【金田一少年の事件簿】オペラ座館ファントムの殺人ネタバレ!犯人に継がれた復讐と愛に鳥肌!
【金田一少年の事件簿】オペラ座館ファントムの殺人ネタバレ!犯人に継がれた復讐と愛に鳥肌!
実写版【金田一少年の事件簿】「オペラ座館ファントムの殺人」が6/26に放送されます。原作「オペラ座館・第三の殺人」、初の実写化となります。
三度「オペラ座館」で起きる殺人劇。犯人の正体は?復讐の裏に隠された愛とは?犯人の狂気は鳥肌モノです。
今回の記事では原作版「オペラ座館ファントムの殺人」の犯人、動機をネタバレ。
【金田一少年の事件簿】配信情報
【金田一少年の事件簿】放送後からhuluで配信予定。
さらにhuluでは歴代の【金田一少年の事件簿】を期間限定で配信。最新作に備えて過去の名作を見返すのはいかがでしょうか?
【金田一少年の事件簿】「オペラ座館ファントムの殺人」の収録巻
【金田一少年の事件簿】「オペラ座館ファントムの殺人」の原作「オペラ座館・第三の殺人」は第2期2作目の長編。
コミックス及び、文庫版【金田一少年の事件簿 オペラ座館・第三の殺人】に収録、全15話。
登場する怪人は三度「オペラ座館」に現れた亡霊「ファントム」。
「オペラ座館・第三の殺人」は【DMMブックス】で購入できます。
【金田一少年の事件簿】「オペラ座館ファントムの殺人」の登場人物(出演者)
まずは「オペラ座館ファントムの殺人」の登場人物(出演者)を紹介。劇団内での人間関係は舞台「オペラ座の怪人」のようです。
さらに実写版では佐木(岩崎大昇)も同行する。
黒沢和馬(未発表)
「オペラ座館」元オーナー、昔は有名な舞台演出家だった。
第二の事件(「オペラ座館新たなる惨劇」)の後、劇団を立ち上げ表舞台に戻ってきた。
だが、車で崖から転落して行方不明に。彼の弔いの為、「オペラ座館」で「オペラ座の怪人」が上演されることになった。
城龍也(増田昇太)
劇団「遊民蜂起」の人気俳優。劇団内でのリーダー。
実力者で「オペラ座の怪人」では主演「ファントム」を演じる。
湖月レオナ(山本舞香)
劇団「遊民蜂起」の人気女優。可憐で可愛らしい容姿から劇団内での人気も高い。
「オペラ座の怪人」ではヒロインを演じる。
過去に合宿所で起きた火事がトラウマとなり、蝋燭の火ですら怖がっている。
絵門いずみ(石川萌香)
劇団「遊民蜂起」の女優。
演技力はイマイチだが、レオナの取り巻きのため「オペラ座の怪人」でいい役を得た。
三鬼谷巧(六角慎司)
劇団「遊民蜂起」団員。レオナに異常なほどの好意を寄せており、手首に彼女の名前を彫っている。
レオナとは逆に火を見ると落ち着く。
氷森冬彦(七瀬公)
元劇団員の若手俳優。現在は別の劇団に属している。
レオナとは同期で今でも彼女に好意を寄せている。
影島十三(コング桑田)
劇団「遊民蜂起」の演出家。黒沢の一番弟子で彼がいなくなった後、劇団を率いている。
「オペラ座館」に来た時は離れの塔を眺めながら夕食を取るのを習慣にしている。
響静歌(霧島れいか)
黒沢が行方不明になった後、「オペラ座館」のオーナーとなった女性。どことなくミステリアスな雰囲気を醸している。
元々は著名な舞台作曲家で生前の黒沢との付き合いは長かった。
実写版では現役の音楽家に設定が変更。
響美土里(実写版未登場)
静歌の娘。気が強く、母親に対して反抗的な態度をとっている。
以前、城と付き合っており、レオナに対して敵意を持っている。
白神海人(戸塚純貴)
ミステリールポライターの男性。元々、「オペラ座館」を所有していた一族の末裔。
