデガーなども言及した。

ニーチェは、生きる目標や意味を失った人々を『ニヒリズム』、虚無主義と呼び、価値も目的もないニヒリズムの世界で自らが『価値の創造者』になること、つまり『超人』になって生きること、これが「実存」であると説いた。

自分の中に閉じ籠もらず、他者と話し理解し合う事が自己の実存を決める。彼が彼自身であるから私が私自身になれるし…『貴方が自由だから私も自由なのだ』とお互いに認め合う事で初めて『私自身』が生まれるのだ。」 ヤスパースの言葉
誰もが『限界状況』にいる」 ヤスパースの言葉

『限界状況』とは科学でも解決できない人生の壁。死・争い・苦悩・負い目…。人間はこの限界状況にぶつかって挫折して、ようやく自分の無力さに気づく。そして初めて『永遠』に触れる。死んだ者は現象とともに消えるだけ?人の心に残らない?一瞬の愛や勇気だったとしてもその価値はなくならないのではないか?

苦しみのみが我々を人間にしてくれる」ミゲル・デ・ウナムーノ

授業後。幸人から「魔導士」の話をしてきた。ゲームの話をして顔が近づいてしまい、「よく見りゃ意外と可愛い顔してる」と由梨は思う。

後日。高柳は『行動主義』について授業をする。行為と人格は道徳的には同じひとつのもの。行為として現れないような人格は無意味。個々の行為によって人格は高まっていく。

由梨は「倫理」の授業中に、リストカットを試みたい衝動にかられた。「こうゆう行動する私はどういう人格なのかな?」と思いつつ…

「うわあああ!!!」

幸人が止めに入った。

過呼吸になった幸人は保健室へ運ばれた。気が付いた幸人は由梨を抱きしめる。

幸人は極度の刃物恐怖症だった。

高柳は、保健の藤川に己の無力さを伝える。リストカットも幸人の恐怖症も彼らが原因を教えてくれないから解決できない。

「彼らが戦うのは自分自身。今無理に他人が入ったら戦うべき相手が増えてしまう。」と高柳。
「あなたは冷たい。わからないなら知る努力をすべき」という意見が藤川。

高柳は、リストカットする気持ちも、叫びたいほどの恐怖症も体験していないから深入りしたら、彼らの敵になってしまう…彼らが助けを求めてきたら全力で対応したいと思う。

「大切にして、自分の身体だから」幸人は由梨に話していた。

高柳は、「倫理」で正しさを説いてきたが「一瞬の激情には勝てない。理論を語っても必要のない人には届かない」と、教師の不必要を実感。

しかし藤川は「貴方の考え嫌いだわ」という。高柳は「貴方みないな、おせっかいな人、嫌いじゃない」という。

高柳:「Euzen・エウゼーン(善く生きる)。僕はまだ出来ていないけれど、あなたは出来ている気がする

喫煙所にて。同僚の教師たちに、「報われない」ことを愚痴る高柳。戦うのは自分自身だ、と戒めた。

そこへ、逢沢いち子(茅島みずき)と南香緒里(中田青渚)がやってきた。いち子はグループチャットを抜けていじめられているという!

第4巻第17話「マン・イン・ザミラー」のネタバレ

原作第4巻 第17話「マン・イン・ザミラー」は、「倫理」の総まとめ的なディベート(討論)の回。

逢沢いち子(茅島みずき)の「いじめ問題」から「倫理」の授業中にディベート(討論)をすることに。

「個人主義」と「全体主義」の2グループに分かれて、意見をぶつけあう。

いち子は「全体主義」の側になった。相手の立場を想像して話すことになる。

どっちの主義でもいじめは反対だ。

一人が離脱してもどうでもいいと思うが、盛り下げるやつを気になるのも事実。

合唱コンクールで優勝したのは全体主義、一体感あるクラス。芸術は別物なのか?

