【アリバイ崩し承ります】原作小説のネタバレ!犯人・トリックを一挙紹介!
出典テレビ朝日
【アリバイ崩し承ります】原作小説のネタバレ!犯人・トリックを一挙紹介!
浜辺美波主演でドラマ化された【アリバイ崩し承ります】(テレビ朝日、2020年1月期)の原作小説を分かりやすくネタバレ!
犯人・トリックを一挙紹介します。ドラマ視聴の参考に!
【アリバイ崩し承ります】の原作ネタバレ
ドラマ『アリバイ崩し承ります』の原作は、大山誠一郎氏の同名小説(実業之日本社刊)。
全7話で構成される連作短編の形式。つまり、短編小説を連続して収録した一冊が一つの大きなストーリーになっているカタチです。
ここからは、原作で一番気になる犯人とアリバイトリックなどをネタバレします。《閲覧注意》
第1話「時計屋探偵とストーカーのアリバイ」のネタバレ
第1話は、語り手が4月に捜査一課に配属されて1ヶ月のストーリー。時期は5月ごろ。ストーカーが第一容疑者だが…。
事件
- 被害者:県立医科大学の教授・浜沢杏子。心臓を刺されて死亡。死亡推定時刻よる7時頃。
- 容疑者:ストーカーをしていた京子の元夫の菊谷五郎
登場人物
●レギュラーの人物
- 美谷時乃(みたに・ときの)…亡き祖父から「美谷時計店」を引き継いだ店主。
・20代半ばにみえる。小学3年生(9才になる学年)から一昨年まで祖父に14年技術をしこまれたため、計算上の年齢は9+14+2=25で、“25才”になる年か。*ドラマでは20才に改変。
・容姿は小柄で色白なためウサギを思わせる雰囲気。髪型はボブ。
・お店では時計修理とともに1回5千円の成功報酬で「アリバイ崩し」「アリバイ探し」を承っている。アリバイは時計が根拠なことが多いため、先代からの方針となっている。
・決め台詞は「時を戻すことができました。○○さんのアリバイは崩れました。」 - 僕…物語の語り手。県警本部捜査一課に配属されて1ヶ月の新人刑事。
・腕時計の電池交換のために入った美谷時計店で「アリバイ崩し承ります」の張り紙を発見し、地方公務員法に違反すると知りながらも依頼してしまう。
・ドラマでは察時美幸(さじ・よしゆき)という名前がつき、左遷されたキャリア、時乃が貸す家に住んでいると改変。 - 牧村(まきむら)…警部。県警本部捜査一課 第二強行犯捜査 第四係の係長。「僕」の上司。
- 下郷(しもごう)…巡査部長。牧村の部下。
●事件の関係者
- 浜沢杏子(はまざわ・きょうこ)…殺人事件の《被害者》。一軒家の自宅で遺体で発見された。県立医科大の病理組織研究学の教授。42才。
- 浜沢安奈(はまざわ・あんな)…被害者の妹。34才。事件の《第一発見者》。友人の保証人になっため2千万円の借金を抱えている。両親はすでに他界。
- 菊谷五郎(きくたに・ごろう)…被害者の元夫。被害者をストーカーしていた、と安奈が証言。第1容疑者だが、午後6時ごろから居酒屋で飲んでいてアリバイがある。トイレに行った空白の8分はあるが、犯行は不可能。
- 梶山達夫(かじやま・たつお)…被害者の研究室の助教。20代後半、分厚いメガネをかけた青年。
犯人:主犯(計画者)- 浜沢杏子、実行犯(共犯) – 菊谷五郎
・五郎の犯行動機は、元妻の被害者・杏子に頼まれたから。まだ杏子を愛していたから。
・杏子の犯行動機は、妹・安奈に二千万円の借金があり、二か月以内に支払う必要があったため、保険金をもらいたかったから。
・杏子は重い病気だった。司法解剖で調べない箇所:膵臓(すいぞう)の末期がんだった。
アリバイトリック:胃の内容物からの死亡推定時刻をずらしたトリック。
・菊谷五郎が杏子と結婚しているときにギャンブルによる浪費癖がひどかったのは本当。しかし、杏子にストーカーのようにつきまとって、お金を無心するところを何度も目撃されていたのは、共犯関係を隠すための偽装。
・杏子の胃の中の消化物の状態などから、五郎には鉄壁のアリバイがあった。杏子が殺しれくれる代わりにアリバイを与えた。
・杏子の死亡推定時刻は午後7時前後とみられた。十二指腸の消化物(米・肉・トマト・卵焼き)は摂取後7時間、胃の紹介物(スポンジ・バタークリーム・チーズクリーム・ラズベリー・バタークッキー・桜桃)は摂取後4時間程度が経過。正午ごろに昼食を、午後三時ごろにケーキを食べたことが目撃されているため、計算上、午後7時ごろに殺害された。
⇒しかし、昼のお弁当と見えたものがケーキだった。
事件の日の昼食時に助教の梶山が塩饅頭を勧めたのに、杏子は断った。これが解決のヒント!
