【恋です!ヤンキー君と白杖ガール】原作ネタバレ!登場人物名に色が入っている理由
【恋です!ヤンキー君と白杖ガール】原作ネタバレ!登場人物名に色が入っている理由とは?
ドラマ『恋です!ヤンキー君と白杖(はくじょう)ガール』の原作は、うおやま氏の漫画です。
弱視のヒロインとヤンキーが出会って、見ていた世界が変化していく…ためになって、心洗われるラブコメディー!
今回はドラマ【恋です!ヤンキー君と白杖ガール 】原作のあらすじネタバレを紹介します。
<この記事でわかること>
- 原作情報
- 原作とドラマの登場人物
- 登場人物名に色が入っている理由
- ユキコ(杉咲花)森生(杉野遥亮):2人の出会い / 2人の 変化(成長)/ 2人の 結末。
- 主要キャラのネタバレ:ハチ子の恋のネタバレ/ 獅子王の事情のネタバレ/ 花男の正体ネタバレ
- 原作のあらすじネタバレ
ドラマ『恋です!ヤンキー君と白杖ガール』はHuluで配信!
【恋です!ヤンキー君と白杖ガール】原作
『恋です!ヤンキー君と白杖ガール』原作マンガの情報です。
原作:「ヤンキー君と白杖ガール」(KADOKAWA)
原作者:うおやま
連載: ニコニコ、pixiv、マンガハック
コミックス:未完(2021年10月現在6巻まで)
※ドラマ【恋です!ヤンキー君と白杖ガール】放送開始時点で、原作マンガはまだまだ連載中です。
【恋です!ヤンキー君と白杖ガール】原作ネタバレ…の前に『ヤンキー君と白杖ガール』登場人物
原作のネタバレの前に主な登場人物をご紹介。※ ()はドラマのキャスト
<ドラマの登場人物>
●赤座ユキコ(杉咲花)…主人公。県立虹町盲学校 高等部2年生の16歳。ドラマでは3年生。光と色がぼんやり分かる程度の弱視だが、大きくて黒地に白文字だと読める。高等部から盲学校へ入り、空ちゃんや青野くんと出会う。
●黒川森生(杉野遥亮)…顔に傷のあるヤンキー。18歳。高校中退後、無職。「黒ヒョウのモリ」として恐れられているが、ユキコに恋をする。キスも未経験で一途(いちず)でピュア。人との仲良くなり方がわからない。身内は祖母のみ。
●赤座イズミ(奈緒)…ユキコの姉。20歳。大学2年生。ユキコと2人暮らし。心配性。ユキコの保護者と思っていて、バイトや友人との旅行はしたことがない。ドラマではネイリスト。ドラマでは母親を数年前に亡くし、ユキコ・イズミ・父親の3人暮らし。原作では、iイズミとユキコがアパートで2人暮らしをしていて、父と母は実家で2人暮らし。
●赤座誠二(岸谷五朗)…ユキコとイズミの父。(原作では6巻まで、ほぼ登場しない。112話から本格登場)
●金沢獅子王(ししお)(鈴木伸之)…森生のライバルのヤンキー。26歳で正社員になる。
●橙野ハチ子(生見愛瑠)…森生の中学時代の同級生でヤンキー仲間。森生のことが好き。女子高生で2年生。森生にもらったヘッドフォンをいつもしている。
●緑川花男(戸塚純貴)…森生のヤンキー仲間。スキンヘッドでサングラス。
●桃井草介(堀夏喜)…森生のヤンキー仲間。※ドラマオリジナルキャラクター。
●橙野茜(ファーストサマーウイカ)…喫茶店の店主。ハチ子は姪(めい)。※ドラマオリジナルキャラクター。
●紫村空(田辺桃子)…ユキコの同級生。弱視。視野の端だと少し見える。考える前に行動派で、走るのが好き。
●青野陽太(細田佳央太)…ユキコの同級生。17歳。生まれつき全盲。ムラムラすることが多いエロ男爵。軽音部所属で作曲が趣味。全盲の中学生の家庭教師もしている。小学生時代から現在まで盲学校の寄宿舎で生活。中学から空と一緒になった。ひなた という妹がいる。過去にオリジナルの色辞典を作った。完璧主義な性格で自己肯定オバケ。
●茶尾(さお)(古川雄大)…ハンバーガーショップの店長。愛称:チャオ。会社は従業員のためにある、が個人的な理念。
●桃田…レンタルビデオ店の店員。まだ若く、メガネをかけている。アメコミ原作に詳しい。
●オトメ…獅子王の祖母。80歳。レンタルビデオ店で森生が親切に丁寧にする。のちにレンタルビデオ店の案内係に!?
●黄多しずく(きだ・しずく)(演:川面千晶)…県立虹町盲学校 高等部の女性教師。空が走るとき、よく伴走している。既婚で子持ち。熱い性格なことから、女・松岡修造の異名がある?
●水谷陽香(はるか)…新人のアパレルショップ店員。
●黒川テル江…森生の祖母。両親がいない森生の親代わり。森生が小学校時代、72か73歳。
●クリーニング店店長…銀原クリーニング店店長。小学校時代の森生に人の事情を知る大切さを説く。
●藍沢光一郎…55歳。とある会社の経理部長。コミュニケーションは苦手。娘からはウザがられている。第2巻の「おまけ」回で、バスに乗ってきたユキコにICカードを読む機械の場所を教える。
●藤宮大地…職場でいじめられている青年。
●山吹(やまぶき)さん…メイク講師。
●紅林サクラ(くればやし・さくら)(演:吉住)…「BBバーガー」の社員で、現場を仕切っている。
●栗栖瑞樹(くりす・みずき)…「BBバーガー」の店員の男の子。無口でおとなしい性格で、女の子みたいな容姿。7年間引きこもりだった。
●紺野(演:大友花恋)…「BBバーガー」のベテラン女性店員で、劇団員。お客様の情報に詳しい。目元のほくろがチャームポイント。
●スーパーの店長…「BBバーガー」の常連客。前はLサイズのポテトを頼んでいたが、高血圧で医者に止められてSサイズにしている。
●土田…「BBバーガー」の店員。メガネをかけた年配の女性。
●墨田(すみだ)…茶尾店長の前の会社のときの部下。契約を切られて以降、心身を病んでしまう。
●灰原凪子(はいばら・なぎこ)…森生の元カノ。22歳。元ヤン。森生の方から振って別れたが、凪子はまだ森生に想いがある。兄弟は弟がいる。第7巻収録予定の100話で、23歳になる。
●緋山柳司(ひやま・りゅうじ)…花男の家の近所の建設会社の跡取り息子。花男曰く「いい奴だぜ。仕事もちゃんとしてる」という人物。ハチ子へデートを申し込む。※ドラマではユキコの幼なじみの名前が緋山君。
●桜田…盲学校の教師。青野の小学生時代の先生。青野にこの世界の色彩を教えてくれた。
●ゲンさん…青野にぶつかって悪態をついた男。のちにねん挫で松葉杖で歩くことになる。
●灰原渚(はいばら・なぎさ)…凪子の弟。
●ケイト…道路に飛び出そうとしたところを、渚に助けられた男の子。
●ユリ…イズミの大学の友人。
●ミイちゃん…イズミの大学の友人。
【恋です!ヤンキー君と白杖ガール】原作ネタバレ(1):登場人物名に色が入っている理由
登場人物名に色が入っている理由についてネタバレします。
登場人物名に色が入っている
まず、ドラマの登場人物名を見てみると…
- 赤座ユキコ/赤座イズミ/赤座誠二……【赤】
- 黒川森生……【黒】
- 金沢獅子王……【金】
- 橙野ハチ子/橙野茜……【橙色】(だいだいいろ)
- 緑川花男……【緑】
- 桃井草介…【桃色】
- 紫村空……【紫】(むらさき)
- 青野陽太……【青】
- 茶尾……【茶色】
原作の登場人物も…
- 桃田…【桃色】
- 黄多しずく…【黄色】
- 水谷陽香…【水色】
- 藍沢光一郎…【藍色】(あいいろ)
- 藤宮大地…【藤色】(ふじいろ)
- 紅林サクラ…【紅色】(べにいろ、くれないいろ)
- 栗栖瑞樹…【栗色】(くりいろ)
- 紺野…【紺】
- 土田…【土色】(つちいろ)
- 灰原凪子/灰原渚…【灰色】
- 緋山柳司…【緋色】(ひいろ)
- 桜田…【桜色】
原作者のうおやま氏も、苗字に色を入れていることを明言。偶然じゃありませんでした。↓
そうなんです、色にしてます!
— うおやま🐟ヤンキー君と白杖(はくじょう)ガール⑦巻12/23 (@uoyamangamanga) December 14, 2018
って空ちゃん…!紫村のつもりだったのに柴になっとる…!!今気づきました😱
柴色とかありませんかね(;゜∇゜)トホホ
ちなみに、単行本時は、柴村(しばむら)でなく紫村(しむら)に直っていました。
登場人物名に色が入っている理由
登場人物名に色が入っている理由は何でしょうか。
といっても、著者が明かしてるわけではないので、読者としての推測です。
解釈は2つあると考えます。
理由(1)色とりどり
名前に色が入っている理由の1つ目は「色とりどり=人それぞれ色がある=みんな違ってみんないい」というメッセージが込められているから。
本書は、世間から差別される人や何か事情を抱えている者など、「フツウ」でない人たちであふれています。
たとえば、視覚障害者・顔に傷があるヤンキー・社会の進化についていけない高齢者・同性愛者・いじめられっ子・部下を派遣切りした者・親に愛されていないと感じる者・男に振られてばかりの女・元引きこもり・親がいない者…など色々な事情で疎外感を抱いている人たちが登場します。
人間はカテゴリー分け(高齢者と若者、健常者と障害者など)をされて、イメージでレッテルを貼られてしまいがちですが、一人一人、違った人格があり、それぞれの魂があります。
登場人物の名前に色を入れているのは「みんな違った色があっていいんだ」という前向きなメッセージに思えます。
(※本書全体のメッセージに感じますが、 第6巻第93話-第96話「色彩①-④」で特に描かれてています。)
理由(2)透明人間じゃない
名前に色が入っている理由2つ目は、「透明人間じゃない」というメッセージが込められているから。
本書では、駅のホームでの転落事故の問題を扱い、「視覚障害者を見てみぬふりしている、誰も気づいていない(=透明人間にしている)のではないか」と問題提起しています。
色があるということは透明でない、ということです。
つまり、 登場人物の名前に色を入れているのは「存在」しているということを意味している、と感じました。
(※第7巻100話・101話のネタバレを参照)
【恋です!ヤンキー君と白杖ガール】原作ネタバレ(2): ユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮) の恋の結末
原作『ヤンキー君と白杖ガール』のユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮) の気になる以下の3点をざっくりネタバレ!
- ユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮):2人の出会いは?
- ユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮):2人の変化(成長)とは?
- ユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮):2人の結末は?恋人になるの?
ユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮):2人の出会いは?
ユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮)の出会いは、第1巻第1話「出会い」で明かされます。
冒頭は森生の視点でユキコを見ているシーンです。
(1ページまるごと使った)ユキコのどアップと、
「その瞳(め)が俺の世界を変えた」という森生の言葉とともに、
ユキコの両手が森生の顔を触っている(確認している)というシーンです。
ここから時間が戻って…
2人の出会いは、森生が点字ブロックの上を歩いていた時。
森生がどかないので、森生のおしりの割れ目に白杖(はくじょう)をぶっ刺します。
「点字ブロックの上を歩くんじゃねえよ」とユキコが言って注意。
森生の仲間が「超こわもて」と、森生のことを説明。
ユキコが「口で説明しろ、想像するから」というと、森生がピアス200・身長3m50㎝と盛りますが、嘘とバレます。
「顔に傷があるんだぜ」と森生が怖がらせると、ユキコが森生の顔を両手で確認して「ここか?赤チンいるか?」と心配します。
森生の顔は赤くなりました。一目惚れです。その後、森生はユキコになついて…。
ユキコが可愛くて
しかも顔を触られた
こともあるでしょうけど
森生のコンプレックスな
<怖がられる傷>を
ユキコが真っ直ぐに
心配してくれたから
恋しちゃったのね?
ユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮):2人の変化(成長)とは?
ユキコ(杉咲花)は森生(杉野遥亮)との初デートが楽しくて、初めてのプレゼントのハイヒールが嬉しくて、雨の日に傘を差し出してくれた森生の大きな手が好きで…。ユキコと森生との距離は徐々に近づいていきます。
ユキコの最初の変化(成長)は、姉との関係でしょう。極度に不安な姉に「心配しないで。私は幸せになるって決めてるの」と宣言します。これは森生と出会っての変化でした。
一方、森生は傷を怖がらずに受け入れてくれるユキコにベタ惚れ。
森生の最初の変化(成長)シーンは、初めて職に就いた時のこと。獅子王(鈴木伸之)が店長を務めるお店で、森生はセルフレジを発見しました。そこで、ユキコが社会から拒否されていると感じます。進化するシステムにユキコが無視されているのは許せない、と森生は憤りました。
森生はユキコとの出会いで視野が、世界が広がっているのですね。結果的に、その店で高齢者を丁寧に案内する森生の姿勢が店長の獅子王に認められて、職に就くことができたのです。
ユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮):2人の結末は?恋人になるの?
