私結婚できないんじゃなくて、しないんです!動画、キャスト、相関図、1話完全再現
私結婚できないんじゃなくて、しないんです!動画、キャスト、相関図、1話あらすじ
TBSで金曜よる10時から放送中のドラマ『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』の動画、キャスト、相関図です。
結婚できない女性はもちろん、若い女性や男性にも見て欲しいドラマです。
というのもこのドラマ、とある『恋愛指南書』が原作となっているんです。
これをみればきっとあなたの捻くれた恋愛観は無くなり、恋愛や結婚に立ち向かう勇気をもらえます。
後半では1話を(ほぼ)完全再現しています。
動画
TBSでは公式動画を放送から1週間だけ公開しています。
もちろん合法で視聴できますので期間内でしたらこちらからどうぞ。
こちらは期間外も見れるものがありますが全て公式ではありませんので自己責任でどうぞ。
メインキャスト
橘みやび 演:中谷美紀 演:松井珠理奈
私って綺麗。しようと思えば結婚くらい…。どうしようもない捻くれた恋愛観や結婚観の持ち主。桜井洋介に高校生の時に一度フラれた思い出がある。
十倉誠司 演:藤木直人
紹介制のレストランの経営者。とあるきっかけでみやびに恋愛指南をすることになる。
桜井洋介 演:徳井義実
みやびの高校の同級生。現在は三瀬物産で海外勤務。みやびは片思いだと思っていたが実は…
橘昭子 演:夏木マリ
みやびと同じくちょっと変わった考え方の持ち主。夫を早く亡くしている。
野村里香 演:大政絢
早く結婚したくてしょうがない24歳。みやびに結婚相談所を薦める。
橋本涼太郎 演:瀬戸康史
オーガニックカフェ青山の店員。いつもサンドイッチを配達してくれる。
相関図
1話あらすじ
公式HPのあらすじはこんな感じ。
とある高校の同窓会で、一際注目を集める美女・橘みやび(中谷美紀)39歳。青山で美容皮フ科クリニックを営む開業医。美しさも社会的地位も手にした一流の女。高校時代から高嶺の花だったみやびに群がる同級生たち。だが、みやびが「独身」で「彼氏もいない」と知ると、場の空気は一変。口々に励まされてしまう。
その夜、みやびは独身女友達とのグルメ女子会へ。完全紹介制の和風割烹「とくら」で、同窓会で会った男を酒の肴に言いたい放題。こだわりの料理もそっちのけでお喋りに夢中になるみやびたちに、ついに憤りが限界に達した店主・十倉誠司(藤木直人)が口を開いた。丹精な顔からマシンガンのように繰り出される毒舌の数々。
「結婚できない女の典型だ!」
最後の一撃とばかりにぶつけられたその言葉に、みやびは宣言する。
「結婚?別にしようと思えばできるけど? 落として見せます必ず!」とは言ったものの、考えてみれば知人は既婚者ばかり。クリニックのナースたちは、ランチをデリバリーにくるカフェ店員・諒太郎(瀬戸康史)がお気に入りだが、年下は恋愛対象外。すでに意識高く婚活中のナース・梨花(大政絢)に叱咤され、みやびはついに結婚相談所へ足を運ぶ。だがそこには厳しい現実が待っていた。
そんな折、同級生の池田(音尾琢真)と食事をしたみやびは、高校時代に片思いをしていた同級生・桜井(徳井義実)と再会する。仕事で輝き、価値観も似ていて、しかも独身。胸の高鳴りを感じるみやび。娘の幸せを気にかける母・昭子(夏木マリ)からも背中を押され、勇気を出して桜井と2人で会う約束をとりつける。恋愛教本を読みこみ、愛され女子に完全武装完了。
十倉が横目で観察する中、みやびは全力で桜井を落としにかかるが…!?
