【危険なビーナス】原作ネタバレ!犯人が明人を誘拐した目的とは?
ドラマ【危険なビーナス】原作ネタバレ!
妻夫木聡主演のドラマ【危険なビーナス】がTBSで2020年10月から放送。
原作を読んだ上で、内容をネタバレ!主人公の弟・明人を誘拐した犯人は誰か、その目的とは?
そのほか、主人公の母の死の謎、遺産や大発見をめぐる注目の結末なども紹介します。
今回はドラマ【危険なビーナス】原作ネタバレについて!
当ページの情報は2020年12月時点です。最新はパラビのサイトで確認ください。
ドラマ【危険なビーナス】の原作は?
ドラマ【危険なビーナス】の原作は、東野圭吾氏による同名の小説です。
原作のあらすじ
惚れっぽい独身獣医・伯朗が、新たに好きになった相手は、失踪した弟の妻だった
恋も謎もスリリングな絶品ミステリー!
「最初にいったはずです。
彼女には気をつけたほうがいいですよ、と」独身獣医の伯朗のもとに、かかってきた一本の電話--「初めまして、お義兄様っ」。弟の明人と、最近結婚したというその女性・楓は、明人が失踪したといい、伯朗に手助けを頼む。原因は明人が相続するはずの莫大な遺産なのか。調査を手伝う伯朗は、次第に楓に惹かれていくが。
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000323683
ひとことでいうと、手島伯朗(妻夫木聡)が弟の妻・楓(吉高由里子)とともに弟・明人(染谷将太)の失踪の謎を追うサスペンス。そこに伯朗と楓との恋、遺産相続の問題などがからんでいく展開です。
【危険なビーナス】原作のネタバレ
ネタバレ注意
「危険なビーナス」原作のネタバレを含みます。
犯人ネタバレ
まず、真犯人とその動機についてネタバレします。
明人(染谷将太)を誘拐した犯人は、兼岩憲三(小日向文世)!
憲三は、伯朗(妻夫木聡)の母の妹・順子(坂井真紀)の夫になります。
伯朗の叔父さんです。
犯行動機は、手島一清の絵画「寛如(かんじょ)の網」が欲しかったから、というのが犯行理由です。
犯人が明人を誘拐した目的:ネタバレ
つまり兼岩憲三(小日向文世)の目的は絵!
絵が目的だったなんて、と思うかもしれませんが、実は貴重な絵らしい。
憲三は大学の教授で数学が専門。つまり知識があったのです。
憲三は興奮ぎみにこう語っています。↓
「人間業とは思えない、恐ろしいほどの精緻な図形だった。一清さんによれば、『ウラムの螺旋』の表現方法を変えただけ。(中略)『寛恕の網』は『ウラムの螺旋』と違い、曖昧なところがなかった。完璧な法則性を持っていた。それはつまり、素数の分布に法則性があることを示す。これは数学界だけでなく、人類にとって大変なことだった。…(略)」
「危険なビーナス」講談社より
「『ウラムの螺旋』の表現方法を変えた」とありますが、『ウラムの螺旋』とは何でしょうか。
この『ウラムの螺旋』を知ることで、絵の価値=『寛恕の網』の価値を知ることができます。
『寛恕の網』の価値ネタバレ
『寛恕の網』の価値を知るために、『ウラムの螺旋』を説明します。
『ウラムの螺旋』とは、自然数の連番をらせん状・長方形の格子状に記入し、そのうち素数の値だけに印をつけた図のこと。
よく分からないですね(笑)
原作でも「検索してみるといい」と憲三おじさんが言うので、図と絵を引用して紹介します。
数学者のウラムは数字1から始めて、渦巻状に、並べます。▼
そして素数にだけ丸をつけました。
ちょっとパターンが見えてきましたね。
そして、さらに素数を並べ続けると、下のような絵(?)ができます。
神秘的な感じがします。そして、『寛恕の網』はこの「ウラムの螺旋」より曖昧でない、もっと鮮明だということです。
