【君の膵臓をたべたい】キミスイのネタバレ!タイトル・星の王子さま・通り魔の意味を考察!
【君の膵臓をたべたい】キミスイのネタバレ!
浜辺美波・北村匠海がダブル主演を務めて大ヒットした映画【君の膵臓をたべたい】(キミスイ)のあらすじをネタバレ!
不思議なタイトルの意味も考察!さらに劇中に登場する本「星の王子さま」の意味、謎多き「通り魔」が意味することなども考察します。
今回は【君の膵臓をたべたい】キミスイのネタバレや考察について。
【君の膵臓をたべたい】キミスイのネタバレ
【君の膵臓をたべたい】(キミスイ)のあらすじネタバレを紹介します!
※映画『君の膵臓をたべたい』はU-NEXTで配信中。(2020年9月現在の情報です)
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僕(北村匠海)と桜良(浜辺美波)の出会い
僕=志賀春樹(小栗旬)は、桜良(浜辺美波)が亡くなってから12年後、母校の教師になっていた。
教え子と会話をしていた僕は、桜良と過ごした数か月の思い出を話して聞かせる…。
12年前。
「君の膵臓をたべたい」と桜良は言った。
テレビで見たという。昔の人は悪いところがあると他の動物のその部分を食べた、と。
高校生の僕(北村匠海)は戸惑う。そして桜良から「星の王子さま」をもらった。
僕(北村匠海)と桜良との出会いは病院の待合室。
僕は、高校の同級生・桜良がひそかにつづる闘病日記「共病文庫」を偶然見つけた。
そして彼女が膵臓(すいぞう)の病気で余命わずかなことを知る。
次の日から僕の日常が変わり始めた。僕は誰ともかかわらないことで自分の領域を守っていたのに…。
なぜか桜良も図書委員に立候補してきて、僕と彼女は本の分類を一緒に整理することになった。
分類番号めちゃくちゃな彼女。
僕が注意すると「がんばって探して見つけた方がうれしいでしょ。宝物探しみたいで」と桜良。
余命少ないのに「こんな使い方でいいの?」と僕は疑問をぶつけた。
「君もやりたいことやらなくていいの?」と桜良は逆質問して、
「もしかしたら明日君が先に死ぬかもしれない。最近、通り魔事件もあるし。私も君も1日の価値は一緒だよ。でもどうしてもやりたいことを考えろっていうなら、私のやりたいことの手助けをさせてあげます」
こうして僕は桜良の行動に付き合うことになる。
僕と桜良の初デート
日曜。膵臓=シビレを食べると冗談をいう桜良。
クラスメイトなら病気を知って動揺するはずなのに平然とする僕に、桜良は安心を覚えていた。
2人は女の子ばかりが来ているケーキ食べ放題のお店「スイーツパラダイス」へ。
中学からの親友・恭子(大友花恋)と一緒にくるはずだったが、僕と来てしまった。
僕は、親友も友人も恋人もいないと教える。そして1度だけの初恋も伝えた。
その娘は何にでも「さん」をつけた。それはすべてに敬意を忘れないんだと思った。
「好きになった理由があまりに素敵」とびっくりする桜良。
桜良の方は最近まで恋人がいたが別れたという。
「死ぬの?」「死ぬよ」
平日。学校にて、恭子が僕に怒りをぶつけた。桜良は彼とは「仲良しだから」と説明した。
ざわつくクラスメイトたち。委員長(桜田通)が桜良は誰とも仲良いから、とフォローした。
高校の屋上にて。
「僕なんかと時間を使っていいの?」と自己を卑下する僕。親友と過ごした方がいいと思うが…
桜良は恭子には心配かけまいと黙っておくことにしたという。
泣いてしまうから、彼女の為にも私のためにもぎりぎりまで…。
「君はさ。本当に死ぬの?」と僕が尋ねると、
桜良は『死ぬよ』とあっさり告げる。あと1年もつかどうか、だと。
僕にだけ病名を告げた理由を話す…
「君は、きっとただ一人、私に『普通の毎日を与えてくれる人』だから。お医者さんは真実だけしか与えてくれない。お父さんもお母さんも日常を取り繕うのに必死になってる。恭子も知ったらそうなると思う。君だけは違う」
「僕はただ向き合おうとしてないだけだよ」
「こらこら。そんな難しい顔するんじゃない。どうせいつかはみんな死ぬんだし。ほら!天国で逢おうよ!」
桜良は青空を見上げた。
お泊り旅行!?
