【もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(もしがく)】1話ネタバレ感想!反響はなぜ二分した?

もしがく1話

フジテレビ水10ドラマ【もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(もしがく)】1話「ここは八分坂」が10月1日(水曜)に放送されました。
「流石三谷幸喜脚本!面白かった」という声と「期待したほどではなかった」という声と、反響が分かれているようです。

私は面白かったけれど、そう感じなかった人たちもいるのかしら。
三谷幸喜さんの作品だから期待値が高過ぎたのかな。

1話はどうしても設定と人物の紹介で終わってしまうからね。
物語が動き出すのはこれからだよ。
僕は2回見たんだけど、2回目のほうが入り込めて面白かったよ。

それでは、【もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(もしがく)】1話、ネタバレありの感想をお届けします。

【もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう】1話のネタバレ感想

1話の“ネタバレありの感想”をお届けします。

評価が分かれたわけは

【もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(もしがく)】1話では、演出家の卵・久部三成(菅田将暉)が渋谷の八分坂で生きる人々と出会うところまでが描かれました。
1984年の渋谷を再現した巨大オープンセット、ずらりとそろった主演級の俳優陣、三谷幸喜の半自叙伝と、大きな話題を呼んだドラマですが、実際に見た人たちの感想は称賛の声と期待に届かなかったという声とに分かれました。
これは、見る側が、当時の流行・風俗を知っているか知っていないかの問題ではないように思います。
1話は物語の設定の提示と登場人物の紹介にほぼ丸ごと使ってしまったため、ストーリーが進まずどこか散漫な印象を届けてしまったのかもしれません。
放送時間を30分延長したことも、テンポの悪さの一因のような気がします。
登場人物全員に焦点を当てるよりも、メインの数人に絞って物語を進めるほうが視聴者は引きこまれるように思いました。
1話のラストでようやく久部はWS劇場にたどり着いたわけですから、今後もっと主人公が他の人物と絡んでいく展開になっていくはずです。

2回見るのはおススメだよ。2回目はストーリーがわかっているから安心して世界観に浸れるし細かなところにも気づけるんだよね。

二階堂ふみのダンスシーンに称賛が集まる

1話はほとんど起伏のない展開でしたが、ラストに大きな感動が待っていました。
WS劇場のダンサー、倖田リカ二階堂ふみ)が艶やかに踊るシーンです。
照明スタッフが看板ダンサー・いざなぎダンカン小池栄子)とともに駆け落ちしてしまったため、スポットライトを当てる者がいません。
固定のライトの中で踊るしかないためほとんどステージの真ん中にいたリカを偶然見た久部は、リカの良さを活かせていないステージに我慢ならず勝手にステージの上にのぼってスポットライトを当てます。
ギラギラとした目でリカをとらえながら光を当てる闇の中の久部と、光に包まれながら闇の中の久部を見つめるリカ。
演じさせる者と演じる者の真剣勝負のような張りつめた美しい場面でした。

『もしがく』をこんなふうに楽しもう

せっかくだからいろんな角度から楽しみたいな。

まずは八分坂の世界に身をゆだねてみよう

「Pray speak what has happened.(話してごらんよ、何があったか)」
八分坂横丁のアーチに添えられた文字です。
怪しいネオンが光る八分坂は、ちょっと危険な香りがする魅力的なところ。
悩みや不安を抱えて訪れたらきれいなおねえさんが話を聞いてくれるかもしれません。

9万円のチャージ料を請求されるかもしれないけどね!

1894年の渋谷の街を丸ごとオープンセットで作ってしまったという贅沢さ。
猥雑で妖しくてネオンの光に惑わされそうな八分坂。
ノスタルジックでもあり近未来的な異空間のようでもある八分坂自体が、一つの生き物であり、主人公のようでもあります。

この世界観をまずは心ゆくまで堪能したいな。

風変わりな主人公を楽しむ

蜷川幸雄とシェイクスピアに心酔し、自分の演劇論を譲らない頑固で暴走しがちな久部。
劇団員たちを怒鳴りつける様子からは、生意気で独善的な性格なんだろうと感じました。
しかし、八分坂にやって来た彼は、遊び慣れていないウブな一面を見せます。
リカに手玉に取られるところなど、素直で可愛らしいですね。
人間というのは多面的なんだなとつくづく感じます。
そしてラストでリカをピンスポットで照らす久部は、それまでとは別人の演劇人の顔をしていました。
1話の久部の印象は、いつでも本気の人だということ。
いろいろな表情を見せてくれる彼は、見ているだけで面白いです。
神木隆之介さんは、普段の菅田さんは圧のようなものはまったく出さない人、久部のように一つひとつのセリフを100%全力で言ってくる姿は初めてで、それが今板についた菅田を見ているとすごいなと思うと語っています。