黒沢との関係は薄いが、彼にも招待状が届いた。だが、彼の招待状にだけ「ファントム」の仮面が描かれていた。
事件が発生した後は積極的に謎を解こうとする。
実写版では「ファントム」の秘密を探りに来る設定が追加。
霧生鋭治(古川雄大)
劇団「遊民蜂起」の元劇団員。黒沢の弟子で、最も演技の才能があった。
合宿所で起きた火事で大火傷を負い、「ファントム」の役を最後に表舞台から姿を消した。
その後も度々観客としてレオナの前に現れ、最終的に彼女を誘拐。彼女が城たちに救出された時に失踪した。
火事の後は常に仮面を付けており、その様子はまるで本物の「ファントム」のようだった。
【金田一少年の事件簿】「オペラ座館ファントムの殺人」のネタバレ 事件編
「ファントム」の影
金田一、美雪、剣持警部の3人は絶海の孤島・歌島にある洋館「オペラ座館」を訪れる。かつて2度に渡り、恐ろしい殺人事件が起きた場所だ。
元オーナー・黒沢が事故で行方不明となり、「オペラ座館」も取り壊されることになった。その前に彼の弟子たちによる「オペラ座の怪人」の上演が決まり、金田一たちは招待された。
館に到着した金田一たちは新オーナーの響静歌や劇団員たちに挨拶。ミステリールポライターの白神海人という人物も何故か招待されていた。
「オペラ座の怪人」は醜い顔を仮面で隠した「ファントム」が報われない愛に身を焦がしながら、愛する人の為に次々と殺人を繰り広げる恐ろしくも悲しい物語。
生前の黒沢が最も得意としていた演目。「オペラ座館」は弔いに相応しい舞台といえるだろう。
夕食時、金田一たちは離れにある塔を眺める。すると窓から見える蝋燭の火が上から1つずつ消えていった。
まるで誰かが螺旋階段を降りながら蝋燭を吹き消しているよう。もしかして「ファントム」だろうか?
第一の殺人 目の前で落下したシャンデリア
劇場を使った「オペラ座の怪人」のリハーサルが行われることになり、金田一たちも観客席で見学する。
場面はヒロインの先輩女優が「ファントム」が落としたシャンデリアで死亡する前半の山場。絵門いずみが舞台に立つ。
ガシャン
金田一たちの目の前でシャンデリアが落下。絵門は「オペラ座の怪人」と同じようにシャンデリアの下敷きになり、死亡してしまう。
三度に渡って呪われた舞台に血が流れた。だが、これは恐ろしい連続殺人の無残な幕開けに過ぎなかった。
白神はワイヤーが切断されているのを発見。この状態では200Kgもあるシャンデリアを固定し、自動的に落下させる仕掛けを作ることは出来ない、と指摘。
関係者は観客から舞台を見ていた。城も「ファントム」の衣装を着て舞台そでにいた。誰にもシャンデリアを落とすのは不可能だった。
自分たち以外の何者かが島に潜んでいるのだろうか?
消えた剣持警部
無線機が壊され、外部との連絡が取れなくなってしまう。劇場には鍵を掛け、剣持警部が預かることになった。
金田一と剣持警部は離れの塔を調べる。蝋燭に仕掛けはなく、自然に火が消えることはありえない。
剣持警部は一人残り、もう少し調べることに。うっかり懐中電灯を落として壊してしまう。そして、螺旋階段の上部に青白く光るものを発見する。
だがその直後、剣持警部は何者かに背後から襲われてしまう。
その後、2時間経っても剣持警部が帰ってこない。管理していた劇場の鍵も元の場所に戻されていた。
金田一、氷森、影島の3人が離れの塔の様子を見に行く。そこで剣持警部の警察手帳を発見。
更に応援を頼み、三鬼谷、静歌の2人も合流。螺旋階段の下に扉を発見する。
何には無数の「ファントム」の仮面が残されていた。ここが「ファントム」の住処だろうか?
