【神様のカルテ】の原作小説ネタバレ!2・3・新章、結末は一止とハルにほっこり!

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神様のカルテ・小説

テレビ東京スペシャルドラマ【神様のカルテ】の原作は、夏川草介氏による同名のベストセラー小説。

信州を舞台に主人公・栗原一止が語る医療物語。

感動の名言が散りばめられた【神様のカルテ】の原作小説「神様のカルテ」「神様のカルテ2」「神様のカルテ3」「新章 神様のカルテ」計4冊の登場人物、ネタバレ、感想を紹介します。

目次

【神様のカルテ】原作小説の登場人物

【神様のカルテ】の原作小説の登場人物を紹介します。()内に、ドラマ出演者を記載。

主人公・栗原一止(くりはらいちと)(福士蒼汰)

本庄病院の内科医のちに大学病院へ。
信濃大学医学部卒業。
将棋が趣味で夏目漱石をこよなく愛している。
コーヒー好きで妻・ハルの淹れるコーヒーが世界一うまいと称賛。
御嶽荘の住人で住人からはドクトルと呼ばれている。

栗原榛名(くりはらはるな)(清野菜名)

一止の妻。
山岳写真家。

砂山次郎(すなやまじろう)(上杉柊平)

医学部時代からの一止の友人。
大学病院の外科医。
苦いコーヒーがお好み。

進藤辰也(しんどうたつや)(中村蒼)

愛称:タツ
大学時代からの一止の友人。
大学時代は一止と同じ将棋部所属。
血液内科医。

板垣源蔵(いたがきげんぞう)(北大路欣也)

愛称:大狸先生
消化器内科部長。
古狐先生とは学生時代からの付き合い。

内藤鴨一(ないとうかもいち)(尾形イッセー)

愛称:古狐先生
消化器内科副部長。

水無陽子(みずなしようこ)(伊藤六花)

本庄病院の看護師。

東西直美(とうざいなおみ)(大島優子)

本庄病院の病棟主任看護師。

御影 美雪(みかげみゆき)(上原実矩)

本庄病院勤務。
1年目の新人看護師。

外村(とむら)(新山千春)
救急部看護師長。
有能で美人の独身看護師。

男爵(だんしゃく)(大倉孝二)

職業は絵描き。
男爵はニックネーム。
御嶽荘、桔梗の間の住人。

学士殿(がくしどの)(岡山天音)

本名:橘仙介(たちばな せんすけ)
御嶽荘、野菊の間の住人

金山弁次(かなやまべんじ)(渡辺いっけい)

本庄病院の事務長
あだ名は大蔵省

乾(いぬい)

乾診療所の所長。
かつて本庄病院の外科部長。
ベテラン医師。
大狸先生、古狐先生の友人。

本庄忠一(ほんじょうちゅういち)

本庄病院の院長。
あだ名はサンタクロース

甘利(あまり)

本庄病院の外科部長

【新章神様のカルテ】の登場人物はネタバレに記載しています。

ドラマの出演者情報
ドラマ【神様のカルテ】のキャストと相関図!福士蒼汰が櫻井翔と同じ医師役に! | 【dorama9】

【神様のカルテ】の原作小説ネタバレ

【神様のカルテ】の原作小説ネタバレを紹介します。

一止に信州大学からの誘い

栗原一止:結婚1年目。妻は榛名、愛称「ハル」
信濃大学医学部卒業後、本庄病院勤務。消化器内科医師5年目の29歳。
本庄病院は病床400の松本平にあり診療は「24時間365日対応」。
信州大学から誘われているが、決断できずにいる。

内科医でありながら夜は救急医。目まぐるしく働く一止を補佐するのは、救急部看護師部長の外村さん。30台の独身で有能なナース。ほかに、東西主任看護婦、新人ナースの水無陽子がいる。