みんな仲良く頑張ろう系のバイトは楽しかった、という意見も。

・個人主義の人間は理解されにくいから「気持ち悪い」

・ひとりで決められる個人主義の人間は「カッコイイ」

正反対の意見で飛び交う。

集団の中で黙ってるのは楽。責任も負わない。

合唱コンクールで優勝した3組は、選曲で多数決をしようとしたが、1票だった飯田の曲に決まった。飯田が大泣きしてプレゼンして、みんな押しきられた。

そこで、曽我涼馬(犬飼直紀)が挙手して前に来て、黒板に書き始めた。

涼馬:「全体主義はそういう独裁者が生まれやすいから怖い。強い意見も持つイーダさんに『どーでもいい人』たちが合わせた。流された。否定しなかった。流された本人たちは、『イーダさんに選ばされた』と言ったが、イーダさんの意見にきみたちはイエスと言った。同調した。自分で選んだ。『ノーコメント』は『イエス』だと何かの本で読んだ」

高柳は、いい意見だが、全体主義側のはずの涼馬が自身の欠点を述べたことを注意した。

いち子の頭は容量オーバーでパンク寸前!「降参!」といういち子に、「勝ち負け、どちらが正しいが目的じゃありません」と言う高柳。いち子の意見を求め…

クラスメイトがいいやつばかりだったのに、今は大学受験のためにグループチャットを抜けたことを説明しなかった自分が悪い。怒らせたのは私。「ごめん、みんな!!」いち子は泣き崩れる。

議論は再スタート。悪口をいうのはダメ。でも陰口は楽しい。事実だからいい。事実でも言っていいことにならない。いち子はいい子だからクラスメイトも気づいてほしい…など。

「まとめ」を求められた高柳は、「皆さんの意見が素晴らしいから考えてなかった」という。

解決方法は提示できない。行き過ぎた個人主義、凝り固まった全体主義も良くも悪くも作用する。

人間は欲望や悪もある。社会主義はそれを阻外したから上手くいかなかった。いち子のクラスメイトがいい人なのも、陰口を言ってるのもどちらも本当で、どちらも疎外してはいけない。

我々はどうするべきか?・・・相手の気持ちになって考えること。そして自覚、反省、自己批判すること。

世界を変えたいのなら、まず鏡の中の男を変えろ」マイケル・ジャクソンの曲「マン・イン・ザ・ミラー」より

高柳は、「相手を変えたければ自分も変わらなければならない。なぜなら相手も自分も不完全だから」と伝えた。

いち子は、みんなの意見を聞いた上で放置することに決めた。友達ならココにいるから。

高柳は「知ってその結果ならそれが正しい」とコメント。

正しく生きて!これにて倫理を終わります(※)」高柳は告げた。(つづく)

※いつも各回の終わりは、また倫理で会いましょう等だったので、この1年の締めくくりだったことが分かるラストのセリフです。

第4巻第18話「告白」のネタバレ

原作第4巻 第18話「告白」は、卒業式の回。逢沢いち子(茅島みずき)の告白の回です。

卒業式。いち子は、高柳からもっと教わりたいと思っていた。ずっとずっとそばにいて欲しいと。

卒業式後。思い切って、高柳のもとへ。

いち子:「愛こそ貧しいから豊への架け橋って教えてくれたよね。あたしにとって、センセが架け橋なの。お願い。あたしと付き合ってください

高柳は断った。これから出会いがいっぱいある。世界が広がるから、と。

いち子「あたしの為にって言って振らないで!」

高柳は理由を説明するため、将来設計について尋ねた。いち子は、子供は欲しいし、結婚式もしたいという…。

しかし、「私は結婚には懲りたからもうしません」と高柳。「貴方はいつか幸せな結婚をしてくださいね」

いち子は泣いて駆け出して友人のもとへ。「大人って汚いよお!!」

高柳は思う。〈教えたい。倫理がとても大事なことで、それがたとえ分かっても上手くなんて生きられない。そんな愚かな人間の愛し方を…〉

(逢沢いち子らの学年は終わり / 高柳の物語はつづく)

