【わたし、定時で帰ります。】種田(向井理)が好きで仕事をするのはいけないのか?/コラム
【わたし、定時で帰ります。】種田(向井理)が好きで仕事をするのはいけないのか?/コラム
吉高由里子主演のTBS火曜ドラマ【わたし、定時で帰ります。(わた定)】最終回が2019年6月25日に振り替え放送されます。
働き方改革が問われる現代日本。アメリカの有力紙にも取り上げられるなど、大注目の「わた定」。
今回は、【わたし、定時で帰ります。】種田(向井理)が好きで仕事をするのはいけないのか?
の件についてコラム形式で論じます。
1.【わたし、定時で帰ります。】種田(向井理)が好きで仕事をするのはいけないのか?
-.好きで仕事をするのはいけないのか:結論
-.種田(向井理)の発言はブラック企業と同じ!
-.好きで仕事を否定してはいない!
2.まとめ
【わたし、定時で帰ります。】種田(向井理)が好きで仕事をするのはいけないのか?
【わたし、定時で帰ります。】最終回は、2019年6月18日に途中まで放送されました。
地震速報のため中止となり、6/25(火)に延期となった本作。
その最終回(第10話)では、ブラック上司の福永(ユースケ・サンタマリア)が、種田(向井理)が好きで仕事をしているのは「そんなにいけないことなのかな?」と発言。
第9話では、過労で倒れた来栖(泉澤祐希)に対して、結衣(吉高由里子)と柊≒(ハンドルネーム:愁)(桜田通)が無理しないように説得。
そして種田(向井理)は「寝なくても死なない」「死ぬ気でやれ」と弟・柊を追い詰めた過去も明かされました。
それ(=働きすぎは悪)を受けての最終回となっています。
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好きで仕事をするのはいけないのか:結論
結論から言うと、好きで(過度に)働くことがいけないのか、その答えはありません。
長時間労働を好きでしているのならば、止めようがありません。
しかし、仕事よりも命が大切である、ことは明らか。
このドラマの趣旨も死ぬまで追い詰められるほど、働くことはない、と訴えっています。
そして、好きで仕事をしていても、他人を追い込んではいけないのです。
ドラマ9話で、種田(向井理)が「(結衣の)会社に来なければよかった」と後悔していました。
それは、社内の仲間を追い込んでしまったこと。
やりがい搾取(経営者が金銭による報酬の代わりに「やりがい」を強く意識させ、労働力を不当に安く利用する行為)に近い、サービス残業(しかも人事にバレないように社外の飲食店に集まっていた!)が発覚したからでしょう。
そして、弟を追い詰めた「死ぬ気でやれば」という種田の発言は、渡邉美樹氏の過去の発言も想起させます。
種田(向井理)の発言はブラック企業と同じ!
渡邉美樹氏は、ブラック企業大賞2013「大賞」、ブラック企業大賞2012「市民賞」を受賞している外食大手「ワタミ」グループの創業者です。
ブラック企業大賞の受賞理由は…
以下の厚顔無恥な言動・姿勢に対して
- 過労自殺者を労災認定されながら「労務管理できていなかったとの認識はない」「ワタミは天地神妙〔ママ〕に誓ってブラック企業ではない」の言動
- 過労自殺者を出しながら、様々な社会貢献活動を行い「夢」を持つことの重要性を説く、矛盾した姿勢
出典:wikipedia
ワタミでは、森美菜さん(当時26歳)が2008年、月約141時間の残業を強いられ、過労自殺で亡くなっています。当初はワタミ側が非を認めなかったものの、長い裁判を経て2015年12月に和解に応じることになりました。
2013年6月5日号の週刊文春にて、「365日24時間死ぬまで働け」「出来ないと言わない」と説いている文書「ワタミグループ理念集」の内容が掲載されています。(雑誌掲載後に訂正されました。)
これは誤解だと言い訳できますが、「無理矢理やらせれば無理でなくなる」という危ない発言もしています。
よく「それは無理です」って最近の若い人達は言いますけど、たとえ無理なことだろうと、鼻血を出そうがブッ倒れようが、無理矢理にでも一週間やらせれば、それは無理じゃなくなるんです。そこでやめてしまうから「無理」になってしまうんです。全力で走らせて、それを一週間続けさせれば、それは「無理」じゃなくなるんです。
出典:2006年5月22日テレビ東京で放送「日経スペシャル カンブリア宮殿~村上龍の経済トークライブ」より)
渡辺美樹氏自身が創業するために命をかけて、死ぬ気で働いたのでしょう。仕事も人生そのもの、自己実現の場、だと考えています。
「仕事は生きがい」「週休7日で幸せなのか」発言をしたことも物議をかもしました。
“働くことは「生きがいであり、自己実現であり、” だと思う人とそうでないひとがいるという想像力が働かない人間が上に立つと本当に不幸。この人に働き方改革関わって欲しくない。 / “ワタミ創業者・渡邉美樹議員、過労死遺族に「労働観」…” https://t.co/HhyH86PGva
— あおきいさお (@aokiisao130) 2018年3月14日
「週休7日が人間にとって幸せなのか?」と、ワタミの渡邉美樹さんが過労死遺族に発言したの、「え?幸せじゃないの?」となったけど、「休むのは不幸だ」と考える人が世の中に本当に居て、そういう人が上司になると社員を死ぬほど働かせても「ああ、いま部下は最高に幸せだな!」と思ってるの怖すぎる
— ひきこうもり (@Hikikomori_) 2018年3月16日
働き方改革についての国会での議論がね、格調高い実り多い議論になっているとは私も思ってはいませんけど、国会で、誰も「仕事をするのは悪いこと」とか「週休7日が幸せ」とか言うとらんのに、何故か渡邉美樹さんには、そう聞こえるんだそうです。なぜ「無い言葉」が彼には聞こえてしまうんでしょう?