実は『寛恕の網』は、一清(演:R-指定/Creepy Nuts)が「人間が立ち入ってはならない領域」ということに気づいて未完のままでやめてしまいました。
それでも憲三(小日向文世)曰く「数学界の最大の謎:素数とは何か」「長年の難問のリーマン予想」(※)が解明できる可能性を秘めた絵画なのだそうです。(こんなスゴイの、ドラマでどういう絵として表現するのでしょうか…。「ウラムの螺旋」を参考にするとしても大変そうです。 笑)
※「リーマン予想」について▼
「リーマン予想」とはリーマンのゼータ関数と呼ばれる複素の関数の値がどのような場合に0になるか、という問題です。もし0になる場合を完全に知ることができれば、長い間、数学者の大きな夢であった「全ての素数を完全に知る」ことができるのです。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/44663
一清は伯朗の実の父親です。一清とは伯朗が5歳のときに死別しています。
幼い伯朗が、抽象的なこの絵は何かと尋ねたとき、「わからない。神様に描かされている」と一清は伝えたそうです。
ちなみに、ドラマでも序盤から出てくる「30億円の遺産より価値あるもの」とは、この『寛恕の網』のことです。
そして、康治が「明人、恨むな」と病床で告げたのは「ウラムな」でした。伯朗はこの言葉から「母は事故死ではなく実は他殺で、明人は犯人を恨んでいるのではないか。だから恨むなと義父が言ったのだ」と考えるようになったのですが…ウラムのことだったようです。
【補足】
※矢神勇磨(ディーン・フジオカ)が「明人は母親から何か貴重なものを受け取っていなかったか?」という謎の質問を伯朗にします。さらに矢神牧雄(池内万作)も康治の高価な美術品などには興味なく、「もっと価値あるもの」を探しているのを伯朗は不思議に思います。
→矢神牧雄(池内万作)と矢神勇磨(ディーン・フジオカ)は、「康治の研究資料」こそが「30億の遺産より価値あるもの」と思って探していきます。しかし、これは読者へのミスリードです。伯朗もつられて研究資料を探してしまいますが…。
※『寛恕の網』>「研究資料」>30億の遺産 というのが価値の大小です。
『寛恕の網』の価値まとめ
この項だけちょっと長くなりましたが、この絵の価値が本作のキーポイントなのご了承ください。
まとめると…
・兼岩憲三は、絵を手に入れる目的のため、(その手段として)明人を誘拐!
・その絵『寛恕の網』の価値は、「素数と何か」「リーマン予想」を解決に導くもので、30億円の遺産より価値あるもの。
「絵の入手」と「明人の誘拐」の繋がりをネタバレ
犯人(=兼岩順三)が明人を誘拐した目的は康治の遺品の入手のため、でした。
そこで疑問。
「絵の入手」と「明人の誘拐」がどう繋がるのでしょうか?
「絵の入手」と「明人の誘拐」のフローチャート
・矢神家の当主・康治(栗原英雄)が亡くなれば、遺産はすべて明人(染谷将太)のものになる。
→絵もいったんは明人のところへ行く。
→明人は数学の才能があるから『寛恕の網』の価値が分かる。
(明人が憲三に幼少期に数学を教わっていたというくだりは伏線でした。正確には、明人は憲三の書籍で勉強していたそうです。)
→それを防ぐには、明人より先に絵を見つける必要がある。
→つまり、遺品が出そろうまで明人(染谷将太)を監禁しておく必要があった。
→遺品が出そろって、『寛恕の網』が一清の絵と判明したら、正当な継承者(実の息子)の伯朗(妻夫木聡)のもとへ行く。
→ 一清(R-指定/Creepy Nuts)の絵はすべて兼岩家で保管している。
→そうして兼岩憲三(小日向文世)は『寛恕の網』を入手できる…はずだったのです。
「小泉の家」のネタバレ
憲三(小日向文世)にとって誤算だったのは楓(吉高由里子)の登場!