午後3時にケーキ屋に行ってケーキを食べたことにするのに、塩饅頭が混ざると困るから。
〈お弁当をケーキ「モカとフロマージュブラン」に変えたトリックの内容〉
- 茶色いモカ→ハンバーグ
- 白いフロマージュブラン→白米
- 飾りのラズベリーと桜桃→プチトマトと卵焼き
午後3時にケーキ屋に行ったが、食べるふりをして何かに入れて持ち去った。
解決編:事件の流れまとめ
・午前9時:杏子がお弁当を食べる。(五郎がお金を無心にきて、実験室を抜けた10分間に食べた)
・正午:杏子がケーキを偽装して食べる。
・午後4時:杏子が殺害される。←午後7時と誤認された。
・午後6時~午後9時:五郎が居酒屋にいた。←午後7時死亡ならアリバイ確定だった。
・翌朝の8時:遺体が発見された。←発見の遅れにより、死亡推定時刻に幅が生じてしまった。初動捜査では検視官が前日の夕方から夜と死亡時刻をみていた。
第2話「時計屋探偵と凶器のアリバイ」のネタバレ
第2話は、第1話から2ヶ月後のストーリー。時期は7月ごろ。凶器の拳銃が先に郵便ポストから発見された後、銃殺の事件が起きた奇想天外な事件。
事件:
被害者:布田真…拳銃で2発撃たれて殺されていた。
・1発は、右太ももの盲管銃創(もうかんじゅうそう)で、銃弾が身体を貫かず、体内にとどまっていた。
・2発目は、口腔(こうくう)内の貫通銃創(かんつうじゅうそう)で、銃弾が口を抜け後頭部を飛び出し、ラグマットを貫いた弾丸が床にめりこんでいた。
・2発とも、郵便ポストで発見された拳銃から発射されたとみられる。
・死亡推定時刻は6月27日(土)午後2時から午後4時。しかし午後3時までに拳銃が郵便ポストに入れられた。よって、犯行時刻は午後2時から午後3時。
登場人物
- 布田真(ぬのだ・まこと)…被害者。30才。射殺死体で発見された。大村(おおむら)製薬の生産管理課の社員。
- 佐藤研作(さとう・けんさく)…第一発見者。50代の小太りな男。被害者とはオーディオマニアの仲間。
- 真壁(まかべ)…組織犯罪対策課に所属する捜査員。180㎝の巨漢。捜査本部に「暇か」と声をかける(『相棒』オマージュ?)シーンもある。
- 平根勝男(ひらね・かつお)…布田の上司。40才前後でやせ形の男。
- 遠山公司(とおやま・こうじ)…偽名。都内で逮捕された拳銃密売人からワルサ―PPKを購入していた。
- 上川哲史(かみかわ・てつし)…偽名。都内で逮捕された拳銃密売人からFNブローニングを購入していた。
犯人:平根勝男
動機は、モルヒネの横流しに被害者が気づいたから口封じのため。
アリバイとして正午から午後三時まで従兄弟との食事会をしていたが、時乃が見事に崩す。
アリバイトリックの解答:拳銃の思い込みによるトリック
●拳銃の2発は別の拳銃。
1発目の盲管銃創…郵便ポストで発見された拳銃。
2発目の貫通銃創…郵便ポストで発見された拳銃とは別。
〈時系列〉
・午前中:平根の3つの行動。
- 布田を鈍器で殴打して昏倒させる。モルヒネを注射して眠らせておく。のちに郵便ポストで発見される拳銃で布田の右太ももを(注射痕の上から)撃つ。モルヒネの鎮静効果で布田は寝たまま。
- 次に、床を撃って弾丸を残す。
- 現場を去って、(午前10時の集荷のあと)郵便ポストに拳銃を入れる。
・正午から午後三時:平根が従兄弟(いとこ)たちと会う。
・午後3時:郵便ポストで拳銃が発見される。
・午後3時台:郵便ポストで発見されたのと「別の拳銃」を、砂袋(のようなもの)の上にラグマットをかぶせた上で、布田の口腔内から発射。ラグマットを貫通。しかし弾丸は砂袋に止まった。砂袋は回収。
→郵便ポストで発見された拳銃が口腔内から発射され、ラグマットを貫通して床にめりこんだと思わせた。
→犯行時刻を擬装。
ワルサ―PPKとFNブローニング(=郵便ポストで発見)は同じ32口径のため、平根がふたつとも購入したとみられる。用意周到な犯行だった。