登場人物の誰かの視点で見てみる

主演級の俳優が次々と出てきて、人物が覚えきれないという声があがっています。
いっそのこと、登場人物のうち誰かひとりの視点で見るようにすると、ストーリーの中に入っていきやすくなるかもしれません。
蓬莱省吾神木隆之介)は新人の放送作家です。
若き日の三谷幸喜さんがモチーフになっていて、狂言回しの役割も担います。
八分坂の人々を観察する立ち位置なので、蓬莱の視点で見て行くと物語をより楽しめるし個性的なメンバーたちに親しみを持てるのではと思います。

菅田将暉×神木隆之介を楽しむ

冒頭に、「どうなろうとも、時は過ぎる、どんなひどい日でも」というシェイクスピアの戯曲「マクベス」の一節がありました。
「マクベス」というと、菅田将暉さんが主演したドラマ『コントが始まる』(2021年)という名作を思い出します。
劇中で中心となるお笑いトリオ「マクベス」は、菅田将暉さんは、神木隆之介さん、仲野太賀さんの3人が演じました。
菅田さんが演じた主人公はネタ作り担当で、彼は活動高校2年の文化祭で演劇の脚本を書き賞を受賞しているんですよね。
神木さんとはそれ以来の共演。
その神木さんが、本作ではお笑いコンビ「コントオブキングス」のネタ作りに参加しているのも何か縁を感じてしまいます。
信頼し合う俳優同士の菅田さんと神木さんの再共演、大いに楽しみたいと思います。

神木隆之介さんのインタビューより
劇中で蓬莱は久部の演出助手という立ち位置で絡みます。蓬莱にとって久部は初めて見るタイプの人間で、すごく強引だけど「僕たちを新しい場所へ連れて行ってくれるんじゃないか」という期待感も抱かせる人。だからついて行きたくなるんだろうな、ということは心の中で思いながら演じています。

お気に入りの人物を見つける

次々と個性的なキャラクターが登場するので、自分のお気に入りを見つけて注目するのも楽しいと思います。
たとえば、菊地凛子さんが美貌を封印して演じている八分坂案内所のおばば
エキゾチックで、国籍も年齢も超越しているような存在です。
彼女は何やら久部の未来を予言するようなことを言います。

おばば「ようこそ八分坂へ。あんた変わるよ、八分坂で。何かを得て何かを失いそしてまた何かを得る。仕事を得て仲間を得て一国一城の主となり…そして」
久部「…そして?」(息をつめて続きを待つ)
おばば「いってらっしゃーい!」

人を食ってますよね。
久部が出て行った後、おばばは水晶玉を見て大きく目を見開き、何かを考え込みます。

私は井上順さんの演じている「うる爺」が気になるわ!

WS劇場の客引き・うる爺井上順)はかつては漫談師で、蓬莱の前で往年のコメディアンぶりを見せてくれるのですが、リカが準備を終えるまでのつなぎ役を頼まれいざステージ衣装を身に着けると謎のかゆみに襲われてしまってステージに上がれません。
漫談師だったうる爺が客引きになるまでに何があったのでしょうか。
井上順さんの洗練された話術とユーモアは極上ですね。
WS劇場支配人の浅野大門野添義弘)と妻のフレ長野里美)も味わい深いです。
また、淫靡で猥雑な世界に艶やかに咲いた薔薇のようなリカと、潔癖で清廉な八分神社の巫女・江頭樹里浜辺美波)との対比も注目ポイントだと思います。
1話のキーになった人物、いざなぎダンカンがまた姿を現すかどうかも気になります。
小池栄子さんのダンスシーン、華やかで素晴らしかったです。

【もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう】1話のまとめ

もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(もしがく)】1話では登場人物を一通り紹介しました。
個性的なキャラクター同士がこれからどんな化学反応を見せてくれるでしょうか。
リカと出会ったことで、久部はどんな道を進むのでしょう。
久部が現れたことで八分坂はどんな変化を見せるのでしょうか。
物語はこれからです。
2話の放送は10月8日(水曜)22:00からです。
どうぞお楽しみに!