憲三は困惑します。
その手のプロに依頼して明人(染谷将太)を監禁したはず。なのに楓が「明人はシアトルにいる」という。
さらに「小泉の家」(※)は更地になった写真を見せられて存在しない、と思っていたのに…
なんと小泉の家は現存していた、と憲三は気付いてしまいます。
※「小泉の家」は小泉という地名にあった(というか今もある)家のことで、伯朗の亡き母の禎子(斉藤由貴)と伯朗の叔母の兼岩順子(坂井真紀)の実家です。
康治が「小泉の家」を残した理由
康治(栗原英雄)はナゼ「小泉の家」を取り壊して、更地になった…という嘘を親族みんなについたのでしょうか。
理由は2つ。
一つは、「小泉の家」が禎子の殺害現場だから(現場保存)。
もう一つは『寛恕の網』を世に出さずに封印しておくため。
憲三が「小泉の家」の現存に気付いた理由
伯朗も小泉の家の現存を突き止め、小泉の家で康治(栗原英雄)の研究資料を探すも見つからない。
それで、叔母の順子(坂井真紀)に小泉の家にあった家族写真のアルバムを見せたあと、「秘密の部屋はなかったのか」尋ねます。
その話を盗み聞きした憲三は、ピン!ときます。小泉の家が現存しているのではないかと。
【憲三がピンときた理由】
・理由(1)写真
伯朗が、小泉の家で見つけた家族写真を「生前、母から預かってたんだ」と嘘をついて順子に見せました。まだ小泉の家の現存は黙っておいた方がイイと思って嘘をついたのです。
→憲三は、この家族写真は伯朗の母が死亡した16年前当時、まだ「小泉の家」にあったはず。なのに生前に預かったなんてオカシイと思います。
理由(2)秘密の部屋を尋ねたこと
…これは怪しいですよね。この質問で、小泉の家はまだ現存していて、伯朗が探しものをしているはずと憲三は気付きます。
伯朗と憲三が「小泉の家」でバッタリ!?
憲三は先回りして小泉の家に研究資料をエサとして置いておいておきます。
伯朗は絵の価値を知らず、研究資料を探していたため、エサ(=研究資料)に食いつき、家から退散。
しかし帰り道、伯朗はその資料を持っていた人物、そしてあの家の現存を知らせてしまった人物(順子と、別部屋で就寝中という夫・憲三)に思い当たり、楓とともに小泉の家へ引き返します。
そこで、伯朗と楓は憲三とばったり鉢合わせ!
伯朗の母の死の真相ネタバレ
憲三(小日向文世)は伯朗(妻夫木聡)が「禎子(斉藤由貴)のアルバムを持っていたこと」「小泉の家の秘密の部屋を気にしていたこと」から、小泉の家の現存を疑って、伯朗が帰ったあとに『寛恕の網』を探していた。
しかし、伯朗と楓(吉高由里子)と鉢合わせしてしまったことで、観念し、16年前の罪を白状する憲三。
伯朗の母・禎子を殺害したのは、憲三(小日向文世)だった!
16年前。『寛恕の網』捜しのため何度か不法侵入していた憲三は、ある日、禎子に見つかってしまいます。
「警察に通報し、絵も燃やす」という禎子の言葉に反応した憲三は禎子ともみ合い、禎子を倒してしまいました。
禎子は息があったものの脳震とうを起こしていた状態。しかし憲三は彼女を助けず、風呂場での事故死(溺死)に見せかけて殺害!
『寛恕の網』(「30億の遺産より価値あるもの」)の結末ネタバレ
…16年前の殺害を自白した憲三は火をつけて絵と家とともに自殺を図ります。
しかし楓が憲三を背負って助けました。
伯朗も脱出したものの、ふすまを破って遊んだ幼少期を思い出します。
伯朗は燃え盛る家に戻って入り、ふすまの中に『寛恕の網』を発見!
