【テイオーの長い休日】2話ネタバレ・感想|外科医に扮した熱護(船越英一郎)が業界の病巣を摘出する!
2話ネタバレ・感想|外科医に扮した熱護(船越英一郎)が業界の病巣を摘出する!
【テイオーの長い休日】2話が6月10日に放送されました。
かつて2時間サスペンスの帝王と異名を取った熱護大五郎(船越英一郎)は、現在1年以上仕事がなく長い休日中。1話では自らが主演したドラマの知識を活かしてマネージャー志望の吉田ゆかり(戸田菜穂)が抱える問題を見事に解決し、自分の屋敷にゆかりとその子どもたちを住まわせることに。
さて今回の熱護は、過去に演じた外科医役に扮して、新人脚本家の苦悩と業界の病巣に鋭いメスを入れます。
それでは【テイオーの長い休日】2話「曲げない男と自分がない女」のネタバレ、感想をお届けしていきましょう。
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【テイオーの長い休日】2話のネタバレ
ゆかりが熱護に仕事を取ってきた!
元2サスの帝王・熱護大五郎(船越英一郎)がマネージャー採用の条件として吉田ゆかり(戸田菜穂)に出したのは、長女の陽向(宮下結衣)、長男の悟(石原颯也)、末っ子の理輝(平野絢規)とともに熱護の屋敷に住むこと、そして1か月で結果を出す(熱護に仕事を取ってくる)ことだった。
ゆかりは、7年前まで自分が担当していた人気俳優伊集院大樹(白石隼也)の紹介で、熱護に超人気刑事ドラマ「刑事風来坊」6話ゲスト主役の話をもらってくる。事務所の皆も大喜びだ。
ところが当の本人、熱護はこの脚本は欠陥品だから俺は出ないと言う。
我儘炸裂の元スターをゆかりは説得できるのだろうか。
どうやったらこんな誰からも愛されないホンが生まれるんだ
熱護家で食事中にゆかりは、熱護さんにぴったりな天才外科医の役なのにどこが不満なのかと聞く。
熱護は、脚本が迷走しっぱなし、筋もキャラもブレブレで感情移入できないと言う。
脚本を担当しているのは、デビューしてまだ3作目の新人、柏木美遊(工藤遥)だ。
矛盾だらけの脚本に不満でいっぱいの熱護は、本打ち(脚本打ち合わせ)に自分も出ると言い出すが、ゆかりは、ベテラン俳優が来たらみんなが委縮してしまうし、主役ならまだしも今回はゲストなんだから絶対にダメだと言う。
熱護はきっぱりと言うのだった。
「どうやったらこんな誰からも愛されないホン(脚本)が生まれるんだと思う。原因は現場だよ」
ゆかりはテレビジパングのAP関谷昴(清水優)に台本の書き直しをお願いする。
関谷は、元々トレランスの桐林藤吾が6話のゲストだったのだが、ドタキャンしてしまったためにクランクインが遅れて撮影時間の余裕がないので無理だと断るが、ゆかりは熱護がごねて出なくなったら大変でしょうと説き伏せる。
「刑事風来坊」第6話本打ち
関谷と申し合わせて、ゆかりは脚本打ち合わせを見学させてもらうことに。
脚本家の柏木に向かって、テレビジパングのチーフP丸山義比古(吉成浩一)は次々と脚本の直しを伝える。
「鑑識役は出さないで」「風来坊が飲むのはワインではなく焼酎に」「車ではなくママチャリで」「ナイトシーンはできるだけ昼に」
役者やスポンサーの都合、そして予算の都合による変更依頼だった。
丸山は『刑事風来坊』の制作予算カットのため、局から途中交代で送り込まれたプロデューサーなのだった。
ベテラン演出家瀬良陽一(小田桐一)は何も言わない。
ゆかりが化粧室に行くと、疲れ果てて自分でしきりに背中をさすっている柏木がいた。
ゆかりは飲みに行こうと柏木を誘う。
ゆかりは娘の陽向に「脚本家の先生と飲みに行くことになった」と電話で連絡したのだが、その会話を陽向から少し離れた場所で熱護が聞いていた。
本当に書きたかったもの
予約した店にゆかりと柏木が着くと、店のスタッフが「貸し切りで承っています」と言う。