第2巻収録の第31話「good day」で、ユキコがついに森生に告白します。
メチャクチャ恥じらっての「ちゅき」という発言をハチ子(生見愛瑠)が引き出しました。
この時から、2人は恋人といえる関係になっていきます。
2人の結末は、連載中なのでまだ未定です。
なお、第7巻収録予定の話しで、森生はユキコの父親に受け入れられています。
結婚がイコール:ハッピーエンドではないですが、2人は固い絆で結ばれているので、将来的に結婚もあると思います。
【恋です!ヤンキー君と白杖ガール】原作ネタバレ(3) :ハチ子(生見愛瑠)の恋
ハチ子(生見愛瑠)の恋についてネタバレします。
ハチ子の恋の相手、と恋の結末がわかっています。
ハチ子は、元子役タレントで、周囲から「芸能人」として特別な目でみられていました。
あるとき、いじめられていて、森生が助けてくれました。
それ以来、ハチ子は森生に恋しています。
身体はどこも悪くありませんが、人と上手く付き合えないハチ子。
ユキコみたいに白杖ガールなら、森生が同情してまた一緒に遊んでくれる、と思ってしまうハチ子ですが…
森生は、同情でなくユキコが大好き、と断言。ハチ子の恋は破れてしまいました。
【恋です!ヤンキー君と白杖ガール】原作ネタバレ(4): 獅子王(鈴木伸之)の事情
獅子王(鈴木伸之)の事情のネタバレです。
最大のネタバレは、獅子王が同性愛者であり、森生に片思いしていることです。
獅子王は、小学生の森生の顔に傷をつけてしまいました。
コンビニ前で、獅子王が座布団に座っていた時、森生が近づいてきました。
森生は困っていた友人のために「話せばわかる」と思って近づいたのですが…
…獅子王は親に同性愛をカミングアウトする日、どうして俺だけ説明しなきゃいけないのかと、怒りがわいてしまいました。
家に帰らず翌日に。ムシャクシャしていた獅子王は、「話せばわかる」という目で近づいてきた森生を、思わずナイフで傷つけてしまいました。
それ以来、森生を見守ってきた獅子王。
いつから森生に片思いしているのかは、明確でないのですが、ずっと胸にしまっているようです。(※森生が中学生になって以降に片思いと思われます。第2巻35話を参照)
【恋です!ヤンキー君と白杖ガール】原作ネタバレ(5): 花男(戸塚純貴)の正体
花男(戸塚純貴)の正体のネタバレです。
花男は森生の子分であり、森生にとって弟のような存在。
実は、花男の正体は獅子王に座布団を座られて困っていた(森生の)友人です。
花男と森生は、小学生時代の同級生。
花男は「危ないから」と止めたのに、森生は「話せばわかる」と言って獅子王のもとへ行き、怪我をしました。
以来、花男は森生が無茶しないか心配で、森生のそばにいるようです。
【恋です!ヤンキー君と白杖ガール】原作のあらすじネタバレ
【恋です!ヤンキー君と白杖ガール】原作漫画の結末まで、あらすじネタバレします。
1巻のネタバレ
1巻のあらすじネタバレのポイント
- ユキコと森生の出会い。初デート。初プレゼント。
- 森生が初めて仕事に就く!
- ユキコと姉の対立と和解。
第1話「出会い」
第1話途中まで「ユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮):2人の出会いは? 」の項目を参照のこと。
第1話の続き:ユキコは森生になつかれます。
しつこくユキコを手伝おうとする森生ですが、ユキコは「うざい、赤ん坊あつかいするな」と一喝!
激しく落ち込む森生。…ユキコは森生の仲間から「兄貴は敵か子分しかいなかったから人と仲良くする方法を知らない」と聞かされます。
待ち合わせ場所(?)で、(森生が通ったら気づくように)ユキコは誰かと待ち合わせてる人たちに森生の特徴を話すと、怖がられて去られてしまいます。
「ピアスや傷があるけど悪い奴じゃなくて、ちょっと寂しがりやなだけ」と説明を変更すると、そこにいたのは泣いていた森生。
「お供させて」という森生に、「行きたいところがある」とユキコ。
「デートだ」と喜ぶ森生でした。
第2話-第5話「デート①-④」
デート(?)することになったユキコと森生。
しかしユキコは友人・紫村空(田辺桃子)に「どうせ最後。普通のデートができないと分かれば去るよ」と話します。
初デート当日。黒の衣装で決めた森生。
しかしユキコにとって見えにくいと分かると、「オレ、ユキコさん色に染まります」とギラギラな服装へ衣装替え。
ユキコは誘導してもらうため、森生の腕につかまります。
森生は「積極的なんですね」と最初 勘違いしました。
映画館では、あまり音声ガイド付きがなくて、「ひだまりざむらい」という時代劇を観ることに。
ポップコーンを買ってきた森生。
しかしユキコは丸くてこぼしても見えないから、外でポップコーンは食べないらしい。
チェロスを食べて鑑賞するユキコ。
意外にグロイ殺害シーンがあり、森生はユキコの手を握ります。
そこで森生は閃(ひらめ)き、ユキコの手におさまるだけポップコーンを入れます。
そうすれば食べられる、と思ったのです。ユキコは食べてみると、とても気に入りました。
けれどやっぱり上手く食べられないため、
あーん(!?)
とユキコが口を大きく開けて、食べさせてもらいます。ドキドキする森生。
今度はユキコがお礼にチェロスを森生の口に入れました。
(この時、キスされると思った森生。「初めてなんです」と緊張します。笑)
映画終了後。ユキコは意外と楽しめました。
森生の顔がベタついてたと指摘しますが「嫌いなやつなら触らないけどな」とツンデレなユキコ。
ユキコは、たぬきの助三郎というキャラが好きだと感想を述べます。
「あのズッコケキャラが(笑)」と爆笑の森生。
ユキコは黒川の声に似てたからとは言ってやらない、と心の声でつぶやき、ふくれました。
ユキコは今日の朝まで不安でした。
ユキコの「普通」と、この街(と書いてセカイ)の普通は違うから…この街で「普通」に生きる人と一緒に歩くとみじめになる、と思っていました。けれど…。
森生も追いかけて来てユキコに話しかけます。まわりと上手くやれたなかった森生がユキコと「普通」のデートができるか、森生も不安でした。けれど…。
ユキコは、森生の口を手で押さえて、「黒川。その先は言わせろ。でも今日は楽しかったな。普通じゃなくて楽しかった」と言いました。
第6話「くされ縁」
森生のライバルで、森生の顔に傷つけた男・金沢獅子王(鈴木伸之)が正社員になりました。
森生は高校中退して以来、無職。ケンカでは82連勝中の森生が、初めて獅子王に負けてしまいます。
森生は、刃物でつけられた顔の傷のせいで、バイトすら雇ってもらえません。
そんな中、街でユキコを偶然見かけますが、不機嫌そうで…。
第7・8話「声①②」
【ユキコの不機嫌な理由】:ユキコは雨の日が嫌いでした。視界が悪く、音も匂いも消されてしまうから。水たまりは入り放題、傘を持つと両手がふさがって緊張状態に。
森生がユキコを見つけて傘に入れてあげます。ユキコは「超たすかる」と感謝。
相合傘で歩いて会話していると、ユキコが森生に顔を近づけてきます。
「もっと黒川の吐息を感じたくて」とユキコ。ドキドキする森生ですが、ユキコの真意は…
・・・ユキコは相手の表情を「声色」で感じています。だから声の調子や呼吸音まで聞きたいのです。
「あーあ。私の背があと10㎝高ければな」とつぶやくユキコ。
森生は、ユキコがハイヒールを履けば叶えられると思いました。
そのため、森生は就活にチャレンジ。しかし顔の傷への偏見もあり、ことごとく失敗し…。
第9話「オレサマ」
森生が突然消息を絶って3週間。ユキコは怒って電話。そして森生が就活してしていたと知りました。
森生は傷のせいで落ちると愚痴ります。
「黒川、知ってるか?目ってオレサマなんだよ」というユキコ。
その理由は…五感の中で視覚が一番自己主張しているから。
味覚が主役のはずの料理でさえ、8割は視覚で味わっていると言われます。
目が見えると他の感覚をおろそかにしがち。
だから視覚優位で生きてる人間は人の外見に振り回されるのが当然。ですが…
「でも黒川。自分まで自分の見た目に振り回されるな」とユキコ。
顔に傷があるからってダメじゃない、と励まします。
見た目に振り回されるな
って言葉。
黒川森生は嬉しかった
だろうね。
第10話「手」
電話の続き:森生はユキコに、自分のいいところを尋ねます。傷は見えないから怖くないし、むしろすぐ泣いてビビりで、ひょうきん。匂いはおばあちゃんのタンスみたいな香り(?)で…
「あと黒川は手が大きいよね、その手は私に傘を差しだしてくれた」と感謝するユキコ。
続けて…「お前はきっと色々な人に傘を差しだせる。そういうのって、すごく素敵だよ。お前は」
森生は「ユキコさんに会いたい」とストレートに告げて、そのために頑張ることを誓いました。
第11話-第13話「セルフ①-③」
森生は隣町まで就活の範囲を拡大。そこでレンタルビデオ店があり入ってみます。
さびれたお店ですが、音声ガイド付き時代劇のDVDを発見し借りようとします。
しかし店員はいなくて<セルフレジ>がありました。
森生はふと思いました。このレジをユキコが使えない、と。
店員を呼んで、目が不自由な人が困ることを訴えます。
店員は、目の不自由な人が来たことないとドヤ顔。
「そりゃ来ないだろ。来ても無理だって諦めてるから」と森生は思います。
ユキコは映画好きなのに…。
森生も就活で実感していました。決められた枠からはみ出た者は「社会に拒まれている」と。
ユキコはもっと感じてるはず。
(セルフレジのように)社会は「進化」しているものの、誰か無視して回る社会は「退化」じゃないのか…森生は疑問を感じます。
「目が不自由でも映画は見るんだ」と、森生が店員に訴えます。
すると、店長がやって来ましたが、なんと獅子王で…!?