三度現れた「ファントム」
すると本館にいるレオナからインターホンが掛かってきた。
レオナ「外に仮面の人物がいる…きゃあ!!」
彼女の悲鳴と共にガラスが割れる音が響く。金田一たちは急いで本館に戻る。
塔の目の前にある森の道を通った各人物の行動は以下の通り。
- 離れの塔で三鬼谷が足をくじき離脱
- 氷森が真っ先に飛び出す
- 中間地点で静歌の靴脱げ、離脱
- 影島は静歌の側に残る
- 金田一はレオナの部屋の前で先に到着した氷森と合流
- 本館に残っていた美雪、城、白神が合流
- 遅れて静歌と影島も合流
- 鍵の掛かったドアを破るとレオナが倒れており、ガラスは外から割られていた
- 騒ぎを聞きつけた美土里が合流
第二の殺人 完璧なアリバイ
離れの塔に残った三鬼谷の様子を見に行く一同。だが、彼の姿は見えない。
レオナはあるものを踏みつける。それは切断された人の左手首。入れ墨が彫られていたので三鬼谷のもので間違いない。
本館に戻った金田一はレオナ襲撃事件の関係者のアリバイを検証する。
金田一たちは森の道を通って本館に向かった。(行動は上記の通り。)走っても5分は掛かる距離。
もう一方の塔の入り口からは外れた海沿いの道の距離と掛かる時間は同じくらい。
犯人「ファントム」が本館でレオナを襲った後、海の道を通って離れの塔で三鬼谷を襲ったとしたら15分は掛かる。往復で30分。
レオナの証言は嘘(自作自演)としても全員にアリバイがあった。
金田一と美雪は海沿いの道を捜索。中間地点で三鬼谷の遺体を発見する。目立った外傷や首を絞めた跡はなく、死因はおそらく毒殺。
死亡した後に左手首を切り落とされたのだろう。
だが、「オペラ座の怪人」にそんな事件はない。何故、「ファントム」は彼の左手首を切断したのか?
白神VS金田一
その後、白神は関係者を集めて推理を披露。犯人「ファントム」は城、と指摘する。
第一の殺人は「ファントム」の衣装を着せたハンガーを用意。舞台裏に回ってシャンデリアを落下させた。「ファントム」の衣装を来て再び現れる。
第二の殺人では予め離れの塔に潜んで、三鬼谷を殺害した後、彼の死体を隠した。
レオナの襲撃は予め窓をドライアイスで極端に冷やしておく。暖房が効いた部屋の温度差でガラスが自動的に割れる仕掛け。偶然に頼るが、上手くいかなければ計画を中止する。
金田一は白神の推理に2つ穴がある、と指摘する。
1つ目はいくら観客席にいたからといって全員の目をハンガーで誤魔化すのは難しい。演出家の影島が何か指示を出したらどうするつもりだったのか。
2つ目は三鬼谷が足をくじいたのも偶然である点。人の心まで読み切るのは不可能だ。
第3の殺人 密室の劇場
白神は納得しきれず、城に「身の潔白を証明するために一晩劇場に閉じこもって貰う」と提案。城は売り言葉に買い言葉で提案にのる。
さらにレオナの提案で鍵は袋に入れた状態で保管し、最低2人は見張りを付けることになった。
その後、レオナは閉じこもる城にハーブティを差し入れようとし、鍵の袋を手にする。だが、袋にはタランチュラが入れられていた。
金田一は火ばさみでタランチュラを袋ごと暖炉に投げ入れる。だが、火の勢いが強くて鍵を取り出せそうにない。
暖を取る火を消すわけにもいかず、このまま暖炉を見張ることになった。
3時間ほど経って火はだいぶ弱まった。鍵を取り出して金田一、美雪、レオナ、美土里の4人は城の様子を見に行く。
だが、城は密室となっていた劇場で腹を刺され、殺害されていた。