そこには熱護が待っていた。陽向をダンス世界大会のチケットで買収して店を聞き出し、先回りして店を貸し切りにしていたのだった。
熱護は「先生、どうぞ」と高価なワインで丁重にもてなすが、柏木は飲むほどに愚痴が止まらなくなる。
これまでは予算や視聴率は気にせず面白いものを作ろうという雰囲気があってそれが高視聴率に繋がっていたのに、今期、予算削減を最優先のミッションとして丸山チーフプロデューサーが送り込まれてから変わってしまった。
柏木は、本来書きたかった脚本について語る。刑事風来坊が解決するのは大きなマラソン大会が舞台の爆弾事件、犯人は若い女性だった。それなのに世代が上でないと数字がとれないという理由でベテランの男性俳優に変えられてしまい、伝えたいテーマとずれてしまったと柏木は訴える。
そんな中、急に柏木の具合が悪くなってしまう。
これは精神的なもので自律神経失調症だと本人は言うのだが、背中に痛みがあるようで手を当てている。そんな柏木を見て熱護は何かに気づいた様子。
「チャンスを失いたくなくて言われるがまま脚本を直し続け、自分でも何が面白いのかわからなくなってしまって最早書記係ですよ」と自嘲する柏木に、熱護は「書記係ではホンが面白くなるわけがない」とそれまでの丁寧な口調をガラリと変え、「作り手が自ら作品作りを放棄か。君とは仕事できない」と去っていく。
ゆかりは、事務所の城戸社長(木場勝己)に、熱護のギャラを少し安くしたらその分制作費に回せるのではと頼むが、社長は、自分と熱護が二人で事務所を立ち上げた時にギャラは絶対に下げないと約束した話をする。
役者にとって、ギャラは自分が業界で築き上げてきた信頼と実績の証明だと静かに言うのだった。
脚本家の想いが本物かどうか
一方、熱護は親しいベテラン美術スタッフ東山恒三(諏訪太朗)に頼んで、「刑事風来坊」第6話の初稿をもらう。
萩原匠(今井悠貴)がその熱護を探していると、伊集院に声をかけられた。二人は友人である。
今はタイムスリップする土方歳三の役をやっているという伊集院に「匠は?」と現在の仕事を聞かれ、匠は「熱護さんの付き人って役」と答える。
伊集院は「うちに入るならいつでも口を利く、才能があるんだしそのほうがいい」と言うが、匠は、今は熱護さんから学ぶことが多いからと話す。
伊集院は、役者は実践する場がなきゃ意味がない、役者は出てなんぼだと言うのだった。
東山に渡された第6話の初稿を読みながら、熱護は泣いていた。
「素晴らしい。まさに魂の叫びだ。俺たち役者はこういうホンをずっと待ってるのよ」
君はもう戦わないのか
脚本打ち合わせが終わって、ゆかりが丸山に匠を売り込んでいると、熱護から電話がかかってくる。
すぐに柏木を病院に連れて行けと言うのだ。
ちょうどその時、柏木が倒れてしまう。
病院に運ばれて検査した結果、自律神経失調症ではなく、急性腎盂腎炎で、処置が遅かったら命の危険もあったことがわかった。
熱護は昔医者の役をやった時の知識があって柏木の状態に気づき、医学書の資料を読んで彼女が内臓疾患ではないかと判断したのだった。
熱護は、「反面教師にすると良い」と柏木にベテラン俳優の桐林藤吾の話をする。
「デビュー当時右も左もわからず監督やスタッフに言われるがままの芝居をしていた。当時の世相を反映するような浮ついた芝居。そのせいで同じような役のオファーしか来なくなりそこから抜け出すのに苦労していたよ」
立場が弱いからと筆を曲げるような人間には、いつまでたっても本当にやりたい仕事など回ってこないと熱護は言う。
「物書きならその腕一本で相手ねじ伏せてみろ、魂震わせてみせろ、俺たち役者はずっとそういうホンを待っているんだ」
そして、いつか偉くなったら業界を変えてみせると言って実際に動いた奴を見たことがない、とも。
「いつかなんてないんだよ、分岐点は常に今だ」
熱護の心のこもった言葉を病室の外でゆかりは何度もうなずきながら聞いていた。
ジャック小笠原登場!