第14話「姉」
獅子王は雇われ店長で、バイトは雇うなと言われています。森生の好きな人が弱視の女性でも、人のいるレジを常に開けておくは出来ません。
14連勤した獅子王は帰って休もうとします。家に着くと、祖母・オトメがレンタルビデオ店を観にくると電話してきました。心配して戻る獅子王。
しかし店では、困っていたオトメに、森生が親切に対応。獅子王はひと安心です。
翌日。オトメの友人たちがレンタルビデオ店にやってきて、森生が接客します。(ふだん売れない)DVDプレーヤーが5台も売れました。
オトメたち老人は森生の傷を怖がりませんでした。老眼や白内障で見えにくいのもありますが…
オトメは空襲に遭った弟も傷があったことから「愛(いと)しいわ」と言います。森生は涙しました。
獅子王はユキコのことを他人事に考えていたことを、改めました。
いつか人は老いる。進化する社会についていけなくなる…。
だから今は若くて想像しにくくても「私は自分自身の未来のためにも真剣に考えなくては」と獅子王は言います。
獅子王は、新しい顧客開拓のために、森生に頼み込んで雇います。オーナーは必ず説得すると息巻く獅子王。
森生は思いました。世界の広さに気づけたのはユキコに出会ったからだ、と。
第15話「家族」
ユキコの姉・イズミ(奈緒)は、大学2年生。妹と無職のヤンキーの交際に反対中。
ユキコとアパートで2人暮らしです。盲学校と大学が近いからという理由で両親を説得し家を出ました。
イズミは昔はよく笑っていましたが、最近は怒ってばかりです。
ユキコが出かけたあと、イズミは視覚障害者の転落事故のニュースをみてドキリとします。
不安でいっぱいなイズミは、家族だからって何でも受け止められないと悩んでいました。
イズミは妹のために車の免許を取得。買い物や定期検診の付き添い、日常の補助は苦でありません。
イズミが耐え難いのは、妹の傷ついた心を感じたときに襲ってくる切なさを受け止めること。
ユキコは手術をして、病気の進行は抑えられましたが、前より見えなくなってしまったのです。
第16・17話「プレゼント①②」
雨が降ってきて…イズミが車で妹を迎えに行きます。すると、森生を見かけました。
雨がやんだ中、ユキコと森生が再会。1ヶ月ぶりです。
イズミは雨が降っていないのでお迎えの意味がなく、陰から2人を見守りました。
森生がユキコの足のサイズを尋ねますが、不審に思ったユキコが回答を拒否。
森生がユキコと別れたあと…イズミはユキコの足は21だと教えます。
後日。ユキコは靴の底がすり減ってきました。ユキコにとって足の裏も大事な情報源で、すり足でよく歩いているのです。
イズミが同じ靴を買ってくることに。
ペタンコで歩きやすい靴ですが「同じのか」と少し残念がるユキコ。
森生は初給料日。ハイヒールをユキコにプレゼントしました。
家に帰ってドキドキしながら開けたユキコ。
手紙もあり、黒地に白文字で「ユキコさんこれで俺の声とどきますか」とあります。
(森生と身長差があるユキコが「私の背があと10㎝高ければ」と言った、その願いを叶えるためのハイヒールです)
やがてイズミが帰宅。ハイヒールを履いてユキコが迎えました。
第18話-第20話「私を見て①-③」
イズミは靴を買って帰って来たのに、ユキコが10㎝ある細いハイヒールの不安定さを見て、ショックを受けます。
「捨てるからね、こんな靴!」「なにすんの、お姉ちゃん!」ケンカする姉妹。
「履けるとか履けないじゃなくて、黒川が私のために選んでくれたことが嬉しいの」とユキコ。
ユキコは「私を見て」と、ワンピースを買いに一緒に出掛けます。
しかし店の前で姉を待たせるユキコ。
…ショップ店員の水谷陽香はやさぐれていました。客に話しかけるとうざがられ、店長からは話しかけるように圧をかけられて…板ばさみ。
そんな時、ユキコが店に入り、水谷に話しかけられます。
デート用と聞いて遠慮(?)する水谷に「店員さん、プロですよね」とユキコ。
奮起した水谷がユキコのために、ヒールに合う服を選びました。
買い物後、イズミは親切な店員だったから上手くいっただけ、と不安を口にします。
「また私のこと見てないよ!お姉ちゃんが見ているのは自身の心だよ。私が人間に見える?不安のかたまりにしか見えてないでしょ」とユキコ。
治らない障害があり、転びやすくて傷つきやすい<恐ろしい存在>として私を見ている、とユキコは指摘。
「悲しまないでほしい」と訴えるユキコは姉に言いました。
「私もう決めてるの。幸せに生きるって決めてるんだよ」
イズミは守らなきゃと思っていた妹が、黒川森生に先へ連れて行かれたのだ、私を置いて…と思いました。
第21・22話「ひとりじゃない①②」
ユキコは、ハイヒールと綺麗な服で森生と待ち合わせ。
しかし森生がハイヒールは歩きにくいことに気づいて、謝罪します。
「交換してきます」という森生に「そんな言葉が欲しいんじゃない!」とユキコ。
このハイヒールは森生の声を近くで聞くため。つまりこの靴を履くときは森生がそばにいるはず…。
「私を安心させる言葉くらいわかるだろ」とユキコ。
「俺が支えるんで好きだけ、つまずいてください」と森生。
陰から見守っていたイズミは、森生の前ですねたりワガママいえるユキコに「妹は幸せになれる」と確信しました。
イズミは妹と一緒に、森生の職場へ。レンタルビデオ店JOYは目の不自由な人にも利用しやすく変わっていました。
音声案内やデカ文字の案内板、DVDタイトルは黒地に白文字で見やすく、点字テープも貼られています。車イスも通りやすくしました。
イズミは、妹が店員やオトメと笑い合っているのを見て、「妹はいつの間にか社会にいたんだなあ。うらやましいな」とつぶやきます。
森生がイズミの話しを聞きます。去年、ユキコは病気の進行を食い止めるための目の手術をしました。
しかし後遺症で前より見えなくなってしまいます。
今まで親がやっていた付き添いなどをイズミがして、ユキコの抱える現実の重さを知ります。
家族だから支えなきゃいけないのに、いつも心の中で私は誰か助けてと…
イズミは涙をこぼしました。
森生がイズミを真っ直ぐ見つめて「イズミさんは孤独だったんですか。本音を言える人はいるんですか」と問います。
森生はイズミに「これらからはひとりじゃない」と伝えました。俺たち出会えたから、と。
あやうく恋に落ちそうになるイズミ。姉妹は趣味が似てるから優しくしないでとからかう、と…
「俺はユキコさん一筋」とあわてる森生。笑うイズミ。
ユキコはずっと見たかった姉の笑顔に安心し、森生に感謝しました。
第23話「ひとりじゃない エピローグ」
イズミはガチムチな男がタイプ。獅子王に会うと、タイプだったので一目惚れ。
思い切って「付き合ってる人いますか」と尋ねると、「いない」と言います。
しかし「想い人」はいるという獅子王。(※第2巻で、おそらくこの人かな?と判明します)
フラれたとショックを受けるイズミですが…
「友愛が恋愛より劣ると思ってない」と獅子王。
獅子王とイズミの友としての日々が始まりました…。
1巻は、セルフレジに考えさせられたけど
森生の世界観が広がっているのに驚き。
この漫画って
読者にも気づきを与えてくれるのよね。
ユキコちゃんの「幸せになる」決意も
ハッとさせられるわ。
2巻のネタバレ
2巻のあらすじネタバレのポイント
- ハチ子とユキコが友達になる。
- 森生の傷には、獅子王の「事情」が関わっていた。
- ユキコが森生に愛の告白!
第24話-第28話「ずるい①-⑤」
この章はハチ子(生見愛瑠)のメイン回。
女子高の2年生のハチ子は、ヘッドフォンをいつもしていて同級生たちと話さないようにしています。
ある日。ハチ子は森生に「ハチ子も白い杖を持つ」と宣言。
そうしたら同情してもっと一緒にいてくれるんでしょう、と迫りますが…
森生は同情でなく「大好きだから」ユキコと一緒にいると言いました。
失恋したと思って泣きじゃくって去るハチ子。
その会話をユキコは聞いてしまいました。
<ユキコの過去>
ユキコは子役タレントでした。「ハッちゃんのハチミツアイス」というテレビCMやドラマも出演。父の友人がスタッフなので参加していました。
しかし学校で芸能人だから、と友人たちに距離を置かれてしまいます。中学時代も学校でカメラを向けられて特別な目で見られていました。
そんなハチ子を救ったのが兄貴こと黒川森生。森生は「今度からまれたら聞こえないふりしろ。人間なんて本気で他人のことわかろうともしねえ、いいかげんなもんなんだ」と助言。そしてヘッドフォンをプレゼントしました。
ハチ子は初めて自分のことを理解してくれる人に出会えたと思いました。それなのにユキコに出会って兄貴は変わった…と恨んでいました。
ユキコは森生と出会って4ヶ月。森生とハチ子は中1のときからだから4年の付き合いになります。森生はユキコはハチ子と違って泣かなそう、「たくましそうっすもんね。そういうところも好き」と言います。
ユキコは寝る前、寝室で…「何がたくましいだ!」と時間差で怒りがわきました。ユキコだって凹むし、同情と聞いて傷ついています。
ユキコはハチ子と1対1で会うことに。キャットファイト(女の戦い)です。
喫茶店にて。ハチ子はホットコーヒーを2つ注文。
「このコーヒー、カップ使わずに飲んで。手に受けたら飲めるよね?」とユキコが、ハチ子の手を出させ、熱いコーヒーをこぼします。
「なにすんだ、火傷(やけど)すんだろ」とハチ子。
嫌がらせかと思ったら、ユキコのたとえ話でした。(見えないため本当にこぼれましたが…笑)
「私にとって『外の世界』はね、このコーヒーと同じなの」とユキコ。
ユキコにとってコーヒーカップが白杖です。
人は、道具(コーヒーカップ)を使って熱いコーヒーをやけどせずに飲めます。
同じように…
ユキコは、白杖(≒道具)を使って街(≒熱いコーヒー)をケガせずに(≒やけどせずに)歩くこと(≒飲むこと)ができるのです。
ユキコは、私にとって便利な道具を使っているだけで、みんなと同じ。なのになぜ特別な目で見られるのか疑問でした。
ユキコはハチ子には理解してほしいと思ってこうして話しました。
ハチ子は「人と人はわかりあえるなんて、マジで信じてんの?」と聞きます。
ユキコは「信じてる」と真っ直ぐに答えました。
ハチ子は涙し、本当は兄貴が本気で惚れる相手は障害の有無でなくて強くて優しい人だろうって…分かっていた、と負けを認めました。
そして障害ある人を「ずるい」と思っていた…と、ヘッドフォンを外して打ち明けます。
第29話・30話「夜明け前①②」
ハチ子は障害がありません。なのに自分のことが健常者(普通の人)だとは思えませんでした。
障害がある人は出来ないことが許されます。
ハチ子はどこも悪くないので、出来ないことが許されません。
上手く生きられないのも自分が悪いのです。
だからハチ子は、「障害者はズルい」と思っていました。
「ハチ子ちゃんのいきづらさと私は関係ないよね?」と冷静なユキコ。
そう、ハチ子は(兄貴をとられた)八つ当たりだったのです。
ハチ子は「同じ人間だし」とユキコを認めます。
そもそも生きるのに障害がないやつなんてどんだけいるのかって話しです。
ユキコは表情が嫁いないので建前とか裏を読むのが苦手です。だから、正直なハチ子が好きになりました。
一晩中『カップ理論』を考えたというユキコが伝わって「泣きたいくらい嬉しい」と笑顔に。
その笑顔にやられたハチ子も、ユキコのことを好きになりました。
その後、女子トイレへの介助をしたハチ子。初めての場所のトイレはボタンがどこかわからず困るのです。
さらにパフェもこぼすのを遠慮してましたが、ハチ子と一緒に食べました。
帰り道、歩きスマホの男にからまれましたが、ヤンキーのハチ子が撃退!
そのころ、花男(戸塚純貴)が森生にハチ子のことをどう思っているのか尋ねていました。
森生は、身内が祖母だけのため、ハチ子が妹、花男が弟と思っていました。
第31話「good day」
帰り。ハチ子は、森生が出迎えに来ているのが見えたので、突然、ユキコに質問します。
「最後に教えてくれる?ユキコさんはアニキのこと好きか?」
ハチ子は、4年間の思いとサヨナラしたいから嘘つかないよね、と本気です。
「す…すっ…ちゅき」(※通常4コマですが、1ページ1コマのシーンになっています。)
・・・と、ついにユキコが告白。
しかし「(ちゅき)なとこもあるし、そうでないとこも」と照れて言い訳するユキコ。
「アニキよかったな」とハチ子が声をかけます。森生がユキコに駆け寄ってハグ…
と思ったら森生はパニックになって逃げ出しました。
森生は両想いになれるなんて考えてもいなかったようです。
花男がハチ子にラーメンおごると言いますが、ハチ子がおごると言います。
「今日はいい日なの。友達できたから」とハチ子はうれし泣き。
第32話-第34話「事情①-③」
森生の小学生時代。同級生たちは親から、森生は親がいない貧しい家の子だから付き合うな、と言われていました。服も汚いと言われてしまいます。
森生は祖母に服のことを頼みますが一蹴されます。
後日。森生は家に帰りたくなくて、隣り町までトボトボ歩き、クリーニング商店の前で止まります。
そこの店長らしきおじさんが出て来て、話しを聞いてもらいました。
森生の服はたしかに黄ばんでいたのですが、店長は「お前のことを信じてないわけでない」と言います。
森生の祖母が年取っているから「この黄ばみが見えないか、大したことないと思ってる」と事情を推測。
店長は「世の中は事情を知れば見方が変わることばかりだ。世の中には色んな事情のやつがいる。そのことに気づくのが『オトナ』になるってことだ」と助言。
また店長は、世の中の現実も伝えました。年取っても自分のモノサシでしか物事を見ない人の方がいる、いやそっちの方が多いから、そういうやつらに傷つけられてもガッカリすることはない、と。
「それが人間社会の限界だから」という店長ですが。そのころの森生には難しかったのですが、「事情を知れば見方が変わる」の言葉はとても響きました。
森生少年は友人が忘れ物の座布団を不良っぽい男に座られて、困っているのを目撃。コンビニ前らしいところで座っているらしく、友人はもう1時間も待ってるのに座っているもよう。
「どいてください」と言ってくるという森生に、友人は「ダメだよ、ナイフ持ってるから」と止められました。
しかし森生は店長の話しを聞いた直後のため「決めつけはよくない」と不良2人組に話しに行きます。
森生少年は本気で思っていました。話せば分かってくれる。誰にでも事情がるから。この人にも、俺にも…。
「ボスは機嫌が悪いから話しかけるな」と不良のひとりに止められても、座布団に座っているそのボスに話し合いに行きます。
するとナイフで顔を切られて・・・
そして時は進み、現代。電話の音で起きる森生。
森生は獅子王に傷つけられたときのことを夢で見ていたのです。
電話の相手は獅子王で、森生は2時間も遅刻していました。
この1週間で3回も遅刻している森生。理由はユキコに「ちゅき(好き)」と言われたこと。
告白されて以来、森生はユキコに会えていませんでした。(連絡が1回来たけれど無視しています)
獅子王は悩みに入らないと思いますが、森生が獅子王につけられた傷の夢を話すと…
「養わせてくれ」と平謝りの獅子王。
当時、顔を傷つけられた森生は反撃して獅子王の股間を蹴り上げ、獅子王は気絶して病院送り。
その後、獅子王の親が示談金を持ってきて、森生の祖母が受け取りました。
獅子王はムシャクシャしていたとはいえ、高校生が小学生を傷つけたことを今でも後悔しています。
森生は、傷のおかけでモヤモヤがハッキリしたから良かったと言います。
森生は不良にケンカしかけて病院送りにしたという悪評が蔓延。
人間は自分のモノサシだけで他人を見て理解しようとしない…その【人間社会の限界】を痛感して、こんな社会に愛されなくたっていい、と強く生きてきました。
けれど今。ユキコと出会って世界が輝き、背を向けていた【社会】がこちらに向かってきて…こんなの初めてで、森生は困惑しています。
「初めてじゃないだろう。貴様はいままで独りじゃなかったはずだ」と獅子王。祖母・ハチ子・花男もいますが、獅子王も約10年しつこく果し合いと称して、森生のもとに通っていました。
「復讐だろう」という森生に、83回目の喧嘩をもちかける獅子王。本気を出した獅子王の力は強く、森生には気圧されます。
では、今まで獅子王が負けつづけた理由は?森生は不思議がります。
「森生よ。『自分なんて愛されない』と思うことで傷つくのは貴様のそばにいる人間だ」と獅子王。
さらにユキコに会うのを怖がる森生を「くだらん」と一蹴した獅子王は、「両想いが大事か?心から愛する人に出会えたこと自体が幸福なんだ。真っ赤なバラ1本でも持って行ってやれ」と、森生の背中を押しました。
*****
花を買いに行った森生は、小学生時代、獅子王がバラを持って家に来たことを思い出します。
仕返しに来たのか、と焦る森生少年。獅子王は、その姿を見て、男と男の果し合いだ!とジャンケンをして、わざと後出しで負けます。
勝つまで会いに来るから…と言っていた獅子王は、その後、何度も森生の前に姿を現しました。
この10年。獅子王は森生を見守っていた!?