「よお志賀!桜良と付き合ってんの?」
初めて名前で呼ばれて僕は驚いた。恋人関係を否定すると「噂になってる」と彼=宮田一晴(矢本悠馬)は教えてくれて、ガムを勧めてくれた。
恭子はいつも僕をにらでいた。
桜良は連休に遠出したい…と僕に告げる。
「君が死ぬまでに行きたいところ」と僕が言うと、行き先は福岡県博多へのお泊まり旅行に!
到着後、「ラーメンの匂いがする」という桜良。
否定する僕に「鼻腐ってる」というので「君の思考が腐ってとる」と反撃すると、
「腐ってるのは膵臓ですぅ」と明るく冗談にする桜良。
ラーメンを食べ、もつを食べ、太宰府天満宮でお参りして、おみくじも引いた。
大吉を引いた桜良は、「病やがて治る」とあるのを見て「治んないっていうのにね」と笑った。
夜。手違いから2人は高級な部屋で一緒に泊まることに!
【真実か挑戦ゲーム】をする2人。
負けた方は真実か挑戦を選ぶ。「真実」なら勝った方の質問に答え、「挑戦」なら勝った方の指示に挑戦する(従う)というゲームだ。
クラスで誰が一番可愛いかは、ヒナと答える僕。ちなみに桜良は三番目。
面接のような質問になりがちな僕。
何回かゲームが終わった後、勝利した桜良が倒れこみ、内容を先に伝える。
真実なら私の可愛いところ3つ答える、挑戦ならベットに運んで!
僕は彼女をお姫様だっこで連れて行った。
ベッドにて、最後のゲーム。勝ったのは桜良で、真実を選んだ僕。
「私が本当は死ぬのがメチャクチャ怖いと言ったらどうする?」
僕は挑戦に切り替えた。
お風呂に入っている桜良に頼まれ、彼女のリュックから洗顔クリームを取り出す時に、注射器や大量の錠剤、検査機器を見つけたことを思い出した。彼女の病状は現実なのだ…。
桜良は「君もベッドで寝なさい!」と指示。2人は背中を向けあいながら同じベットで眠った。
翌朝。恭子から桜良に電話があった。恭子の家に泊まるウソの話しに合わせてくれたらしい。「僕」と一緒に博多にいることを伝え、説明するから許してほしいとお願いした。
恭子に強く勧められた桜良の元カレは短気で粘着質。
恭子は男を見る目がないし、強そうに見えて弱い子だ。ひとりにするのは心配だから、「私が死んだら恭子と仲良くしてほしいの。」と桜良は僕にお願いした。
僕は旅行を「楽しかったよ」と素直に告げた。
桜良は僕の反応に喜び、お礼として死んだら「膵臓を食べていいよ」という。
「人に食べてもらうとね、魂がその人の中に生き続けるんだって。私、生きたい。大切な人たちのなかで…」
12年後。結婚を控えた桜良の親友・恭子(北川景子)は、桜良が祝福してくれるかなとの彼女のことを思い返していた…。
僕(小栗旬)は恭子の結婚式の出席を迷っていた。
イケナイことをすること
僕(北村匠海)の上履きが隠された。
「よう志賀!なんで捨ててんの。トイレのごみ箱にあった」と上履きを持ってきた彼は「ガムいる?」といつものように勧めた。
図書室にて。カバンを見た僕は、桜良から借りた『星の王子さま』の紛失に気付く。
委員長が桜良を探していた。彼女は恭子と帰ったようだ。
「今日は君がうちに来ることになってるから」と桜良から僕にメールがきた。
桜良の家にて。
桜良の「やりたいこと」リストの中に、【恋人でも好きな人でもない男の子とイケナイことをする】があった。
今日は両親が家にいない日だから、僕を家に呼んだという。
「私を彼女にする気ないよね?」「ないよ」「OK、合格」
桜良は僕にハグをする。イケナイことはこれから…と迫る桜良。
