【くるり】最終回の感想!まこと(生見愛瑠)は幸せな思い出もさみしい記憶も全部抱いて前に進む!
【くるり】最終回の感想!まこと(生見愛瑠)は幸せな思い出もさみしい記憶も全部抱いて前に進む!
【くるり〜誰が私と恋をした?〜】最終回「私が恋したのはー」が6月18日に放送されました。
とうとう最終回だね。まことはほとんどの記憶を思い出したけれど、記憶喪失の原因になった事故当日の記憶がまだ戻らないのよね。
記憶を失う前の恋人だった律と、今好きだと思う公太郎、まことはどちらを選ぶんだろう。そして指輪は誰にあげるつもりだったんだろうね。
まことの恋の相手を探すというだけではなくて、本当の自分らしさってなんだろうとか、記憶の不確かさ、思い出の持つ力とか、いろいろ大切なことを教えてくれたドラマだったわ。終わるのがとてもさみしい。
それでは、【くるり〜誰が私と恋をした?〜】最終回の感想のまとめをお届けします。
【くるり〜誰が私と恋をした?〜】最終回
・記憶が戻った緒方まこと(生見愛瑠)はこれまで支えてくれた西公太郎(瀬戸康史)に感謝するが、記憶を失う前のまことが板垣律(宮世琉弥)とつき合っていたことを知った公太郎は別れを告げる。
・まことは律とデートしていても自分らしくいられないことを感じてもう一緒にいられないと話した。
・まことは記憶を失う前から公太郎を好きだったことを思い出す。
・まことの転落事故は、朝日結生(神尾楓珠)の無自覚の行動が原因だったことがわかる。
・まことは公太郎と改めてお互いの気持ちを確かめ合った。
【くるり】最終回の感想
さくらんぼは花に戻れない
平野香絵(丸山礼)は、記憶を失ってからのまことをずっと見守り相談に乗ってくれています。
香絵のアドバイスには心に残る名言が沢山あり、若いけれど人生の上級者と言えるでしょう。
まことが公太郎と離れ以前の恋人・律とつき合うようになった話を聞きながら、「律が楽しませようとしてくれて」と言うまことに、まこと自身は律といてどう感じるのかを尋ねます。
そして公太郎への気持ちはどうなったのかを聞きました。
まことは、お花屋さんとお客さんに戻っただけだと答えます。
すると香絵は故郷のお土産のさくらんぼを食べながら、記憶喪失になったまことと自分が親しくなったのは桜の花の季節だったことを振り返ります。
「さくらんぼは今さら花には戻れないけど、…美味しいよ」
なんて含蓄のある言葉でしょう。
公太郎を好きになった気持ちをなかったことにはできない。
香絵はまことの幸せを心から願っているんですよね。
優しい友達です。
泣かないで律
まことは記憶を失う前の恋人・律ともう一度つき合うことにしますが、“律が好きなきれいで大人っぽい女性”に戻ろうとしたことは間違いだったことに気づきます。
律に無理して笑わせているのは自分らしくない、律とはもう一緒にいられない、と素直に告げました。
律は恋人だった頃のまことを取り戻すことに必死だったけれど、今のまことがもっと好きだと言いますが、まことの気持ちは変わりませんでした。
最後にしっかりと抱きしめて「俺フラれるの二度目だから(大丈夫)」と笑顔でまことを送り出した律。
まことの姿が見えなくなってようやく涙を流して。
「今度は笑って別れられたからいいか…」
さみしくていい匂い
律と別れて帰って来て、まことは公太郎からもらった沈丁花のアロマキャンドルに火をつけます。
香りは記憶を呼び覚まし、幼い頃父とブランコで遊んだ思い出が蘇りました。
それは8歳の時の記憶。
母と離婚して去っていった父との最後の思い出。
その時に香っていたのが沈丁花でした。
毎年その香りがすると不安でさみしい気持ちになっていたまこと。
花の名前も知らなかったまことに、これは沈丁花の香りだと教えてくれたのは公太郎でした。
「花を見て美しいと思うのもうまそうと思うのもさみしいと思うのも自由だ」と言ってくれた公太郎。
自分のさみしい気持ちを肯定してもらって、その時からまことは公太郎のことが好きになっていたのでした。
記憶を失う前から。
ドラマを温かく包んでくれた井口夫妻
公園で偶然出会った井口千草(片平なぎさ)は、まことがこの場所のいい思い出が今は辛いという話をすると、自分の記憶障害のことをまことに話してくれました。
何もかも忘れてしまうのだけれど、時々自分自身に戻れることもある、と。
「幸せなことばっかりじゃなくて、楽しいけど苦しかった若い頃とか、嬉しいのに泣けてくるような贈り物とか」
