【優しい音楽】の原作ネタバレ!千波(土屋太鳳)の秘密って何?
【優しい音楽】の原作ネタバレ!
土屋太鳳 主演のドラマ『優しい音楽~ティアーズ・イン・ヘヴン 天国のきみへ』の原作は、瀬尾まいこの小説「優しい音楽」。
家族に彼氏を紹介しない千波(土屋太鳳)の秘密って何?時々おこるデジャヴとは…?
今回は【優しい音楽】の原作ネタバレについて紹介します!
【優しい音楽】の原作ネタバレ
ドラマ『優しい音楽~ティアーズ・イン・ヘヴン 天国のきみへ』の原作小説『優しい音楽』のあらすじネタバレです。
千波(土屋太鳳)は秘密がある?
永居タケル(永山絢斗)と鈴木千波(土屋太鳳)は恋人だ。
しかし千波はいつもタケルが家に行くことを嫌がる。タケルは不満だった。
そろろそ彼氏を家族に紹介してくれてもいいのにと思うが、なぜか会わせてくれない。
デートのあと、家の前まで送って行ってもそそくさと家の中に消えてしまう。
どうして千波はタケルを家族と会わせるのを拒むのだろうか…。
タケル(永山絢斗)と千波(土屋太鳳)の出会い
タケルと千波の出会いは、ある日の混雑した駅の構内だった。
千波はタケルの方へ、人をかき分け、迷わずやってきた。
タケルには千波に見覚えがない。
しかしそのとてもキレイな女の子は、まぶしそうにタケルを見つめた。
タケル:「どうかした?」
女の子:「えっと、えっとその。私は鈴木千波です」
タケル:「そうですか」
千波:「えっと、ごめんなさい」
タケル:「謝らなくていいんだけど。何か用事?」
千波:「いえ、その、あまりにも、びっくりして…」
タケル:「びっくり?」
千波:「その。とにかく。その、すみません」
タケルは彼女の挙動不審さに戸惑う。
だが翌日も千波はホームでタケルを必死で探している。
ストーカー?キャッチセールス?宗教?…タケルは不審に思って隠れる。
その翌日。タケルから千波に話しかけると、彼女は「一目惚れ」と言ったが、明らかに嘘だった。
千波:「私、怖くないから安心してください」
千波は学生証を見せた。英文科に通う19歳で、女子大の2年だった。
その後。千波は正体を明かしたからか、堂々とタケルに声をかけてくるようになる。
毎朝、電車を待つ10分間だけ、駅で話すようになった。
千波は辞書を3冊持ち歩いていた。和英・英和とドイツ語の辞書らしい。
タケルが23歳と聞き「ぴったりだ」と驚いた。
平日の朝、毎日会っているうちに、タケルは千波を好きになっていった。
けれどデートに誘う と「毎朝会えてるのにナゼ?」と千波は言う。
タケル:「嫌なの?」
千波:「嫌じゃないけど変な感じ」
タケル:「僕はもっと鈴木さんと仲良くなりたいんだ。鈴木さんのこと好きだし」
千波はハッとした顔になった。
千波は、タケルがそんなこと言うなんて「ピンとこなくて、ホントわからなかった」という。
千波:「永居さんってそういうんじゃないから」
タケル:「まあいいや。どうなの?付き合ってくれる?」
千波:「恋人にならないと一緒にいてくれないの?」
タケル:「友達でいたいってこと?」
千波:「別に友達になりたいわけでもないけど」
タケル:「鈴木さん変だよ」
千波:「ごめん」
タケル:「俺だってどうしたらいいか、わかんないよ」
千波:「わかった。恋人になる。永居さんと付き合うよ」
タケルは無理矢理かと思ったが、千波は否定する。
千波は「明日から恋人ね」と、にっこり笑った。
千波(土屋太鳳)の努力
千波にとってタケルと恋人になるのは困惑だが、努力しようと思った。
存在を確かめるだけで良かったが、そんな虫のイイ話はない。
タケルとは恋人になるのが一番適切だと千波は思った。
タケルの「仕方ないな」と笑ったとき、千波は「前にもあったね」と言った。
タケルは「デジャヴじゃないの?」と言った。
千波は<デジャヴ>をこれから何回も体験するだろうと思った。
土日のデートも、お互い気を配れるのが上手いからか心地よかった。
しかし初めてのキスのとき、千波は集中できず、うまくいかなかった。
タケルは「僕たちはキスするような関係でもない気がするね」と笑った。
千波は前に男と付き合ったことがあり、キスも性交渉も自然に、段階を踏んで体験したのに…。
