【スティンガース】7話ネタバレ感想!小山内が信じたものは何?切ない余韻が残る!

スティンガース7話

フジテレビ火9ドラマ【スティンガース 警視庁おとり捜査検証室】7話「FUGITIVE 逃亡犯」が9月2日に放送されました。

今回はおとり捜査で12年も逃げ続けている指名手配犯を捕まえるお話ね。いよいよ小山内くんのメイン回だわ。

レギュラーキャストも勿論良かったし、ゲストの黒谷友香さんと近藤芳正さんも本当に素晴らしかったな。見応えがあって心に残ったよ。

それでは、【スティンガース7話の話のネタバレありの感想をお届けしていきます。

【スティンガース】7話のネタバレ感想

7話の“ネタバレありの感想”を紹介します。

逃亡犯を追いつめる!

今回のスティンガースのミッションは、12年前に夫を、5年前には潜伏先で男性を殺害している指名手配犯、沖野知鶴黒谷友香)を追いつめることです。
沖野は顔や名前を変えながら逃亡しているので、まずは沖野と思われる人物を特定するため指紋やDNAを採取しなくてはなりません。
沖野を追い続けていたフリーライター、木田巌が蒲田のビジネスホテルで大量の血痕を残し行方不明になったことから、木田もまた沖野に殺害された可能性があります。
二階堂民子森川葵)の指示で、乾信吾藤井流星)、水上涼介本郷奏多)、森園はな志田彩良)、小山内誠井内悠陽)、関口欣二郎杉本哲太)は、蒲田の街の住民に扮し江波理沙と名乗る女性に近づきます。
江波の毛髪を採取することに成功したのは小山内でした。
江波が働くスナックに客として入り、酔いつぶれて江波のアパートに連れて行かれたのです。
酔いつぶれたのは単に小山内がお酒に弱かったからですし、江波が連れ帰ったのは小山内の財布が空っぽだったから。
というわけで偶然江波の部屋に入ることができたかのようですが、実はこれは二階堂の作戦で、「わざと財布をカラにしてアパートに放り込む作戦」だったのでした。
二階堂は小山内に渡した財布からこっそりお札を抜き取っていたのですね。
ともあれ、小山内が持ち帰った毛髪は、DNA鑑定の結果沖野知鶴のものと確定しました。
小山内のお手柄ですね、

進化する乾

今回は小山内を見守る立場ということもあってか、乾が頼もしく見えました。
きびきびと求められていることをこなしていく姿や、メンバーたちと信頼し合っている様子は、最初の頃とは比べ物になりません。
小山内が穴に埋められそうだった時、颯爽と登場した時は格別にカッコよかったです。
「うちのピュアな後輩に何してくれてんだよ」って台詞、グッときますね。
「本当は遺体を埋めた場所なんか知らねえんだろ」にも惚れ惚れしました。
シチュエーションによる反応の違いが繊細で、藤井流星さんが丁寧に演技を構築していることが伝わってきます。

二階堂室長にひとりだけ褒めてもらえずに不満をこぼしたり、トング泥棒と言われて「なんで俺ひとりが盗んだことになってんだ」って怒ったり、そういうところは相変わらずだけどね。

二階堂、アカンベーしてたね。なんだか兄弟喧嘩しながらじゃれてるみたいなんだよな、あの2人。

圧巻の“演技派”近藤芳正!

被害に遭った3人の遺体が発見されていないことから沖野を逮捕しても殺人罪での起訴が難しいので、二階堂は木田の遺体を見つけてから逮捕したいと考えます。
二階堂は、警察庁審議官・西条巧玉山鉄二)に頼んで、元岡山県警の刑事、込山喬司(近藤芳正)を助っ人として呼びます。
込山は沖野を12年追い続けて春に定年退職しました。
込山はスティンガースルームにやって来ると、いきなりメンバーに次々とニックネームをつけていきます。
小山内は“コスプレ刑事(でか)”、鉄の関口は“アイアン”、元演劇部の森園には“ウラカタ”、麻雀の得意な水上は“リーチ”、そしてラグビーをやっていた乾は“ラガー”、二階堂は“ボス”。
そして、「ウラカタありがとう」、「リーチそうなんだよ」といちいち呼びます。
すぐに初対面の相手の懐に入り込む感じは、流石熟練の刑事といったところ。
そしてこの近藤芳正さんの軽妙な演技がいつものスティンガースルームに新たなリズムを生み出して楽しかったです。

往年の名作『太陽にほえろ!』形式だけど、ある年代以上でなければわからないんじゃないかしら。

込山は自分なら木田の遺体場所を吐かせることができると言い、早速沖野に接触することに。
込山と沖野が2人並んで歩くシーンからは、刑事と被疑者の関係以上のものが感じられました。
(実際そうだったわけですが)

込山「もうあんたをどうこうする気はない。どっかで元気でおってくれって願うとったようなとこあるけんな」
沖野「変なの」
込山「長年追うとると情がわくんよ。刑事あるあるってやつだ」

込山がせき込むと、沖野は「悪いん?」と心配します。
2人の岡山弁も実に味わい深く、郷愁を誘われる切なく苦いシーンでした。
黒谷友香と近藤芳正の大人の演技がしみじみと胸に迫ります。
この会話の録音を聞いた二階堂は「演技派ですねえ」と感心しますが、これはダブルミーニングでしたね。
実は12年前から2人は恋愛関係にあり、沖野に暴力をふるっていた夫を殺したのも、その後の2人を殺害したのも込山だったのです。
また、潜伏先に捜査が及びそうになるたびに警察内部の情報を沖野に伝えて、彼女を逃がしていたのでした。
そうやって彼女を守ったのかもしれませんが、でも実際に殺人を犯したのは込山であるわけで、沖野に罪をかぶせて自分を守ってきたとも言えるかもしれません。
近藤芳正さんは、登場してきた時のユーモラスな演技、木田の遺体を埋めなおす時の鬼気迫る顔、悪事を二階堂に暴かれた時の表情、どれも鮮烈で圧巻でした。

