【騙し絵の牙】の原作小説ネタバレあらすじ・登場人物!結末に明かされる小説編集の原点!

【騙し絵の牙】の原作ネタバレあらすじ!
映画【騙し絵の牙】は大泉洋を当て書きした小説【騙し絵の牙】が原作です。
【罪の声】の作者・塩田武士の本格ミステリー!

映画【騙し絵の牙】の原作小説の登場人物、あらすじ、ネタバレを紹介します。

目次

【騙し絵の牙】原作小説の登場人物

【騙し絵の牙】原作の主な登場人物を紹介します。

主人公:速水輝也(はやみてるや/大泉洋)
薫風社(くんぷうしゃ)・月刊誌『トリニティ』の編集長

二階堂大作(にかいどうだいさく/國村隼)
大物小説家

小山内甫(おさないはじめ)
速水と同期

相沢徳郎(あいざわとくろう)
薫風社の編集局長
月刊誌『トリニティ』の初代編集長

速水早紀子(はやみさきこ)
速水の妻

速水美紀(はやみみき)
速水のひとり娘

▲登場人物はとても多いので各章の原作ネタバレにてその他の登場人物を紹介していきます。
▲()内に出演者名/同姓同名のみ記載。

映画出演者情報
映画【騙し絵の牙】のキャストと相関図!大泉洋、中村倫也、松岡茉優ら豪華出演で人気小説を実写化! | 【dorama9】

【騙し絵の牙】の原作小説あらすじ

騙し絵の牙
画像:KADOKAWA

【騙し絵の牙】原作のあらすじを紹介します。

大手出版社で雑誌編集長を務める速水輝成は、笑顔とユーモア、ウィットに富んだ会話で周囲を魅了する男。
ある夜、上司から、担当する雑誌『トリニティ』の廃刊の可能性を匂わされたことをキッカケに組織に翻弄されていく。
常に笑顔の速水だが、次第に別の顔が浮かびあがり……。

【騙し絵の牙】の原作小説ネタバレ

【騙し絵の牙】は主人公・速水輝成を大泉洋さんに想定し、塩田武士氏が執筆した小説です。
主人公は、雑誌『トリニティ』の編集長・速水輝成。
廃刊の危機迫る『トリニティ』を救おうと奮闘する速水輝成の姿を描いています。
コミュニケーション能力に長けた速水が、なぜ編集へ携ろうとしたのか。その原点がラストに明かされます。

【騙し絵の牙】プロローグの原作小説ネタバレ

登場人物

・三島雄二(みしまゆうじ)

エージェント社を運営
小山内のかつての部下

ネタバレ

『二階堂大作デビュー四十周年記念パーティー』

薫風社に入社して20年の小山内甫が到着するとすでに、同期の速水輝成はパーティー会場にいた。
小山内のかつての部下・三島雄二もいる。
三島は売れっ子漫画家を引き連れ独立し成功を収めていた。
大御所作家の二階堂大作のスピーチ後、彼が指名をしたのが速水。
速水が舞台に立ち、挨拶をすると一遍に場が和んでいった……。

【騙し絵の牙】第一章の原作小説ネタバレ

登場人物

▲月刊誌「トリニティ」のメンバー

・柴崎真二(しばさきしんじ)副編集長
・高野恵(たかのめぐみ)30歳
・中西清美(なかにしきよみ)柴田と同期
・篠田充(しのだみつる)
・戸塚健介(とつかけんすけ)
・内橋奈美(うちはしなみ)契約社員

▲そのほか登場人物

・藤岡弘樹(ふじおかひろき)
文芸誌「小説薫風」の担当者

・永島咲(ながしまさき)
25歳の女優

ネタバレ

文芸出身の速水が編集長を務める月刊誌「トリニティ」は小説と漫画の連載を持つ。
虹色石鹸とのコラボ小説を中堅作家の霧島哲也(きりしまてつや)に依頼しているが、作品はいまひとつ。担当は篠田。

**

相沢から呼び出された速水は、『トリニティ』が赤字であり
「持って、あと1年。ここ半年が勝負」だと告げられる。

**

速水の娘・美紀は小学5年。来年は中学受験を控えている。
妻はお嬢様。速水は育ちの違いをひしひしと感じている。
お年頃の美紀に気づかう速水は「雑誌も娘もままならない」と思うのだった。

