【中学聖日記】 結末の考察!岡田健史が5年待つのは純愛?気持ち悪い?
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【中学聖日記】結末の考察!
火曜ドラマ『中学聖日記』(TBS)最終回が2018年12月18日に放送されました。
結末が注目された、末永聖(有村架純)と黒岩晶(岡田健史)の恋はみごとなハッピーエンド。
しかし気持ち悪いの声も?その意見ってどうなの!
という賛否の意見を踏まえ…、
一時は視聴率5%台から評価・注目度が急上昇し、最終回視聴率9%までアップした異例の人気ドラマを、特にラストの結末に着目して考察してみました。
今回は【中学聖日記】 結末の考察!岡田健史が5年待つのは純愛?気持ち悪い?について。
【中学聖日記】の結末
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【中学聖日記】の結末は、ひとことで言うと…
黒岩晶(岡田健史)が聖(有村架純)と別れたあと、5年後にジャンプして、タイで日本語教師を務める聖と劇的な再会を果たす。
という結末でした。
*最終回のあらすじネタバレについて、詳しくはコチラ
【中学聖日記】結末の考察
このように【中学聖日記】の結末はハッピーエンド。
しかし、その5年後のラストには賛否もあるもよう。
なので、ここから考察していきます。
岡田健史が5年待つのは気持ち悪い?
こんなのは決して美談ではなく、ただの“粘着”ですよ。たまたま有村も独り身を貫いていたからいいものの、もし結婚してひっそりと日本に戻っていたら、岡田は想う相手が不在のタイで途方に暮れていたはず。そもそも有村の元を訪れたということは、勤務先などを調べ上げていたわけで、その行動はもはやストーカーと一緒でしょう。
「美談ではなく気持ち悪いだけ!?「中学聖日記」のラストシーンに女子が鳥肌」と題してバッサリと【中学聖日記】の最終回結末をぶった斬ったのが「アサジョ」というサイト。
*「アサジョ」とは徳間書店が運営するニュースサイトで、芸能、イケメン、ラブ、 グルメなど30代~40代の大人女子向けのニュースサイトです。
ラストは美談ではなく、黒岩晶(岡田健史)の「粘着」「ストーカー」らしいです。
晶(岡田健史)が聖(有村架純)と別れたのは高校3年・12月と推測されます。晶が高校3年の冬から4年制大学の卒業まで、ずっと聖のことを想い続けていた。
そして聖(有村架純)も28歳から33歳までの間、結婚していなかった、ということ。
粘着というより、「執着」という方が分かりやすいかもしれません。
この「気持ち悪い」は主観ではないか?と指摘したいです。
そして「執着」の何が悪い! とも言いたいです。
執着とストーカーは違う
本屋大賞・直木賞を受賞している人気作家・辻村深月氏の小説で以下の言葉があります。
「愛は、イコール執着だよ。その相手にきちんと執着することだ」
(辻村深月・著、『スロウハイツの神様(上)』文庫本p58)
愛は執着だと断言しています。
相手のことが好きなら執着するはず。
ストーカーは相手につきまとうことなのですが、【中学聖日記】の晶(岡田健史)はおそらく5年間、聖に電話したり待ち伏せしたりしていません。
一途に想い続けていた、執着していただけではないでしょうか。
岡田健史が5年待つのは純愛?
先述の「アサジョ」では多くの女子が気持ち悪いと感じたと報じていましたが…
【中学聖日記】の結末をハッピーエンドと解釈し、素直に感動した視聴者も多いです。(統計をとるのは難しいですが…)
「末永聖・黒岩晶の愛は純愛!」といえる理由で浮かぶのは、肉体関係を結んでいないプラトニック・ラブ(Platonic love)なこと。
放送前、未成年に手を出すなんて「犯罪!」と言われた本作。
しかし実はキス・ハグはあったものの性的関係なしの純粋な好きを描きました。
精神的な愛だから純愛、それはそうですが…
ここでは最終回の結末に着目して、以下の3つの理由もあると考察しました。
理由①愛子(夏川結衣)が認めた愛
【中学聖日記】の深いところは、ただ障害を乗り越えてのハッピーエンドでない点。
障害になる登場人物、それぞれの人物の想いを丁寧に掬い取ったこと。
とくに晶の母・愛子の役割は本作において重要で、けっして先生と生徒の恋を肯定するドラマではない、というスタッフのメッセージが込められています。
息子の恋を邪魔する悪役のような、つらい立場にあった愛子。
そんな愛子の言動を肯定する塩谷(夏木マリ)の再登場がとても深い!
同時に聖の母・里美(中嶋朋子)の母の愛も見せます。聖とは絶縁状態なのに、海外赴任を聞いてつらい時には帰ってきなさい、食事くらい出せると愛情を示します。
母親の厳しさと同時に、どうなっても放っておけない愛を描きました。
最終回のラストでは晶が「末永聖様」と書かれた封筒と共に誓約書を渡しました。
愛子さんが晶に誓約書を渡すシーンはありませんが、渡す際にどんな声をかけたのか想像が膨らみます。
勝太郎の連絡先を知る愛子が「先生、タイにいるわよ。行ってきなさい」などと告げて後押した?