砂山次郎は大学時代からの付き合い。大学卒業後、大学病院に勤務しているが、派遣で現在は本庄病院に。ゆえに、現在は、一止と机を並べる外科医。

一止が勤務する消化器内科には、部長の大狸先生と副部長の古狐先生がいる。

主な患者は、胆のう癌の安曇雪乃72歳のおばあちゃん。大学病院で断られて、一止を頼りに本庄病院にやってきた。そして、62歳の膵臓癌の田川さんがいる。

一止の住まいは、築50年の建物「御嶽荘」の桜の間。
結婚記念日も大忙しで家に戻ると写真家の妻・ハルはモンブランに行ってしまっていた。

妻・ハルとの出会い

ハルと一止の出会いは御嶽荘。

3年前、北アルプスの写真を撮るために2か月間、ハルが御嶽荘に住んだことがきっかけ。

別れが近づいた頃「もうすぐ行ってしまうのか」と一止が言うと「もう少しここにいてもよいでしょうか」とハル。

ハルは幼くして身寄りを亡くし、親戚の家で暮らしていたが居場所がなかった。こうしてハルは御嶽荘の住人に。出会って2年で一止はハルと結婚。そして、1年が経過していた。

御嶽荘の住人には、絵描きの男爵と博士課程に身を置くという学士殿がいる。この二人と酒盛りをするのが一止の楽しみ。夜勤明けにいつものごとく酒盛りをしたが、翌朝には次郎から呼び出しがあり治療にあたる。

その夜、次郎と次郎が想いを寄せているナースの水無さんと居酒屋「九兵衛」で飲む。
次郎から「信州大学へ行くべきだ」と言われる。
高度医療を学び経験をすることで、より多くの命を救うことができる、というのが次郎の考え。

しかし、一止は大学病院では診てもらえない死を前にした患者と向き合いたい、という思いがあった。

患者の死

7日後、田川さんが亡くなった。

一止は思う。「悲しむのは苦手だ」と……。

家に帰るとハルが帰っていた。一止が何も言わなくても、患者が亡くなったことがわかるハル。深水神社に行こうと一止を誘い、二人で星を眺める。

一止の患者の安雲さんは身寄りがない。すでに死期は近づいていた。

「私は死ぬまでここに置いてもらえるんですか?」と問われた一止は深く頷く。

安雲さんのところには“グレーの紳士”と呼ばれる老紳士がいつもお見舞い来ていた。そのグレーの紳士は50年も前のこと、安曇さんの旦那に救ってもらった。旦那が死ぬときに「清子を頼む」と言い残したことで、お見舞いに訪れていた。

一止は紳士に安雲さんの病状を問われ「あと1か月だ」と告げる。

**

御嶽荘の住人、学士殿が自殺未遂をはかるが、男爵がみつけ助けることができた。
学士殿は大学生ではなく、高卒の浪人。8年を過ぎていた。母に嘘をつきとおし、その母は亡くなっていた。

退院後、学士殿は御嶽荘を出ることに。別れの日、男爵と一止とハルは「バンザイ」をして見送る。

**
雪の降る夜。
一止は1枚の手紙を大狐先生に見せる。

それは、信州大学医学部消化器内科からの見学の案内。
大狐先生が手配したことで、医局に行けというのではなく

「医局がどんなものか見てきなさい」ということ。

一止は2日間の休みをとり大学病院へ。
決断できぬままに再び本庄病院で働く一止。

安曇さんの様態は悪く動くこともままならない。
そんな中、12月20日、安雲さんの誕生日がやってきた。
山が好きな安曇さんの誕生日の願いは“山をみたい”だと、東西看護婦から聞く。