速水は薫風社に入社する前、新聞記者を3年務め、薫風社に入社し3年間は週刊記者を務めた。

**

霧島と虹色石鹸との会食に速水と篠田が招かれる。文芸の藤岡もいる。
酒癖の悪い篠田は、霧島相手に小説のダメ出しをしてしまう。
速水は怒って退席した霧島を藤岡と追いかけ、タクシーに相乗り。怒り狂う霧島に速水はバリカンを片手にし「私は頭を丸める。だから、なんとしてでも書いてほしい」と懇願。この1件で霧島は、執筆を承諾。
速水は自身が指摘を加えた(エンピツという作業)原稿を霧島に手渡す。
霧島の怒りを沈静させ、さらに機嫌よく再び作品を仕上げるようにする速水の手腕に藤岡は感動する。

一方、恵は女優・永島咲のコラムが獲れそうだと速水に報告。

【騙し絵の牙】第二章の原作小説ネタバレ

登場人物

・西村和喜(にしむらかずき)
速水と同期。
薫風社の営業部企画担当。

・高杉裕也(たかすぎゆうや)
若手作家

・杉山
民放局の担当者

ネタバレ

相沢から「機構改革案」を見せられる速水。
文芸誌『小説薫風』が廃刊リストに載っていた。廃刊するというのは、連載小説を打ち切ることになる。小説家にとってそれは大きなリスクとなるが、相沢は
「仕方のないこと」
だという。
今回は『トリニティ』は廃刊にしない、という相沢は速水を味方にするという策略がある。
『トリニティ』をなんとか黒字にしなければならない、速水はプレッシャーを感じる。

『トリニティ』を黒字にするため、速水は編集部員にノルマを課す。

**

速水は黒字にするには小説で勝負だと考え、二階堂に『トリニティ』に掲載する小説の依頼をする。
7年前、速水は二階堂の担当をしていた。その時に聞いていたアイデアを小説にしようと考えていた。二階堂は速水の頼みとあれば、と承諾する。

**

速水は、同期の西村に『トリニティ』に連載していた小説の重版をしてほしい、と話を持ち掛ける。話題作りのために、速水自身が映像化するよう働きをかけると約束する。
早速、速水は恵と民放局の福永と杉山に会い映像化の話を持ち掛ける。

その夜、速水は恵と寝る。
二人の関係は1年半前から。付き合っているというほどでもないが、5、6回寝ている。

**

速水に高杉からメール。
高杉の才能をかい速水は積極的に接触していた。

メールの内容は『小説薫風』が廃刊になることの確認。高杉は、『小説薫風』で連載を執筆する予定だったという。
近々会おうと返信する。

**

とある本屋から電話が入る。
妻の美紀が万引きをしたという連絡だった。
急いで本屋に行った速水は、ひたすらに謝り大事にならずに済む。
速水と妻の関係は冷え切っている。速水はどうしても妻を抱く気にはならない。
それが万引きの原因か否かを問わず、速水はすぐに会社に戻った。

【騙し絵の牙】第三章の原作小説ネタバレ

登場人物

・秋村光一(あきむらこういち)
経済誌『アップターン』の編集長
速水と同期。

・清川徹(きよかわとおる)
パチンコメーカー勤務

・久谷ありさ
恋愛小説家

ネタバレ

二階堂大作の新作執筆のため、海外への取材が必要。
速水は相沢に取材費を申し出るが、いい返事はもらえない。

**

『小説薫風』が廃刊になることで匿名ファンからの手紙が届いたと、藤岡。
速水はその字体から、自分が薫風にいたとき手紙を送って来た同一人物だと判断し、そのファンレターを藤岡からもらう。


同期の秋村が離婚した。
秋村はマイペースで暗い。速水とはソリが合わない。

**

相沢の紹介でパチンコメーカーに勤務する清川と会う。
二階堂大作の作品をパチンコ台に起用したい、速水から承諾を貰ってほしい、代わりに、新作の取材費1千万を出す。さらに『トリニティ』に広告を出す。
というのが清川の依頼。
速水は依頼を受ける。

**

若手作家の高杉と会う。
デビューして3年。作家活動だけで生活するのは難しい。
速水は、高杉の新作のプロットを読み「これはものになる」と感じる。
ただし、すぐに掲載する文書がなく、何か考えておく、と返事をする。

**

小説家・久谷の担当は中西だが、恵と久谷が仲が良く、中西と恵は対立する。
速水は、再びテレビ局に行く。前回の映像化の話をするが断られる。
杉山から、恵が他社から引き抜きがかかっていると聞く。
速水は永島咲と偶然スタジオで会うが、咲は速水のことなど目もくれない。杉山は咲に猫なで声をだし取り入っていた。
速水は屈辱を感じる。