そこで明人が現れて、告げました↓
「絵なんか、どうでもいいじゃないか。」明人は子供の頃から変わらぬ涼しげな目をしていった。「たかが絵だ。逃げよう」
「危険なビーナス」講談社
明人が伯朗に「逃げよう」と現れたシーンが、実は作中での初登場!単行本で実に356ページ目です。全379ページなので遅い!(笑)じらされましたね。ドラマではもう少し早く登場するのではないでしょうか。
まとめ:『寛恕の網』(「30億の遺産より価値あるもの」)の結末は焼失でした。悲しいですが、絵より命ですね。
『後天性サヴァン症候群』のネタバレ
「30億の遺産より価値あるもの」は、手島一清の絵『寛恕の網』(=数学界や人類において貴重なもの)です。
※原作では途中まで康治の研究資料が「遺産より価値あるもの」か、とミスリード(=人を誤った道・解釈に導くこと)されています。
「後天性サヴァン症候群」の発症で『寛恕の網』を描けるようになった
ちなみに、手島一清がなぜ神の領域となるすごい絵『寛恕の網』を描けるようになったのか。
その理由は…一清(R-指定/Creepy Nuts)が脳腫瘍になり、矢神康治(栗原英雄)の治療(=脳への電気刺激)を受けた結果、副作用で「後天性サヴァン症候群」を発症したから。
先ほどから出ている康治の研究資料とは「後天性サヴァン症候群の研究」の資料でした。
人工的に天才を作り出せるというまさに大発見!!!
伯朗(妻夫木聡)が康治を嫌う理由は動物実験
ドラマ第5話で、幼少期の伯朗が康治の研究室へ母と行き、動物実験のビデオ映像を目撃したことが紹介されました。伯朗が義父を嫌っている理由ですね。
そのとき、康治は猫の頭を開いて、脳に電気を流していました。これは「後天性サヴァン症候群」の研究のことです。
この動物実験は、時系列的に、手島一清が亡くなったあとのこと。
一清は電気刺激のあと早期に亡くなりました。そのため。人体への電気刺激はやめて動物実験に切り替えたのです。
が、動物は絵も音楽もやらないので、天才になったのかの確認ができません。そのため、動物実験も中止。
康治はその後、脳挫傷などで後天性サヴァン症候群を発症した実例を調べます。それを研究資料としてまとめていきました。
ドラマ5話で猫の実験の目撃エピソードのあと、すぐに康治が伯朗を思いやっていたことがわかる家族写真が出てきます。原作の印象と違って、すぐに胸くそ悪いエピソードを浄化した、この流れはよかったですね。
天才と凡人と幸せについて
矢神康治の治療は一清の死期を早めたかもしれないため、研究には二の足を踏むのですが、他にも理由がありました。
それは研究資料の最後のページに書かれていたこと↓
『天才が幸せをもたらすとはかぎらない。不幸な天才を生むより、幸せな凡人を増やす努力をしたい。』
「危険なビーナス」講談社
実際に一清は『寛恕の網』を描いたことを後悔して途中でやめています。
「人間には踏み込んではいけない領域がある」
そのことに一清も康治も気づいて、禎子(斉藤由貴)に絵を託したのです。
明人(染谷将太)も同感で、だから「たかが絵」という発言になったのでしょう。
なお、「後天性サヴァン症候群」の研究資料は、明人の判断で、世に出さないことになります。
楓(吉高由里子)と明人(染谷将太)の結末ネタバレ
明人の口から真相が明かされます。
明人(染谷将太)が帰国すると警察に声を掛けられ、明人を拉致監禁しようとする人物がいると教えられます。
憲三(小日向文世)がネットを通して明人(染谷将太)の拉致監禁を募集。
警視庁サイバー対策課は情報をつかんだが、書き込みだけでは犯罪になりません。
それで警察は罠を仕掛けます。
実際に明人を監禁したように見せかけて、相手の出方をうかがう作戦です。
明人は母の死の再捜査を引き換えに、拉致監禁の狂言に協力。
なんと、明人(染谷将太)は警察の保護下にあり、監禁されていませんでした。
しかし犯人の物証が出ないため、議論の末、矢神家への潜入捜査…それも明人の妻になりすます作戦に!
