【もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(もしがく)】4話感想!モネの誇り、リカの覚醒!

もしがく4話

フジテレビ水10ドラマ【もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(もしがく)】4話「初日前夜」が10月22日(水曜)に放送されました。

久部の「夏の夜の夢」が幕を開ける前日の話ね。役者経験がほとんどない人たちの急ごしらえの劇団、どうなるんだろう。

演技に目覚め始めた人、ここぞというところで格好良い姿を見せてくれた人、今回も見応えあったなあ。

それでは、【もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(もしがく)】4話の感想をお届けします。

【もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう】4話の感想

4話の感想をお届けします。

久部は変われるのか

久部三成菅田将暉)は倖田リカ二階堂ふみ)に情熱的に演技指導し、公演の成功を自信たっぷり請け合いますが、内心は不安でいっぱいです。
素人を集めた急ごしらえの劇団で、準備が明らかに不足しているのです。
案内所のおばば(菊地凛子) に占ってもらったり、蓬莱省吾神木隆之介)に愚痴を聞いてもらったり。
久部は意外にも相談に乗ってくれた人の言うことを素直に聞くんですよね。
ただ、自分を追い出した劇団の主宰・黒崎小澤雄太)に対しては意地があり素直になれません。
WS劇場で自分のやりたい芝居を作ることは、黒崎たちへの復讐心からだと久部自身思っています。
そのくせ、激しく言葉を投げつけている時も、久部は黒崎の顔を見られないんですよね。
一方、黒崎にとっての久部は腹の立つ自分勝手な男ですが、彼の才能は認めていて、放ってはおけない存在のようです。
黒崎と久部が言い争う様子は、親と反抗期の息子のようにも見えます。
黒崎は、久部の劇団のゲネプロが面白かったことで少し嬉しそうでした。
このドラマは、八分坂に久部という異能の人が放り込まれたことによる街の人たちの変化を描いていますが、それとともに久部の成長も追っていくのだと思います。
自分のやりたいことをやりたいようにやって、古巣の劇団を追い出された男が、演劇とは縁のない人たちを集めて芝居の形を作っていく過程で、何を学び、何に傷つき、何を得るのか、あるいは失うのか。
久部は大人になっていくのか、それとも子どものままなのか。
「夏の夜の夢」で久部が演じる妖精パックは、いたずら好きで登場人物たちを混乱させますが、最後は幸せな結末を迎えます。
久部は八分坂に魔法をかけることができるでしょうか。

おばばの占いは当たるのか

案内所のおばば(菊地凛子) は久部に告げます。

おばば「失敗しろ。失敗のないところに成長はない。お前は人に甘い」
久部「違うな。僕はずるい人間だ」
おばば「ずるいが甘い、甘いがずるい。甘さで足元をすくわれ、甘さで人に救われる」

久部が「人に甘い」ということを表すエピソードのひとつが、支配人・浅野大門野添義弘)に対する処遇です。
セリフを覚えることができず、小道具や身体にカンペを書いて準備している大門に、久部は失望し、イージーアスは自分がやる、パックとイージーアスの二役をやると蓬莱に告げます。
でもいざそれを大門に伝えようとしても言えません。
弁当の注文を頼むと言うだけになってしまい、役を降ろすことを伝えられませんでした。
結局イージーアスは大門のままということになりましたが、この久部の優しさは果たして吉と出るでしょうか。

久部がパック役に専念できるのは良いと思うけど、問題は大門がちゃんとセリフを覚えられるかだよなあ。

久部と蓬莱の信頼関係

急ごしらえで準備不足のクベシアター。
自信ありげな素振りをしていますが、久部は不安でいっぱいです。
そんな彼をささえているのが蓬莱ですね。
ベストを尽くしましょうと励まし、自分は久部の「夏の夜の夢」が好きですと告げます。
久部はそんな蓬莱に「話せてよかった」「君は立派な演出助手だ」と言うのです。
久部が蓬莱が久部に頼まれて考えたパックのセリフも、当初は「こういうんじゃないんだよな」と否定的でしたが、ゲネプロではそのセリフを採用してバッチリ決めてくれました。

我ら役者は影法師
お気に召さずばただ夢を見たと思ってお許しを
たかが舞台されど舞台
この世に観客がいる限り我らは演じ続けます
ノーシェイクスピア
ノーライフ!