僕はバカにされたと思って桜良を押し倒してしまう。「離して!」彼女は泣いていた。
偶然じゃない
雨の中、家を出た僕は委員長と鉢合わせ。
「彼女しつこい人は嫌いらしいよ!」「しつこいってなんだよ!」
委員長は『星の王子さま』を地面に投げ捨てた。
桜良が止めに入り「二度と私の周りの人を傷つけないで!」と激怒。
そして僕を家にあげる。2人は謝り合って仲直りした。桜良の元カレは委員長だった。
僕は「流されているだけで、偶然、病院で会っただけ、もっと他の人と一緒にいた方が」と弱音を吐く。
桜良は否定した。「偶然じゃない。私たちはみんな自分で選んでここに来たの。君と私がクラスメイトになったのも、あの日病院にいたのも、偶然じゃない。運命なんかでもない。君が今までしてきた選択と私が今までしてきた選択が私たちを会わせたの。私たちは自分の意思で出会ったんだよ」
約束
桜良は入院した。僕は桜良に勉強を教えると「先生に向いてる」と褒められた。
さらに恭子と友達になる練習をさせられる。
・・・(小栗旬)は彼女の言葉をきっかけに母校の教師となった。
しかし教師になって6年も経つが生徒と向き合えていないため、退職も考えていた。
恭子は、友人のいない中学時代に声をかけてくれた桜良を親友と思っていた。「だから彼女を傷つけたら許さない」と僕に忠告。
僕にストーカーの噂がたっていた。桜良は「君がみんなと話さないから」という。僕はそれでもいいと思っていた。
けれど桜良が僕をどう思ってるかは気になった。…答えは共病文庫に書いておくから、死んだら読んでいいよという桜良。読む約束をかわした。
夜の病院に忍び込んで
僕は桜良から夜の病院に忍び込むよう頼まれた。僕は拒否するが…
桜は散ったふりをして咲き続けているという。次の芽をつけて隠れているだけ。「あったかくなったらサプラーイズって驚かせるの!」
「何かあった?」僕はあわてて夜の病室へ。入院が延びたため不安定だったという。
【真実か挑戦】をまた行う。僕が勝って彼女が真実を選択。
「君にとって僕は…いや、君にとって『生きる』ってどういうこと?」
桜良は「誰かと心を通わせること」と答える。「自分ひとりじゃ生きてるって分からない。好きなのに嫌い、楽しいのにうっとうしい、そういうまどろっこしさが、人とのかかわりが私の生きてるって証明だと思う」
桜良は僕の肩によりかかって「だから…こうして君といられてよかった。君がくれる日常が私にとっての宝物なんだ」
桜良は「もう一度旅行したかった」と弱音をはく。僕は彼女にまだ死なないことを確認。
「これでも僕は君を心配してるんだよ」
「私に生きててほしいの?」
「とても」
「君が私をそこまで必要としてくれるなんて」
桜良は僕を抱きしめる。退院したら満開の桜を見に行くことを約束した。
桜良が退院へ
ガムをくれる彼が、春が過ぎても咲いてる桜が北海道にあると教えてくれた。僕は初めて彼からガムをもらった。
桜良の退院の日。僕は待ち合わせ場所にて、桜良とメールのやりとりをする。
僕は「桜良のようになりたい。人を認める人間に、人を愛する人間になりたい」と願う。
しかしこれでは言い足りない。だから【君の膵臓をたべたい】とだけ送信した。
どれだけ待っても彼女は現れなかった。
桜良は通り魔に刺されて亡くなっったとニュースで流れた。
犯人はすぐに捕まった。
甘えていた。余命はまっとうできると僕は思い込んでいた。明日どうなるかは誰にも分からないのに。
「僕」は桜良の通夜や葬儀に出席せず、1ケ月後に桜良の家を訪れる。
そこで「共病文庫」を読ませてもらった。