森生は花屋の店員さんから赤いバラの花ことばを聞いて呆然として…。
第35話「花束」
獅子王は、あの日、手を振り払おうとして森生を傷つけた…わけではありませんでした。
あの日。出かける前、母親から「あなたを許すわ。だから話して。あなたが悩んでることを」と言われました。
今夜は父親も待ってるから帰ってきなさい、と言われた獅子王。
獅子王は、ずっとこの日を待っていました。何千回も打ち明ける練習をしてきました。
両親の望む普通の人生を送れない、と。
同性が恋愛対象だから、普通の女性と付き合って、普通の家庭は築けない、と。
しかし街を歩いていた獅子王は、怒りが湧いてきました。
あの夫婦やカップルは親や他人・世間に説明したか…。
人を愛することは素晴らしいはずなのに(なぜ自分だけ親に説明をしなくてはならないのか)。
今の社会は、少数派は多数派に心を砕いて説明しないといけない、わかってもらえる?拒否される?とおびえなくてはならない…と思う獅子王。
その日。獅子王は家に帰らず話すチャンスを逃しました。森生と出会ったのはその翌日。
森生の話せばわかると信じる目が【多数派の目】と感じてしまった獅子王は、ナイフを振り回してしまい…。
現在。獅子王は、あの日を思い出して橋の上で苦しんでいました。けれど獅子王は気絶する前、森生が座布団を持って友人に渡したのを目撃していました。
他人のために行動した森生少年を見たことで、人間全体を憎みかけていた獅子王は救われました。
森生がやってきて、ピンクのバラを獅子王にプレゼント。森生は「今まで気づかなくてごめんな」と言って立ち去ります。
ピンクの花ことばは【ありがとう】でした。獅子王は感激します。
獅子王の一番望んできたことは、(事情を)口にしなくてもよくなることでした。自分に理解できないことでもただ気づいてほしい。世の中には色んな人がいて【社会】なんだ、と。
<エピローグ>
レンタルビデオ店で、森生が獅子王を何やら意識しています。しかし獅子王が赤いバラの花ことばを知らないと知って、森生は安心しました。
獅子王が検索すると、花ことばが【愛している】とわかります。さすがに小学生時代は対象ではありません。意識し始めたのは森生が中学時代からでした。※
※獅子王はかつて「想い人」がいると言っていましたが、森生のことなのですね。
ちなみに…森生が座布団を取り返した友人は、花男です。こんなバカなひと放っておけない、と今でも子分として森生を見守っているのです。
第36話-第38話「会いたい①-③」
ユキコは音沙汰なしの森生にバスで会いに行くと決めます。
調べた時刻より早くバスが来てたので、あわてて乗るユキコ。
すると、カードリーダーが(体験学習で習った場所になくて)どこか、わかりません。
親切なおじさんが場所を教えてくれました。
しかし、ユキコは乗客の女性と話す中で、反対行きのバスに乗ったことが判明。
家にタクシーで戻ったユキコは激しく落ち込みます。
姉に励まされたユキコは「今日は予行演習、次こそ」と一瞬思いますが…
「今日、会いたかったんだよーー!」
ユキコが嘆いたあと、人影が見えました。顔を触って確認すると森生!
ユキコの家まで会いに来てくれたのです。
森生はクチナシの花をプレゼント。花言葉は『私は幸せです』。
「俺は今、幸せなんです。ユキコさんという人に会えたから」と森生。
森生は人を愛し愛されることを恐れなくなっていました。(獅子王が長年、見守ってくれていたことを実感しての変化?)
しかし森生はバスで来た、簡単だったと失言。
ユキコはバスで会いに行きたかったのに…と失敗を打ち明けます。
森生は、ユキコが会いに来ようとしてくれたことに歓喜しました。
ユキコは(私が黒川にしてあげられることまだたくさんあるのかな)と思って…。
第39話「会いたい エピローグ」
ユキコは森生に、私にしてほしいことは何か、と尋ねます。
森生は、いてくれたら十分だから長生きしてほしい、と要求。
「私はしてほしいことある」というユキコ。
森生の私物の、300円のネックレスをもらいました。
白杖はコーヒーカップ
と同じって
分かりやすかった!
ハチ子、友人出来て
良かったね
獅子王の事情も
切なかったわ。
弱視とヤンキー
のラブコメ…
とあなどってたわ。
疎外感もつ人が
テーマの漫画ね!
3巻のネタバレ
3巻のあらすじポイント
- 紫村空のランニングを妨害する人物
- ユキコの̪̪嫉妬!
- 犯人の心の闇
第40話・41話「もうひとりの白杖ガール①②」
ユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮)が初のランチデートでハンバーガー屋へ。
ユキコは、食べ物をこぼすのを見られるのが嫌で避けてきましたが、決意して挑みます。
森生は、食べ物の位置を時計に見立てて知らせる「クロックポジション」で、教えました。
森生は、ひそかに勉強していたようです。
(ユキコは触って把握できていましたが言わずに、森生へ感謝します)
ユキコはこの店に紫村空(田辺桃子)と何度も通っていました。
【回想】 ユキコと空で2人きりで店に入ると、どこがレジか迷ってしまいます。注目を浴びつつも、子供やママさんたちに場所を教えてもらって、注文できました。ユキコは怖かったのですが、空は行動派で「ギャンブル気分が味わえてお得」と明るく乗り切ります。2人は、2人の間では余計な不安なく楽しくいきたいと誓いあいます。せっかく(同じ事情をもつ同志)出会えたのだから、と。
ユキコは高等部から盲学校に入り、空と出会いました。空のおかげで外に出る勇気を持てた、とユキコは感謝しています。
空とは<見えにくい人間の気持ち>が分かりあえるとも言います。
「見える人には本当には(私の気持ちが)わからないから」とユキコ。
それを聞いた森生はショックを受けました。
第42話「嫉妬」
ハチ子は、森生がショックを受けた理由は、空への<嫉妬>だと指摘します。
「違う。俺は悲しかったんだ。全部わかってあげられないんだって。初めて壁を感じてしまった。」と反論する森生。
ハチ子は「他人をすべて理解できない」と言います。さらに「アニキが女心わかろうなんて100年早い」と一刀両断。
一方、ユキコが盲学校へ登校すると…教室から空の声が聞こえました。
空:「あたし、キライだよ。目の見えるやつが大嫌い!」
第43話「悪意」
ユキコは、空がなぜそんなに怒っているのか事情を聞きました。青野も一緒に。
空は、お気に入りのランニングコースに自転車が置かれる嫌がらせをされた、と明かします。
最初は空き缶でした。次の日は石になって、その次はレンガに。最後は自転車でした。
ユキコは、空が伴走者なしで、夜にひとりで走っていたこと怒ります。
実は、空は夜の方が見えて、白線も見えてるといいます。(昼は光りが強すぎるのです)
空は、<ひとりで走る>ことを「工夫してできるなら、あきらめたくない」のです。
話しを聞いたユキコと青野は、自転車を置いたやつが悪い、と一緒になって怒ります。
けれど「黒川はそのクソヤロウじゃないから」とユキコがひと言。
黄多先生も入って来て「先生だって見えるけどキライにならないで」と言ってきました。
空は黄多先生がうるさかったわけじゃないと誤解を解きました。(今度、先生の伴走でレースにでる予定です。)
ユキコは思いました。…空だって本当は善良な人が多いとわかってるはずだ、と。けれど、悪意がなくても悪意と同じことをされてしまうことはあります。「あの人たちは後回しでいい」と街が言ってるのかもとユキコは感じています。私たちはこの社会の過去・現在・未来にずっと居るのに…。
外にて。ユキコ・空・青野は対策を練っています。すると不審者がうしろに!?
ユキコが白杖でぶっさすと、相手は黒川森生で…。
第44話「生きる意味」
ファミレスにて。
ユキコが森生の様子が変だと問い質(ただ)すと、森生は「見える俺じゃユキコさんを本当には理解できない」と言われたのがショックだったと白状します。
ユキコは傷つけたことを謝りつつ、やはり100%理解は無理とダメ押し。けれど、「見えない」ことだけが全てでなく、友人とのおしゃべりや料理、森生とのデートなど、大切なことは他にもあって…そういので幸せと感じる気持ちは同じだと言います。
森生は「俺もユキコさんといるのが生きがいです」と熱いアピール!?
ユキコは「だからこそ許せない」と憤ります。空にとっての生きがいを奪おうとするやつが…。
話しは置きチャリの問題へ…。
第45話-第47話「カベ①-③」
青野は、置きチャリ野郎を森生が捕まえる作戦を提案。
しかし空は反対しました。見える人が見えない人を馬鹿にしてる今回の件を、見える人に助けてもらうのは悔しい、と。
帰り道。森生はユキコに、ユキコのためなら捕まえると言います。
ユキコは「ちゃんのためって思えないなら何もしないで」と注意しました。
・・・実は、森生は空に拒否されてカベを感じていました。特別な人=ユキコが嫌がらせされたら犯人を捕まえるのに。自分は問答無用で見えない人の味方になれるわけじゃない。空が感じている怒りを肌で実感できない。見える人・見えない人にはやはりカベがあるのかも、と森生は思い始めました。
ある日。森生が、空が走る準備をしているところに遭遇。伴走者が来れなくなり、ハチ子の勧めもあり、森生が伴走することに…!?
森生の伴走は最初は失敗したものの、だんだん慣れます。さらに、キンモクセイの香りがする場所へ空を連れて行きました。
森生は目をつむって街を歩いてみて、ユキコの心を理解しようとしています。ヘリの飛ぶ音、プロペラの音が高くから聞こえて…「世界は広いんだな」と思いました。自分の見ていた世界はちっぽけなもの。だからユキコの世界を歩き回って知るしかないと実践中。
いつか互いの世界が交ざりあうと信じてーー
空は、わかろうとしてる森生を見直しました。
空は、ユキコや青野と違い、見える人との間にカベを作って苦しんでいました。
(ユキコは個人の問題という考えで、見える・見えないのカテゴリーで壁を作らないタイプ。青野は生まれつき全盲で、見えることへのこだわりがありません)
森生は「しょうがなくないっすか」とフォロー。
森生も顔の傷で、傷のないやつにはわからないとカベを作ってきたのです。
森生は顔の傷を<おかしな宝物>と思っています。傷で得た苦しみ・悲しみは自分だけのもの。
その一方で誰かと分かりあいたい気持ちもあります。相反する気持ちの中で「揺れ動かないのは無理じゃないですか。俺たちは」という森生。
空は大笑いしつつ涙。まさか自分の気持ちを一番共感してくれるのが「見える人」だなんてビックリしたのです。
第48話「RUN」
盲学校の校庭にて。空がひとりでトラックを走ります。カーブにはユキコら仲間がいて、拍手での合図や声掛けをしてくれます。
ひとりで走るけど、ひとりじゃない。…いわゆる「音源走」です。運動会でもやる方法でした。
今、幸せだな 空はかみしめながら、20周も走り抜けます。
集団行動が苦手なハチ子は、チームプレーに参加できてうれし泣き。
森生は幸せな風景をみて、置きチャリ野郎を許せない思いがわいてきて…。
第49話「作戦会議」
「置きチャリヤロウ捕獲作戦」略して、空ちゃん作戦の作戦会議が開かれます。
ユキコ・空・青野、森生・ハチ子・花男のほか…獅子王も呼ばれていました。
空がひとりで走る。ハチ子が撮影係で、森生が現行犯逮捕の担当。もし逃げられてもランニングコースの両端に、獅子王と花男を配置しておきます。
作戦当日。獅子王の祖母がドライブと勘違いし、断る口実がつかずに一緒に車に乗って、現場へ…。
第50話「決行」
車が現場へ到着。ユキコは獅子王の祖母と車の中で待機することに。
作戦が決行されました。が、犯人は現れませんでした。(2週間もこの場所でひとりで走ってないから?)
