【准教授・高槻彰良の推察】原作・小説の結末と感想!民俗学かく語りきからEXまで、これってBL!?

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【准教授・高槻彰良の推察】

准教授・高槻彰良の推察じゅんきょうじゅ・たかつきあきらのすいさつ】原作・小説の結末と感想!全話ネタバレ!
【准教授高槻彰良の推察 民俗学かく語りき】から最新刊【准教授・高槻彰良の推察EX】まで!

伊野尾慧主演ドラマ・オトナの土ドラ【准教授高槻彰良の推察】の原作は、澤村御影の小説【准教授高槻彰良の推察】シリーズです。

深町尚哉と高槻彰良が怪異事件の謎を解くミステリーの結末は?

小説全巻のストーリー・原作ネタバレと結末を紹介します。

目次

【准教授・高槻彰良の推察】原作・小説・漫画


【准教授・高槻彰良の推察】(じゅんきょうじゅ・たかつきあきらのすいさつ)の原作小説は、准教授・高槻彰良と大学生の深町尚哉が怪異事件を解明していくミステリー作品です。

物語は、深町尚哉の語りで進んでいきます。
大学准教授の高槻彰良は、絶対的な記憶力を持ち、一方、深町尚哉は人の嘘を見抜く能力を持ちます。
二人の特異体質は過去の怪異現象の体験から発症したもので、全巻を通してその謎を追いかけていきます。
それと並行し、各話では都市伝説や怪異事件を高槻と尚哉がその能力を駆使して解明・推察していきます。

推察とは…相手の心中や状況を推しはからうこと、思いやること。

【准教授・高槻彰良の推察】の小説は6巻と最新刊(EX)が発売され、コミカライズされています。
漫画【准教授・高槻彰良の推察】は、2巻までが発売されています。

【准教授・高槻彰良の推察】原作小説の人物紹介

*()内は出演者名

・高槻彰良(たかつきあきら/伊野尾慧)34歳

青和大学准教授。
文学部史学科民俗学古学専攻。
身長:181㎝

・深町尚哉(ふかまちなおや/神宮寺勇太)

青和大学1年生。
高槻彰良の助手。
いつもパーカーに眼鏡姿。
身長:172㎝

・生方瑠衣子(うぶかたるいこ/岡田結実)

大学院生。
塾講師のバイトをしている。
人の顔を覚えるが得意。

・佐々倉健司(ささくらけんじ/吉沢悠)

刑事部捜査一課、現役の刑事。
高槻との古い付き合い。
高槻は「健ちゃん」と呼ぶ。
身長:187㎝

難波要一(なんばよういち/須賀健太)

青和大学の学生。

小説【准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき】の結末

小説【准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき】 のネタバレ・結末を紹介します。

ネタバレ/深町尚哉の過去

深町尚哉・10歳(小学4年)

長野の祖母の家に行った時のこと。
夏祭りの夜、熱をだした尚哉はお祭りに行くことができなかった。
夜中、太鼓の音で目覚め、お面をかぶって、こっそりの抜け出した。
お祭りが開催されてはいたが、不思議な点が。

・提灯の色が青(正規のお祭りは赤い提灯)。
・誰も話をしていない。
・全員がお面をかぶっている。

尚哉は死んだはずの祖父に声を掛けられる。
屋台に連れていかれ「ひとつだけ選べ」と飴を差し出される。
全ての飴には代償があった。

・リンゴ飴→歩けなくなる。
・アンズ飴→言葉を失う。
・べっこう飴→お前は孤独になる。

尚哉はべっこう飴を選んだ。

このお祭り以後、尚哉は嘘をつく人の声が歪んで聞こえるようになる。それは苦痛を伴うため、聞かなければいいと思うように。
なので常にイヤホンをしている。
人間とは嘘をつく生き物。自然と、人との距離に一線を引くようになっていた。

このお祭りの出来事の解明は【准教授高槻彰良の推察】5巻の第二章で。

第一章「いないはずの隣人」の結末

ストーリー1深町尚哉が高槻彰良の助手になるまで

現代。
尚哉は青和大学1年。
准教授高槻彰良の「民俗学2」の講義を受講する。

高槻彰良は、怪談や都市伝説についてを研究し、講義では、目をキラキラさせて怪異物語を語っている。
誰をも魅了する高槻彰良の講義に尚哉も引き込まれていった。

高槻彰良は「隣のハナシ」というサイトを開設している。
「都市伝説など不思議な体験を募集しているので、そのような体験がある人は投稿して欲しい」と話す。

6月初め。

尚哉は高槻に呼び出され、研究室に行く。
高槻は、尚哉がレポートに書いた“おまけ体験”に興味を示していた。

尚哉のおまけ体験は、あのお祭りの話。
高槻は、超記憶証拠群。尚哉の書いたレポートを丸々と暗記していた。
内容は、嘘がわかるようになったことを伏せて、不思議なお祭りに参加したことを書いたもの。

高槻は尚哉が見たお祭りは“死者たちの祭”だったのではと推測。

理由1、死者に顔を見られるとあの世に連れていかれる。→だからお面が必要。
理由2、青は異界と繋がる。→だから提灯が青色。

この時、高槻に「お祭りで何か食べた?」と訊かれ、尚哉は「食べてない」と嘘をつく。

尚哉の不思議体験の話が終わると、高槻は尚哉をバイトに誘う。
高槻が運営する「隣のハナシ」には、怪奇現象に悩む相談がある。高槻はそれを解決すべく、依頼を受けていた。

・高槻は、不思議な話を聞くと時折常識がなくなってしまう。
・高槻はたくさんの情報が目に入ってしまう特異体質。ゆえに、地図を読み解くことができず、依頼者の元になかなかたどり着かないという。つまり、方向音痴。

ということから、高槻は尚哉に助手をしてほしいということだった。
こうして、尚哉は高槻の助手として、共に行動することになる。

ストーリー2「幽霊物件の謎」

依頼者:桂木奈々子(かつらぎななこ)

相談内容

・引っ越して2か月のアパート(杉並区)に幽霊がいる。
・異変を感じたのは1か月前。
・隣から、ノックのような音や爪音がする。
・隣室は空き家。
・怪異はエスカレートし、部屋に長い髪の毛が落ちていたり、ベランダに手形がついていたりする。(部屋は2階)
・大家の林田は、その物件に過去事件はなし、という回答。

高槻はその話を聞くと、とても喜ぶ。
「幽霊でるかな」と会えることを楽しみにするほど。

尚哉と高槻は、不動産屋の山口から話を聞く。
山口は、隣は事故物件で自殺があった、その事件のことを詳細に語るが、それは嘘。(尚哉には歪んで聞こえた)
解決に導くため、高槻と尚哉は奈々子の部屋に泊まることに。

「幽霊物件の謎」の結末

幽霊の正体は、山口。

その夜、山口が窓ガラスに手形をつけにきた。
高槻が追いかけ、背負い投げで捕まえる。

・山口は近所に住んでいた。
・偶然を装い、奈々子を助けたことがある。
・不動産屋なので鍵はある。
・長い髪の毛は不動産屋の女性のもの。

などのことから、高槻は山口と判断していた。

動機:山口は奈々子を気に入り、隣の部屋が空いている部屋を案内。奈々子が住むと幽霊のフリをして隣室に出入り。奈々子を怖がらせておいて、助けに入り、奈々子と関係を、と思っていた。

第一章のポイント

・高槻は鳥恐怖症だと判明。
・高槻は超記憶力を持ち甘い物が好き。

・高槻は嘘を言わない。だから、尚哉は高槻と話すのがとても心地よいと感じる。
・尚哉からすると高槻は「ゴールデンレトリーバー」のよう→怪異事件を喜ぶ様がおもちゃを前にして尻尾を振る犬にソックリ。
・高槻は、イケメン准教授と話題だが意外に残念なイケメン→かなりのおっちょこちょいだったり、絵がすこぶる下手であったり、方向音痴であったりする。
・尚哉は「嘘が見分けることができる」と高槻に打ち明ける。
・互いに「一人暮らし」だと分かる。

第二章「針を吐く娘」の結末

ストーリーネタバレ

夏休み。
「幽霊画を見に行こう」と高槻からの誘いで谷中圓朝まつりに行く。
待ち合わせの日暮里駅に行くと、高槻と「健ちゃん」といた。
この時、尚哉は佐々倉健司と出会う。
次いで、瑠衣子もやってきて、4人で幽霊画展に行く。
その帰り、谷中銀座へ行き、偶然、清和大学の生徒と出会い相談にのる。
全員でカフェに入り話を聞く。

依頼主:原沢綾音(はらさわあやね)、牧村琴子(まきむらことこ)