蓬莱は自分の言葉や自分の仕事が少しずつ認められていくのが嬉しそうですね。
2人の信頼関係は、このドラマの軸になっていると思います。

ジェシーの意気とモネの誇り

WS劇場のオーナー・ジェシー才賀シルビア・グラブ)は、かつてはリカたちのようにステージで踊っていたんですね。
その前には俳優座にいて、石立鉄男や加藤剛と同期だったとか。
WS劇場の他にもいくつも遊興施設を経営しているやり手ですが、役者からストリッパー、そして実業家と、波乱万丈の人生を送って来たようですが、4話でリカにアドバイスするジェシーはこれまでのイメージとは印象が違いました。

支配人と話す時のオーナーは実利主義って感じだけれど、リカと会話したり踊ったりしてる時はエンタメが大好きなんだってことがよく伝わって来たよ。

リカと踊るスリラーはキレッキレで圧巻だったわ。
しかもオーナーはピンヒールで踊ってたのよね。すごい!
オーナー、パーライト買ってくれないかなあ。

ジェシーは、今では華々しい成功者ですが、きっと様々な経験を重ねた苦労人なのでしょう。
一方、4話ではシングルマザー、毛脛モネ秋元才加)の誇りも描かれます。
モネは息子、朝雄佐藤大空)の担任・楠木関谷春子)から、教育上この環境で子育てするのは良くないと言われます。
モネに想いを寄せる警官・大瀬六郎戸塚純貴)や久部に口をはさまれると、きっぱりと口を出さないでほしいと断りました
WS劇場が小学生の息子にとって良い環境でないことはモネが一番よく知っています。
モネは、自分で道を選んで進んで行きたいんですよね。
それが彼女の誇り。
楠木に告げる言葉は、「これからはシェイクスピア俳優として生きていくの」。
もしかしたら、それは自分でも意外な道だったかもしれません。
ダンサーとして人々を魅了してきたモネは、これから役者としても輝いていきそうですね。

マスターの格好良さ

モネにきっぱりと自分の提案を拒否された楠木は、珈琲代を払って帰ろうとしますが、テンペストのマスター・風呂須太郎小林薫)が「11万3000円です。うちはぼったくりなんで」とふっかけて代金をもらわずに帰らせます。
この街で生きてきた者の誇りですね。

マスターカッコ良かったわ!

うる爺に癒され伴に惚れ惚れする

いつも飄々としていて、どこまでが本気で冗談なのかわからないうる爺井上順)。
台本にないネタを勝手に入れてしまうのは、人を楽しませたいサービス精神からなのでしょう。

井上順さんが画面にいると安心するのよね。間違いなく楽しませてくれるから。

伴工作野間口徹)は有能で頼りになる舞台監督。
不測の事態にも、彼がいてくれると心強い存在です。

ゲネプロに黒崎たちが乱入してきた時も「続けて。続けるんだ!」と力強く言っていてカッコよかったな。

トニーやリカが演技に目覚めていく

このドラマは、演技に慣れない素人が徐々に表現が豊かになっていく様子を、優れた演技力を誇る演者たちが、繊細に演じていくのが醍醐味の一つですね。
今回ゲネプロで黒崎という異物が入り込んだことで、役者たちの魂に火がついたようでした。
久部を罵倒する黒崎のよく通る声を鮮やかに切るように、トニー安藤市原隼人)や倖田リカ二階堂ふみ)がステージの空気を変えて物語を作っていくのが見事で、圧巻でした。
トニーは自分と同じ役のアキラに演技のアドバイスをもらう熱心さ。
純粋で真面目なんですね。
リカは地道に自主練を繰り返していましたが、黒崎の乱入がきっかけで殻を破った感じです。
情感のこもったリカの美しい声が舞台を包み、切ない表情が皆を魅了して拍手が広がりました。
ジェシーの「ステージでは大きな声を出すこと」というアドバイスもきっとリカの中で生きているんでしょうね。

【もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう】4話のまとめ

寄せ集めの素人劇団が、次第にひとりひとり輝くようになってきました。
次回は、いよいよ初日の幕が上がります。
どんな「夏の夜の夢」が見られるでしょうか。
5話の放送は10月29日(水曜)22:00からです。
どうぞお楽しみに!