チームは解散。獅子王は車をコインパーキングに取りにいきます。
近くのコンビニで、車を待っていた森生と空。森生が店内へ飲み物を買いに行ってる間、空はひとりでコンビニ前にいました。
やがて、背中をポンと叩かれた空。「サンキュ―黒川氏」と振り向くと、
「なんでまだ走ってるの?」と男が言って、熱いインスタント味噌汁を空の頭にかけて…
第51話「本当の姿」
森生は、空に冷たい飲み物をかけて冷やします。
空は、走り去る男のことを「クソヤロウだよ」と教えました。
空が受けた「悪意」が姿を現して…。森生は想像と違った、俺はわかっていなかった、と思いました。
・・・森生が姿を消します。空が黙って行くなと思いつつ歩いてると、ガンガンと音がしました。
ガン、ドゴ、ガン。(何か打ち付けている音?)
音の方へ空が向かうと、「なんで生まれてきたんだ?てめえが生まれてこなければ、誰も不幸にならなかったのに」と森生の声がします。
空は、いつものポエマーな森生の声じゃないと恐れました。
森生は犯人の胸ぐらをつかみ、「こいつは人間社会の限界だ。消えた方が…」と内心で思って締め上げていると…
くろかわーー!!ステーーイ!!
ユキコの声がしました。ユキコが森生のもとへ走って来て、森生も犯人を離して迎えに行き…
第52話「動機」
ユキコを受け止めた森生。
ユキコは、森生の気持ちは分かりつつ、「生まれてこなけれなよかったのにって言葉キライなんだ」と言います。
ユキコも世間からそう決めつけられてきたからです。森生は全否定。
空は、いつもの森生の声に戻ってひと安心。
獅子王が犯人を押さえつけ、事情を問い詰めます。
見えないのに走って面白かったから、という犯人。
森生・獅子王が犯人を警察へ連れて行く中、「見えてるやつらは俺のこと見ないんだ!」と犯人が叫びます。
【犯人の語り】小学生のころから俺がしゃべると人が離れていき、人と上手くやれなかった。社会人になると、所長に呼び出され熱いお茶を体にかけられた。お前のためにしてる愛情だと言ってくれた。この所長だけ見てくれていた。
…ある日。缶チューハイを飲んでポイ捨てしたら、白杖を持った女の子がつまずいた。俺を人として見ない眼で見られると思ったが、違った。
…その後も「俺をみてくれ」と思って障害物を置いた。
「俺はただ彼女に話しかけたかったんだ」と犯人は告げました。
第53話・54話「そら①②」
獅子王が「つまり彼女が好きなのか?」と問います。
「そうなの?」と自分の気持ちに気づいてビックリする犯人。
「無理 無理 無理 無理」と全否定する空。好きなら困らせないで笑顔にさせるはずだからです…。
「熱いものかけるなんてイカれてる」と憤る空。
「イカれてる?俺は毎日されてるよ。愛情の証しだって」と犯人。
獅子王はそんなの愛情じゃないと教えます。
森生は「ブチ切れていいんだ。でも相手を間違えるな」と言います。まずは自分の感情に向き合うべきだ、と説きました。
車から、獅子王の祖母が降りて来てビックリしてます。犯人のことを低血糖で倒れてた、と獅子王たちはごまかします。
獅子王の祖母は犯人にアメをあげました。
その後…交番にて。赤ちゃんを抱いている若いママさんが警察官に相談に来ていました。
犯人は手にアメを握っていて、警察官から怪しまれます。
犯人は泣いてる赤ちゃんにあげようとして断られました。
獅子王が「貴方にです」とフォローし、そのママさんへアメをあげて感謝されます。
奥で警察官がママさんの話しを聞いてる間、獅子王は自分も加害者だったと犯人へ打ち明けます。
獅子王も社会に拒否されてると感じて、関係ない他人(=森生)を傷つけてしまったのです。
かろうじて這い上がってこれたのは、その人への償いから。獅子王は犯人が救われることを、心から願っていると伝えました。
犯人は、自転車を置くのでなくアメをあげられたら違ったのかと後悔。そして好かれなくていいから踏みつけることはされたくなかったと振り返ります。
「貴様をいじめてきた沼の底のやつらと同じ場所に戻るな。明るい空の下で息をして生きるんだ。人の多い場所だけ(≒ヘテロセクシュアル、異性愛者)が世界のすべてじゃない。草や花の咲く沼のほとり(≒同性愛者)だって美しい。二度と誰かを沼の底(≒いじめのある世界)へ引きずり込まないことが彼女への償いだよ」と獅子王は諭しました。
・・・犯人は、小学校の通知表を回想。「強調性がとぼしい。でも、草花を大切にする優しい心があります」と書いてくれた先生の名前が思い出せません。
やがて警察官が戻ってきます。犯人はこう告げました…「俺の名前は藤宮大地です。俺は罪を償いたいです」
藤宮大地は、
森生に出会わなかった
獅子王かもね。
犯人は獅子王の言葉を聞いて
小学校時代の
先生のことを思い出したのね。
自分だって
先生の名前を忘れてたって
のもポイントよね。
この犯人の再登場あるかしら?
第55話「スマイル」
森生がユキコの伴走者になります。さらに、ユキコをキンモクセイの場所へ連れて行くと、
「私、キンモクセイ、だいちゅき」とユキコがスマイル。
(このぶりっ子。実は空からのアドバイスでした。)
そのころ、空と青野がイイ雰囲気に!?
青野にとって目がみえることは「どこでもドア」みたいで現実的でなかったのですが、見えたら森生のように空を伴走できたり守ってあげたりできたのかな、と思ったというのです。
ドキドキする空に、「結婚する?」と茶化す青野。
*****
空は「工夫したらなんとか出来ることもたくさんある」という持論を支えに、今日もあきらめません。前を向いていれば、思いもよらない希望というひかりに出会えるときがくるからです。
4巻のネタバレ
4巻のあらすじポイント
- イズミが獅子王に告白!そして失恋へ。
- ユキコがアルバイトへ!
- ユキコと森生のキス!?
第56話-58話「くちびるの呪い①-③」
ユキコは盲学校で化粧の特別授業を受けます。キスしたくなる「愛されくちびる」を目指しましょうと言われたユキコは…。
森生と会う日。ユキコは薄いピンクの口紅をつけて会います。森生は、いつもと違うと気づきました。
しかし「へえ」でおしまい。ふてくされたユキコ。
あわてて褒めた森生。ユキコは機嫌が直りました。
森生は口紅がはみ出てると気づき、ユキコの唇を触って、ドキドキ。
その後。たこ焼きを食べる時、唇につけて温度を確認してから食べるユキコ。手より温度がわかる、とようです。
「あ、だから人はキスするのかな」とユキコ。…2人は「チュー」を意識していきます。
…その後。レンタルビデオ店の同僚の桃田が「百文は一(いっ)チューにしかず」と助言。
森生は愛を伝えたくてキスを決意。その夜。水をあびて気合を入れて、明日に備えます。
翌日の放課後。ユキコに会った森生ですが、風邪をひいて声がガラガラ。(原因は水ごりをしすぎ)
それでも「ユキコさんとキスしたい」と告げる森生。
ユキコは恥ずかしがったあと、「嬉しかった。黒川が私と…したいって思ってくれて。それだけでいい」と伝えます。
それでも今日キスしたい森生。
ユキコは、森生の熱を計るため、森生のおでこに唇を当てて…「ほら、熱いじゃないか」と言いました。
第59話・60話「恋と友情①②」
ユキコは家事を積極的に手伝います。いつか一人暮らししたいからです。
イズミは最初また心配してしまいますが、「大丈夫。先生や先輩から助言してもらう」と安心させるユキコ。
その後、ジムの帰りに…イズミは獅子王に妹の一人暮らしの件を話しました。
イズミは獅子王と同棲したい、くらい好きです。
「さみしくなる」というイズミに、獅子王は「ルームシェアもありますしね」と一言。
友達として獅子王とのルームシェアを想像するイズミですが…想像上でも友達でいられません。
ついにイズミは獅子王へ「友達でいられません、触られるたび興奮してました。スケベ心もって ごめんなさい」と本心を明かします。
謝られて恐縮する獅子王。イズミは「言わないと不誠実じゃないですか。友達のフリして邪(よこしま)な心を持ってるなんて。相手は気持ち悪いかもしれないでしょう」と告げます。
この言葉は、獅子王の胸に刺さりました。
イズミは「私をちゃんと振ってください。私、シシオさんに恋してるんです」と告白。
獅子王もイズミの誠実な態度に向き合い、「私は同性が恋愛対象なんです」と告白。
事情を知ったイズミは「生まれ変わらないと無理じゃないですか」とボロ泣き。
獅子王はイズミを抱きしめて、親にも言えなかったことを言えたことに感謝し、「貴方が愛しい」と伝えます。
だからといって付き合うのは無理な獅子王。それでも「10年後はわからない」と言います。「みんな死ぬまで自分のことを少ししか知らない」と。
希望をもたせるような言葉に怒るイズミ。獅子王は、そんなつもりはなかったのです。
イズミが自分を恋しいと思ってくれた言葉が嬉しくて、だから今後どうなるか分からない、と思ってしまったと言います。
イズミは獅子王を「推し」として見守ると決めました。
第61話「ホリデー」
ユキコ・森生・空・青野はショッピングモールへ。
青野の妹へのプレゼントを森生が選んだり、食事を楽しんだりしました。
しかしユキコが食事量が少なかったことから…ユキコが一人暮らしのために貯金していることが判明。
空がユキコにバイトを勧めました。
青野は家庭教師のバイトをしてますが、ユキコは自分に何ができるのかまだ分かっていません。
その後、4人はカラオケへ。
第62話-第66話「ユキコさんは大丈夫①-⑤」
カラオケボックスにて。空は英語の歌を歌います。青野は格調高い歌を歌いました。
ユキコは、空がリクエストした女性アイドルの可愛い曲を歌います。
ユキコは歌詞のテロップが読めないため、暗記して歌っています。だからちょと怖い顔になっていました。しかし発売して3日の新曲を歌ってくれたことに、空は「断ってもいいのに責任感つよいというか、マジリスペクト」と褒めます。
森生は、雇う側ならユキコのことが欲しいはず、だから…絶対バイトみつかる、とユキコを激励。
*****
その後。ユキコは黄多先生にバイトの相談をします。弱視を雇う募集は多くありません。しかし、だからこそ「やりたいことが大事」と黄多先生は熱弁。
世間は視覚障害者を何もできない、と思っています。だから、ユキコがやりたいことを決めて、自分から行って、できることを相手に教える必要がある…と黄多先生は説明。
コミュニケーションをとっていくうちに、自分の可能性も気づく…と、バイトのメリットも説きました。
わたしはまだ何も知らない。無理だと決めるのは早い…と思ったユキコ。
料理好きなユキコは飲食店を目指します。
*****
ユキコのバイト探しは苦戦しています。そのことを知らない森生。
順調だとLINEで聞いていた森生は、イズミから事実を聞いて、ユキコに電話します。
「なんで嘘ついたんすか。そんなに頼りないんすか」と泣きつく森生。
しかしユキコは戦う顔をしていました。今から面接に行くから電話を切ると言います。
弱視というと門前払いされるから、言わずに申し込んで、今から直接、私を説明する…と言います。
「そばで見てきた俺が保証します。ユキコさんは大丈夫。」と森生。
嬉しかったユキコですが、ほっぺをつねり気を引き締めて「もうかけてくるな」と斬りました。
・・・ユキコは、スーパーの面接担当者に会います。白杖を持って。
第67話・68話「メリット①②」
カラオケ店で、ユキコと森生は会います。ユキコは面接で落ちました。
スーパーの店長はいい人でした。目の不自由な人もいろいろできること、やる気がとてもあることは理解してもらえました。
しかしユキコを雇うメリットは何か、店長は問います。
ユキコを雇ったら、その分の配慮が必要。それなら見える人を雇う、とバッサリ。
「ハンデのある あなたをあえて雇うメリットがありますか。見えること以上にこちらに何か利益をもたらしますか」と店長。
…そして現在。ユキコは打ちひしがれていました。森生は今が大丈夫な人もルールに合わせられなくなったら切られる…社会に迷惑かけいない特別な人がフツウとされている、と思います。
「特別がフツウ?」と疑問なユキコ。
森生は世間の「アタリマエ」が特別なのです。みんな「しんどい」と思ってもフツウについていこうとする。そうしないと居場所がなくなると思ってる。けれどユキコに出会った森生はそのフツウが世界の一面と教えてもらいました。
うとまれた傷を愛しいと言ってくれるユキコに出会って、世界は多面と知りました。今の常識も変わる。だから…
「だからユキコさんが社会にもたらすメリットは絶対ある」と断言する森生。
そして森生は苦手な歌を歌い…。
森生は自分で作詞、青野が作曲したオリジナルを歌います。「ユキコさんは大丈夫」という歌詞がある歌でした。
森生は勇気づけられました。そして姉の運転で次の面接へ向かいます。
すると、即・採用!?