・高槻の「民俗学2」を受講している大学生。
・日比谷公園でわら人形を見てから怪異現象に悩まされている。
・わら人形には、釘が1本、待ち針が20本、普通の針が10本刺さっていた。
・綾音は、写真を撮ってレポートにした。
・それ以来、綾音の回りで針が落ちていることが続いている。
・わら人形は二人で見たが、琴子の方では怪異現象はない。
・ふたりはずっと手芸部に所属していた。

瑠衣子は「丑の刻参りの現場ではないから」と二人を安心させる。
この時、綾音が食べたガトーショコラから針が見つかり、さらに、綾音の足元に赤い待ち針が散らばっていた。
綾音は「店のせいじゃない」と言う。

高槻は、尚哉に友達の伝で二人のことを聞き込みしてほしいというが、尚哉には友達はいない。
すると、高槻は民俗学2を受講する生徒を対象に「バーベキュー大会」を開催。
30人ほど集まった大会で、尚哉は難波要一と会話。

難波要一とは高槻の講義で顔を合わせてから、会話をする間柄。嘘をあまり言わないから、尚哉にとって付き合いやすい相手。

尚哉は琴子と綾音の情報を集める。
そこで、綾音がサークルの高須先輩と5月頃から付き合っていると分かった。
デートは、高須が気を遣い、琴子も一緒だった。

一方、高槻も情報収集。

・綾音と琴子は、女子高から一緒で周囲からも認められる仲良し。
・琴子は、綾音がいないとダメ、と言うが、周囲は、綾音こそ琴子がいないとダメ、だと感じている。

2人が情報交換をしているとき、琴子の腕に針が刺さる事件が発生する。

翌日、高槻は「お祓いをする」と言って、二人を呼ぶ。
尚哉に「二人が嘘をついたら知らせてほしい」と依頼し尚哉も立ち会う。

事件解明

・日比谷公園でわら人形を見つけたのは嘘(補足:カフェでこのことを語ったのは高槻だったので、尚哉は嘘とわからなかった)
・写真はフェイク。
・写真を撮るとき、琴子は「そんなことしちゃダメ」だと言ったが、綾音は聞かなかった。
・琴子は、彼氏のできた綾音に嫉妬をしていた。
・「私を忘れないで」と琴子は思う。そして、針をばらまくようになった。しかし、途中で綾音は琴子の仕業だと気づく。
・綾音は琴子を庇うために、カフェのケーキに針を入れた。
・今度は琴子が綾音の自作自演に気づく。
・そこで、バーベキュー大会で針事件を起こした。
「すべては、わら人形の呪い」と片付けるために。

琴子と綾音はうわべは仲直りをするが、尚哉は嘘の歪んだ声にめまいを起こしてしまう。

そして目覚めた時。
尚哉は高槻に、嘘の声が歪んで聞こえることを告白した。
それは、あのお祭りの夜からだということも……。
さらに、尚哉の告白は続く。

嘘がわかるようになった尚哉は、父の浮気がわかってしまう。
その事を言葉にしてしまい、以来、両親は尚哉の前でほとんど喋らなくなった。
だから、自分は孤独でいればいい、そう思うようになっていった。

尚哉は泣いてしまう。
尚哉を優しく包み込む高槻は
「僕は君に、これからも傍にいてほしい」と言う。
そして、いつか尚哉のお祭りの謎を解こうと約束する。

研究室に瑠衣子がやってきた。
瑠衣子は、高槻の背中に傷があると言う。

・バーベキュー大会は「親交を深めるように」と高槻が尚哉を思い開催した。
・友達は不要だと思ってきた尚哉だが、ときには悪くないなと思い始める。
・高槻の優しさに触れ、尚哉は心が解けていく。
高槻の背中に傷について→第三章結末にて詳細あり。

第三章「神隠しの家」の結末

ストーリー

夏休み明け

依頼人:水谷はな(みずたにはな)

・女子高生。

依頼内容

・友達の松野紗雪(まつのさゆき)が神隠しに遭った。
・紗雪はすでに戻っているが、いなくなったのは2日間。
・近所の廃屋に紗雪がひとりで肝試しに行ったときに、行方不明になる。
・はなはひとりで廃屋に行くと、男性に声を掛けられた。てっきり、誰も住んでいないと思っていたが驚いたという。男性は「神隠しが起こるから気を付けて」と言ってきた。
・その後、紗雪は八王子の路上で発見される。その時の記憶がない。

高槻と尚哉ははなの案内で廃屋に行く。
近所の公園で遊んでいた男の子たちに話を聞くと「お化けがでる」と言う。
この時、高槻はガキ大将の智樹(ともき)と仲良くなる。

情報
・廃屋は、数年前に老婆が一人で住んでいた。
・息子が一人いるが、遠くに住んでいて放置状態。
・智樹は、窓越しに人魂を見た。

高槻と尚哉は廃屋に侵入することに。

事件解明

室内に入ると、何者かが大麻を栽培していたと判明。
犯人らは、人がいないことをいいことに、大麻を栽培して吸う場所として利用。
紗雪は、そこに鉢合わせをしてしまう。犯人は、紗雪に大麻を吸わせて放置した。

2人が事件を解明した時、男二人が入りこんできた。
証拠隠滅のために、家屋に火をつける、と話している。
二人は逃げることにするが、2階に追いやられていまう。さらに、その部屋には鳩がいて、高槻は気を失ってしまった。
男たちが日を点けたことで、尚哉と高槻のいる部屋に煙が入ってくる。

危機一髪。
そこにやってきたのは佐々倉。
なんとか二人は助かった。

高槻彰良の「神隠し」

尚哉は、佐々倉健司から話を聞く。

  • 高槻彰良は12歳の時に神隠しに遭った。
  • 世田谷の自宅から突然姿を消し1か月後、京都で発見された。
  • 発見時、靴を履いていなかったが足は汚れていなかった。
  • その時、背中の皮膚が二か所はぎとられていた。
  • 意識を取り戻した高槻は、鳥を異常に怖がるようになる。
  • 記憶力が異常に向上し、目の色がブルーになるようになる。
  • 高槻に記憶はない。
  • この日以来、高槻は「天狗にさらわれた」と云われ「天狗さま」と呼ばれるように。
  • 高槻の母は精神的に参ってしまい、高槻を愛せなくなってしまう。
  • のちに、父親がお金を渡し、海外の叔父のところで暮らす。
  • 日本に戻ってきてからは一人暮らしをしている。

小説【准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る】の結末

第一章「学校には何かがいる」の結末

ストーリー

10月。

依頼主:平原まりか(ひらはらまりか)

・神隠しの家で出会った調布市立第四小学校の5年生=大河原智樹(おおかわらともき)の紹介で依頼してきた。
・5年2組の担任。

依頼内容

・怪談「5年2組のロッカー」の解明。
・女子生徒がコックリさんをやったが、帰ってくれずロッカーに棲みついている。
・ロッカーが勝手に動いたりする。
・学校内で大騒ぎになっているので解明してほしい。

コックリさんをやった女子生徒は3人。

・神倉里帆(かみくらりほ)
・石井あかり(いしいあかり)
・光村杏奈(みつむらあんな)

コックリさんをしていた時、まりかも傍にいたという。

3人がコックリさんをし終えるときに、10円玉がグルグル回り「ちなつ」と示してきた。その時、ロッカーの扉が開き始めた。
女子たちは、逃げだしてしまった。

ちなつというのは、水沼千夏のことだという。
心臓が悪く手術を受けるために夏休み前に引っ越していった。
千夏は、生きているが生徒たちは怯えてしまっていた。

事件解明

コックリさんには、まりかも参加していた。
10円玉を動かしていたのはまりか。
千夏が転校した際、手紙を書こうと提案したが、誰一人として書いてこなかった。まりかは、千夏の存在を忘れてほしくなくて、コックリさんで名前を示した。
こんな大ごとになるとは思ってもいなかった、と後日談。

事件を荒立てず丸く収めるために、高槻との尚哉はコックリさんをした。
そこでは、千夏がみんなを好きでいること、またあそびたい、と伝達をしていき恐怖を取りはらった。

不思議な結末

高槻と尚哉がコックリさんをした最後の答え「またあそびたい」というのは、コックリさんの力。
ロッカーの扉も仕掛けをしていないので、偶然にして出来過ぎているという結末。

