【降り積もれ孤独な死よ】4話 灰川の悲しい過去と傷のある男の襲撃!
【降り積もれ孤独な死よ】4話 灰川の悲しい過去と傷のある男の襲撃!
灰川(小日向文世)の戸籍は偽物だった。子どもたちを保護して家族のように暮らしていたのはなぜか。灰川の過去が事件の真相に近づく鍵と考える冴木(成田凌)と花音(吉川愛)は、あるキーワードから灰川の故郷に辿り着く。そこで知り得た灰川の過去に驚く2人と鈴木(佐藤大樹)の前に傷のある男が現れる!
【降り積もれ孤独な死よ】4話
【降り積もれ孤独な死よ】4話では、またもや衝撃展開!
灰川が自殺!?
2024年
喫茶店で話す冴木仁(成田凌)と森橙子(山下美月)。橙子は、7年前の事件の関係者が月島美来の失踪と関わっているのではないか、美来が危険な目に会っているのではないかと聞くが、「一般女性と警察官が襲撃される」という過去の新聞記事を見ると去っていってしまう。
2017年
冴木は、灰川が自殺した当時、監視カメラに映っていた顔に傷のある男(笠松将)の写真を見せて何者か知らないかと尋ねると、蓮水花音(吉川愛)はその男が自宅を訪ねてきたという。この男は、顔の傷のせいでわかりにくいが、消息不明の神代健流(杢代和人)ではないかという冴木に、しばらく会っていないからわからないという。
健流は、東優磨の次に灰川邸に来た子ども。母親の再婚相手から酷い虐待を受けていた。花音たちにとっては兄のような存在だった。しかし、あるときから突然健流は灰川に反抗するようになった。成長するにつれ、タチの良くない人たちとも付き合いだした健流に、花音たちは犯罪に手を染めているなら、もう家族ではいられない、出ていってほしいと追い出してしまった。灰川邸の子どもたちにとっては、健流が問題を起こして警察沙汰になると、自分たちのことがバレてしまうのを何より恐れていた。
健流は、出ていく前に、灰川には血のつながった、本当の子どもがいると言っていた。その実の子が犯人ということはないのかと花音。灰川が実の子をかばうために自殺したことは考えられないか。
しかし灰川に戸籍上の子供はいなかった。灰川の過去をたどれば、事件の真相につながる手がかりがつかめるのではないか――。
灰川の戸籍は嘘
冴木は、五味(黒木メイサ)に灰川の戸籍のことを聞く。戸籍からたどり着いた灰川の弟が言うには、灰川はギャンブルで多額の借金を作り、30年以上消息不明。さらに、その弟と灰川のDNA鑑定をするが、血のつながりはなかった。
灰川(小日向文世)は、灰川という男の戸籍を買ったのかもしれない。
冴木は、家を出ることにしたという蒼佑(萩原利久)を訪ねる。蒼佑は、自分と冴木の父親がどうして暴力を振るうようになったかを知りたいと考えていた。クソはクソってことしかわからないかもしれないけど…。
蒼佑は、灰川がある雪の日、詩のようなものを口にしたことを思い出す。
「降り積もれ孤独な死よ 灰の雪だけが知る 君がそこにいたことを」
子どもの頃、唯一心を許した人が教えてくれた言葉。雪は普通白だが、灰川が育ったところでは雪は灰色だった…。
蒼佑は、冴木が花音に自分の過去を全部話したことから、花音に気があるのではないかと探る。ただの事件関係者にすべてを話すことはない、話したい相手だということだ。
冴木は、蒼佑に「気をつけろ」と言って見送った。
「灰色の雪」が手がかり
初に戻った冴木は、新聞雑誌のデータベースで「灰色の雪」のキーワードを検索。1964年1月15日付の鶴島新聞の記事に、岩竜市蔵土村(くらつちむら)では、近くの石炭工場から放出される煙により、例年、灰色の雪が積もるという。『蔵土の冬に白い雪なし』と慣れた村民の声も多いが、健康被害を心配する声も上がっている」という内容だった。
さらに「蔵土村 顔 痣」で検索すると、1967年12月23日付の「少年が父親を刺殺 息子の犯行 数十か所の刺し傷 蔵土村」という鶴島新聞の記事が出てきた。
佐藤文吾という男が息子である14歳の少年に、包丁で滅多刺しにされて殺された。その少年の顔には大きな痣があり、手にも傷があったと書かれていた。
灰川の故郷「蔵土村」へ
冴木は花音とともに蔵土村を訪問する冴木。花音はなんだか楽しそう。こういうお出かけは初めてのようだ。
地元で長く暮らしている西浦(不破万作)という老人に話を聞くことができた。灰川の本名は佐藤創(はじめ/上田琳斗)。父の佐藤文吾(駿河太郎)は地元の有力者。顔に痣のある創を小屋に隠し、虐待していた。ある日、逃亡した創は、文吾に見つかり、村人に見られて恥をかかされた罰として、創の手のひらに「×」印を刻んだ。
しかし創が文吾を殺したのはその恨みからではない。創が14になる頃、ふらっと村に居着いた、自称・芸術家?で絵を描いていた犬山修二(吉村界人)という青年と出会い、親しくなる。「降り積もれ…」の詩は、犬山が絵に描いていたものだ。その詩を誉めながらも、ダメな自分なんかに褒められても…と自虐する創の手の×のマークに線を付け足して六角形のマーク(リッカのマーク)にした。蜂の巣、亀の甲羅、とんぼの羽根、雪の結晶、これはこの世界でいちばん強い形だ。お前はダメじゃない。