【騙し絵の牙】第四章の原作小説ネタバレ

登場人物

・多田茂雄(ただしげお)
薫風社専務

・横山涼子(よこやまりょうこ)
本屋店員

ネタバレ

万引き騒動から4か月経過。
早紀子との関係は修復できていない。

**

多田と相沢から二階堂の書籍を電子化にするために許可を得るよう指示される。
秋村も相沢らの味方となり、速水はしぶしぶ承諾する。

恵と会う。
恵は中西とかなり前からの確執があると告白。
なぜか、この日、恵は速水の夜の誘いを断る。

**

小山内と書店に足を運び、横山と本の配置場所などをチェック。二階堂の書籍を売り出すためだ。
小山内から、秋村が怪しい動きをしていると聞く。
秋村が編集長の『アップターン』と速水が編集長の『トリニティ』。どちらかが廃刊になるかもしれない。そのための根回しをしているらしい。

**

清川から二階堂が未公開株の詐欺にあっていると聞く。

【騙し絵の牙】第五章の原作小説ネタバレ

ネタバレ

速水は二階堂に清川を紹介する。
金に困っているらしい二階堂は、作品のアニメ化とパチンコ台の話に興味を示し、承諾する。

**

藤岡から労働組合の臨時中央委員会に誘われる。
経営側には相沢と多田が出席。秋村も出るという。
相沢から、経営側につき委員会に出るよう言われる。

**

小山内甫は、肩たたきにあったという。
「退職金をもらい大阪に帰ろうかと思っている」と速水に告げる。

**

怪文書が出回る。出所は不明。内容は<編集部幹部の周りで飛び交う怪しい札束>。速水のことのようにも受け止められる。
中西から、パチンコの話が怪しいと忠告される。

速水は多田の家に行く。帰りを待ち不意打ちにをかける。
結局、二階堂を説得するよう、言われてしまう。
この時、秋村が車で走り去るのを見かける。

**

2日後、小山内と飲んで帰宅。
早紀子から離婚を切り出される。美紀を引き取るという早紀子。
この離婚は美紀が言い出したことだった。
母が病んでいくのを見かねて、離婚した方がいいとアドレスしたのだという。
泣きじゃくる美紀に、速水は何も言えなくなる。
家を飛び出し夜の道を歩く。
この時、高杉から「相談がある」と電話があったが「気持ちが悪いから」とすぐに切ってしまう。

続いて二階堂から電話。
多田が辞めさせられたという。

【騙し絵の牙】第六章の原作小説ネタバレ

登場人物

・池田常務
営業と広告を行き来した社長派

ネタバレ

速水は翌朝、相沢と話す。

多田は、美容機器メーカーの社長と知り合い、有名モデルを使って、商品を宣伝する本をつくる約束をしたが、モデルがつかまらず空手形を切った。会社では内密に事を収めたが1億円を支払ったという。
怪文書は、多田のことを指していた。

相沢は、多田がいなくなったことで、電子書籍の話はなかったことにするという。さらに「トリニティ」をWEBマガジンに、と言い出す。
秋村の別れた妻は社長の嫁の従妹。秋村は社長派のスパイだった。

中央委員会
多田の代わりに池田常務が出席。

漫画雑誌の廃刊は免れない。さらに、秋村は自身の担当する『アップターン』をWEBマガジンにするという。
速水は『トリニティ』をWEBマガジンにすることに納得がいかない。紙媒体の小説がいかに読者を喜ばせているか、藤岡からもらったファンからの手紙を読み上げる。
しかし、紙媒体を残したところで赤字は免れない。結局、速水は雑誌を守ることができなかった。

**

委員会後、速水は秋村と話す。

怪文書を送ったのは秋村。
秋村は、『トリニティ』の動きは全部把握していた。副編集長の柴崎が情報を横流ししていた。
秋村は編集者としではなく、経営者として生き抜く覚悟をしていた。
速水は、小説を生み出し世に広めたい、と思っていた。

**

高杉が自殺したと連絡が入る。
速水は高杉の通夜に行く。母親から遺書を渡され目を通す。
作家の苦悩が綴られ「作家として死にたい」の一文を見たとき、速水は涙を流す。
速水は深夜の電話を思い出す。
すぐに切ってしまった電話。翌日にでもかけ直すことが可能だったのに、と速水は後悔をする。
高杉の原稿を預かった速水は、退職の決意をする。