第二章「スタジオの幽霊」の結末

ストーリー

11月。
学園祭が近づいたある日。
尚哉は、研究室で町村唯(まちむらゆい)と出会う。

・町村唯
瑠衣子の後輩。修士課程2年生。
尚哉は瑠衣子と唯から「わんこくん」と呼ばれる。

**

風邪を引いた尚哉は、悪化して寝込んでしまう。
一人暮らしの尚哉を心配して高槻が見舞いにくる。
回復をした尚哉は、無事に学祭にも参加。

**

依頼人:藤谷更紗(ふじたにさらさ)
・青和大学出身の女優

依頼内容

・学祭で高槻とトークショーを行う。
・映画の撮影現場で怪異現象があり、ついに更紗は幽霊を見たという。
・撮影が怖いのでどうにかして欲しいという。

翌日。
高槻と尚哉は撮影スタジオに行く。
撮影中に、幽霊が出たと騒ぎが起こる。

その後、更紗と高槻がいるところを写真に撮り、スキャンダルにしようとするジャーナリスト飯沼から尚哉は、声を掛けられる。

尚哉は飯沼から、高槻は、貴崎産業の社長の息子で母親は元世界的プリマの高槻清花(さやか)だと聞かされる。
飯沼は、高槻の神隠し事件について知りたがる。
佐々倉に連絡をし、尚哉は難を逃れた。

事件解明

幽霊の正体は小道具の和田。
更紗はどうしてもこの映画をヒットさせたかった。幽霊騒ぎがあれば話題になる。そのために、小道具の和田と音声の浜村の協力を得て、幽霊騒動を起こした。
マネージャーの宮原も更紗のためにと、認めていた。

第三章「奇跡の子供」の結末

ストーリー

11月の終わり。

依頼人:川上由紀也(かわかみゆきや)

依頼内容

両親が「奥多摩の奇跡の少女」という新興宗教のようなものにハマっているので調べて欲しい。

「奥多摩の奇跡の少女」とは

遠足で奥多摩を訪れた小学生を乗せたバスが置く多摩湖で転落。
児童と担任、バス運転士らが死亡したが無傷で生き残った少女がいた。
その少女は、神のご加護がついていると、どこからともなく人が拝みに少女のもとに集まるように。
誰もがお金(お布施)やプレゼントなどを持参している。

少女の名は、刈谷愛菜(かりやまな)。

母(=真紀子)ひとり子ひとりの貧しい生活をしていたが「奇跡の少女」と称されるようになり「まな様」と崇拝され、家庭は裕福になっていた。

そこで、高槻と尚哉は佐々倉の運転で奥多摩に泊りがけで調査に向かい、愛菜と面会する。

・愛菜は事故のせいで口がきけなくなっていた。
・絵を描いたがそれが逆さまに描かれていた。

三人は、現場検証ののち、奥多摩湖が見渡される見はらしの丘で偶然、愛菜と出会う。この時、高槻はすべてを見抜く。

事件解明

・愛菜はバスに乗っていなかった。
・バスは、見はらしの丘で自由行動ののち出発。
・見はらしの丘で、靴を展望台の柵の向こうに落とした(おそらく、いじめに遭い、落とされた)
その靴を取ろうとしていたら、時間になってしまい、バスが発車してしまった。
(バスでは担任が声かけをすると「全員います」とクラスメートが答えたのだろう)
・バスを追う愛菜は、バスが転落するのを見ていた。
・それが原因で、見た物が逆さまに見えるようになっていた。

真紀子は気づいていたが、いじめに遭っていたことを隠すため、また、豊かな暮らしになったことで、真実を語らずにいた。
愛菜はそのせいで言葉を失っていた。

高槻が真実を告げると、愛菜は母を庇うため、鳥かご抱えて「黙れ」と叫ぶ。
高槻の説得で、真紀子はすべてを認めた。

高槻は鳥かごの中にいる文鳥のせいで気絶する。
のちに、高槻は自分の母についてを語る。

高槻の過去・補足

・神隠し事件後、天狗様と呼ばれた高槻は、母の喜ぶ顔を見たくて、相談にくる人の悩みを解決したり、失くした物をみつけてあげていた。
・しかし怖くなり、母に「僕は神様じゃない。もうやめます」と告げる。
・母はそれを受け入れることができず「あなたは一体誰なの」と訊かれる。
・以来、母は高槻の存在を認めることができず、母の中では高槻は、未だに「行方不明」のまま。
・そして、高槻は、海外に行った。

小説【准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと】の結末

第一章「不幸の手紙と呪いの暗号」の結末

ストーリー1:不幸の手紙

1月~2月。

依頼人:難波要一(なんばよういち)

・青和大学の深町尚哉の友人。

依頼内容

・バッグの中に不幸の手紙が入っていた。
(手紙には切手が貼ってなかった)
・それ以来、悪いコトが続いている。

事件解明

・悪いコトが続いていたのが偶然。難波自身が自分で「呪い」をかけた形(思い込み的なもの)
・手紙を出したのは、家庭教師をしている親戚の女の子。
・動機=密かに難波に憧れていたのに、彼女がいると知ってショックだったから。

ストーリー2: 図書館のマリエさんの呪い

依頼人:赤城柚香(あかぎゆずか)、本橋美弥(もとはしみや)

・江東区の中学生

依頼内容

「図書館のマリエさんの呪い」とは

図書館の本の中に、暗号が書き込まれている。
暗号を見たら、本を閉じて「マリエさんお忘れください」と3回唱えなければならない。
もしくは、暗号を解けばいい。
それができないとマリエが現れるという呪い伝説がある。
マリエは、図書館に通っていた女子高生で事故で死んでいる。

美弥が暗号のある本を見つけてしまい、高槻に相談。
暗号は9桁の数字。

第一章の結末

事件解明

図書館スタッフの雪村から話を聞く。

・マリエとは雪村の友人=喜多嶋茉莉江(きたじままりえ)のこと。
・当時、高校二年生の時。
・茉莉江は1つ下の後輩に告白された。
・その告白の返事をするのに、ゲームを思いつく。図書館の本に暗号を書いておき、それを彼に解いてもらうこと。
・しかし、茉莉江は事故に遭い死んでしまった。

雪村は暗号の結果がわからないままだった。
しかし、最近になって暗号の書いてある本を女の子が見つけた。
この時の雪村の説明が「マリエの呪い」として広まってしまった

せっかくだからと、高槻と尚哉が暗号の書いてある本を探し暗号を解いた。


茉莉江からのメッセージは「だいすきです」だった。

不思議な結末

暗号を探しているとき、どこからともなく絵本「ダイヤモンドのなぞ」が置いてあったこと。
「もしかしたら、茉莉江は今でも図書館にいる可能性は否定しきれない」と高槻彰良談。

**

高槻は35歳の誕生日を迎える。
前日、瑠衣子や唯がサプライズでパーティーをする。

第二章「鬼を祀る家」の結末

ストーリー

瑠衣子の両親が経営する山梨のペンションに二泊三日で旅行する。
メンバーは、高槻、尚哉、佐々倉、瑠衣子。

途中、尚哉はお土産物屋で偶然ジャーナリストの飯沼と会う。飯沼は、芸能人を追いかけてきていただけだが、相変わらず高槻のことを知りたがる。

**

ペンションで幼少期の高槻を知る霧島彩子に出会う。
会いたくもない人物だが気づかれてしまい、高槻はさりげなく嫌味を言いその場を逃れる。

高槻は海外に行くときに父親から「手切れ金」を貰ったと尚哉に告白する。

**

高槻、尚哉、佐々倉は、鬼の洞窟を観光する。
ここで事件に出くわす。

鬼の洞窟の伝説

・鬼の洞窟には鬼の首が祀られている。
・金貸しをしている鬼頭家には鬼の祠が祀られている。
・鬼頭家は人食いの家だから近づくな、といわれている。

と村人から話を聞いたあと、洞窟に入ると本当に人の骨があった。

高槻らは、鬼頭に話を聞く。
鬼頭家は、主である老人と嫁の美和子の2人暮らし。
老人の息子、美和子の夫の正臣は、東京で仕事をしている。

「昔、鬼頭家では暴れる鬼を退治。その鬼の首を滝に投げた。
その首が洞窟にたどりつき、洞窟内に収めた」
と老人から聞いた高槻らは、滝の見学に。

その滝で高槻が溺れてしまい、佐々倉と高槻につきまとっていた飯沼が助け出す。
高槻の意識が戻らず、この日は鬼頭家に泊まる。

高槻が目を覚ます。その瞳は青色。
尚哉が何度か声を掛けると、ふっといつもの高槻に戻るが、滝に落ちたことは記憶にはなかった。

事件解明

洞窟で見つかった骨は鬼頭正臣のもの。

かつて村ではよそ者は殺すという風習があった。
どの首は洞窟に。だから洞窟には近づいてはいけない。
その鬼伝説が今でも残っていた。

だから、正臣の首を洞窟に。
伝説と化してしまえばいいと考えていた。

正臣が帰省したとき、老人に東京で暮らそうと言われたが、老人は承諾できなかった。
その話をしていた時、滝に落ちて死んでしまった。
老人は、正臣がいなくなったら美和子もいなくなり一人になるのが怖くなる。
そこで、正臣の死体は洞窟に葬り、正臣生きてるように小細工をしていた。
美和子はなんとなく勘付いてはいたが、気づかぬフリをしていた。