第3話「時計屋探偵と死者のアリバイ」のネタバレ
第3話の時期は8月ごろ。交通事故に遭った男による殺人告白から始まるストーリー。
事件
奥山新一郎が香澄を殺したと告白して亡くなる。しかし奥山にはアリバイがあった。
被害者の死因は「扼殺(やくさつ)」:手や腕で人の首を絞めて殺すこと 。何度もしめた証拠「扼痕」もみられる。
なお、絞殺(こうさつ)は紐やコードなど細長い物を使って、人の首を絞め殺すこと。
死亡推定時刻は午後7時半から午後8時。午後8時半の遺体発見時に死亡1時間以内と判明。殺害告白した奥山が午後8時に事故に遭ったため。
しかし午後7時20分に奥山の自宅で彼自身が宅配を受け取っていた。被害者のマンションとの距離から、アリバイが成立!
登場人物
- 中島香澄(なかじま・かすみ)…被害者。
- 奥山新一郎(おくやま・しんいちろう)…加害者(?)の推理小説家。30代後半。
・非力そうだが二枚目。事故に遭い、「僕」に殺人を告白した後に息絶える。
・被害者は恋人。
・大手の親読(しんどく)社のミステリー大賞を『時計仕掛けのアリバイ』で受賞しデビュー。アリバイ崩しのテーマが得意。 - 松尾(まつお)警部…奥山の小説に登場する架空の人物でアリバイ崩しの名人。
- 磯田幸三(いそだ・こうぞう)…被害者が住んでいたマンションの大家さん。60代。
- 春日井美菜(かすがい・みな)…奥山が浮気相手(乗り換えようとしていた?)の女性で心理学者。40代の美人。
- 遠野良夫(とおの・よしお)…奥山の担当編集者。奥山は無口で打ち合わせの時もじっくり考えるタイプ、人前は苦手で講演会・選考委員やパーティなどは拒否していたと証言。
- 奥山の恩師…7年前、車を運転中に事故で重傷を負った。その車には奥山も乗車していた。
犯人:磯田幸三
動機はなし。衝動的。奥山作品のファンタの磯田が奥山の依頼で、被害者の留守中に忍び込み、別れるネタ=弱味を探していた。
その間に自宅で被害者と会っていた奥山。口論になって首をしめた。殺したと思いパニックになった奥山が自宅を飛び出して事故に遭う。そこで「僕」に殺害を告白。
意識が戻った被害者は自分のマンションに戻って磯田と遭遇。動揺した磯田が被害者の首をしめ殺害。
アリバイトリックの解答:犯行現場の誤認からの死体(と思われた被害者)の移動など、偶然が重なった動機なきトリック。
奥山は恩師の運転する車の事故以来、耳が聞こえなかった。
読唇術で編集者とも会話中していた。恩師を気遣って隠していた。
「僕」が「どこで殺したんですか」と尋ねたら奥山は住所を答えた。その時の奥山は目をつむっていた。その直前、「中島香澄?どこに住んでいるんです?」と「僕」は尋ねた。
なお、奥山の腕時計は液晶型。光や震動で知らせる装置があった。
もし「どこで」が読唇術で読めたら、奥山の家と答えたはず。
〈時系列〉
・7時20分:奥山が自宅で宅配物を受け取った。
・7時25分頃:被害者の香澄が奥山の家へ。奥山が香澄の首しめる。奥山飛び出す。
・7時30分頃:香澄が回復。自宅マンションへ。
・7時50分頃:香澄が自室へ。磯田に殺害された。
第4話「時計屋探偵と失われたアリバイ」のネタバレ
第4話の時期は10月ごろ。「僕」が高校時代に好きだった女の子に被害者が似ていたため、彼女の妹のアリバイを探して欲しいと、時乃に依頼する。青春×アリバイ探しストーリー。
事件:女性ピアノ講師殺害事件
死亡推定時刻は、発見された前日の午前9時から正午まで。約3時間の範囲内。
しかし午前10時~午前11時までマッサージ店にいたため、乗ってきた自転車で帰って家に着いた午前11時20分~正午が犯行時刻。
容疑者は土地の売買でもめていた被害者の妹。朝6時から午前零時(24時)まで18時間も眠ったためアリバイがない?!
