映画【ミッシングチャイルドビデオテープ】あらすじネタバレ!謎を考察&感想:幽霊じゃない?

2025年1月24日(金)から公開された映画【ミッシング・チャイルド・ビデオテープ】。

廃墟に入ったら最後、もう戻ってこられない…。

本記事では、【ミッシング・チャイルド・ビデオテープ】のあらすじ・ネタバレや謎の考察&感想などについて書いていきます。

目次

映画【ミッシングチャイルドビデオテープ】あらすじ

敬太(演/杉田雷麟)は、幼いころに弟の日向(ひなた)を山の中の廃墟で見失ってしまいました。

何年経っても戻らない弟、そして両親に負い目を感じ続ける敬太は、ボランティア活動を通して遭難事故を未然に防ぐなど、社会貢献をすることで正気を保っています。

ある日、敬太の自宅に母親から届いたダンボール。

中には、1本のビデオテープが同梱されていて…。

映画【ミッシングチャイルドビデオテープ】ラストまでネタバレ

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以下、映画本編の結末にふれています!未鑑賞の方はご注意ください!

ビデオテープ

同居人の(演/平井亜門)と2人暮らしをしている敬太。

ある日、2人の元に、敬太の母から荷物が届きます。

霊感をもつ司は、同梱されたビデオテープにふれた途端、拒否反応を示しました。

しかし、敬太は「一緒に見てほしい」と司を誘います。

再生されたテープには、幼い敬太が弟の日向とかくれんぼをする様子が収められていました。

敬太自身によって撮影されている映像には、弟をひいきする父親への苛立ちや、敬太の本心に気づかない母親への反抗までがしっかり映っています。

つちやです

10分弱の映像には、たくさんのヒントがありそうで…。

映像では、山の中の廃墟にたどり着いた敬太と日向の姿が。

ぷよぷよがいる」という日向を無視し、まとわりつく弟が鬱陶しいと、なかば追い払うようにかくれんぼを始める敬太。

一旦は日向をみつけたはずの敬太でしたが、すぐに見失ってしまいます。

消えた弟を探す敬太の焦った声と、ブレた画面にてビデオは終了していました。

同居人の司は、このときまで敬太の過去を知らず、動揺します。

トラウマの種でもあるテープを送りつけてきた母親に怒りをおぼえた敬太は、実家に戻って話をつけてくることに。

司は、敬太を心配して同行することとなりました。

家族を終わらせるために

司の運転で、忌まわしき実家へと向かう敬太。

実家に母の姿はなく、昨年他界した父の遺影すら片づけられ、空っぽの仏壇が妙に不気味です。

2階へ上がろうとする敬太の後ろで、行きしぶる司。

2階、怖い?」と聞く敬太に、怖いとまでは言わずとも、司は1階に留まりました。

1階に戻り「母さんはいなかった」という敬太は、日向を見失った摩白山(ましろやま)へと司を誘います。

山のふもとには、ボロボロになった捜索チラシが。

それは、日向を探し続ける、敬太の母親が自作したものでした。

つちやです

ここで登場するおじいちゃんが意味深なことをいう…。

日も暮れかかり、山をおりようとした敬太の前に、なんと当時のままの日向の姿が。

司の制止もきかず日向を追いかけた敬太が見つけたのは、山に不法投棄された大量の骨壺でした。

摩白山
※本編未鑑賞の方は開かないでください

一方、東京では、敬太の過去に興味をもった新聞記者・美琴(演/森田想)が、摩白山でおきた不可解な事件の数々にたどり着いていました。

実は、敬太の事件について追っていた美琴は最近、司にコンタクトをとっていたのです。

摩白山の近くにぽつんとある宿で休憩をとりながら、美琴から連絡を受ける司。

美琴は、摩白山にまつわる膨大な事件を調べあげ、そのひとつである明洋大学山岳部集団失踪事件、その当事者たちの音声が入ったテープを入手していました。

音声の中に「2階、怖いですか?」という台詞を聞き、敬太の発言を重ねた司は、持ち前の霊感により、敬太に摩白山が影響していることに気づきます。

胸騒ぎを元手に、1人で敬太の実家にもどった司は、2階で首を吊っている敬太の母の遺体を発見。

「敬太には死体が見えていなかった」と感じた司は、美琴に電話で、敬太に危険がせまっていることを伝えます。

しかし、美琴の側へは司の声で、山の中へと向かうように指示がなされたのです。

つちやです

霊(?)の電波ジャックとかほんと不可避

こうして、美琴は敬太とともに、山の奥へと進んでしまいます。

ふたたびの廃墟へ
※本編未鑑賞の方は開かないでください

明洋大学山岳部員たちの音声テープを手に山を登る敬太は、ついにあの日、日向を失った廃墟にたどり着きます

日向の遭難以来、存在さえ見つけることのできなかった廃墟。

中に入った敬太は、失踪当時と変わらない姿をした日向を発見します。

喜びを表現するでもなく、うつろな様子で「日向」とくり返す敬太。

そこへ、遅れて、美琴をともなった司が到着します。

敬太の異様なふるまいを見て、司は「敬太と出会ったときから、日向くんは敬太の隣にいた。もう死んでるんだ」と秘密を暴露します。

つちやです

友を守りたかった司の心意気

困惑する敬太。

すると、急に司の周囲が変化し、目の前に幼い敬太が現れます。

司は、日向が失踪したあの日にタイムスリップ、否、あの日敬太がもっていたビデオカメラの映像の中に入ってしまったのです。

…それから3ヶ月後。

司の行方は、いまだ不明のまま。

美琴は新聞社で働きながら、司におこった“神隠し”について考えます。

一方の敬太は、司を失った部屋でひとり佇んでいました。

ふとふり返った敬太は、「司」とつぶやくのです…。

つちやです

言語化できない、素晴らしいカットだらけなので、未見の方はどうぞ劇場へ!