【extra】「それはかつての日の話」の結末

ストーリー

佐々倉健司が高槻彰良と出会ってからの物語。
いいとこのお坊ちゃまである高槻と佐々倉は、小学校1年の時に出会う。
庭で剣道の練習をしていた健司に声を掛けてきたのが高槻。
学校は違うが、毎週のように高槻は健司の家にやってきた。
二人はそれ以来の関係。

小学校2年生の時、高槻の別荘に行き、森で迷子になってしまった。
健司は謎の女性と遭遇。
高槻に向かって「私の坊やよ、一緒に連れて行く」と言う女。
健司は「違う」と叫ぶ。
その時、二人は大人たちが見つけだしてくれ助けられた。

この女の姿は高槻には見えていない。
いまでも健司には謎のまま……。

小説【准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく】の結末

第一章「四時四十四分の怪」結末

ストーリー

4月。尚哉は青和大学の2年生に。
服装は相変わらずで1年生に間違えられ、難波要一にからかわれる。
二人はともに1年から引き続き、高槻の講義を受講。
今年は「現代民俗学講座1」。

この日は、「きさらぎ駅」の都市伝説をもとに異界についてを語る高槻。

きさらぎ駅の都市伝説とは

2ちゃんねるの書き込み
投稿者ははすみ。
電車に乗っているが、いつもと違う。20分も停車しない。「きさらぎ駅」という無人の駅で降りた、はすみが不思議体験をし途中で書き込みが終わる。

途中、難波要一の携帯が鳴り、高槻はさりげなく注意。
電話をかけてきたのは彼女の愛美(なるみ)。

高槻から声がかかり、尚哉は今年度もバイトをする。
**

依頼人:沢木ゆかり(さわきゆかり)

・遠山建設事務所勤務。

依頼内容

「四時四十四分の怪」の体験をしたという。

『四時四十四分の怪』とは、四時四十四分に何かをするとお化けがでるという伝説。

依頼にいたるまでの事件内容

4月4日、4時44分。
その時会社にいたのはゆかりを含めて4人。

・林(はやし)…ゆかりの先輩、契約社員、男
・村田舞衣(むらたるい)…ゆかりの同期、女
・大野(おおの)…事務担当、女

伝説を基にして遊び気分で四時四十四分の呪いを行った。
ホワイトボードに円を描き、その時刻、全員同時に円の中に左手をついた。
そのすぐ後。

1、謎のメールが4人に届く。差出人は不明。
「本文は4444」

2、翌日、4時44分。再び4人に同じメールが届く。

・本文

ゆかり、林、大野「4444」
村田だけが「444」

4日後、4時44分。
村田が階段から落ちて怪我をした。
「(見えない)誰かに足を引っ張られた」と証言。

3、それから、3日後。4時44分。メールが届く。

・本文

大野とゆかり「444」
林「44」

それから4日後、4時44分。
会社の書庫の本棚た倒れ、林が倒れる。林は無事だったが、所長の遠山宏孝(とおやまひろたか)から契約の打ち切りを言い渡された。その夜、通り魔に襲われる。

4、翌日、4時44分。メールが届く。

・本文

ゆかり「44」
大野「4」

大野は恐怖に叫びながら会社を飛び出し事故に遭う。

順番からすると次はゆかりが呪われる番。
ゆかりは怖くなり高槻に依頼した。

**

高槻と尚哉はゆかりの会社に出向き現場検証をする。
遠山と村田も立ち会う。

3日後。4時44分。

横断歩道が赤になりかかっている。信号を待つゆかり。
誰かがゆかりを突き飛ばす。
尾行をしていた深町、高槻、遠山が犯人を捕える。
実は、ゆかりを囮にして犯人をおびき寄せたのだった。

結末

事件解明

犯人は林。

・林は大野と付き合っていた。
・林は仕事ができる後輩のゆかりがリーダーになったことで妬んでいた。
・呪いのせいにして、ゆかりに危害を加えようと考えていた。
・1~3通目のメールを送ったのは林。
・後輩の村田を巻きこむ。→村田の怪我は自作自演。
・書棚はわざと倒した。
・通り魔事件は偶然のものだが怖くなりメールを送るの中止した。
・ところが、大野とゆかりにさらなるメールが届いている。
・大野は林が送っていないと知り恐怖で会社の外に飛び出し事故に遭った。

3日後。
カフェ「アン・ポエミ」に行く。

もうひとりの犯人:石田(「アン・ポエミ」の店長)

・4通目のメールを送った。
・大野を襲った。
・石田はゆかりと付き合っている。
・林と大野が店に来て、呪いのせいにしてゆかりを階段から突き落とそうと計画しているの聞いた。
・それを阻止するために、二人を怯えさせようと大野を襲いメールを送った。

遠山宏孝の秘密

事件解決後、尚哉と高槻は遠山から話を聞く。

遠山は、尚哉と同じ体験をしており、嘘が歪んで聞こえる体質だった。
高槻は、祭が行われた村についてを聞く。

「調査に行く」という高槻に遠山は
「行かない方がいい」ときつく言う。

・尚哉の変化

この頃になると、高槻や難波の存在が大きくなり、「俺、今、本当に孤独なのかな?」と思うようになる。

第二章「人魚のいる海」の結末

ストーリー

6月初め。
「江の島に人魚が出た」とニュースが流れる。

高槻は興味津々。講義の題材でも取り上げる。

**

尚哉は、遠山のアドバイスから「聞きたくはない音は聞き流すようにする訓練」をする。イヤホンを片耳だけはずし、周囲の会話を半分だけ耳に入れるようにしていた。

さらに「誰かの嘘を聞き分けることに罪悪感を覚えないこと」とのアドバイスも。
尚哉は、日々少しずつだが慣れるようにと心掛けている。

**

尚哉は高槻の叔父の渉(わたる)と中庭で偶然出会い、研究室まで案内する。

渉について。

長身でタイルもいい英国紳士。58歳。
高槻の叔父。(母の弟)
高槻は一時期、イギリスで渉と暮らしていた。
会うのは5年振り。
高槻が一番大変だった頃、傍にいた人。
渉は、この日から1週間滞在する。

**

高槻は大学の中庭で鳩を見て気を失う。
尚哉は通りがかった難波と二人で高槻をマンションまで運ぶ。

付き添う渉は、尚哉が高槻にとって近しい存在だと確認し、高槻のことを話す。

高槻を父親から預かった渉。高槻は15歳から3年間イギリスで暮らしていた。
高槻には“もうひとつの顔”があるという。

・鳥を見て気絶したときは寝息をほとんど立てない。
・気を失うと「別人の高槻」が現れる時がある。
・二重人格という徴候はない。(専門家による)

**

高槻が目を覚まし、渉と尚哉とで食事をしようとしていると、インターホンが鳴る。

父親=高槻智彰の秘書の黒木和真(くろきかずま)だ。
黒木は高槻の父親の指示で、高槻を監視している。この日は、大学構内で失神した高槻の様子を見に来たのだった。高槻がマスコミに出そうになると、高槻の父は、圧力をかけて阻止している。その手配を黒木が担当している。

**

高槻は人魚探しを計画。
健司の運転で尚哉と渉と江の島に向かうが、江の島にはトビがいるため行くことを断念。

行き先を稲村ケ崎に変更。

健司から高槻の父について聞く。

・高槻の父と祖父は、変質者にさらわれて監禁されていたと考えている。
・高槻は記憶はないが、もしかしたらと思う。自分がテレビに出ることで、犯人が気づくのではと思い、過去にテレビに出演をした。
・高槻の父は、自身の会社の保身のためもあるが、高槻の身を案じて妨害しているのでは。
・高槻に身を護るために、護身術と逮捕術を教えたのは健司。

**

海で、原田陸(はらだりく/6歳)という男の子と出会う。

その海では、1年前に自殺者が出たといわれている。その自殺者が陸の母=夕子(ゆうこ)
陸は母が人魚になったと信じている。

陸の家は、レストラン。
海野沙絵は、死んだ夕子の友達。魚屋で働いている。魚を配達する傍ら、レストランの手伝いもしている。

沙絵は、手相が得意という。
高槻の手相をみて「もっと慎重に。知らない方がいいこともある」と忠告。

陸の父から話を聞く。
陸の母の夕子は、出産して数年後、倒れてしまう。原田は看病するために店を休業するというと自殺したという。

寒い冬、海に入り沖へと泳いでいき見えなくなった。
目撃情報はあるが、亡骸は見つかっていない。

陸に真実を告げられず、沙絵が「お母さんは人魚になった」と話したのだった。

**

翌週。陸から「お母さんが来た」と高槻に電話がある。

高槻と尚哉は陸に会いに行く。

陸の話。

・真夜中、外から母の歌が聞こえた。
・朝、外に出ると鱗が落ちていた。(鱗は確かにあった)

