【あんぱん】127話あらすじと感想!羽多子,登美子,千代子の写真退場が斬新

朝ドラ「あんぱん」

朝ドラ【あんぱん】127話のあらすじと感想を紹介します!

今田美桜主演&北村匠海共演の連続テレビ小説「あんぱん」最終週(26週)「愛と勇気だけが友達さ」第127話が2025年9月23日(火) に放送。

アンパンマンに何か足りないと感じていた嵩(北村匠海)は、うれしい話を聞いたというのぶ(今田美桜)の話から、愛すべき悪役キャラクターを描き始める。

【あんぱん】127話あらすじ

うれしい話(写真店の店主の孫がアンパンマンに夢中になっている話)を聞いたと息を弾ませて帰ってきたのぶ(今田美桜)。嵩は3歳の反応だと知り、「なんの先入観もなく欲得もなくどんな権威も関係ない純粋無垢な魂をもった批評家だよ」だと喜ぶ。

アンパンマンに何か足りないと感じていた嵩(北村匠海)は、のぶの話を聞いて悪役を描き始める。

それから2年の月日がたち、1978年(昭和53年)。愛すべき悪役のバイキンマンは子どもたちに人気のキャラクターに。

嵩は、アンパンマンに「覚悟しろ。最後だ」とかかってくるばいきんまんについて、嵩は「わざと外してる」と解説する。蘭子(河合優実)が「ほかのヒーローものとは違う」と評するその狙いを、嵩は「それが健康な社会だと思うから」と答えた。  

嵩は、人体には良い細菌とバイ菌のどちらもあって、バランスが取れていて、バイ菌がなくなると人間も生きていけないという。「きっ抗して戦っているのが健康な世の中だと思うんだ」と嵩は話した。

話を聞いていた八木(妻夫木聡)は押し黙り…。嵩とのぶが帰った後、八木は自分は卑怯者だろうかと自問自答する。そして、蘭子の取材に応じることに。

八木は中国との戦争時、次々に味方が倒れる様子や夜襲にあい、八木が銃剣で敵兵を刺し殺した体験を打ち明ける。殺した敵兵の死体を土のう代わりにして朝を待った。だが、その敵兵のポケットから財布が落ち、そこに敵兵の妻子の写真があった。八木は耐えられず号泣。蘭子は八木の手を握り、抱きしめてなぐさめる。

その後、嵩が「どんどんキャラクターが動き出したんだよ。手が追いつかないぐらいだ」と言い、『アンパンマン』おなじみのしょくぱんまん、かれーぱんまん等、新たなキャラクターが誕生する様子が描かれた。

昭和60(1985)年8月。健太郎(高橋文哉)がカレー屋を始めたいという。さらに、メイコ(原菜乃華)が「ねえ、ドキンちゃんって誰かに似てない?」と尋ねた。のぶは「美人でおしゃれで嵩さんのお母さんに似いちゅうと思う」と笑った。メイコは「ほんまに美人やったねえ。向こうでお母ちゃんと3人、仲良くしゆうやろうか」と登美子、羽多子、嵩の伯母・千代子(戸田菜穂)が並んだ写真が映され、3人が亡くなっていたことが明かされた。

インターホンが鳴り、のぶが玄関へ。嵩が「ドキンちゃんのめげないところはのぶちゃんだよ」とメイコに言う。「やっぱり」とメイコ。玄関ではテレビプロデューサーの武山(前原滉)が「こんにちはアンパンマンです!」と挨拶する。(つづく)

【あんぱん】127話の感想&考察

バイキンマン誕生の理由はのぶ?

朝ドラ【あんぱん】において、バイキンマン誕生の理由はのぶの話を嵩が聞いたから、となっています。

【予想】朝ドラでバイキンマンが生まれた理由には、登美子(松嶋菜々子)がこっそりミュージカルを観劇に来ていたことが関わってきそうです。母は悪態をつくけど本当は優しいという感じでキャラが作られるのでしょうか。

史実でも妻・暢がきっかけ?

では、史実でも妻・暢さんの話がきっかけだったのでしょうか。

史実では、やなせたかしさんが「アンパンマン」のミュージカルの観客の様子を観察して気づいたことがきっかです。↓

ばいきんまんが登場することになったのは、やなせたかしが「アンパンマンに“何か”が足りない」と思い悩んでいた頃、やなせの友人だったいずみたくが演出したミュージカル「怪傑アンパンマン」が上演された時に、その観客の様子を観察していたやなせが「悪役が必要だ」と思い至ったことによる。

