【ドクター・デスの遺産】原作のネタバレと感想!結末に安楽死を問う、究極の選択!
【ドクター・デスの遺産】原作のネタバレと感想!
中山七里の「ドクター・デスの遺産」を綾野剛さんと北川景子さん共演で実写化!
結末の選択は善か悪か。
【ドクター・デスの遺産】原作の登場人物、ネタバレ、感想を紹介します。
【ドクター・デスの遺産】原作の登場人物
【ドクター・デスの遺産】原作の登場人物を紹介します。()内に出演者名を記載。
犬養 隼人(いぬかい はやと・綾野剛)
警視庁捜査一課・麻生班の刑事。
腎不全で病気療養中の娘・沙耶香がいる。
高千穂 明日香(たかちほ あすか・北川景子)
犬養と行動を共にする。
生活安全課を希望していたが捜査一課に回された。
麻生(あそう・石黒賢)
警視庁捜査一課の班長。
沙耶香(さやか)
犬養のひとり娘。
腎不全で帝都大附属病院に入院中。
雛森 めぐみ(ひなもり めぐみ)
元看護師。37歳。
両親は他界。兄弟はいない。結婚歴はあるが現在は一人暮らし。
寺町 亘輝(てらまち のぶてる)
頭頂部が禿げている小男。
ブライアン・ホール
国境なき医師団のアメリカ人医師。
【ドクター・デスの遺産】原作のネタバレ
【ドクター・デスの遺産】原作のネタバレを紹介します。
ドクター・デスの安楽死事件発覚
馬籠大地(まごめだいち)から「お父さんが殺された」と通報がある。
捜査一課の高千穂明日香と犬養隼人は大地の自宅へ。
この事件から、安楽死事件が発覚。
犬養と高千穂は犯人「ドクター・デス」を追って行く。
事件概要
ドクター・デスと名乗る人物は安楽死を目的としたサイト「ドクター・デスの往診室」を運営。
「安楽死、請け負います」
「ドクター・デスは営利目的ではなく<死ぬ権利>を主張し、積極的安楽死を推進するために行動しています」
と記されたサイトでは、連絡フォームからドクター・デスと交渉ができる。
報酬は現金で20万円。
ドクター・デスの仕事は、病で苦しむ被害者に注射器で毒物を投与し、安らかに眠らせること。つまり、安楽死。
ドクター・デスが手をかける人物は、死期が迫り苦しんでいる人間。
苦しみを見るに堪えない本人や家族などからの依頼を受け、安楽死を実行する。
ドクター・デスは、看護婦1名を連れて現れる。
お金を受け取り安楽死を実行。その後、本物の医者が診断しても、毒物の投与はわからず死亡診断書はすんなりと出る。
医者の特徴:小柄で剥げた男
ドクター・デスの事件
事件1
被害者:馬籠健一
依頼者:妻の小夜子(健一の承諾を得て)
警察に通報したのが息子の大地。
健一は肺がんを患いながら、治療費の件もあり自宅療養していた。
健一の苦しみに見るに堪えない小夜子がサイトを通じて安楽死を依頼。
願い通り、健一は安らかにこの世を去った。
事件2
馬籠健一の事件で世間に「ドクター・デス」の存在が知れ渡り、次の事件が起きた。
「ドクター・デスに殺された奴がいる」と匿名電話があった。
被害者:安城邦武
依頼者:不明
事件:化成工場の爆破事故が起きた。原因は、安城のアラームの確認ミス。
病院に運ばれたときは、損傷激しく治療は高額な上に、苦痛を伴うものだった。
妻と子供がドクター・デスに依頼した可能性はゼロ。
安城については、恨まれるような人物ではなく、誰からも慕われる仕事のできる人間。
上司の小菅仁一は「他殺にいつて、思い当たるふしはない」と証言。
部下の立花志郎は「逃げ遅れた自分を庇い安城が負傷した」と証言。
犬養は「ドクター・デス」のサイトの投稿をさかのぼり過去の事件を調べていく。
1年前の事件
被害者:増渕耕平
依頼者:岸田聡子
拡張心筋症を患う息子を思い安楽死を依頼。
既に死亡し遺体も焼かれているが、聡子が依頼したことを自白。
ドクター・デスと看護師についての記憶はあまりない。
一昨年の事件
被害者:砥波多津
心臓病を患い認知症にもなっていた。息子の達志が依頼したと思われるが、自白がないため、聞き取りはできないで終わる。
犬養の娘をおとりにする。
犬養は自分の娘・沙耶香をおとりにして、ドクター・デスと交渉をすることに決める。
犬養の手前勝手な事情で離別。最近は打ち解けている。
沙耶香は腎不全で透析が必要。
帝都大学病院に入院中。
犬養のおとり捜査の話をすると、反抗的な態度をするも「私を護って」と沙耶香は承諾をする。
犬養の名前はそのまま、警察官だと告げ、ドクター・デスに交渉を始める。
沙耶香の名前は「犬養結衣」と偽名。
娘は警察病院に入院していることにして、連絡フォームから安楽死への思いを綴る。
この時、パソコンは犬養個人のものを利用する。
ドクター・デスは、犬養の依頼を承諾。
安楽死決行の日が来た。
警察病院で張り込みをする犬養だったが、ドクター・デスは現れなかった。