ユキコは、ハンバーガーのチェーン店「BBバーガー」でアルバイトとして採用されました。
アバイトの初日。髪は帽子からはみ出ても鏡で確認できないし、マニュアルも読めません。
慣れないためドアにはぶるかるし、バンズ(パン)の違いも見分けがつきません。
熱いトースターも触れてしまい、危険です。
忙しい業務の中、ユキコの初日は、2時間ただ立っているだけでした。
それでも今日できなかったことを明日はなんとかしよと思っていると…
スタッフの誰かが、「障害者を雇うとお金もらえるのよ。障害者の雇用を推奨している会社から手当てがでる」と言っているのが聞こえてきます。
さらに「障害者を雇えば、取材が来て、店の宣伝になる」などとも話していました。
ユキコはこれがメリットなんだと確信。そんなとき、茶尾店長(古川雄大)が「駅まで送る」と声をかけてきました。
ユキコは今日何もできなかったことを話し、どうして自分を雇ったのかと尋ねます。
すると、店長は「できると思ったから」と当然のように言います。
しかし「たとえ出来なくてもいい、仕事なんて」とも茶尾は言いました。
「いてくれるだけでメリットがある」とも言うので、ユキコはお金のことか問います。
すると、「君のメリット」のことだと言います。ハテナがわくユキコ。
茶尾は、会社は従業員のためにある、というのが持論。
生きるためには働かなきゃならない仕組み⇒働かなきゃ居場所がない社会。
それなら仕事への門は万人へ開かれるべき、と思っていました。生きるのに不器用な人を包める、そんな余裕がある職場を作りたくて店長になったのだと言います。
感動はしてましたが、ユキコは「仕事ができるようになりたい」ため、マニュアルを持ち帰らせてもらい、盲学校の拡大読書器を使って読み込みます。
次の出勤日。ユキコはヘアピンで髪を止めて帽子の中に髪を入れます。OKでした。
第69話-第71話「初めての○○①-③」
タイトル:初めての○○とは、みんなの協力を得てユキコが初めて作ったフライドポテトのこと。そしてキスのこともかかっていて…。
ユキコは、自分が作ったフライドポテトを森生に持って行き、プレゼント。
3日前。店長はユキコが仕事しやすいように注意書きを貼って周知してくれました。
トースターに触っても火傷しない耐熱手袋も用意したユキコ。
ポテト担当の栗栖くんが逃亡したため、友人が急きょ担当に。タイマーのボタンの場所にマグネットをつけたり工夫しながら、なんとか揚げました。
ユキコの初めてのポテトをおじんさん(※)が美味しそうに食べてる、と同僚が教えてくれました。
涙して喜ぶユキコ。みんなも笑顔に。店長は「これが僕のメリットだ」とこの雰囲気に思います。
(※「おまけ」回で、このおじさんはユキコを落としたスーパーの店長と判明。従業員が笑顔でひとつになってる光景をみて、メリットをもたらしていると感じたのか、嬉しそうに食べています)
3日後の現在。突然、森生はユキコにキスをします。(公園のベンチに並んで座ってのキス)
「クリスマスだから、俺からと決めていた」と言う森生。
けれど綿帽子がふれたのかと思ったと、認めないユキコでした。
*****
そんな中、BBバーガーでは、店長のもとにLINEで「辞めます」と栗栖が送ってきて…。
しかも、店のバックヤードの廊下で、ユキコが栗栖とぶつかって…!?
5巻のネタバレ
5巻のあらすじポイント
- 栗栖は辞めるのをやめる!?
- 茶尾店長の過去エピソード
- ユキコが森生の家へ。
第72話-第74話「小さな声①-③」
「BBバーガー」でアルバイトを始めたユキコは、同僚の栗栖とぶつかってしまいます。
「私、目が悪いので何か言ってくれませんか」とユキコが言っても黙ってる栗栖。
「ごめんなさい。栗栖さん」とユキコが謝りました。
小さな声で「わかるんですか」という栗栖。ユキコは油の匂いや無口な性格から当てたようです。
ユキコは栗栖に1分だけ待ってもらいメッセージを吹き込んで、ボイスレコーダーを栗栖へ渡しました。
「明日返してね」と栗栖にいうユキコは。けれど栗栖はバイトを辞めることにしていました。
その後、茶尾が栗栖を辞めるのを引き止めにきました。栗栖は7年引きこもり後、やっと働いているのですが…怖くなってしまいました。
栗栖にとってはユキコは特別な人でした。言いたいことは言えて、失敗にもくじけないし、みんなを変えるパワーもあるから。
茶尾は、「なんでも自分のせいにしすぎる。心が優しいからだよ。きみはいい子なんだ」と伝えます。
*****
自宅のベッドに顔をうずめる栗栖は、「店長ごめんなさい」と何度も謝ります。そのとき、ボイスレコーダーを思い出し(1時間迷って)聞いてみました。
【ボイスレコーダーの内容】ユキコは録音データなら緊張しないで聞けると思って吹き込んだと語ります。自分も引っ込み思案だったけれど、盲学校で私たちは孤独になりやすいから、いっぱい話すことが、人に助けてもらう術だと教えてもらったと言うユキコ。
さらに「この録音何度も聞いてください。そうすれば、次会う時、緊張しないかも。栗栖さんとお話ししたいです。それが私には救いになるから…。」と伝えます。
翌日。栗栖はボイスレコーダーをユキコに返すため、職場を訪れます。そしてボイスレコーダーに吹き込んだ「赤座ユキコさん、ありがとうございました。」を聞かせました。
栗栖はバイトを辞めるのを撤回したと勘違いされ、継続して働く事になになりました。
第75話「参上」
社員の紅林サクラの声には緊張で固まってしまう栗栖ですが、ユキコの声はちゃんと聞こえました。
栗栖は声が録音できるシールを使って、みんなの声に慣れていくことになります。
栗栖はユキコを好きになっていました。
しかし…そこにユキコの店での様子を見に、チンピラ風な黒川森生がやってきて…。
第76話・77話「恋する乙女①②」
森生は店長に挨拶後、花男・ハチ子とたくさん食べます。
そんな中、従業員がユキコに「全然似合わない」と言っているのを、森生も聞いてしまいます。
「似合いませんよね。わたしたち。黒川はダイヤモンドだから。優しくてプレゼントも最高で、歌の才能もあって私にもったいないくらい超イケメンなんです」とユキコ。
「どっかのハリウッドスターの話し?」と聞かれたユキコは「私の彼氏の話しですけど」と言い切りました。顔を赤くして。
ユキコがバイト終了後。
森生の服を「よく似合ってるよ、黒川はイケメンだからな」というユキコ。
花男は納得いきませんが、ハチ子は「恋する乙女には目に見えなくても、世界イチのイケメンなんだ」と解説。
栗栖が、紅林からおわびの品を渡してきてと頼まれます。
しかし栗栖は、森生の威圧感に気おされ、転びかけて…。
第78話「秘密」
転びそうになった栗栖を森生が受け止めました。
そして「クリスちゃんだ。ドジっ子の。これからもユキコさんをよろしくお願いします」と紳士的な森生。
栗栖は、負けたと思います。森生の器の大きさにかなわないと思って、ユキコを諦めるのでした。
しかし、ユキコが栗栖は男だと説明すると、嫉妬に狂う森生…まだ器は小さいのでした。
*****
茶尾は帰り道。バイトの紺野さんとかぶります。紺野は、栗栖やユキコのように、配慮しなきゃいけないのは納得できない考えでした。職場は仕事をするもの。効率が優先されるべき、と。
茶尾は持論を語って…。
第79話・80話「たったひとりを①②」
BBバーガ―の前。茶尾は、とある会社の課長でした。ある日、2年前に辞めた…契約社員で元部下だったA君が引ったくりで逮捕されたニュースが報じられました。相手のおばあちゃんを全治半年のケガさせたため、強盗致傷です。
A君は、体が細く力が弱くて、おとなしく、存在感も薄くて、要領もよくなく、仕事もできる方じゃありませんでした。だけど真面目で、地味な作業を文句いわずやれる社員でした。
忘年会で、A君は1年続けられて、この会社のことを感謝していました。けれど業績悪化にともない、A君の契約更新はされませんでした。
茶尾は「仕方ない」と自分に言い聞かせていました。非正規雇用者はこのときのためにいるから。
会社を守るため、調整できる社員として…。
A君は日雇いの力仕事で体を壊して、心を病んで、働けなくなって…突発的に引ったくりをしてしまいました。
茶尾は、あのときああしていれば、と色々後悔します。
そして今度は小さな声を聞き逃したくなくて、BBバーガーの店長になりました。
(現在)茶尾は、紺野に語り終えました。
紺野は会社の決めたことに従ってただけだから、責任を感じる必要ないと言います。
茶尾は、社会は一人一人の集まりで、誰かが脱落すると誰かに影響を及ぼすと言います。
A君がおばあさんを襲ったように…。
ひとつの社会では、無関係ではいられない。
だから、誰ひとりもこぼさない、包み込める余裕が必要で、そういう店にしたいと茶尾は言います。
茶尾は生きてるだけでお金もらっていいと持論もあります。(※これは、ベーシックインカムの理論です)
紺野は少なくとも、栗栖は店長に感謝してるのではと言います。
「どうかな。たった一人を救うのも難しいね」と茶尾。
紺野と別れたあと、道路のゴミ袋を猫と見間違えて助けて行った茶尾は、ホッとします。
そこにトラックが来て・・・
第81話「新しい景色」
栗栖はしっかりしてきました。そんな中、退院した茶尾が車いすでお店へ来ました。
店長!!!
栗栖は大声で叫び、店長に抱きつきます。
茶尾はトラックを避けたあと、ガードレールを飛び越えるのに失敗。骨折してしまいました。
栗栖は店長とフツウに話しています。
紺野は、栗栖にとって店長がとっくに特別な人だったと思います。
車いすの茶尾は、店に入れません。店が遠く感じました。それはハンデのあるユキコや栗栖も感じていたこと。
「レジなら座ってできますよ」「厨房は歩行器を使えるようにする?」スタッフはみんな工夫に慣れていて、車いすの店長を受け入れる用意がありました。
季節は冬が終わり、桜が咲いています。茶尾は救う側の人間だと思っていたのに、救われていました。
茶尾は栗栖に「いつでもやめてイイから。行きたい場所が見つかったら」と伝えます。
栗栖はもう少しBBバーガーで働くことにしました。
第82話・83話「守りたい①②」
ある日、森生はユキコに祖母が作った桜餅があると言い、自宅に招きます。
ユキコは部屋に上がって、男に部屋に入った事に気付きます。
森生は自動車の免許を取って、ユキコを守りたいと言います。
が、ユキコは「海に連れて行くと言って欲しかった。心は対等でいたい。ちゃんと彼女でいたい」と答えました。
森生は反省したあと、ユキコがモンスターにとらわれた姫だったらと妄想。
ユキコは「できることあるぞ」と敬語をやめるよう言います。
照れる森生。森生の熱を確認するユキコ。
そんな流れで、もつれあい…森生がユキコを押し倒す展開に!?
ユキコは「やっぱりこういう展開に」とドキドキ。
しかし森生はユキコに「頭打ちませんでした」と心配するのでした。
帰り際。ユキコは森生がいてくれるから勇気もらえる、と感謝。
森生はユキコを免許とれたら海へのドライブデートに誘い、ユキコはOKしました。
6巻のネタバレ
6巻のあらすじポイント
- 森生の元カノ登場!?
- ハチ子の告白(妹分に告白された森生)
- 色彩の役割
第84話-第88話「失恋①-⑤」
ユキコと黒川森生は、お互いに過去の恋愛が気になていました。
そんな中、2人は美術館デートへ。森生にどんな絵なのかを説明してもらい、ユキコは森生の物の見方を知って楽しんでいました。
すると、森生は美術館でバイトをしていた元カノの灰原凪子と出会います。
ユキコは、森生と近い距離を取る元カノ・凪子の事が気になって仕方ありません。
森生はもう過去に人、と説明。しかし凪子は振られた側であり、「あたしは今でもモリのこと、忘れてなかったよ」と思わせぶり!?