桜良が僕をずっと気にしていたこと、図書委員になり気を引きたくて分類をでたらめにしたこと、そして退院が最後になるだろうことが明かされ、「会いに行くからね。いええい!」で終わっていた。僕は涙した。
結末
12年後の現在、図書館にて。僕(小栗旬)は桜良が貸し出しカードにしたイタズラの絵から、宝探しを思い出す。書庫に入り見つけた本(「星の王子さま」)には、桜良の手紙があった。
僕は恭子(北川景子)と宮田一晴(上地雄輔)の結婚する式場へ。宮田はいつもガムをくれた友人だ。
恭子宛ての桜良の手紙を渡す。
桜良は病気を黙っていたことを謝罪しつつ「大好きだから言えなかった。恭子との時間を壊したくなかったから」と理由を書いていた。そして「幸せになってね。彼とも友達になってね、恭子がいっつもにらんでる【私の仲良しくん】と。」
「僕と友達になってもらえませんか。」春樹は12年越しに言えた。恭子は泣きながら「はい」と承諾した…。
僕=春樹にも手紙があった。僕はひとりになり、読み始めた…。
(桜良の手紙)
拝啓 志賀春樹くん
ようやくこれを見つけましたね。おそいおそい。
春樹って呼んでいい?前からそう呼びたかったんだ。
短い間だったけどそばにいてくれてうれしかったよ。ありがとう。
病院で【真実と挑戦ゲーム】をしたとき、何を聞こうとしたのか教えてあげる。それはね、どうして私の名前を呼んでくれないの?ってこと。だって春樹。私の名前を1回も呼ばなかったでしょ。最初からずっと君・君・君。ひどいよ。
でもね。病院に忍びこんでくれたとき、気づいたんだ。いずれ喪うって分かってる私を、友達や恋人、君の中の特別な誰かにしたくないんだって。(ココで「星の王子さま」が映る)
でも私、そんな春樹にあこがれてた。誰とも関わらないで、たった一人で生きている、強い春樹に。私は弱いから友達や家族を悲しみに巻き込んじゃう。でもね、春樹はいつだって自分自身だった。
春樹は本当にスゴイよ。だからその勇気をみんなにも分けてあげて下さい。(ココで辞表を破る、教師になった春樹)そして誰かを好きになって、手をつないでハグをして、うっとうしくても、まどろこっしくても、沢山の人と心を通わせて、私の分まで生きて。
私ね、春樹になりたい。春樹の中で生き続けたい。ううん、そんなありふれた言葉じゃダメだよね?
そうだね、君は嫌がるかもしれないけど、私はやっぱり『君の膵臓をたべたい』
【君の膵臓をたべたい】のタイトルの意味とは?
【君の膵臓をたべたい】というタイトルは、一見すると不思議ですね。
「ホラー?」と思ってしまう人もいるでしょう。
このタイトルの意味を原作と実写映画から考察してみます。
タイトル案は複数あった!?
実は、発売前にはいくつか別のタイトル案がありました。
しかし元の『君の膵臓をたべたい』を推した原作者・住野よる氏。
それから担当編集などが上にかけあって、結局このタイトルになったとのこと。
「新人のデビュー作だから目立つ方がいい」という意見も出たと言われます。
(このあたりのいきさつは、幻冬舎の書籍「読者の心をつかむ WEB小説ヒットの方程式」にて住野よる氏が明かしていました。)
住野氏もこの「君の膵臓をたべたい」というセリフがあって物語がふくらんだと、自著の解説をしているので、それだけ思い入れのあるタイトル・セリフなのでしょう。
【君の膵臓をたべたい】の意味は爪の垢を煎じて飲む
それで、タイトルの意味は何かというと…
カニバリズム(人間が人間の肉を食べる行動、あるいは習慣)に目覚めたから!
