【パルプフィクション】時系列を解説&シーンを彩った名曲たちを紹介!
1994年の公開以降、ファンが増え続けている脅威の名作【パルプフィクション】。
巨匠、クエンティン・タランティーノ監督の【レザボア・ドッグス】に続く長編2作目である本作。
本記事では、【パルプフィクション】の時系列を解説するとともに、シーンを彩った名曲たちを紹介していきます。
映画本編の結末にふれています!未鑑賞の方はご注意ください!
映画【パルプフィクション】何がすごい?:作品のポイント
ギャング・ボクサー・その妻・恋人…短い1日の24時間を平等に与えられた、私たちとおなじ人間たちの人生が軽妙に交錯する物語。
ドラッグをはじめとする、犯罪行為と距離の近い登場人物たちが生死の堺を揺れ動く、ド派手な展開が魅力です。
タランティーノ監督特有の美的センスと、アメリカ的な思いきり、そして数多の名曲が、作品をアートにまで高めています。
↓豪華絢爛なキャストについてはコチラの記事をどうぞ!

映画【パルプフィクション】時系列を解説!
早速、【パルプフィクション】を時系列順に並び替えて解説します。
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①ブッチの回想
【パルプフィクション】という物語を始める前に、登場人物たちには様々な過去が。
少年時代のブッチ(演/ブルース・ウィリス)が、亡き父から金の時計を受け継ぐシーンが時系列の先頭です。

作品中に回想シーンがこれしかないってのもある
この時計の存在が、のちにエグい事件を巻き起こすのだった…。
②ビッグカフナバーガー
ギャングのボス・マーセルス(演/ヴィング・レイムス)のアタッシュケースが盗まれた!
ギャングであるヴィンセント(演/ジョン・トラボルタ)とジュールス(演/サミュエル・L・ジャクソン)は、ケースを盗んだチンピラたちを始末するため、とあるアパートの一室をたずねます。



BGMは【Jungle Boogie】で陽気なテンポ!
この道中に2人の間で語られるハンバーガーの小ネタや、チンピラが食べていたビッグカフナバーガーという架空のバーガーは、ファンの間で語り草。
ジュールスがギャングをやめるきっかけとなる出来事も、このシーケンスに含まれています。
③ジミー&ウルフ
一度は命を取り留めた情報屋・マーヴィン(演/フィル・ラマール)が、ヴィンセントの誤射によって車内で散り散りになるシーン。
本来の時系列的には前述のアパートのシーンと地続きですが、映画ではあえてバラバラに区切られています。
“掃除屋”ウルフ(演/ハーヴェイ・カイテル)が登場するのも、この一連。



いちばん血みどろなシーンたちなのに、最もファニーでもある、愛おしい展開!
④オープニング
オシャレでけだるい、アメリカンなオープニングシーンは、時系列的にはヴィンセントたちの殺人後。
パンプキン(演/ティム・ロス)&ハニー・バニー(演/アマンダ・プラマー)の痛めなカップルが、レストラン強盗を計画します。
ブランチプレートにモリモリの食べ残しを放置しながら、目先のカネに目がくらむ2人。
強盗は速攻で実行に移されるも…。



オープニング曲はもちろんディック・デイルの【ミザルー】
⑤エンディング
オープニングの強盗計画、その結果はエンディングまで持ち越しに。
あらためてオープニングシーンを見返すと、ヴィンセントがトイレに向かう背中が映っているサプライズも。
生まれ変わりつつあるジュールスと、チンピラ・パンプキンとの対峙こそ、本作の集大成!



The Lively Ones【Surf Rider】でブチアゲ・エンディング!
⑥ブッチとマーセルスの密談
ヴィンセントとジュールスは、長いながい一日でブッチとすれ違ってもいたのです。
アタッシュケースを無事マーセルスのもとへ届けた2人は、ここで一旦離ればなれに。



ブッチがお薬を手に入れるのもこの一連。BGMはアル・グリーンの【Let’s Stay Together】&トルネードズの【Bustin’ Surfboards】!
⑦ヴィンセント&ミア
本作を思い浮かべたとき、ミア(演/ユマ・サーマン)のシーンがいちばんに出てくる方も多いのでは?
案外ひと晩かぎりの関係(そしてプラトニック)だったヴィンセントとミア。
しかしその内容は超“ぶっ飛んだ”もので、ミアはあの世へとぶっ飛ぶ一歩手前までに。



名曲揃いのミアパート!
・Dusty Springfield【Son of a Preacher Man】
・Ricky Nelson【Lonesome Town】
・Chuck Berry【You Never Can Tell】
・Urge Overkill【Girl, You’ll Be a Woman Soon】
⑧ブッチ&ファビアン
マーセルスと取引したはずのブッチが、あらゆる人を裏切ってファビアン(演/マリア・デ・メデイロス)と逃避行する展開。
ブッチはここまで、ギャングとの繋がりが薄く、外野的立ち位置で描かれてきました。
敵はいつも外からやってくる、とでも言うべきか、ヴィンセントの死はブッチとの交差によって起きてしまいます。