高槻はそれが沙絵の仕業だとわかり、陸には嘘だとは伝えずに
「内緒にしておこうね」と。

あとは、父親の役目、だと原田にいい、その場を去る。


その後、沙絵に会い、高槻は
「これ以上、夢物語に証拠はいらない」とハッキリと告げる。
陸が夢と現実がわからなくなるのは危険だからだ。
沙絵は、人魚がいるというが、陸のことは承諾する。

結末

その帰り。二人は海で人魚を見る。
顔は夕子。

その足で陸の父が運営するレストランに行く。そこには、昭和初期の頃の写真がある。
浜辺で干物を作っている女性を写したもの。その遠くに浜辺を歩いている女性が写っている。それが沙絵だった。

その後、沙絵の行方はわからない。

高槻と尚哉は推察する。

人魚夕子。沙絵はそれを知っている。
人魚の肉を食べて年を取らない女性がいる「八百比丘尼の伝説」があるとしたら、沙絵は伝説の人間か。

この点については疑問のままに終わる。→のちに沙絵は再び登場する。(5巻の一章)

【extra】「それはかつての日の話2」の結末

高槻渉の物語。

20年前、渉は15歳の高槻を引き取った。(当時38歳)

渉は大学卒業と同時に、父親からお金を渡され貴崎会社との縁を切らされた。会社を継いだのは姉(彰良の母=清花)の婿(彰良の父=智彰)。
以来、ほとんど行き来はなかったが、智彰は彰良を預けたのだった。

渉はアパートを所有していて、三人の入居者(エマ、リシャール、アーナヴ)と犬二匹(ロボ、ブランカ)と暮らしていた。アパートの一室が高槻彰良の部屋になる。

この家のルールは、夕飯は皆で食べること。

彰良はいつもニコニコと笑い、素直で気立てもよく手もかからない。
智彰は彰良のことを「怖い」と言っていたが、それは嘘のようだった。

ところが、エマは「泣いたり怒ったりしないが不思議だ」という。
彰良は、寝ているとよくうなされていた。それが気になる。

9月になり、彰良は学校に通い始める。
他の子からいじめられているジョンと仲良くなる。

ある日、彰良は鳩の群れが頭上を飛ぶと同時に倒れてしまう。救急車を呼び検査をしても、異常はなかった。
心因性の失神、だと診断される。

彰良は目を開けるが、瞳の色が藍色に。
彰良は渉をみても笑わない。

「ここは、外つ国(とつくに)か?彰良は流されたのか」
「要らないものは流す。流して捨てる。ヒルコやアワシマの頃よりそう決まっている。
要らないなら、もらう。彰良は、こちらでもらう」

そう言って彰良は窓枠に飛び乗った。

渉は必死で彰良をひきずり
「要らなくない」と言った。

彰良はまばたきをすると、藍色が消え、いつもの瞳に。

その間の意識はなく
「どうしたの?」と訊いてきた。

**

ある夜、彰良がいなくなった。
渉とエマたちは必死でさがす。

彰良はジョンが本当の父親に連れ去られるのを止めるために、出かけていたのだった。
彰良がジョンの父親ともみ合うところに、渉が駆けつけ、難を逃れた。しかし、彰良は怪我を負う。

それを我慢しているのを見抜いたエマが、ココアにマシュマロを入れてさしだす。
「甘いものは心を落ち着かせる。幸せになれる。辛いときは泣いていい」
というエマ。

彰良はこの時、初めて泣いた。

「俺達は家族だ」
渉の言葉で彰良は笑顔になる。

2年後。
彰良は、日本に行く決意をする。
自分の身に何がか起こったのか、学び追及するためだった。

彰良の父はマンションを与え、不自由のない暮らしができるようにしたが、それは実家には戻るな、という意味。
家族から見放された彰良に、渉は告げる。

「辛くなったら、誰かを頼れ。どうしても駄目になったら、戻ってこい」

それから20年。
彰良は立派になっていた。

己の過去と対峙する道を選んだ彰良を渉は見守っている。

そして、いつでも帰ってこられるように、アパートの部屋は空けてあるのだった。

小説【准教授・高槻彰良の推察5 生者は語り死者は踊る】の結末

第一章「百物語の夜」の結末

ストーリー

夏。

尚哉は自分と同じ能力を持つ遠山と会う。

高槻と(青い提灯の)夏祭のあった長野の村に行く前に、遠山から話を聞くことにしたのだ。

遠山は3年くらい前に村を訪れた。過疎化が進み、人はほとんどいない。出会った老人に話をすると、祭のことを知っているのが明らかで、遠山を追い払うような態度に。

「行かない方がいい」と遠山は、尚哉に告げる。
尚哉は怖いとは思うが、真実を知りたいとも思う。
真実を知ることでちゃんと前に進める、尚哉はそう思い高槻と村に行く決意をする。

**

高槻から「百物語の会」に誘われる。

場所は大学。提案者は文学部1年の葉山(はやま)。

百物語とは…

・江戸時代に流行したか娯楽のひとつ。
・参加者全員が語り手となり聞き手となる。
・百の明かりを灯し、怪談をひとつ語るごとに、ひとつずつ明かりを消す。
・百話語り終えた後には怖いことが起こるという言い伝えがある。

その3日後、百物語が開催された。

・参加者は25人。
・町村唯、瑠衣子、難波、難波の彼女の愛美も参加。
・明かりはキャンドル型のLEDライト。

それぞれが怪異体験を話し始めるが、ほぼどれも嘘がまじっている。尚哉は歪んだ声をききながら、なんとか耐えられそうだと思っていた。

男子生徒・大石の話

大石の住むアパートには地域猫が遊びにくる。
餌を買って猫を待つ大石は、猫がいつ来てもいいように、雨戸を少しだけあけている。

大石には、三つ下の妹がいた。
ある日、妹を置いて友達と遊びに行った。
妹はひとりでボール遊びをしていて、交通事故で死んでしまった。
彼は、妹を置いていった自分のせいだと思っていた。

ある日、学校から帰るとベッドに花があった。それは、妹と喧嘩をしたとき、仲直りするのによくやっていたこと。
一輪花を摘んできて、相手が寝ている間に枕元に置く。それで相手を許して仲直りをするという二人のだけのルール。

その花は親が置いたものではなく、彼は妹が置いていったのだと思った。妹が許してくれ、自分を励ましてくれたのだと。

その話は嘘ではなく歪みはなかった。

百物語は進み、最後のひとつが終わると、室内は真っ暗に。
その時、小さな女の子の声が。「お兄ちゃん」と……。

室内に明かりがつき、葉山は録音していた音声を確認する。
確かに「お兄ちゃん」の声が録音されていた。

**

それから三日後。

大学の食堂にて。

難波から「百物語のあと後輩の大石の様子がおかしい」と聞く。
百物語の会のあと、窓に1輪の花が置いてあり、「お兄ちゃん」と声は妹の声だといっている。

**

尚哉は、その時、沙絵(人魚の話で登場)と偶然出会う。
沙絵は学食にひとりでいた。
尚哉は沙絵から高槻に「あそこには住んでいないから、捜しても無駄」と伝言を頼まれる。高槻は、ひとりで稲村が崎に行っていたのだ。

「夕子には人目につくような場所には出るなと言ってあるし、私は引っ越したから」
と沙絵。

手相を見る沙絵は「手を取る相手を間違えたから駄目だから」と尚哉に告げ、立ち去る。

結局、何者か訊ねることができなかった……。

結末

難波の話を高槻に相談。
会の主催者、葉山からも話を聞く。

百物語で聞いた「お兄ちゃん」の声は、葉山の演出。
スマホでこっそりと外にいる友人に連絡し、怪異話に見合う声をとりあげて流したというものだつた。

翌日。
尚哉と高槻は、大石のアパートに。

大石はあの声は妹だと思っている。
花も妹が、自分のことを励ますためにと置いていると信じていた。

高槻はあえて本当のことを告げなかった。
二人はアパートを出る。

その時、立石の話していた猫が現れた。
口元に花をくわえ、大石のアパートの方へ……。

花を届けていのは猫だとわかるが、大石には何も言わないことにする。

それは、高槻の優しさだと尚哉は思う。

**

尚哉は、沙絵からの伝言を高槻に。尚哉は悟る。

・おそらく沙絵は怪異の世界の人。
・だから高槻は、稲村ケ崎にひとりで行ったのだろう、と。(尚哉の身をまもるため)

第二章「死者の祭り」の結末

ストーリー

8月14日。初日。

高槻、尚哉、健司は長野旅行に。

祭のあった村について

・現在は長野市に統合されている。
・昔は小山村。
・尚哉が祭に行ったのは10年前。
・その後、尚哉は祖母の家に6年前に行っている。
・遠山が村に行ったのは3年前。
・祖母は尚哉の耳のことを知り「誰にもしゃべるな。知られないように」と忠告していた。