近藤芳正さんは、作品の質を上げて深みを増す力を持つ役者さんだよなあ。圧巻だったよ。

木田さんの押収品をわざわざ込山に見せるように運んできたり、捜査一課が踏み込む日を込山に聞こえるように言ったり、今回も二階堂は一枚も二枚も上手だったわね。二階堂が込山を“演技派”と言ったのは、おとり捜査の演技とスティンガースを騙している演技と二重の意味があったわけだけど、二階堂自身も相当な“演技派”だよね。

黒谷友香の演技に胸揺さぶられる

美しき逃亡犯、沖野知鶴。
顔を変え、名前を変えながら逃げ続ける人生はどんなに過酷で壮絶だったことでしょう。
「自分を消すために変装するって言ってたじゃないですか。だけどそういう偽る変装ってやっても楽しくないと思うんですよね」
と小山内に言われて、沖野が答えた「楽しくないよ」も、
「もう逃げるのは疲れたよ。嘘の自分に疲れちゃった」
と後日言った言葉も、本音だったと思います。
小山内には素直な気持ちを話せるんですよね、きっと。
ずっと世の中を恨むような気持ちで生きてきたけれど、逃亡するようになってからは行く先々で出会う人たちの温かさが身に沁みるようになった沖野。
それでも、それなのに、捜査の手が迫って来ていることがわかった彼女は小山内をだまして穴を掘らせそこに埋めようとしました。
「これは君が入る穴だよ」
でも、小山内のことは本当に可愛いと思っていたと思います。
だから、小山内を穴に落とすのも、土をかけるのも破れかぶれでした。
「わああ」と叫んで、泣きながら。
沖野の複雑な心情を黒谷友香さんは繊細に表現しました。
特に、最後の笑顔は絶品でしたね。

“ビューティー戦士クリスタル”のコスプレでやって来た小山内が「ほら可愛くないですか?」って聞いてきた時の沖野の「うん…でもデカい!」が最高だったわ。「デカい」の声に哀愁があって。間も絶妙!
黒谷友香さんだから、犯罪者でありながら小山内が思慕する女性を演じられたんだと思う。

「秀子ママも良い人だったでしょう?」と言ってたね。
沖野はちゃんと優しさを受け取れる人なんだよ。
「先輩は?あらひとりで来ちゃったの。ひとりで来たならここにしましょ。ひとりだってよ~。ゆっくりねゆっくりしてってよ」
秀子ママ、本当に温かくて良い人だったなあ。
こんなことになって悲しんでいるだろうね。
でも、もしかしたら沖野のこと待っていてくれるかもしれないな。

小山内が信じたもの

小山内がいる穴に沖野は泣きながら土をかけ続けますが、そこへ突然乾が現れます。

乾「やられたふりはもういいぞ。つかお前何泣いちゃってんだよ~」
小山内「だって…信じてたのに!」
乾「だってよ~うちのピュアな後輩に何してくれてんだよ」
小山内「もういいです。このまま埋めてください」

「このまま埋めてください」って泣く小山内が可愛すぎて倒れそうだわ。

「殺したいのに殺したくない、人の心は複雑ですね」と水上が言っていたように、沖野は小山内のことを可愛く思いながらも立場的には消えてもらいたいという相反する気持ちが、泣きながら埋めるという行動に表れたのでしょうね。
「信じてたのに」
小山内が信じていたものは何だったのでしょうか。
それはきっと、沖野と心が一瞬でも通い合ったこと。
自分に語った言葉は本心だったこと。
それを信じていた、信じたかった。
小山内は、土をかけられていた時も沖野の心に迷いがあったことを感じ取っていたのではないでしょうか。
だから、連行される彼女にビューティー戦士のコスプレ姿で名前を呼んだのでは。
「沖野知鶴さん!」
これまでずっと、穴に埋められそうになっている時でさえも「江波さん」と呼んでいた小山内が、最後に本名を呼びました。
「偽りの自分ではなく本当の自分に戻って」という願いを込めて。
コスプレ姿を見せたのは、「新しい自分になってもっと自分を好きになってください」という願い。
小山内は自分の気持ちがちゃんと伝わることを信じていました。
そして、ちゃんと伝わったからこそ沖野はそっと微笑んだのでしょうね。
小山内の存在は、沖野の心に生きていく上で支えとなるものを残したと思います。

【スティンガース】7話のまとめ

ボスの敏腕ぶりが今回も素晴らしかったわね。
有能で頼りになるけど穴の掘り方はウラカタにダメ出しされるリーチ刑事とか、ウラカタってニックネーム付けられて喜ぶウラカタの誇りとか、「ここは私に任せて皆さんお帰りください」と言ってたのに寝てしまうアイアンとか、先輩っぽさが眩しかったラガーとか、それぞれが魅力的だった。

今回は小山内の素直でピュアな心が物語を包んで浄化してくれたなあ。

毎話、スティンガースのメンバーそれぞれの見せ場があって楽しいです。
チーム力もますますアップしてきましたね。
5話で「幸せの果実」の送迎ドライバーに扮した野間英司内藤秀一郎)が再びおとり捜査に加わったのも嬉しかったです。
次第に、終わりに近づいていくのが寂しいという声が増えてきました。
シリーズ化を望んでいる人も沢山いますので、叶うと良いですね。
【スティンガース 警視庁おとり捜査検証室】
8話の放送は9月9日(火曜)21:00からです。
どうぞお楽しみに!