地下迷宮にいた人物
金田一たちは城の血の跡を辿り、地下室への扉を発見。舞台の真下に続いており、天井(舞台の床)から無数の証明の光が差し込んでいた。
金田一は真新しい乾電池を発見。レオナも手に取って見る。金田一は自分の指紋がこれ以上付かないようにハンカチで手を包んでから乾電池を受け取る。
「ファントム」はこの暗がりで乾電池を回収できなかったようだ。
地下室は迷宮のように続いていた。謎の人物が金田一に襲い掛かってきた。と思いきや行方不明となっていた剣持警部だった。
推理開始
金田一、美雪、剣持警部は再び離れの塔を調べる。剣持警部が発見した光るものは夜光塗料を塗ったゴムだろう。
さらに美雪が真新しい画鋲を発見。金田一は「ファントム」がいたように見せたトリックに気づく。
金田一が暖炉の部屋に戻ると美土里が蜘蛛を発見、金田一の後ろに隠れる。でもこれは毒のないただの蜘蛛だ。
「なんてこった…もしかして犯人は」と金田一。屋敷の外に出て暖炉と繋がった煙突を確認、密室トリックに気づく。
一息入れるため、静歌がハーブティを用意してくれた。2分の砂時計で飲み頃を図ろうとするが壊れていた。美雪は1分の砂時計を2回使えば図れる、とする。
その様子を見た金田一はアリバイトリックを見破る。
残りは衆人環視殺人のみ。金田一はシャンデリアに繋がれたワイヤーが異常に長いことに気づく。
その後、劇場の地下室へ。観客席の近くに空いた穴を調べてあるものを発見する。
すると美雪が明かりとして蝋燭とマッチを持ってきてくれた。入り口近くで見つけた、という。そして、金田一は乾電池が落ちていた理由と犯人が残した決定的な証拠に気づく。
これで全ての謎が解けた。
【金田一少年の事件簿】「オペラ座館ファントムの殺人」のネタバレ 解決編
犯人「ファントム」の正体
物語のクリスティーヌはラウルを選んでハッピーエンドだけど、あたしは違う。だってあたしは自分から「ファントムの花嫁」であることを選んだんだもの!
引用:「金田一少年の事件簿 オペラ座館・第三の殺人」
犯人「ファントム(の花嫁)」は湖月レオナだった。
塔の蝋燭のトリック
レオナは塔の上部に舞台のスモークに使うドライアイスを入れた風船を設置。膨らんだ風船は画鋲で割れ、中から二酸化炭素が流れ出る。
二酸化炭素は空気よりも重いので下へ、下へと移動。蝋燭の火は上から順に消えていった。
こうしてレオナは第三者が潜んでいると思わせた。
剣持警部が見つけた光は後で回収しやすいように付けておいた夜光塗料。レオナは風船と劇場の鍵を回収するために彼を拉致したのだった。
衆人環視殺人(絵門殺害)トリック
レオナはワイヤーを切りにいったのではなく、ワイヤーの方を自分の元に持っきて切った。
引き伸ばしたワイヤーをシャンデリアにくく付け、舞台の穴を通して自分が座っていた穴の近くに引き寄せた。絵門が真下に来たタイミングでワイヤーを切断、彼女を殺害。
金田一が床下で見つけたのはワイヤーが擦れた跡。(事件発生直前、レオナのみ不自然に手を床に伸ばして座っている。)
アリバイ(三鬼谷殺害)トリック
「ファントム」に襲われたのはレオナの自作自演。
三鬼谷には襲われるフリをするからこっそり海の道を通って会いに来て欲しい、と頼んだ。三鬼谷は名前の入れ墨を入れるほど自分に惚れ込んでいる。何でも言うことを聞くはずだ。
三鬼谷が足をくじいたのは芝居。本来の彼ならたとえ足が折れようともレオナの元へ向かっただろう。
三鬼谷に半分走って貰えば時間は半分で済む。本館への往復でも十分に間に合う。
