【あんぱん】最終回あらすじと感想!ラストはのぶと嵩らしい終わり方

朝ドラ「あんぱん」

今田美桜主演&北村匠海共演の連続テレビ小説「あんぱん」最終週(26週)「愛と勇気だけが友達さ」最終話
2025年9月26日(金)に放送。

入院中ののぶ(今田美桜)の病室のドアを開けた嵩(北村匠海)は、のぶの笑顔に胸がいっぱいになる。その後退院したのぶは、嵩に自分がいなくなっても大丈夫かと尋ねて…。

半年間の放送も、ついにフィナーレ。死を覚悟するのぶが嵩に告げた言葉とは…。妻の闘病は史実?

本記事は朝ドラ【あんぱん】最終回(130話)のあらすじと感想を紹介します!

【あんぱん】最終回あらすじ

あらすじ

〈あらすじ〉のぶ(今田美桜)の病室のドアを開けた嵩(北村匠海)は、にっこり笑うのぶの姿に胸がいっぱいになる。その後退院したのぶは、嵩に自分がいなくても大丈夫かと尋ね、今年の桜は見られないかもしれないとつぶやく。そんなことないと打ち消すように話す嵩は、たまらずのぶを抱き寄せる。やがて日本中の子どもたちのヒーローになったアンパンマン。のぶは最高の笑顔で嵩に言う。「嵩は、うちのアンパンマンや」と――。

退院後、のぶが嵩に命をあげるが…

※ここからネタバレありです。

のぶの手術が終わって1週間後。
のぶの病室のドアを開けた嵩は、病室にたくさんの「アンパンマン」のキャラクターのぬいぐるみがあることに驚く。
のぶは看護師や医師らに我が子同然のぬいぐるみを配っていたのだ。

退院したのぶ。嵩は手をつないで一緒に歩いて帰る。
のぶは、一番人気はドキンちゃんだという。
嵩はドキンちゃんについて「僕も好きだよ」と伝える。
好きなところは、いつも元気なところ。決してめげないところ…。

のぶは嵩に「うちがおらんくなっても大丈夫?うちの命、あとどればあな?」と尋ねる。
のぶは余命宣告されたことに気づいていた…。

柳井家にて。
のぶは、「今年の桜は見られないかもしれない」とつぶやく。
嵩は、同じ病気で元気になった人がいると、のぶを励ます。

のぶは「嵩はほんまに優しい。そんな人のおかみさんになれるなんて世界一幸せもんや」と感謝。
嵩は「僕は、のぶちゃんの病気にも気づいてあげられなかったし。こんな時にまで心配かけてるし、情けないよ」と嘆く。
のぶは「そんなことない。嵩さんはいつもうちの心を明るく照らしてくれた。お父ちゃんが亡くなったときも。自分が生きちょっていいか、わからなくなったときも。どんなときもカッコつけんと、弱い自分を見せてくれた。やき、うちは救われたがよ。そういう、たっすいがーの嵩が大好き。あと少ししか一緒におれんけんど、どんどん溢れてくるがよ。うちのこの体は嵩の愛でいっぱいちや」と笑う。

嵩はのぶを強く抱きしめる。強すぎたので、すぐにハグをやめる。
嵩は「ねえ のぶちゃん 教えてくれないか?僕はなにをしてあげられるのか?」と尋ねる。
のぶは「ほいたらうちの好きなあの歌うとて」とリクエスト。

嵩は「アンパンマンマーチ」を歌い出すが…。のぶは「嵩さんが、初めに書いた歌詞」をお願いする。
嵩はボツになった歌詞を歌い出す。たとえいのちが終わるとしても、の歌詞だ。

最初の歌詞を聞いたのぶは、「うち 今ようわかった。嵩さんのこの歌に込めた思い。いのちはいつか終わる。でもそれは、全ての終わりやのうて、受け継がれていく。アンパンマンの顔みたいに。やき、生きることはむなしいことやないがよ。うちのこの残りの命、嵩さんにあげるきね」と言う。
嵩は「分かった」と答える。
寄り添い合う2人…。

