【さらば、佳き日】のあらすじネタバレを最終回まで!原作の“新婚夫婦”の兄妹の結末とは?
【さらば、佳き日】のあらすじネタバレを最終回まで!
山下美月・鈴木仁W主演のドラマ【さらば、佳き日】(さらば、よきひ)の原作は茜田千さんの同名コミック。
妹が恋したのは兄…。“新婚夫婦”ながら兄と妹という大きな秘密を抱えた2人の結末とは?
今回は【さらば、佳き日】ドラマと原作漫画のあらすじネタバレを紹介します。
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【さらば、佳き日】ドラマのあらすじネタバレ
【さらば、佳き日】ドラマのあらすじネタバレを最終回まで放送のつど、紹介していきます。
ドラマ第1話のあらすじネタバレ
1話放送日:2023年6月12日(月曜)23:06 -23:55
1話タイトル:「いつかもっと好きな人が現れる」
ゲスト:柳沢智也(晃の同級生)…演:青木瞭
1話のあらすじ
主人公は絵本の出版社に勤務しているドジで情けない広瀬桂一(けいいち)(鈴木仁)と、保育士として働く頼りがいがある広瀬晃(あきら)(山下美月)の2人。2人は“新婚夫婦”として新生活をスタートさせる。しかし2人には誰にも言えない秘密があった。それは兄妹であるということ。
時は6年前に遡(さかのぼ)る。晃は自身の桂一への想いに気付き始めるが、その気持ちに蓋(ふた)をして暮らしていた。そんなある日、桂一が同級生の女性を家に連れてきて、晃は複雑な気持ちになり…。誰にも言えない秘密を抱えながら生きる2人のヒューマンラブストーリー開幕!
1話のネタバレ
2023年、春――桜が舞う中、晃と桂一の2人は新しいアパートへ引っ越した。表札には大きく書かれた「広瀬」の横に「桂一」「晃」の名前が並んでおり、晃は感慨深く見つめる。ご近所さんの田中さんに「ずいぶんお若いわね。新婚さん?」と尋ねられ「そうなんです。新婚です」と答える晃。その後、2人きりになった際、「新婚さんでしょ?」と桂一は晃にキスを迫るが、照れる晃は片づけをしてごまかす。
2006年の冬、桂一が熱を出していた。母(小沢真珠)は桂一におかゆを食べさせようとするが、桂一は拒否。幼い晃は桂一に食パンの耳で作ったお菓子(通称かりんとさん)を桂一に食べさせる。
6年前。2017年の春。晃は高校生。桂一は大学生。晃は同級生の男の子について興味がないし、趣味は家事を効率的にこなすこと。友人の珠希(加藤小夏)からは「普通じゃない」と言われてしまう。来年受験だが、仕事が多忙の両親が家にいないため、家のことは全部やっている晃。脱ぎ捨てた兄・桂一の服も拾い集める。兄の汗臭い匂いの服に顔をうずめる晃。兄に料理を「美味しい。幸せ」と言われて喜ぶ晃。自分は普通じゃないと思う。
晃は桂一との2人の生活に対し不満がない。晃の心を満たすものがそこにあったから。そんなある日、桂一が大学の友人(?)で演劇サークルの岡田敦子(高月彩良)を家に連れて来た。晃は初めて兄が女性を連れてきたので、彼女なのかもと疑う。
(回想)かつて母は仲良しの晃と桂一を見かねて、「今のうちだけよ。いつか晃には桂一よりもっと好きな人が現れるわ」と言っていた。
晃は「パンケーキ食べませんか」と兄と敦子をリビングに呼ぶ。裁縫も手伝った。敦子が帰った後、晃は(敦子との時間を)邪魔したことを謝った。桂一は「手伝ってくれて助かったよ」とお礼した。
後日。晃は親友の珠希に兄が女性を連れて来た話を心配そうに話すと、珠希は「桂ちゃんにかまいすぎ」「ブラコンなんて、普通、卒業してる年齢」という。晃は普通って何?と悩む。
一方、珠希の家庭は母親が家を出て行って以来、父親がしょんぼりしている。幼馴染の牧嶋(伊藤あさひ)が(牧嶋の母が作った)肉じゃがを届けに来てくれた。牧嶋は珠希の父のことを心配した上で、「珠希もあんまり無理すんなよ」と珠希の頭をなでた。…ある日の雨が降る夕方、珠希が大学へ牧嶋を探しに行く。すると、女性に言い寄られていた牧嶋。しかし牧嶋は「俺、女、興味ないし」と誘いを断っていた。
晃が家に帰ると部屋の電気が消えていた。桂一と敦子のベッドシーンを想像してしまう晃。しかし、暗い部屋で桂一は寝ているだけだった。起きた桂一に、晃は「私って変なのかな?」と尋ね、優しくてキレイだった岡田敦子さんのようになりたいと語る。
桂一は「晃は変わらなくていい。そのままでいい」と晃の頭をなでた。
(回想)晃は幼少期、通称かりんとさんを桂一にあげたとき、「晃が作ったかりんとさん、好きだよ。大好きだよ」と言ってくれたことを思い出す。
思わず晃は「桂ちゃん、大好きだよ」と言ってしまい、ご飯作りのため部屋を出る。晃は、母が言った「いつか」はいつくるのかと泣いた。
2023年春。晃と桂一はお蕎麦を食べる。部屋には開けてない段ボールもある。そんな中、母から桂一に電話がくる。その後、桂一はスマホに耳を当て、「恥を知りなさい。妹を巻き込むんじゃないわよ」と母に叱られている。(留守電か)
桂一は洗濯機の設置をした後、晃に「次は?」とバックハグ。晃には「いつか」は待っても訪れなかった。今も好きな人は「桂ちゃんひとり」だった・・・(つづく)
1話の要点ネタバレ
- 2023年、晃と桂一の新婚生活がスタート。
- 2017年、桂一が初めて女性(彼女?)を家に連れて来た。動揺する晃は「私、変なのかな?」と悩む。
- 2017年、晃は桂一に「変わらなくていい」と言われる。晃は兄・桂一に「好きだよ」と告白。桂一の返答なし。
- 晃は幼い頃、母から桂一と別な好きな人が「いつか」できると言われてきた。しかし晃は大人になっても桂一を好きだった。
ドラマ第2話のあらすじネタバレ
2話放送日:2023年6月19日(月曜)23:06 -23:55
2話タイトル:「一番怖いものはもっと別のこと」
ゲスト:
- 松本大輝(桂一のサークルの仲間)…演:松大航也
- 近藤修二…演:イジリー岡田
- 今井慎太郎…演:眞嶋秀斗
2話のあらすじ
2023年、晃(山下美月)と桂一(鈴木仁)は兄妹であることを隠しながら新婚夫婦として穏やかな日々を送っている。二人がここまで辿りつくまでには様々なことがあった…。時は2018年夏、大学生の桂一は演劇サークルの巡業で数日間、家を空けることになった。そんな中、晃がいる浴室を不審な男に覗(のぞ)かれるという、覗きの被害を受けた。高校生の晃は気丈に振舞うが内心とても怯(おび)えていた。そんな晃を気にかけつつ、桂一は巡業に出発する。一方、晃の友人・珠希(加藤小夏)にも不穏な影が…。
2話のネタバレ
2017年夏。牧嶋剛(伊藤あさひ)は桂一が所属する演劇サークルの役者が一人骨折したから、大道具を手伝うことに。そして大道具の桂一が舞台に上がることに。
牧嶋は桂一に「なぜ演劇サークルに入ったのか?」と尋ねた。すると、桂一は向いてる気がしたという。「だって、ずっと演じてたから17年間、兄貴って役を」と桂一。その時、牧嶋は桂一が抱えてきたものに気づいて、心が痛み、桂一への本当の気持ちに気づいた。(※この時の舞台の観客席には晃がいた)
2018年夏。牧嶋は「俺もずっと演じてるよ」と思う。
晃の友人・珠希(加藤小夏)は晃に「ケーキ食べに行かない?」と誘うが、真っ直ぐ帰るという晃。実は今日、誕生日の珠希は一人でケーキを食べに行く。その途中、知人たちに囲まれ、食事に連れていかれる。その不穏な様子を牧嶋が見ていて…。
珠希はケーキに手をつけられない。飲食が無料というのが気にかかったのだ。すると、店員から呼ばれた珠希は、年配の男性・近藤修二(イジリー岡田)と外へ。するとホテルがすぐ前に!?ケーキ無料の理由はパパ活だったのだ。
しかし牧嶋が駆けつけて、近藤を追い払ってくれた。帰り、牧嶋は珠希をおぶってくれた。「変な友達には気をつけろよ。それより今日、誕生日だろ?」という牧嶋。昔、無駄に甘いケーキを食べたことを覚えていた牧嶋。
珠希の母・美津はふだん料理をしないが、誕生日だからと急にケーキを作った。クリームは硬いし、甘すぎるし、スポンジは膨らんでないし…美味しくなかった。牧嶋がすきを見て、珠希が残していたケーキを食べてくれた。それでも母は毎年、珠希のためにケーキを作った。なのに、男性と家を出て行ってしまった。
珠希は泣いた。牧嶋は珠希をおんぶしたまま「おめでとう、珠希」と言って、祝った。家につくと、父が「晃ちゃんが持ってきてくれたんだよ」と、ケーキとメッセージカードを珠希に渡す。「ちょと失敗しけどごめんね」と書いてあるので手作りだ。晃は誕生日を忘れていなかったのだ。
珠希は牧嶋と父とともにケーキを食べた。父は牧嶋に珠希と一緒になってほしいと煽った。すると牧嶋は「ないっす。俺、男が好きなんで」とカミングアウト。珠希は涙をこらえながら、やけ食いした。
のぞき被害に遭った晃を気にかけつつ、桂一は演劇サークルの地方巡業に出発する。宿まで歩いていると、父から電話が来た。そして両親が今日も家に帰って来ないと分かった桂一は…。
一方、留守番をしていた晃はおびえていた。すると玄関のドアが開いて、桂一が帰って来て、晃に抱き着く。両親が帰らないからと事情を話していると、開いたままの玄関には男=今井慎太郎(眞嶋秀斗)がいた。今井は、「手紙は読んだか。人の彼女に手を出しやがって」と桂一に襲い掛かる。
晃が殺虫剤のスプレーで今井を撃退した。そこへ珠希と牧嶋もちょうど来た。今井の浮気は勘違いだった。
晃は珠希に「今回のことで分かったことがある。一番怖いものはもっと別のことなんだって」という。そして小声で、「桂ちゃんを失うことがの方がずっと、ずっと」と言ったが、珠希には聞こえなかった。
2023年春。晃と桂一は、買い物袋を二人で持ちながら、歩いている。そこを男の子と女の子が手を繋いで笑顔で走りすぎる。男の子が大きいから兄と妹か?
桂一は晃に「子供、欲しいか?」と尋ねる。晃は「いらないよ。私は桂一ちゃんがいれば、それでいいの」と真剣な顔で言った。
2019年春。晃が引っ越すことにした。桂一は驚いて…。(つづく)
2話の要点ネタバレ
- 2017年の夏:桂一は「兄を演じている」と自覚している!