地元に住む尚哉の従兄の西川和也(にしかわかずや)から話を聞く。

和也は尚哉の3歳年上で市役所に勤めている。

和也の話

・山の上に神社がある。
・そこに行くには長い階段をのぼる。
・祭の日は山にのぼってはいけないという決まりがある。
・山には蛇がいるという伝説がある。→危険なので行ってはいけない、ということ。
・祖母が亡くなる前、尚哉のことを「山神様にとられた、育たないかもしれない」と話していた。

**

翌日。
旧小山村に向かう。

高槻の解釈

・山神様が奪うのは子ども。→祖母の話と祭の日に山にのぼってはいけないという伝説から。

村に入り、祖母(田原美登里)の家に行く。(もう誰も住んではいない)

そこで、中村のじいちゃんと出会う。
尚哉が小さい頃、祖母の近所に住むお世話になった老人。

じいちゃんから聞いた伝説

「人は死ぬとお山に行く。お山の下に黄泉(よみ)への入り口があり、山神様が死人を読みまで連れて行ってくれる」

この時、尚哉の耳のことがバレる。

すると
「帰れ!寄り道せずに、まっすぐに!そして今夜は早く寝ろ!」
と盆踊りの最後にオトナが子供達に言うのと同じことを言った。

**

山につき、3人で長い石段をのぼる。
神社は古く、高槻は興味を示さない。
境内の隅へと足を進めると小道があった。少し歩くと、木立に囲まれ、磐座(いわくら)がある。
注連縄は新しく手入れが行き届いている。
シマヘビが1匹、現れた。

その時、どん、どん、どどんという音が聞こえる。
音の方へ歩きだす3人。
山道を抜けると、境内が現れた。手入れが行き届き、祀られているのは「大蔵神(おおとしのかみ)」らしい。
小山村の山を越えた村は活気があった。

尚哉達が石段を下ると、声を掛けられる。お祭りの準備というので、3人は手伝う。
「お山の向こうにはお化けが出るから行くな」という言い伝えがあると聞く。

高槻はお面を用意していた。

白い狐→高槻
黒い狐→健司
赤い鬼→尚哉

ひとしきり祭を楽しみ、3人は帰ることに。
帰るには、もう一度、山を越えるなければならない。

懐中電灯で足元を照らし歩き進めると、石段の上から、下の広場に青い提灯が見える。
「ああ、やっぱり」という高槻の瞳は青色。

高槻の推論

・旧小山村では、盆踊りが毎年二つ行われていた。
・一つは、誰もが参加していた赤い提灯の盆踊り。夜8時に終了。
・子どもたちを追い払い、大人はもう一つの盆踊りの準備をする。
・もう一つの祭りは、提灯を青色に変え、お山から戻ってくる死者を迎え入れるもの。
・ルールは、死者と生者の区別なく踊るために、全員がお面をつけること。
・死者は危険な存在だと考えられ、子どもたちを追い払っていた。

・しかし、それは形だけのもの。尚哉が参加したのとは別物。
理由:形だけの祭は提灯を変えるだけ。太鼓の音が聞こえない。尚哉が参加したのは太鼓の音が聞こえた。
結論:太鼓の音に招かれなければ、異界の壁は越えられない。

**

石段の途中、尚哉は「カエッテキタ」という声を聞く。
その途端に太鼓の音が。

尚哉は石段から足をすべらせ、高槻が尚哉の手を握る。
同時に、意識が遠のく。

目を開けると白狐の面が目の前に。
高槻の声で「静かに」と白狐。

そこでは太鼓の音がし祭が行われていた。
二人して異界(もしくは現実と異界の狭間)の中に入りこんだのだ。
健司は現実の世界にいる。ここにはいない。

死者たちに見つかった尚哉と高槻。
尚哉と高槻の手が離れ、尚哉は死者に囲まれた。

危険な時「深町君」と高槻の声。
手をのばすと力強い手が尚哉の手をつかむ。
そのまま走り出す。

途中、過去の思い出が尚哉の脳裏をかすめる。
尚哉の手を引く高槻の顔は見えない。
次第に不安になる尚哉。

そのとき、後ろから声が聞こえた。
「深町ん、駄目だ!止まれ!」

手を引いているのは高槻ではない。
尚哉がそれに気づき、必死で手をふりはらうと、そのお面の男は闇に消えた。

「先生」と呼ぶが、返事がない。
闇の中を歩く尚哉は、沙絵の言葉を思い出す。

「手を取る相手を間違えたら駄目だからね」

疲れ果てた尚哉は膝をかかえてうずくまる。
孤独に生きてきた尚哉だったが、高槻や健司らの言葉を思い出す「自分は孤独じゃない」と気づく。

そして、尚哉が急に走り出したから追いかけてきたという本物の高槻に会えた。

高槻は怪我をしていた。背中の傷は相当の痛みをともなっている。
「これは本物の傷じゃない。ここは夢の中」という高槻。

二人して現生に帰ろうと、耳を澄ます。
健司の声が聞こえた。その声の方に。

途中でひょっとこ(祖父)とおかめ(祖母)に出会う。
祖母は「寿命の半分、置いていけ」と。
それが山神様の望みだと。

高槻が僕の寿命を、と言い出したとき、沙絵が現れた。
沙絵が「私の寿命をあげる」と言うと、道をふさいでいた死者たちが、道を開けた。
沙絵は不老不死。寿命を半分とられても大丈夫なのだと。

高槻はひょっとこ面に問う。
「先ほどの幻は過去の記憶そのものですか?」
ひょっとこ面は頷いた。

途端、地面が動き、二人は現生に戻る。

健司の声で目覚めた尚哉。
高槻もいた。
二人の傷は治癒していた。

健司がいうには、石段を下りている最中、いきなり尚哉が足を踏み外し、高槻が尚哉を支えようと手を伸ばした、その瞬間に、二人の姿が消えたという。

健司は一晩中、二人を探しまわったが、どこにもいない。それなのに、朝になったら、広場の隅に二人が倒れていたという。

沙絵の姿はなかった。

結末

中村のじいちゃんから青い提灯の祭の話を聞く。

過疎化し赤い提灯の祭は廃止されたが、死者が訪れる青い提灯の祭は、今なお続けている。迷い込んだ子どもは、おかしくなって戻ってきた。その子どもの多くは、自ら死を選び、オトナになることは少なかった。
二度目に呼ばれたら、死んでしまうという。

尚哉は死者に二度呼ばれた人間。
無事に帰れたのは奇跡だったのかもしれない。

その死者の世界で見た物は過去の記憶。
高槻はそこで、神隠し事件のことを追体験していた。

高槻が「帰りたい」と泣いたら「そんなに帰りたいなら、帰してやろう」と言われた。
「そして、あのひとは、大きな手で僕の頭をなでて、それから、僕の背中に」

突然、高槻は別人になり
「駄目だ、彰良。お前は思い出してはいけない。それは、約束違反だ」
と話す。

高槻の瞳は藍色。

高槻は意識を失う。
目覚めたのは、帰りの車の中。

**

高槻の記憶は消えていた。
「今日は8月14日でしょう?」と高槻。
今日は、8月16日だ。
長野で起きたことのすべてを、忘れていた。

ネタバレまとめ

・幼少期、尚哉がまぎれこんだのは死者の祭。
・二度目に訪れた祭で、死者に連れていかれそうになった。
・高槻と沙絵によって助けられた。
・異界で高槻と尚哉は過去の体験をする。
・この時、高槻は「父に殴られた」と話している。
・背中の傷について「思い出してはいけない、約束違反」と話す“もうひとりの高槻彰良”が尚哉の前に現れる。

【extra】の結末

マシュマロココアの王子様

瑠衣子の物語。

高槻がイケメンなことから、瑠衣子は友達に
「好きにならないのか」
と問われる。

瑠衣子にとって高槻は“王子様”。
キスしたいとか結婚したいとか、ではなく、ぽわんとしたまるい感じの気持ち。

瑠衣子は高槻ゼミの一期生。
同い代で院に進んだのは楢原詩織(ならはらしおり)と男子1名。
瑠衣子は高槻のもとで学べるならと、大学院進学を決めた。


瑠衣子と詩織が高槻研究室の初の院生となったときから、高槻は瑠衣子のことを「瑠衣子くん」と呼ぶようになる。(それまでは生方さん)
そして二人は高槻のことを「アキラ先生」と呼ぶ。

