TBS火曜10時ドラマ【対岸の家事~これが、私の生きる道!~】5話「子供の将来は親の責任…?」が4月29日(火曜)に放送されました。

今回は、子どもの将来への道を整えることが親の責任なのかってことよね。
悩ましいテーマだわ。

小さいうちからいろんな体験をさせたほうが良いという考えは否定しないけど。
「体験格差」って言葉が、プレッシャーになる親もいるんじゃないかな。
人はそれぞれ違うから面白いと思う。
それでは、【対岸の家事】5話の感想のまとめをお届けします。
第五話もうすぐです! https://t.co/DC550YyUFc
— 朱野帰子 5/11 文フリ東京40 こ-35 (@kaerukoakeno) April 29, 2025
【対岸の家事】5話の感想
1歳の子に習い事?
可愛い☺️🫶 https://t.co/qmwpkjiOZZ
— ももんが (@mikako_st_0324) April 29, 2025
中谷達也(ディーン・フジオカ)は娘の佳恋(五十嵐美桜)に習い事をさせようとはりきり、村上詩穂(多部未華子)と苺(永井花奈)を英語の体験教室に誘います。
まだ1歳の佳恋が日本語もこれからなのに英語教室とか、歩くのもおぼつかないのにサッカーを習わせたいなどと言う中谷の考えに、詩穂は賛同できません。

それにしても子役の子たちの演技、本当にうまいよね。
とても自然なのにツボを押さえていてすごいよ。
息がぴったりの礼子と中谷
長野礼子(江口のりこ)に誘われ、長野家、村上家、中谷家の3家族でグランピングに出かけることになりました。
長野家は、礼子と夫の量平(川西賢志郎)と息子の篤正(寿 昌磨)と星夏(吉玉帆花)。
村上家は、詩穂と夫の虎朗(一ノ瀬ワタル)と娘の苺。
そして中谷家は、中谷と妻・樹里(島袋寛子)と娘の佳恋。
礼子が中谷を誘ったのを知った詩穂は「いつの間に仲良しに」と聞くと、中谷と礼子は声をそろえて否定します。
息がぴったりの二人に突っ込む詩穂。
ディーン・フジオカさんと江口のりこさん、多部未華子さんのユーモラスな会話のリズムが楽しいシーンでした。
外面だけが良い夫への不満
グランピングから帰ってからの礼子と量平の夫婦喧嘩はとてもリアル。
視聴者から量平への不満が爆発しました。
量平は他の家族と一緒の時だけ良い顔をしてテキパキと働いていましたが、事前の準備も後片付けも礼子任せ。
普段も家事や育児は礼子が負担していて、子どもたちが病気になった時に仕事の調整で悩むのも礼子ひとりです。
遊び疲れた子どもたちを寝かしつけリビングに戻った礼子が見たのは、自分が食べた食器も洗濯物の山も放置してソファで本を読んでいる量平でした。
「俺だって疲れてんねん」
「そんな俺ばっかり責められても」
自分のことばかりで、家族のことをまるで考えていない夫。

失望した礼子が外に出て行ったことで量平は謝って翌日半休とってたけど、それくらいで反省するってことは礼子は今までよっぽど不満を言わずに我慢してたんじゃないの?
そんなにすぐに半休とれるなら、子どもが熱出した時も休んでほしいわよね。
華やかなママを演じる島袋寛子の新鮮さ
インスタと違う写真だー
ありがとうございます❣️ https://t.co/VOcxGg63LO— 島袋寛子 (@HShimabukuro) April 18, 2025
今回、詩穂と礼子の前に初めて姿を現した樹里。
サングラスをかけ華やかなオーラをまき散らす別世界の人といった佇まいでしたが、初対面の詩穂にいきなりハグするなど、気さくで話しやすい女性でした。
仕事にも自分の生き方にも自信と誇りをもっていて夫に依存することなく、むしろ中谷に対して母や姉のような包容力を感じさせます。
育児日報を読んだだけで、中谷が詩穂を怒らせているのではと察知したり、中谷が体験教室巡りをして公園に寄り付かないのは詩穂と会うのが気づまりだからではと言い当てたり、勘が鋭いようです。
夫と母(長野里美)の間にある溝もわかっていて心配しながらも今は口は出さず見守っている感じでしょうか。
洞察力豊かで肝が据わっていて実に魅力的です。
このチャーミングなバリキャリママを演じているのは島袋寛子さん。
かつて一世を風靡したダンスボーカルグループ「SPEED」のメインボーカルでした。
ドラマ全編を通して出演するのはこの【対岸の家事~これが、私の生きる道!~】が初めてだそうです。
持ち前の華やかさとまだ色のついていない演技が樹里という人物像を自由に広げているようで、魅入られました。
詩穂と中谷は同じものを抱えている
元美容師で今は専業主婦の詩穂。
厚労省のエリート官僚で今は育休中の中谷。
立場が違う、まさに対岸にいるような二人ですが、同じ子育てをしている戦友です。
そしてそれぞれの生い立ちが明らかになるにつれ、二人が抱える過去の苦しみが似ていることがわかってきました。
詩穂は中学3年生で母(紺野まひる)を亡くして以来、家事を一身に背負ってきたのに、父(緒形直人)は仕事の忙しさを理由に手伝いもせず感謝もしてくれません。
高校卒業後、黙って家を出た詩穂はそれ以来実家に帰っていないのでした。