- 同年:牧嶋剛(伊藤あさひ)は桂一への恋心に気づく。
- 2018年の夏:珠希はパパ活に巻き込まれたが、牧嶋に助けられる。
- 同年:牧嶋は「男が好き」とカミングアウト。珠希は告白前に失恋する。
- 同年:嫉妬による騒動のおかげで、晃は一番怖いのは桂一を失うこと、と気づく。
- 2023年:晃は「子供はいらない」と発言。兄・桂一と一緒にいることだけを望む。
ドラマ第3話のあらすじネタバレ
3話放送日:2023年6月26日(月曜)23:06 -23:55
3話タイトル:「嘘つくとき君は笑うんだ」
ゲスト:
- 柳沢智也(晃の同級生)……演:青木瞭
3話のあらすじ
実家から遠い大学に進学することにした晃(山下美月)は、突然桂一(鈴木仁)に一人暮らしをすると告げる。驚きとショックを隠せない桂一だったが、1人になっても大丈夫なようにと、晃の指導のもと家事の特訓を受けるのだった。そんな桂一は就職活動の真っ最中。面接終わりの剛(伊藤あさひ)と2人で歩いていると下校中の高校生たちとすれ違い、彼らを見ながら高校時代を懐かしむ桂一。一方、剛が思い出す高校時代の出来事は…。
3話のネタバレ
晃はもうすぐ高校を卒業。保育士を目指している。同級生の柳沢は野球部だが、将来プロを目指しているという。高校でレギュラーも取れなかったのに…と珠希は驚く。だが、柳沢は「やり抜く」と決めていた。晃は柳沢の生き方を羨ましがる。
高校時代を懐かしむ桂一。一方、剛が思い出す高校時代の出来事は…「男性が好き」と同級生にカミングアウトした頃のこと。同級生から冗談だと思われた。その後、桂一は「男が好きっていつ分かったの?」と剛に尋ねた。剛は「信じる奴いるんだ」と驚く。そして、桂一は「好きになったら仕方ない。男でも女でも他の誰であっても…」と告げた。
晃と珠希は別々の大学に進学することで、別れを惜しむ。「珠希が隣りにいてくれたから楽しかった。高校生活が佳き日になったのは珠希のおかげ」と感謝する晃。だが、珠希も感謝していた。
・・・2017年春。珠希の母が若い男と家を出て行ったことがクラスで噂になっていた。珠希は「激ヤバだよね」と笑った。そんな珠希に対し、晃は「大丈夫? 辛い時は無理して笑わなくてないよ」と声をかけた。「笑ってない私に価値はない」という珠希に、晃は「そんなことあるわけない」と否定した。珠希は、晃に助けられた…。
夜。最後の晩餐は、桂一が食材を買うのを忘れてカップラーメン(※カップスター)を2人で食べた。晃はキャンプみたいで良い、と言った。晃の部屋は引っ越し用の段ボールだらけなので、和室に布団を敷いて寝るつもりだ。すると、桂一が「一緒に寝ていい?」と聞く。
2組の布団を並べて一緒に寝る晃と桂一。晃は明日早いからと眠ろうとするが、晃は景色が変わって寝れないらしい。修学旅行でもみんな話して寝ない…という話題になり、恋バナのことに。桂一が「晃は、好きな人とかいるの?」と尋ねる。晃は「私が誰を好きか、桂ちゃん知ってるくせに」とつぶやく。桂一は晃に触れようとするが、「ごめん、おやすみ」と言って眠る。
翌日。引っ越し業者に荷物を入れた。晃は近所の人に引っ越しの理由を聞かれて、私が小姑のように居座ったら桂一が彼女を連れてこれないから、と笑った。
桂一は「本当は引っ越したくないんじゃ?昨日から避けてるし」と尋ねる。晃は「桂ちゃんはずるいよね。私に言わせようとするし。本当のヘタレ」と怒る。
桂一には私がいないとダメだ…と晃はずっと思っていた。しかし晃は自分の方こそ、桂一がいないとダメだと気づいた。
晃「桂ちゃんがいなくなったら私はどうなってるんだろうと想像もできなくて。だから、このままじゃダメなんだよ。だって私は、一生、桂ちゃんのそばにいられるわけじゃないんだから」
別れ際。桂一は「たまには帰ってくるんだろ?」と尋ねる。晃は「そうだね。きっと帰ってくるよ」と笑顔で答えた。
その後、桂一は晃と中華まんを食べていたころを思い出す。桂一が肉まんで、晃はあんまんだ。桂一はあんまんを食べてみて甘さをかみしめる。
桂一は、晃のことなら何でも知っている。頑固で意地っ張りで責任感が強く、桂一の前では泣かない。そのくせ晃は嘘をつく時、にっこり笑う…。桂一の煮過ぎた肉じゃがを食べたときも晃は「美味しい」と笑った。そして別れ際も笑った。
桂一は「晃はもう帰って来ない」と気づいた。
晃は引っ越し先で一人、涙ぐみ「さよなら、桂ちゃん」とつぶやく。そんな時、チャイムが鳴って出ると高校時代の同級生・柳沢で…。
3話の要点ネタバレ
- 晃が大学進学を機会に引っ越すことになった。家から通えなくもないが晃は決断した。
- 晃は、兄とずっと一緒にいられないため、離れる決心をした。
- 桂一は、晃がもう帰って来ないと気づき、泣いた。
ドラマ第4話のあらすじネタバレ
4話放送日:2023年7月3日(月曜)23:06 -23:55
4話タイトル:「赤の他人になんてなれないから」
ゲスト:
- 松本大輝(桂一の大学時代の仲間)…演:松大航也
- 西田亮太(牧嶋の後輩社員)…演:金子隼也
- 柳沢智也(晃の同級生)…演:青木瞭
- 鶴村かおり…演:太田奈緒
- 佐々木幸樹(桂一の上司)…演:山崎裕太
- 黒川友則(桂一の同僚)…演:近藤雄大
4話のあらすじ
2021年秋。晃(山下美月)が大学進学を機に家を出てから2年半が経った。晃は一度も家に帰ってきていない。桂一(鈴木仁)は映像制作会社で働いている。上司から理不尽に怒られる桂一。その後、学生時代の友人・松本大輝と敦子(高月彩良)との飲み会へ。敦子は脚本コンクールに14連敗だがめげておらず、行動を起こすよう桂一の背中を押す。帰り、一人暮らしで真っ暗なはずの自宅から灯りが漏れていた。桂一は、晃が帰ってきたのかと思って急いで帰るが、家にいたのは海外にいるはずの母・奈緒美(小沢真珠)だった。奈緒美は、これからこの家に住むと言う。桂一は耐えられず家から逃げ出して、牧嶋(伊藤あさひ)のマンションへ逃げ込んで…。
4話のネタバレ
桂一は「(晃が)帰ったきた時、おかえりって言うのは俺の役目な気がして」と、実家を出ない理由を牧嶋に語る。
一方、晃は3年制の短大だから卒業準備中だ。
ある日、奈緒美からメールが届き、桂一の顔色が変わる。そこには晃が家を出た真相が書かれいて…急いで帰宅する桂一。
奈緒美は家を出る条件として今までかかった学費を全部返すように言ったという。奈緒美はそういえば家を出ないと思ったという。しかし晃はそれでも出ると言った。だから奈緒美は「もう二度と帰って来るな」と言った。そんなことを言ったのに奈緒美は楽観的で、晃と桂一は連絡を取り合っていると思っていた。けれど、桂一は晃とはこの2年半一度も連絡を取っていない。桂一は、晃の荷物を断捨離する母に怒ってしまい…。
桂一は牧嶋のマンションの前で酔いつぶれていた。後輩社員・西田とともに帰って来た牧嶋は、桂一を介抱して部屋に連れていく。西田は2人のことを見つめて…。
職場にて。桂一は上司に今日も怒られている。上司はテキトーな仕事をする桂一を「お前、空っぽだよな」と言い放つ。
後日、牧嶋の部屋で、桂一と西田がスポーツのゲームで戦う。どんくさい桂一は負けた。そして酔って眠ってしまう。西田は牧嶋の好きな人がどんなやつか見に来たのだった。友達を見る目じゃないと西田は気づいていた。「友達のままでいるつもりなんすか?辛くないすか?」と西田は問いかけた。牧嶋は答えられなかった。
牧嶋と桂一は外へ。(飲み物を買いに行った帰り?)…牧嶋は「家を出ろよ」と忠告するが、桂一は「俺、昔からこうなんだよ。何もないし、テキトーに周りに流されて…。上司にも言われたよ。俺、空っぽだってさ。空っぽと言われても、どうすればいいかわかんないよ。赤の他人になんて、どうやってもなれないし、本当に生まれ変われるなら、いっそ死んだ方が・・・」と弱音をはく。
牧嶋は桂一につかみかかり、「自分で考えて、自分で決めろ!」と言い放つ。
桂一は松本と敦子と飲み会へ。松本から「辞めてうちに来ない?」と誘われる。松本の会社は出版社だ。敦子はコンクール15連敗で落ち込んでいた。松本は紹介するから「結婚すれば?」というが、敦子は「私の人生、勝手に決めるな」と怒って帰った。
敦子は怒りをバネにできるから、松本はわざと怒らせたのだった。桂一も敦子みたいに頑張りたい。松本はサークル巡業中に家に急いで帰った時の桂一は熱かったと指摘する。桂一は親友にも前はマシだったと言われたが…。
決心した桂一は、退職届を出した。その後、カフェで母・奈緒美に会って家を出ることを告げる。奈緒美は怒って「誰がここまで育ててきたと思ってるの!」というが・・・桂一は「母さんじゃない」と反論。「ずっと俺をみていてくれていたのは・・・」と言いながら脳裏には晃の姿が。奈緒美はコップの水を桂一にぶちまけて去る。
桂一は晃のアパートを訪ねる。(※晃が引っ越したとき、引っ越し業者への書類を見た桂一は、晃の引っ越し先の住所を知った)…しかしインターホンを鳴らすことはできない。自分の道を歩いている晃と会って何を話せばいいのか分からないから。柳沢とすれ違う桂一。
晃のアパートに柳沢が鍋料理の具材を買って訪れる。ドアを開けて柳沢を迎える晃は、通りに桂一の後姿を発見。
晃は追いかけた。桂一は「人きてんだろ?邪魔してごめん。元気そうで良かった。じゃあ」と去ろうとするが、晃が桂一の後ろから「行かないで」と腕を引っ張る。晃は「なんで?なんで?」と涙をこぼした。
桂一は晃の頭をなでて「泣くなって」と慰めるが、「桂ちゃん」と繰り返す晃。桂一は晃にそっとキスをして・・・(つづく)
4話の要点ネタバレ
- 晃が実家を出て、2年半後の物語。
- 桂一は仕事が辛くて悩んでいる。晃ともこの2年半、交流なし。
- 母と喧嘩した桂一は、「死んで生まれ変わりたい」と弱音を吐く。
- 牧嶋やサークル仲間から背中を押された桂一は決心。
- 桂一は退職し、実家も出ることを決意。
- ラスト、桂一と晃が再会し、キスをする。
ドラマ第5話のあらすじネタバレ
5話放送日:2023年7月10日(月曜)23:06 -23:55
5話タイトル:「兄と妹に戻るのなら」
ゲスト:
- 松本大輝(桂一の友人)…演:松大航也
- 柳沢智也(晃の中学・高校の同級生)…演:青木瞭
- 鶴村かおり(晃の短大の友人)…演:太田奈緒
- 山田桃子(伝二の妻)…演:中島ひろ子
- 山田伝二(編集長)…演:勝村政信
5話のあらすじ
晃(山下美月)のアパート近くで倒れた桂一(鈴木仁)。目が覚めて落ち着いた桂一は晃に今の仕事を辞め、松本(松大航也)が地元で就職した出版社に欠員が出たため1人暮らしをしながらそこで働くことを伝える。すると晃は猛反対。「自分も一緒に行く」と言い出し、桂一は驚く。一方、珠希(加藤小夏)は就活が上手くいかず、晃に電話した。晃が忙しいので食事に誘えなかった。晃は「ごめん」と2階も意味深に謝る。珠希は元気がない剛(伊藤あさひ)の異変を察し、声をかける。「好きな人いるの?」と剛に尋ねたが、剛は「1人が気楽でいい」と答える。珠希は剛が桂一に特別な思いを抱いていることに気が付き始めた…。
5話のネタバレ
桂一は松本(松大航也)が勤める出版社へ。社長兼編集長の山田伝二/愛称:伝さん(勝村政信)に会っうと「明日からきて」と即採用へ。
桂一は住まいを決めていなかったが、伝二が夫婦で経営する民宿「伝屋」を紹介され、そこに住むことに。
桂一と晃は伝屋へ行き、伝二の妻・桃子(中島ひろ子)に会った。そこで晃は、新婚夫婦だと偽る。
部屋にて。晃は「キス」されたことを持ち出し、桂一に兄と妹に戻るか?夫婦ごっこをするか?選択を迫る。もし「兄と妹」を選択するのならば、「もう二度と桂ちゃんとは会いません」という晃。
晃はアパート引き払い作業などのため、一度、家に戻ることに。その期間、考えるように釘を刺す晃。こんなトンボ返りなら、なぜついて来たのか?…晃は、桂一がどんな場所で暮らすのか見たくて、ついてきたと言う。もし離れることになっても思い出せるように…。
晃は単位も足りてるし卒論も提出したから、アパートを引き払った。晃は、喫茶店で、柳沢と会った。鶴村が晃が急にいなくなったことで心配していると語る。そして、柳沢は桂一のことを兄に思えないというが…。
晃「柳沢がそう思うなら、他の人もそう思うんだろうなあ。この先もきっと」
晃のスマホにメッセージが来た。晃は「行かなきゃ」と店を出る。別れ際、柳沢が伝える…
柳沢「俺は、広瀬が幸せならそれでいい」
晃「私は幸せになれなくてもいいの。もう決めたから」
桂一からのメッセージは「いっしょに暮らそう、待ってる」だった。
晃は、たくさんの人の優しさを踏みにじって幸せになれるとは思えないし、幸せになる資格はないと覚悟している。
地方都市の駅で、「晃!」という呼び声がする。迎えにきた桂一が晃を抱きしめる。
桂一「おかえり」
晃「ただいま」
晃と桂一は微笑む。
