【大奥 幕末編】19話|偽和宮の荒んだ心を家茂の純粋さが癒す!
NHKドラマ10【大奥 幕末編】19話のあらすじ・ネタバレ・感想|偽和宮(岸井ゆきの)の荒んだ心を家茂(志田彩良)の純粋さが癒す!京から来た宮様はなんと女だった!偽和宮が身代わりを買って出た理由が悲しい。家茂が公武合体のためにとった行動とは?
【大奥 幕末編】19話のあらすじ
和宮を名乗って江戸に来たのは女だった。間者だという瀧山(古川雄大)だが、家茂(志田彩良)は、間者なら男子を送るのでは?と疑問を持つ。湯冷めしそうな偽和宮(岸井ゆきの)に羽織りをかけてあげる。瀧山に裸を見られて恥ずかしい思いをしたのではないかと思いやると、江戸の地下もんなんて虫ケラと同じ。虫ケラに裸を見られたって痛くも痒くもない。そんな物言いに、間者ではなく高貴な人だと気づく家茂だが、和宮はいきなり眠ってしまう。
本物の和宮は、よほど江戸に来るのが嫌で首をくくってしまったから仕方がなかったと土御門(山村紅葉)。偽和宮は本物の和宮の姉だと和宮と偽和宮の実母・観行院(平岩紙)で、2人とも男装していた。
観行院は、偽和宮は生まれつき左手がなかったから人目に触れさせずに育ててきた。だからいなくなっても訝しがる者もいないと説明する。どっちにしても公武合体なんて破談になるだろうと言う土御門。しかし家茂は、宮様が女性であることを固く秘すると決める。
武家VS公家の仲裁役はカステラ?
翌朝、目覚めた偽和宮に、宮様のおかげで万事うまくいったと観行院。偽和宮はほっとしたのか、食欲も旺盛だ。瀧山は天璋院(福士蒼汰)に状況を報告。今はとにかく宮様が女であることを隠し通す。
御台が総触れに現れないことを不思議に思う御中臈たち。仲野(中川翼)が高貴な方は人前に姿を現さないと説明していると、絵島(三谷昌登)たちがやってくる。御中臈の1人(足立英)が、裸足で歩いているのを注意するが、自分たちがしとうず(靴下)を履くのは帝のお許しを得た時だけ。東の代官に見える程度で許しなんて、オッホッホと笑う。
御中臈が絵島にくってかかるが、瀧山はひと芝居打って無礼を謝る。納得できない御中臈たちには頭を下げて「国のために耐えてほしい」となだめる。
瀧山から宮様と徳川をうまくとりもってほしいと頼まれた天璋院は、偽和宮たちを呼ぶが、普段の習わしから敷物を用意していなかったことで「あんたらの気持ちはようわかったわ」と怒らせてしまう。
仲野から偽和宮たちは食事を気に入っているらしいと聞いた家茂は、カステラを持っていく。偽和宮は見た目が気味悪いなどと文句をつけるが、カステラの美味しさに感動した。みなさんで、と家茂が置いていったカステラを観行院と土御門にあげる。母を喜ばせたかったのに、父の観行院は「本当の宮さんに食べさせてあげたかった」と嘆き、悲しくなる。
【大奥 幕末編】19話のネタバレ
薩摩の島津久光が朝廷よりの勅使として江戸に来ると、老中の板倉から聞く家茂。表向きは勅書の警護だが、久光は幕政の改革を命ずる勅書を出せと朝廷に働きかけた。真の目的は、安政の大獄で罰せられた者たちの復権、そして一橋慶喜(大東駿介)を将軍後見職につけろということ。水戸や薩摩は将軍家から力を剥ぎ取りたいわけだ。
家茂は先手を打った。勅書を見る前に、公武合体をより確かなものにするため、慶喜を後見人にすると宣言した。朝廷の言いなりで決めたわけではないという面目をかろうじて保った。
幕府は朝廷に逆らえないと嘲笑う土御門と絵島。だったらもう京都に帰りたいという観行院。京都に帰ったらこんな高給は貰えない。貧乏暮らしに逆戻り、それに志士という輩がうろついて物騒だというのだ。
そんなところに和宮さんが1人でいるということかと動揺する観行院。あの子はあんたみたいな肝の座ってる子じゃない。私が守ってあげへんとと偽和宮に迫る。
偽和宮は生まれた時から左手がなかった。仁孝帝 典侍 橋本経子(のちの観行院)は、この子は生まれてなかったと帝に報告すると言う。兄の橋本実麗は、帝からの養い金がもらえなくなると心配するが、経子はもう1人健やかな子を絶対に産むからと懇願し、和宮を産んだ。