もっと詳しく知りたい方の為に独自に以下の詳しいあらすじを作成しました。
ほとんど(藤木直人の台詞は完全に)再現しています。
長いですが、見逃して公式動画の公開期間が終わっていた際にどうぞ。
結婚相談所にいる橘みやび(中谷美紀)と書道をする十倉誠司(藤木直人)の掛け合いから物語は始まる。
十倉誠司『女よ。恋愛できない、結婚できない。そう嘆くすべての女たちよ。』
橘みやび『まぁ周りからは美人とか高嶺の花とかよく言われます。どうなのかな自分じゃわかりませんけど』
『今からおまえに理想の男と結婚する為の方法を叩きこむことにする。そして男よ、好き勝手、言いたい放題の女たちの自己主張に押される男たちよ、今こそ声をあげろ。おい女、お前は間違ってる。』
『でもまぁ自己投資はしてます。といってもただお金を掛けるとかじゃなくて、実際掛けてますけど。今まで仕事仕事でそれなりに稼いできましたし、誰かに養ってもらおうとかそういう発想はないかな。』
『もし本当にいつか幸せになりたかったら、男のニーズを無視するな、男心を学べ、理解しろ。』
『何の話でしたっけ?あー結婚。だからそんなには焦ってなくて、まぁその時が来たらするのかな、フィーリングが合えば。子供もまぁ自然に出来たら嬉しいかなって。仕事辞めて子育てとか私には無理かな。え?年?39ですけど。それが何か?』
『おいそこの女、お前らの考え方は根本から徹底的に、間違ってるんだよ。』
同窓会
司会がスクリーンを使って同窓生の近況報告。
みやびの時には『男子生徒にとってまさにの高嶺の花。医大を卒業後、臨床医として皮膚科に勤務。形成外科勤務を経て独立、現在は青山に美容皮膚科クリニックを開業。』
一同から『おー!』と歓声が響く。
『続いては桜井洋介くん!桜井君は残念ながら今日は欠席です。現在は三瀬物産でエネルギー資源開発を担当。インドネシアに赴任中です。』
みやびは高校時代を思い出し思いに耽る。
パーティーではたくさんの男たちに囲まれ、質問攻めにされるが淡々と答えるみやびに男たち、そして周りの女たちも徐々に引いていく。
結婚は?
橘みやび『まだ』
一同ポカーン。
恋人は?橘みやび『いないの今』
一同ポカーン
まだまだこれから、結婚適齢期。
一同必死のフォロー。
『私結婚できないんじゃなくて、しないんです。』(1度目のタイトル回収)
女子会
みやびと高津佳子(マルシア)、山本望海(蘭寿とむ)の3人で女子会。
紹介制の一見さんお断りのお店、店主は…十倉誠司(藤木直人)。
十倉は聞こえてくる女たちの会話を言葉の端々で引っ掛かっている模様。
戸倉がそばを出す。『最初は何もつけず香りを楽しんでください。』
3人同時につゆの入ったそば猪口を持つ。
店員が再度『最初は何もつけずに…』
3人、つゆをつけて食べる。
キレた十倉。
お楽しみのところ大変申し訳ないが、一言。とマシンガン説教開始。
『当店が毎日空輸で仕入れる素材にはそれぞれ声があり対話しゆっくり味わって欲しい。そばはまず香り、めん、のどごし、最後につゆをじっくり味わって欲しい。無駄かつ不毛なしゃべりでそのプロセスを飛ばすな。台無しだ。確かに楽しいかもしれない。出会った男を馬鹿にしこけおろしガールズトークのネタにする。そうすることでプライドは保てるし女同士固いきずなが結べる。だが同時に大事な物を失っている。その男の可能性だ。もしかしたらその男が浮気しないタイプかもしれない。凄く優しい一面があったり好きになった人に惜しみなくプレゼントするタイプかもしれない。実は竹野内豊の友達かもしれない。竹野内豊の親族かもしれない。よーく見たら竹野内豊に見える奇跡の角度があるかもしれない。』
何コイツ。関係ないでしょあなたには。と反論する3人に更に追い打ちをかける。