一止は東西看護婦と共に安曇さんを車椅子に乗せ、病院の屋上へ。ナースの水無もいる。
屋上から眺める山に安曇さんは「幸せだ」と喜ぶ。

前から安曇さんが好きだといっていた文明堂のカステラを一止はプレゼントする。
この2日後、安曇さんは亡くなった。

【神様のカルテ】結末ネタバレ

安曇さんの大切な帽子の中に一止への手紙があった。

一止への感謝の気持ちを綴った手紙を読み、ひとり嗚咽した。

一止は、本庄病院に残ることに。

高度医療に興味はあるが、大学病院で治療のできない患者たちと向き合う道を選んだ。

次郎はいつの間にか水無陽子と付き合っていたというハッピーエピソードも。

【神様のカルテ2】の原作小説ネタバレ

【神様のカルテ2】の原作小説ネタバレを紹介します。

進藤辰也と再会

本庄病院に残ることになった一止は、2日間だけの休日にハルと美ヶ原へ。

御嶽山を眺めながらハルは言う。

「イチさんが選んだ道であればついて行きます。疲れたときは足を止めて振り返ってください。私がいることを忘れないでください」

**

4月。本庄病院に新任の医師がやって来た。

進藤辰也ことタツ。
蕎麦屋の息子で一止の大学時代の友人。
辰也は大学卒業後、東京の病院に勤めていた。
5年ぶりの再会だ。

大学時代。
一止と辰也は将棋部に所属。

後輩の如月千夏を将棋部に誘ったのは一止。千夏を交え辰也と一止は交流を深めていった。一止は密かに千夏を好きだったのだが、片想いで終わってしまった。千夏と辰也は、一止が想いを告げる前に付き合っていた。
二人は結婚をし、夏菜という娘がいる。

**

御嶽荘に新たな住人が。

名前は鈴掛亮太。信濃大学農学部の学生で御嶽荘の「銀杏の間」に住む。

**

留川トヨは肺炎で入院。病状はよくない。付き添うのは夫の孫七。95歳。
トヨさん、マゴさんと呼び合う仲のよい夫婦。

辰也は時間になるとすぐに帰り、昼間はあまり往診にこないなど、評判が悪い。
忙しい合間、一止は辰也の担当患者も診察することも。

一止は大狸先生に呼び出され、辰也の勤務態度についてクレームが多く「どうにかしてくれ」と頼まれる。
患者の危機がありながら、病院にいない辰也に腹を立て、一止は辰也にコーヒーを頭からあびせてしまうことも。

たばこを吸うようになった辰也と話をする一止。

辰也は、医者である前に人間であることを主張する。寝る暇も休む暇もないことはおかしいことだと。さらに

「家族の気持ちはどうなるんだ」

と言われ、一止は何も言えなかった。
辰也がそう言うには理由があった。

千夏と辰也は東京の病院に勤務。夏菜を産んだ千夏は1年の産休をとった。

復帰した千夏は、進歩する医療についていくことで精一杯になり、子育てを放棄し病院にいりびたりになる。辰也はひとりで夏菜を育て医師の仕事をすることが難しくなり、信州の実家に戻ってきた。小夏は東京で医師の仕事を続けている。

夏菜のために生きる時間を辰也は何よりも大切にしていた。

辰也の苦悩を知った一止は、理解を示すようになる。
辰也は一止に「本庄病院にくれば君に会えると思っていた」と。

古狐先生の病

辰也の実家は母がひとりで蕎麦屋をやっている。
ハルと一止は蕎麦屋に行き、夏菜とも交流を深めていく。

そんな中、古狐先生が倒れた。
病名は悪性リンパ腫。正式名称はリンパ芽球性リンパ腫。

辰也が担当をし、化学療法を促す。
入院しても患者のことを心配し治療を引きのばそうとする古狐先生に

「医者である前に人間です」と辰也。

この言葉は、古狐先生に妻の千代がずっと言いたかった言葉だった。

**

留川トヨが亡くなる。
夫のマゴさんはトヨさんにむかい歌を歌う。
そして、トヨさんが亡くなって2時間しないうちに、病室で寄り添うようにして、マゴさんもこの世を去った。