まさにヤングケアラーだね。
高校の卒業の日「お祝いに詩穂の好きなコロッケがいいかな」と言いながら「用意しといて」はないよな。
せめておとうさんが自分で買ってきてくれたら、詩穂が家を出ることもなかったのかも。

詩穂はおとうさんを恨むだけじゃなくて、自分もおかあさんに家事をしてもらっていたことを当然だと思って感謝を伝えていなかったことを反省するのよね。
そういうところ、偉いなあ。
中谷は幼少時より母にひたすら勉強を強いられ、母の願い通り東京大学入学を果たしましたが、エリート官僚となった彼が現在実家に帰るのはお正月の2時間だけです。
4話で「許せないからです、母のことが」と言った中谷に、詩穂は「許さなくていいです」と答えました。
勉強以外させてもらえなかったことの恨み、何の思い出もないことの劣等感、喪失感。
中谷は自分ができなかったことを娘で実現させようとしているのでしょうか。
詩穂も中谷も、過去に空虚な穴のようなものがあるところ、そして親を許せないことが同じなんですね。
中谷の成長が見えてきた!
中谷さんって大人との会話に飢えてて、しほちゃんに色々話したり自分の知識を伝えたりするのが楽しいだけだから、そこを踏まえるとちょっと可愛く見えてくる。それはそれとして85%は聞き流していいよ。
#対岸の家事— あずきごはん (@komadorama) April 29, 2025
中谷がやっていることは実は自分の母親と同じでした。
良かれと思って子どもの道を歩きやすいように整えている。
それが子どものためだと信じて。
しかし、中谷は「体験できなかったこともひとつの体験でいつかは武器になるかもしれない」という詩穂の言葉に心動かされます。
ところで、カフェで詩穂と話しながら佳恋のおしりのにおいを確認しすぐ替えのオムツを取り出して交換に行くまでの流れるような一連の動作が育児に慣れてきた様子を表していて、中谷もそれを演じるディーンさんも素晴らしかったですね。
終盤、公園の砂場で転んだ佳恋に告げた「立ちなさい」という言葉は以前と同じでしたが、見守る視線が温かく、自分で起き上がった佳恋を抱きしめる中谷は愛にあふれていました。
母親からはきっと「勉強の成績」「東京大学」「国家公務員」という結果のみを評価されてきたのでしょう。
でも、中谷は詩穂と出会い、様々な立場や価値観、考え方感じ方があることを徐々に学んできたんですよね。
困ったときに助けてくれたり、真心こめた言葉で救ってくれたりする詩穂の純粋な友情が、彼を少しずつ変えてきているのでしょう。

中谷自身は気づいていないようだけど、詩穂にちょっと甘えている部分もあるよね。

彼があれこれアドバイスするのも、詩穂がちゃんと自分の話を聞いてくれるからだろうしね。
専業主婦の詩穂が子どもにあげられるもの
一緒に歩きながら見る街の風景、季節の花や艶々とした葉っぱ。
一緒に眺める、太陽の光が部屋の水槽のビー玉に反射して天井でキラキラする光の粒。
読んでもらう絵本。
一緒に公園で遊ぶひととき。
話してくれるたくさんの言葉。
自分を呼ぶ優しい声。
幼い子どもにとってかけがえのないものたち。
一緒に過ごすのは母でも父でも祖父母でも変わらないと思います。
やがて幼稚園、小学校と集団生活に入っていく子どもにとって、身近な人に愛されている実感は今後を支える根っこになることでしょう。
これから自分が生きていく世界の美しさを誰かと一緒に感じることができるのはとても幸せなことだと思います。