『しかし、値踏みによってテンションを下げたお前は(みやびを指さす)男のそういう部分に触れることなく他の男に対しても常に上からジャッジを繰り返す。思考回路はパターン化され誰を見てもときめかない。そして時速300kmで負け犬街道を突っ走ることになる。いつか孤独に年をとって玉川上水に身投げしたくなってもお前の隣に太宰はいない。一人で恋愛シーンをひたすら待ってろ。回転寿司のように肌がカッピカピになるまで一人で。』
『なにあなた。私たちのことなんにも知らないで。』
『結婚できない女の典型。』
『私はね、結婚できないんじゃない、しないの』(2回目のタイトル回収)
『いや、できないんだ』
『しないの』
『できないんだ』
『言い換えます。焦って婚活するほど困ってないの』
『なるほど。見たところ、お前は確かに美しく仕事に対しても真面目に努力もしてきたんだろう。だが世間に置いて今や美人、キャリア、アラフォーという3弱揃った恋愛弱者だ。恋愛にとって全てがデメリットだ。もしまだ鼻息荒く男を馬鹿にする気ならその鼻にマカロンでも詰めて喘いでろ。』
鼻を隠す3人。
『だがいいか。俺はお前には落ちない。いくら美人で自立してて、その上俺に気があったとしても俺はお前には落ちない。他の男もだ。勝ち組を気取り、常に値踏みを繰り返す女を男は選ばない。つまりお前は負け組だ。』
『ごちそうさまでした。おかげでその気になったわ。結婚?別にしようと思えばできるけど?落として見せます必ず。でもその前に、あなたが言った価値観ね、どうしてみんな女は結婚したがってると思いたがるのかな。そう思うと安心する?そばの声を聞くより、女を型にはめることで安心し優越感をおぼえるご自分の心の闇を見つめ直したらどう?』
帰っていく女たちを見て十倉はニヤリと笑った。
若い梨花の意見
『既婚既婚既婚、残るは変人と女たらしと無職。はー。』とため息をつくみやび。
『何かお悩みですか?恋愛系で。』と声を掛けてきたのは野村梨花(大政絢)。
バリキャリの先生たちがため息をつくのは
- 人の結婚式
- 友達の赤ちゃんを見に行ったとき
- 同窓会に参加した時
とズバリ言い当てる。
良い人はどんどんいなくなっていくと20代にして婚活に勤しむ梨花はみやびに婚活を進める。
昼になり設立記念パーティーの話をしているとサンドイッチを配達してくる爽やかな男子、橋本涼太郎(瀬戸康史)。
はいパストラミ、こずえさんツナ…と手渡していく。
みやびさんアボカド野菜パン無し(ただのサラダ)。
『いろいろ相談乗りますよ』と去っていった。
梨花は涼太郎を『婚活で最も価値のない男、大卒なのにフリーター。』と蔑む。
みやび『恋愛対象に思えないのよ年下くん。法事でたまに会う親戚のはとこって感じ。とはいえ年上も難しい人が多いし。同い年は出会う機会も少ない。好きになれる人がいない。』
梨花『先生それって末期です。騙されたと思って一度プロの話聞いて下さい。もし少しでも結婚したい気持ちがあるなら』
その一か月後…
結婚相談所
物語冒頭の結婚相談所に戻る。
ここまで苦笑いでみやびの話を聞き続けた相談員(森三中・村上知子)『大変申し訳ございませんがこちらを』と資料を手渡す。
『2010年国勢調査より、35歳から39歳までの女性で5年以内に結婚した人は2%です。』と衝撃の数字を聞き唖然とするみやび。
さらに『当社のマッチングシステムでは34歳以上の女性は…弾かれます。』
みやびは結婚にそこまでこだわりがないということで婚活パーティーを薦められる。
自宅
クリニックの若い子たちからみやびは『厳しいでしょ。あんな美人家に居たら疲れる。もう素敵なマンションも全て持ってる。いいなーシングルライフ満喫。』と噂されている。
家に帰ると犬が迎えてくれる。
スリッパをボロボロにされお説教。
段ボールで届いた漫画を既にずらっと漫画の本棚に。
お茶を飲んでいると同級生の池田から電話が…嫌な顔をしながら電話に出る。
飲みに誘われ断ろうとするが十倉の『可能性』のが脳裏を過りOKすることに。
飲み会