5話の要点ネタバレ
- 晃は桂一の引っ越し先についていく。
- 晃は大家さんに「新婚夫婦」と偽る。
- 晃は桂一に、兄と妹に戻るのか、夫婦ごっこを続けるかの選択を迫る。
- 晃はアパートを引き払う。幸せになれない覚悟も決める。
- 桂一は晃との夫婦ごっこを決断した。
ドラマ第6話のあらすじネタバレ
6話放送日:2023年7月17日(月曜)23:06 -23:55
6話タイトル:「俺の嫁さんは」
ゲスト:
- 松大航也…役:松本大輝
- 金子隼也…役:西田亮太(牧嶋の後輩社員)
- 中島ひろ子…役:山田桃子
- 谷まりあ…役:帆奈
- 勝村政信…役:山田伝二
6話のあらすじ
晃(山下美月)と桂一(鈴木仁)は、地方都市で夫婦ごっこを始めた。2人は伝二(勝村政信)が経営する民宿に住まわせてもらうことに。そんな中、出版社で働き始めた桂一は、仕事で絵本作家の帆奈(谷まりあ)と出会う。帆奈は桂一のことを「弟に似てる」と言って、みつめた。一方、晃は民宿の手伝いをすることになり、近所の赤ちゃんの子守りをすることに。晃はニコニコ笑う赤ちゃんを見て、赤ちゃんを抱く晃の傍に桂一がいる場面を思い描く。その夜、晃は桂一にある提案をする…。
6話のネタバレ
夜。晃は桂一に「私と子供を作りませんか?」と提案をする…。桂一は戸惑うが、晃は「まねごとなら私たちにもできる」と迫る。しかし桂一は返事を保留にして、お風呂へ。
ある日。晃と桂一はこの街に来て初デートへ。トンネルを抜け、滝を見ながら、死んで一緒になることを思う晃。しかし、晃は生きて桂一と一緒にいたいと言い、抱き着いた。桂一は、また来ようと約束した。
桂一は、帆奈の弟が病気ですでに亡くなっていることを知る。その後。桂一は、帆奈の家に届け物をした際、ガラスのコップが割れる音がして、部屋にあがる。すると。帆奈は寝ているだけのようだ。直後、寝ぼけている帆奈は「カイト」と呼び、桂一にキスをした。あわてて帰る桂一。
夏祭りの日。桂一は、晃の浴衣姿を褒める。しかし晃は桂一が何か悩んでいると気づく。…夏祭り会場で、桂一は帆奈を見かけて、晃を置いて帆奈を追いかける。
晃は、桂一が帆奈を「魅力的な人」と伝二に話していたことを思いだし心配になる。晃は桂一のことを追うことに。
桂一は、帆奈から海斗は亡くなった弟で、白血病のため移植の検査のとき、血縁関係がないきょうだいだったと分かった。海斗は「お姉ちゃん」と一度も呼ばなかった。気持ちを抱えたまま一人で逝かせてしまった…。
桂一は、弟さんが黙っていたことを理解しつつ、「俺なら伝えてました」という。でも晃の望むもの(=子供)は与えられないのに…。
桂一は、「俺の嫁さんは血の繋がった妹なんです」と帆奈に明かす。
一方、松本は浴衣姿の晃と桂一の記念写真を、サークルの元部長・岡田敦子(高月彩良)に送る。すると、「本当に妹と仲良しだね」という返信が。(※補足:敦子は桂一の家に行った際、晃に会ったことがある)
晃は、神社の物陰で、桂一と帆奈が話しているのを目撃。そこへ子供たちがやってきて、笑顔になる桂一。
晃は短冊に「桂ちゃんとずっと夫婦でいられますように」と書いたが・・・帆奈と一緒にいる桂一が笑顔なのを見て複雑な気持ちになる。(つづく)
6話の要点ネタバレ
- 晃は桂一に子作り、または子作りのマネをしたいと提案。
- 桂一は、帆奈と出会い、同じ境遇からか、親密になっていく。
- 桂一は、晃が望む「子供」を作ってあげられないことで悩む。
- 桂一は、帆奈に妻が妹なことを告白。
- 松本は、桂一と晃が夫婦でなく兄妹だと知る。
- 晃は、帆奈といて楽しそうな桂一の姿を見て、思い悩む。
ドラマ第7話のあらすじネタバレ
7話放送日:2023年7月24日(月曜)23:06 -23:55
7話タイトル:「あんたはどこにも行かないよね」
ゲスト:
- 松大航也…役:松本大輝
- 金子隼也…役:西田亮太(牧嶋の後輩社員)
- 中島ひろ子…役:山田桃子
- 谷まりあ…役:帆奈
- 勝村政信…役:山田伝二
7話のあらすじ
夏祭り会場で晃(山下美月)とはぐれてしまった桂一(鈴木仁)は、晃を見つけられず家に帰る。すると、晃はすでに布団の中だった。翌朝、桂一が起きると晃の姿がなく、桂一の夏服を取りに行くため「家に帰る」と書かれたメモだけが残っていた。その頃、奈緒美(小沢真珠)は珠希(加藤小夏)のバイト先を訪れ、晃の居場所を尋ねるが、珠希は知らなかった。話の途中、突然倒れて入院することに。病院から連絡をもらった晃は、付き添いで来ていた珠希と再会。そして母と久しぶりに再会したが、奈緒美は桂一に会いたがった。その後、珠希は平気なふりをしている晃に寄り添い、桂一と駆け落ちしたことを知る。それでも珠希は普通に接してくれて、晃はありがたかった。
7話のネタバレ
奈緒美は夜中にパニック状態になってしまう。翌日、晃は奈緒美のお見舞いに行く。晃は「お父さんには連絡した?」と聞くが、「あの人とは縁が切れた」と明かす。晃は初耳だった。桂一も知らないと思われる。
奈緒美は結婚する気はなかったが、子供は欲しかった。身の回りや老後を任せれる人が必要だから。元夫はその点、理解してくれた。奈緒美のやりたいようにさせてくれた。「あの人たちと違って」…。あの人たちとは奈緒美の両親だ。アパレルの仕事をしたいと言ったら、両親は大反対した。両親は事故で亡くなって自由になれた。
奈緒美は夢だったアパレルの仕事に就いて、桂一が産まれ、家族に恵まれた。けれど、夫も子供もいなくなってしまった。「あんたも桂一も私なんかいなくなればいいと思ってるんでしょ?死にたくない!嫌、嫌、嫌」と泣き叫ぶ奈緒美。晃は「病気なら治るから。大丈夫」と励ます。奈緒美は「晃、あんたはどこにも行かないよね」と、すがった。
晃は、しばらく母との時間を過ごす選択をする。そのことを桂一に電話で連絡し、命に別条はないから桂一は来なくていいと告げる。桂一は「俺のところに帰ってくるんだよな?」と晃に確認するが…晃は答えられない。「また連絡する」とだけ晃は言って、電話を切る。
――1週間後。奈緒美は退院しており、晃と朝食を食べている。奈緒美は晃の料理が美味しいから「私と違って良い母親になれるわ」と告げる。複雑な心境の晃。
一方、桂一は絵本作家・帆奈(谷まりあ)の担当になる。その頃、剛(伊藤あさひ)は福岡への転勤が決まり…後輩社員・西田(金子隼也)から桂一に思いを告げるよう背中を押される。その後、剛は珠希に電話して桂一の居場所を教えてもらう。
珠希は父から母親から連絡があったと聞く。男性と別れたから「どうしても珠希に会って謝りたい」と言っているという。珠希は誕生日も連絡してくれなかったし反省してないという。珠希は家を飛び出し、川辺でひとり悩む。
帆奈の絵本のモチーフは海辺に住むきょうだいの物語だという。帆奈と弟、桂一と晃が題材だ。
奈緒美は晃に綺麗な服装をさせる。感謝する晃。実は、奈緒美は知人から晃のお見合い相手を紹介してもらっていた…。
そのころ、桂一は松本(松大航也)から「晃ちゃんは妹なんだろ?」と尋ねられる。(つづく)
7話の要点ネタバレ
- 晃は入院した母を見舞い、しばらく実家で過ごすことに。
- 剛は福岡への転勤が決まり、桂一に会うことを決める。
- 珠希は家を出て行った母と会うかの問題に向き合う。
- 桂一は絵本作家との仕事を進める。
- 桂一は友人の松本から、奥さんの晃が妹ではないか?と追及される。
ドラマ最終回(第8話)のあらすじネタバレ
話放送日:2023年7月31日(月曜)23:06 -23:55
最終回(8話)タイトル:「さらば、佳き日」
最終回(8話)のあらすじ
実家に帰ったまま戻ってこない晃(山下美月)。そんな中、大学からの友人・松本から「妹と駆け落ちしたの?」と聞かれる。桂一(鈴木仁)は「何言ってるの、まっさん。そんなことあるわけないよ」と笑ってごまかす。
一方、珠希(加藤小夏)は自分を捨てた母が会いたがってることで悩む。面接でも上手くいかない珠希は、自分の意見がなくて流されやすい。しかし柳沢(青木瞭)から選んだものを正解にすること、自由に生きることをアドバイスされて、吹っ切れる。
帆奈(谷まりあ)が完成させた絵本は、ある海辺の町の仲のいい姉弟(きょうだい)のお話。少女は老婆にそそのかされ人魚に。人間に戻れなくなり、大切な人と離れ離れになってしまう。帆奈は「この先は二人で読んで」と桂一に絵本を渡す。
桂一が晃のことで苦悩していると、剛(伊藤あさひ)が会いにきてくれた。剛は桂一に相手が男でも「好きになったら仕方ない」と高校の頃に言われ、救われたと話す。桂一は自分のことだと明かす。剛は桂一と妹の関係を知っていた。
一方、晃は母・奈緒美(小沢真珠)とホテルで食事の約束をしていた。母と二人での食事だと思っていたが、それが自分のお見合いだったことを知る晃。奈緒美は桂一とのおぞましい関係を一瞬疑ったが、晃は「何のこと?」と平静を装って否定した。
晃は「どうして私を産んだの?」と母に質問。奈緒美は「桂一のためよ」と答える。両親が死んだとき自分が孤独だったから、桂一が孤独にならないため…。その後、奈緒美が化粧室へ行っているすきに、晃はその場から立ち去る。(※晃が座っていた椅子から消えたカットとスポンサー紹介時のテロップでお見合いから「逃げだした」と判明)
桂一は正しい選択をしないといけないと思っていた。しかし剛から(世間や妹の正しさでなく)「他の誰でもなく、お前にとっての正しい答えを選べ」と叱られる。福岡県に転勤する剛は、泣きつく桂一に「お前が来い」と言う。剛は桂一の眼鏡を奪い「余計なものをみるな。一つだけ見てろ」とアドバイス。
…その後、ひとりになった剛は桂一から「一生友達でいて」と言われたことに対し、「俺は一生言えないんだよ」と泣いた。
最終回(8話)のネタバレ
桂一は深夜バスに乗り、晃を迎えにいく。車内で帆奈の絵本の続きを読む。離れ離れになった姉弟。大きな嵐の日、弟は町民を高台へ避難させた。しかし逃げ遅れた弟は暗い海に沈んで・・・
一方、晃は珠希のマンションへ会いに来て、玄関先で珠希をハグした。「あったかいなあ。大好き」と告白する晃。そして晃は笑顔で「心配しないで。帰ったら連絡する」と言い残して去った。
桂一が実家に行くと母・奈緒美と珠希がいた。晃は昨日から実家に帰宅せず、姿を消してしまったという。
桂一は晃がお見合いさせられそうになったことを聞いて、「自分のエゴのために利用して。晃のことなんてどうでもいいくせに」と怒る。奈緒美は桂一をビンタしたが、桂一は「不満なら俺だけにぶつけて!」と言って去る。
その後、桂一は「帰ったら連絡する」と晃が珠希に言っていた言葉を聞いて、晃の<帰る場所>を思い出す。珠希から「行け!ヘタレ」と背中を押された桂一が向かった先は、「また来よう」と2人で約束した滝の場所。
桂一はそこへ向かいながら、赤の他人だったら出逢うこともなかった。だから、兄と妹として生まれてきた…と考える。
桂一は、滝へと続くトンネル内で倒れていた晃を発見し、抱き寄せる。
晃「自殺すると思ったんですか?するわけないですよ。だって、私、桂ちゃんのために生まれてきたんだから。私、嬉しかったんです。だから私は、桂ちゃんといなきゃダメなんだって、やっと分かったから。妹のままだとしても」
桂一「ごめん、晃。俺は晃を妹としてみれない。…晃の気持ちが分かっていても何もあげられない」
晃「何もいらないから桂ちゃんをください」
2人は涙し、抱きあって、お互いの気持ちを確かめった。
その後、場面は旅館へ。月明りだけの薄暗い室内。浴衣を着て部屋の柱によりかかる晃。晃が見つめている先は、同じ部屋の布団に裸でうつぶせで寝ている桂一。晃は幸せそうに微笑む。(※男女の一線を越えた?あるいは、そのまね事をしたシーン?)
――2023年春。場面は1話冒頭の新居への引っ越しシーン。晃は近所の人に「新婚です」と偽る。
【帆奈の絵本の続き】暗い海の中に沈んでいく弟を、人魚が助けた。人魚はこのために人魚になったのだと言う。浜辺に打ち上げられた青年は「あれは夢?」と思いつつ、とても大事な人の名前をつぶやく。
海辺にて。絵本を読んだ桂一は「晃」とつぶやく。そして海を見ていた晃を「あきらーー」と呼ぶ。「はーい」と振り返る晃。2人は並んで歩いて行く。
(桂一のナレーション)あなたがいると私は輝ける。
(晃のナレーション)あなたがいるだけで、私は自分のことを好きになる。
2人は手をつないで歩いて行く。
(桂一と晃のナレーション)私は私の「普通」と生きていく。
(おわり)
最終回(8話)の要点ネタバレ
- 珠希は柳沢の言葉で前向きに。
- 晃はお見合いさせられそうになり逃げる。
- 桂一は、剛の助言で、自分にとっての正しい選択をしようと決める。
- 晃は、自分が桂一のために生まれてきたと知って、気持ちの整理がつく。
- 桂一は晃と再会。思いを確かめ合う。(曖昧だが、体の関係も結ぶ?)