ばいきんまん - Wikipedia

生きるということはバイキンとの闘い

やなせたかしさんがバイキンマンの誕生と、バイキンマンが殺されない深い意味について語っています↓

 しかし成功したキャラということになると、アンパンマンは別格としてやはりバイキンマンがとびぬけていますね。
 最初にはただ敵役をつくろう。食品の敵だからバイキンだろうとごく軽い気持ちで蠅を擬人化したような感じで描いたのです。
 バイキンが敵役で登場してメーンキャラをはっているのは世界中でアンパンマンシリーズだけではないのかな?
 ところがこれがズバリ適中!
 なぜかといえば、生きるということはバイキンとの戦いを避けて通ることは不可能!
 それではバイキンを全滅させればいいのかといえば、その時は人間そのものも死滅してしまう。パンも酵母菌、イースト菌がなければつくれない。しかしインフルエンザ菌とかいろいろ怖いバイキンもいて戦わなくてはいけない。健康であるということは善玉菌と悪玉菌のバランスが良好な状態。
 これは国家の成立についてもいえることで、独裁、専制はファシズムの危険がある。
 だから、アンパンマン対バイキンマンの戦いは永久にくりかえされるわけで、そこにバイタリティーが生まれる。

『人生、90歳からおもしろい!』(やなせたかし著/新潮文庫)

最初は食品の敵役だからバイキンという設定にしたわけですが、生きるということはバイキンとの闘いであるという深い考えに至っています。

パンに必要な酵母菌やイースト菌がバイキンなのかというと疑問ですが…。何をもってバイキンなのかというと、人間の都合です。必要な菌もある、という趣旨ですかね。

バイキンを全滅させると人間も死滅してしまう…。これって言い過ぎでは?とツッコミたかったのですが…。必要な菌もあるんだよ、という主張だと思うと、ツッコめないと思い直しました。

「衛生仮説」という理論があって、「幼少期にある程度の菌やウイルスに触れていないと、免疫機能が正しく育たず、アレルギーや自己免疫疾患のリスクが高まる」という考えがあります。

世の中、除菌が善とされていますが、すべての菌を排除しようとするとリスクもあります。必要な菌と共生しながら、人への悪影響を防ぐことが大切ですね。

アンパンマンとバイキンマンは共存の関係

やなせたかしさんが「アンパンマン対バイキンマンの戦いは永久にくりかえされる」と言っているのは、菌と共存していくことを主張しているのでしょう。

バイキンマンの「オレさまがいなきゃアンパンマンは活躍できない」「影が無ければ光もない」といった台詞がCDブック『手のひらを太陽に 50周年記念CD』 にあります。まさしく、共存の関係ですね。

羽多子,登美子,千代子の写真退場が斬新

127話では珍しい退場の仕方が描かれました。

メイコが「ほんまに美人やったね。向こうでお母ちゃんと3人仲良くしゆうろうか」と話し、3人が仲良く並んだ写真が映し出された場面。

前日放送の第126話では、のぶと母と義母の3人が高知旅行に出発するシーンが描かれたものの、この日はそのうちの2人と高知在住の育ての母が亡くなったことが分かるシーンとなっていました。

これまで亡くなった場合はナレーションで伝えられることが多かったのですが、東海林(津田健次郎)が亡くなった際は手紙で死去が判明する「レタ死」が話題でした。今回は写真を通して明かす珍しいカタチに…。

SNSでも、羽多子,登美子,千代子の写真退場が斬新、と話題になっています。↓

ヒドイ!と批判の声もありますけど、朝から亡くなるシーンを描くべきかどうかは議論が分かれると思います。

雰囲気が一線を画す、八木と蘭子の場面

八木が戦争体験を明かすシーンも印象的。涙する八木の手を取る蘭子が指スリスリ。あの相合傘の場面の、お返しの場面もありました。

他のシーンとは一線を画す場面です。2人の大人の雰囲気に魅了されます。

敵味方と分かれてはいるものの、八木が殺した敵兵には妻子の写真がありました。敵にも家族がいる……ということを肌で感じた八木。

八木がアンパンマンに魅了されているのも納得の展開です。アンパンマンは敵をやっつけるヒーロー像ではないので。敵と共存共栄する感じです。それが健全な関係だという描き方。

ヤムおんちゃんや嵩の戦争体験では、空腹の地獄という戦争の側面を描きました。

八木の戦争体験では、敵味方がないことを描きましたね。

妻夫木聡さんの演技もあってとても胸を打つ場面になっていたと思います。

【あんぱん】127話の出演者・スタッフ

出演者 【出演】今田美桜,北村匠海,江口のりこ,河合優実,原菜乃華,高橋文哉,前原滉,妻夫木聡,松嶋菜々子 原作・脚本【作】中園ミホ

朝ドラ【あんぱん】は、“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと暢の夫婦をモデルに、何者でもなかった二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描き、生きる喜びが全身から湧いてくるような愛と勇気の物語です。