**

入院患者の四賀さんと会田さんは仲がよく、一止と辰也は微笑ましくその姿を眺める。

**

辰也の娘、夏菜の誕生日。
一止とハルは辰也に招かれて蕎麦屋に行く。

夏菜の母・千夏からバースデーケーキが届き、夏菜は喜ぶ。

【神様のカルテ2】の結末ネタバレ

古狐先生の様態は悪い。

星空を眺め、古狐先生が妻の千代に告白したというエピソードを聞き、一止は辰也らと計画をし、古狐先生に星空を見ることにする。

病院のヘリポートまで車椅子で連れていく。

上空には星が見える。

そして、一瞬だけ病院内の電気を一斉に消す。(これには、職員たちに協力も)
空には天の川が見えた。古狐先生と千代への最高のプレゼントになった。

翌日、病院長の本庄と事務長の金山から呼び出された一止と辰也と次郎。
停電騒ぎでお咎めがあるも、大狸先生の一喝ですべてはなかったことになる。

それから1週間後、古狐先生は亡くなった。

葬儀では大狸先生は号泣し、千代は静かに頭を下げ続けていた。
古狐先生と大狸先生は学生時代からの付き合い。

二人の約束は
「この町に誰もがいつでも診てもらえる病院を」だった。

【神様のカルテ3】の原作小説ネタバレ

【神様のカルテ3】の原作小説ネタバレを紹介します。

栗原一止・30歳

本庄病院勤務の一止は相変わらず忙しい。

アルコール性肝硬変の横田が怪我をして運ばれてきたり、急患は絶え間ない。

そんな中、妻のハルと男爵に祝福され一止は30歳になった。

【神様のカルテ】3話の入院患者

・開田ツネ・肺炎・92歳

一止のことを「クリハラ」と呼び捨てする老女。
見舞いには妹の節子が訪れている。
孫夫婦はめったにこない。

退院後は、孫夫婦が引き取ることになっている。それは年金目当て。でも介護はしたくないからいつまでも病院にいればいいと思っている、とツネは考えていた。
しかし、孫はちゃんとツネを迎えに来た。

「うちに帰ろうな」という孫の言葉に、ツネは笑顔を見せた。

・横田

アルコール肝硬変で再び入院する。
酒をやめないことで困る患者。

そんあ横田が突然失踪。

横田は天神祭りの屋台で金魚すくいを開いていた。
それには理由が。

年に1度、天神祭りの時だけ、息子に会えるのだ。息子は父親とは知らず、お祭りのときに母親が連れて金魚すくいにやってくる。その息子のために、特別なポイを用意していて、たくさんの金魚がすくえるようにしていた。

消化器内科に新しい医師・小幡奈美

一止のいる消化器内科に、小幡奈美がやってきた。

小幡奈美(おばたなみ)
北海道の札幌稲穂病院で消化器内科をしていた。
医師になって12年目。
第一線のベテラン。
大狸先生は奈美の研修医時代の指導医。
実家が林檎農園でよく林檎を食べている。

東西看護師の恋

入院患者
・榊原信一(さかきばらしんいち)36歳

喘息発作、肝機能障害。
愛読書はジャン・クリストフだが下巻しかもっていない。
看護師の東西直美(28歳)は「シンちゃん」と呼ぶ。
榊原はもと音楽の教師。昔は作曲もしていたが現在は警備員。
酒瓶をベッドの下に隠し、隠れて飲んでいた。
それを見つけたのは一止。アルコール依存症のため精神科に転院することになる。

榊原と東西直美は、先生と生徒の関係だった。榊原は、うかつに近づきすぎてはいけないと思っていたが、交響曲の作曲が完成したとき、1度だけ東西と食事をした。
それが保護者に見つかり問題となって教師を退職。作曲家の夢も閉ざされた。