レオナは海の道で逆から走ってきた三鬼谷と合流。彼を毒殺して左手首を切り落とした。その後、割った窓から部屋に戻り、塔で左手首を発見したフリをした。
レオナは三鬼谷の心を読み切り、アリバイを手に入れた。
密室殺人(城殺害)のトリック
白神が城に疑いを掛けたのは偶然だったが、レオナはこれを利用し、鍵を監視するように仕向けた。
レオナは燃えやすい素材で作った偽モノの鍵と本物を入れ替えた。タランチュラも袋に仕込み、金田一は暖炉に偽モノの鍵を投げ入れてしまった。
その後、本物の鍵を使って劇場の扉を開け、城を殺害。煙突から暖炉に本物の鍵に投げ入れたのだった。
決定的な証拠
証拠は舞台の地下で発見した乾電池。剣持警部を拉致した時に使った懐中電灯をうっかり落としてしまったのだろう。
レオナは自分の指紋が付いた乾電池を回収しなかった。いや出来なかった。レオナは火が怖いため入り口にあった蝋燭を使えなかった。
城の遺体が発見された後、レオナは金田一と共に地下へ。金田一が発見した乾電池を奪い取って自分の指紋を付けた。
だが、乾電池から金田一の指紋の下に付いたレオナの指紋が見つかった。金田一は受け取る時にハンカチを使ったので指紋が上に付くことはありえない。
乾電池はレオナが地下通路に出入りしていたことを示す決定的な証拠だ。(ちなみに連載当時、スマホのように強力な光を出す携帯電話は存在しない。)
動機 愛の為の復讐
レオナの犯行動機は失踪した霧生鋭治の復讐だった。
合宿所の火事でレオナは霧生に助けられ、彼は顔に大火傷を負った。霧生は「ファントム」の仮面を被って出ることが出来る「オペラ座の怪人」のヒロインにレオナを指名した。
レオナは「ファントム」を演じる霧生に惹かれていった。それは霧生も同じ、レオナは劇団を捨て彼を共に生きる決断をする。
霧生がレオナを拉致したのではなく、2人は駆け落ちしたのだった。
だが、霧生は別れを告げる手紙を残して自分の前から消えた。すぐさま絵門、三鬼谷、城の3人がやって来て劇団に連れ戻された。
その後、レオナはレポーターの仕事で訪れた樹海で霧生の手帳を発見した。そこには火事の恐ろしい真実と彼の悲痛な叫びが記されていた。
死傷者を出した合宿場の火事を引き起こしたのは絵門、三鬼谷、城の3人だった。
霧生はオーディションに落ちた3人が酒に酔った末、花火で火事を起こしたのを目撃。警察に付き出そうとしたが、3人から「最後の舞台が終わるまで待って欲しい」と泣き落とされてしまった
だが、その約束は実行されることなく城たちはレオナのスター性を利用してのし上がっていった。
駆け落ちした後、再び城たちは自分の元にやって来て、「レオナの役者としての才能と夢を奪わないで欲しい」と訴えてきた。霧生は彼女の気持ちを考え、去ることを決めた。
だが、これは3人の罠だった。3人と酒を飲んだ後、気がつくと霧生は樹海に放置されていた。
つまり、霧生は絵門、三鬼谷、城の3人に殺されたのだ。手帳の最後のページにはこう記されていた。
必ず復讐してやる!俺を騙し、自分たちの罪と一緒に葬ろうとしたあの3人に…いつか本物の亡霊「ファントム」となって、あの3人に…!
引用:「金田一少年の事件簿 オペラ座館・第三の殺人」
そして、絵門、三鬼谷、城の3人は霧生を貶める発言を繰り返していた。レオナは可憐な仮面を被りながら、心の中で誓う。
絶対許さない…!善人の仮面を被り自分たちの成功に酔いしれるこの醜い偽善たちを…!!