登場人物
- 河谷敏子(かわや・としこ)…被害者。33才。個人レッスン専門のピアノ教師。
- 芝田和之(しばた・かずゆき)…マッサージ店「里楽贅処(りらくぜいしょ)」の経営者。被害者が事件当時の朝(午前10時~午前11時)に通っていた。
- 河谷純子(かわや・じゅんこ)…被害者の妹。両親から相続した家と土地をめぐって姉ともめていた。
- バー「ノワール」のママ…純子が勤めていたバーのママ。事件当日の夜に純子が無断欠勤していたことを証言。
- 田川(たがわ)…「里楽贅処」の新人マッサージ師で、事件当日も被害者のマッサージを1時間コースのうち20分だけ担当した。
- 諸井友代(もろい・ともよ)…「里楽贅処」で事件当日の芝田のマッサージを午前11時から正午まで受けた。
犯人:主犯:芝田和之、共犯:河谷敏子
敏子を殺すために共犯になってもらった。つまり、芝田が裏切った。
犯行動機は、不倫相手の敏子が妻と別れて結婚して欲しいと迫ってきたから邪魔になったため。(芝田は、奥さんが金持ちなので別れたくないとみられる)
アリバイトリックの解答
芝田と結婚したい敏子は、芝田の奥さん殺害のためのアリバイ工作として、眠っている純子の化粧をさせられた。純子が「里楽贅処」でニセ敏子としてマッサージを受けている間に、芝田の妻を殺害予定だった。しかし裏切られ、殺害された。午前9時台とみられる。
〈時系列〉
・事件前日の夜:芝田が純子の家に入り込んでワインに睡眠薬入れる。(共犯の敏子から鍵を借りた)
・事件当日の午前1時:純子が帰宅。
・午前6時:純子がワインを飲んだ後に就寝。
・眠る純子を車にのせた芝田は、純子のマンションに移動。敏子に純子の化粧してもらう。
・午前9時台前半:芝田が敏子を殺害。
・午前10時~午前11時:芝田がニセ敏子をマッサージ。
・午前11時~正午:芝田が諸井友代をマッサージ。(マッサージ室の下に純子を隠していた。)
なお、睡眠薬で眠らされた純子は夢遊病で行動しながら殺害したかもしれないと怯えた。しかし夢の中での出来事は実際のものと一致している。
- 空を飛んだ➡純子が運ばれた
- 顔中を撫でられた➡純子の化粧
- 体を押さえられた➡マッサージ
- 暗い洞窟に閉じ込められた➡ベッドの下
第5話「時計屋探偵とお祖父さんのアリバイ」のネタバレ
第5話の時期は12月。今回は時乃が祖父のアリバイ崩しのクイズを「僕」に紹介する回想ストーリー。
アリバイ崩しのクイズ
犯人役:時乃の祖父
犯行:美谷時計店の「文字盤に馬車が描かれた壁掛けの振り子時計」を午後3時25分に止める。
アリバイ:午後3時25分の時刻に店から離れた場所にいた。
アリバイの証拠:美谷時計店の最寄り駅から一駅行った淵屋(ふちや)駅の駅前広場で祖父が撮った写真。祖父が写っていて、広場の壁の時計は午後3時25分を示している。
条件:
・午後3時頃に帰宅したら、2階にいること。
・午後3時20分になったら、店に降りてきて振り子時計が動いていることを確かめる。また2階に上がる。
・午後3時30分になったら、もう一度店に降りてきて、午後3時25分に振り子時計が止まっていることを確かめる。
登場人物
- 時乃の祖父…一昨年に亡くなった。「美谷時計店」先代の店主。「時計の日」である6月10日が誕生日。時乃が幼稚園のころに両親が事故で亡くなった後は、時乃の親代わりだった。
- 二宮(にのみや)…「二宮写真館」店主。「美谷時計店」の右隣にある。時乃の祖父の将棋仲間。
アリバイトリック:写真の壁の時計は右に傾いていた。本当の時刻は午後2時20分。
美乃の祖父は30度傾いた台に乗っていた。転ばないように、そばの木にロープを縛って、そのロープの端をしっかり握り、真っ直ぐ立っていた。そのため食いしばるような緊張した顔になっていた。