暗転。

のぶは元気に暮らす

のぶと嵩は、桜の舞う道を犬と2人で歩いている。

(ナレーション)奇跡が起きたのでしょうか。それから5年間、のぶは病気がすっかり治ったかのように元気にすごしました。

のぶと嵩は、記者(市原茉莉)からインタビューを受ける。夫のことを尋ねられ、のぶは「草花にも生き物にも人も優しい。標準を外れるくらい」と答える。

のぶは小学生にアンパンマンの紙芝居を読み聞かせる。嵩がやって来ると、絵を描いて!歌って!とせがまれる。子どもたちと「アンパンマンのマーチ」を歌う。

のぶはその様子を見ながら、「アンパンマン、やさしい君は、行け!みんなの夢 守るため」と泣き笑いながらつぶやく。

すがすがしいラストシーンへ

♪時がくればお返しする命、この借り物を我が物で僕ら 愛でてみたり 諦めてみだりに

のぶと嵩は緑の並木道を歩く。

のぶは「嵩さんは、うちのアンパンマンや」と伝える。

二人は手をつないで歩く。

映像が青空へ。雲がアンパンマンになっている。

♪あわよくばもう いらないあげるなんて 呆れて笑われるくらいの 命を生きよう 君と生きよう

(ナレーション)アンパンマンは今日もどこかの空を飛んでます。

(のぶと嵩の声)ほいたらね!

『あんぱん』のタイトルが空に表示されて幕が閉じた。

【あんぱん】最終回の事前レビュー

【妻の闘病は史実?】史実では、暢さんは乳がんのため手術をしたものの、手術後、医師から癌が転移していて余命3か月と言われました。でも、やなせさんは「大丈夫だよ。悪いところは全部切り取ったから」と暢さんに言い、転移のことを言えなかったとのこと。でも、1988年12月の手術から約5年後の1993年11月に亡くなっていることから、余命3か月よりだいぶ長く生きられたようです。その点を朝ドラではどのように描くのでしょうか。

【あんぱん】最終回の感想

大団円な終わり方

半年間の放送もフィナーレを迎えました。

事前レビューで、約5年後まで、余命3か月よりだいぶ長く生きられたからこの点をどう描くのか、注目していると書きましたが…。

史実通り、手術後も長く生きられたことを描きました。奇跡が起きた。大団円。という感じですね。

継がれていく命や思いを描くなら、のぶが亡くなった後、中尾星子(古川琴音)が嵩を支えている場面や、なんだったら時が進んでのぶと嵩の人生が朝ドラになるからと星子がインタビューを受けて…という展開もアリだったと思います。そして朝ドラの初回放送が流れて終わるとか…。

いろいろと考えられたと思いますが、これはこれで、素敵なシーンで終わりましたね。のぶと嵩が笑顔で終わって、すがすがしいですから。

誰にでも死は訪れるし、あえてヒロインの死を描かいて終わらなくてもいいと思います。

それに、継がれていく命というテーマは育ての父や千尋の想いが「アンパンマン」に反映されたことですでに描かれていると思いました。

たとえ命が終わるとしても今を一生懸命に生きたいな、とも思いましたよ。

ラストはのぶと嵩らしい終わり方

脚本家の中園ミホさんは、100通りの最終回を考えていたとお話されていました。北村匠海さんは「みんなが納得するベストな終わり方」「非常に僕ららしい終わり方になったと思います。この『あんぱん』という作品が紡いできた温かな毎日が、そうさせてくれた気がしています。2人の何気ない日常がいつまでも続いてほしい。その願いをかみ締めながら、他愛のないやり取りをしていて、涙が出そうになりました」と語っています。

ヒロインの今田美桜さんも「オンエアでどこまで使われるか分かりませんけど、最後の一本道はアドリブで会話をしながら歩きました。のぶと嵩らしい終わり方で、生涯を共にしてきた2人の日常的な姿で終わることができて本当によかったと思います」とラストシーンを振り返っています。

ヒロインと相手役の演者2人が納得の脚本になったんですね。

最後の「ほいたらね」は2パターンあった!?