つまり、楓(吉高由里子)の正体は女性警察官で、潜入捜査官!
楓と明人の結婚も嘘だったのです。
とんでもない作戦ですが、今回は見事に成功しました。こんなのアリ?って賛否がありそうです。
が、楓の正体のヒントは随所にありました。
たとえば楓は1度目の小泉の家の訪問の際、管理を任された近所の老人を泥棒と間違えて組み伏せます。
小泉の家が燃えるときも、50キロはあるだろう兼岩憲三を背負って脱出。
このように普段から鍛えている女性=警察官であることがわかる描写がありました。
「30億の遺産」「後天性サヴァン症候群の研究」の結末ネタバレ
「後天性サヴァン症候群」の研究資料は矢神家の養子(先代当主が愛人に産ませた子)の勇磨(ディーン・フジオカ)がビジネスに使いたがっていたものの、明人が保管することになります。
そして明人は決意。
遺産を相続する明人は、勇磨とともに、傾きかけている矢神家の復興を誓う!のでした。
勇磨は、矢神家当主を狙うあやしい人物ですが、途中から潜入捜査に気づいて協力者になりました。ドラマでもミスリードの人物となることでしょう。
(追記)勇磨はディーン・フジオカさんが演じることが決定。原作ではビジネス好きで嫌味な人物だったのですが、もっと魅力的な人物になりそうです。
ラストをネタバレ
伯朗(妻夫木聡)は、池田総合病院を継いで院長になることを決断。
「手島動物病院にしてもいい」と言われていたものの、(母の死の謎も解けたからか)手島姓にこだわりがなくなった伯朗は養子になることを決意。
助手の陰山元実(中村アン)は何やら池田院長に相談があるようです。(辞めるのでしょうか。詳細は不明です。)
そして、カーリーヘアの楓(吉高由里子)が病院に来院。なんとミニブタの診察にきました。
「30キロ以上にはならない」と言われて飼い始めたそうですが、それ以上大きくなるかもしれません。伯朗は「返してこい」と言うものの…
「伯(はく)ちゃんお願い!」と楓。「長い付き合いになるからよろしく」と親しげです。
ミニスカートの楓ですが、彼女曰く「ちゃんと計算」してあります。
組み替えた肉感的な足を見た伯朗は思います。「たしかにパンツは見えない」
潜入捜査も気付かせない、計算高い女を印象付ける楓のラストです。
今後の2人の関係が続くことも予感させる余韻はGOOD。
ただし、伯朗は尻にひかれそうですね。
【危険なビーナス】原作の感想
原作は、矢神家の遺産相続争いと思ったら、東野圭吾氏お得意の理系ミステリーで数学や脳に関わっていくというトンデモ展開でした。
ストーリーについて
このトンデモ展開は意外性があって面白かったのですが、脳腫瘍や「神に描かされている」のワードであやしいと気付いた読者も多かったのでは?
たとえば東野圭吾の作品では…
・脳移植手術を受けたことで人格が変容していく『変身』
・脳死状態の子を電気信号で生きているかのように動かす『人魚の眠る家』
・実在の天才数学者、ピエール=シモン・ラプラスの言葉が脳の手術で実現し、計算して奇跡を起こせる人物が誕生する『ラプラスの魔女』
と、「脳」から想像をふくらませた小説は多数です。
また脳の手術か!とも思ってしまいました。(笑)
と言っても、「後天性サバン症候群の研究」という真相が分かるまで心地よく振り回されました。
ドラマも原作を知らないと、弟の失踪は遺産相続に巻き込まれたのか、と思ってしまいますよね。
このストーリーの意外性は魅力的だと思います。
犯人について
ただし犯人は意外というより、誰だっけ!?…と思ってしまいました。その点はミステリーとしてどうかと思いますが(笑)
憲三は先生を引退後も数学界最大の難問・リーマン予想を生涯研究しているらしいし、彼にとっては凄い絵、人類の宝だったのでしょう。楓はもちろん牧雄や勇磨もあやしすぎる人物でしたのでミスリードかなとは読んでいたのですが…。消去法や論理的に読めば、犯人を推理できたのでしょうが…印象が薄い人物ですし、そこまで絵に執着するなんて!
