【べらぼう】7話の感想!小芝風花が瀬川を襲名した理由とは?
横浜流星主演の大河ドラマ【べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~】7話が2月16日(日曜)に放送されました。
7話では小芝風花演じる花の井が五代目・瀬川を襲名しました。その理由とは?
本記事は【べらぼう】7話のストーリーと感想について紹介します!
【べらぼう】7話のあらすじネタバレ
【べらぼう】7話のあらすじネタバレです。
蔦重が倍売れる細見を作ると宣言
鱗形屋(片岡愛之助)が逮捕された。蔦重(横浜流星)は、鱗形屋の前で長谷川平蔵(中村隼人)からもらった粟餅を「ありがたくいただきやす!」と言い、食べる。
鶴屋裏の地本屋会所では本屋たちが集まっていた。鱗形屋が独占販売していた「吉原細見(=吉原のガイドブック)」を誰が出すかという話になる。西村屋(西村まさ彦)に決まりかけた時、蔦重が現れた。
鱗形屋で働いていた蔦重は、自分が鱗形屋に代わって版元となり、吉原細見を出していきたいという。
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確か版元の数を限るのは出す本の増えすぎによる共倒れを防ぐため 。
鱗形屋さんが持ち直すのは難しいでしょうし、なら俺が細見を出し、その仲間の末席に加えていただいても差し支えないのでは?
俺に任せてくれりゃ、倍売れる細見を作ってみせますぜ。そうすりゃ皆さんだって儲かる。悪い話じゃないでしょ?
蔦重のはなしを聞いた鶴屋(風間俊介)は、
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なるほど。ではまず見せていただきましょうか。その「倍売れる」という細見を。その上で本当に倍売れたら、その時は仲間に加わって頂くということでいかがでしょう?
蔦重が去ると、吉原者など入れたくない地本問屋たちは妨害する手立てを相談し始め、鶴屋は「蔦重の細見がさほど売れぬよう、自分たちで良い細見を出すという手もありますよ」と西村屋に伝える。
秘策1:価格を半値にする
駿河屋にて。蔦重は、女郎屋の主人たちに話をする。出資を頼まれた吉原の主人たちは、みな渋い顔だ。
蔦重は、自分が本屋になれれば吉原は自前の地本問屋を持つことになり、吉原の行事の摺物(すりもの)や入銀本も市中で売り込むことができると説明。蔦重のプレゼンに吉原の主人たちも乗り気になり、蔦重に投資をしてくれることに。
蔦屋にて。蔦重が鱗形屋の偽板に気づいていたのに何も言わなかった、だから自分が鱗形屋をはめたようなものだ、と義兄の次郎兵衛(中村蒼)と蕎麦屋の半次郎(六平直政)に打ち明ける。蔦重は「今の俺にできるのは、はめたに見合う良い細見を作ること」という。
蔦重は、 今の細見『花の源』よりいいものを制作費用を半分に抑えて半値で売るという。半値なら、単純計算で倍の冊数の本が店頭に並ぶ。
どうすればいいいのか、蔦重たちが調査のため吉原に出向く。
すると、振袖新造の大文字屋女郎・かをり(稲垣来泉)に後ろから抱きつかれ「男前ならタダってのは?」という。
かをりは「蔦重とわっちは前世からの縁」と熱い!