本作を締めくくる台詞は、のぶと嵩の声による、土佐弁の別れのあいさつ「ほいたらね!」でした。

(最終週を担当したチーフ演出の)柳川監督から「2パターン、録りましょう」といわれたそうです。晩年の声と若い頃の声で。

今田美桜さんは「北村さんと一緒に最後の『ほいたらね!』を言いました。どちらが採用されているのか、楽しみにしています」とコメント。

オンエアで採用された「ほいたらね!」は“若い声”でした。

柳川監督は「映像のラストは老けたのぶと嵩で終わるので、普通に考えると、老いた声を使うのかもしれませんが、長丁場のドラマの終わりなので、今田美桜と北村匠海の2人が役を離れて『半年間、ご愛顧ありがとうございました!』と言っている、という意味合いでもいいのではないか、と思って“若い声”を選びました」と、コメント。最終回については「決して偉人伝ではなく、どこにでもいる普通の夫婦のお話として終わることができればと。2人が紡いできた思いが未来につながるような希望に満ちた大団円を目指しました」と語っています。

蘭子のプロポーズの返事は?

最終回直前の回(129話)にて。蘭子は八木からもらった手作りのバースデーカードを開いて、驚きました。そこには指輪があったからです。八木は「(海外の難民キャンプの取材から)帰ってきたら、考えてくれ」と遠回しにプロポーズ。

しかし最終回で蘭子は登場しませんでした。蘭子と八木のその後が分かるシーンもありませんでした。だから、視聴者が想像するしかないです。

一応、特別編が残されてはいます。でも蘭子のメイン回はなし。9/30(火)放送の第2回で、河合優実×原菜乃華×高橋文哉×大森元貴による座談会はありますが…。

まあ、ご想像にお任せ、ってやつですよね。朝ドラ受けでも蘭子の笑顔でもう返事してる、という話になっていましたが…。

振り返ると…。「考えてくれ」と言われた蘭子は「はい」と答え、微笑みを交わすと、スーツケースを引いて退室。蘭子は笑みを浮かべながら廊下を歩いていきました。

その後を見せなくても、返事はOKということですね。

でも129話で蘭子の海外行きが「死亡フラグ」ではないか?と騒がれました。

というのも、心配する理由があるからだと思います。脚本の中園ミホさんは、「週刊文春」のインタビューで、物語の途中から蘭子に自身が最も尊敬している脚本家・向田邦子さんを重ねて書いていたことを明かしています。

蘭子が映画評の仕事を始めたのも向田さんが反映されているわけですが…。向田さんは1981年8月22日、台湾への取材旅行中に航空機の墜落事故で、51歳で亡くなっています。生涯独身でした。

蘭子の海外取材での渡航と、向田さんの航空機事故。どこか悪いことを想像してしまうのでしょう。

でも、モデルの暢さんの妹・瑛(えい)さんは1920年生まれで2003年に亡くなっています。また、暢さんが亡くなる前日の1993年11月21日、瑛さんが入院中の暢さんを見舞いに行き、楽しいひと時を過ごせたといわています。

朝ドラの劇中の年代は、昭和63年(1988年)10月、アンパンマンにアニメ放送が開始。史実では暢さんがこの年の12月に癌が見つかって手術しています。最終回はこの1988年の秋から冬を描いていて、春(桜が咲くころ)までは生きられれない、という話になっています。

だから1981年の墜落事故からはだいぶ時が経過しています。蘭子は向田さんの一部を反映しつつも、完全に一致させてはないようですね。

【あんぱん】最終回の出演者・スタッフ

出演者 【出演】今田美桜,北村匠海【作】中園ミホ

朝ドラ【あんぱん】は、のぶと嵩が“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描き、生きる喜びが全身から湧いてくるような愛と勇気の物語…でした。
スタッフ・キャストの皆様、素敵な物語を、ありがとうございました。

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朝ドラ
Jima

2016年からドラマ9で執筆。朝ドラ・日曜劇場などを担当。ドラマは毎クール10本以上鑑賞。独自の視点で面白い記事を心掛けます。

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