以来、お酒におぼれ、東西とは病院で再会したのだった。

ジャン・クリストフの上巻を持っていたのは東西だった。学生の頃に借りた本をずっと持っていたのだ。
転院の日、その本を一止から榊原に渡す。

東西はこの日、休みをとった。
榊原をゆっくりと見送るために……。

入院患者:島田耕三

入院患者
・島内耕三(しまだこうぞう)82歳。

家族は孫の賢二。息子夫婦を事故で亡くし、孫を育ててきた。
かつてはやくざ。背中に入れ墨がある。

救急外来でやってきたが奈美が採血もせずに帰した患者で、3日後、一止が診察をし入院する。
膵癌の疑い。

**

この頃、御嶽荘には猫のブロニカが住人に。
ハルにとてもなついている。
一止はハルにカメラのライカM9Pをクリスマスプレゼントする。

奈美の過去

大晦日

一止は奈美がわざとアルコール関連の患者の治療を意図的に避けていると感じる。
さらに、担当患者が死に直面しているときも、内視鏡の当番も、研究会に出席し留守にし、このことが看護婦たちから反感をかっていた。

一止は疑問に思い、奈美と話をするが、奈美は
「医学は進歩しているから学ぶことが必要だという。一止のような医者は、いくらでもいる」
と言い放つ。

重症の患者でないのは夜が明けてから受診すればいい、というのが奈美の考え。
しかし、外村看護師は「帰すにしても一度は診察をすべき」だと。
そのことで二人は衝突するが、のちに和解。

<奈美の過去>
奈美が大学時代に学生結婚をした。結婚して4年目、夫が膵臓癌に侵される。
最初に診察した医師は、知識がなく癌に気づくのが遅かった。慌てて大学病院で処置をしたが亡くなってしまった。
知識がある医者が人の命を助ける、と身をもって知ったのだ。

この時のことがあり、奈美は医局を辞め北海道の病院へ。そして再び大狸先生のもとへ戻ってきた。
一止と奈美はこの話をし、互いに認め合う関係にもなる。

その日は大晦日。
次郎が本庄病院で診察する最後の日、翌日から大学病院に戻った。

誤診

癌だと判断し手術をすることになる。
年齢的に迷う部分もあったが孫のためにと生きる道を選んだ。

オペは次郎が担当し無事に終了。

1月3日、一止がハルと初詣をしているとき、次郎から電話がある。

「島内耕三は“がんではなかった”」

耕三は、腫瘤(しゅりゅう)形成膀炎で薬で治る病気だった。
耕三の病名に関しては、一止は奈美にも相談をしていた。

院長に呼び出された際、奈美は「この手術の判断は間違ってはいない」と言い切った。
一止は耕三の病室へ。

耕三の孫・賢二は一止を責めた。しかし、耕三がそれを止める。
どんな人間であれ治療をすることに差はない。

「背中の龍で治療は変わらない」
一止の言葉が嬉しかった、と耕三は、一止に頭を下げた。

手術から2か月後、耕三は退院した。

【神様のカルテ3】の結末ネタバレ

一止は大学病院に行くことを決意する。
大狸先生が全てを引き受けてくれ、3月、大学病院を訪ねる。

医局長は雲之上(くものうえ)先生。
雲之上先生は奈美の研修医時代、同じチームの副長だった。

奈美の夫が死んだことを知っている雲之上先生から衝撃的な事実を知る。
奈美の夫の主治医は小幡奈美だった。

誤診で命を縮めてしまった張本人が奈美だったのだ。
本庄病院に戻り、一止は奈美にお礼をと、深く頭を下げた。

一止の送別会が開かれ、一止は大学病院に行くことに。

**

3月末日。御嶽荘。
尾久杉君は、4月から農学部が伊那に移るため御嶽荘を出ていき、学士殿が戻ってきた。
ハルと一止と学士殿でおいしいコーヒーを飲む準備をする……。

【新章 神様のカルテ】の原作小説ネタバレ

【新章 神様のカルテ】原作小説のネタバレを紹介します。

【新章 神様のカルテ】の登場人物

【新章 神様のカルテ】は、信濃大学医学部に入局し、大学病院で消化器内科医として勤務を始めて2年が経った一止を描いています。【新章】に登場する主な人物を紹介します。