ブッチゾーンは、曲と展開のミスマッチがミソ
・The Statler Brothers【Flowers On The Wall】
・The Revels【Comanche】
etc…
ブッチとファビアンが街を出る姿こそが、映画【パルプフィクション】の真のエンディング!
【パルプフィクション】シーンを彩った名曲たち
続いて、上記のシーンを彩った名曲たちを、一部紹介!
ミザルー/ディック・デイル
言わずと知れた最強オープニング曲がDick Daleによる【Misirlou】です。
パンプキンとハニー・バニーが強盗を始めると同時に、タイトルイン!
映画【パルプフィクション】を代表する一曲。
ジャングル・ブギー/クール・ザ・ギャング
オープニング曲から直接つながりつつ、ヴィンセントたちの登場を彩るのがKool & The Gangによる【Jungle Boogie】。
ヴィンセントとジュールスの、陽気なキャラクターを肯定するような明るいナンバーです。



個人的ベスト1!
レッツ・ステイ・トゥギャザー/アル・グリーン
ブッチとマーセルスの密会、そしてヴィンセントとジュールスひとときの安息に流れるのはAl Greenによる【Let’s Stay Together】。



曲のタイトルまで「バラバラにならないで」とヴィンセントの身を案じているみたい!
バスティン・サーフボーズ/ザ・トルネードズ
ヴィンセントが売人の家に到着すると流れるのが、The Tornadoesによる【Bustin’ Surfboards】。
波音のインストに気分は常夏!
いち早くハイになりたがったヴィンセントの心境みたい。
サン・オブ・ア・プリーチャーマン/ダスティ・スプリングフィールド
ヴィンセントがミアの家に入ったときに流れている、印象的な一曲はDusty Springfieldによる【Son of a Preacher Man】。
ヴィンセントをもてあそぶミア、悪い気もしないヴィンセント、今宵の楽しいお遊びが予感される爽やかチューン!
ローンサム・タウン/リッキー・ネルソン
ヴィンセントとミアが、レストランでオーダーするシーンに流れるのがRicky Nelsonによる【Lonesome Town】。
ふたりの一夜は、たくさんの名曲に彩られています。
徐々にハイになっていくふたりとシンクロするように、徐々に楽曲もアップテンポに。
ユー・ネバー・キャン・テル/チャック・ベリー
ミアと言えばツイスト!
長い手足をフラフラさせながら踊るミアを盛り上げるのが、Chuck Berryによる【You Never Can Tell】。
ヴィンセントを演じたトラボルタがダンスする姿は、本作の見どころのひとつ。
ガール、ユール・ビー・ア・ウーマン・スーン/アージオーバーキル
完全にキマったミアとヴィンセントが、家に帰ってきたときの音楽がUrge Overkillによる【Girl, You’ll Be a Woman Soon】。
気持ちよさそうに歌い踊るミアから、悲劇の予感はありません。
しかしこの直後、ミアは生死をさまようはめに。



酔っぱらったときってあんな風に歌ったりしますよね
フラワーズ・オン・ザ・ウォール/ザ・スタットラー・ブラザーズ
ヴィンセントを殺したブッチが、自分の運の良さにニヤついていたとき、信号待ちで目の前にマーセルスが。



一気に死の危険がせまるブッチ
ファビアンに借りたホンダのカーステから流れていたのが、The Statler Brothersによる【Flowers On The Wall】。
軽快なメロディーが、事態のヤバさを引き立てます。
コマンチェ/ザ・レヴェルス
一度は見捨てたはずのマーセルスをブッチが救う神展開!
ブッチの本音は同情か保身か、結果的に生還したマーセルス。
ブッチが他人のみならず、自分と恋人の命まで救ったシーンを彩るのは、The Revelsによる【Comanche】。
サーフ・ライダー/ザ・ライブリー・ワンズ
カッコ良いのか、いなたいのか、【パルプフィクション】を象徴するような、ヴィンセント&ジュールスによるエンディング。
「名作を見たぜ…」という気分にさせてくれるエンディング・ソングは、The Lively Onesによる【Surf Rider】!



オープニング同様、エンタメすぎて最高!
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映画【パルプフィクション】時系列と名曲紹介:まとめ
時系列がバラバラになっている映画【パルプフィクション】。
配信のおかげで、何度もストップしながら隠された小ネタを探したりもできる良い時代!
サブスクで見返しつつ、名曲とともに、彼らのめまぐるしい日々に思いを馳せてみてください。
<文中引用>Wikipedia