千波は、この距離感をどうしたらいいか悩む。
そして次のデートで千波は「そうそう、私はタケル君の味方だよ」と切り出す。
「実は私、書道3算段だからスゴイの」とギャップで魅了させようともする千波。
「会話が取っ てつけたようで変」とタケルは言った。
「これはね、男を虜(とりこ)にする5つのポイントなの」と千波が明かした。
男を虜にする5ヶ条
①:彼女には味方になってほしい
②:彼女には弱いところを慰めてほしい
③:彼女のギャップに弱い
④:彼女の生活をすべて明かさない(秘密に惹かれるから)
⑤:彼女も自分の時間を持つこと。(いつも彼氏に時間を割く女は魅力なし)
タケルは明かしたら「効き目ないんじゃない?」と笑った。
千波の誕生日
やがて千波の20歳の誕生日になった。
タケルは「重そうだから家用に」と3冊の辞書を千波にプレゼントしてくれた。
千波の兄も入学祝いに辞書3冊くれた。
同じことをする人がいたことに千波は驚き、「すごくすごく嬉しい」と喜んだ。
なぜか逆にタケルが「ありがとう」と言った。
「どうしてありがとうって言うの?」千波は聞いた。
タケル本人も「なんでだろうね」と首をかしげていた。
千波とタケルはキスをした。
プレゼントはそっくりでも、今日は千波にデジャヴが起こらなかった…。
千波とタケルが進展
千波とタケルは仲が深まっていく。
デートもあちこち出かけなくなった。2人で話したり触れ合ったりして家にいる方が楽しくなった。
男女の関係にもなって、身体も心も馴染んだ。
千波は思う。動機は不純だったけどタケルの恋人になれて良かったと。
わらび餅を手作りして食べるのは楽しかった。
タケルは、買ってきた寿司すべてに醤油をかけた。生活習慣の違いに驚く千波。
ある日。タケルの太ももの付け根に湿疹ができた。
タケルは千波に見せたくなくて10日間も性交渉をしなかった。
「10日もしてないよ」と千波が問い詰め、湿疹が発覚。
千波は病院から薬をもらってきて、風呂場でタケルの股間を洗って、薬を塗ってあげた。
千波:「家族みたいだね」
タケル:「まさか。母親や妹にだって絶対、俺こんなことできない。千波ちゃんだってお兄さんにこんなことできる?」
千波:「確かに無理。タケル君だからできる…すごいね、恋人って」
タケル:「何でもありになっちゃうんだね」
タケル・千波:「愛してる」
千波は「早く治りますように」と言ってタケルの股間にキスをした。
その日は遅くなった。タケルが家の前まで送って「両親に挨拶した方良くない?」と言った。
しかし千波は「タケル君、いい気しないと思う。…父は酒乱で母は酒豪なの」と嘘とわかるようなことを言って断った。
結末
タケルは、付き合って半年。ついに千波の家族へ挨拶に行けることになった。
千波のお母さん(安田成美)はタケルを見るなり固まった。
千波のお父さん(仲村トオル)は何も言わずタケルの顔をまぶしそうに見つめた。
両親は、タケルの食の好みや家族構成・趣味などを質問。
両親のそのまなざしは最初の頃の千波そっくりだ。
夕食後。リビングでケ ーキを食べることになって、タケルはピアノの上の1枚の写真を見た。
タケルはその写真をみて、千波がタケルへ近づいた理由、家族に会わせてくれなかった理由、両親の親し気な態度などの疑問が一気にわかった。
タケルは千波に「お兄さんはどこにいるの?」と問い詰めてしまう。
千波は「いない」と言った。
タケルから「一緒に暮らしてるんだろう。どうしていないの?」と聞かれても「いないものはいない」と言い張った。
帰り道。千波がタケルを送った。
千波は、千波が大学入学してすぐに兄が亡くなったことを白状する。
千波は「聞かれなかったから言わなかった」と言い訳した。
「変だと思ったよ」というタケル。
「変じゃないよ。どういう出会いだったら正しいの?…きっかけなんて何でもいいじゃない?」と千波はいった。
タケルは気持ちを整理
タケルは何に腹を立てているのかわからなかった。
翌日千波は駅にいた。タケルとまた会った。
千波は辞書を持ち運んでいた。タケルは大学用と家用のつもりだったが、千波は「合理的なのはつまらない」と言った。(*当記事筆者の注:大学に私物を入れるロッカーってあるのでしょうか?)