ではありません。
【君の膵臓を食べたい】に一番近い意味は 【爪の垢を煎じて飲む】 でしょう。
「爪の垢を煎じて飲む」とは…すぐれた人に似ようと、爪の垢のようにわずかで汚いものであっても煎じて飲むというたとえです。
実際に映画をみてみますと…
僕=春樹(北村匠海)は、退院した桜良(浜辺美波)を喫茶店で待っている際、携帯にメッセージを打っています。
「白状すると、僕は君になりたい。人を認められる人間に。人に認められる人間に。人を愛する人間に。人に愛される人間に。誰かともっと心を通わせ、生きてるって感じられるように。僕は君になれるだろうか。いや、こんな言葉じゃ100並べても言い足らない。」
春樹は上記のメッセージをすべて削除します。
実は、原作小説では…
僕はどうすかれば君になれただろうか。
住野よる「君の膵臓をたべたい」文庫本P252
僕はどうすかれば君になれるだろうか。
どうすれば。
はて、と気づく。確かそんな意味の慣用句があったような。
考えてから、思い出し、僕はそれを彼女に贈ることにした。
『君の爪の垢を煎じて飲みたい』
打ち込むだけ打ち込んで、すぐに消した。
お分かり頂けたでしょうか。
原作では「爪の垢を煎じて飲む」が登場するのです!
原作も実写映画もどちらも消したあと、『君の膵臓をたべたい』とだけ打って送信しました。
つまり、「爪の垢を煎じて飲む」イコール「君の膵臓をたべたい」ということでしょう。
【君の膵臓をたべたい】の意味は「君になりたい」
ただし、たとえの言葉をたとえで理解しようとするのはオカシイですね。
言い換えると、
【君の膵臓を食べたい】の(具体的な)意味は「その人になりたい」ということでしょう。
「僕」も「僕は君になりたい」とメールしてましたね。(送信してませんが…)
桜良の最期の手紙でも「私ね、春樹になりたい。春樹の中で生き続けたい。」とありました。
その後「ううん、そんなありふれた言葉じゃダメだよね?そうだね、君は嫌がるかもしれないけど、私はやっぱり『君の膵臓をたべたい』。」と締めくくります。
つまり、「春樹になりたい」=『君の膵臓をたべたい』となります。
ちなみに「春樹の中で生き続けたい。」もタイトルの意味として解釈できそうで・・・
【君の膵臓をたべたい】の意味は「生き続けたい」
【君の膵臓をたべたい】の意味は「その人の中で生き続けたい」とも言えます。
お泊り旅行の時の桜良のセリフがヒントです。
桜良は「私が死んだら膵臓を食べていいよ」と僕に言います。
そして「人に食べてもらうとね、魂がその人の中に生き続けるんだって。私、生きたい。大切な人たちのなかで…」
この時は春樹に膵臓をたべてもらって、春樹の中で生き続けることの意味でした。
最期の手紙では、春樹の膵臓をたべたい、です。
春樹の膵臓をたべて、春樹の魂が私の中で生き続けてほしい…そんな意味になります。
まあ、そう難しく考えることなく、2人だけが分かる秘密の「愛の言葉」と解釈しても間違いないと思います。
まとめると、【君の膵臓をたべたい】というタイトルの意味は、「爪の垢を煎じて飲む」「その人になりたい」「その人の中で生き続けたい」という2人だけに通じる「愛の言葉」となります。
【君の膵臓をたべたい】の「星の王子さま」の意味とは?