大衆居酒屋でおしぼりで顔を拭き、とりあえずビールを『トリビー』と頼む池田。
デートであることを否定しつつウーロン茶を注文。
池田の話を時計を気にしたりよそ見をしたりあまり聞いていないみやび。
池田に電話が来たタイミングでお会計をしようとする。
しかし電話を切った池田から『桜井』の言葉が。
回想シーン。
みやび(松井珠理奈)は入学したての頃、桜井に誘われクラスの数人と学校を抜け出す。
門を乗り越える時、桜井は優しく手を差し伸べてくれた。
乗り越えた時にはハイタッチ。
みやびは『好きです。図書室で待ってます。』という簡素なラブレターを書き、桜井のバスケの部活バッグの上にある本に挟んだ。
告白の練習をして図書室で待つみやび。
しかし桜井は現れなかった。
『橘さん久しぶり』と飲み屋に桜井(徳井義実)が現れる。
急に笑顔になるみやび。
池田『いたよな高校時代に彼女』
桜井『バイト先にな。』
みやび『そうなんだ。知らなかった。』
池田『ちなみに今は?』
桜井『誰もいませんよ。』
みやびは桜井とメアド交換する。
帰り道に桜井が結婚観を語る。
『結婚したらなるべく奥さんと過ごしたい。マンガ読んだり犬を散歩したり。』
みやびはあまりに理想が近いことにハッとする。
タクシーに乗る為に縁石の柵を乗り越える時、あの時のように手を差し伸べる桜井。
そして、ハイタッチ。
涼太郎のカフェ
仕事上がりで涼太郎はカフェにいるみやびを見つけて隣に座る。
大量のサプリメントを飲むみやびと本を読む涼太郎。
『本なんて読むんだ。』
『俺、元文学部。』
『じゃなんで今フリーター?』
『内緒。でもみやびさんだけに教えてあげる』と耳打ち。
『近い!』
友達に呼ばれ涼太郎は席を立つ。
『いってきます。』
『どこに?』
『スノボ、今から弾丸で明日には戻ります。』
『若いなー』
自宅に母が来る
『桜井君ね。覚えてる。あの頃のあなたはママが親友で何でも話してくれたわよね。それが今じゃ…』と語るのは母の橘昭子(夏木マリ)。
着物姿。
冷蔵庫を開けると健康食品やら糖質オフの豆乳プリンやら。
『そんな事だろうと思って。』
母はケーキを箱から出す。
みやびは『またもうやめてよそういう誘惑持ち込むのは』と覗き込みハーとため息。
母『だって責任感じてるから。ママが麗しく生まなければねー。』
娘『職業柄しょうがないの。私がモッサモサしてたら説得力無いでしょ。』
母『頑固で不器用で頑張り屋さん、そういうとこパパそっくり。あなたまで心臓発作を起こして先に逝かないでよー。』
そんな母に『結婚してよかった?結婚ってそんなに価値のあるもの?今までの生き方全否定されても勝ち取るべき?』と聞いてみる。
母『結婚すると何が良いってね、あれこれ思われないで済む。この人結婚できない何か欠陥があるんじゃないか、本当は独身で焦ってるんじゃないか。そんな風に世間の好奇心浴びるのもうウンザリしない?ねぇ次いつ会うの桜井君と。』
桜井の話になると顔が綻ぶみやび。
『良いご縁、誘いなさいよ自分から』と薦める母に『一度フラれてるから』と引き気味な娘。
そんな話をしていたらいつの間にかみやびは母の持ってきたケーキを食べていた。
『好きなケーキ我慢して綺麗にしてきたのは何のため?好きな人に正々堂々好きだって言う為じゃないの?』
誘いのメールを考えるみやび
犬に相談しながらメールの内容を考えるみやび。
『昨夜はどうも。もし時間あったら、今度食事でもどうですか?』
どうしよどうしよ。と部屋を歩き回り考えていると漫画の段ボールに躓いてソファに転ぶ。
その拍子に犬の前足が当たって『送信』。
次の日、犬の散歩に出かけるが返信が気になってしょうがないみやび。
携帯をチェックしていると向こうから走ってくる男、十倉だ。
みやびは携帯に夢中、十倉は後姿しか見ず。
お互い気付かなかったのだが十倉はみやびと同じマンションだったのだ。
その一部始終を犬だけは見ていた。