祖父の足元と祖父の左手が写真に写っていないのはそのため。
美乃は、定規と分度器を使い、1/12だけ本来の午後3時25分の位置とズレがあると見抜きます。(細かい!笑)
・午後3時25分の場合:短針の位置は3時の目盛りから4時の目盛りに向かって、5/12だけ動いたはず。(理由:短針は長針に比例するから、長針が25分を示すなら、短針は25/60=5/12だけ動いたはず。)
・午後2時20分の場合:短針の位置は2時の目盛りから3時の目盛りに向かって、4/12だけ動いたはず。(理由:短針は長針に比例するから、長針が20分を示すなら、短針は20/60=4/12だけ動いたはず。)
つまり、短針の位置が5/12-4/12=1/12だけズレている。角度でいうと360度割る12=2.5度のズレ。
なお、美乃は今でもこの写真の台を祖父の形見として大事にしている。祖父が「時間を動かす道具」と呼んだ想い出の品だから。
第6話「時計屋探偵と山荘のアリバイ」のネタバレ
第6話は、翌年の1月。長野県のペンションで起きた殺人事件のアリバイ崩し。
事件:ペンションの時計台の中で宿泊客の黒岩が殺害された。
死亡推定時刻は午後11時~午前零時。
犯行時刻は、午後11時10分以降。「僕」が母屋から時計台を見ていた間、午後11時~午後11時10分には黒岩しか行かなかったため。黒岩の足跡(25センチ)の上に犯人の行き帰りの足跡(26センチの長靴)があった。
登場人物
- 里見良介(さとみ・りょうすけ)…長野県黒姫高原にあるペンション「時計荘」のオーナー。鎌倉のホテルの元シェフ。靴のサイズは26。
- 里見万希子(さとみ・きこ)…良介の夫。靴のサイズは23。
- 上寺千恵(うえでら・ちえ)…「時計荘」の宿泊者。会社員。30才前後の丸顔の女性。靴のサイズは24。
- 野本和彦(のもと・かずひこ)…「時計荘」の宿泊者。会社員。40代半ばの人の良さそうな男。靴のサイズは25。
- 原口龍平(はらぐち・りゅうへい)…「時計荘」の宿泊者。中学1年生。亡き祖母の原田孝子(はらだ・たかこ)が時計荘の常連だったため代わりに来た。将来の夢は警察官。靴のサイズは24。
- 黒岩健一(くろいわ・けんいち)…殺害された被害者。「時計荘」の宿泊者。会社員。人と話したくない様子。靴のサイズは25。司法解剖の結果、顔を整形していたとわかる。
- 「僕」…語り手の刑事。「時計荘」の宿泊者。靴のサイズは26。
- 教師…龍平の学校「久方学園」の教師。事件の連絡を受けて「時計荘」に駆けつける。
- 白田公司(しろた・こうじ)…行方不明な犯罪者。昨年警視庁に摘発された大規模な特殊詐欺グループのリーダー。実は、被害者・黒岩(偽名)の正体。
犯人:野本和彦
野本は、黒岩(本名:白田)の幼馴染みだった。野本が彼のナイフとフォークをすり合わせる仕草で気づいたため声をかけた。(←よく気づきました。行儀悪いからでしょうか笑)
疑心暗鬼になって時計台に呼び出したのは黒岩。野本を殺そうと鉄アレイも持ってきた。野本は殺意なんてなかったが、もみ合いの末に殺害。正当防衛の要素が強い。
アリバイトリック:犯行時刻のトリック。犯人はもともと時計台にいた。
〈時系列〉
・午後11時前:野本が時計台にいた。(黒岩に呼び出された。)
・午後11時過ぎ:黒岩が時計台へ。(「僕」が目撃)
・~午後11時10分:時計台から誰も出てこない。(「僕」が目撃)この間に時計台の中で黒岩が返り討ちに遭う。
・午後11時10分~午後11時11分:野本が黒岩が履いてきた長靴(26センチ)と交換してペンションに帰った。
・午後11時11分:「僕」と野本がペンション内で出会う。