その後。ユキコと2人になった森生は、凪子に一目見た時から目が離せなくなったことを認めます。
仲良くなったものの、「付き合ってみる?」と言われ、キスを迫られたとき、森生は拒否。
凪子のことは見た目だけ惚れただけで付き合うのは違う、と振ったのです。
ユキコは凪子の顔がどう特別なのか教えてほしいと頼みます。
しかしそれだけは秘密にする森生。
「もし明日わたしがいなくなったら、言わなかったことを後悔するぞ」と脅してしまうユキコ。
森生は怒って帰ってしまいます。
夜。自宅にて。触れてはいけないパンドラの箱に触れてしまったのではないかと苦悩するユキコ。
眠れなくて、アパートの階段で座って夜風にあたっていると…森生がいなくなったらどうしようと涙がこぼれます。いつのまにかこんなにも恋していたユキコ。
第89話・90話「宝箱①②」
アパートの階段で涙するユキコ。
そこへ森生がやってきます。ユキコはもう凪子の顔なんていいから、「おまえに触れられる、それ以上のことない。わたしはいなくなったりしないから。絶対に」と抱き着きます。
しかし森生は、元カノ凪子のことについて打ち明けました。
5歳の時に出て行った母親の顔に似ているので、顔が好きだったと言います。
けれど、それ以上は沈黙してしまう森生。ユキコは森生が言いたいときに言えばいい、と思えていました。
その後。森生は、凪子に傷つけたことを直接謝ります。振られた虹町公園で言われるのは嫌だという凪子ですが、ここが良かったという森生。
あのころ、この公園で仲良くしゃべっていたの青春は確かだから…。
一方、ユキコは「見える眼」に失恋したことあったと思いだします。
ユキコは自分にも秘密にする箱があってホッとしました。
誰もが心に手に入れられなかった大切なものがあって、失うことが新しい世界への1歩になる。そうユキコは自分に言い聞かせていました。
森生はユキコに、出会って1周年記念の花束をプレゼントして…。
第91話・92話「妹よ①②」
ある日、森生は、ハチ子が男性に絡まれているのを、助けようとします。
すると、男性は立ち去ってしまいました。ハチ子は男性に告白されていたのです。
それを聞いた森生は「ハチ子に恋愛なんて早い。断ってくる」と言います。
妹分だから守ってる気の森生ですが…
ハチ子は「妹なんかじゃない。ハチ子はずっとアニキにラブだったんだ」と告白。
森生は、「俺もハチ子と花男をラブだ」と言って、すれ違い!?
ハチ子は森生を諦めて前に進むため、デートすることにしました。
*****
森生は、ユキコのクラスメイト・青野が絡まれていたのを助けます。
そのついでに恋愛相談をして…。
第93話-第96話「色彩①-④」
森生はずっと妹に思ってたハチ子に告白された悩みを、青野に相談。
ムラムラしてたら浮気だという青野。森生はムラムラしてません。けれどハチ子のことは愛しています。
青野は「この世のものごと全て、【色】が違うと思う」と持論を語ります。
青野は全盲ですが、色について学んできました。
先生は「この世界は見える人が多いから、君が会わせることで生きやすくなるんですよ」と、学ぶ意義を教えてくれました。
けれどよくわかりません。ボールがあたり鼻血をだしたあと、赤にも色々あるんだよ、と先生が教えてくれました。
イチゴ。唐辛子。消防車。血液。赤が濃かったり薄かったり、ピンクがかっていたり。同じイチゴも熟し方で違う赤です。
混乱してしまう青野少年。
しかし先生は…「そのバラバラこそ、色の役割なのよ」と言います。色はそれぞれの違いや個性を人に教えてくれるもの。色があるから、見える人は物を見分けられます。
「生き物もモノも同じじゃなくていいって、みんなが違うのが当たり前なんだって無数の色彩が教えてくれているのよ」と先生。
青野少年は理解しました。青野の世界では、たくさん音色があり、さまざまな味・匂い・感触・風・天気・温度なども、青野の世界を「いろどる」ものでした。
「青野くんが感じるものすべて色彩なのかもね」と先生は言いました。
以来、青野は色辞典を作成していきます。それは、とても分厚くて…。
(現在)青野は、森生へユキコとハチ子への「愛の色」が違うのは自然、と言います。
森生は納得しましたが…
別れ際。青野が、(森生のために)手をあげて「じゃあまたね」というのを見て…森生は見える人のためにこんなしぐさ覚えるなんて…本当は色なんてクソくらえだろ、と揺さぶりをかけます。(森生の素直な疑問でしょう)
「人に合わせるのは当然でしょ。気の毒がらないでほしいな」と青野。そもそも、「見える」こと自体が魔法なので、魔法の世界に迷い込んだ人間のよう感じる青野。
それに、部屋でたった一人になったとき、与えられた体と心で世界を感じ直すと、ぼくの世界はこれで完成してる。欠けてない。完全体として生まれたんだもの」と断言する青野。
森生は「一人とかいうな。俺もお前の世界に入れてくれ」と懇願。
青野は「色を勉強してよかった。きみの役に立てたから」と返答。
青野は今まで自分のために勉強してきたけど、人の役に立ってやっと心で勉強してきた意義を実感できました。
自分にない世界を知ることは違った色が共存するこの世界で大きな架け橋になる…そんな青野と森生のエピソードでした。
第97話「大切な女の子」
森生はハチ子に香水をプレゼントして、振りかけてあげます。
「ひとりじゃないぞ、ハチ子」と森生。
この香水をかげば、森生がいつもついてるから、安心してデートできるはず、と送りだしました。
色には無数ある。人への思いも無数。だから俺はやっとハチ子を愛してると認められる、と思う森生。
ずっとそばにいてくれた女の子、ハチ子が幸せになってほしい、と願いました。
しかしデート中、ハチ子はずっと森生の事を考えてしまい、男性とは別れることにしました。
7巻のネタバレ
7巻のあらすじポイント
- 視覚障害者のホーム転落事故について。(透明人間にさせないために)
- 森生とユキコの海水浴デート(ユキコ初めての海水浴)
- 森生がユキコと父に挨拶!
※7巻は未発売。以下、7巻に収録予定のエピソードです。(201.10.06時点)
第98話・99話「欄干のない橋①②」
ホームドアのない駅のホームは、視覚障害者にとって『欄干(らんかん)のない橋』と呼ばれています。
ある日。森生はユキコから新作バーガーを店に食べにきて、とメッセージ(LINE?)で連絡をもらい向かいます。
しかしユキコは風邪で早退していました。
帰り。白杖を持っていた若い人が電車で事故に遭った、と人の噂で聞いた森生。
ユキコのメッセージは「早退する」「今から電車のる」で止まっていて…。
「まさか命より大切なユキコさんが」とあわてて駅員に詰め寄る森生。
しかしユキコは無事で、急いで駆け寄った森生は、いつも以上にベタベタとハグします。
ユキコは空ちゃんに電話して無事を確認しますが、 祖父が入院した青野は電車で向かっていて…。
約1時間前。駅のホームに森生の元カノ・凪子がいました。
凪子は今日、誕生日。なのに料理を作って彼氏に尽くしました。
その彼氏にLINEで「重い。もう連絡しないで」と振られてしまい…
「もう死にたい」と、凪子はショックを受けてしゃがみこみ…。
第100・101話「透明①②」
凪子は彼氏に振られてしまい、親も弟を愛していた…自分は愛され能力がない、と実感します。
駅のホームでは沢山の人がいます。けれど皆、自分の生活が1番大事で、私と関係ないと思う凪子。
「わたしって透明人間みたいだな」と凪子はつぶやきます。
自分なんか消えてもいいかな、と心の中で思っていると…
目の見えない青年=青野(細田佳央太)が白杖を使って点字ブロックを歩いていました。
人にぶつかったあと、点字ブロックからズレていく青年…それを見ていた凪子。
電車が来ました。(あぶない!)と凪子は思いますが、もう間に合わいません…。
誰も青年のことを気にしていません。凪子と距離もあり、手は届きません。
(そんなのダメ):凪子は思って…
「白い杖のボクーーーーーーーーーッ!!止まってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
思いっきり叫んだ凪子は続けて「落ちるよ!誰か止めてえ!」と叫びます。
電車が来て、白杖が轢かれてしまいます。が…見知らぬおじさんが助けてくれて間一髪、青年は助かりました。
おじさんは凪子の声で気づいて助けたのです。
青年=青野は、警告ブロックを見失って、元に戻ろうとしていたのが線路への方向でした。
青野は吐きました。凪子らが助けてくれなければ「僕は死んでた」と実感して…。
凪子は青野を強く抱きしました。そして(青野の)命があることが一番の誕生日プレゼントと言う凪子。
青野の「ありがとう」を聞いた凪子は、白い杖で歩く青野を見てキコを思い出しさなけば…声を出さなかったと振り返ります。
あの白杖に気づかなくければ、目に見えない人がいるのを気づかず、青野を「透明人間にしてしまった」と凪子は涙をこぼすのでした。
第102話「ひとつの舟」
青野がピンチだったことは学校でも取り上げられました。
視覚障害者の60%が「駅のホームで転落しそうになったことがある」とアンケートで答えています。
盲学校の授業に、森生も参加し、学んでいました。
青野は祖父の入院で焦っていて注意力がなかった…駅員さんに誘導してもらうべきだった、と反省。
けれど、慣れた駅だから青野の行動もみんな理解できます。
森生は「人は間違う生き物なんだ」と持論を述べます。
黄多先生は個人の判断には限界があるから、強制的に転落を防ぐホームドアが必要と訴えます。
年間3000件のホーム転落事故のうち、2~3%が視覚障害者。
少なく思えますが、視覚障害者の40%が「ホームで転落した経験がある」というのがアンケート結果です。
森生は視覚障害者の40%より、(98~97%が)目が見えてるのに計3000件も転落している方を驚きます。
半数は酔っ払いのもよう。
森生の指摘のおかけで、視覚障害者のためでなく、電車の利用客すべての人に対策が必要なんだ…とわかり、みんな目からウロコ。
しかし費用もかかるし、ホームドア以外にも対策が必要な問題点は山積み。
森生は黄多先生に「どうすりゃいいんすか」と食って掛かります。
黄多は「難しいことじゃないのよ」と、すべきことを森生に説きます。
視覚障害者の存在に気づくこと。気づいて見守って透明人間にしないこと。できるだけ多くの人が見守ること。万が一の時は非常停止ボタンを押すこと…。
ユキコは、視覚障害者以外にも転落の危険がある、と指摘。
体の不自由な人・お年寄り・小さい子供・外からは見えない不調を抱えている人がいて…。
ユキコは、同じ電車に乗る人は「同じ舟に乗り込む船員みたい」と言います。
同じ方向に向かう電車に乗る、共通目的がある…。
声を掛け合わなくても、まったく関りない他人ではなく、同じ舟の船員のようにお互いに「少し気にし合う」。
そんな気持ちが必要なんじゃないか、とユキコは語りました。
その後。連絡先を交換していた青野と凪子は、LINEでメッセージを送りあいます。
凪子は弟・渚に会っていました。
「助けたことで調子のるなよ。姉さんは俺と違って大学行ってない落ちこぼれなんだから」と渚。
母親そっくりな言い方です。凪子は、親からいつも弟と比べられダメだと否定され続けてきました。
だから自分でもとっさに人助けできたことが嬉しい凪子。…そして青野が弟としてカワイイのです。
本物の弟がいるじゃないか、と嫉妬する渚。
そこで、小さい男の子が道路へ飛び出そうとしているのを目撃。
姉に「走れ」と指示された渚は、男の子を助けました。
(ちなみに、男の子は船のおもちゃをもっています)
第103話・104話「水着を買いに①②」
ユキコは、森生と海に行くため、水着を買う予定。
しかし姉から、ユキコは小学生から体型変わってないからきっとカワイイと言われたユキコ。
激しくショックを受けます。みんなナイスバディなのかも、と。
ユキコは同級生の空とお互いの胸を触ろうとしますが…。ユキコが怖くなって拒否。
その後。ユキコは森生に水着を着たくないと打ち明けます。ナイスバディでないから。
森生は、浜辺を歩くだけでも楽しいから着なくてもいいと伝えます。
ユキコだって本当は水着を着て森生と楽しみたいのですが…見られるのが不安でした。
自分でさえ、自分の身体を見てないのに…。
森生は、俺ばかりユキコさんを見て申し訳なく思います。そしてユキコのおでこを触って…
ユキコが怪我したら治そうとし、病気になったら闘ってくれる、ユキコを生かそうとしてくれる身体。
「どんな体かじゃないんすよ。とっかえ(取り替え)のきかないたったひとつの体っすもん。ユキコさんをこうしていさせてくれる…。」
森生は調子に乗って「ユキコの内臓まですべて見て、ありがとうって言いたい」と暴走!?