夕方、職場で桜井から『ご飯是非。来週とかどうですか?』と返信が来る。
ガッツポーズをして暴れまわり喜ぶみやび。
部屋の外にお客さんがいるということも知らずに。
またもグルメ女子会
いつもの3人で食事をしながら早速桜井の事を報告。
『遂に橘みやびも散るか…』『月一グルメ女子会、新規メンバー募集しないと。』と冷ややかな二人。
みやびは一生懸命自分の結婚観を語る。
が、あとの2人は聞いておらず、グルメ女子会の新メンバーを探していた。
恋愛の教科書
次の日、梨花に話すと『主婦、グルメ友達、主婦、独身、結局同じカテゴリじゃないと上手くいかないんです。だから私早く結婚したいんですよ。女同士の群れから抜け出したくて。』
梨花はそう言うと3冊の本を差し出す。
『これどうぞ、私の教科書です。』
みやびはその本を真剣に読み始めた。
- 愛され女子は褒め上手
- リアクションの上手い女は男に愛される
- 愛されるにはマナー上手な女になること
そんな本を読みながら過ごしているといつの間にか桜井との約束の日。
レストランで待つも桜井から急な会議が入ったからとドタキャンされてしまう。
しかしその連絡には続きが。
『それか、夜遅くで良かったら。』
笑顔でになるみやびだが、お店を予約しないととハッとする。
今度こそヤツとの再会
みやびは十倉のお店を訪れる。
『二度と現れないと思ったが』
『嫌だったけどここに来るの。でも深夜までやってて、予約もできて、味も…あの蕎麦、凄く美味しかったから。』
そんな話をしていると桜井も入店。
『ごめんねほんと遅くなって。』
十倉は桜井に笑顔で挨拶をするが、どうやら2人を監視している模様。
恋愛の教科書通り、気を聞かせて料理を取り分け、空になったグラスに気付く、男性が気持ちよく自分のことを喋れるように聞き役に徹する。
日本酒を頼むとみやびも同じものを注文。
もちろんマスターには『糖質は?』と見られ目が合う。
みやびが『ちょっと緊張してて。一緒に居るのが桜井君だからかな。こんな気持ち、久しぶり。』というと桜井もまんざらでもない表情。
桜井の電話が鳴り『ごめん先輩からだ』と席を外すと…。
十倉『終わったな。』
みやび『え?今なんて?』
桜井が戻ってくる。
『この後、飲みの席に顔出さなきゃいけなくて』と帰る事に。
『今度は私に奢らせて。行こうと思ってたイタリアンのアラビアータ美味しいから。』
『橘、今こんなこと言うと急になんでって思うかもしれないけど、俺、橘とは友達でいたい。だから変な期待とかお互いしないように。これからもたまに友達として飯食いに行くくらいだったら。あ、それとも俺の勘違いだったらごめん。』
二人はそのまま別れるがちょっと遠ざかってから。
みやび『思ってない。私あなたのこと友達だなんて思ってない。出来れば付き合いたい。ちゃんと、真剣に、将来を見据えて。』
桜井『ごめん、もう遅いから気を付けて。また。』
そう言い残し桜井は帰っていった。
涙の帰宅
みやびは十倉の店の前を涙を浮かべて通ると…
『ほらな。俺の言った通りだろう。』と声を掛けられるが無視して帰路に着いた。
家に帰ると留守電、母だった。
『あ、みやびちゃん?特に用はないんやけど、結婚して良かったってこの間聞いたでしょ?パパと結婚して良かったかって。答えはYES。だってあるでしょ、長く生きれば生きるほど、ドーンと落ち込む時や急に不安になったりもうやだってムシャクシャしたり。でもこの人が居るって思える。こんなあたしでもそばにいる人がいる、そう思えるのって安心よ。ヤーダーもうパパに会いたくなっちゃった、切るわね。』
みやびはボロボロ泣いていた。
犬に『寂しい。ごめんね一人にして』と言いながら。
十倉も帰宅。
十倉の家はみやびのマンションのペントハウス。
家に入ると子供と妻の声が聞こえてくる。←十倉の妄想。
十倉は黒いマスコットのついたキーホルダーを持っている。
妻(長谷川京子)の方には白いマスコットのついたキーホルダー。