そう!霧生さんが本物の「ファントム」になるなら私は「ファントムの花嫁」!
あの日から私は可憐な「湖月レオナ」の仮面の下に憎しみに歪む「ファントム」の素顔を隠し、あの3人をこの手で殺すことだけを考えて生きてきたのよ…!!
引用:「金田一少年の事件簿 オペラ座館・第三の殺人」
レオナは逃走、「霧生さん、私を導いて…地獄の業火の向こうにいる貴方の元へ!!」と劇場に火を放ってしまう。思いを遂げた「ファントム」は地獄の業火に焼かれるのが運命だ。
結末
炎の中でレオナは霧生の幻影を見る。自分も彼の元に行こうとしたが、霧生は「ここでサヨナラだ…」と言い残し、去っていった。
レオナが気がつくと地下迷宮の中にいた。金田一が間一髪のところで彼女を救助したのだった。
金田一はレオナに「霧生は君に果たせなかった自分の夢を託し、消えたんじゃないのか?」と語りかける。
「ファントム」にとって愛することは抱きしめるのではなく、突き放すことだったのではないか?
レオナは「私はあの人のことだけを考えて生きてきた…なんで置いていったの…?」と泣き崩れてしまう。
脱出したレオナに静歌が抱きつき、霧生は自分と黒沢先生の子供、と打ち明ける。そして、「貴方が彼の花嫁なら私にとって娘も同然、生きて欲しい」と訴える。
こうして三度目の「オペラ座館」での恐ろしい殺人劇は劇場の焼け跡に潮風の中、静に幕を下ろしたのだった。
事件が終わり、金田一は美雪と剣持警部に「そろそろ旅を終えて帰る」と告げる。
その直後、明智警視から「地獄の傀儡師・高遠遙一が脱獄した」と連絡が入る。
高遠を野放しにすればまた殺人計画を他人に授けるかもしれない。金田一は再び高遠と戦う覚悟を決めるのだった。
「オペラ座館ファントムの殺人(原作:オペラ座館・第三の殺人)」完結。
【金田一少年の事件簿】「オペラ座館ファントムの殺人」のまとめ
犯人の愛と狂気の復讐劇
【金田一少年の事件簿】「オペラ座館ファントムの殺人(原作:オペラ座館・第三の殺人)」の犯人はレオナ。
地下室で乾電池が拾われなかった理由が分れば、火が怖いレオナが犯人であると気づけるはず。犯人が分れば、アリバイトリックで三鬼谷本人に協力させた、と推理するのも容易。
レオナの動機は愛する人を奪った人物への復讐。
害者たちは重大な罪を他人に擦り付けて殺害。のうのうと生きていた最低最悪の人間たち。
【金田一少年の事件簿】の犯行動機は復讐が大半。その中でも愛する人の為が一番多い。「オペラ座館ファントムの殺人」は王道のような事件でした。
注目なのは霧生が復讐を考えていた点。「復讐なんて望んでいない」はミステリーでよくある展開。この事件では打ち砕かれました。
怪人名が解決編で変わるのはシリーズ全体でも初。復讐が「ファントム」から「花嫁」受け継がれた、という意味でしょう。
でも、霧生はレオナのことを愛し、本気で彼女のことを考えていた。愛する人が復讐するのは望んでいなかったはず。こう考えると悲しい結末です。
そして、初め犯人と指摘されたレオナは泣きながら無実を訴える。ですが、追い詰められる度に表情は険しく、口調も荒々しくなっていきます。
レオナは愛の為に復讐。狂気的な面を見せながら付けていた仮面が外れていく様子はお見事。
実写版【金田一少年の事件簿】「オペラ座館ファントムの殺人」は6/26(日)22:30から放送。前後編の最終回になる可能性が高い。
どう実写化され、犯人役がどう演じるのか、楽しみです。
記事で使用している画像の引用元:金田一少年の事件簿 30th – イブニング公式サイト
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