「すべて見せねえよ、今はまだ。水着までな」と、ユキコは水着を買うことにしました。
その後。姉は妹に幼児体型と言ったことを謝罪。
ユキコは「私、自分の身体、好きだよ」と伝えました。
眼も体型も思い通りに行かなくても、そういう自分を受け入れていました。
第105話-107話「私①-③」
ユキコの姉・イズミのメイン回です。
イズミは大学の友人2人から卒業旅行へ1週間行こう、と誘われますが…妹のことを放っておけないので断ります。
1泊にしてもいいから友人2人はイズミを誘いますが…そこへ獅子王から電話があり、ユキコは駆けつけて病院へ搬送しました。
食あたりでした。点滴などで体調が回復。その後、イズミは獅子王の自宅へ送り届けます。
推しの獅子王の家に上がれて舞い上がるイズミ。
18時。ユキコの帰宅時間だからと、イズミは急いで帰ろうとします。
そこへ森生がやってきました。獅子王は大事な友人が来てるから看病はいらないと断ります。
森生は食料をたくさん置いて帰っていきました。(風邪と思った?)
奥にいたイズミは窓から男が帰っていくのを見届けます。
(想い人が来たのだ、自分の思いはどうせ届かない。1番になれない)
そう悟ったイズミは帰ろうとしますが…
獅子王は「今日は帰らないでくれませんか」と止めます。
「本当にそばにいてほしいのは違う人じゃありませんか」と爆発するイズミ。
「打算もありました。けれど貴方ならゲロを見せられる。弱い自分を見せてもいいと思った。いつの間にか貴方をこんなにも信頼していたのです」と獅子王
イズミは本当は、森生が心配で帰りたくありません。けれど神様(?)が「家族を優先しろ」とささやきます。
「私は…帰りたくない!私のこの気持ちはワガママなのでしょうか?」涙ながらに訴えるイズミ。
森生はイズミを壁ドンして、「また神が言ってるんですか。貴方を幸せにしないならそれは悪魔です」と伝えました。。
第108話「新しい朝」
107話の続きです。イズミが起きると、森生が朝食を作ってしまいました。
ユキコに連絡したあと、知らぬ間に泊まっていたようです。初めての朝帰りです。
超えてしまえば簡単でした。だから、してこなかったバイトも旅行も…「できます、大丈夫」と森生がイズミを励ましてくれました。
何かしらの神に縛られて、自分が好きなことしたいことを見失っていたイズミ。
森生は「自分だけは見失わないであげてください。貴方を生かしているのは、貴方の心なのですから」と伝えました。
帰り道。イズミは、自分だけは自分の心の味方でいようと決心します。
・・・イズミは母に一週間の卒業旅行へ行くと伝えました。すると、ユキコのことよりバイトしてないイズミの経済事情を心配されました。
イズミは、お母さんのせいでバイトできなかったのに、と号泣。
イズミがバイトをしないのは、ユキコの面倒みるためでした。
近所の人も学校の先生ずっと「ユキコを見てて」と言ってきて、自分より妹を優先してきたイズミ。
母親は姉も妹もどちらも大切なことを伝えます。
その後、両親から旅行のための資金の一部が援助されました。
森生は7日間、ユキコのアパートに泊まる覚悟です。その前にご両親へ挨拶したいと森生。
しかしユキコは森生を両親に話していませんでした。
「私とお前の関係に許可が必要なのか」とユキコ。森生は、カッコイイとしびれます。
「お姉ちゃん。卒業旅行、楽しんできて」とユキコは姉に言いました。
第109話・110話「初めての海①②」
ユキコと森生がドライブデートで、ついに海へ!
森生は、運転免許の学科5回落ちたあと、やっと受かりました。
ユキコにとって初の海水浴です。
ユキコが先に着替えたあと、森生を待っていると…男子2人にナンパされてしまいます。
森生がやってきて2人を砂に埋めました。(顔と足は出ています。笑)
その後、初めての海に触れてはしゃぐユキコ。過去最高のテンションです。
カナヅチのユキコは、森生の手につかまって泳ぎますが…
海の中に沈んでしまったユキコ。怖くなったユキコは、お姫様抱っこしてもらうことに!?ユキコはドキドキが止まりません。
今どう思っているのか聞かれたユキコは「内緒」と答え、森生にどうか尋ねると…
森生は「この時間を一生忘れねえだろうな」と言います。
第111話「祭りのあと」
ユキコが起きると自宅のベッドでした。帰りの車で爆睡して運ばれてきたようです。
とても楽しかったユキコは、また色々と行きたいと胸をふくらませます。
自宅に戻った森生は、祖母に(健康を祈願する)お守りを渡します。
…海の近くに恋愛成就の御利益がある「虹の神社」があり、階段250段をユキコと登ってきたのです。
祖母は、疲れて眠る森生のお腹にタオルケットをかけてあげて、「女の子と海に行くくらい大きくなったんだね。幸せかい?」としみじみ声をかけました…。
第112話・113話「父の憂鬱①②」
ある日。ユキコの父は会社の飲み会で、部長から愚痴を聞かされます。
24の娘が10歳上の婚約者を連れてきたことを嘆いていたのです。
ユキコの父は、子供をモノ扱いすべきでないし、婚約者ができたことに感謝すべきと伝えました。
部長は、赤座くんも娘2人いるなら同じように苦しよと言うと…
ユキコの父は次女は障害があるから、一生を支えれくれるパートナーが現れてほしい、と言います。
ユキコの父は、自分ら親が死んでもユキコに姉がいることに安心していました。
しかし妻から長女が重圧を感じていたことを聞いたため…
次女には(相手が)自ら望んで一生を共にしてくれるパートナーができてほしいと願っていました。
帰り道。ユキコの父は、次女の相手を考えているうち、だんだんと高望みしてきます。
すると、ユキコが森生と花火をしている場面に出くわします!
木の影に隠れて、缶の酒(?)を一気に飲んで、2人を見守るユキコの父。
めでたいことだ、と自分に言い聞かせますが…
ピアスの多さが気になるユキコの父。すると、土手から滑り落ちてしまいます。
ユキコは誰が落ちてきたのか分かりません。
「おい、リーマン。酔ってんのか」と声をかける森生。
「娘に近づくな!」そのリーマンは言いました。
そこにイズミも合流して「あれ、お父さんじゃない?」と指摘。ユキコも父に気づきます。
ユキコの父は、我が子が幸せになるなら完璧な男でなくてもいいが、この男だけは絶対ダメだと思っいます…。
それなのに、森生は会えたことを喜んで、「ユキコさんと真剣にお付き合いさせてもらってます」と元気に挨拶。
ユキコの父は、森生の傷の原因について尋ねます。
「ちょっとしたケンカで軽くやられちゃった、みたいな」と笑って説明する森生。(複雑すぎるので、ひと言で片付けました)
ユキコの父は、ユキコを遠くへ呼び、2人で話し合い。というより、森生との付き合いに大反対。
「ユキコはわからないかもしれないけどね。あの顔の傷はユキコが思ってるより怖いよ」と理由を説明する父。
彼といたら、ユキコまで世間に敬遠されるから、と。しかしユキコは私も同じと言います。
外側(弱視のこと)で差別されてきたことは同じ…。
父は、ユキコが身に染みている「世間」について語ります。
世間は、人をカテゴリー分けして、イメージで決めつけます。障害者・高齢者・若者・女性・男性・外国人・ホームレス…。ひとりひとり、その人だけの魂があるのに…。
父は、森生の傷を見た時、恐れたことは…世間が内面を見ないで、悪いやつだと判断すること。そして隣りにいるユキコまで差別されること。
「フツウの人を選びなさい。世間に敵を作らないように」と父は助言。
「やめて、お父さんに失望したくないの」とユキコ。
ユキコは、世間に負ける父に失望しかけていました。
ユキコは思いました。(偏見をもつ)「世間」を恐れて流されたら(=森生と別れたら)、自分もその「世間」(偏見をもつ側)と同じになってしまう、と。
「私は黒川といる!」と宣言したユキコは、父の元を離れて森生のもとへ行きました。
*****
ユキコが、ひとりでしゃがみこむ中…森生はイズミに、親子関係がふだん悪いのかどうか質問。
イズミは、「ユキコはパパっ子」と返答。
ユキコの料理好きは父の影響だし、よく父に相談もしていたと言います。
それを聞いた森生は、ユキコに話しを聞いたあと、ひとりで帰っている ユキコの父を追いかけて、呼び止めて…。
第114話「娘の彼氏」
森生は、ユキコの父を呼び止めて、交際の許可を求める…かと思いきや、
「ユキコさん、お父さんのこと好きって言ってましたよ。つい怒っちゃっただけだって。言い方きつかったかもって。お父さんもお母さんも尊敬してるって言ってましたよ」と森生。
森生は、父がいないので、ユキコにそういう父親がいることが嬉しかったのです。
森生の父は、10代の母を妊娠させて行方をくらまし、養育費も払わずじまい。だから、いないものと思っています。(なお、母も小さいころに森生を置いて出ていきました)
「憎みたい子供なんているわけない。だけど。そう仕向けてくる親もいるんだなって」と森生。
森生は、親が子を愛してくれることが当たり前じゃない、と体験的に知っているので、ユキコの親子関係が嬉しかったのです。
森生は、ユキコを愛してくれたことの感謝を述べて、その場を去りました。
ユキコの父は、子を愛するのは義務だから感謝されることでない、と心の中で思いました。直後、当たり前じゃないのか…と思います。
「黒川くん!本当の父親がいなくても、親父のような存在に出会うことはあるよ。もし君が必要なら…僕がなってあげてもいいよ」とユキコの父。
森生は、理想の親父はもっとマッチョと語ります。(ユキコの父は痩せていて文化系です)
お互い理想とは違ったようですが…森生は「でも嬉しかったです。優しい人っすね」と喜びを伝えました。
ユキコの父は、森生に花火しようか、と誘って…。
※注:【ユキコの父】と、ずっと表記しているのは、漫画で氏名が明かされていないからです。なお、ドラマでは赤座誠二となっています。
第115話「花火①」
ユキコとイズミは2人で話しています。
ひ弱なお父さんは、学生のころ、ヤンキーによくからまれていて…1コ先輩だったお母さんがよくお父さんを守っていた…と、イズミは母に聞いた話しを伝えます。
そこへ森生とお父さんが戻ってきました。冷静になったユキコと父は、もう一度話します。
父は「ごめんなユキコ」と謝ります。偏見を持っていたのはお父さん自身だった、と。
ユキコも言い方がきつかったと謝りました。
父は、ユキコに「黒川くんのことを守っていたんだね」と言います。
そして、娘がいつのまにか誰かを守れるようになったことを喜びます。
ユキコは小学5年時のクラスマッチのドッジボール大会の話しをします。
(回想)
あのときは今より見えていたけれど、ユキコは相手に真っ先に狙われてボールを当てられます。
「3組はあの子が穴」と笑われました。楽しそうに。
「人は嫌だ」「人は冷たい」と、ユキコは世間を嫌いになりました。
ユキコだったら、ユキコみたいにされる子がいても絶対に笑いません。それどころか…
「もし私だったら絶対に守ってあげられたのに」と、ユキコは親の前で悔し泣き。
父は、そういうユキコのことを大好きだと伝えてくれました。
けれど…「心は閉ざさないでおきなさい。世界のすべてをひとくくりに敵と思わないようにね。ユキコにとって宝物になる人を見逃してしまわないように」と父はユキコに言いました。
いつの日か現れるよ。だから、世界をあきらめないでーー
(現在)
父はその言葉を覚えていませんでした。
でも、ユキコはその言葉を胸に、悲しい目に遭っても、世界のすべてを嫌いにはならないように心がけてきました。
そして森生・空・青野・黄多先生・バイト先の人々に出会えたました。
父は、森生のことを「愛を持ってるね」と言います。
受けた痛みを他人へのいたわりに変えられる森生のことを「尊敬するよ」と父。
「お父さんなら分かってくれると思ってた」とユキコは、満面の笑み。
そこへ(イズミに頼まれ)追加の花火を持ってきた獅子王が、傷の件でもめてると聞いて、事情を話させてくださいと平謝りで…。
【恋です!ヤンキー君と白杖ガール】の感想とまとめ
以上、ドラマ【恋です!ヤンキー君と白杖ガール】原作漫画のあらすじネタバレを紹介してきました。
原作もカワイイのですが、演じる杉咲花さんと杉野遥亮くんの恋模様も楽しみですね。
漫画やドラマなどエンターテインメントを通して、多くの人が弱視の人の事情や世界に触れることも大きな意義があると感じます。
しかし視覚障害者だけでなく、フツウでない様々な人たちを描いているのが本書のGoodな点です。
疎外感を感じるすべての人にぜひ読んでほしい作品。
ドラマからでもぜひ世界観に触れてほしいです♪
* ドラマ【恋です!ヤンキー君と白杖ガール】は10月6日から日本テレビ系にて、毎週水曜22時から放送!