高柳(山田裕貴)の過去のネタバレ

原作第4巻 第19話「二人旅」は、倫理教師の高柳(山田裕貴)が中心人物で、高柳の大学時代のころを描くスピンオフです。

(大学生卒業の頃の)高柳は「寅さん」みたいに旅したいという恩師と熱海へ二人旅をしたことがある。

恩師は古いタイプで、性別が複雑になり、差別用語が増えたことを嘆いている。

正しさも時代とともに変わっている。おかしい、と思う恩師。先生をやっていて疲れたとも言う。

正義には流行がある。恩師は「嫌われたって自分の正義が一番いい」と語る。

高柳は菊川という恋人がいるが、旅行には全く行ってなかった。恩師に驚かれるが、高柳は家族旅行の経験もないし、菊川も旅に関心がない。それだけだった。

恩師は「4年もお前を見てきたが分からなかった。本当に教師になりたいのか?何を考えてるのか?」尋ねた。

高柳は恋人からも同じことを聞かれた。

高柳:「授業でさんざん僕なりの思想、主義を聞いてきたのに、なぜみんな僕を疑うのでしょう?

恩師は問いに対する答えとして、「おそらくお前自身がお前を信じていないからだろうな」と告げる。

そして「教師になれば考えを話さなきゃならない。だから選んだのか?「疑われる事のない確固たる自分を見つけるために?」と投げかける。

高柳は笑う。それならカッコイイ、と。

高柳は「先生みたいな先生になりたいから。僕みたいな偏屈な若者をそっと助ける先生になりたい。」と言った。

高柳は菊川とは連絡を毎日している。ちゃんと好きだ。けれど「ちゃんと」の意味がまだわからない、と高柳は思う。

高柳は、恩師と昼間からの飲酒に付き合った。(つづく)

※原作第4巻第20話からは新しい生徒たちの物語になっていきます。

【ここは今から倫理です。】原作の感想

以上、【ここは今から倫理です。】原作ネタバレを紹介してきました。

【ここは今から倫理です。】は、ミステリアスな倫理教師が主人公の物語。

哲学を扱ってはいますが、とても分かりやすく、多様な生徒たちの悩みに向き合っていて幅も広いです。

高柳先生の最後の授業。これまで難しい内容もありましたが、マイケルジャクソンの曲で締めくくる結末は、誰もが納得するもので、良かったですね。

まず自分を変えよう、と思いました。

良い点・欠点

本書の良い点は価値観を押し付けないこと。

公平に哲学を紹介していくので、本当の教職員も推薦できるのでは?

けれど欠点もあります。良い点の裏返しなのですが、学校の授業という体裁を取るため、何かひとつの哲学を強く押し出せません。

たとえば、資本主義も社会主義もどちらも一長一短と、説明。まあ、事実ですけど。

人間は善であるという哲学を紹介する一方、人間は悪意・欲望があるとも紹介。どっちなのでしょう(笑)

まあ、それでいいのかもしれません。哲学書、思想書ではないのですから。

とっつきにくい「倫理」「哲学」に興味を持つきっかけとなる漫画でもありますし。

あとは、読者が自分の頭で考え、勉強することかもしれません。

本書の印象的なあれこれ

主人公は、闇社会の男とも対話しています。このシーンがあることで、学校だけでなく、世界が広がっている気がします。私(筆者)としては、語りでしかでてきていないのに、闇社会でしか生きられない少女の存在がとても印象的でした。

また、本書のディベートの回で、全体主義は独裁者に流されやすいという話があり、「サイレント・マジョリティ」という曲を思い出しました。

若者に人気の欅坂46(櫻坂46に改名)の楽曲で、「静かな大衆」あるいは「物言わぬ多数派」という意味で、「イエスでいいのか?サイレントマジョリティー!」と問いかけています。

また欅坂46の「不協和音」という曲では「僕は嫌だ」と歌っています。

「拘束されているときに『不協和音』の歌詞がずっと頭の中で浮かんでいました」
――香港の民主活動家で、逮捕された周庭(アグネス・チョウ)氏が保釈後に発言していましたね。

高柳はまだ謎が残る

本書は、主人公の葛藤も印象的です。不完全なんで、親近感がしだいに沸きます。まだミステリアスなんですが大体わかってきました。

しかし、主人公の結婚の破綻の理由が気にります。これは20話以降に始まった新しい生徒たちとの物語で明らかなるのでしょうか。期待して読みたいと思います。

ぜひドラマ化を機に、多くの若者に読んで欲しい漫画です。ドラマも楽しみです。

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当記事画像出典:https://www.nhk.jp/p/rinri/ts/WKL8N2Z561/

ここは今から倫理です

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