- 晃と桂一は新居で「夫婦」として生きていく。
最終回を終えての感想・解説
原作漫画と同じく、最初の新居への引っ越しの場面に戻った最終回。
なぜ兄と妹は「新婚なんです」と偽りながら生活をしているのか?そこまでのプロセスを丁寧に描いてきたってことですね。
帆奈の絵本がキーアイテムで、メタファーになっていました。人魚が自分の存在の意味を知ったように・・・晃は「桂ちゃんのために生まれてきた」ことを知りました。そして桂一は、兄と妹だから出会えたことを悟ります。
2人の決断は、子供も望めないし、別れた場合の慰謝料や財産分与とか、遺産相続とかどうなるの?と思ってしまうのですが…まあこれは、そういうことではないですね。
2人の決断は世間的には理解されないだろうし、世間の「普通」ではないかもしれません。いや明らかに「普通」ではないです。
しかし晃と桂一が選んだ「夫婦」の道は、2人にとっての「普通」。賛同や理解はしにくいですけど、こういう人もいるんだと思って、2人の幸せを願いたい・・・私は最終回を終えて、そう思いました。
「幸せ」って、他人や世間や「普通」が決めるものではない、とも思わされました。なんだか真面目な感想になっちゃいました。ドラマを見たからって無理に教訓を得ようとしなくてもいいのですが、センシティブなテーマなので考えてしまいますね(笑)
【さらば、佳き日】原作のあらすじネタバレ
ドラマ【さらば、佳き日】原作漫画のあらすじネタバレを分かりやすく紹介していきます。
原作のあらすじ(全体)
【あらすじ】実の兄妹ながら“夫婦”生活を営む広瀬桂一(ひろせ けいいち)(演:鈴木仁)と広瀬晃(ひろせ あきら)(演:山下美月)。2人が新居へ引っ越してくる。なぜ兄と妹は新婚夫婦となったのか?過去の話へと時間軸が移動し、2人の中学・高校・大学時代、社会人時代が描かれていく。主人公の2人だけではなく、兄妹周辺の人物との関係性、仕事一筋の母親とのこと、男性同性愛者の親友、職場の同僚など、様々な人物と交流し、兄妹で恋愛関係を築くという特殊な状況でありながら社会と関わりを持つ様子が描かれていき…。
本作は兄妹間の恋愛を「禁断の愛」としてセンセーショナルに描かないことが特徴。つがいのような穏やかで、愛情溢れる関係として描かれていきます。
第1巻のあらすじネタバレ
第1巻のあらすじネタバレです。
新鋭・茜田千が贈る、心灼くヒューマンラブストーリー
ある地方都市に引っ越してきた、広瀬桂一と広瀬晃。平凡な”新婚夫婦”として新しい生活を始めたふたりは、睦まじく穏やかな日常を送っていた。しかしふたりの陰には、大きな「秘密」があった――。
第1話
現在。桂一(演:鈴木仁)と晃(演:山下美月)が新居へ引っ越してくるところから物語がスタートします。桂一は絵本の出版社に勤務。晃は保育園の先生として働いています。桂一の携帯電話に何度も着信があるのですが、桂一は取りません。相手は桂一と晃の母親・奈緒美(小沢真珠)で、「勝手に出て行くなんて」と怒っています。母は晃に結婚し子供を産んで家庭を持ってほしいと思っていました。
その後、桂一は晃に子供が欲しいかどうか尋ねます。晃は「いらない」と言い「桂ちゃんがいれば、それでいいの」と理由を答えて…。
はつゆき
桂一と晃が幼少期の話。超短編。雪が降る日、桂一が熱を出していたため、幼い晃がパン屋へ駆け込み、パンの耳のかりんとうの作り方を教わって作ってきます。戻った晃が桂一へそのりんとうを食べさせると、何も食べられなかったはずの桂一が口にするのでした。ほっこりエピソードの回です。
第2話
桂一が高校時代、晃が中学時代のお話。帰宅部の晃は共働きの両親に代わって、ヘタレな兄の世話を焼いている日々。興味があるのは家事で、いかに家事の生産性を高めるかにやりがいを感じています。
ある日、桂一が女性を連れて帰宅。母の誕生日のためにお菓子作りをしていた晃ですが、ショックを受けます。そして桂一と女性にパンケーキをふるまって、2人きりにさせず、邪魔してしまいました。
後日、晃は兄に気遣って遅く帰るとメールします。友人の珠希(加藤小夏)からは兄に構いすぎだと言われて複雑な気持ちの晃。…日が暮れた頃に帰宅すると、兄はベッドでぐっすり寝ていました。服も脱ぎ散らかしたまま。ぼさぼさ頭の兄をみた晃は髪を伸ばしたら大人になれるのかなとポツリ。桂一は「今のままでいいよ」と言います。ハッとした晃は「好きだよ、桂ちゃん」と言い、桂一も「俺も晃が好きだよ」と言ってくれて…。
嬉しくなった晃ですが、兄の服を洗濯機へ持っていき、服の匂いをかぐと、先日の女性の匂いがしました…。ぐしゃぐしゃなベッドの意味を知ってしまった晃は泣いて泣いて…。その後、晃はさらにショートカットへ。珠希から「失恋した?」と聞かれるものの否定します。晃は、ふられないから「失恋も何もない」と意味深に返答するのでした。
第3話
晃の親友・森珠希(加藤小夏)がメインの回。中学2年の春。珠希はバドミントン部を退部します。部の先輩に誘われて援助交際をさせられかけたから。球技大会で晃は活躍して人気者。珠希はイマイチ。母親が男を作って家を出て父も元気をなくしている家庭状況。それでも珠希は笑っていました。そんな珠希に晃は「無理して笑わなくていいよ」と言います。しかし笑わない自分に価値はないと珠希は思っています。
珠希は、マンションの部屋が隣りの大学生・牧嶋剛(伊藤あさひ)を頼って、大学の前へ。そこで、サッカーが得意な同級生・津田くんから声を掛けられ家に誘われます。友人もいるから、と。ためらう珠希に、津田は珠希の援助交際(未遂)の証拠画像を見せて脅す。爽やかスポーツマンの津田ですが、友人と珠希を“まわす”つもりです。
そこへ牧嶋が駆けつけて、津田のスマホを破壊。助けてくれました。牧嶋は津田の素行の悪さを知っていました。しかも今日は珠希の誕生日。いつも家で祝ってるのに。それなのに、津田と一緒なので不審がった牧嶋は、尾行してきたそうです。いつも笑顔だった珠希は「お母さん、なんで」と泣きました。
珠希の家に、晃が誕生日ケーキを持ってきてくれて、お祝いへ。珠希の父が珠希と牧嶋の仲の良さを話「剛君ならお嫁に」と言ったものだから、驚きの展開へ。牧嶋は「俺、男が好きなんで」とカミングアウト。突然の失恋に、珠希は心から笑いました。
10年後、現在。23才の珠希は父とまだ同居中。そこへ親友の晃から珠希へ誕生日を祝うお花が送られてきます。珠希は、晃がどこで何しているのか心配して…。
鶴によせて
現在。超短編。晃と桂一が、龍神が祀られる神社で待ち合わせ。一緒にあんまんを食べます。晃が鶴の折り紙を折って、神社に捧げました。桂一は担当している絵本の人魚が晃にそっくりで、好きだと言います。間接的に「好き」と言われて照れる晃は、「そういうところ嫌い」と怒るのでした。(2巻へつづく)
1巻のネタバレポイント
- 1話:晃と桂一が秘密の新婚生活を送ります。子供は作らない2人だけの家庭です。
- 2話:中学時代の晃が兄の彼女に嫉妬したり、失恋できない関係なことを自覚。
- 3話:森珠希(加藤小夏)の失恋、男性が好きな牧嶋剛(伊藤あさひ)のカミングアウト。
第2巻のあらすじネタバレ
第2巻のあらすじネタバレです。
新鋭・茜田千が贈る、心灼くヒューマンラブストーリー
新婚夫婦と偽って生活する桂一と晃。何故ふたりは「夫婦」になったのか、兄妹の過去をたどる第2巻。
第4話
桂一と牧嶋剛の高校時代。2人は3年D組で同じクラス。牧嶋は高校1年の冬、高2の女子から告白をされたので、「俺、男が好き」と周囲にカミングアウト。しかしみんなは「ネタ」だと思います。そんな中、桂一だけは本気にしてくれました。以来、牧嶋は桂一に好感を持ち仲良くなります。けれど特別な感情はない…はずでした。
桂一は演劇部の所属で大道具係。活動ラストとなる文化祭へ。しかし役者が骨折したため、桂一も舞台へ上がることに。空手部を引退した牧嶋が大道具係を手伝うことになります。ある日、桂一は「いつから男が好き」と気づいたのか質問。牧嶋は覚えてないと返答。
文化祭の当日。牧嶋はなぜ演劇部に入ったのかと質問。桂一は「15年ずっと兄という役を演じてるから」芝居が向いてると思ったと返答。桂一は眼鏡なし・コンタクトなしで舞台へ。その目線の先は、観客の晃。牧嶋は桂一に特別な感情なんてなかったはずなのに、なぜか胸が痛みます。(※解説:牧嶋の嫉妬と、桂一への感情を知った瞬間です)
第5話
時代は、桂一が大学1年生で、晃が高校1年生の夏休み。桂一が児童演劇サークルの保育園をめぐる東北巡業へと電車で向かうことに。そんな中、晃がお風呂に入ろうとすると窓から覗(のぞ)く人物を発見。
一方、山形県で合宿中野の牧嶋は親から変な手紙が実家に来てると連絡が!?(※解説:牧嶋は大学から上京し、桂一とは離れ離れ。桂一や晃の家は神奈川県にあるもよう。またサークル仲間に晃という妹が覗き被害に遭ったことを伝えており、これは伏線になっています)
いよいよ桂一が東北へ出発。電車内で、父から電話が来て、両親とも帰国できないと晃にメールしていたことが判明。晃は友人の森珠希が宿泊に来てくれるからと黙っていたのです。しかし、晃を心配した桂一が急きょ帰宅し、晃を抱きしめる。直後、事件が発生。若い男が訪ねてきて、「牧嶋はどこだ!」と桂一につかみかかる。晃が害虫駆除のスプレーで男を撃退!逃げた男をちょうど訪ねてきた珠希が(牧嶋に習った技で)撃退!
翌日、桂一、晃、珠希、牧嶋が4人で夏祭りへ。犯人の男は、牧嶋にかつて告白した女子の彼氏。彼女を取られると勘違いしての逆恨みした犯行でした。晃は一番怖いのは桂一を失うこと、と気づくのでした。(牧嶋が珠希にはかなわないと実感もします)
あこがれ
晃が高校の修学旅行で京都へ。そこで中学の同級生の柳沢と再会。晃は落ち葉拾いをしているとき、小さな子供に綺麗な落ち葉をもらった。晃は保母さんへのあこがれを語る。柳沢の夢はプロ野球選手だが、森珠希が「無理無理」と全否定。柳沢は自分でも「やりたい」ことと「なれる」ことは違うと分かってはいるが、「気が済むまでやる」と決めていた。柳沢の言葉にハッとした表情の晃。
第6話
晃、高校卒業後の春。晃が大学入学を数日後に控えた春の日。晃は保育の資格取得のため珠希とは違う大学へ進むことに。ある日、実家を出て1人暮らしをするために両親の許可をもらったものの、桂一には言わず、こっそりと準備を進めていた晃。そして直前になって、「来週には引っ越す」とを桂一に告げます。
晃の荷物が引っ越し業者に運ばれた夜。晃のベッドが運ばれたため、居間に布団をしいて寝ることに。すると、桂一も晃の横に布団をしいて寝ます。修学旅行の夜の話になり、桂一が「好きな人いるの?」と聞くと、「知ってるくせに」と晃。
翌日。晃は桂一の世話ばかりしてきたが、「佳ちゃんがいないとダメなのは私」と告げる。だからこそ離れた方がいいと決めたのだ。(兄妹だから)一生一緒にいられるわけではないから。
駅のホーム。桂一がまた帰ってくるのか?と聞くと、笑顔で「帰ってくる」と答える晃。帰り道、桂一は嘘をつくとき晃が笑うことを思い出し、泣いた…。(3巻へつづく)
2巻のネタバレポイント
- 4話:牧嶋剛の視点でのエピソード。牧嶋は文化祭で桂一への特別な感情に気づきます。桂一が兄の役を演じていたことを自覚してい点も重要ポイント。
- 5話:のぞき被害を通して、晃が兄の大切さを実感する回。
- あこがれ:晃は、修学旅行先の京都で再会した友人·柳沢の影響で、保育士になる決心をします。
- 6話:晃が進学を機に実家を出ていきます。兄妹の切ない別れの回です。
第3巻のあらすじネタバレ
第3巻のあらすじネタバレです。
「僕の妻は妹でした」新鋭・茜田千が贈る、心灼くヒューマンラブストーリー
いつもそこにいた君が、今はもういない。
大学進学を機に晃が家を出てしまったことで、日々の中に埋めきれない虚ろさを感じていた桂一。
そんな中、仕事で家を空けていた母が帰国し、母の言葉に桂一は晃が家を出ていった意味を考える。
堪えようのない想いに、桂一が出した答えは――。
第7話
桂一が就職して3年目。晃は3年制の短大の3年生で卒業へ準備中。
桂一は、家を出たまま音信不通の晃を気にかけつつ、パワハラが横行する職場へ実家から1時間半かけて通勤を続けていました。ある日、帰宅した桂一を迎えたのは母親(演:小沢真珠)。バイヤーのため海外で活動し、滅多に帰宅しない母親ですが、広報に異動となったことで帰国し、自宅での生活を再開します。
しかし、桂一は毎日母親が家にいる生活に馴染めません。そこで牧嶋の家に居候させてもらうことに。牧嶋が「なぜ実家を出ないのか」問うと、もしも晃が帰って来たときに「おかえり」と言うためでした。そんな中、母から「晃みたいに」帰らない気なのか?とメールをもらった桂一は…。
第8話
桂一は晃が家を出る決断をした時、母親が晃に「好きにすれば?その代わり、今までの学費を返して」と言って、追い詰めていたことを知ります。母親は条件を出せばやめると思って言ったようですし、本気でお金を受け取る気はないと言いますが…。
桂一は母の仕打ちがショックで自暴自棄になって酔っ払い、道端で寝込んでいるところ、牧嶋と牧嶋の後輩・西田に見つかりました。西田は牧嶋の家に行く予定でしたが、牧嶋の桂一への視線に気づき、気をきかせて帰ります。
その後、桂一・牧嶋・西田の卓球対決などを経て…。
何に対しても投げやりで「(晃とは)赤の他人になれない」「いっそ生まれ変わりたい」と言う桂一。牧嶋剛は桂一につかみかかり、激しく怒ります。自分から動かないで甘えてるだけ、と…。
牧嶋は「二度と顔を見せるな」と桂一を自宅から追い出しました。
第9話
短大生の晃はインタ―ンの職場で雇ってもらえることに。森珠希はこれから就活に入る段階です。話の流れで実家を出るかどうかに。
珠希の母は不倫して家を出ました。その時、父がすごく落ち込んだから、父を置いて家を出るのはしたくないと思っています。珠希は誰にも言えない関係は幸せになれないと母を断罪。
しかし珠希は「本当にそうなのだろうか?」と疑問に思います。
一方、桂一は職場の仮眠室に泊まりむ日々。そんな中、大学のサークルで一緒だった松下から電話で、こっちで仕事の募集があると誘われます。松下はいつでも辞めれるやめれると思ったら楽になれると言いますが…。
その後、大学サークルのキョンちゃんの結婚を祝う同窓会へ。そこで部長が脚本コンクールへの応募を諦めかけます。すると男の先輩が「結婚してやる」からやめていい、とわざと怒らせました。
その先輩は、桂一にサークルの夏合宿の時になりふり構わず家に帰った時はお前もスイッチ入ったと言います。
桂一はついに「動く」ことにし、転職しようと決めました。さらに職場で部下が撮影した大学の文化祭の映像の中に晃の姿を見つけます。上司の声かけにも「黙れ」とシャットダウンするほど、桂一は真剣に晃の映像を見つめるのでした。
第10話
桂一は会社を辞めた後、引っ越しを決め、荷物を運び出します。その後、喫茶店に母親を呼びだして「もう家に帰らない」と報告。すると、逆上した母親から水をかけられてしまいます。
桂一は音信不通になったままの晃を探すため、大学へ。すると、晃の姿を発見するも思わず隠れてしまう桂一。その後、尾行して、晃の住むアパートを突き止め、職場の保育園での晃の様子も遠くから見届けます。
桂一は「俺も好きだった」と一言、伝えたかったので・・・ネットカフェでひと眠りした後、風邪っぽい中、夜、晃のアパートへ。すると、晃の部屋に若い男性が訪れるのを目撃!
