【人間標本】原作ネタバレ・あらすじ!西島秀俊が殺人鬼になった理由&真犯人は誰?

「人間標本」全話あらすじネタバレ
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西島秀俊主演のドラマ『人間標本』が、Amazon Prime Videoで世界配信(全5話一挙配信)。

本作は、“イヤミスの女王”と呼ばれる湊かなえ氏が、デビュー15周年を記念して書き下ろした同名小説の実写ドラマ化です。

この記事で分かること
  • 西島秀俊が殺人鬼になった理由。
  • 「人間標本」殺人事件の真犯人。
  • 「人間標本」殺人事件のまとめ。
  • 少年たちの裏の顔。
  • ドラマ版のあらすじ。

本記事にはドラマ「人間標本」の原作ネタバレが含まれます。未視聴の方はご注意ください。

【人間標本】原作ネタバレ・あらすじ

あらすじ

山の中で、ひどく損壊された6人の少年の遺体が発見された(※ドラマでは人間標本として発見される)。――その6人は、世界的アーティスト・一之瀬留美(宮沢りえ)の後継者候補として合宿に参加していた14才の少年たち。

大学で蝶の研究をする榊史朗(さかき しろう/演:西島秀俊)が、警察に自首してきた。史朗は、蝶の世界を渇望するあまり、息子を含む6人の少年たちを手にかけて標本にしたことをレポートにし、人間標本の写真とともに警察に持参してきた。史朗のレポートは小説投稿サイトにもアップされていて、社会はその事件の異様さに衝撃を受けた…。

蝶に魅せられ、禁断の「標本」を作り上げたという男の手記には、理解しがたい欲求が記されていた。「人間も一番美しい時に標本にできればいいのにな」――と主人公の父が言った。その父は画家だが、蝶を標本にする方法を幼少期の史朗に教えてくれた。それが未来で人間標本を作るきっかけになるとは…。

しかし物語は史朗のレポートだけでは終わらない。息子の榊至(さかき いたる、14才/演:市川染五郎)の「自由研究・人間標本」を読んだ史朗は驚愕する。

さらに死刑判決を受けた史朗のもとに訪れた面会者によって、驚愕の真相が明かされて…。

西島秀俊が殺人鬼になった理由

榊史朗(西島秀俊)が殺人鬼になった理由をネタバレします。

史朗は留美が所有する山小屋で、自分の息子を含む6人の少年を殺害し、標本にして写真撮影。その後、彼らを埋めました。

犯行動機は一番美しい姿を標本にしたかったから。いわゆる芸術のため。息子までも殺した理由は殺人犯の子として息子が苦しむのを避けるため、美しい姿のまま標本にしようとした。……というのは警察への説明です。つまり、嘘。

本当の犯行動機は息子・至(市川染五郎)の罪をかぶるためでした。

至の「自由研究」を読んだ史朗は、至が少年5人を殺害して人間標本にしたことを知ってしまいます。だから至を蝶の世界に旅立たせることにしました。人間のときの業は父が背負うから、と。

真犯人は誰?

榊史朗が少年6人を殺害したというのは嘘で、至1人だけを殺害。で、本当は榊至が少年5人を殺害していました。

しかし終盤、どんでん返しがあり、真犯人が判明します。

死刑判決を受けて、収監されている史朗。彼の元に、杏奈(伊東蒼)が面会にやってきて、真相が明らかになっていきます。

そもそも被害者の少年6人は、世界的画家でもある母・一之瀬留美(宮沢りえ)が「後継者」候補として合宿に呼んだ芸術家の卵たちです。少年たちは合宿で絵を完成させて、留美が審査し、ひとりだけ後継者に選ばれます。

しかし杏奈は、留美の実の娘ですが、後継者候補にすらならなっていません。杏奈は不満がありました。

実は、一之瀬留美が少年6人を合宿に呼んだ理由は、至くん以外を人間標本にするためでした。つまり、真犯人(黒幕)は一之瀬留美です。

しかし留美は急病で、合宿は中止に。育ったアメリカに移り、病院で最期の日々を送る留美。

そんな中、病床の留美は杏奈に「人間標本」作りを指示します。口説き文句は、杏奈を後継者に指名するからという口約束。

杏奈は日本に戻って、少年5人を殺害。至に手伝ってもらい、人間標本を完成させます。

杏奈は少年5人を殺害して人間標本にした実行犯でした。

留美は杏奈に、もう一つ要望していました。それは完成させた「人間標本」の実物を史朗に直接見せること。

しかし杏奈は写真で史朗に見せればいいと思っていて、その約束を果たしませんでした。

危篤の留美のもとに行く杏奈。実物を見せてないと知った留美は「役立たず」と言い残して、亡くなりました。

ショックを受け杏奈ですが、人間標本作りがトリガーとなって、四原色の色覚を持つようになりました。

一方、留美は四原色の色覚を持っていたのですが、失っていて、苦しんでいたようです。だから人間標本作りをトリガーにしたかったのでしょう。それが出来なくなったから、実物を史朗に見せることをトリガーにしたかったのだと思います。