涼太郎
次の日、みやびはクリニックのみんなにいつもの宅配サンドイッチを奢ってあげる。
涼太郎に領収書を受け取ると『5周年記念パーティーもあなたのところでお願いしようかな』と言うと涼太郎もボーナスが入ると喜ぶ。
涼太郎はしばらくみやびの顔を見て突然抱きしめる。『みやびさん、元気出して。』
みやびは突き放し、涼太郎はどーもですと帰っていくが、なおも混乱するみやび。
いろいろな思いが錯綜し領収書を握りつぶした。
再来店
足早にブツブツ言いながら十倉の店に向かうみやび。
店に入るなり『なんでよ。』と十倉に叫ぶ。
『まだ準備中ですが。』
しかしみやびは止まらない。
『誰でもいいって思ったのよ。このあたしが。誰かそばにいてこういうとき抱きしめてくれたらそれでいいやって。誰でもいいなんてとんでもない。このあたしにふさわしい人はいい仕事してて外見も中身も良くて、心の底から誇れる、尊敬できる人で。そう決めてたの。誰でもいいからなんて思ったこと一度も。』
『まさか抱きしめろと?』
『言ったわよねあなた、あたしに。終わったなって。見てよ。何の不足があるわけ?仕事だってちゃんとやってる、んーん、それ以上。大成功よ。なのに、一緒に年を取ってくれる人がいないなんて。なんでよ。あたしの何がいけなかったの?』
『教えてやろう。プレ更年期のうぬぼれ女ドクター。』
『本当腹立つわねあんた。』
『あの夜、確かにお前は頑張ってた。頑張れば報われる、そう信じて生きてきたんだろ今まで。だが、こと恋愛においてはその頑張りは何の意味もなさない。何故なら男は思うからだ。頑張ってるお前見て、この女必死じゃね?ハッキリ言ってキモい。その一言に尽きる。だから俺が言った。終わったなと。お前は男のニーズを無視してエゴ丸出しで頑張って見せただけ。』
みやびはちょっと納得して椅子に腰を下ろす。
『では、男のニーズを満たす行動とは何か、それはツッコミを入れることだ。』
『は?ツッコミ?』
『あーそうだ。例えば夜のクラブ、ホステスの中にいわゆる美人ではないが次から次に上客を捕まえる女がいる。それは世に言う政治や経済に詳しいだとか、マナーに精通しているとかそういうことではなく、彼女らの特徴はただ一点。ツッコミマスターであること。』
『いやそんなどーだみたいな顔されても。』
『ツッコミ。それは常に予定調和を崩す。あの日お前がやってた熱心に相槌を打つ、感心してみせる、そんな会話はな、クソ退屈なんだよ。』
『でも…』
『恋愛本に書いてあった?あー、確かに20代の女がそれをやればビンゴ。だが、アラフォーがおんなじことやってどうする。』
『じゃあ、どうすればよかったのよ。』
『具体で示してやろう。』
桜井とのデートでのシーン。
桜井『ずっと海外転々としてて』
みやび『ふーん』
『香港、フィリピン、インドネシア』
『何それ?自慢?』
『なんでそうなるのよ』
『だってドヤ顔だから』
『ハハどこが?』
『でも大変そう。食べ物とかは?』
『こう見えて料理もやるからね。なんかその辺の適当な材料で、なんちゃって日本料理みたいな、つくるの得意。』
『出た、また自慢。料理作ってあげるよって部屋に誘ってるんじゃないの?』
『違うわ。普通に料理が好きなんだよ。』
『ねぇ、桜井君って、猫っぽい。』
『何ですか急に。』
『自由で捕まらない感じ?言われない?』
『いや言われませんけど。』
『えーなんかー、ずっと見ちゃう。でもあたし犬が好きなんだよねー。』
『何だよそれ。いい加減にしろよ。』
『美味しそう。』
『美味しそうじゃねーよ。』
十倉『これは免許皆伝。ツッコミマスターの女が使う技だ。突っ込む、とにかく突っ込む。やたらと絡む。』
みやび『そんな会話…』
『そして急に話題を変える。揺さぶる。気があるのかと思わせ否定、揺さぶる。これが吊り橋トーク。』
『吊り橋トーク?』
『もしくは…』