桂一が階段に隠れて、落ち込み、「晃」とつぶやきます。すると、「呼びました?」と晃がやって来て、2人は再会し…。
番外編
晃が幼稚園時代に作っていた「パンの耳のかりんとう」についてのお話。別名、小人のたきぎ。桂一が絵本に出てきた小人サイズの薪(たきぎ)に似てると言ったから名付けられました。寒くなると食べなくなる、晃の思い出の一品。
3巻のネタバレポイント
- 7話:通勤に時間がかかるのに桂一が実家を出ない理由が明かされます。それは晃のためでした。
- 8話:桂一は晃が追い詰められていた事実を知って自暴自棄になります。「死んで生まれ変わりたい」と言ってはいけないことも親友・牧嶋に言ってしまい激怒されます。
- 9話:桂一が転職を決意するまでの回。
- 10話:桂一が家を出て、晃と再会を果たす回。
第4巻のあらすじネタバレ
第4巻のあらすじネタバレです。
さよならとふりかけた手を彼女が取って、終わるはずだった恋が続いていく
兄妹ながら夫婦を偽って生活する桂一と晃。二人が『夫婦』になった経緯に迫る第4巻。
第11話
桂一は、晃の住むアパートを訪ね、念願の再会を果たします。しかし桂一はお邪魔かと思って帰ろうしますが、晃が桂一に泣いて抱き着いて「行かないで」と引き止めました。桂一は、晃への思いが溢れてキスしてしまいます。(車のライトに照らされたからかキスシーンはハッキリ映ってはいません)
直後、桂一は熱のため倒れ込んでしまいました。晃に介抱され、意識を取り戻した桂一。あの若い男は彼氏ではなく友人だったそう。桂一は仕事を辞めて家を出た事を報告。福井県(実際は富山。福井は桂一の勘違い)にいる友人の松本の会社を訪ねてみようと思っていることを晃に話すと、晃は「ダメ」と猛反対。しかし桂一の決意が固いと感じた晃は、一緒について行くことに決めました。
第12話
森珠希の視点の回。就活中の珠希ですが、あけおめの挨拶以来の電話を晃にします。初詣に誘うも、晃に断られ、「珠希、ごめんね」と言われました。(解説:実は初詣に行けないから謝っただけではありません。晃は逃避行をするからです)
珠希の父は何か珠希に言いたそうですが言えません。珠希は父に恋人がいるのかと疑います。
お隣の牧嶋と話す珠希。牧嶋は気楽だから一人でいいと言います。
大学の女友達との会話でも、乗れない珠希。男性恐怖症や同性愛を疑われますが「1人が気楽」と返答。しかし友人から「片思いこじらせてる?」と聞かれ、図星の珠希。
珠希は色々と考えてしまい、晃の携帯に電話すると・・・「現在使われておりません」との音声が!
第13話
晃が「桂ちゃんと行く」と宣言した10日後。晃と桂一は富山県へ向かいました(※)。電車の車内販売で爆買いする晃を見た桂一は、新しいスーパーマーケットを見つけてはしゃいだ時の晃を思い出した。
※補足:福井県ではなく、ハッキリ富山に到着したことが劇中で明示されています。2人の逃避行先を福井とするサイトもありますが間違い。松本の実家が福井だったかな?と言った桂一の勘違いです
桂一の大学時代の友人・松本の勤める出版社を訪れる。しかし松本は桂一が本当に来てビックリ。松本は伝(でん)さんこと、社長兼編集長の伝司(ただもり)を紹介する。すると、中途採用の募集はすでに締め切ったと告げられてしまいます。
しかし伝司から縁があるかもしれないからと、しばらく観光でもして残ったらどうか?と勧められました。そして桂一は、晃と一緒に伝司から紹介されたレストハウス「伝屋」へと向かうことに。そこは、伝司の双子の弟·伝二(でんじ)が夫婦で経営している宿。夫婦は桂一たちを温かく迎えてくれましたが、2人との関係を不倫による逃避行と誤解されそうに。松本も伝二と同じく不倫関係だと思っていました。
桂一が慌てて訂正しようとすると、晃が「家族です。私達は夫婦なんです」と説明。(補足:見開き1ページ、つまり左右2ページ分を使ってこのシーンを描写。それだけ重要な発言だという意味でしょう)
晃が書いた宿帳の名前は「広瀬 桂一 /晃」と記されていて…。
第14話
晃が桂一と「夫婦」と言ったことで、信じた伝二夫妻や松本。
驚いた桂一に、晃は謝ります。晃は苗字が同じだから説明が面倒だし、誰も知らない町だから夫婦でいいんじゃないかと思ったと苦しい説明。「キスしたくせに」という晃。確信犯です。
晃は、桂一に「決めてほしい」と迫ります。このまま夫婦ごっこをして暮らしていくか、「冗談でした」と正体を明かして兄妹を選択して2度と会わないか…の究極の選択を。
晃は一度、東京に戻って色々と片付けにいきます。では、なぜついて来たのか。桂一がどこで何をしているか離れていても思い出せるように、でした。
晃は東京に行き、アパートを解約し、卒業後の就職も決まっていた保育園にも頭を下げて内定辞退を申し入れ、大学に行って教授と相談して単位は足りているから卒論を提出して卒業証書は郵送してもらう手続きをします。
晃は大学の先輩から心配されますが、先輩からどこに行こうが「幸せならいい」と言われました。けれど「私の幸せはいいんです」と答える晃。直後、桂一からのメールで【一緒に暮らそう】と連絡があり、晃は富山に帰ります。
4巻のネタバレポイント
- 11話:桂一と晃が北陸に行くことを決める回。
- 12話:森珠希の恋のこじらせ回。そして晃が珠希との連絡を断つ回。
- 13話:桂一と晃が富山へ。そして夫婦と偽る衝撃ラスト。
- 14話:桂一が晃と夫婦として暮らすことを決断。
第5巻のあらすじネタバレ
第5巻のあらすじネタバレです。
行ってしまったのは 「友」か、それとも。
北陸の地で「夫婦」としての暮らしを積み重ねる桂一と晃。 それでも兄妹としてのしがらみは、静かに二人に迫っていく……。待望の第5巻。
第15話
桂一と晃は富山県にある宿「伝屋」(でんや)に住むことになりました。厳しい冬を越え、季節は春に。
桂一は「伝屋」の主人が経営する本屋で働いています。自転車(※)での本の配達のついでに便利屋のような仕事もすることも多い日々。(※補足:桂一は運転免許を持っていません)
一方、晃は昼は定食屋でバイトし、夕方からは宿でお客さんの対応をしています。
桂一は、大学生の浩太郎にやきもちを焼いて、晃に「お前かわいいんだから気をつけなきゃ」と言います。晃はお風呂場に駆け込み、隠れて喜びました。
桂一は携帯メールに、この土地なら正しいことじゃなくても自由に生きていける気がする…と打ちます。そして晃がUFOが見えるというので、桂一が携帯で動画を撮って…。そのころ、「伝屋」の主人が経営する本屋にとある女性が訪れて本棚の本を買い占めて…!?
第16話
晃は桂一の髪の毛をカットする。そして「子作りしませんか?」と尋ねるが、冗談だと笑う。けれど、晃は「まね事なら」というが・・・桂一はその場から逃げる。その後、晃は赤ちゃんのお世話をしているとき、自分と桂ちゃんの子どもはどんな子だろうと想像するくらいは許されるだろうかと思う。
桂一は、本棚を買い占めた女性の家へ大量の本を、浩太郎が運転する車で配達へ。彼女は画家なのか絵の具で汚れていた。部屋の中まで本を運ぶと、彼女とぶつかって倒れ込む桂一。そこに彼女が覆いかぶさる感じだが、彼女は泣いていて・・・。
第17話
桂一の配達先の女性・ハンナの涙は、コンタクトレンズの痛みからでした。(人騒がせな!笑)
ハンナは母親が日本人で、幼少期は日本で暮らしていたという。ハンナは絵を描くこと以外ダメダメな姉で、優秀な弟にいつも助けられてきたという。
桂一と晃は、電車で海へデートに行きます。地名は「天晴」で有名な海岸です。※補足:雨晴(あまはらし)海岸(富山県高岡市)のこと?
妹の晃は、実家の目の前が海だったから、海が「自分の一部」だったことを実感。自分と不可分な海は、なくても困らないがそばにあると癒される、自分の家のようだったと語る晃。(※補足:それはまるでずっと隣にいた兄・桂一の事を言っているかのような場面です)
桂一と晃は知らないおじさんから有名な岩を案内してもらいます。それはお武家さんが雨宿りしたと伝わる岩。その岩の穴からのぞく景色が絶景なのです。(※解説:源義経が奥州へ落ちのびる途中、にわか雨が晴れるのを待ったという「義経岩」のことか?)