その様子を見ていた文吾は、それが気に食わず、犬山修二は人を殺した犯罪者だと噂を広めた。犬山の家には中傷のビラが無数に貼り付けられている。必死に剥がす創。犬山はその仕打ちのせいか、絵を描いていた淵で死んでいた。唯一心を許せる人を失った創は文吾を殺した。手の傷を×からリッカのマークにしたのは、創自身なのだろう。
リッカのマークは、父親から解放された日と、大切な人を忘れないためのもの。
花音との“手つなぎ”一夜
旅館に戻ると、団体客がいるからと、1部屋しか用意されていなかった。並んだ布団に戸惑う冴木。1部屋でいいという花音。寝るのはあまり得意じゃないが、寝ているときだけは空腹など辛いことを忘れられた。
寝る前に「手をつないでくれませんか」と言い出す。父に実の子がいるかはわからなかったが、冴木となら真実に辿り着けそう。だから今は朝が来るのが楽しみ。そう言って手を差し出す花音。冴木は戸惑いつつもその手を握る。
冴木が目を覚ますと、花音は隣にいない。すでに着替えて戻ってきた。昨夜はぐっすり眠れたという。帰路に着く2人。冴木が、灰川も父親に虐待されていたから、あんな不気味な絵を飾っていたのかと話すと、花音は異を唱える。
もともとリビングの階段に飾られていたのは、ゴヤの「我が子を食らうサトゥルヌス」ではなく、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」だった。灰川はその絵をとても大切にしていたから、差し替えるわけがない。真犯人が差し替えたのではないか――。
花音に誘われて灰川邸に寄った冴木は鈴木を呼ぶ。「我が子を食らうサトゥルヌス」は、サトゥルヌスという神が、将来自分の子どもに殺されるという予言を恐れ、自分の子どもを丸呑みにしたという絵だと説明する。
冴木に頼まれて健流のことを調べていた鈴木は、母の陽子(長谷川京子)にたどり着いていた。ただ、陽子は健流が19歳の頃から会っていないという。健流は、毎年黄色いカーネーションを送ってくる。黄色いカーネーションになったのは、再婚した当時、夫とその夫との間にできた子どものことで精一杯だった陽子(今は離婚している)が、健流がくれた赤いカーネーションを「血の色みたい」と嫌ってしまったからだという。
花音が撃たれた!
2階で何か物音がする。冴木が様子を見にいく間に、子供たちが死んだ地下室を見にいく花音と鈴木。子どもたちは、誰かが来たときはいつもそこに隠れていたという。そのとき、顔に傷のある男が鈴木めがけて斧を振り下ろす。逃げる花音と鈴木。鈴木は拳銃を男に向けるが、あっさりやられて倒れてしまう。
駆けつけた冴木が応戦。「お前は誰だ!」と聞いても男は無言で銃を向ける。すると花音が急に殺虫剤スプレーとチャッカマンで男に火をつける。これって正当防衛になりますよね? 火だるまになりかけた男は地面を転がりながら火を消して逃げる。
花音は男が発砲した弾に当たって怪我をして意識を失ってしまい…。
【降り積もれ孤独な死よ】4話考察
【降り積もれ孤独な死よ】4話を考察してみましょう。
傷のある男が狙ったのは鈴木!?
(一部、原作のネタバレがあります)
傷のある男がいよいよその顔を顕にしましたが、やはり健流とは別人、ですよね。この男の正体は、まだマンガの方でも明かされていませんが、マンガでは犬山修二と同じ顔の男。そもそも犬山修二の設定がマンガとは全然違うし、「灰色の雪」が大気汚染によるものという設定、灰川が父親の文吾を殺した経緯も異なるので、事件の真相や結末はマンガとはまったく違うものになりそうです。
しかし、怪しいのは鈴木潤(佐藤大樹)。灰川邸事件にこだわって介入しようとしたり、顔に傷のある男にもあっさりやられすぎ。
かなり怪しい。顔に傷のある男が健流だとすると、鈴木を狙ったのは鈴木が灰川の本当の子どもで、灰川が鈴木をかばって自殺したから…という理由付けもしやすいけれど、まだ4話。
犬山修二の死も、自殺かどうかは疑問です。淵などでよく絵を描いていた犬山は、村の大気汚染には佐藤文吾が関係すると気づき、たとえば、この美しい自然を壊してはいけないなどと告発しようとしたために殺された。
「人殺し」という誹謗中傷に苦しんでの自殺というのはもっともらしいけれど、犬山はもともとこの村の人間ではなく、住んでいたのも短期間。村を出て行こうと思えば出ていけたはず。
マンガにある贋作ビジネスという背景はまだしも、蔵土村の33人虐殺事件や恐るべき実態は、映画や配信ならいいかもしれないけど、地上波にはエグすぎる展開なのでかなり変更されてますね。
「降り積もれ…」の言葉を書いたのも犬山と変更されているので、犬山の正体にもまだまだ裏が出てきそう。
そして次回は、花音につきまとう「死」についての事実が明かされるらしい。花音だけは信じたいし、助かってほしいけど、オリジナル展開でいったいどうなるのでしょうか。
前回のおさらいはこちら↓↓
記事内画像: (C)井龍一・伊藤翔太/講談社(C)ytv