事件のまとめ(分かりやすく)

・史朗が少年6人を殺したとして自首。レポート(告白手記)も発表。

・しかし実は、至が少年5人を殺していて、史朗はそれを隠蔽するために6人目として至を殺し、全部の罪をかぶっていたと読者に明かされる。

史朗は死刑判決。(本当は1名殺害なので死刑にはならなかったのに)

・しかし実は、杏奈ちゃんが少年5人を殺したことが明らかに。

・一之瀬瑠美が少年5人を「人間標本」にすることを計画していたことが判明。瑠美の娘・杏奈ちゃんは実行犯だった。

・杏奈ちゃんによる「人間標本」作りを手伝っていた至は、父・史朗に殺されて標本にされることを願って仕向けていたことが判明。

・刑務所で史朗は、至が標本作りを手伝わされていただけだと知る。さらに、至の作戦に引っかかって彼を殺してしまったことにも気づき、慟哭(どうこく)。至を生かすべきだった、海外逃亡させるべきだったと悔やんだが時すでに遅しだった。

ラスト。犯行現場の山小屋の床下から発見された<至の絵>には、下に文字があった。そこには、僕は人ではなくなったから、(息子を殺した)父の罪は父の愛であることや、僕を標本にしてほしいということが書かれていた。

少年たちの裏の顔、事情(ネタバレ)

前述したように留美(宮沢りえ)は娘の杏奈(伊東蒼)に「人間標本」を依頼したのですが、至を除く5人の少年には殺されてもよい裏の顔、事情があったので選ばれたようです。

ここでは5人の少年たちの裏の顔、事情をネタバレします。

深沢蒼(ふかざわ あお)|演:松本怜生

深沢蒼は超難関の美術予備校に通うエリートで、独創的な青色の世界を描くことを得意としている芸術家の卵。榊史朗のレポートによると、河川敷の橋の下にある小屋を連続放火している。理由はブルーシートが嫌いな青だから。ホームレスが亡くなっているので、殺人犯である。

裏の顔が殺人鬼というのは、殺されてもかまわない理由といえなくもありません。(もちろん、どんな人でも殺してはいけません)

赤羽輝(あかばね ひかる)|演:山中柔太朗

赤羽輝は、物静かな性格で地味な印象な少年だが、胸に秘める情熱を赤色のバラで鮮やかに描き出す芸術家の卵。榊史朗のレポートによると、亡きロックスターの息子だが、素性は隠している。いわゆる隠し子である。

赤羽の父はライブ終了後に胸にナイフが刺さって死ぬ演出をしていた。さらに、自宅の寝室で父の胸にナイフが突き刺さっていて、死亡。他殺か自殺かは不明。ベッドには赤いバラがたくさんあった。

赤羽は父親が誰だか分かると母親が逮捕されるから素性を隠しているという。しかしロックを歌う動画配信をしていて知られたい思いもあるようだが、再生数は低い。

輝の殺されてよい理由は、(私の読解力不足か)よくわかりません。なぜ赤羽の父がロックスターだと気づかれると母が逮捕されるのか。母が父を殺したのか。そして赤羽は本当に父のようになりたいのか。まあ、おそらく、父のように死にたがっているということかな。

石岡翔(いしおか しょう)|演:黒崎煌代

石岡翔は、不遇な境遇にもかかわらず、ダイナミックなウォールアートを得意とする芸術家の卵。榊史朗のレポートによると、悪魔の品で特別な目を獲得して芸術的な絵を描いてるという。その悪魔の品とは違法ドラッグのことである。

石岡の裏の顔は、薬物常習者。悪いやつでした。

白瀬透(しらせ とおる)演:荒木飛羽

白瀬透は、二原色の色覚で独創的な世界を白と黒の水墨画で描く芸術家の卵。榊史朗のレポートによると、白瀬の母親は一之瀬留美(宮沢りえ)と同じく四原色の色覚を持っていた。だが、普通でないことに悩んでいた。そして母は薬をたくさん飲んで目を覚まさなかったという。母との無理心中の末、透は生き延びた。実は透は、自分で薬を飲んで母の後を追ったが、薬の量が足りずに死ねなかった。

白瀬は、心中未遂の過去があるため、死にたがっているといえます。

黒岩大(くろいわ だい)|演:秋谷郁甫 ネタバレ

黒岩大は柔道家のような体格だが、“ビーダブル”(Black and White の頭文字)という名で注目を集めている新進気鋭のアーティスト。 黒いペン一色で人の悪意を風刺画として描き、絵だけの新聞として配布している。頭の悪い人々でもオシャレなアートで悪いことを可視化して戒めとしたいという狙いがあった。しかし女を使い捨てるという悪いうわさもある。(至のレポートでも、黒岩が女にヒドイことをしたことが書かれている)