研究室に入り浸るようになり、高槻のことをより知ることになる。

・方向音痴
・研究室ではマシュマロ入りのココアしか飲まない。
・強面な幼馴染がいる。
・意外と子どもぽく、興奮すると理性のネジが吹っ飛ぶ。

そして、本当にびっくりするくらい優しい。

修士2年。瑠衣子は高槻の秘密を知る。

夏。

高槻と研究発表会に出かけた。
その帰り、ゲリラ豪雨に。

慌てて、雑居ビルの軒下に避難。

びしょ濡れのふたり。高槻は、スーツの上着を脱ぎ、瑠衣子にかぶせてくれた。
白いシャツから瑠衣子のブラジャーが丸見えだったからだ。

高槻は、数台のタクシーをやり過ごし1台を止めた。
高槻がタクシーを何台かやり過ごしたのは、女性ドライバーを探していたため。瑠衣子のことを思ってくれた高槻の気遣い。

この時、高槻が軒先から車道に近寄ったとき、高槻の背中が透けてみえた。
そこには傷痕が。

両方の肩甲骨の上から腰に広がっていた。
まるで翼を切られた痕のように。

瑠衣子は、高槻がどこかに行ってしまうのでは、と嫌な予感がした……。
もちろん、そんなことはなかったけれど。


そのあと、高槻は瑠衣子に「昔、ちょっと怪我をして」とだけ言った。
瑠衣子は、それ以上聞いてはいけないと思っている。

瑠衣子は高槻がどこかに行ってしまうのでは、という不安が残っている。
だから、瑠衣子にとって、高槻は「そこにいてくれればいい」存在。
それだけで、ぽわんとするのだった。

小説【准教授・高槻彰良の推察6 鏡がうつす影】の結末

第一章「お化け屋敷の幽霊」の結末

ストーリー

長野から戻って1週間。
高槻の記憶は、14日の朝。そこから全部が消えていた。
あの日以来、尚哉は高槻に会っていない。
「大丈夫」だと言った高槻が大丈夫じゃないとを感じている尚哉。

佐々倉から電話があり、高槻は長野から戻ったあと、寝込んでいたという。
この時、佐々倉は尚哉の耳のことを知っているとわかる。耳に手をあてる尚哉を不審に思い、高槻から聞いていたのだった。

佐々倉から高槻を見てきてほしと頼まれたのもあり、尚哉は高槻の家を訊ねる。

高槻は記憶にが消えている長野の夜のことを聞きたいといい、尚哉は話す。
話が真夜中の祭の段になると瞳が青くなってきた。
話が進むにつれてその色が濃くなっていく。

尚哉が話す長野の夜の一件は、高槻にとって知らない事、もうひとりの高槻も知らない事。
だから、瞳は青になる。
その証拠に、話が朝になったところまで進むと瞳の色は元に戻った。

高槻は全く覚えていにことに落胆する。
黄泉比良坂で記憶を思い出したというが、それも消えてしまった。
もう一人の高槻のことも消えている。

高槻は自分の中に、もう一人の高槻がいることを感じてはいた。
もう一人の高槻が出ている間の記憶はない。
多重人格を疑ったが、色々診療もしたが該当しなかった。

尚哉の話から高槻の導いた結論

・もう一人の高槻が、過去の記憶を消した張本人。
・それは何かの約束によるもの。
・高槻の失踪事件は、帰りたいなら帰してやろう、といった「あの人」と言ったことから、神隠しではなく何者かが関わっている、誰かにさらわれた。

尚哉は思い出す。
もう一人の高槻が言った言葉を。
「駄目だ、お前は、思い出してはいけない、それは約束違反だ」

元気のない高槻を励まそうと尚哉はオムライスを作る。
オムライスを嬉しそうに食べる高槻は、徐々に元気を取り戻した。

**

【隣のハナシ】にメール。
高槻が元気になるようにと、尚哉はその依頼を受けようと勧める。

依頼人

大木莉乃(おおきりの)
槙野愛莉(まきのあいり)

遊園地「リトルパーク」のお化け屋敷でバイトをしている大学生。

依頼内容:お化け屋敷に置いてある鏡が呪われている

詳細

リトルパークでは、夏季限定お化け屋敷を開催。
人がお化けに扮して驚かせる趣向。
今年は「呪われたA小学校」というタイトルで、メイン幽霊は、夜香(よるか)という名前の先生。
お化け屋敷の中は廃校の造りになっている。

出口にはどこが一番怖いとかを書き込めるアンケート用紙がある。
今回アンケートの中に「出口の前の廊下にある鏡が怖かった」というものが多くあった。
鏡には仕掛けがないので「怖いのはおかしい」ということに。
調べてみると、その鏡は本当に廃校になったところから持ってきたものだとわかる。
鏡を置くことを決めたのはプロデューサー。
そこでプロデューサーに会うことに。

事件解明

9月初めの土曜日。

瑠衣子、佐々倉も一緒にリトルパークに。
お化け屋敷は人気で列をなしている。並んでいる客たちは「本物の幽霊がいる」などと話している。
高槻が声を掛けると「初めて来た」という客の声が歪んだ。

4人はお化け屋敷に入り、さらにジェットコースターなどにのり、楽しい時間を過ごしたのち、プロデューサーと話をする。

プロデューサーは後藤と名乗る。
後藤は実験のために、鏡を置いたいう。

・鏡をお化け屋敷に使う効果
・鏡に映る己の顔がもたらす効果

どれも効果は薄かった。

もうひとつ狙った効果は

・嘘の噂の流布

後藤は、SNSやサクラを利用して「本物の幽霊がいる」という噂を流し客を引き入れていたのだ。

後藤は根っから「遊園地」が好きなのだ。だからみんなに楽しんでもらいたい、という思いでお化け屋敷のプロデュースもしていた。
後藤と高槻はウマが合い、一件落着。

ただし……
佐々倉は鏡に「ガキが座っている」のを見ている。
佐々倉が見たのは「体育座りをしている男の子」

それはSNSの投稿にはひとつもない姿。
これは本当の幽霊では。

結末

この日、高槻は尚哉にお願いをする。
それは、記憶を失うことになっても、そのときは、尚哉に覚えていて欲しい。そして、それを高槻に教えてほしい。ということだった。

第二章「肌に宿る顔」の結末

ストーリー

夏休みが終わった9月終わり。

高槻の講義は「ジェットババア」について。
高槻の講義を聞くひとりの男。
高槻はその人物に目をやる。スーツ姿でこの場に相応しいない。
尚哉は不思議に感じる。

講義が終わると難波が声を掛けてきた。尚哉は相変わらず地味な眼鏡をかけ、周りとは一線を引くようにはしているが、難波の存在はそこを外した関係になりつつある。
長野の件も、いつか冗談半分でも話せたらいいな、と思う。

**

高槻からメール。
尚哉は早速、研究室に。

依頼主:高槻優斗(たかつきゆうと)30歳。

・高槻の5歳下の従弟。
・高槻の母の弟=博也のひとり息子。
・講義にいたスーツ姿の男。
・高槻と優斗は20年以上会っていない。

依頼内容

・優斗は高槻の父が経営する会社グループの社長。
・縁談がもちあがり、婚約。
・その婚約者=鷹村美華子(たかむらみかこ・26歳)の右肩に人面瘡(じんめんそう)が現れたという。

病院に行くのを拒んだ美華子は
「天狗様なら何とかしてくれるはずだから」
と、高槻に話してほしいと優斗に依頼した。

美華子は、幼稚園の頃、高槻の母が主催するお茶会に来ていた。
その時の記憶から、高槻を頼ったのだった。

事件調査

優斗とともに高槻、尚哉は美華子のマンションに。
ソファのくまのぬいぐるみを美華子はぞんざいにどかした。

美華子は通訳の仕事をしている。
妹がいて、現在は、妹が留学をしてる。
高槻は、美華子の人面瘡を見てから答えを出す。

・美華子は優斗に、人面瘡が最近できて病院に行かないと言ったが、それは嘘。
・その傷はかなり前にできていて、すでに病院にも行っている。
・嘘をついた理由は、高槻に会いたかったから。

美華子は「天狗様に会いたくて」と思いを口にする。
そして、帰ろうとする高槻に、赤い鳥を見せる。

気分を悪くした高槻をかかえ、優斗と尚哉は車に。
マンションに戻り、高槻は優斗と美華子の写真を見る。

そこに、黒木が。
優斗が来ていることを咎める。
高槻の母(清花)の写真展が開催されるという知らせを持ってきた。
その写真展では高槻清花のトークショーを開催するとも。
用件は、高槻に「会場付近にづくな、会場には来るな」ということだった。

意地悪な黒木に尚哉は腹を立て、手を出しそうに。
それを止めたのが高槻。
自分のために本気になってくれる尚哉に高槻は、尚哉の髪をくしゃくしゃとする。

**

尚哉は清花のトークショー会場にこっそりと行ってしまう。
その時、ジャーナリストの飯沼と偶然会う。
トークショーの終わり、飯沼は清花に問う。
「息子さんは元気ですか?」
清花は、子ども頃に行方がわからなくなった、と答えた。