宇佐美先生 
・第四内科准教授、病棟のベッド管理者 あだ名:御家老、パン屋

水島先生
・教授 あだ名:大黒殿

新発田大里(しばただいり) 
・4年目の消化器内科医 あだ名:利休

立川栄太(たちかわえいた) 
・1年目の研修医 あだ名:番長

北条先生 
・消化器内科3班の班長、あだ名:鬼切の北条

双葉佐季子(ふたばさきこ) 
・1年後輩 医学部卒業後病理学教室で基礎研究に携わる。

栗原一止・信州大学医学部大学院生

信濃大学医学部に入局し、大学病院で消化器内科医として勤務を始めて2年。

急患に追われ治療に追われる日々は変わらず、大学院生の一止は、研究をしながらも土日はバイトをしている。バイトは貴重な収入源。

どんなに忙しくとも股関節に病を持つ娘・小春の定期健診には必ず付き添っている。

一止が在籍するのは、消化器内科と腎臓内科で構成される第四内科の消化器内科・第3班。

班長は北条先生。消化器内科の医師新発田(あだ名は利休)と研修医の立川(あだ名は番長)。そして、医師9年目の一止。

**

准教授の宇佐美は、常にベッド数にこだわっている。ベッド数は限られているため、誰もかれも入院させることができないのが大学病院の実情。

ある日、ベッドがいっぱいのため、宇佐美から胃ろう造設で入院している園原今朝雄・84歳(そのはらけさお)を退院させろとの指示。

余計な患者は退院させろという宇佐美の考えに反感を抱く利休は、園原の件で衝突。
宇佐美の機嫌を悪くさせる。

一止は、園原を転院という形で話をすすめていくが、園原の娘が反論。
ここで一止は、それなら家で介護なさるといい、と案を出すと、娘は引き下がった。
家で介護をするくらいなら転院がいいという心理を見抜いての一止の心理作戦。

続いての患者は、100円玉を誤飲した小波拓也(こなみたくや)10歳。
母親の愛情が欲しくて、誤飲したのだと一止は見抜き、退院へと向かわせる。

腫瘍性大腸炎で入院中の岡さんの血便が続く。
三ヶ月前にはなかった腫瘍がみつかり、膵癌を疑う。

次郎も一止も戸惑うところ、海外にいた1班の班長・柿崎医師から「自己免疫性膵炎」だろう、と連絡がはいった。海外出張の中、患者のCTをみての診断。

柿崎医師に連絡をしたのは宇佐美准教授。

自分らで見極めることのなかったことを宇佐美がおかしいと判断した。
それぞれの分野に特化した人物が顔を揃える。それによって救われる命があること、自身の力のなさを一止は痛感する。

患者:二木美桜

そんな中、一止は、二木美桜の件で外科医の次郎から呼び出される。

患者:二木美桜(ふたつぎみお)29歳
家族は夫と7歳の娘・理沙。
膵癌の患者で手術はできない状態。
安曇病院から外科医への紹介、そして、外科医・次郎から内科医への紹介。

ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)を行った一止に診てもらいたいという希望。
8年前、本庄病院で美桜の父を一止が看取っている。
こうして美桜は一止のいる内科3班で治療を行うことに。

化学療法をするが病状はよくならない。そんな中、美桜の娘・理沙に
「ママ、治るの?」
と問われる一止は
「医者は魔法使いではない。絶対に治すと約束はできない。しかし、治すために全力を尽くす」
と約束をする。

