【なつぞら】57話の感想!貫地谷しほりの怒りは鏡の法則?/コラム
【なつぞら】57話の感想!貫地谷しほりの怒りは鏡の法則?/コラム
広瀬すず主演のNHK朝ドラ『なつぞら』第57話が2019年6月5日(水)に放送されました。
今回は【なつぞら】第57話の感想に代えて、貫地谷しほり(大沢麻子役)の怒りが鏡の法則ではないか、という考察をコラム形式で論じます。
【なつぞら】57話の感想
【なつぞら】第57話は、前回なつ(広瀬すず)が麻子(貫地谷しほり)に「目障り」と叱られてからの続きです。
何が目障りか、というと…
なつがオシャレして会社に来ているため、「結婚相手を探しに来ているならば邪魔だ」という意味。
要は、なつが誤解されたのです。
貫地谷しほりの怒りは鏡の法則だ!
なつが住んでいるおでん屋「風車」に戻っても、イライラがおさまらないなつ。
そんななつに、茂木社長(リリー・フランキー)がアドバイスをしました。
「(麻子は)自分が男からどう思われているか、キミを通して気にしてるだけだね」
これはまさに鏡の法則です。
ベストセラーの『鏡の法則』(著者:野口嘉則)という本もありますが、
【なつぞら】第57話に当てはめて簡単にいうと…
周りにいる人はあなたの写し鏡である、ということ。
つまり、麻子が自分の嫌な部分を鏡のように奥原なつの中に見たのです。
なお、「鏡の法則」自体は解決法を提示しています。
自分が認識したことが「現実」であるから、自分が変われば「現実」も変わる、という考え方があります。
許せない人がいたら、自分の中の許せない部分を許そうという意味です。
【なつぞら】57話にないノベライズの箇所
【なつぞら】57話本編を観ただけでは、あまり「鏡の法則」に至らないかもしれません。
夜。なつが絵を描いていたときの回想シーンは、北海道十勝のことばかり。
なぜ人は泣くのか…泰樹(草刈正雄)に「怒れ!」と言われた時などが浮かんできます。
しかしNHK出版のノベライズ「なつぞら(上)」(作:大森寿美男/ノベライズ:木俣冬、ココでは発行2019年3月31日初版を参照)を参照してみると浮かび上がるものがあります。
数行だけ引用すると…
「なんだよ、美人だからもてやはされてるだけのやつが。」と堀内に言われた麻子が思い浮かんだ。あの顔を白娘の顔になつは重ねて描いてみた。「そんなおしゃれにばかり気を遣って」、「それしか考えてないんでしょ?」と言ったときの麻子の顔も思い浮かべた。
「…人の顔って、おもしろい…」
なつは夢中になって、夕飯もそこそこに、朝方近くまで白娘の表情を描き続けた。
出典:「なつぞら(上)」P233
ノベライズでは、麻子が堀内に「美人」をバカにされていることを、なつは思い返していました。
57話本編よりも、ノベライズの方がより「鏡の法則」が生きる、つまり、茂木社長の言葉との繋がりも分かるように受け取れます。
麻子は「美人だけ」と揶揄(やゆ)されていたので、オシャレななつに怒ってしまったのです。
ドラマ本編の方だと、「悲しいとは何か」と自問自答していく様子がよく伝わります。
ただし、それだけでは、(繰り返しになりますが)茂木社長の人は鏡のように人を見ている(という趣旨)という発言が生きません。
つまりドラマはアニメーション「白蛇姫」の悲しみにスポットが、ノベライズは大沢麻子にスポットが当たっています。
本来ならば、両方を描いて、なつが絵を描いてくれれば一番よかったのですが…。
以上、今回は第57話の感想として、麻子(貫地谷しほり)の「鏡の法則」をノベライズとの相違点も合わせて指摘しました。
(文責=Jima)
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