そんな妄想もふくらみます。
過程はどうあれ、最終回ラストの結末は、ついに母に認められた、晶が愛を貫いたシーンです。これこそ純愛です。
理由②末永聖(有村架純)の自立による答え
【中学聖日記】は末永聖(有村架純)の成長・自立を描いたドラマでもあります。
指摘したいのは2点。
(ⅰ)聖の誓約書サインの際の発言
最終回で聖(有村架純)は愛子さんにこう告げました。
聖「黒岩君に大事なのは、未来です。どんなに心で思っても、表に出してはいけなかった。
本当に彼を思うなら、与えなければいけなかった、時間や距離や可能性、それが大人としての責任だったのに…」
聖が晶と駆け落ちして突っ走ることはありませんでした。(島への2人の逃避行は自殺を心配しての誤解です。大雨の中の一夜など、やや都合よいですが…)
もう嘘はつけないと聖は第9話ラストで「黒岩くんが好き」と告げて、第10話で教師としてでなく黒岩くんが好きです、と愛子・里美に告げたのに…。
自分より相手のことを想って、二度と会わないという誓約書にサインした聖。
自立した聖の本当の気持ち
原口(吉田羊)は最終回にてこう発言しました。
原口「正解なんかない。わかるわけもない。だから自分自身の正解を探すの。
1人で立って、だから自分自身の正解を探すの。1人で立って、その先に答えがあるって信じてる」
聖が混乱している中、「みんなそうよ」と原口が言ってからの発言です。
先に本作は聖の成長を描いたと言いましたが、聖が迷って迷って正解をみつけるまでの物語ともいえます。
聖の出した答えは晶と別れ、タイで教師を続けること。
ここで疑問なのが、晶(岡田健史)が5年後にタイを訪問した際に聖に恋人がいる、または結婚していないか不安じゃなかったのかな? ということ。
これも本編では描かれていない余白なのですが、愛子から「先生はまだ独身よ」と言われた?
または、赤ちゃんのいる原口(吉田羊)と晶が再会して聖の近況を知ったのかも…。
聖(有村架純)が出した答えは独身。そして今は仕事に取り組むこと。
生涯一度の恋をしてしまって仕事に捧げているともいえます。
黒岩晶は、愛子または原口から自立した聖の近況・気持ちを知ったからタイへ訪問した、そんな余白を想像で補うと「5年も経って結婚してるかもしれへんのにストーカーやん!」とはなりません。
そして聖が迷って自立して辿り着いた答え、その一途な想いは「純愛」と言えるでしょう。
理由③黒岩晶(岡田健史)の純愛
黒岩晶の純愛について以下の2点がある、と考察してみました。
(ⅰ)イケメンなのに5年間一途に想い続けたこと
晶(岡田健史)の5年間はどんな日々だったのでしょうか。
あれだけイケメンだから、岩崎るな・愛称「るなち」(小野莉奈)に言い寄られたように多くの誘惑があったことでしょう。
それを断るなんて「気持ち悪い」と思う方もいるかもしれません。
しかし、5年間もフラフラしなかった一途さ。これを「純愛」と呼ばずに他の何を呼ぶ?
(ⅱ)5年前の別れにみる「応援」する愛
しかも晶はただずっと5年間、聖先生を想い続けていただけではありません。応援していました。
自分を犠牲にして相手の幸せを願う愛。お互いを思いやった観覧車の別れ…。
ラストから5年前のこの観覧車の別れをとても丁寧に描いたからこそ、ラストに爽快感があり、カタルシス(≒心の浄化)があったのでは?
観覧車に一人乗っていた聖に原口(吉田羊)の携帯を借りて電話する晶。
「黒岩君に逢えてよかった」と涙する聖に対し、晶は「聖ちゃんに幸せになってほしい。だからもう会わない。でもずっと願ってる。幸せになって」と呼びかけ「がんばれー!」と叫びました。
観覧車が上に行くたびに、遠ざかる晶のカットが印象的です。
契約違反なのですが、これくらいのズルはありでしょう。
こんなにも綺麗で、相手のためを想う、お互いを応援するロマンチックな別れがかつてあったでしょうか…。
これこそ「純愛」と言えるでしょう。
【中学聖日記・結末の考察】のまとめ
以上、【中学聖日記】の結末について考察してきました。
最後に、原口(吉田羊)が第8話・第10話で自由について語っていたことに触れてまとめに代えます。
中学聖日記の成功理由は「自由な好き」「誠実」「現実的」!
ドラマ8話にて、勝太郎(町田啓太)から籍を入れた方がしばらく遠距離でも安心、という趣旨のプロポーズをされた原口さん。
その際「試さなくていい。私たちは、自由に好きでいられるんだから」と言っていました。
されに第10話で晶に捨てられて涙する聖に対して「何もないって、何からも自由ってこと」と発言。
本作は多角的な見方ができるドラマなのですが、自分に嘘をつく聖が自分の想いを貫くドラマでもあります。
原口の解釈では、世間・常識にとらわれる必要はなく好きは「自由」なのです。
しかし成人・オトナの責任もあるため、本作がハッピーエンドな結末になるなら晶が20歳になる2020年にジャンプが予想されていました。
しかし学生結婚でなく、社会人になってからの結婚。
「愛」があれば周りに迷惑かけもいいと示す、夢いっぱいのお花畑・おとぎ話のような結末ではなく、愛には自立・責任が必要…
──そこまで示したのですから、本作を不道徳なドラマと断罪できません。
放送前や初回の印象を覆し、視聴率9%台までアップした【中学聖日記】
その成功理由は意外にも登場人物を誠実に描き、フィクションでも現実的に描いたからではないでしょうか。
ただし5年後が駆け足すぎたのは否めません。
原口・勝太郎カップルのその後も気になります。
ぜひ続編・スピンオフや5年間のことなどを補足してほしいのですが、いかがでしょうか。
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