そこへ大文字屋の遣手・志げ(山村紅葉)がやってきて、かをりを大文字屋へと連れていく。
秘策2:薄くて持ち歩ける細見
蔦重が蔦屋に戻ると、うつせみ(小野花梨)に会いに来た小田新之助(井之脇 海)が待っていた。
細見『花の源』を持ちながら新之助は「もう少し薄くならぬものかと。この厚さでは懐に入れた時かさばるではないか。薄くなれば収まりが良くなり、これを片手に吉原を歩けるのではないかと」と意見を出す。
蔦重は「これだ!これだ!」とひらめいた。薄くて持ち歩ける細見にしたら、半値にも出来る…。
蔦重は、うつせみと会える分は支払うからと、細見づくりを新之介に手伝ってもらう。
- 細見をバラし、1枚ずつ床に広げる。
- これまでの細見をもとに、省くところを探す
- 本当の店ごとに、地図のように並べていく。
蔦重が売れた金で協力してくれた人たちを、吉原でもてなすと話す。新之助は「李白の『静夜思』のごとくだな、蔦重の吉原への思いは」と言う。
静夜思
床前看月光
疑是地上霜
挙頭望山月
低頭思故郷
牀前 月光を看る
疑うらくは是 地上の霜かと
頭を挙げて 山月を望み
頭を低れて 故鄕を思う
寝台の前で月の光を見る
地面に降りた霜のようだ
顔を挙げて山の上の月をながめ
頭を垂れて故郷を思う
李白が25歳で故郷を出て、長江流域を放浪しながら湖北省安陸の小寿山にいた頃の31歳の時の作。月光が、あたり一面にさしている静かな秋の夜、冷え冷えとした霜かと思った白い光をたどり、その山月を望んで故郷を偲んでいる様子です。
西村屋の参戦
その頃、西村屋は蔦重を妨害し、自ら吉原絡みの本を独占しようと考えていた。
鱗形屋を訪れた西村屋は、金5両を見せ細見の板木を譲るよう持ちかける。大金に心が揺れる鱗形屋の妻をよそに、次男の万次郎は「おとっつぁんでないと決められませんから」ときっぱり断る。
細見を出したい男がもう一人いると知った西村屋は、貧乏臭い細見『松の調べ』の版元・小泉忠五郎(芹澤興人)に目をつける。
そして忠五郎を細見改訂作業を受け持つ「改(あらため)」にする。
西村屋が、駿河屋の2階の座敷に挨拶に来た。
本来、忠五郎の細見は浅草界隈だけの摺物だったため、市中販売はできないはず。
蔦重がそれを指摘すると、西村屋は忠五郎の参加は例外的に認められたという。
西村屋は、蔦重の細見を買い入れた見世は『雛形若菜初模様』には掲載しねえと脅しをかけてきた。
蔦重の心意気
西村屋が去った後、蔦重は大文字屋(伊藤淳史)から「お前は版元にはなれない」という。
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あいつは吉原のことなんか何も考えてねえんですよ!
あいつの狙いは吉原の入銀です。入銀もんなら、てめえの懐は痛まねえ、なんなら手も銭も抜き放題。その本で吉原、盛り立てようとか、んな考え、毛筋ほどもねえ!ただ楽して儲けてえだけなんです。
けど考えてみてくださいよ、奴らに流れる金は、女郎が体を痛めて稼ぎ出した金じゃねえですか。それを何で追いはぎみたいな輩にやらなきゃなんねえんです?
女郎の血と涙がにじんだ金を預かるなら、その金で作る絵なら、本なら、細見なら、女郎に客が群がるようにしてやりてえじゃねえですか。そん中から客選ばせてやりてえじゃねえですか。
吉原の女はいい女だ、江戸で一番だってしてやりてえじゃねえですか!胸張らせてやりてえじゃねえですか!それが女の股で飯食ってる忘八のたった一つの心意気なんじゃねえですか。
そのためにはよそに任せちゃいけねえんです。吉原を大事に動く自前の本屋を持たなきゃいけねえ。今がその二度とこない折なんです。
蔦重の心意気に、主人たちも共に戦う気になってくれることに…
秘策3:情報の網羅
蔦重は、新之助&次郎兵衛と打ち合わせをする。西村屋の参加で、蔦重の細見は地本問屋では扱ってもらえない可能性がある。蔦重は「もっとネタを増やすか」と意気込む。
蔦重は大見世だけでなく小さな河岸見世の女郎屋にまで見て回る。吉原の女郎屋すべて掲載するため、毎日見て回った。細見を半値で買おうとするような男たちが行けるのは、安価な河岸見世だけだからだ。
秘策4:名跡襲名
松葉屋では花の井が歴代の細見を見て、どれも代わり映えしないという。
するといね(水野美紀)が「細見がバカ売れするのは名跡の襲名が決まった時さ。有名な名跡の襲名が決まった時の細見ってのはどれもこれも売れてやしなかったかい?」と思い出す。
松葉屋も「売れた!売れてたよ!あの子染衣が4代目の瀬川が名跡を継いだ時も!」と同意する。
花の井は、細見を九郎助稲荷に供えて手を合わせる蔦重のもとにやってきて紙切れを渡す。
そこには「花の井 改め 瀬川」の文字があった。
瀬川とは、20年以上空いている名跡。四代目が自害したことで不吉な名跡とされていたが、実は身請けされるのがイヤで男と心中したという経緯がある。花の井は、自分にはそんな不幸はありえない、わっちが豪気な身請けを決めて、「瀬川」をもう一度幸運の名跡に変えてみせると話す。
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吉原を何とかしたいと思ってんのはあんただけじゃない。だから礼には及ばない。けど…任せたぜ、蔦の重三!