とやま観光ナビより
桂一はおじさんがひとけのない場所に連れて行くから殺されるかもと怖がっていました。でも親切な人だったと分かり一安心。晃はビビりの桂一をからかいますが、桂一に抱き着いて謝ります。そして、2人は「また冬に一緒に来よう」と約束するのでした。(※補足:この約束は覚えておいてください。のちのち登場します。私は忘れてたので、晃の逃亡先が分からなかったので 笑)
そのころ、ハンナは古本屋を訪れて、桂一が既婚者だと聞きます。さらに、桂一が忘れていったスマホを見つけて触り、牧嶋宛ての下書きメールを間違って送信してしまいます。(※解説:本当に間違って送信したもよう。そもそも人のスマホをいじるのはNGですよ 笑)
第18話
桂一の親友・牧嶋剛(伊藤あさひ)視点の回です。牧嶋は(第8話で)「もう頼るな」と突き放して以来、桂一と会っておらず、元気がありません。セフレがいますが、どうも気分が晴れない日々。
牧嶋は、(第8話で喧嘩した)あのとき、桂一が死ぬかもしれないと思っていました。妹との関係が行き着く先を憂いて、苦しさに耐えかねて…。
ある日、牧嶋のスマホに桂一からのメールが届きます。本文はなし。しかし添付ファイルの動画からは桂一の声が聞こえました。UFOを撮影しているもよう。牧嶋は桂一とまた話したいと寂しさを募らせるのでした。
5巻のネタバレポイント
- 15話:春。桂一と晃の富山での近況報告。
- 16話:晃が桂一の髪を切るなど仲睦まじい様子。晃は桂一との子作りをほのめかす。
- 17話:晃と桂一が海岸デートへ。
- 18話:牧嶋のスマホに桂一から意味不明のメールがくる。
第6巻のあらすじネタバレ
第6巻のあらすじネタバレです。
かささぎの翼でも きっとあなたには 届かない。
桂一と晃が富山で迎える初めての夏。不意に落とされたハンナから桂一へのキスが、 晃たちの関係にゆらゆらと波紋を広げていく――。波瀾の第6巻。
第19話
晃の親友・森珠希(加藤小夏)がメインの回。晃と音信不通になって五ヶ月が過ぎています。珠希は就活中ですが内定ゼロ。
そんな時、中学で部活で使っていたタオルを見つけて、中学時代の晃との出会いを思い出します。それは中1の時、初めての授業参観。父がギリギリに教室に来て、しかも前の扉を開けたものだから恥ずかしがった珠希。
珠希は父が校舎を見て回ったから遅くなったのだと知ります。迷ってしまった父に教室の場所を教えてくれたのが日直の晃でした。珠希は晃に感謝を伝えつつ、家で仕事してるからめったに外出しなくて方向音痴と言い訳。家でのかっこうが「だらしない」と苦笑する珠希。しかし「そんなこと言ったら可哀想だよ」と晃。晃は、珠希の父が校舎を回っていたのは娘が見ていた景色が見たかったから、優しいお父さんだよと教えてくれました。以降、珠希は凛とした晃に関心を持ちました。
そんな中、突然、父親から珠希の母からの連絡があったと聞かされます。しかも、珠希の母は恋人と別れて今は福岡県の実家に住んで働いているとのこと。
父づてに、珠希の母親は珠希に福岡に来てほしいと思ってると言われます。謝りたいし話したいと言われます。親戚のつてで就職先も探せるとも。
しかし珠希は「捨てたくせに」「今さら」と怒ります。母からは誕生日などに連絡もありませんでした。珠希は、父が福岡行きを珠希に勧めるのは、父は母がまだ好きで縁を切りたくないからではないか?と疑心暗鬼。
「私よりお母さんの方が大事なの?」と泣く珠希は、家を飛び出してしまい・・・
第20話
森珠希(加藤小夏)メイン回の続き。家出した珠希は神社で、パン職人・黒沢と偶然会います。その後、黒沢が運転するバイクで海が見えるタワーへ。※場所は江の島シーキャンドル(展望灯台)と思われます。
黒沢はパン職人になった理由を語ります。交通事故で死にかけたとき、三途の川を渡りかけたその後ろでお釈迦様が美味しそうなパンを食べていたから、というのが理由。
珠希は黒沢の話を半信半疑で聞きますが、仕事に誇りがあるのを羨ましがります。珠希は、人に合わせて生きてきたので、面接でも自己PRできません。
黒沢は、人に合わせて生きるのは束縛と同じ、人は選んだ道を正解にしようと生きてる…と言います。そして「誰かの理想ではなく自分の理想にはなれるし、その方が楽しい」と助言。珠希は、ハッとしました。
家に戻ると、父は珠希が失踪したと思って大騒ぎしていました。そんな父に、珠希は(引っ越しはせず)母に会うだけ会うこと、父に縛られているわけではなく私が父と一緒にいたいことを伝えます。
父が渡しそびれていましたが、差出人不明の、珠希宛ての【ドライフラワーのケーキ】が送られていました。珠希は、これは晃からだと気づき、涙します。
第21話
桂一と晃が伝屋に来てから半年が過ぎ、季節は夏になりました。この地では七夕祭りの花火大会が8月に開催されます。
晃は、伝二の妻である桃子と一緒に浴衣を作りに行きます。桃子さんは晃を娘のようにかわいがります。しかし、「正直で嘘がない」という桃子の褒め言葉がグサッとくる晃。
一方、桂一は外国の絵本を寿司屋にいる伝司(ただもり)へ配達に行きます。すると、そこにはハンナもいました。その本は、ハンナの処女作。ハンナは故郷では有名な絵本作家でした。両親を介護し、看取って、日本に来たそうです。
伝司は作家ハンナのファンでずっとラブコールを送っていました。やっと一緒に仕事ができることになったのです。桂一は伝司からハンナの弟が若くして亡くなったことを聞きます。
後日、桂一はハンナの家へ貸本の配達へ。チャイムを押しても応答がないのですが、ハンナの家の猫に招かれて、敷地を横へ。すると、ハンナがうつ伏せで倒れています。
桂一は塀を登って、ハンナを助けにいきます。抱き起こすと、ハンナは息をしており寝ているだけでした。安堵していると、寝ぼけたハンナに不意にキスされる桂一。・・・そのキスの場面を浩太郎に目撃されてしまいました。
第22話
浩太郎は追加の配達のためにハンナの家を訪れて、ハンナと桂一のキスを目撃。晃ちゃんがいるのにあのヘタレは浮気していたんだ!と確信する浩太郎。しかし晃に告げ口して、悲しい思いをさせたくないため言い出せません。
晃は、母親が無頓着だったのでいつか自分で買おうと思っていた浴衣を、今回初めて作りました。とても嬉しい晃は、「ここならどんな夢でも叶っちゃうのかな」とつぶやきます。その言葉を桂一は切なそうに聞いていました。
夏祭り当日。桂一が浴衣姿の晃に「かわいい、似合ってる」と褒めます。晃は涙ぐんで喜びました。
第23話
七夕祭り当日。桂一は「夏休みがほしい」と短冊に書いて願い事。一方、晃は「桂ちゃんとずっと夫婦でいられますよに」と書きました。
桂一はハンナから連絡がきて、晃を浩太郎に任せて、ハンナに会いに行きます。ハンナはキスのことを謝ります。ハンナは「アレン」と呼んでいました。アレンは14才の若さで亡くなった弟でした。
桂一の眼差しがアレンと似ていた…と、ハンナは弟について語り始めます。
アレンには骨髄移植が必要でした。ハンナも検査を受けたのですが、不適合。アレンの死後、ハンナはアレンとの血縁関係がないと知ります。このことはハンナだけ知らなかったのです。アレンが「姉さん」と呼ばなかったのも、今では分かります。
けれど、ハンナはアレンの気持ちに気づかないまま、ひとりであの世へ送ることになってしまいました。彼を抱きしめてキスしたかった…と後悔しているハンナ。年をとっても、何年たっても忘れることなんてできません。
桂一は(ハンナが)「知らない」でいてくれて(弟にとっても)良かったこと、俺は馬鹿だからきっと告白してしまうけれど、伝えてもどうしようない…と嘆きます。そしてハンナに晃が妹であることを告白。
一方、晃は浩太郎から「好きなんよ」と告白されます。さらに、ハンナと桂一がキスしていたことを聞かされるのですが、花火の音で聞こえないふりをします。しかし晃はショックを受けていました。
6巻のネタバレポイント
- 19話:珠希が父づてに、母から福岡に来てと言われて激怒。
- 20話:珠希が黒沢に励まされる。父とも和解する。
- 21話:夏祭り前の日常。桂一がハンナにキスされる!?
- 22話:晃が浴衣姿に。この町は夢が叶う?!
- 23話:夏祭り当日。桂一が「嫁は妹」とハンナに明かします。一方、晃は浩太郎から桂一の浮気を聞いてしまい…。
第7巻のあらすじネタバレ
第7巻のあらすじネタバレです。
あの日、少女だった女(ひと)たちへ。
桂一が他の女性とキスをしていたと浩太郎から聞かされた晃はわだかまりを抱えながらも、桂一に何も言い出せずにいた。その間も、珠希は失踪した晃たちを探し続けていて――。
第24話
花火大会の後、桂一は松本が勤める「月虹社」の正社員として就職が決まりました。
季節は秋。花火大会の時に桂一の浮気を聞いてしまった晃は傷付いていました。しかし、桂一の養子は特に変わりありません。
晃は昼の飲食店でのバイトを辞めることに。桂一の代わりに伝二さんの店を手伝うためです。そんな中、食事に来た松本から、ある作家が「担当者には絵のモデルになってほしい」と条件を出されたので暇そうな桂一を採用したと聞きます。作家が女性なのか気にする晃。しかし松本は浮気を否定。ずっと年上の女性だから桂一とは弟みたいな関係だと説明します。
そんな中、浩太郎が大学卒業まであと1年あるので実家を出ると言い出します。夏に浩太郎に愛の告白と桂一の浮気と告げられて以来、晃とは気まずい関係です。晃は、伝屋を出ていくことを桂一に提案。桂一も承諾します。
晃は桂一がいつもと変わらないので、私は知らなくていい…そう思っていたのですが、思わぬ出来事で知ることになります。
外で鍋や焼き芋作りをする日。晃は宿の店番をして、お客さんの出発を見届けます。その後。もらったお菓子を鍋パーティーの場所へ届けに行く途中、ハーフっぽい女性=ハンナと会い少し話します。焼き芋の煙に気づいたハンナは、「桂一」と駆け寄ります。桂一は小さい子を抱いていて、ハンナと3人で仲良さそうな雰囲気で…。
晃は自分とでは得られない幸せな家族の雰囲気を見せつけられ、ついに心の限界へ。急いで部屋に戻って、髪をショートにセルフカットしました。
第25話
森珠希(加藤小夏)メイン回。珠希は就活で内定をもらい、運転免許も取得しました。珠希の今の悩みごとは中学からの親友・晃と音信不通なこと。晃のアパートに聞き込むと、兄らしき人とどこかへ引っ越したらしいのですが…。
バイト先のパン職人・黒沢に励まされた珠希は、晃の母の会社へ会いに。しかし母親は晃のことは無関心です。しかし「桂ちゃんと一緒かも」と兄の方の名前を出したとたん、母親の顔色が変化。分かったら連絡してほしいと名刺もくれました。
珠希は、次は、桂一の大学時代のサークルの部長の岡田敦子のもとを訪ねます。ビラ配りなどを手伝い、怪しい者ではないと認められましたが、敦子は何も知りませんでした。敦子と連絡先交換をしたものの、1か月後も音沙汰なし。
そんな中、珠希は、牧嶋が桂一から送られてきた動画に位置情報がついていると気づき…。その後、珠希は晃の母親・奈緒美の会社に電話します。社員が電話の取次ぎで奈緒美の元へ行くと、奈緒美が倒れていて・・・。
第26話
秋。晃がショックを受けて髪をセルフカットした日。晃が宿にひとりでいると、珠希からの電話が宿にかかってきて、母親が仕事中に倒れたと聞きます。桂一が鍋パーティーから帰宅する前に、晃は母を心配して一人で病院へ駆けつけます。しかし、目を覚ました母親からは「桂一は?」と酷い言葉を掛けられてしまいます。
珠希は晃と再会できたものの、(無理して)笑顔を作る晃のことが心配で、晃が戻った広瀬家へ。すると晃は泣いていました。晃は、珠希に桂一と駆け落ちしたことを打ち明けます。夫婦ごっこをしていたのに、桂一にとっては「私は妹のままで」と涙が止まらない晃。(※補足:晃のこの考えは桂一とハンナの場面をみたショックの影響でしょう)
そのころ病院では、奈緒美は夢を見ています。亡き両親に社会進出する進路を反対されて、「死ねばいいのに」と願っていたこと。両親は本当に死んでしまったこと。奈緒美は悲鳴を上げて、パニック状態に。看護師が駆けつけて…。
第27話
翌朝。神奈川の広瀬家にて。珠希は晃と一緒に朝食を食べます。いつも通りの珠希の態度が嬉しい晃。晃は、胃潰瘍と肝臓の炎症だった母の体調が回復した後はどうするか未定。珠希はこっちに残ることを勧めます。戻ってもまた苦しいだけだから、と…。
晃は奈緒美に父には連絡したのか問うと、「もう他所(よそ)に住んでるから関係ない」と言います。それは晃が実家を出てすぐのことだそうです。(※補足:別居ではなく、離婚して別の家庭があるということっぽいです)
奈緒美は厳しかった両親の死を話します。、奈緒美が親に進路を反対されて家出中、両親は旅行に行き、バス事故で死亡。家と金を手に入れて、結婚願望はなかったが子供は欲しかったので、桂一が産まれて、夢だった服のバイヤーの仕事もできて思い通りになった。しかし・・・奈緒美は孤独だった。両親を突然失い、仕事も異動を命じられ・・・弱っていました。孤独に死にたくない。だから、奈緒美は晃に「あんたはどこにも行かないよね?」と懇願。晃は一緒にいることを告げます。
第28話
桂一は晃のことを心配していましたが、昨日の夜、晃から連絡があったことでひと安心。しかし母が回復したら晃が戻って来るのかどうか、心配です。
大学生の浩太郎は晃が出て行ったことで、浮気したお前が悪い!と桂一を殴りつけます。晃を幸せにできないなら夫婦になるな!と怒りました。
一方、牧嶋剛が福岡県へ異動になります。珠希は晃と会えたことを牧嶋に伝えて、「剛くんは、せっかく居場所わかったのに桂ちゃんに会わないの?」と問いかけます。牧嶋は桂一と会えなくても、笑ってくれていたらそれでいいと思っていました。
そんな牧嶋の背中を押したのは後輩社員・西田。西田は同じ中学の空手部の先輩の牧嶋のことを憧れており、再会して、その仕事ぶりに圧倒され、惚れていきました。だから何を望む、というわけではないのですが、牧嶋が大事な人に会いに行かないのがはがゆくて、「理由なんていらないから行けばいい」と背中を押します。
牧嶋は桂一に会う決意をするのでした。
初恋の行く末
森珠希メイン回。森家で晃を呼んで鍋をする日。
森珠希の初恋相手は牧嶋剛です。その牧嶋が福岡県に異動になるとメールで聞いた珠希は、ショックを隠せない様子。福岡って遠い!と嘆きます。
珠希の父が、福岡と聞いて「お母さんのところ?」と勘違い。珠希は母に会いに行く日をまだ決めていませんが、会いに行けば行ける距離なんだと急に身近に感じます。(母の実家だからでしょうか?)