ほんと、頭のいい人、数学者の考えることは分かりません。偏見?
ただしドラマで憲三役を演じる小日向文世さんなら印象に残りますから欠点(?)は解消できると思います。
登場人物について
登場人物をみると……主人公の伯朗はカッコいいとはほど遠く、情けないほど惚れっぽいし、女性の身体ばかり気にしています。ちょっと好きになれないタイプです(笑)普通の男で、巻き込まれ型主人公ですね。
それに楓はミステリアスすぎて「何かあるぞ」と分かりやすかったです。強いのもヒントですね。
ドラマではディーンフジオカさん演じる勇磨が原作より魅力的になりそうで楽しみ。矢神家の面々も役者がそろってます。
犯人も含め、ドラマオリジナルの展開も期待しています。
以上、ストーリー・犯人・登場人物(キャラクター)の観点から感想を述べました。あくまで個人の感想なのでご注意を。
原作ネタバレあらすじのまとめ
以上、ドラマ【危険なビーナス】原作のネタバレあらすじを紹介してきました。
要点をまとめると…
・犯人ネタバレ
…明人(染谷将太)を誘拐した犯人は誰か:兼岩憲三(小日向文世)。
・絵『寛恕の網』の価値ネタバレ
…伯朗(妻夫木聡)の亡き父が描いた『寛恕の網』は、「素数とは何か」「リーマン予想」を解明できる人類にとって貴重な絵=30億の遺産より価値あるもの。
・誘拐の目的ネタバレ
… 犯人が明人(染谷将太)を誘拐した目的とは?:『寛恕の網』の入手のため。
・「小泉の家」のネタバレ
…「小泉の家」は取り壊されたはずが、現存していました。16年前の禎子(斉藤由貴)の死亡事故の現場保存と絵の保管場所のため、ひそかに残しておいたと思われます。
・伯朗の母の死の真相ネタバレ
…禎子(斉藤由貴)の事故死の謎は事故死でなく、兼岩憲三が殺害。
・30億の遺産の結末ネタバレ
…遺産をめぐる結末:矢神家の遺産は明人が相続して傾きかけた矢神家を立て直す。
・『寛恕の網』(=「30億の遺産より価値あるもの」)の結末ネタバレ
…30億の遺産より価値がある『寛恕の網』は焼失。
・『後天性サヴァン症候群』の結末ネタバレ
…「後天性サヴァン症候群の研究」は、『寛恕の網』より価値は劣るが、人工的に天才脳を生み出す画期的な研究。(そもそも『寛恕の網』を生み出したのもサヴァン症候群の能力)
…この研究の結末は、勇磨(ディーン・フジオカ)が商売に利用したがったが、明人(染谷将太)が世には出さず保管すると決断。
・楓(吉高由里子)の正体ネタバレと結末ネタバレ
…楓(吉高由里子)の結末:潜入捜査官だったことが正体と判明。楓はその後も伯朗(妻夫木聡)の病院へ通うことに。
しかし、この要点は、あくまで原作の内容です。
ドラマではふくらませたりして、犯人を変更する可能性はあります。
ドラマ『テセウスの船』(2020年1-3月、TBS)が原作漫画と違う犯人で視聴者を楽しませた前例もありますし!
それでも、潜入捜査官、『寛恕の網』、後天性サヴァン症候群というキーワード・キーアイテムは変えないはず。
謎の美女・失踪・遺産争い・理系ミステリーなど、多様な要素が散りばめられた原作をドラマではどう描くのかも楽しみですね。
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