— タクラミックス (@takuramix) 2018年3月16日
「好きで仕事」を否定してはいない
ブラック企業のような種田の発言は問題ですし、他人を巻き込むのも問題です。
しかし「好きで仕事をするのはいけない」と、ドラマ「わた定」は否定していません。
そういえば、9話で来栖(泉澤祐希)も好きで頑張って働いていました。
来栖が過労で倒れた件と、柊の新人時代の自分に合わない仕事では意味が違う…。
そんな視聴者の意見も多く、ありました。
柊(桜田通)が合わない職種で心を壊してしまったのと、来栖(泉澤祐希)がやりたい仕事で認められようと頑張るのは別問題だと思う。若い頃に一定期間強い負荷をかけてでも仕事に打ち込む時期はあっていいと思うし、僕自身、がむしゃらに仕事をした数年間が今の自分をつくっているので余計そう感じた。
— 横川良明 (@fudge_2002) 2019年6月11日
#わたし定時で帰ります 東山さんが1日ズル休みするのと、柊君が退職して引きこもるのじゃ話が違う気もするし、そんな彼が来栖に助言するのもしっくりこない。柊君を非難したいわけではないしむしろ彼の気持ちの方が共感は出来るんだけどでも何か話ありきな展開に見えちゃうな。
— Aki (@ajupon_dorama) 2019年6月11日
たしかに結衣・柊・来栖・種田はそれぞれ事情・環境・体力などいろいろと違います。
なんで違うケースなのに、来栖の頑張りを止めるのか疑問に思うのはもっとも。
ただし、よくドラマを見れば、結衣は来栖が過労で倒れて以降に、心配していることが分かります。
そして、決して頭ごなしの言葉ではありませんでした。
来栖が自分でも気づかない、過労を心配しての結衣の言葉だったと思われます。
視聴者からもこんな声が…
東山さんの良い所って真っ向から相手を否定しないってところだ。ただ頑張り方を間違えてるだけなんだよね、っていうベースで話すから「気持ちはわかるよ」が一言目に出てくる。相手を諭していく天才だなぁ。。。こんな先輩のもとで働きたいし、こんな先輩になりたい #わたし定時で帰ります #わた定
— きりん (@mcoffee_p) 2019年6月11日
今週も最高でした。
やる気満々なんです!いま!っていう来栖くんのやる気を持続させておきたいし、なんで水さすんだよって来栖くんは思うかもだけど、自分が疲れ果ててるのって意外と気づかないから、ゆいちゃんの存在は大きいのかもなぁ。— コトハ (@o_chiroru_o) 2019年6月11日
「余計なお世話って言われるかもしれないけど」
と、結衣自身が倒れて(階段から落ちて)入院してしまった経験から、来栖におせっかいを焼きました。
説得しても、選ぶのは来栖自身。そんなスタンスに思われましたし、来栖自身も思うところがあったので納得したと思います。
決して仕事人間が悪であるとか、働くこと・頑張ることを否定しているわけでなく、命の問題なのです。
まとめ
以上、【わたし、定時で帰ります。】の種田(向井理)が好きで仕事をするのはいけないのか、について論じてきました。
まとめると、
- 種田(向井理)が好きで仕事をするのはいけない、と否定してはいない。
- ただし、種田の弟への言葉はまるでブラック企業。
- 仕事人間が悪でなく、命の問題。
しかし最終回では、種田が無理をしそうな予感です。
第9話で、種田は社員たちがサービス残業をさせられていたと知った後、福永の元に行きサービス残業をやめさせます。
そして、その分のしわ寄せは、管理職で残業代のつかない自分がやると宣言していましたが……。
*【わたし、定時で帰ります。】最終回は2019年6月25日火曜よる10時放送です!
※文責:Jima
※記事内の敬称略。
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