桜井『バスケ?なかなかやる機会なくて。あーでも一度、ひったくりに合った時に、すんご…』
みやび『これ、(腕を掴み腕時計を見る)誰に買ってもらったの?』
『と、突然因縁をつける。』
『自分で買ったけど。』
『ふーん。』
『ふーんってなんだよ。』
『へぇー。』
『何?』
『良いのしてんじゃん。(肩をバシっと叩く)』
『男をホスト扱いツッコミ。あなたは女に貢いでもらうくらい魅力的な男と、安に告げる事で男を勘違いさせる。』
『そんなの…』
『もしくは…』
『空にさ、水蒸気が吹き上がってて、真っ白になってて、まるで大地がバ…』
『(口を手のひらで塞ぐ)話長い。でもわかる。いい仕事に出会えたんだね。おめでとう。(握手)』
『これは合わせ技。シャラプツッコミからのソフトタッチ。断言しよう。これでぐっとこない男はいない。俺調べだが。』
『(みやび茫然)いやね、いくらなんでもそれじゃ女ハイリスクじゃ…』
『その通り!ツッコミ。それは本音や毒を会話に投げ込む危険な行為。相手を怒らせないギリギリのラインを見極め、呼吸よく突っ込むには技と経験が必要だ。だから小娘にはできない。大人の女がやると効く。』
『ほーん。』
『そして最も大事なのは男の上に立つということだ。男は、手が届きそうで届かない女を求める。ツッコミをビシバシ入れる事で男の上に立つ。そういう女を男は求める。手に入れようと必死に。』
『だけど、あの夜のあたしは気に入られようと常に彼の下に?』
『下からこうだ。(祈りのポーズ)もしお前が男なら、そんな女と一緒に居て楽しいか?』
『疲れる。もしくはどうでもよくなる。はー。だから友達でいよう宣言されたわけね。』
『携帯。』
『へ?』
『あいつにメールを打て。』
『なんて?』
『友達の桜井君へ。今度は友達として飲み友になって下さい。友情の証として割り勘で。あなたの友達みやびより。』
みやびはその通り打った。
『何この友達連呼。笑えない冗談。』
と、十倉は携帯を奪い送信。
『あー。あー。もういっか。フラれたんだから。通算2度目。そもそも彼、私になんか興味ないの、昔から。今さら何をしても。』
十倉は小鉢に出汁をいれて差し出す。
『良い香り。』
十倉は飲めという仕草をする。
『美味しい。』
二人は笑顔になった。
『あいつ、言ってたぞ。来たんだ。あの後うちに。』
桜井『昔いいなって橘のこといいなって思ってて、けど、彼女うちの顧問が好きで…』
『え?』
『昔告白したんだって?先生に。』
『先生?』
あの日、みやびが桜井に書いた手紙は桜井のバッグの上にあった先生の本の間に入っていたのだ。
『そしたら先生焦っちゃって、俺は別にその気はないって。』
その時に桜井はショックを受けながらも『行ってあげなよ先生。』と言っていたのだった。
『だからあいつもお前のことまんざらでも。おい。どうした。』
みやびは泣いていた。
『言ってあげたい。あの頃のあたしに。馬鹿ねーって。あんた、渡す相手間違ってたのよって。何を言ってももう遅いんだけど。』
『俺は不細工な女は許す。だが、退屈でつまらない女は許さない。簡単に諦める女、悲劇のヒロイン気取る女もだ。』
『でももうどうしようも…』
『今しかない。』
『今?』
『酷なことを言うようだが、一般的に見て女の価値は下がり続ける。一歳年を取る毎に、劣化しただのなんだの言われ、どんどん自身は無くなる。立ち上がるなら今だ。女の価値が一番高いのは常に今なんだから。』
メールの返事が来る。
『じゃあ、友達として(笑)また飲みに行きましょう。』
『ほらな。俺の言った通りだろう。』
『あ。教えて。どうか、教えて下さい。これからあたし、どうすればいいか。教えて下さい。』
『教えてやろう。まずカリシを作れ。』
『は?彼氏?』
『彼氏じゃない。カリシだ。』
机に粉をふりかけ指でこう書いた。
仮氏と。
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