代わりに帝都大学病院に沙耶香宛に、塩化カリウム剤の点滴の小包が届いていた。
ドクター・デスからメールが届く。
犬養の個人パソコンを利用したことで個人情報が洩れていた。つまり、偽名を使ったことも、病院の嘘もバレていた。
ドクター・デスの目撃情報もなく、空振りに終わる。
ドクター・デスの正体
事件3
被害者:北条政宗(90歳)
依頼者:息子の英輔
資産400臆の北条グループの総師。
ステージ4のがん患者。
政宗本人から依頼された英輔は、自身も父親の姿を見かねてドクター・デスに依頼。
自宅で治療中に安楽死する。
英輔が看護師の顔を記憶してたことで、似顔絵を作成。
データーを基に操作を進め看護師へたどり着く。
看護師の名は雛森めぐみ。37歳。
雛森から話を聞く。
両親はおらず、離婚歴あり。天涯孤独で現在は看護師はしていない。
ドクター・デスからの依頼のみが看護師としての仕事で報酬は6万円。
安楽死だと知らずに、ドクター・デスについて仕事をしていたという。
ドクター・デスの名前は「寺町亘輝」。
安城邦武事件のネタバレ
ドクター・デスの安楽死事件だと思われた安城邦武の死は、殺人事件だった。
死因に不審点があり犬養は再調査。
犯人:小菅仁一
動機:アラームの確認を安城から頼まれていたのに忘れてしまった。そして爆破事件が起きた。安城が意識が回復して自分の過失がバレると思い、犯行に及ぶ。
毎日、安城のお見舞いにいき、様子を把握して、工場内の薬品(塩化カリウム)を点滴にいれ投与させ殺した。
ドクター・デスの犯行にさせるために、匿名電話をしたのも小菅。
犯人ネタバレ
ドクター・デスの残した土の痕跡から、ホームレスに的を絞り、寺町亘輝を逮捕。
寺町亘輝(72歳)
寺町の自供からドクター・デスは雛森めぐみだと判明。
寺町は医者のふりをして鞄を持ち、雛森についていくだけ。
稲森がドクター・デスとは知らなかった。
報酬は6万円。
雛森めぐみについて
5年前、勤めていた病院が倒産し、それをキッカケに国境なき医師団の看護師として渡米。
看護師としての仕事は、天災、人災、武力紛争の被災者を助けるボランティア活動。
そこでブライアンという尊敬する医師とともに看護師をしていた雛森。
苦しむ被災者を目の当たりにし、ブライアンは安楽死をさせることで、苦しみから救っていた。
その最中、雛森とブライアンは爆撃にあう。ブライアンは瀕死の状態の中、雛森に安楽死をしてくれと注射器を渡した。この時、雛森はブライアンに注射をし、安楽死を施す。
これが最初の安楽死の事件。以後、日本に戻るとドクター・デスとして活動をしていた。
日々の暮らしは、スーパーなどのバイトを転々としている。
雛森めぐみを逮捕しようと自宅にいくが、逃げられる。
「ドクター・デスの遺産」の結末
1か月後。
犬養らの前から姿を消した雛森は、これが最後の仕事だと、久津輸博信の自宅へ向かう。
雛森が家につくと、そこにいたのは犬養。
久津輪は本当にガンを患い安楽死を希望していたが、サイトから犬養がたどり着き、先を越されていた。
この時、土砂崩れが起き、久津輪が下敷きに。
救いだすことができず苦しむ久津輪を楽にする方法はひとつ。安楽死……。
雛森は久津輪に注射を打つ。
犬養も高千穂も、それを止めることができなかった。
久津輪を見殺しにしたことは己の十字架として背負う覚悟をする犬養は、沙耶香を見舞う。
ラストは親子の会話で幕を閉じる。
安楽死を考えるより、とことんやったれと思う、という沙耶香。
それはどうしてかと問う犬養に
「諦めの悪い誰かさんの娘だから」
<完>
【ドクター・デスの遺産】のモデル
【ドクター・デスの遺産】の原作は、中山七里著の犬養シリーズの4作目【ドクター・デスの遺産】。
テーマは安楽死でこのモデルになっているのが、「ドクター・デス」と呼ばれ、130人もの患者を安楽死させたアメリカの医師「ジャック・ケヴァーキアン」です。
1999年に殺人罪で服役し、仮釈放後、亡くなるまで安楽死・尊厳死の啓蒙活動を続けていました。
【ドクター・デスの遺産】の感想
推理小説ですが、安楽死についてを問いかけてくる作品です。
犯人にたどり着くまで、巧妙に描かれていて一気読みしました。
苦しみから逃れる方法がひとつあるとしたら。それが“安楽死”だとしたら。
あなたはどうしますか?
そう問われ、即答できるものでもなく……。
結末の沙耶香のように「まずは、とことんやったれ」でよいかな、と。
重い内容の物語ですが、最後はとても頑張れそうな、そんなセリフにほっとしました。
記事内画像:【ドクター・デスの遺産】公式サイト
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