映画【ミッシングチャイルドビデオテープ】謎を考察&感想は?

続いて、本編中の謎を考察しながら、感想を書いていきます!

とんちんかんなことをいっているかもしれませんがご容赦ください。

映画本編の内容にふれています!ネタバレにご注意ください!

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マルチバースor霊界?

希望的観測としてのマルチバース

いなくなってしまった誰かが、「知らない場所で元気に生きていてくれたなら」という妄想を信じきることができたら幸せでしょう。

幽霊も、「お願いだからもういちど会いたい」という人間の欲望がつくりあげたもの、という側面をもつと思うのです。

が、本作においてはマルチバース説がアツい…。

摩白山で、敬太と司が出会った老人も、捉え方によればマルチバースを示唆する台詞「かくれんぼしているんじゃないかなぁ」をくれました。

また、冒頭のビデオテープ映像の中で、廃墟の階段付近に乾いた血のあとが見えるのも、マルチバースの理論にうとい筆者は言語化できませんが、“っぽい”です。

ビデオに吸収された司、ラストシーンでビデオに入れられた“っぽい”敬太、この辺も非常に“っぽい”!

つちやです

ビデオの中と外、どちらが私たちの側なのか…?

摩白山には、別の宇宙への入り口があるのかも!

トラウマがもたらす悲劇

敬太、そして美琴にはトラウマがついてまわります。

徹底的に恐怖の対象を映さない手法(後述)は、彼らを孤独にし、彼らの痛みを増幅させる装置としても機能していました。

美琴が恐れる“ストーカー”とは、司いわく霊体らしいことだけはわかりますが、美琴の口から正体が明かされることはありません。

終盤、廃墟の中で何者かに腕をつかまれる美琴ですが、この腕の主こそが恐怖対象…しかし、やはりそこから先のディテールは美琴の中にしかないのです。

つちやです

観客の数だけ腕の主がいる!

敬太のトラウマは美琴のものよりわかりやすく提示されます。

そもそもほころびのあった父母は、日向の事件後に心を病み、敬太を追いつめました。

そして、死してなお、敬太を見張るようについてまわるのです。

宿の部屋で、はっきりと現れた母の亡霊に詰め寄られる敬太はかわいそうでした。

しかも、過去のトラウマに縛られたままの敬太は、司という現在を失うこととなる

人生訓として受けとりました。

山の影響

敬太を惑わせる摩白山の影響は、登場人物を平等に支配します。

宿屋の息子・雪斗(演/吉田山羊)が、摩白山のふもとで日向の捜索チラシを見ているとき、チラシは新品でした。

敬太と司が見たときはボロボロになっていたチラシ…すなわち“っぽい”でしょう。

つちやです

ほんと物理学むりですみません

幼いころに一度、山に入っていた敬太はずっと影響を受け続けていたのか、摩白山に戻る運命だったのか…。

雪斗が語ったように、人々が神や仏を“捨てて”いた山なのだとしたら、その神や仏がつくった、より良い世界が別のバースにあるかもしれない…と考えるのは傲慢でしょうか。

映さない恐怖

最後に、撮り方という面で映画の外側についての感想です。

前述のように、恐怖対象を映さない(恐怖対象が存在しない)つくりになっていたのが恐ろしくて、最高でした!

全編を通して美琴を襲う恐怖も、聴覚的には向かってくるものの、視覚的にはなにも起こりません。

「私が見逃しているのではないか」と不安になってくるさりげなさがカッコいい。

司が、冒頭の車内で、バックミラーで後部座席の遺骨を確認する描写も、なにか映りそうで映らない

でも、司には、なにかがきっと視えている。

つちやです

目を凝らしたら見えちゃいそうでゾゾゾ

最も興奮したカットは、廃墟の中で、敬太の背後に現れた父母と日向の霊(?)にピントが合っていなかったところ。

なんだか言い得て妙というか、台詞ではなく画で話す、まさに映画っぽい最高さがありました。

ミッシングチャイルドビデオテープ】ネタバレあらすじ・考察・感想まとめ

ビデオテープに郷愁を感じる最後らへんの世代である筆者、独特のノイズに戦慄しました。

「わからない」恐怖を真摯にとらえた、素晴らしい映画です。

まっすぐなホラー愛ほとばしる映画【ミッシング・チャイルド・ビデオテープ、ぜひ劇場でおかわりして、考察に花を咲かせてください!

〈出典〉映画『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』公式XWikipedia

ミッシングチャイルドビデオテープアイキャッチ

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