柏木不在のまま、脚本打ち合わせで決定稿が決められそうになったその時、ドアを開けて入って来た白衣の人物がいた。
「闇の外科医、ジャック小笠原です」かつて熱護大五郎が演じた人気シリーズだ。
熱護、いやジャック小笠原はドクターズバッグから脚本を取り出した。
このホンは病に侵されていてその病理は現場にあると言う。
柏木の書いた原稿をすべて読み、30稿を越える直し作業を確認した熱護は、犯人の心情を描いたシーンが丸ごと削除されている、これでは感情移入できないと言う。
予算がない、スケジュールがない、脚本を練り上げる時間もないといって安直な方に流れてしまうこと。
今のドラマ作りにおける病巣は作り手の志と覚悟の無さ。
大事なのは視聴者に楽しんでもらうことなのではないか、と。
すると、柏木が病室からリモートで連絡してきた。
熱護に励まされ、設定を元のマラソン大会に戻した脚本のデータを皆に送ったという。
どうしてもゲスト主役の孤独を描きたいからと。
演出家の瀬良もそのシーンを撮りたい、責任は自分が持つと発言。
しかし丸山は予算がないのにどうするんだと訴える。
熱護、いやジャック小笠原は言う。
「それなら一番お金を食っている部位を摘出すればいい、外科的な判断です」
熱護は自ら役を降りたのだった。
最初の設定どおり若い女性を主役ゲストにした6話は好評で、柏木の代表作になった。
オリプロにお礼に来た柏木に、社長は、熱護も若い時に苦労したから柏木を応援したくなったのではと言う。
デビュー当時、監督の指示通り浮ついた芝居をやったせいで同じようなオファーしか来なくてイメージ払拭するために苦労したのだそう。
熱護が話した桐林藤吾のエピソードは、熱護自身のことだったのだ。
柏木は熱護に電話をかけ、「いつかきっと熱護さんの主演ドラマを書きます」と伝える。
【テイオーの長い休日】2話のポイントと感想
熱護大五郎(船越英一郎)が扮する「ジャック小笠原」はどのドラマのオマージュ?
「闇の外科医 ジャック小笠原」は、船越英一郎主演『外科医 鳩村周五郎』をオマージュしたものです。
『外科医・鳩村周五郎』は、2004年から2016年までフジテレビ系で放送されました。
船越英一郎演じる天才外科医が、行く先々で出会う事件の真相を追う人気シリーズです。
2話ゲスト、若手脚本家柏木美遊役の俳優は工藤遥
2話ゲストの新人脚本家柏木美遊役は、工藤 遥(くどう はるか)さんです。
1999年10月27日 生まれ。女性アイドルグループ「モーニング娘。」の元メンバー(10期)。
2017年にモーニング娘。を卒業後、数々のドラマや映画で活躍しています。
今回の新人脚本家の役では、表現したいものに対する誇りや情熱、ひたむきさ、やりきれない現実に打ちのめされる様子、そして熱護から学んでいく姿が表情や声の色からとてもよく伝わってきました。
匠と伊集院の関係は?
伊集院は新人時代から匠と友達でした。
人気俳優になっても匠に親身にアドバイスしたり、ゆかりに便宜を計らったり、1話ではわからなかった伊集院の誠実な人柄が今回はよく伝わってきました。
匠がバンジージャンプをする役を得たのは、伊集院の言葉が背中を押したからかもしれません。
熱護の長い休日は終わるのか?
ゆかりがとってきた人気刑事シリーズ「刑事 風来坊」のゲスト主役は大きな仕事でしたが、脚本家柏木の想いと作品のクオリティを守るため、ギャラの高い熱護が自ら降板を申し出ました。
作品は守られ、予算オーバーという問題も無事解決しましたが、熱護はいまだに長いお休みが続いたままです。
【テイオーの長い休日】2話の感想
さまざまな状況で思い通りにいかずに次第に流されて志を諦め自分の道を失いそうになる、そんな新人脚本家の柏木美遊に才能を見出し、彼女の本来書きたかった世界を実現させるために自らドラマを降板した熱護は、本当に格好良かったです。熱護が守ったのは、柏木の今と未来、作品のクオリティ、そして自分自身のエンタメへの矜持だったのだと思います。
「いつか条件が揃ったら頑張る」ではなく今ここが分岐点なのだという熱護の言葉を深く胸に刻みたいと思います。
次週、3話では熱護に再現ドラマのオファーがあります。
バラエティ番組NGの熱護ですが、バラエティとはいえ芝居の仕事なら引き受けるのでしょうか?
6月17日(土)23:40からの放送をどうぞお楽しみに。
記事内画像出典:テイオーの長い休日|東海テレビ
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