黒岩は「正義」の人ですが、裏の顔は女好きで、女を泣かせているようです。

ドラマ【人間標本】あらすじ

第1話

盛夏の山中で発見されたのは、六つのアクリルケースに眠る美少年たちの遺体-世間を震撼させた「人間標本事件」である。自首したのは、日本の蝶研究の権威と呼ばれる大学教授・榊史朗(50)。彼は「人間標本」と題した長大なレポートをインターネット上に発表し、犯行動機から製作過程までを克明に記録していた。取り調べは、その歪んだ記録を辿るかのように進められていく。幼少期に蝶の標本作りに刺激的な興奮を覚えた史朗は、蝶の研究にのめり込み、やがて世界的画家となった幼馴染の留美と再会。二人の間には揺れる感情が生まれる。そして留美の絵画合宿に集められた六人の少年たち。史朗の目には彼らが蝶の幻影として映り、「神からの贈り物」と感じた彼は最愛の息子・至を含む少年たちを"人間標本"として永遠化する道を選んでしまう。湊かなえが紡ぐ、美と狂気が交錯する衝撃のサスペンス。

第2話

留美の容態が急変し、合宿が中止となる。史朗は少年たちを送り届ける役を託され、山の家に戻る。倉庫には展示用のアクリルケースが6つ置かれていた。留美の後継者選びが先送りとなり、少年たちは安堵と失望の入り混じった反応を見せる。父として至に秘かな期待を抱く史朗の胸中も揺れていた。そして史朗は5人の観察を始めるのだったー。 刑事が問う。「なぜ、どのように殺したのか」と。史朗は「それは完成に関係ない」と答え、製作過程を語ろうとしない。「テーマは作り方ではなく、心の流れの観察にある」と突っぱね、そしてこう告げる。「それでは特別な美術館にご招待しましょう。ゆっくりとご堪能あれ」――こうして少年たちを蝶と重ねた「人間標本」の展示が語られていく。 しかし語られたのは5人の少年たちだけ。息子・至については語らない史朗。狂気の芸術の裏に潜む最大の謎――父がなぜ息子を殺したのか、真相は次回へと迫る。プライム会員特典

第3話

五人の標本を作り終えた史朗の最後の標的は、最愛の息子・至だった。 刑事が「私も蝶に見えますか」と問うと、「まさか」と笑う史朗。だが彼の目に映る世界は歪んでいた。 二年前、至と共に台湾の地で貴重種である蝶を採集した思い出を抱えながらも、五人の標本を作った後の彼の目には、息子すら蝶に見えていた。至は自らを「オオベニモンアゲハ」だと笑い、父との思い出を語るが、史朗は最後の標本を完成させる決意を固める。完成した標本は幼少期の史朗が描いた〈蝶の王国〉の再現だったー。そして「親として最後に出来ることは一番美しい姿を標本にして残すこと」と語り、刑事は激しく反発する。しかし史朗は「思い残すことはありません。死刑にしてください」と言い放ち、口を閉ざした。ここで【「人間標本」榊史朗】と題されたレポートは閉じられたかに見えた。だが紙面の文字は揺らぎ――物語は新たな視点へ移っていく。

第4話

絵画合宿が中止となり、史朗が蝶の観察調査へ出かける間、至は一人で留守を任される。父の標本を見つめながら仲間たちを呼び出した彼は、自身の「人間標本」レポートに観察を記す。薬物に依存する翔、喝采を求める輝、心中未遂の過去を持つ透、暴力を振るう大、冷酷な蒼。やがて山の家に集めた仲間を眠らせ、命を奪い、標本を作り上げた。レポートは「お父さん、ごめんなさい」で締めくくられる。帰宅した史朗は至と夕飯を食べながら、台湾での酒の思い出を語り合い、至は「二十歳の誕生日にまた一緒に飲みたい」と未来を口にした。 翌朝、部屋の標本に違和感を覚えた史朗は、息子のPCを開いた。真実を知り、山の家で遺体と対面する。机には次なる標本=杏奈のデザイン画がー。3年後、白髪の死刑囚となった史朗の前に杏奈が現れる。彼女が史朗に出したポストカードの絵は、至が描いた肖像画。背景の蝶はオオベニモンアゲハ――至が自らを重ねた蝶だった。

最終話(5話)

5年前、画集の取材を受け脚光を浴びる母・留美の姿を見つめる杏奈は、誇らしげでありながらも、寂しさと挑戦心を秘めた表情を浮かべ、後継者への渇望を抱いていた。合宿が中止になると、杏奈は少年たちを山の家に呼び、睡眠薬と注射で命を奪い標本を作った。偶然居合わせた至も作業を手伝い、作品を完成させる。面会室で杏奈は「人間標本は私の作品」と史朗に主張するが、蝶の知識が欠落している。一方、史朗は至の行動の矛盾に気づき、息子が「父の手で標本にしてほしい」と願っていたと悟る。至の死の真相と、杏奈の告白の謎が、今解き明かされる。

    WEB限定配信
    Jima

    2016年からドラマ9で執筆。朝ドラ・日曜劇場などを担当。ドラマは毎クール10本以上鑑賞。独自の視点で面白い記事を心掛けます。

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