相沢に止められたが速水の決意は揺るがない。そして、送別会。
この時、中西から恵の話を聞く。
恵が相沢と手を組んで歩いていたという。中西とともに働いていた女性誌では、恵の男が原因で異動になったとも。
速水はまんまと恵に騙されていたのだった。

【騙し絵の牙】エピローグの原作小説ネタバレ

登場人物

・岸誠二郎(きしせいじろう)
速水の実の父
・淳子(じゅんこ)
速水の母
・速水健吉(はやみけんきち)
速水の義理の父

ネタバレ

小山内甫は、『二階堂大作デビュー四十周年記念パーティー』が開かれたパーティー会場にいる。

この日は、【『株式会社トリニティ』の創立記念パーティー】が開催されている。
小山内は薫風社を辞め大阪に戻っていた。この日のために上京。

『トリニティ』の社長は速水輝成。
パチンコ屋の清川、作家の二階堂を引き連れ、さらに三島は役員。
雑誌『トリニティ』に関わった人間をきれいに持って速水は起業したのだ。
契約社員の内橋、テレビ局の杉山、女優の永島の版権を持ち、相沢は速水に媚びている。

速水は、こっそりと英語の勉強を重ね海外進出を考えていた。コミュニケーション能力を駆使し、各界の人間と関わっていたことのすべてがこの会社設立に繋がっていた。雑誌『トリニティ』が下降をたどる中、速水は会社『トリニティ』を設立したのだ。

小山内は、速水の過去を追う。

速水の過去
速水は大津市の出身。
実の父は、博打に狂い、酒を飲むと暴力を奮った。輝成が小学3年生のとき、父に殺されると逃げ込んだのが担任の家。
そこで輝成は小説と出会う。
父が事故で死に、輝成が中学2年の時、母が速水健吉と再婚。健吉は読書家。当時、小説を書いていた。その小説を輝成が「こうした方がいい」と助言する。小説は見違えるようになり、それが、大手出版社の目にとまった。これが輝成が編集者を志すキッカケになる。しかし、その話は流れてしまう。
以後、健吉は筆をとらなくなった。
輝成が高校2年の時、健吉は輝成に500万円が入っているコインロッカーのカギを渡す。それは横領したお金。健吉は逮捕されたが、輝成はその500万円をこっそりと隠し持ち、大学進学資金に回し、出版の勉強をし海外留学もする。
新瓶記者を経て、薫風社に入社。希望通り、編集一筋に人生を歩んだ。

大津市の帰りの船で小山内は速水と会う。
小山内は「死に物狂いで雑誌を守ろうとしたのは、編集者として速水健吉の原稿を持ってたからや」と確信を告げる。

速水は真実を告げる。
薫風社に届けられた匿名のファンレター。それは速水健吉からのものだ。筆跡からわかったという。速水は父に会いたいと思うが、健吉の居場所はわからないまま。
雑誌『トリニティ』がある限り、父親の目に自分の存在がわかる、だから廃刊にしくはなかったのだった。

速水は離婚し美紀と別の暮らしをすることを悲しむ。
そこにカメラマンが「写真を」とやってくる。

速水と小山内は写真を撮る。
速水はいつもの笑顔の仮面をつけていた……。

この日が二人の最後の日。
小山内は、思う。

…この男に会うのは、これが最後だ。

<終わり>

【騙し絵の牙】原作小説の感想

【騙し絵の牙】原作の感想を紹介します。

大泉洋さんを当て書きした【騙し絵の牙】。驚きの結末は、速水に騙されたということ。
おそらく、読者のほとんどが速水に騙されたと思います。私もまんまと騙されました。
人あたりがよくコミュニケーション能力抜群の速水輝成。それは表の顔で裏の顔はすべてを計算していてのことだった。しかし、笑う速水も娘を思う速水も存在する。どんな速水であっても「全部ほんまもんや」という小山内。
速水はかなり魅力的な男です。ただし、家庭には向いていなかったようですが。
若手作家の自殺、廃刊が続く雑誌、電子書籍化が進む出版業界の現実が怖くも感じました。
物語の中、速水輝成は確かに大泉洋さんであり続けます。頭の中で映像が繰り広げられていきます。ラストは心が重くもなりましたが、面白い作品でした。

小説【騙し絵の牙】

タイトル騙し絵の牙
作者塩田武士
刊行KADOKAWA
発行日2017年08月31日

2018年本屋大賞ノミネート

小説【騙し絵の牙】

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