【もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(もしがく)】3話感想!エンタメは誰の為にあるのだろう

もしがく3話
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フジテレビ水10ドラマ【もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(もしがく)】3話「夏の夜の八分坂」が10月15日(水曜)に放送されました。

久部が上演する「夏の夜の夢」の配役が決まっていよいよ稽古が始まったわね。皆の共通の目的ができたけどそれぞれ温度差があってまだバラバラな感じ。

でも思いがけない才能が見つかって今後が楽しみになってきたよ。
今は久部をはじめ自分の為にやっている人ばかりだけれど、何の為、誰の為に演劇をやるのかという意識がこれから変わっていくかもしれないね。

それでは、【もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(もしがく)】3話の感想をお届けします。

【もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう】3話の感想

3話の感想をお届けします。

久部の胸にあるのは復讐だけなのか

久部三成菅田将暉)は、「自分を追放した劇団・天上天下への復讐のためにWS劇場の人間を利用しているだけ」だと言いました。
久部がストリップ劇場を芝居小屋にして理想のシェイクスピア劇を作ろうとしているのは、本当に以前の劇団仲間の鼻を明かすことだけが目的なのでしょうか。
睡眠を削って台本を書く姿、配役の理由を丁寧に説明する姿には熱い魂がこもっていました。
本当に演劇を愛しているのでしょう。
また、“演技のお手本”で見せた妖精パックの演技は鮮烈でしたね。
WS劇場のステージは、蜷川幸雄『ロミオとジュリエット』(2014年)が上演された彩の国さいたま芸術劇場 小劇場と作りが似ているという声もあり、感慨深いです。
菅田将暉さんはこの公演で主役・ロミオを演じました。

「夏の夜の夢」の幕が下りた時、彼は何を思うんだろう。楽しみだな。

久部はさ、セリフは短いほうが覚えやすいかもと言われて台本書き直したり、リカに勘違いしないでと言われて傷ついたり、投げるためにくすねてきた灰皿をおばばに釘刺されて投げなかったり、傍若無人に見えて実は素直なんだよね。

リカの中に秘められているもの

倖田リカ二階堂ふみ)は、自分が芝居をすることを受け入れたのは「ストリップに飽きただけ」だと久部に言いました。
リカはいつも本音を隠しているように見えます。
彼女がストリップのダンサーになるまでにどんなことがあったのかはわかりませんが、元々クラシックバレエの素養があるようですね。
ひとりでショーの自主練をしていたリカは、踊ることがとても好きなんだと思います。
リカの情熱を感じたからこそ、あの日久部はスポットライトを当てたくなったのでしょう。
また、リカはWS劇場を芝居小屋にしようとする久部を随所でさりげなく助けていますね。
自分を理解者だと思わないでほしい、とそっけない態度ではありますが。
休憩時間に真摯に台本に向き合う姿からも、彼女は“表現したい人”なんだということが伝わってきます。
「ここに芝居を愛している人間なんて1人もいない」とリカは断言しましたが、いつか、WS劇場のステージも客席も芝居を愛する人たちでいっぱいになる日が来ますように。

蓬莱はここで何を見つけるのか

蓬莱省吾神木隆之介)は、演出助手の役目とは「演出家から目を離さないこと」と久部に言われて、生真面目にずっと久部について回ります。
演出家・久部と劇団員の皆の間に入って、公演前の準備が滞りなく進むように気を配る実に有能な助手です。
王子はるお大水洋介)は蓬莱に、他の仕事があるだろうし君は抜けても良いと言うのですが、蓬莱はコントオブキングスもWS劇場も好きだし、久部も面白そうだし、自分はクイズ番組の問題を作るよりも演出助手の仕事のほうが向いていると思うと告げました。
ただ、彼は助手のままで終わる人物ではない気がします。
蓬莱が、この場所で何を見つけ、何を学び、そしてどこへ向かうのか、それがこのドラマの注目点のひとつではないでしょうか。

樹里が欲しいもの

登場人物の中で、一番離れた場所にいるのが江頭樹里浜辺美波)です。
正しいこと清潔なことを重んじ、八分坂の風俗街を憎む八分神社の巫女。
ただ、3話では彼女の別の一面が見える場面がありました。
久部が持ってきた「夏の夜の夢」のチラシが気になり、わざわざ書店に行ってシェイクスピア「夏の夜の夢」の書籍を買ってきた樹里。
久部に知っていると虚勢を張った手前、内容を把握する必要があると思ったのかもしれませんが、久部がどんな芝居をやるのか興味をひかれた面もあったのでは。
樹里は何か夢中になれるものを欲しているのでしょうか。
久部との出会いが、樹里の新しい扉を開くことになるかもしれませんね。

樹里にぜひ「夏の夜の夢」を観てもらいたいわね。演劇の面白さに心動かされるんじゃないかなあ。

トニー覚醒!

WS劇場の用心棒・トニー安藤市原隼人)は、ライサンダーという重要な役を任されました。
しかし、終始自分は演技未経験だしやりたくないという態度。
台本の読み合わせでも、トニーは蚊の鳴くようなささやき声でよく聞こえません。
ジャズ喫茶で他の皆と読み合わせをしていても、強面の見た目とは裏腹にずっと不安げで頼りない様子。
そこへ、久部がトニーを連れ出しに来るのですが、彼は助かったとばかりに飛び出します。

一刻も早く読み合わせの場から逃げ出したかったんだね。どんだけ苦手意識があるんだよ。

久部は古巣の劇団・天上天下を訪れ、自分が新たな劇団を立ち上げたこと、天上天下が現在上演している「夏の夜の夢」を自分たちもやることを告げます。
主宰の黒崎小澤雄太)から、ライサンダーを演じる俳優同士の芝居対決を持ちかけられると、久部は稽古中を理由にトニーを連れて帰ろうとしますが、「逃げやがったぞ」という黒崎の声で怒りに震える久部を見たトニーは、黒崎たちの元へ戻っていきました。
情感のこもった繊細な演技を披露するトニー。
その場の誰もが圧倒されました。
ひょっとして読み合わせの時は、実力を隠していたのでしょうか?
いや、内なるものの発露、自分自身でも知らなかった才能の目覚めだったのでしょう。

威圧感のある佇まいから小動物のような弱弱しい表情、そして圧巻の表現者の顔。千変万化の素晴らしさ。市原隼人さんの真骨頂ね!

