『終りに見た街』衝撃ラストとおばあちゃん若返り、勝地涼の正体と口パク。モヤる3つのポイントを考察
『終りに見た街』衝撃ラストとおばあちゃん若返りとおんぶ、勝地涼の正体と口パク。モヤる3つのポイントを考察!
山田太一の名作をクドカンこと宮藤官九郎脚本で令和の現代にアレンジ。トラウマ級、衝撃の結末がいつも話題になるけど、今回のラストシーンをどう解釈すればいいのかわからない! モヤモヤするという声がSNSに上がっています。
その3つのポイントを解説します。
『終りに見た街』の衝撃ラストとは?
令和の現代から突然、第二次世界大戦中の昭和19年(1944年)6月に家ごとタイムスリップした主人公・田宮太一(大泉洋)とその家族、太一の父親ゆかりの小島敏夫(堤真一)とその息子・新也(奥智哉)は、戸惑いながらもそれぞれ何とか時代に順応して戦中の厳しい時代を生き抜いていきます。
歴史上では1945年3月10日(9日深夜)の東京大空襲で多くの人々が亡くなったため、少しでも多くの人に助かってほしいと、太一と敏夫は空襲が集中的に落とされる場所と、危険を回避できた場所を街中で叫んだり噂を流したりしていましたが、史実より早い時間に、史実とは異なり、太一たちがいる荻窪にB-29が容赦ない爆撃を続けます。
燃え上がる炎の中、息子の稔と逃げようとしていた太一は、激しい閃光を浴びて気を失う。ふと目を覚ますと、辺りは建物も人も何もかもが焼け焦げている状態で、自分の左腕もない。家族もどうなっているかわからない。遠くには昭和19年にあるはずのない東京スカイツリーや新宿の摩天楼が見える。
真っ黒に焼け焦げながらも、まだ息がある男を見つけた太一は水をやり、何年かと聞くと「にせんにじゅう…」と言いかけて死んでしまいます。すべてが壊滅しているはずなのに、スマホにはなぜか寺本(勝地涼)がいつものようなチャラいテンションの動画を上げています。
そのスマホを踏み潰す男。それは母・清子(三田佳子)が子供の頃淡い恋心を抱いていた初恋の人・小島敏彦(奥智哉/2役)。その背中には7歳の清子が嬉しそうにおんぶされている。太一の目に最後に映ったのは2人の姿だった。
『終りに見た街』の結末がわかりにくい?どう解釈する?
今作が3度目のドラマ化ですが、毎回ラストをどう受け取るべきかが話題になっています。今回は、原作にないキャラクター「勝地涼のプロデューサー」と「おばあちゃん」が加わっていてラストを一層意味深にしています。
初めて観た作品なのでラストがよく分からんかったんですけど…これは〝実はタイムスリップしてない2024年の話だった〟という事なのか〝若者たちが日本が戦争で負ける未来を変えようとした結果2024年まで戦争が続いた〟という事なのか…う~ん…(モヤモヤ)
— さきしま (@xshimaxshimax) September 21, 2024
(※終りに見た街)
「終りに見た街」ってドラマを流し見してたけど、呆然となるようなラスト。意図がわからないところも多いけど、戦争は過去の話じゃないっていうのは日々のニュースからでも感じ取れるし、実際日本だっていつ当事者になってもおかしくはない。
— 紗々弥花 (@sasayakaair) September 21, 2024
終りに見た街を途中から見てラストがよく分からんくて明日TVerとかで見直そう思ってたのに悶々と考えてしまい、F先生のある日…を思い出した
— E✌️ (@genkiipaiiiiiii) September 21, 2024
異色短編集と終わり見た街明日見れたら見よう
80年戦争が続いていたと考える方もいるようですが、あのままずっと戦争が続いていたら、東京スカイツリーや新宿の摩天楼もないのではないでしょうか。なので、時代的には次のように考察・解釈しました。
太一は、空襲の衝撃で今度は2024年にタイムスリップしたけれども、この世界線では2024年にも戦争が起きていて、原爆?水爆?を受けて東京は壊滅してしまった。
『終りに見た街』寺本P/勝地涼の正体!口パクは何て言っている?
東京が壊滅しているのに、なぜかピコピコ着信される寺本P(勝地涼)のメッセージや動画。こんなことを言っています。
こんなときだから、ヴィンテージワイン開けちゃうぇい!
ワインセラー最後の1本、誰か飲みに来ない?
地下シェルター快適〜
こんなときだからこそ、誰かどこかで飲んでな〜い?
最後の動画がまた意味深!
みなさん、お元気ですか?てらもっちゃんでぇーす。うぇーい。なんだかね、ミサイルやなんやかんやで外はたいへんなことになってますけども、こんなときだからこそ(?)アゲアゲでいっちゃいますね
この後、太一(大泉洋)を覗き込むような感じで何かを言っています。最後は口パク。
それっとな〜(?) なんだ、生きてた(?)
と言っているような気がします。
どうも太一が言っていた通り、太一たちをこんな目に合わせた張本人は寺本のようです。
1人地下シェルターに避難して余裕こいてるし、寺本は戦争プロデューサーなのか!? 小島敏夫(堤真一)が一緒に過去に飛ばされたのも、最初にテレビ局で寺本に会ってしまったからでしょう。
『終りに見た街』おばあちゃん若返り&おんぶはあのドラマネタ!
そして最後の最後に出てくるのが清子おばあちゃん(太一にとっては母)と初恋の人・小島敏彦。
太一が最後に目に焼き付けたのはこの2人の幸せそうな姿でした。
これがまたモヤモヤするところで、いったいどう解釈すればいいか。
寺本が太一に『終戦80周年記念スペシャルドラマ』の脚本を無茶ぶりしたとき、「恋愛要素も入れたり、韓ドラ要素入れたり俺らしさを出す」的なことを言っていましたよね。
恋愛要素は清子おばあちゃんの小島敏彦への初恋。おんぶシーンは韓ドラあるある。やはり打ち合わせときに『愛の不時着』というキーワードが出ましたが、このドラマにもおんぶシーンがあります。
おばあちゃんが若返ったのは、小島敏彦に恋したときの歳でタイムスリップしたから。
結局、すべて寺本のシナリオ通り。
小島敏彦が寺本のチャラチャラ動画が映っているスマホを踏み潰したので、反戦を訴える意味かなと。
でも太一がこの2人を見たのは幻影か、清子おばあちゃんも亡くなり、天国で敏彦さんに会えて幸せなところを息子に見せようと出てきた幽霊かもしれません。
前作、前々作のドラマの詳細は記憶にないのですが、今作ではクドカンのオリジナル要素が面白かったところでもあり、モヤモヤするところだったかもしれません。でも、戦争は今もいろいろな国で行われているし、自分だっていつ巻き込まれるかわからない。決して他人事ではないと感じたし、戦争について考えるよい機会になりました。
みなさんはこのドラマを見てどう感じられたでしょうか。
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