そこでまことが「さびしくていい匂いとか」と口をはさむと、「そう」と笑います。
「辛いことも苦しいことも今はその記憶全部が愛おしい」
そういう千草に、まことは、「さみしいからって忘れたら勿体ない、さみしい記憶のまま覚えていたい」と答えました。
千草にとって井口太郎(肥後克広)は正しく夫と認識できる時と兄と思ってしまう時があります。
それは井口にとってとてもさみしいことだけれど、それでも彼女が「笑って幸せでいてくれたらかまわない」と言うんですよね。
記憶喪失になって通った井口メンタルクリニックで井口夫妻に出会ったことは、まことにとって大きな支えと学びになりました。
他者には想像がつかないようなものを抱えていても、いつも穏やかで温かな井口院長と、朗らかで優しい千草。
肥後さんと片平さんの存在はこのドラマにとってとても大きかったと思います。
ストーカーの正体は
まことのハンカチを拾い洗って玄関ポストに入れたのは、そしてちゃんと受け取ったかあの日確認したくてまことの後をついてきたのは朝日でした。
まさかまことがストーカーと勘違いしておびえていたとは知らなかったんですね。
朝日にとっては大切なカップ麺の思い出をまことは覚えていなかったり本当に不憫な役でしたが、誠実な佇まいの神尾楓珠さんが演じる朝日のひたむきさを応援する視聴者は大勢いました。
まことはチョコレートをもらったことは覚えていて「嬉しい思い出」と言ってくれました。
そして、「またね」って。
良かったね、朝日。
最後に、泣いている律をブランケットで隠してあげる優しさはブランケット男子の面目躍如でした。
桜がきれいだとまことが伝えたかった人
階段から落ちた直接の原因をまことは「公太郎さんのせい」と言います。
逃げて階段の前まで来た時に夜桜を見てきれいと感じて、それを公太郎に伝えたいと思った。
「花をきれいって思えるようになったら来て。うち花屋だから」と言われたまことは、これで会いに行けるって思ったんですね。
フラれたけど指輪をダメ元で渡してみようって思ったら慌てて足を踏み外してしまったと。
それは朝日をかばうまことの優しい嘘でしょうか?
でも花を見てきれいに思えたことが本当にまことは嬉しかったんですよね。
きれいだと公太郎に伝えたかったのはまことの真実。
記憶を失う前も後もまことは公太郎が好きで、指輪をあげたかったのも公太郎でした。
そして公太郎は、以前はまことを異性と意識していなかったけれど、記憶を失ってからの生き生きとしたまことに心惹かれていきました。
2人の恋が成就したのは桜の花のおかげだったのかもしれませんね。
花を見てきれいだと感じて、それを伝えたいと思う人がいるのはなんて幸せなことでしょう。
めるるの繊細な演技
【くるり〜誰が私と恋をした?〜】は、まことが記憶喪失になってからの物語でした。
自分自身が何者かわからなくて不安なまこと、出会う人や物に新鮮に反応するまこと、記憶を失う前のモノトーンのまこと、自分がやりたいことを見つけて生き生きと輝くまこと、恋をするまこと、少しずつ記憶が蘇って混乱するまこと。
様々な緒方まことを演じ分けた生見愛瑠さんは本当にお見事でした。
表情や瞳の色の繊細な変化が素晴らしかったです。
魅了されました。
【くるり】最終回の出演者
生見愛瑠、瀬戸康史、 神尾楓珠、宮世琉弥、丸山礼、高野洸、小日向ゆか、村方乃々佳、小池唯、肥後克広、ともさかりえ、片平なぎさ、ほか。
【くるり】最終回のまとめ
まことも公太郎も朝日も律も、嬉しかったり切なかったり様々な想いをしながら前へ進んできました。
最後はそれぞれの成長が見えたこと、ラブストーリーとして幸せな結末だったことがとても嬉しかったです。
千草は、記憶が戻っている時もなくしている時も幸せそうです。
それはきっと、その時その時の千草を院長が大切にしているからだし、千草も自分を肯定して生きているから。
辛い記憶もさみしい思い出も忘れなくて良いというこのドラマのメッセージはとても力強いものでした。
全部抱いて進んでいけばいいんですよね。
たとえ忘れてしまったとしてもなくなったわけじゃない、ちゃんと自分の栄養となって一緒に生きていく。
このドラマの登場人物たちは、皆そうやって自分らしく進んで行くのだと思います。
幸せな気持ちにさせてくれるドラマでした。
記事内画像出典:くるり~誰が私と恋をした?~|TBS