タケルは一晩考えて気持ちの整理ができていた。
千波が自分の兄にタケルが似てるから声をかけてきた。それは事実だとしても、今は彼女に愛されている、と…。
千波のお母さんは、タケルに千波の兄の好きなリゾットを出しきたが、タケルは受け付けない。
千波のお父さんはタケルと登山へ。けれど、お父さんもタケルが息子じゃないと再認識する。
鈴木家は音楽一家
ある日。千波の家にピアノがあったことから、実は千波の家が音楽一家だとわかった。
ピアノの上のフルートは、千波の兄のもので、千波はピアノ、お母さんがボーカル、お父さんがギターを弾いていた。
しかしもう演奏はしなくなったという。
タケルはお父さんの誕生日を目標に、フルートを買って練習をする。
千波の父の誕生日
千波の父の誕生日当日。
食後。「何か演奏しませんか?」とタケルが切り出した。
タケル:「僕はお兄さんとは違う。似ていることを光栄に思うし、悲しくも思う。ただ僕は千波さんが好きだし、お父さんやお母さんがうれしそうな顔をされるのを見るのは 嬉しい」
今まで、誰も兄・“誠”の存在に触れなかった。
そのタブーをタケルが崩した。
タケル:「まだ2,3曲しか吹けないので、クランプトンはどうですか?」
千波が時々口ずさんでいた曲 ティアーズ・イン・ヘヴン だった。
「ティアーズ・イン・ヘヴン」(Tears in Heaven)…1992年に発表されたエリック・クラプトンの曲で、亡き息子への鎮魂歌。
タケルのフル ートはひどかったが、みんなの演奏は美しかった。素晴らしかった。
帰り際、お父さんはちゃんとタケルの顔を見て「また来てね。タケル君」と名前を呼んだ。
結末
帰り道。千波は「兄はフルートは吹けなかったわ」と明かした。
フルートを友達にもらったけど難しくて、吹くのを投げ出したのだという。
タケルは意外な事実に、どっと疲れた。
千波は「素敵だった。あんな素敵な曲、お父さんもお母さんも私もきっと聴いたことないと思う」と言った。
タケルはリビングの空気が動き出した気がしていた。
家族がよみがえ ったからじゃなく、新しくなったからだったのだろうか…。
千波:「タケル君は兄とは全然違う。フルートだって吹ける…私、タケル君が好き」
タケル:「うん」
嬉しそうな千波に、タケルはうなずいた。(おわり)
【優しい音楽】の感想
千波(土屋太鳳)の秘密って何?
小説『優しい音楽』は、不思議な出会いから始まるラブストーリーです。
千波(土屋太鳳)の秘密は、タケルが兄とそっくりだから近づいたことでした。
私(筆者)は、千波が幽霊かな?タケルの兄弟かな?と当初思ってたのですが、いや違うぞ、と読むうちに思わされます。
なるほど!そういことね!と納得な真相でした。
だから「友達になりたいわけでもない」けど「存在を確かめたい」と思ったのですね(笑)
作者は、表現に気を遣ったことでしょう。
結末に感動
結末は感動しました。
出会いはどうであれ、違いを受け入れて、タケル本人を好きになったってことですよね?
「合理的はつまらない」と、千波が言ってましたが…
不自然な、ちょっと不思議な出会いだったとしても、愛を育めるんだなと心温まりました。
過去にくよくよ悩む私(筆者)なので、今が大事だよ!と教わった気がしました。
ドラマは音楽があるので楽しみ
小説それ自体も素晴らしい出来栄えのヒューマン作品なんですけど、
ドラマは音楽が聴こえるメリットがあります。
クラプトンの曲をぜひ活かして、盛り上げて欲しい!
(瀬尾まいこさん得意の食事シーンは、視覚的に魅了してほしい)
そしてドラマ版は、タケルの方も何やら事情があるようです。
ドラマオリジナルな展開も期待してます♪
【優しい音楽】原作の登場人物
永居タケル(ながい・たける)(演:永山絢斗)…23才。設計事務所で働く社会人。4年も付き合った恋人と別れたばかりのころ、千波に出会う。ピアノが弾ける。※ドラマでは造船所では働いている。
鈴木千波(すずき・ちなみ)(演:土屋太鳳)…女子大の2年生。7月15日生まれの19才。英文科。学籍番号012078。混雑した駅の構内で突然、永居の前に現れた女性。※ドラマでは北鎌倉の洋館に家族と住み、江ノ電でタケルと出会う。原作では地名や電車名は不明。
鈴木誠(すずき・まこと)(演:ー)…千波の兄。フルートを吹く。
千波の母(演:安田成美)…歌を歌う。※ドラマでは鈴木桂子という名。原作では名前が不明。
千波の父 (演:仲村トオル)…ギターを弾く。※ドラマでは鈴木雅志という名で、大学教授。原作では名前や職業不明。
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広木克彦(演:佐藤浩市)…ドラマオリジナルキャラクター。タケルが勤務する「広木造船」社長。
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