結末

美華子が行方不明だと優斗から連絡が入る。
研究室でその話を聞く尚哉。
そのとき、美華子がやってきた。

美華子には双子の妹の百合子がいる。
目の前にいるのは百合子。
ふたりは瓜二つ。
だが、百合子には生まれつき右肩にできものがあった。そのため、いじめを受けたりして、引きこもりに。
美華子は明るくおおらか。お茶会にはいつも美華子が行っていた。しかし、1度だけ、美華子のふりをして百合子が行った。そのときのことを高槻は覚えている。
そして、そのときの女の子が美華子ではないことも見抜いていた。
自分のことを見抜いた人間は高槻だけ。それ以来、百合子は高槻を想うように。

「天狗様に会いたい」という思いを募らせた百合子は、優斗を騙して高槻に会うことに成功した。
百合子は自分が美華子でないことに気づいてほしかった。


高槻は見事に見抜いたが「僕は天狗様じゃない」とキッパリ。

百合子は高槻から恋愛対象ではないと告げられると、ナイフを突きつけてきた。
高槻がその腕をねじふせ、事無きを得る。

高槻の説得で百合子は美華子の居所を教える。
百合子は、今回の計画を実行するために、別荘に美華子を監禁していた。
美華子は無事だった。

高槻が今回の入れ替いを気づくきっかけは「くまのぬいぐるみ」。
美華子はとても大切にしてたのに、百合子は、ぞんざいに扱ったから。

優斗は百合子を許し美華子と関係も良好。
結婚式の写真を送ってという高槻。
高槻は高槻家に近づいてはいけない存在。結婚式に出席することはない。

優斗は送ると約束して別れた。

高槻が天狗様と言われる経緯は2巻のチェックに記載。

第三章「紫の鏡」の結末

ストーリー

10月。

「隣のハナシ」に依頼メールが届く。

内容

依頼主:松井志穂(まついしほ)

・志穂は19歳。もうすぐ20歳。
・浅草の旅館を営む家に紫鏡がある。
・20歳までに紫鏡のことを覚えていたら死ぬという伝説におびえている。

家には「鏡のある奥の納戸には、家長以外は入ってはならない」という決まりがある。
鏡は姿見。
志穂の母は鏡を「紫鏡」と言い、母から伝説のことも教えられた。
志穂が7歳のとき、納戸に母が入るのを見た。
その後、父が納戸に入ったが母の姿はなく「このことは忘れなさい」と父に言われた。志穂は「母は鏡に消された」と思っている。

事件解明

高槻と尚哉は、納戸の扉を開けて鏡を見る。
次いで、旅館の最古参の奈津子に志穂には内緒ということで話を聞く。

・志穂の母は若い男と駆け落ちをしていた。
・納戸は、志穂の母と男の逢瀬の場だった。

**

次いで、志穂の父に話を聞く。
鏡が関係しているとわかり、見せてもらうことに。

鏡には布がかけられている。
志穂の父は「家長以外が鏡に姿を映すと、影(命、あるいは魂)を取られる」と言う。
高槻は尚哉が止めるのも聞かず、布をとってしまった。

鏡には見た事のない風景が。
鏡の中の門が開く。そこには大勢の人がいた。
その中に、志穂の母と若い男も。

門の中に立つ人々が、高槻らに向かって手をのばしてきた。
高槻の目は青く、魂が抜けたようだ。
尚哉は「先生」と叫ぶ。

その時、鏡が倒れ割れる。
高槻は、まばたきをすると意識が戻る。
割れた鏡をみて、志穂の父に謝る高槻。

志穂の父は
「これで良かった」と言う。

鏡は、祖父の代に借金のかたに取り上げた物。
「人喰いの鏡」と呼ばれていた。
志穂の父は、祖母が鏡に食われるのみたことがあった。
鏡を手に入れてから商売が繁盛したため、捨てられずにいたのだった。

志穂には、母の不倫のことは告げず「紫鏡のことを忘れなくても大丈夫」だと伝え、高槻らは旅館をあとにする。

結末

その帰り。
尚哉は、鏡を壊したのは「もう一人の高槻」だと確信する。

高槻の姿をしたもう一人の高槻は
「礼を言わなければ。あのとき彰良を黄泉から戻してくれてありがとう」
と尚哉に礼をいう。
それは鏡に吸い込まれそうな高槻を必死でとめたことを言っている。

もう一人の高槻はふっと消える。
尚哉の手を払いのけ、歩き出した高槻に
「先生」
と声をかけると、驚いた顔で高槻が振り返った。

今はいつもの高槻。
けれど、もう一人の高槻が登場したことに気づく高槻。
尚哉はお礼を言われたと告げる。

尚哉は気づく。

もう一人の高槻は、高槻を守ろうとしている。
決して敵ではない。

尚哉は、この先何があろうと、高槻の傍にいて、見届けようと覚悟を決めた。

小説【准教授・高槻彰良の推察EX】の結末

第一章 お人形あそびしましょ
第二章 わんこくんのわんこの話
第三章 俺の友達の地味メガネくん
第四章 休日は本棚を買いに

ストーリーは近日中に更新します。

小説【准教授高槻彰良の推察】の感想

【准教授高槻彰良の推察】は怪異事件の謎解きを楽しみつつ、高槻彰良のキャラも楽しめる作品です。

謎解きだけではなく、人と人の繋がりをも描いている作品。
孤独を選んで生きてきた深町尚哉が、高槻彰良に出会い、少しずつ人を信じてみたり、誰かと過ごすことが素敵だと思うようになったり。
高槻彰良もまた家族に見放された人間。親友の佐々倉健司や尚哉がとても大事な存在です。

高槻彰良×深町尚哉。
高槻彰良×佐々倉健司。

互いにいい関係であり男の友情というヤツ。というか友情を超えたモノがこの3人にはあるように感じます。人と人の大きな繋がりみたいなものでしょうか。
高槻彰良が尚哉にハグしたりするものだから「BL」との感想もあり。確かにちょっぴりBLぽいけれど。ふわふわとした高槻彰良は、子どもがそのまま大人になったみたいな不思議キャラ。かわいい男性です。

世の中には、簡単に解決できない不思議な出来事があるものです。
この先も二人は良きバディとなって、多くの怪異事件の謎を解いていくのでは。そんな二人の姿をまた拝見したいものです。

【准教授・高槻彰良の推察】原作小説とドラマ化との違いは?

ドラマは伊野尾慧さんと神宮寺勇太さんが演じる高槻彰良と深町尚哉。小説内の高槻彰良、深町尚哉のイメージにピッタリ。
深町尚哉と高槻彰良の過去や怪異事件の謎についてをどう描いていくのか、ストーリー展開が気になりますね。

【准教授・高槻彰良の推察】は、2021年8月7日から。Season1をフジテレビ「オトナの土ドラ」でSeason2はWOWOWで放送。2022年3月5日からはフジテレビ「土ドラ」で放送します。

ドラマをじっくり鑑賞して違いを見つけてみては。

ドラマ化するストーリー一覧

Season1

ドラマ回小説/ストーリー放送日
1話【准教授・高槻彰良の推察2】の第一章2021年8月7日
2話【准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき】 の第二章2021年8月14日
3話【准教授・高槻彰良の推察3】の第二章2021年8月21日
4話【准教授・高槻彰良の推察2】の第二章2021年8月28日
5話【准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき】 の第一章
【 准教授・高槻彰良の推察3】の第一章(1部)
2021年9月4日
6話【 准教授・高槻彰良の推察3】の第一章 (2部)2021年9月11日
7話【 准教授・高槻彰良の推察4】の第一章 2021年9月18日
8話 【 准教授・高槻彰良の推察5】の第二章2021年9月25日

Season2

1話【准教授・高槻彰良の推察2】の第三章2022年3月5日
2話【准教授・高槻彰良の推察5】の第一章2022年3月12日
3話
4話

Season2の放送日は地上波(フジテレビ系)の放送日です。

【准教授・高槻彰良の推察】原作小説の作者:澤村御影

澤村御影(さわむら みかげ)

小説【准教授・高槻彰良の推察】の作者は、澤村御影さん。
横浜市在住の女性です。
2016年、『憧れの作家は人間じゃありませんでした』でデビュー。
2018年、【准教授・高槻彰良の推察】の1巻となる『准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき』を発売。以降、シリーズ化に。

【准教授・高槻彰良の推察】原作・小説の一覧

タイトル出版社発売日
准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき角川文庫2018年11月22日
准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る角川文庫2019年5月24日
准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと角川文庫2019年11月21日
准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく角川文庫2020年5月22日
准教授・高槻彰良の推察5 生者は語り死者は踊る角川文庫2020年11月21日
准教授・高槻彰良の推察6 鏡がうつす影角川文庫2021年5月21日
准教授・高槻彰良の推察EX角川文庫2021年7月16日

記事内画像:カドブン公式サイト

【准教授・高槻彰良の推察】

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