美桜は、化学療法を変更し退院をするが、わずか1週間で発熱し、病状は悪化していく。

入院をしたくないという希望で外来での診療をしているが、時間の問題だと、一止は、夫に告げる。

美桜から
「死ぬ時は家で死にたいと思っている」
とお願いをされる一止は、なんとかその願いを叶えてやりたいと思う。

再び、美桜は自宅で発熱し病院に連絡が入る。
往診を勝手にするのはルール違反だが、一止は二木宅へ向かう。

このルール違反で、一止はアルバイト1か月停止に。

すでに死期の迫る美桜は入院することになる。

そこで、一止は美桜を家に戻してあげるため、乾診療所を訪ねる。

本庄病院で副院長まで務めた乾医師の運営する「乾診療所」は訪問看護を行っている。
一止は美桜のことを乾医師に頼む。

こうして、美桜は、大学病院を退院し訪問看護という形をとり自宅へ戻っていった。

ほどなく、美桜は自宅で息を引き取った。

【新章 神様のカルテ】結末ネタバレ

美桜の一件で、一止はどこかに飛ばされるという覚悟をする中、宇佐美に呼び出された。

一止は覚悟を決め、二木美桜を家に帰すことが必要であったと、その意味を訴える。

その後、一止はバイトも再開し忙しくしている。

そして……
来年春から1班の班長になると告げられた。
思わぬ昇格に驚く一止だが、教授らは一止の患者を思う治療を認めていたのだった。
医局には、二木の夫と娘からの治療に際してのお礼状が届いていたのだ。

柿崎先生はセンター長となり、北条先生は偉くなって病院を変えるという野望に燃えている。

新八田は飯山高原病院に派遣が決まった。

御嶽荘が壊される話がでていたが、男爵の働きで中止となり、相変わらずのメンバーは御嶽荘で暮らしている。

**

砂山次郎と水無陽子の結婚式。

タツの妻・千夏は来年の3月で東京の病院を辞め松本の辰也のもとに戻ってくることが決まっていた。

「もう大丈夫です」という千夏の言葉に一止は安堵する。

チャペルが鳴る。

一止は細君のハル(榛名)と歩き出す。

<完>

【神様のカルテ】原作小説の感想

【神様のカルテ】原作小説の感想を紹介します。

小説【神様のカルテ】は、命と向き合う医療現場の現状が描かれています。本庄病院に勤務する栗原一止が最終的には大学病院に勤務する。
医療は進化を続ける。医師もまた常に学びの場にいるのだとわかります。大学病院の諸事情はとても痛い部分もありますが、それが命を守るためだとも感じます。
患者にとって、頼れるものは医師です。栗原一止が患者と真摯に向き合う。死するとき、患者が何を望むのか、そのためにできることはないのか。患者の希望をできる限りかなえていこうとするその姿勢に感動します。
引き込まれる医療物語【神様のカルテ】には、もうひとつ引き込まれるものが。それが、栗原一止の語り。夏目漱石をこよなく愛する一止の語りで綴られる物語は、ユニークな表現もあり楽しめます。
一止の妻・ハルがとても可愛らしい。理想の妻です。こんな素敵な妻がいたら、一止も頑張れるというもの。娘も生まれ、一止は守る者が増えました。
物語は、一止の思わぬ昇格と次郎の結婚で終わっています。いつかまた、成長した一止に会えるでしょうか。続編に期待しています。

【神様のカルテ】の原作小説(著:夏川草介)

小説【神様のカルテ】
小説【神様のカルテ】
画像:公式サイト

福士蒼汰主演の【神様のカルテ】は、小説【神様のカルテ】の実写ドラマ化です。

小説【神様のカルテ】は、【神様のカルテ】に続き【神様のカルテ2】【神様のカルテ3】【神様のカルテ0】【新章神様のカルテ】の全5巻が刊行。
ドラマでは、【神様のカルテ】の1、2、3、新章の4巻が原作になります。
*【神様のカルテ0】は、一止らの過去の物語が描かれています。

【神様のカルテ】の作者・夏川草介さんは、小説家であり、信州大学医学部医学科卒業した医師でもあります。
医師として勤務するかたわら【神様のカルテ】でデビュー。
【神様のカルテ】シリーズのほか【始まりの木】【勿忘草の咲く町で 安曇野診療記】などを執筆しています。

2009年『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞。
2010年本屋大賞第2位。

【神様のカルテ】実写ドラマは、2021年2月15日から2時間放送!4夜にわたり放送します。

神様のカルテ・小説

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