トニー覚醒のスイッチを押したのが、久部の怒りと悔しさだというのが何とも言えず良いよね。。トニー、漢だなあ。

フォルモンの矜持

彗星フォルモン西村瑞樹)は、相方のはるおが言うように自身が痛めつけられるのを嫌うタイプで、「夏の夜の夢」の稽古でパトラ鈴木アンミカ)に蹴られて怒りを爆発させました。
しかし、“役者の良いところを見つけるのが仕事”である久部から、「ご自分では気づいてないかもしれないけれどたまに見せる悲しそうな顔がとても良い、ひどい目に遭ったほうが絶対面白い」と、配役の理由を丁寧に説明されます。
ここで面白いのが、久部の発言から蓬莱がひとつの発見をすることです。
ずっとコントオブキングスのネタ作りを手伝ってきた蓬莱は、フォルモンとはるおはボケとツッコミの役回りが本来逆だったことに気づくのです。
「オーベロンを思いっきり情けない感じでやってみてはもらえませんか」という久部に、「断る。俺のことは俺が一番わかってる。俺はそういうタイプじゃねえ」と言うフォルモン。
けれどもフォルモンは、休憩中にはるおにボケとツッコミを逆にしてネタをやってみようと言うのです。
「落とし物を届けなかった“罪”」
とフォルモンが言ったのには胸が熱くなりました。
かつて蓬莱が「“罰”ではなく“罪”のほうが」とアドバイスした時、フォルモンは却下しましたが、はるおは本番で“罪”と言ったのでしたね。
自分のことは一番自分がわかっている、人は誰しもそう思いがちですが、他者だからこそ見える部分もある。
フォルモンが久部の言葉を受け入れて、まずやってみたのがコントのネタであったというところに、お笑い芸人の矜持が見えました。
ネタの最後にはるおに蹴ってもらって大笑いした後、すっきりした表情で稽古場に戻って来たフォルモンは、再開した稽古でパトラに自分を蹴るように促します。
稽古場は笑いと拍手に包まれました。

フォルモンが一番に感想を聞いた相手は蓬莱だったね。蓬莱に寄せる信頼が伝わってきたなあ。

そのうちステージに登場しそうなおばばとフレ

2話で見事なタップダンスを披露したおばば(菊地凛子) と浅野フレ長野里美)。
3話では、本読みの掛け合いで優れた演技力も見せてくれました。
フレの持っている台本には付箋がびっしりで、相当読み込んでいますね。
もしもこの先、何か不測の事態が起こっても、この2人が控えていると思うと心丈夫です。

頼りになる伴と味わい深い大門

これまで劇場を支えてきた伴工作野間口徹)はきっと数えきれないほどの苦労をしてきたと思います。
豊かな経験と優れた対応力で本当に頼りになるスタッフです。
彼がいてくれたら、久部も安心ですね。
支配人の浅野大門野添義弘)は、WS劇場がノーパンしゃぶしゃぶの店になるという話の時、ダンサーたちが自分たちもそこで働くのかと聞くと「そんなことはさせん!」ときっぱり言った人物。
劇場と興行、そしてそこで働く皆を大事に思っている支配人です。
昔、子役だったという大門が演じるイージーアス、楽しみですね。

演劇に詳しそうなマスターとオーナー

ジャズ喫茶「テンペスト」のマスター・風呂須太郎小林薫)と、WS劇場のオーナー・ジェシー才賀シルビア・グラブ)は、どちらも演劇やシェイクスピアに造詣が深いようです。
この設定は後にきっと活かされていくのでは。
今は敵でも味方でもないマスターと、「お手並み拝見」とばかりに立ちはだかるオーナー、この2人が久部の窮地を救う展開になったら嬉しいのですが。

WS劇場の事務室にあるエマニエル夫人風の椅子、普段はカバーをかけていてオーナーが来た時だけ使われるのよね。シルビア・クリステルならぬシルビア・グラブさんをあの椅子に座らせる遊び心。

エンタメは誰のために?

なぜ、芝居をやるのか。
リカはストリップに飽きたから、久部は自分の復讐の為だと言います。
八分坂、WS劇場の人たちがひとつの目標に向かって進んで行く中で、久部は、リカは、そして他の皆それぞれは何を見つけていくのでしょう。
エンターテインメントが何の為、誰の為にあるのか、それがこのドラマが伝えたいことのひとつなのかもしれません。

【もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう】3話のまとめ

立ち稽古も始まって、本番が近づいて来たね。久部の言う通り、自分たちの芝居小屋を持っているのは大きいよね。経費の面ではもちろん、時間を気にせず稽古できるのも強みなんだよな。

もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(もしがく)】3話は、芝居の配役が決まり、稽古が始まって面白さがぐんぐん加速してきました。
さあ無事に「夏の夜の夢」の幕は開くでしょうか?
次回、4話の放送は10月22日(水曜)22:00からです。
どうぞお楽しみに!