家茂は御膳所に、偽和宮が好きな「花びら餅」を作らせた。気に入る偽和宮。京に帰りたいなら何か方法を考えるという家茂だが、帰りたいわけじゃない、でもお願いがあると言って、観行院を慰めるために金魚を用意させる。
天璋院が敷物の件を謝りに来る。かわいい白い子猫を連れてきたが、ここには今金魚が来たばかり。間が悪かったと出直すことにする。
生麦事件が起きる。道を譲らなかったイギリス人を薩摩の島津一行が斬り殺したというのだ。瓦版屋(一龍齊貞介)のニュースを見聞きした民たちは大いに湧くが、勝海舟(味方良介)は、たいへんなことだと天璋院と家茂に知らせる。もし薩摩がイギリスと戦をしたら、力の差を目の当たりにして一転開国派になるなんてことはないのか。いや、そんなことは、と否定しかける勝海舟だが、ついこの前自分を斬りにきた坂本(龍馬)のことを思い出す。異国のすごさを語ると、すっかり開国派になって帰っていったというのだ。
身代わりの真相と初めてのうれし涙
慶喜は、家茂に上洛しろと言う。目的は帝のご機嫌取りだ。囲碁を打ちながらその話を聞く偽和宮は酷い話だと批判するが家茂は、帝と向き合ういい機会だと考える。またその前に、偽和宮の本当の名前を知りたいと言う。今のままで何かあれば、何者かわからず、ただの偽物だと扱われてしまう。帝の妹宮だと証明できるものがほしい。
家茂が宮様を大切にするのは、江戸に来てくれたおかげで徳川が救われたからだ。でも、偽和宮は、徳川のために来たのではなく、母を独り占めするためだ。本当の和宮はまだ生きている、と告白した。
本物の和宮は、江戸に行くことを嫌がり、自害しようとした。母が男のふりをして一緒に行くからと言って説得していると聞き、母を独占できると思ってみずから身代わりを買って出たのだった。
涙を流す家茂。宮様のおかげで本物の和宮は死なずにすんだ。つまり家茂も和宮を死に追いやらずにすんだ。気づかぬうちに多くの人を救っている。江戸への旅の中で気づいたことを尋ねる。
思ってたよりずっとずっとええ旅やった。宿の者たちは土地のごちそうを用意してくれて、ふとんもやわらかくて暖かくて、きれいな花がいけてあり、たいそう心尽しがされていた。
それは宮様は民にとっても光だから。公武合体は戦を避けるため、そのために江戸に来てくれる宮様、その方がそこにいるだけで救われる人間が山のようにいる。そういう方を世の光と呼ぶのだと思う。
あんたはほんま、いちいち真面目で肩凝るわ。そう言って布団に入ると、偽和宮は初めてうれしくて泣いた。
総触れに出てきた和宮。驚く瀧山、天璋院。
あの方は、人の心に寄せるのに天賦の才をお持ちだから。それは相手の懐に深く潜り込む才。ひょっとすると帝の心も掴むかもしれない。
文久三年、家茂は3000人を引き連れて上洛した。家光公以来、229年ぶりの上洛だ。驚くべきことに家茂は公家男子と同じ装束で現れた。女の装束ではいざというときに帝を守れない、右近衛大将・家茂は帝を守るために参上したと挨拶した。
江戸では偽和宮と土御門が、家茂がそろそろ京に着いたかと話していると、観行院が金魚鉢を倒して壊した。
【大奥 幕末編】19話の感想
聡明で心やさしい家茂の純粋さが、愛されることを知らない偽和宮の冷え切った心を温めていきます。岸井ゆきのの和宮はまさにマンガから出てきたようだし、家茂役の志田彩良の演技は、爽やかでキラキラしていて、凛とした強さもあり、将軍たるにふさわしい。
これから先の展開を思うと、本当にまぶしい2人の幸せな時間。目に焼き付けておきましょう。
天璋院が猫を持ってきたけど、金魚が…というくだりは原作にもあるのですが、福士蒼汰がチャーミングに演じていたので、本物の和宮で頭がいっぱいの観行院にも笑顔が見られました。その笑顔を見た偽和宮も、江戸に来て初めて素直に微笑んだ。
人殺しでも母は母。そんなことを言ったのは家斉(中村蒼)でした。観行院は、毒殺がエンタメという本物の「毒」親・治済みたいな人殺しではありませんが、かなりの毒親です。大奥には辛い親子の物語がいくつも出てきますが、これが最後になるでしょうか?
次回、20話は12月5日放送です。あと2回!
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