遠くに行っても終わりではない。過去も消えない。初恋が実ることはなくても、一生、初恋は忘れない・・・と珠希は思いました。
7巻のネタバレポイント
- 24話:晃と桂一は引っ越しを決断します。しかし晃が桂一とハンナの仲良しな場面を目撃し、ショックを受けて…。
- 25話:森珠希が晃の居場所をつかみます。一方、晃と桂一の母が倒れて…。
- 26話:晃が珠希に兄と駆け落ちしたことを明かします。
- 27話:広瀬奈緒美は珠希にどこにも行かないでと懇願。晃はしばらく残ることに。
- 28話:牧嶋が桂一に会う決心をします。
- 初恋の行く末:森珠希が「初恋はずっと忘れない」と思うまでを描いたミニコーナー。
最終巻(8巻)のあらすじネタバレ
最終8巻のあらすじネタバレです。
兄妹じゃなくなる日
兄と妹、交わらないはずだったふたりの恋。「夫婦ごっこ」の結末は……。
第29話
晃が伝屋を出て1か月が経過。桂一は引っ越すことを伝二に告げます。近所の人たちは桂一が浮気したから奥さんが出て行ったと噂になっていました。
松本は、桂一にアキラという妹がいることを思い出します。大学のサークルにいた時、妹のアキラがのぞき被害にあったと桂一が話したことがあったのです。松本は、夫婦と名乗っている晃ちゃんは妹なのか?と尋ねます。
桂一はハッキリ、満面の笑みで否定しました。松本は「そうだよなあ」と信じます。妹と駆け落ちなんて不倫よりも気持ち悪いから、あり得ないと松本は笑いました。(補足:女性でアキラという名前は珍しいのでもっと疑ってほしいところです。けれどそれだけ有り得ないことであり、桂一が嘘をつくわけない人物なことも示唆しているのでしょう)
一方、晃は元気になった母に富山に戻ることを言い出せません。そんな中、晃は母と外出して服を買ってもらったり美容室に連れて行かれたりします。母は娘との買い物が楽しそう。しかし晃は、母が娘にお見合い相手を用意していることが分かり…。
第30話
晃は縁談の話に驚きます。相手は年上の小児科医で婿にきてくれる人だそうです。晃は「お見合いなんてしたくない」と拒否。しかし母は、嫌なら断ればいい、友達からの紹介と変わらない、と勧めます。さらに晃が婿をとって家を継いでくれたら安心すると言う母。「晃、早く安心させてちょうだい」とお願いする母の言葉が晃に重くのしかかり…。
一方、富山にいる桂一はこのまま晃が帰ってこない方がいいのかもしれない…と思い苦しみます。そんな風に悩んでいる中、雪が降ってきて、桂一の肩へ雪が積もっていると…「雪だるまになるぞ」と言いながら牧嶋が現れて…。
ハンナが描く絵本の内容も挿入されています。↓
【絵本の内容】仲良しの姉と弟がいました。ある日、姉は海に誘いますが、弟は泳げないので拒否。姉が一人で海へ行き、老婆の貝殻拾いを手伝うと、お礼に青いドロップをもらいました。それは人魚になれるドロップ。しかし日没までに戻らないと元の姿に戻れなくなると忠告されます。
姉は人魚になって楽しく泳ぎ回ったものの、深く潜りすぎて日没になってしまいます。弟は姉が海に流されたと思って悲しみに暮れます。ずっと一緒にいられると思っていたのに離れることになった2人はお互いの大事さを痛感しました。
第31話
牧嶋は有給休暇を使って桂一に会いに来ました。2人は喫茶店で少し話した後、路面電車へ。グミを食べる2人。桂一はグミを嫌いでしたが、いつの間にか、気づいたら好きになっていました。牧嶋は高校時代に桂一から質問された「いつから男を好きになったのか」について答えます。牧嶋も「いつ」とは分からないと返答。
けれど、桂一の「好きなら相手が誰でも仕方ない」という言葉は、牧嶋にとって救いでした。桂一は自分もそうだったからと言うと・・・牧嶋は「妹を好きってこととか?」と聞きます。
バレていたことに驚く桂一。牧嶋は高校の文化祭で桂一が兄を演じていると言ったときに気づいたといいます。
桂一は牧嶋とは「違う」と線を引きます。世間の人は間違ってるというはず、と…。桂一は妹が帰って来ない方がいいかもしれない、その方が良いし正しいこと…かもしれないと言いつつ、正しいかは分からないと嘆きます。
駅。電車の乗り場にて。牧嶋は福岡への転勤を報告。そして、驚く桂一に対して、「一緒に来るか」と誘います。
冗談だと笑う牧嶋は、世間や妹にとっての正しさではなく、「お前にとっての正しさを選べよ。自分を救ってやれ」とアドバイス。
桂一は牧嶋にまた会いに来てほしい、一生、友達でいてほしいと懇願。牧嶋は「お前が来いよ」とツンデレな対応。桂一は「剛(ごう)つん、あいしてる」と歓喜し抱きつきます。「アホか」と冗談で返した牧嶋。桂一は「そこは『俺もだよ』だろ」と怒ります。
牧嶋はは電車に乗り込む直前、桂一の眼鏡を奪った牧嶋は「余計なものは見るな」「ひとつだけ見えてりゃいい」と声をかけました。(※感想:このセリフは格好を付けすぎてるのでいらないかな?なくても通じるというか、直接的すぎるというか。皆さんはどう思いましたか?)
車内で、牧嶋は俺もなんて言えるわけない、とつぶやきます。一方、眼鏡を失った桂一は(何か吹っ切れたのか)走り出して…。
第32話
桂一は電車を降りたら晃に電話しようと決心します。一方、松本は直帰する桂一のことを考えています。桂一が富山に来て約1年。桂一のようなヘタレが女と駆け落ちするなんて思ってもみなかったのですが、松本は「すごい」と思っていました。松本は大学時代の恋人・杏子に対して(富山に)「一緒に来てくれ」と言えなかったのです。
桂一は携帯電話を駅の階段で転んだときに落としてしまいました。しかも富山行きの電車が急停車し、新幹線の最終に間に合わない可能性も…。
そのころ、晃は桂一に電話していましたが繋がりません。晃は、母に連れられてお見合いへ。待合室にて。母はお見合いを嫌がり、結婚もしないという晃を説得するうち、兄との関係に気づき、「そんなおぞましいこと、してないわよね?」と尋ねます。晃は笑って否定。
晃はなぜ私を産んだのか尋ねます。母は、桂一のため、と返答。両親を突然失った母は孤独で苦しみました。そんな思いを桂一にさせたくないから、晃を産んだのです。
母がトイレへ行っているすきに、晃は会場を抜け出して、森珠希の家へ。珠希を抱きしめて元気をもらった晃は、笑顔で「心配しないで」「連絡するから」と言いながら帰ります。
一方、「伝屋」では伝二の妻・桃子が桂一の携帯に電話しますが、駅員さんが出ました。心配する伝二と桃子ですが、浩太郎は明日から友達のところに泊まるといいます。両親にも離れにいるか旅行にいって、桂一と晃が帰って来たときに気まずくないようしてほしいと頼みます。
その頃、桂一は夜行バスで神奈川の実家へ向かっています。桂一は晃と赤の他人だったら出逢うこともなかったかもしれない…だから兄妹だったのかもと考えます。
桂一が実家に着くと、母だけがいて、昨日から晃が帰っていないと聞かされて…。
最終話(33話)
晃がいなくなりました。広瀬家に珠希もやって来て、昨日の様子が変だったと言います。そこで母が昨日はお見合いだったけど、晃が逃げ出したことを明かします。桂一は晃が望んだのか問うと、母は晃のためにしたことと言い張りました。そして晃の世話になっている桂一のことを身勝手だとなじります。
しかし桂一は子供を放っておいた母親に言われたくありません。晃のことはどうでもよくて、自分のためのエゴであり、八つ当たりだと指摘する。怒った母は桂一をビンタ!娘のことをどうでもいいわけないと激怒。しかし、桂一はもう2度と晃に関わらないいようにと忠告し、サヨナラを告げました。
桂一は珠希の車で一緒に晃を探しに行きます。・・・珠希は桂一のことを責めます。珠希は桂一の浮気が原因で、晃が苦しんでいると思っているのです。昨日の夜、晃が笑っていました。「帰ったら連絡する」って、また嘘をつかせてしまったと号泣する珠希。
帰るとはどこか?晃が行くとしたら・・・桂一は晃と行った冬になったらまた来ようと約束した場所を思い出します。そんな中、黒沢が駆けつけ、バイクに乗せてくれて横浜駅へ。神奈川にも雪が降ってきました。
かつて珠希と黒沢が晃と話した時、晃は自分の幸せは叶ってはいけないと言っていました。そのことを黒沢は桂一に伝えたかったのですが、聞く余裕もなく桂一は急いで新幹線乗り場へ。
晃が桂一との夢を見ていると、妹の役をやって?赤の他人の方がいいんでしょ?俺を知らない方がいいんでしょ?と幼い桂一が問いかけます。晃が否定すると・・・晃を呼び声がして・・・。
晃が目覚めると桂一が目の前にいました。晃は夜の海岸の義経岩の中で眠っていたようです。桂一は、晃が死んでいるのではないかと思ったと本気で心配し、涙し、怒ります。晃は自殺するわけない、と否定。なぜなら母から、桂一を独りにしないために私を産んでくれたと聞いたから。それを聞いた晃は嬉しかったと言います。私が生まれた理由が佳一のためなのだったら、私は桂一と一緒にいないとダメだと分かったから…。例え妹のままだとしても…。
桂一は妹として見れないと告げて、謝り、晃とキスを交わします。けれど、晃の気持ちにこたえても(結婚や子供など)何も与えることはできません。だから兄を演じてきたのですが、もう演じることはできません。
晃は「何もいらないから。桂ちゃんをください」と頼みます。
その後、桂一と晃は伝屋に戻ります。雪降る夜。伝屋には、誰もいない様子。伝二たちは離れにいるのか、テーブルにメモ帳があることから、旅行に出かけたのかもしれません。
一つの布団の中で、裸で抱き合う桂一と晃。お互いに「好きだよ」と想いを確かめ合って・・・。
春。ハンナが故郷で弟たちの墓参りをしながら、日本の伝司(ただもり)との電話で、絵本の執筆依頼をOKします。
桂一と晃は新居へお引っ越し。晃がご近所さんに「新婚」だと嘘をつきます。この場面は、1巻の冒頭です。物語の最初へと繋がる最終回結末でした。(本編おわり)
佳き日に
桂一の大学時代のサークルの部長・岡田敦子(高月彩良)が結婚します。佳き日です。しかし、松本は結婚式に出席したものの、桂一はご祝儀だけで、出席しませんでした。
桂一は(晃も好きな)人魚シリーズの校了明けでクタクタ。家でごろ寝しています。晃はシリーズの最初の話が好き、と『海辺のまちのきょうだい』という絵本を差し出します。
桂一は晃に促されて、桜まつりのお手伝いへ出かけます。
絵本の内容(絵と文)が挿入されて…。
絵本『海辺のまちのきょうだい』の内容:姉は人魚になって帰ってこなくなり、姉弟(きょうだい)は離れ離れのまま成長。弟は青年になります。そんなある日、まちに大きな嵐がきます。海辺のまちを海が飲み込みます。弟は皆を避難誘導しますが、弟自身は逃げ遅れて、流されて、海の底へ沈んでいきます。しかし人魚が助けてくれました。人魚は「やっと分かった」と言います。あなたを救うために人魚になったのだ、と。浜辺で目を覚ました弟は、夢だったのかと思います。弟は大事な人の名前をつぶやきます。忘れないように…。
晃が「桂ちゃん走るよ!」とヘタレな兄の手を引っ張りつつ、2人は桜並木を走っていきます。(最終巻・おわり)
最終8巻のネタバレポイント
- 29話:桂一が松本に嘘をつきます。一方、晃は母の元で暮らしていて…。
- 30話:お見合い話に苦しむ晃。一方、悩んでいる桂一のもとに牧嶋が現れて…。
- 31話:牧嶋が桂一と再会するも、思いを告げられずに福岡へ。一方、正解が分からなかった桂一は牧嶋の言葉に吹っ切れて…。
- 32話:晃のお見合い当日。晃は母から自分が生まれた意味が、桂一を寂しくさせないためと知ります。晃はお見合いをドタキャンして、家出します。
- 最終話:桂一と晃が再会し、思いを確かめ合い、結ばれます。物語は1巻冒頭へ戻ります。
- 佳き日に:ハンナの絵本の内容が明かされます。晃と桂一の日常も少し登場。
原作漫画のネタバレあり感想(レビュー)
原作漫画のネタバレあり感想(レビュー)です。
本書は、兄と妹の禁断愛が題材ですが、センセーショナルには描かれていません。丁寧に丁寧に紡いでいく物語には魅了されました。
最終巻(8巻)ラストで、また1巻・1話に戻るという・・・長い回想シーンでしたけどね(笑)1巻で2人は一緒になると分かっているはずなのに、どこか手に汗握る展開だったと思います。「過去に戻りすぎて、もどかしい」「進まない」との感想をあげる人もいますけど。まあ、たしかに、もどかしいです(笑)
本書が「おぞましい」感じにならなかった理由は、2人がこの感情はいいのか?と真剣に悩んでいるから。それを丁寧に描いているからだと思います。子供がいる「普通」の家庭を築くことができないし、世間から祝福されることもありません。
最後、桂一が部長の結婚式に参列しなかったのは、晃のためなのかもとも思います。晃とは、祝福されての挙式は不可能だから。晃が寂しい思いをしないようにって。優しいですね、桂一は。まあ、ヘタレな兄なので本当に疲れていただけかもしれないですけどね(笑)
私は本書を通して「世間の目でなく自分にとっての正しさを貫くこと」も教わりました。2人のことを最後は応援もしてしまいました。けれど、近親相姦(血縁関係の近い男女の間で性的交渉)っぽい場面は受け入れがたかったです。だからといって、「正義」を振りかざして、2人を責めることはしたくありません。共感や理解はしにくいけど、2人がいいならいい、という個人的な感想です。
本作はドラマ化されます。キスシーンやベッドシーンをどうするのか?下世話ですが気になってしまいますね。そこは地上波だし、かなりボカシてもいいのでは?改変してもいいのでは?