【君の膵臓をたべたい】の劇中で登場する本『星の王子さま』(フランス語原題:Le Petit Prince)。
サン=テグジュペリの有名な小説です。
桜良が唯一読んだ本なのですが、原作では本の内容には触れていません。
ただし映画の冒頭では、母校の国語教師になった春樹(小栗旬)が、「星の王子さま」を授業の教材に使っていました。
そこで「大切なものは目に見えない」という箇所を黒板に書いて解説しています。
有名な言葉ですね。これは王子さまと仲良くなったキツネのセリフです。
王子さまはキツネとの別れの時に、「君をつらい目にあわせるつもりはなかったのに。何にもいいことはないじゃないか」と言います。
キツネと仲良くなったことを後悔する王子さま。
キツネは「そんなことないよ。」と告げます。そして王子にバラを見に行かせました。
そのバラとは仲良くなってないのでバラを「からっぽ」と言う王子。
王子さまは自分がいた星の「あの1輪のバラの花の方が大事だ」と気づきます。
なぜならバラに水をあげたり、世話をしたのはあの1輪のバラだから。
その後、もう一度キツネと会いに行った王子。キツネは秘密を教えます。
「心で見なくちゃ、ものごとは良く見えないのさ。大切なものは目には見えないんだよ」
桜良と春樹の出会いと別れは、この王子とキツネにだぶります。
映画での桜良の最期の手紙で…「病院に忍びこんでくれたとき、気づいたんだ。いずれ喪うって分かってる私を、友達や恋人、君の中の特別な誰かにしたくないんだって。」
という箇所が読まれるシーンで、「星の王子さま」が映ります。
ココの意味は、
春樹:桜良を喪うなら、特別(友達・恋人)にしたくなかった。
王子:キツネと別れるなら、仲良くならなければよかった。
と、春樹と王子さまの立場がダブるという意味でしょう。
となると、キツネの立場は桜良です。
実は桜良はキツネの名言と同じようなことを語っています。↓
映画の中での桜良のセリフ:「桜は散ったふりをして咲き続けている。次の芽をつけて隠れているだけ。」
原作でも…
桜は散ってから、実は3ヶ月くらい後には次の芽をつけるんだよ。だけど、その芽は一度眠るの。暖かくなるのを待って、それから一気に咲く。つまり、桜は咲くべき時を待ってるんだよ。
住野よる「君の膵臓をたべたい」文庫p215
桜は「目に見えない」けれど、芽をつけて眠って隠れてる。そしてその時を待っている。
これって、桜良と春樹の出会いみたいです。
2人の出会いは偶然でなく、(春樹は気づかなかったけれど)桜良は春樹をずっと気にかけていて、出会うその時を待っていたのですから。
このように、王子さま=春樹、王子さまが世話をしたバラ=桜良、王子さまと仲良くなったキツネ=桜良という図式から、色々と解釈ができます。
まとめると、劇中の本『星の王子さま』の意味は、春樹と桜良に色々と想像をふくらませるツールと言えそうです。
【君の膵臓をたべたい】の通り魔の意味とは?
【君の膵臓をたべたい】の通り魔の意味は、
特に通り魔によって余命わずかの桜良が殺害される意味は、
桜良も春樹も「1日の価値は一緒」ということを伝えるということでしょう。
劇中で、僕(小栗旬)が「甘えていた。余命をまっとうできるものと…」と語ります。
通り魔の登場によって、誰も明日は保証されていない…という残酷さが描かれました。
この桜良の結末には、読者の間で賛否あったのですが、理不尽さを読者・鑑賞者に与える効果はあります。
やりきれなさはとてもありますが…。
ちなみに通り魔が桜良の元カレ説もネットでありますが、それはないでしょう。
映画でも原作でも犯人はすぐ捕まって、その後に犯人の情報はありません。
人は何か原因(痴情のもつれなど?)を探したいものですが、通り魔は「理不尽な出来事」と解釈するのが妥当でしょう。
まとめ
以上、映画【君の膵臓をたべたい】(キミスイ)のあらすじネタバレや、タイトル・星の王子さま・通り魔の意味を考察してきました。
本作「キミスイ」は日本アカデミー賞 優秀作品賞にも輝いただけあり、作品が多角的に解釈できる面白さもあり、メッセージ性もある傑作!
ぜひ鑑賞してみて欲しい1作です。
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