第7話「時計屋探偵とダウンロードのアリバイ」のネタバレ
第7話の現在の時期は3月~4月。事件は去年の12月。
資産家殺人事件が3ヶ月も難航しているため疲弊した捜査員たちは、まとまった休みを交代で取ることになった。その休みの1月に「僕」が時計荘へ泊りに行ったのが第6話。
今回は、捜査に時間がかかったことがアリバイのキーになるストーリー。
事件:ひとり暮らしの資産家・富岡氏が殺害された。自宅の庭から白骨遺体が発見。遺体の遺族=息子に復讐で殺害した容疑がかかるが、彼にはアリバイがあり…。
登場人物
- 富岡真司(とみおか・しんじ)…殴打され殺された被害者。65才。ひとり暮らしの玄関先で発見された。お化け屋敷と呼ばれるほど荒れ放題だが、土地は売らなかった。
- 富岡の姉…70才。被害者と土地の売却の件でもめていたが、アリバイはある。
- 和田雄一郎(わだ・ゆういちろう)…被害者宅の庭にて、白骨死体で発見された。
- 和田英介(わだ・えいすけ)…雄一郎のひとり息子。21才で大学3年生。授業料免除の特待生として学んでいる。母・千恵子(ちえこ)は半年前に急性心不全で他界。
- 古川桔平(ふるかわ・きっぺい)…英介の大学の友人。英介のアリバイを証言する。
- 明城徹郎(あかぎ・てつろう)…J-POPの有名な作曲家。音大時代に作った曲を1日限定で配信した。
犯人:和田英介
動機は亡き父の復讐。父が勤めていた会社社長の富岡が会社のお金の使い込みの犯人だった。
自宅を訪ねてきた英介の父に使い込みを追及されたため、富岡がとっさに殺害。家の庭に埋めた。
英介は、復讐をしたら母が悲しむと踏みとどまっていた。しかし母が亡くなったため、復讐に踏み切った。
アリバイトリック:親友の記憶の誤認を利用したアリバイ
古川桔平の証言では、犯行時刻(12/6の夜9時頃)に英介と一緒にいたという。3ヶ月前なので正確には覚えてなかったが、その日限定の曲をダウンロードしたため、はっきりと断言した。6日の午前零時前に英介の家を出たという。実際、英介のスマホのダウンロード履歴にも2017年12月6日23時46分とあった。
〈アリバイトリックの種明かし〉
トリックのタネを明かすと、部屋の時計を15分遅らせていたこと。
1日限定の曲を日付が変わった午前0時にダウンロードして、古川に曲を聴かせた。
ダウンロードは2回した。1回目は消去して2回目の履歴が残った。
時乃が気づいたヒントは、古川がその曲を1日限定と知らなかったこと。なぜ英介は聴かせた時に限定だと言わなかったのか。興味を持たせられる話題なのに。ここから6日夜に2人がいたのでなく5日深夜(6日午前)にいたのだ、と推理を展開した。
〈時系列〉
・12月5日午後6時台~:英介が親友の古川と学食で一緒に食べた後、ともに英介の自宅に行く。
・~12月5日午前零時すぎ:古川は午前零時の前に帰ったと錯覚。しかも12月6日限定配信の曲を聴かされた。(ゲームに夢中で時間を確認しなかった)
・12月6日午後9時ごろ:英介が富岡を殺害。
・この間に富岡の姉が家と土地を相続。業者の選定を依頼。
・翌年2月末:白骨死体(和田雄一郎)が発見される。
しかしトリックに無理がある点もチラホラ。作中ではゲームに夢中で部屋の「壁掛け時計」「置き時計」「パソコン画面の時計」で確認しため午前零時に家を出た、と錯覚します。しかし、現代の若者は連絡が多いので、スマホはいつも確認するはず。帰りの電車の時間もあるだろうし、確認しなかったのが不思議です。
まとめ
以上、『アリバイ崩し承ります』原作小説のネタバレを紹介してきました。
原作小説ではどうなっていたのかなど、ドラマ視聴の参考になれば幸いです。
ドラマのライフの参考にぜひ!
コメント