苺にとってはそれは詩穂。
詩穂はかけがえのないギフトを日々苺に贈っているのよね。
共働きの長野家は、経済的な余裕があることや保育園に通わせていることで子どもたちに様々な豊かさを届けているのだと思うし、仕事も家事も頑張る礼子の姿から子どもたちが学ぶことも多いでしょう。
それは中谷家も同じです。
完璧な環境を作ることが親の責任ではなく、どんな状況になってもしっかりと歩いていける力を育ててあげることが大事なのだと思いました。
公園に一家でやってきた礼子はやわらかい表情でしたね。
きっと量平とよく話し合うことができたのでしょう。
詩穂の話を静かに聞いて受け止めた礼子。
そして、「専業主婦を選んだ自分は苺からなんらかの機会を奪っているのでは」と言う詩穂を励ます言葉が、温かくて心に沁みました。
詩穂ちゃんは毎日いろんなものを苺ちゃんにあげてると思う。
苺ちゃんとずっと一緒にいるから。
詩穂ちゃんが専業主婦だから苺ちゃんにあげられてるものだってきっとある。
絶対あるよ。
レモンを与えられたらレモネードを作ろう!
母を亡くしバスケ部を途中で諦めるしかなかった詩穂は、大会に臨む仲間たちの髪を結ってあげることで皆の気持ちを落ち着かせることができて、それが美容師になるきっかけになりました。
美容師とお客として虎朗と出会い、苺が生まれ、そして今、苺の髪を可愛らしく結う毎日。
自分の過去が今の幸せにつながっているという話を詩穂がすると、中谷はひとつのことわざを呟きます。
「When life gives you lemons, make lemonade」
(人生が君にレモンを与えたらレモネードを作ればいい)

つらい経験もよいものに変えていきたいわね。
いい言葉!
これこそ生きた英語!
中谷は(母の教育虐待ではあるけれど)勉強を頑張り、そのおかげで官僚として国を支える仕事ができているし、経済的な余裕があるので今後佳恋が興味のあることを叶えてあげることができるでしょう。
できなかったことも諦めたことも、みんな今や未来に繋がっていると思えば過去を恨まなくてもよくなるかもしれません。

親は子どもの行く道を完璧に整えたいと思いがちだけどそれは無理な話なんだよね。
うまくいったことも諦めたこともみんなその人の栄養になっていくから無駄じゃない。
ただ、転んで立ち上がった時にそばに中谷パパみたいに温かく抱きしめてくれる人がいるといいなあ。
忍び寄る影
前回、詩穂を暗い表情でじっと見つめていた白山はるか(織田梨沙)。
公式の相関図には「シングルマザー」と説明があります。

詩穂に怪文書を書いたのは、はるかなのかしら。
何の恨みがあるんだろう。

「シングルマザー」という新たな立場の人物が登場したね。
詩穂と中谷のように、対岸にいるように見えて共通するものを抱いている場合もあるから、今後の展開に注目だね。
詩穂が家を出る原因になった父がそっと詩穂を見つめる姿もありました。
最初は反発し合った礼子や中谷と今は良い関係を築いている詩穂に、父、はるかという存在が忍び寄ってきています。
【対岸の家事】5話の出演者
多部未華子、江口のりこ、
ディーン・フジオカ、一ノ瀬ワタル、
島袋寛子、、織田梨沙、川西賢志郎、
永井花奈、寿 昌磨、吉玉帆花、
五十嵐美桜、萩原譲、早坂美海、
岩木樹起、長野里美、
紺野まひる(写真)、緒形直人、ほか。
【対岸の家事】5話のまとめ
第五話は原作にはないシーンが多かったのですが、グランピングに集合した登場人物たちのやりとりのすべてが、あっそうそう、こんな人たちなんだよね、という納得感があって原作者はとても楽しかったです…!#対岸の家事
— 朱野帰子 5/11 文フリ東京40 こ-35 (@kaerukoakeno) April 29, 2025
【吉玉帆花*五十嵐美桜】
火曜ドラマ「対岸の家事~これが、私の生きる道!~」第5話
#吉玉帆花:長野星夏役#五十嵐美桜:中谷佳恋役4月29日(火)22時~TBS系で放送! お楽しみに!!#対岸の家事 pic.twitter.com/SmfmRNxBc1
— テアトルアカデミー (@theatreacademy) April 29, 2025
このドラマの良さは、どんな立場の人物にも細やかで温かな視線を向けているところだと思います。
全ての登場人物に事情があり様々な気持ちがあることを丁寧に掬い取っているので、共感する視聴者が多いのでしょう。
6話の放送は5月6日(火曜)22時からです。
どうぞお楽しみに!