『籬(まがき)の花』
鶴屋裏の地本屋会所には本屋が集まっている。当時の地本問屋は普通の買い付けの他に、自前の本を交換という形で仕入れ合う習慣があった。
西村屋と忠五郎の前には袋入りの『新吉原細見』があり、みんなが見本を手に取り、感心している。小川和紙を使った上品な仕立てで、土産や贈答などにも活用できそうだ。
そこに蔦重が入ってきて、細見『籬(まがき)の花』を見せる。
あまりの薄さに驚く本屋たち。
だが、その薄っぺらさにケチをつけ、「内容も薄いのではないか」と馬鹿にする 。
しかし、鶴屋がページをめくってみると、ぎっしりと名前が詰まった圧巻の「仲の町の地図」が掲載されていた。
蔦重が「河岸見世まで全て掲載している」と話すと、鶴屋の主人が驚きを隠しながらさらにページをめくる。すると「瀬川!?」と驚く。
蔦重はそこで「五代目瀬川の名跡襲名」という最新情報を伝える。西村屋の『新吉原細見』にはその情報が載っていなかった。しかも『籬の花』は従来の半値だ。
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この細見は巷のありふれた男たちに買ってもらいてえ。
その時に 四十八文か二十四文かは大きな違えだ
四十八文なら見送るけど、二十四文なら買うやつが必ずいる。
半値なら隣の親父の分まで買うやつもいましょう。
しかもこれは世に聞こえた名跡・瀬川の名が載る祝儀の細見!
どうでしょう
俺の細見は倍売れませんかねえ?
蔦重が鶴屋を見つめながら問いかける。
「売れるかもしれません」と笑う鶴屋。
地本問屋たちは西村屋に謝りながらも『籬の花』を大量に仕入れる。
その頃、鱗形屋では薄闇の中、次男・万次郎が書の稽古をしていた。
戸の開く音に振り返ると、須原屋主人に支えられて立つ父の姿が…。
(つづく)
【べらぼう】7話の感想&解説
小芝風花が瀬川を襲名した理由とは?
小芝風花演じる花の井が「瀬川」を襲名した理由とは、蔦重の細見が売れてほしいから。つまり蔦重のためです。
花の井は「吉原を何とかしたいと思ってんのはあんただけじゃない」と言っていたので、吉原のためでもあるのでしょうが…。
蔦重への愛…以外の何ものでもないですよね?
SNSでも多くの反響が寄せられています↓
#大河べらぼう 第7回は、花の井の“五代目瀬川襲名”回でした
— さわつむ(SA) (@SA3007497) February 16, 2025
“瀬川”は、四代目が自害したことで、不吉で名乗る者はいないとされていた名跡だったんですね😢
松葉屋主人への「あい」という返答が健気
蔦重は気付いていないが、花の井が瀬川を背負う決断をしたのは、蔦重を想えばこそだった🥹#小芝風花 https://t.co/1KKWhyZ5Xk pic.twitter.com/elc56UbF2k
花の井が、四代目瀬川の純愛ゆえの自殺を「そんな不吉はわっちの性分じゃ起こりそうもない」とうそぶくのは、蔦重の重荷になりたくない心遣いと想い人(蔦重)が振り向かないと思うから。
— 青江 (@sinkontora0919) February 16, 2025
いずれ蔦重が花の井への想いを自覚し、四代目瀬川と同じ状況が起きるか。辛い選択が二人を待つか。#大河べらぼう pic.twitter.com/BGzYcgSfBE
#大河べらぼう
— 綿鍋和智子 (@MeFuchsia) February 16, 2025
「瀬川は不吉な名跡」であり、実際四代目瀬川が哀しい結末を迎えているので花の井花魁改め五代目瀬川もとても心配になってきました……でも蔦重の細見が流行るためにね……襲名したんだよね……それは瀬川さんから蔦重への愛だよ……
瀬川を襲名する花の井、あれって惚れた相手に対する女子の健気ながんばりでしかないやつでしょう…!鈍感な相手にはその真意が伝わらない切ない系のさ…「礼には及ばないけど」で胸がキュッとじんわり泣いてしまった自分メンタル大丈夫か…とりあえず生まれ変わったら風花フェイス希望。#大河べらぼう
— マモぼん (@mamobon0612) February 17, 2025
【べらぼう】7話の出演者&スタッフ
【出演】横浜流星,小芝風花,中村隼人,井之脇海,かたせ梨乃,風間俊介,西村まさ彦,片岡愛之助,高橋克実,里見浩太朗,尾美としのり,飯島直子,水野美紀,山村紅葉,安達祐実,中村蒼,正名僕蔵 ほか
【作】森下佳子 【音楽】ジョン・グラム