兄妹なのにキスするの?性行為するの?どうなの?と下世話な関心で話題を集めるよりも・・・悩み苦しみながら、悩みに向き合う桂一と晃の姿が見たいです。視聴者から(兄妹愛を)理解はされなくても、(2人のことだからと)責められることはない2人になるといいなと願います。
【さらば、佳き日】原作の“新婚夫婦”の兄妹の結末とは?
原作漫画の妹と兄の“新婚”の結末は、そのまま続いていきます。
しかし本当の結婚ではありません。ダブルクォーテーション(二重引用符)で「新婚」を囲っているのはそのためです。
兄妹だから入籍届を出せないのです。民法734条1項に「直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない」とあります。
難しい用語ですが、兄弟姉妹間、おじおば・おいめい間の婚姻は禁止されているということ。兄弟姉妹の場合、全血、半血(=父もしくは母どちらかのみが同じ)を問いません。
つまり、兄弟姉妹間における結婚はできないのです。ただし、養子と、養親の兄弟姉妹・子・孫との婚姻は、認められています。
本来、近親婚が禁止されている意味は遺伝上のリスクや文化的なタブーによるもの。けれど、義理の関係であれば関係ないのです。
今回の漫画・ドラマのケースに戻ると、例えば、妹の晃が父または母どちらかの連れ子だったのなら、話は変わってくるのです。子連れの親同士の再婚の場合ですね。
読者の中でも「実は、血のつながりがなかった」というオチを期待していた方もいたようですが…本当の兄妹のまま完結。
晃・桂一の恋の結末は“新婚”を装った形で結ばれます。これは事実婚でもありません。世間には秘密にした“夫婦”ということです。
晃と桂一は子供を持てません。兄妹だといつか近所にバレてしまうかもしれません。法律上の夫婦ではないので配偶者控除や医療費控除、相続税などの税制上の控除を受けられません。
色々とデメリットはありそうですが・・・晃と桂一は2人で生きることを選んだ、ということです。共感しにくいかもしれませんが、こういう愛の形もあるのだと私は受け止めることにしました(笑)
【さらば、佳き日】タイトルの意味は?/ネタバレあり
「さらば」とは、2つの意味があります。サヨウナラという別れの挨拶。そして 「そうであるならば」という意味でも使います。例えば「求めよ、さらば与えられん」は「求めなさい、そうすれば与えられる」という意味です。
「佳き」とは、好ましい、めでたい、という意味。「佳き日」は吉日のこと、めでたい日。めでたい日といえば・・・この作品で連想するのは結婚式です。結婚式では「結婚おめでとうございます。 今日の佳き日の喜びをいつまでも胸に…」「この佳き日を機に…」とお祝いメッセージではよく使われます。
以上のことを踏まえて、【さらば、佳き日】というタイトルの意味を考察すると以下の2つが解釈できます。
- さようなら、(世間に祝福される)結婚式。
- (兄妹関係を捨てることの決断を)すれば、夫婦としてのめでたい日を迎えられる。
「佳き日」は吉日。しかし本作では兄と妹なので表向きは結婚できません。なので、「さようなら、結婚式」という意味で、表向きの結婚、つまり「世間から祝福される結婚式におさらば」という意味か。
最終話の後のエピソード「佳き日に」では、サークルの元部長である岡田敦子の結婚式の日のエピソードがあります。しかし、桂一は出席しませんでした。タイトルの「佳き日」というのはやはり結婚式のことなのでしょうね。
しかし「佳き日」には結婚式と別の意味もあります。「吉日」の大安に行われる節目の行事は結婚式の他にもあるのです。入籍、地鎮祭、引越しなどです。また、吉日である大安は、何をやっても物事がうまく運ぶと言われることから事始め、使い始め(新しい財布の使い始めなど)も行われます。
原作の第1話冒頭と最終話で描かれた、兄妹の「引っ越し」。しかもご近所さんに「新婚」と偽ります。
つまり本作品での「佳き日」は結婚や入籍ではなく、引っ越し。しかも単なる「引っ越し」ではなく“新婚”と偽っての引っ越しのこととも解釈できます。事始め、出発の日です。
まとめると、【さらば、佳き日】は「そうすれば」“新婚”としての「佳き日」を迎えられる…という意味。
そうすれば(=さらば)って、どうすれば?それは読者一人一人の解釈にゆだねられています。
具体的な補足は↓
- 母親を捨てる。そうすれば、佳き日を迎えられる。
- 兄妹の過去を捨てる。そうすれば、佳き日を迎えられる。
もっと漠然とした解釈が好みならば…↓
- 求めよ。そうすれば、佳き日を迎えられる。
- 心に正直になれ。そうすれば、佳き日を迎えられる。
色々と読者によって解釈が異なるだろう絶妙なタイトルですね♪
【さらば、佳き日】原作の登場人物
原作の主な登場人物を紹介!※(演:)はドラマのキャスト。
主要人物
広瀬 晃(ひろせ あきら)(演:山下美月)…桂一の妹。現在、富山で桂一と暮らしながら、保育士として働いている。忙しい両親に代わって家事をしていたので、家事が得意。いかに効率よく家事を数多くこなせるかを楽しんでいる。クールなしっかり者で、ドジな兄をサポートすることが多い。兄のことを「桂(けい)ちゃん」と呼んで慕っている。明らかにブラコンで、中学時代、高校生の兄の服の匂いを嗅いで恍惚な表情に浸ることも。童顔で見た目もボーイッシュなので、男子に間違えられることもしばしば。中学の同級生からは何事にも動じない武士みたいと評される。好きな芸能人は歌丸師匠。笑点のDVDを持っている。こしあん好き、ピーマンなど好き嫌いなし。遊園地より新しいスーパーマーケットが好き。倹約家で、小遣いはほぼ貯金。高校卒業後は3年制の短大に進んで一人暮らしを始めた。桂一との再会により、2人をほぼ誰も知らない北陸・富山へ逃避行。
広瀬 桂一(ひろせ けいいち)(演:鈴木仁)… 晃の3歳上の兄。富山にて絵本の出版社で働いている。家族構成は両親と妹の4人家族。故郷は神奈川の湘南地域(3巻で桂一の家について「家、湘南だっけ?」との会話がある。6巻で江ノ島タワーが描かれている等より)と思われる。両親は海外も飛びまわるなど仕事が忙しく、ほとんど家にいない。生活力が低く優柔不断、頼りないヘタレで、妹が家事をしてくれている。ただしモテるのか彼女がいたことも。現在、北陸で妹である晃と同居し、表向きは新婚夫婦として暮らしている。高校では帰宅部だったが、高校3年時に演劇部に所属。大学では児演サークル所属。つぶあん好き、ピーマンが苦手。
森珠希(もり たまき)<23>(演:加藤小夏)…晃の中学時代の同級生。晃の親友。母が不倫をしたのち離婚。珠希は父と同居している。牧嶋剛とはお隣さん。牧嶋剛に片思いをしていたが失恋する。
牧嶋剛(まきしま ごう)(演:伊藤あさひ)…愛称:ごうつん。桂一の高校時代の同級生で、親友。空手部の主将。高校時代は異性からモテたが「男性が好き」とカミングアウトした。桂一のことが好き。社会人時代にはセフレがいるもよう。最終巻で福岡へ転勤する。
岡田敦子(おかだ あつこ)(演:高月彩良)…愛称:あっこ。桂一が大学時代に所属していた児童演劇サークルの部長。脚本家を目指している。劇団「かがりび」で脚本・監督・主演を務める。第7巻・25話にて、森珠希が晃の消息をつかみたくて、劇団公演中の敦子に接触する。
森恭一(もり きょういち)(演:姜暢雄)…珠希の父。珠希と2人暮らし。妻とは離婚している。仕事は翻訳家やコラム二ストで、自宅で仕事をしている。
広瀬奈緒美(ひろせ なおみ)(演:小沢真珠)…晃と桂一の母。アパレル会社勤務。子供より仕事優先で、多忙のため家のことを晃に任せきり。桂一が社会人3年目のころ(第7話)にバイヤーから広報へ異動となり、イタリアに1年間いる予定だったが帰国した。※名前はずっと明かされなかったが、第26話での名刺から「広瀬奈緒美」という名前が判明。
松本(まつもと)(演:松大航也)…愛称:まっさん、ヨシくん。桂一の同僚。桂一とは大学時代の児童演劇サークルで一緒だった。桂一を富山の出版社に誘った人物。実家は印刷会社。家業を継ぐために富山へ戻ったが、社会人として経験するために父の友人の伝司の会社へ勤めることになった。
黒沢 哲(くろさわ てつ)…珠希のバイト先のパン職人の男性。関西弁を話す。中学の時に死にかけたことがある。珠希に気があるのか、何かと気に掛ける。
ハンナ…父は外国人で母が日本人。故郷では有名な絵本作家。絵は得意だがそれ以外はドジ。優秀な弟がいたが若くして亡くなった。弟とは血縁関係なし。両親を介護の末に看取ったのち、ハンナのファンの伝司(ただもり)からのラブコールもあって、小さい頃に住んでいた日本へやって来た。
晃の友人
柳沢(やなぎさわ)(演:青木瞭)…晃の小学校・中学校時代の同級生の男子。野球部所属。
津田(つだ)…晃の同級生の男子。サッカーのクラブ、横浜FC・ユース所属。
先輩…晃の大学の先輩。晃のことが好き?
鶴村…愛称:鶴ちゃん。晃の大学での女友達。晃の一人暮らしのアパートでパーティーをしたりする。晃が富山に発つ前、熱を出してしまい、晃に看病してもらった。
桂一の友人
高橋(たかはし)…桂一の高校時代の彼女。第2話に登場。
青木杏子(あおき きょうこ)…愛称:きょんちゃん。桂一が大学時代に所属していた児童演劇サークルの部員。松下の元カノ。桂一が社会人3年目のころに結婚する。
桂一の同僚
佐々木(ささき)…桂一の職場(映像関係の会社)での上司。暴言や暴力は日常茶飯事。
牧嶋の同僚
西田(にしだ)(演:金子隼也)…牧嶋の後輩の男性社員。自由奔放で破天荒、年上の女性からかわいがられるタイプ。一見何も考えていないようだが、剛が広瀬桂一を見る目から剛の気持ちに気づくなど勘が鋭い。生卵を絡めた食べ物ならば何でも大好き。中学時代は卓球部。牧嶋とは同じ中学。卓球を通して牧嶋や桂一と親睦を深める。
上畑優里子(うえはた ゆりこ)…牧嶋の同僚の女性社員。牧嶋に積極的にアプローチする。
篠田(しのだ)…牧嶋の同僚の女性社員。
太田(おおた)…牧嶋の先輩の男性社員。
富山の人々
伝司(ただもり)…愛称:伝(でん)さん。桂一と松本が勤める出版社「月虹社」(げっこうしゃ)の社長兼編集長。双子の弟に伝二(でんじ)がいて、顔がそっくり。自社の社員である松本を頼って中途採用の応募にやって来た広瀬桂一を断った。しかし縁があるかもしれないからと、弟が経営しているレストハウス「伝屋」を紹介し、しばらく福井に滞在する事を勧める。
伝二(でんじ)…伝司(ただもり)の双子の弟なので、伝二と呼ばれている。古民家の宿「伝屋」(でんや)や「忠守(ただもり)古書店」などを経営。不動産も持っており賃貸業もしている。人当たりのいい穏やかな人柄。兄の紹介で訪れた桂一と晃を歓迎する。しかし二人の関係を不倫の末の逃避行と勘違いする。
桃子(ももこ)…伝二の妻。
浩太郎(こうたろう)…伝二と桃子の息子。大学生。晃に片思いする。桂一とハンナの関係を不倫ではないか?と怪しむ。
その他
桂一(けいいち)くん…晃が勤める保育園の園児。晃が大好きで、お嫁さんにしたいと言うほど。
宮本(みやもと)…古民家の愛好家で、「伝屋」に泊まりにくる常連客。
【さらば、佳き日】原作の書誌情報
タイトル | 『さらば、佳き日』 |
著者 | 茜田千(あかねだ ゆき) |
出版社 | KADOKAWA |
レーベル | it COMICS |
単行本の巻数 | 全8巻 |
巻数 | 全8巻 |
連載時の掲載誌 | COMIC it(Vol.1~vol.24)、pixivコミック、月刊コミック電撃大王(2019年7月号から2023年1月号) |
掲載期間 | 2015年2月14日 – 2022年11月26日 |
話数 | 全33話 |
単行本の発売日、国際標準図書番号
- 2016年1月15日発売、ISBN 978-4-04-865605-4
- 2016年3月15日発売、ISBN 978-4-04-865858-4
- 2016年12月15日発売、ISBN 978-4-04-892551-8
- 2017年12月15日発売、ISBN 978-4-04-893556-2
- 2019年2月15日発売、ISBN 978-4-04-912249-7
- 2020年9月14日発売、ISBN 978-4-04-913289-2
- 2021年12月15日発売、ISBN 978-4-04-914180-1
- 2023年2月15日発売、ISBN 978-4-04-914902-9
【さらば、佳き日】原作まとめ
以上、ドラマ原作の漫画【さらば、佳き日】のあらすじネタバレなどを紹介してきました。
兄と妹は果たして2人は結ばれるのか?と気になって当サイト訪れてくれた方も多かったことでしょう。
結末としては兄と妹は結ばれる、ハッピーエンドとなっています。
ただし、入籍は出来ないし、子供を作ることも許されない2人。今後は心配ですね。
* ドラマ【さらば、佳き日】は6月12日(月)からテレビ東京系にて、毎週月曜夜11時06分から放送!
画像出典「電撃大王」公式HP
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